JP2002363789A - 電磁波シールド特性に優れたNiめっき鋼板 - Google Patents

電磁波シールド特性に優れたNiめっき鋼板

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JP2002363789A
JP2002363789A JP2001178135A JP2001178135A JP2002363789A JP 2002363789 A JP2002363789 A JP 2002363789A JP 2001178135 A JP2001178135 A JP 2001178135A JP 2001178135 A JP2001178135 A JP 2001178135A JP 2002363789 A JP2002363789 A JP 2002363789A
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Keiji Izumi
圭二 和泉
Hiroshi Tanaka
宏 田中
Eiji Watanabe
栄次 渡辺
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄い金属板であっても優れた電磁波シールド
特性を有するめっき鋼板を提供することを目的とする。 【構成】 鋼板表面にNiめっきする際、X線回折試験
において検出されるNiピーク強度の合計に対する(1
11)面強度の比が0.4以上であるNiめっき層を形
成する。(111)面強度比が0.4以上であるNiめ
っき層を得るためには、めっき浴のpHを高くするか、
電流密度を小さくして電気めっきすることが好ましい。 【効果】 原子密度の高い(111)面をNiめっき層
の表層に出すことにより電磁波の反射率を高め、電磁波
シールド特性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁波シールド特性が
要求される部位に用いられる電磁波シールド特性に優れ
たNiめっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報、OA、通信、家電等の広い
分野で用いられている電気・電子機器類における電磁波
障害の問題が顕在化している。この背景としては、激増
する電気・電子機器類から発生する不要な電磁波が著し
く増加しており、一方でこれらの機器自身が外部からの
電磁波に敏感に反応するようになってきており、誤動作
を生じやすくなっている。これに伴って規制も強化され
つつあり、電磁波シールドに関する規制対象周波数は、
例えばFCC(米国連邦通信委員会)では、10kHz
〜1GHzとしている。
【0003】最近の電気・電子機器のハウジングはプラ
スチック化が主流であり、その絶縁性は電子機器として
最適である反面、電磁波に対しては何らシールド効果を
有していない。そこで、プラスチックのハウジング成型
材料に伝導性フィラーを混入させたものや、プラスチッ
ク表面に導電性塗料をコーティングしたもの、金属箔を
貼り付けたもの、めっきや蒸着、金属溶射等で金属皮膜
を形成したもの等が用いられている。これらプラスチッ
クを使用する利点としては、金属に比べ軽量化が容易で
あることが挙げられている。しかしながら、プラスチッ
クでは電磁波シールドが不十分な場合があり、金属が使
用されることも多い。
【0004】また、実際の電気・電子機器のハウジング
には冷却口、スイッチ等の孔、ハウジングを構成する部
材の接合部の不連続部が存在し、ハウジングとしての電
磁波シールド性がこれらの不連続部によって決定されて
いる。この対策のため、不連続部に金属箔を貼ったり、
孔の位置を電磁波の出入りに影響しない部位にする等の
試みがなされているが、材料の改良で対応しようとする
試みは少ない。例えば、特開平1−148541号公報
では、鋼板上にめっきを施したものを用いる場合であっ
ても、下地鋼板の厚さを厚くすることで、電磁波シール
ド効果を確保している。また、電磁波シールド特性に優
れた金属種としては、Ni,Cu等が知られており、そ
れらを下地鋼板上にめっきした場合も、良好な電磁波シ
ールド特性が得られることがわかっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、プラスチック
に金属箔を張り付けた場合、金属箔は薄く、しかも破れ
易いので、十分な電磁波シールド効果が得られない。ま
た金属材料を使用して十分な電磁波シールド効果を得る
ためには、板厚を厚くする必要があり、軽量化が求めら
れる部位には適用し難い。さらに、Ni、Cu等を下地
鋼板上にめっきしたものにあっても、優れた電磁波シー
ルド特性を発揮させるには、めっき層厚を厚くしたり、
複層めっきする必要があって、コスト的に高価なものと
なっている。本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、薄いNiめっき鋼板であっても、
Niめっき層の面配向を制御することにより、電磁波シ
ールド特性をいっそう向上させたNiめっき鋼板を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁波シールド
特性に優れたNiめっき鋼板は、その目的を達成するた
め、X線回折試験において検出されるNiピーク強度の
合計に対する(111)面強度の比が0.4以上である
ことを特徴とする。
【0007】
【作用】電磁波は電界成分および磁界成分から構成さ
れ、そのどちらかをシールドすることで、電磁波自身の
シールドが可能になる。一般に、電界成分に関しては導
電性が大きい金属ほどシールド性に優れ、磁界成分に関
しては、透磁率が高い金属ほどシールド性に優れるとい
われている。Niは、透磁率が高く、導電性も有してい
る。このNiを鋼板上にめっきしたものは、めっきしな
いものに比べて良好な電磁波シールド特性を示している
ことは前記した通りである。
【0008】本発明は、このNiめっきを行う際に、そ
のNiめっきの結晶面配向を一定にすることにより、よ
り良好な電磁波シールド特性が得られること見出したも
のである。すなわち、X線回折法において得られるNi
