JP2002363579A - 安定化されたガスハイドレート、ガスハイドレート安定化方法および装置 - Google Patents

安定化されたガスハイドレート、ガスハイドレート安定化方法および装置

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JP2002363579A
JP2002363579A JP2001165188A JP2001165188A JP2002363579A JP 2002363579 A JP2002363579 A JP 2002363579A JP 2001165188 A JP2001165188 A JP 2001165188A JP 2001165188 A JP2001165188 A JP 2001165188A JP 2002363579 A JP2002363579 A JP 2002363579A
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gas hydrate
gas
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JP2001165188A
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English (en)
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Kazuo Koda
和郎 幸田
Hiroyuki Ida
博之 井田
Takao Ebinuma
孝郎 海老沼
Tsutomu Uchida
努 内田
Jiro Nagao
二郎 長尾
Satoshi Takeya
敏 竹谷
Hideo Narita
英夫 成田
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JFE Engineering Corp
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 氷の割合を増加せることなく安定化されたガ
スハイドレートを得る。また、氷の割合を増加せること
なく氷点下のできるだけ高い温度条件でも解離を抑制で
きるようにするガスハイドレートの安定化方法及び装置
を得る。 【解決手段】 ガスハイドレートの周囲を固体微粒子を
含んだ氷の殻で覆われてなる安定化されたガスハイドレ
ート。原料水と原料ガスとを反応させてガスハイドレー
トを生成するガスハイドレート生成工程と、生成された
ガスハイドレートを原料水、未反応ガスから分離する分
離脱水工程と、分離脱水されたガスハイドレートの周囲
の水分を凍結させる凍結工程とを有し、前記分離脱水工
程よりも前の段階で原料水中に固体微粒子を供給する固
体微粒子供給工程を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば天然ガスな
どの原料ガスと水とを反応させて生成されるガスハイド
レートに関し、特に氷点下のできるだけ高い温度条件で
も解離を抑制できる安定化されたガスハイドレートに関
する。また、氷点下のできるだけ高い温度条件でも解離
を抑制できるようにするガスハイドレートの安定化方法
及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスハイドレートは、水分子が構成する
籠状構造の内部に天然ガス、二酸化炭素などの気体分子
を高濃度に包蔵する氷状の物質である。ガスハイドレー
トは、単位体積当たり多量の気体を包蔵でき、しかも液
化天然ガスに比較すると高温低圧下の条件で貯蔵・輸送
できることから、天然ガス等の輸送、貯蔵への応用が注
目されている。
【0003】ガスハイドレートは、平衡曲線で示される
温度以下、および圧力以上においては解離せず、例えば
純粋なメタンガスハイドレートは大気圧下において約−
78℃以下で安定的である。しかも、大気圧下において
−78℃以上であっても、氷点下の温度で氷の中にメタ
ンガスハイドレートを分散させると、氷が一種の圧力容
器の役割を果たし、その解離を抑制できることが知られ
ている。(自己保存効果)
【0004】そこで従来はこの自己保存効果に着目して
これを積極的に利用すべく、氷点下以上でガスハイドレ
ートを生成し、未反応水を脱水した後に残る少量の水と
共にガスハイドレートを氷点下まで冷却してガスハイド
レートを氷で覆うことでガスハイドレートの安定化を図
る方法が提案されている。(Gudmundsson,J.,Borrehau
g,A.,Ind.Eng.Chem.Res.,pp415-422,1996)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術で安
定化したガスハイドレートは、大気圧において−15℃
〜−10℃で貯蔵可能と言われているが、安定性をさら
に向上させて氷点下のより高い温度でも安定的であるよ
うにするには、氷の割合を増加させる必要がある。しか
し、氷を増加させる方法ではガスハイドレートと氷の混
合物全体に占めるガスの割合が減少し、輸送、貯蔵効率
が低下するという問題がある。
【0006】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたものであり、氷の割合を増加させることなく安定
化されたガスハイドレートを得ることを目的としてい
る。また、氷の割合を増加させることなく氷点下のでき
るだけ高い温度条件でも解離を抑制できるようにするガ
スハイドレートの安定化方法及び装置を得ることを目的
としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る安定化され
たガスハイドレートは、ガスハイドレートの周囲を固体
