JP2002363388A - 成形部材 - Google Patents

成形部材

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JP2002363388A JP2001168393A JP2001168393A JP2002363388A JP 2002363388 A JP2002363388 A JP 2002363388A JP 2001168393 A JP2001168393 A JP 2001168393A JP 2001168393 A JP2001168393 A JP 2001168393A JP 2002363388 A JP2002363388 A JP 2002363388A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可塑性結晶性エステル系樹脂と熱可塑性非晶
性エステル系樹脂をアロイ化した成形部材において、耐
屈曲性や耐薬品性及び成形寸法安定性に優れ、物性の成
形条件依存性が低く、熱的に安定で、取り扱い性、成形
作業性に優れた成形部材を提供する。 【解決手段】 成分A;熱可塑性結晶性エステル系樹
脂、成分B;熱可塑性非晶性エステル系樹脂、成分C;
Ti系化合物及び成分D;Mg系化合物を、成分A/成
分Bの重量比が1/99〜99/1、成分A〜Dの合計
に対するTi元素濃度及びMg元素濃度の比Mg/Ti
が0.3〜4.0となる配合割合で加熱混合し、成形し
てなる成形部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形性、寸法精
度、耐屈曲性及び引張破断伸びなどの物性に優れた成形
部材に関する。詳しくは、OA機器の構成部品,機能部
材、自動車の外装部品及び内装材、家電機器の構成部材
等の用途、とりわけ電子写真式複写機、レーザービーム
プリンター、ファクシミリ機等の画像形成装置に利用さ
れる中間転写ベルト、搬送転写ベルト、感光体ベルト等
のエンドレス(無端)ベルト用途に好適な成形部材に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来からOA機器の構成部品,機能部
材、自動車の外装部品,内装材、家電機器の構成部材な
どには各種熱可塑性樹脂が用いられてきた。
【0003】これら熱可塑性樹脂の要求性能としては、
弾性率が高く、耐屈曲性及び耐薬品性に優れ、寸法精度
が高く、また、用途によっては透明であることなどが挙
げられる。
【0004】また、一般的な知見として、熱可塑性樹脂
は熱可塑性結晶性樹脂と熱可塑性非晶性樹脂に大別で
き、熱可塑性結晶性樹脂は耐屈曲性や耐薬品性に優れる
が成形収縮率が大きいので寸法安定性が悪く透明性を有
さず、逆に熱可塑性非晶性樹脂は成形寸法安定性及び透
明性に優れるが耐屈曲性が悪く耐薬品性が劣るなどの問
題点を有しているとされてきた。
【0005】しかしながら、多くの場合、成形部材に
は、耐屈曲性や耐薬品性及び成形寸法安定性等の全てに
優れることが要求されている。
【0006】これらの要求を満たすために、これまで熱
可塑性結晶性樹脂と熱可塑性非晶性樹脂とのアロイ化に
よる物性改良の検討が種々なされ、一定の成果があげら
れてきた。
【0007】これらの研究では、例えば熱可塑性エステ
ル系樹脂の分野においてはエステル交換反応(共重合
化)を促進させることで結晶性エステル系樹脂と非晶性
エステル系樹脂を微分散化できることが報告されてい
る。しかしながら、これまでの技術では、エステル交換
(共重合化)を促進させると、耐加水分解性、熱安定
性、色調等において不具合が生じる。
【0008】このため、エステル交換反応の促進による
両樹脂の微分散化は、実用化には至っておらず、実際に
は、エステル交換反応を抑制することにより、物性低下
を防いだ成形部材が実用品として用いられているのが現
状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題点を解決し、熱可塑性結晶性エステル系樹脂と熱可塑
性非晶性エステル系樹脂をアロイ化した成形部材におい
て、耐屈曲性や耐薬品性及び成形寸法安定性に優れ、物
性の成形条件依存性が低く、熱的に安定で、取り扱い