ピーク強度の合計に対する、(111)面強度の比が大
きいほど電磁波シールド特性は良好となる。このNiめ
っきにおける(111)面は、垂直方向からみた場合、
他の面に比べて最も原子密度が大きくなっている配向面
であり、それにより、めっき面に到達した電磁波はめっ
き層中に侵入することなく、反射される率が大きくなる
と考えられる。実際に電磁波シールド特性に優れたNi
めっき鋼板にするためには、X線回折法において得られ
るNiピーク強度の合計に対する、(111)面強度の
比を0.4以上にする必要がある。それに満たない場
合、Niめっきの効果が小さく、電磁波シールド用材料
としての特性を得ることができない。
【0009】めっき時のめっき浴pHおよび電流密度と
Niめっき層の(111)面強度比の関係を知るために
行った実験結果を図1および2に示す。上記結果から、
X線回折法において得られるNiピーク強度の合計に対
する、(111)面強度の比を大きくする方法として
は、Ni電気めっき時のめっき浴のpHを大きくする
か、もしくは電気めっき時の電流密度を小さくすること
が有効である。電磁波シールド特性を良好にする(11
1)面強度比が0.4以上のNiめっき層を得るために
は、例えば、pHが3.5〜4.2の範囲では電流密度
は25A/dm2までの広い範囲で設定できるが、pH
を3に下げると使用できる電流密度は18A/dm2
での範囲に狭くする必要があり、さらにpHを2.5ま
で下げると使用できる電流密度は13A/dm2までの
範囲に狭くする必要がある。pH2未満では、所望の面
強度を有するNiめっき層はほとんど得られない。
【0010】めっき液種としては、特に限定されない
が、より高い電磁波シールド特性を得たい場合には、高
いpHで安定にNi電気めっきを行うことが可能な、ワ
ット浴を用いることが好ましい。1層当たりのめっき層
厚が厚いほど電磁波シールド特性は良くなる。あまり薄
いと、ピンホール等のめっき欠陥のためめっき自身の電
磁波シールド性が悪く、全体の電磁波シールド性が劣化
してしまうため、めっき層厚は少なくとも0.2μm以
上にすることが好ましい。めっき層厚が厚いほど電磁波
シールド性は上昇するが、生産性等の経済的な観点から
合計膜厚で15μm以下にすることが好ましい。
【0011】下地鋼板としてはごく普通の冷延鋼板で十
分である。下地鋼板の組成が電磁波シールド特性に与え
る影響はほとんどなく、使用目的・態様に応じた加工性
等を有する成分にしたもので十分である。板厚も制限は
なく、むしろ電気・電子機器のハウジング用として軽量
化を求めるのであれば、0.3mm程度の薄いものでも
十分である。
【0012】
【実施例】厚さ0.3mmの下地鋼板上に、電気めっき
法によりめっき条件を変えてNiめっきを施した。めっ
き膜厚は一定の3μmに統一した。Niめっきの条件は
表1に示す通りである。X線回折法で測定した(11
1)面強度比、めっき条件および電磁波シールド特性を
実施例、比較例とともに表2に示す。なお、電磁波シー
ルド特性はKEC法(関西電子振興センター法)で測定
した。
【0013】
【0014】
【0015】一般的に、電磁波シールド性能は60dB
以上である程度のシールド性能を有するとされており、
さらに、90dBを超えると最高水準の電磁波シールド
性能を有するとされている。表2の結果からわかるよう
に、下地鋼板のままのものに比べ、Niめっきをするこ
とにより電磁波シールド効果があがり、さらにめっき層
の(111)面強度比を0.4以上にすることによっ
て、広い周波数範囲にわたって優れた電磁波シールド特
性を発揮することがわかる。めっき浴のpHが同じ場合
は、電流密度が小さいほどめっき層の(111)面強度
比が大きいものが得られる。また、電流密度が同じ場合
は、めっき浴のpHが大きいほど(111)面強度比が
大きいNiめっき層が得られることもわかる。
【0016】
【発明の効果】以上に説明したように、鋼板表面にNi
めっきする際、X線回折試験において検出されるNiの
(111)面強度比が0.4以上であるNiめっき層を
形成することにより、電磁波の反射率を向上させ、板厚
が薄くても、電磁波シールド特性の優れためっき鋼板を
得ることができる。したがって、電磁波ノイズを発生し
やすい、あるいは電磁波ノズルの影響を受けてはならな
い電気・電子機器のハウジング材として軽量な電磁波シ
ールド材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 めっき浴のpHがNiめっき層の(111)
面強度比に及ぼす影響を示したグラフ
【図2】 めっき時の電流密度がNiめっき層の(11
1)面強度比に及ぼす影響を示したグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 栄次 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K024 AA03 AB01 AB19 BA03 BB18 BC01 GA16 5E321 BB23 GG05

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にNiがめっきされた鋼板であっ
    て、X線回折試験において検出されるNiピーク強度の
    合計に対する(111)面強度の比が0.4以上である
    ことを特徴とする電磁波シールド特性に優れたNiめっ
    き鋼板。
JP2001178135A 2001-06-13 2001-06-13 電磁波シールド特性に優れたNiめっき鋼板 Withdrawn JP2002363789A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013110363A (ja) * 2011-11-24 2013-06-06 Tdk Corp セラミック電子部品
CN103917684A (zh) * 2012-04-19 2014-07-09 新日铁住金株式会社 钢箔及其制造方法

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