微粒子を含んだ氷の殻で覆われてなることを特徴とする
ものである。
【0008】また、本発明に係るガスハイドレート安定
化方法は、原料水と原料ガスとを反応させてガスハイド
レートを生成するガスハイドレート生成工程と、生成さ
れたガスハイドレートを原料水、未反応ガスから分離す
る分離脱水工程と、分離脱水されたガスハイドレートの
周囲の水分を凍結させる凍結工程とを有し、前記分離脱
水工程よりも前の段階で原料水中に固体微粒子を供給す
る固体微粒子供給工程を備えたものである。
【0009】また、固体微粒子供給工程は、固体微粒子
を予め原料水でスラリ状にして原料水に供給するように
したことを特徴とするものである。
【0010】また、本発明に係るガスハイドレート安定
化装置は、原料水と原料ガスとを反応させてガスハイド
レートを生成するガスハイドレート生成装置と、生成さ
れたガスハイドレートを原料水、未反応ガスから分離す
る分離脱水装置と、分離脱水されたガスハイドレートの
周囲の水分を凍結させる凍結装置とを有し、前記分離脱
水工程よりも前の段階で原料水中に固体微粒子を供給す
る固体微粒子供給装置とを備えたものである。
【0011】また、固体微粒子供給装置は、固体微粒子
を原料水でスラリ状にして原料水供給ラインに供給する
ものである。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態のガ
スハイドレートの製造及び安定化装置を含むガスハイド
レートの製造から輸送に至る装置の説明図である。以
下、図1に基づいて各装置構成及び安定化方法を、原料
ガスとして天然ガスを用いた場合を例に挙げて説明す
る。天然ガスは、重質成分分離冷却装置1によって1〜
10℃に冷却され、重質成分がコンデンセートとして分
離され、さらにガス昇圧機3によって所定の圧力に昇圧
されてガスハイドレート生成装置5に供給される。
【0013】一方、原料水も冷却装置7によって1〜1
0℃に冷却され、ポンプ8によってガスハイドレート生
成装置5に供給される。原料水供給ライン9には、固体
微粒子供給装置11が接続され、原料水に例えば活性炭
の粉からなる固体微粒子が供給できるようになってい
る。固体微粒子供給装置11は、攪拌槽13と、攪拌槽
13に原料水を供給する原料水供給装置15と、攪拌槽
13に固体微粒子14の粉を供給する粉体供給装置17
とを備えており、攪拌槽13でこれらを攪拌してスラリ
状にして、スラリポンプ19によって原料水供給ライン
9に供給するようになっている。
【0014】ガスハイドレート生成装置5においては、
原料水に天然ガスが溶解され、それが例えば1〜10
℃、50気圧の状態で反応してスラリー状のガスハイド
レートが生成される。生成されたガスハイドレートは分
離脱水装置21に送られ、分離脱水装置21によって高
濃度スラリーまたは固体状ガスハイドレート、未反応ガ
ス、原料水に分離される。分離脱水装置21の例として
は、デカンター、サイクロン、遠心分離器、ベルトプレ
ス、スクリュー濃縮・脱水機、回転ドライヤー等が考え
られる。
【0015】分離された原料水はポンプ10によって再
びにガスハイドレート生成装置5に供給され、また未反
応の原料ガスはガス昇圧機4によって所定の圧力に昇圧
されてガスハイドレート生成装置5に供給される。な
お、分離脱水装置21においては、分離脱水装置21内
の水位がレベル計23で検知され、この検知信号に基づ
いてバルブ24を制御して装置内の水位が一定レベル以
上になるように調整している。これは、原料ガスが原料
水戻しラインに流入しないように、原料水に封水効果を
もたせるためである。また、分離脱水装置21に対して
は、ガス昇圧機3によって昇圧された原料ガスを直接分
離脱水装置21に供給しているが、これは分離脱水装置
21内の圧力を一定以上に保つためである。
【0016】生成されたガスハイドレートは分離器から
取り出され、凍結処理装置25に送られる。凍結処理装
置25の具体例としては、圧力容器に冷却した天然ガス
を循環させて内容物を冷却処理するようなものがある。
凍結処理装置25に入れられたガスハイドレートは−1
5℃程度の温度で凍結処理され、ガスハイドレートの表
面に付着した水分が凍結して氷の殻を作ることにより、
ガスハイドレートの安定化が図られる。
【0017】このとき、原料水に固体微粒子が添加され
ているので、図2に示すように、氷の殻28は固体微粒
子14を含んだものになる。このため、氷の強度が増
し、固体微粒子14が添加されていないものに比較する
と、氷点下のより高い温度でも安定化することになる。
すなわち、温度が上昇するとガスハイドレートの物性値
としての解離圧力も上昇するが、固体微粒子を含んで強
度が増した氷殻で覆われているので、より高い温度まで
解離せず、安定して存在することができる。
【0018】凍結処理装置25にて安定化されたガスハ
イドレートは、減圧装置27に送られて、大気圧に減圧
処理される。その後、成形装置29に送られて、塊状、
粉状、粒状、ブロック状等に成形処理される。成形処理
されたガスハイドレートはサイロ等の貯蔵設備31で貯
蔵され、要求に応じてベルトコンベア等の積み出し設備
33で積み出し処理され、輸送船等の輸送装置35で長
距離輸送に供される。
【0019】以上がガスハイドレート生成から輸送に至
る工程の説明であるが、本実施の形態においては、特
に、ガスハイドレートの分離脱水処理の前の段階で、原
料水に固体微粒子を添加することにより、凍結処理工程
で作られる氷の殻が固体微粒子を含むようにすることで
氷の強度を増し、ガスハイドレートの安定化を図ったこ
とに特徴がある。また、固体微粒子を原料水に添加する
のに、固体微粒子を原料水でスラリ状にして原料水ライ
ンに供給するようにしたので、固体微粒子が原料水に均