性、成形作業性に優れた成形部材を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の成形部材は、成
分A;熱可塑性結晶性エステル系樹脂、成分B;熱可塑
性非晶性エステル系樹脂、成分C;チタン系化合物、及
び成分D;マグネシウム系化合物を加熱混合した後、成
形してなる成形部材において、成分A〜Dを成分Aと成
分Bの重量比A/Bが1/99〜99/1であり、成分
A〜Dの合計に対するTi元素濃度とMg元素濃度の比
Mg/Tiが0.3〜4.0となる配合割合で混合した
ことを特徴とする。
【0011】即ち、本発明者らは上記目的を達成すべく
鋭意検討した結果、熱可塑性結晶性エステル系樹脂と熱
可塑性非晶性エステル系樹脂との共重合化及び高分子量
化のための触媒としてMg(マグネシウム)系化合物と
Ti(チタン)系化合物を所定の割合で配合して加熱混
練させると、成形条件に影響を受けることなく、エステ
ル交換反応による共重合化及び高分子量化がなされた樹
脂組成物を安定に得ることができ、従来のエステル交換
反応を抑制させた手法で得られる樹脂組成物よりも、耐
屈曲性、耐加水分解性、熱安定性、色調等に優れた成形
部材が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0012】本発明において、成分Aの熱可塑性結晶性
エステル系樹脂としてはPAT(ポリアルキレンテレフ
タレート)が好ましく、成分Bの熱可塑性非晶性エステ
ル系樹脂としてはPC(ポリカーボネート)又はPAr
(ポリアリレート)が好ましい。
【0013】また、本発明の成形部材は、更に導電性物
質、好ましくはカーボンブラックを1〜50重量%含有
することが好ましい。
【0014】本発明の成形部材は、特に電子写真式複写
機、レーザービームプリンター、ファクシミリ機等の画
像形成装置に利用される中間転写ベルト、搬送転写ベル
ト、感光体ベルト等のエンドレスベルトとして好適であ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の成形部材について詳
細に説明する。
【0016】まず、本発明における各配合成分及びその
配合割合等について説明する。
【0017】(成分A;熱可塑性結晶性エステル系樹
脂)本発明に用いる熱可塑性結晶性エステル系樹脂とし
ては特に制限はなく、熱可塑性樹脂で主鎖又は側鎖にエ
ステル骨格を有し、結晶性を有するものであれば良く、
汎用の樹脂を用いることができる。なお、本発明で用い
る熱可塑性結晶性エステル系樹脂とは、結晶化度が10
%以上100%以下であるものを指す。
【0018】熱可塑性結晶性エステル系樹脂としては、
具体的にはPAT(ポリアルキレンテレフタレート)が
好ましく、なかでもPBT(ポリブチレンテレフタレー
ト)やPET(ポリエチレンテレフタレート)やPEN
(ポリエチレンナフタレート)はより好ましい。PBT
は結晶化速度が速いので成形条件による結晶化度の変化
が少なく、一般に30%前後と結晶化度が安定している
ので特に好ましい。
【0019】また、本発明に用いる熱可塑性結晶性エス
テル系樹脂には、本発明の効果を著しく損なわない範囲
で共重合成分を導入することもできる。具体的な例とし
てエステル結合を主鎖とし、ポリメチレングリコールな
どのエステル結合を導入したものなどを挙げることがで
きる。
【0020】本発明に用いる熱可塑性結晶性エステル系
樹脂の分子量に特に制限はなく、例えば、重量平均分子
量10,000〜100,000程度の一般的な分子量
の樹脂を用いることができるが、引張破断伸びなどの機
械物性の高い要求がある場合には高分子量のものが好ま
しい。この場合の分子量は20,000以上が好まし
く、25,000以上であれば更に好ましく、30,0
00以上であれば特に好ましい。
【0021】熱可塑性結晶性エステル系樹脂は1種を単
独で用いても2種以上を混合して用いても良い。
【0022】(成分B;熱可塑性非晶性エステル系樹
脂)本発明に用いる熱可塑性非晶性エステル系樹脂とし
ては特に制限はなく、熱可塑性樹脂で主鎖又は側鎖にエ
ステル骨格を有し、非晶性のものであれば良く、汎用の
樹脂を用いることができる。なお、本発明で用いる熱可
塑性非晶性エステル系樹脂とは、結晶化度が10%未満
であるものを指す。
【0023】熱可塑性非晶性エステル系樹脂としては、
具体的にはPC(ポリカーボネート)やPAr(ポリア
リレート)などのポリエステルやPMMA(ポリメチル
メタクリレート)などの側鎖にエステル結合を有する樹
脂が好ましく、なかでもポリエステルが好ましく、特に
PCを好適に用いることができる。
【0024】また、本発明に用いる熱可塑性非晶性エス
テル系樹脂には、本発明の効果を著しく損なわない範囲
で共重合成分を導入することができる。具体的な例とし
てエステル結合を主鎖とし、ポリメチレングリコールな
どエステル結合を導入したものなどを挙げることができ
る。
【0025】本発明に用いる熱可塑性非晶性エステル系
樹脂の分子量に特に制限はなく、例えば、重量平均分子
量10,000〜100,000程度の一般的な分子量
の樹脂を用いることができるが、引張破断伸びなどの機
械物性の高い要求がある場合には高分子量のものが好ま
しい。この場合の分子量は20,000以上が好まし
く、25,000以上であれば更に好ましく、30,0
00以上であれば特に好ましい。
【0026】熱可塑性非晶性エステル系樹脂は1種を単
独で用いても2種以上を混合して用いても良い。
【0027】(成分A;熱可塑性結晶性エステル系樹脂
と成分B;熱可塑性非晶性エステル系樹脂との重量比)
本発明において、成形部材を構成する樹脂組成物中の熱
可塑性結晶性エステル系樹脂と熱可塑性非晶性エステル
系樹脂との重量比は、熱可塑性結晶性エステル系樹脂/
熱可塑性非晶性エステル系樹脂=1/99〜99/1の
幅広い範囲を採用することができる。ただし、一般に熱
可塑性結晶性エステル系樹脂は耐薬品性、耐屈曲性に優
れ、熱可塑性結晶性エステル系樹脂は成形寸法安定性に
優れるので、使用目的に応じて任意の比率を設定する。
なかでも、熱可塑性結晶性エステル系樹脂/熱可塑性非
晶性エステル系樹脂(重量比)=40/60〜97/3
が好ましく、60/40〜95/5が更に好ましく、7
0/30〜90/10が特に好ましい。
【0028】このように、特に好ましい比率として熱可
塑性結晶性エステル系樹脂の比率を多く選択するのは、
熱可塑性非晶性エステル系樹脂は少しの配合で十分に成
形寸法安定性の改良効果が期待できること、熱可塑性非
晶性エステル系樹脂のわずかな配合過多で塗装時の溶剤
などに対する耐薬品性悪化の影響が顕著に出ることがあ
るなどの理由による。
【0029】(成分A;熱可塑性結晶性エステル系樹脂
と成分B;熱可塑性非晶性エステル系樹脂との粘度(M
FR)比)両樹脂のMFR比が大きすぎると、製造条件
を調整しても良好な分散が得られず、均一分散に至るこ
とができなくなることがあるので、MFR比は小さい方
が好ましい。
【0030】具体的には両樹脂を同一条件でMFR測定
したときのMFR比の値が1/20〜20/1程度の範
囲に収まることが好ましく、1/10〜10/1の範囲
となれば更に好ましい。
【0031】測定方法としてはJIS K−7210に
準拠し、測定温度条件は樹脂の加工温度に近い条件を選
択することが好ましい。
【0032】例えばPBTとPCを選択した場合、加工
温度となる260℃を測定温度として設定し、両樹脂の
MFR比を比較することが好ましい。また、荷重として
は例えば2.16kgを選択することで好適な測定を行
える。
【0033】(成分C;Ti系化合物)本発明におい
て、Ti系化合物は熱可塑性結晶性エステル系樹脂と熱
可塑性非晶性エステル系樹脂との共重合化及び高分子量
化を促す触媒として用いる。
【0034】本発明において用いられるTi系化合物に
は特に制限はないが、活性が高いことからテトラアルキ
ルチタネートが好ましく、具体的には、テトラ−n−プ
ロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テ
トラ−n−ブチルチタネート、テトラ−t−ブチルチタ
ネート、テトラフェニルチタネート、テトラシクロヘキ
シルチタネート、テトラベンジルチタネート、或いはこ
れらの混合チタネートが挙げられる。これらのうち特に
テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピル
チタネート、テトラ−n−ブチルチタネートが好まし
い。これらのチタン系化合物は1種を単独で用いても2
種以上を併用してもよい。
【0035】(成分C;Ti系化合物の配合量)成形部
材を構成する樹脂組成物中のTi系化合物の含有量とし