等に混じり合うことができ、氷の殻の強度の均一化が図
られ、安定化に優れる。
【0020】なお、上記の実施の形態においては、固体
微粒子をガスハイドレート生成装置5に供給される原料
水に供給するようにした例を示したが、本発明はこれに
限られるものではなく、要は、分離脱水処理される前の
段階で、原料水に固体微粒子が混じるようにすればよ
い。したがって、例えばガスハイドレート生成装置5に
供給される天然ガスの供給ラインに固体微粒子を吹き込
むようにしてもよいし、あるいはガスハイドレート生成
装置5内に固体微粒子を供給するようにしてもよい。
【0021】また、上記の実施の形態においては、固体
微粒子の例として活性炭の粉を例に挙げたが、氷に混じ
ることで氷の強度を増すものであれば他の種類のもので
あってもよい。ただ、粒径は200μm以下が好まし
い。また、上記の実施の形態においては、原料ガスとし
てメタンガスを主成分とする天然ガスについて説明した
が、その他の例として、エタン、プロパン、ブタン、ク
リプトン、キセノン、二酸化炭素等がある。
【0022】なお、図1の説明において特に述べなかっ
たが、各構成機器は図中矢印を付した実線で示した配管
によって連結され、要所には圧力検出器37が設置さ
れ、この圧力検出器37の信号によって配管ラインに設
置された各バルブ39が制御され、当該配管ラインの圧
力、流量が調整されるように構成されている。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、ガスハイドレートの周囲を固体微粒子を含んだ氷の
殻で覆うようにしたので、氷の割合を増加させることな
く水和物の安定性を向上でき、ガス含有量を減少させる
ことなく、より高い氷点下の温度での輸送、貯蔵が可能
となり、経済性向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態の装置構成の説明図で
ある。
【図2】 本発明の一実施の形態の安定化されたガスハ
イドレートの説明図である。
【符号の説明】
5 ガスハイドレート生成装置 7 冷却装置 9 原料水供給ライン 11 固体微粒子供給装置 13 攪拌槽 15 原料水供給装置 17 粉体供給装置 19 スラリポンプ 21 分離脱水装置 25 凍結処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 9/04 C07C 9/06 9/06 9/08 9/08 9/10 9/10 C10L 3/00 A (72)発明者 井田 博之 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 海老沼 孝郎 札幌市豊平区月寒東2条17丁目2番1号 独立行政法人産業技術総合研究所北海道セ ンター内 (72)発明者 内田 努 札幌市豊平区月寒東2条17丁目2番1号 独立行政法人産業技術総合研究所北海道セ ンター内 (72)発明者 長尾 二郎 札幌市豊平区月寒東2条17丁目2番1号 独立行政法人産業技術総合研究所北海道セ ンター内 (72)発明者 竹谷 敏 札幌市豊平区月寒東2条17丁目2番1号 独立行政法人産業技術総合研究所北海道セ ンター内 (72)発明者 成田 英夫 札幌市豊平区月寒東2条17丁目2番1号 独立行政法人産業技術総合研究所北海道セ ンター内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC93 AD33 BD10 BD60 BD84

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスハイドレートの周囲を固体微粒子を
    含んだ氷の殻で覆われてなることを特徴とする安定化さ
    れたガスハイドレート。
  2. 【請求項2】 原料水と原料ガスとを反応させてガスハ
    イドレートを生成するガスハイドレート生成工程と、生
    成されたガスハイドレートを原料水、未反応ガスから分
    離する分離脱水工程と、分離脱水されたガスハイドレー
    トの周囲の水分を凍結させる凍結工程とを有し、前記分
    離脱水工程よりも前の段階で原料水中に固体微粒子を供
    給する固体微粒子供給工程を備えたことを特徴とするガ
    スハイドレート安定化方法。
  3. 【請求項3】 固体微粒子供給工程は、固体微粒子を予
    め原料水でスラリ状にして原料水に供給するようにした
    ことを特徴とする請求項2記載のガスハイドレート安定
    化方法。
  4. 【請求項4】 原料水と原料ガスとを反応させてガスハ
    イドレートを生成するガスハイドレート生成装置と、生
    成されたガスハイドレートを原料水、未反応ガスから分
    離する分離脱水装置と、分離脱水されたガスハイドレー
    トの周囲の水分を凍結させる凍結装置とを有し、前記分
    離脱水工程よりも前の段階で原料水中に固体微粒子を供
    給する固体微粒子供給装置とを備えたことを特徴とする
    ガスハイドレート安定化装置。
  5. 【請求項5】 固体微粒子供給装置は、固体微粒子を原
    料水でスラリ状にして原料水供給ラインに供給するもの
    であることを特徴とする請求項4記載のガスハイドレー
    ト安定化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005263825A (ja) * 2004-03-16 2005-09-29 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd ガスハイドレート製造方法および製造装置
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