ては、少なすぎると有効に作用しないことがあるので、
ある程度高くする必要がある。従って、Ti系化合物中
のTi元素の重量割合が成分A,B,C及び後述の成分
Dの合計重量に対して1ppm以上とするが、この割合
が10ppm以上であれば更に好ましく、20ppm以
上であれば特に好ましい。一方、エステル系樹脂は重金
属の多量存在下において、解重合を起こすことがあるの
で、この割合はある程度は小さくする必要があり、Ti
系化合物中のTi元素の重量割合が10000ppm以
下とするが、この割合が1000ppm以下であれば更
に好ましい。なお、以下において、成分A〜Dの合計重
量に対するTi系化合物のTi元素の重量割合を「Ti
濃度」と称す場合がある。
【0036】(成分D;Mg系化合物)本発明におい
て、Mg系化合物は上記Ti系化合物と同様に熱可塑性
結晶性エステル系樹脂と熱可塑性非晶性エステル系樹脂
との共重合化及び高分子量化を促す触媒として用いる。
【0037】本発明において用いられるMg系化合物に
は特に制限はないが、酢酸マグネシウム、水酸化マグネ
シウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネ
シウムアルコキサイド、燐酸水素マグネシウム等が挙げ
られ、好ましくは酢酸マグネシウム又は水酸化マグネシ
ウムであり、特に酢酸マグネシウムが好ましい。
【0038】(成分D;Mg系化合物の配合量)成分A
〜Dの合計重量に対するMg系化合物のMg元素の重量
割合を「Mg濃度」とした場合、成形部材を構成する樹
脂組成物中のMg系化合物の含有量としては、前記Ti
濃度に対するMg濃度の比Mg/Tiが0.3〜4.0
となるように配合する。Mg/Ti<0.3であった
り、Mg/Ti>4.0であると、この樹脂組成物を用
いた成形部材の耐屈曲性や耐加水分解性が低下し、好ま
しくない。Mg/Ti比は好ましくは0.7〜2.0、
より好ましくは0.9〜2.0である。
【0039】(キレーター)上記重合触媒の活性が高す
ぎると、樹脂の解重合を促進して分子量低下による機械
的物性の低下、低分子量体の発生に伴う発泡等が問題に
なることがある。そこで、重合触媒中の金属にキレート
する能力を有するキレーターを樹脂組成物中に存在させ
て、解重合を抑制することが好ましい。
【0040】キレーターの種類としては特に制限はな
く、公知のキレーターを用いることができ、例えば、亜
リン酸エステル、リン酸エステル、リン酸塩、ヒドラジ
ン類を挙げることができる。これらは例えば、イルガホ
ス168(日本チバガイギー(株)製)、PEP36
(旭電化工業(株)製)、PEPQ(クラリアントジャ
パン(株)製)の亜リン酸エステル、IRGANOX
MD1024(日本チバガイギー(株)製)、CDA−
6(旭電化工業(株)製)のヒドラジン類などとして容
易に市場から入手することができる。
【0041】本発明では成形条件の適正化により解重合
及び低分子量体発生を抑制することもできるので、これ
らのキレーターは無添加とすることもできるが、解重合
の抑制が必要な場合には樹脂100重量部に対して0.
001重量部以上添加することが好ましく、より優れた
効果を得るには0.01重量部以上添加することが好ま
しい。
【0042】キレーターの量が多すぎると重合触媒が活
性を失い良好な物性の成形部材を得られないことがある
ので、添加量過多にはならない方が好ましく、樹脂10
0重量部に対し10重量部以下が好ましく、5重量部以
下であると更に好ましい。
【0043】キレーターは、一般的には樹脂100重量
部に対して0.1重量部以下の少量添加で用いることが
好ましいとされるが、本発明でキレーターを用いる場合
の特に好ましい例としては、重合触媒の添加量をTi濃
度とMg濃度との合計で50〜500ppmと多く添加
し、キレーターも樹脂100重量部に対して0.1〜3
重量部、好ましくは0.3〜1重量部と通常より高い量
を用いて、更に成形条件(温度,滞留時間など)を適正
化する方法があり、これにより、熱可塑性結晶性エステ
ル系樹脂と熱可塑性非晶性エステル系樹脂の化学結合生
成及び高分子量化が促進しつつ、解重合を抑制でき、従
来に無い物性の優れた成形部材を得ることができるよう
になる。
【0044】(導電性物質)本発明において成形部材の
電気抵抗値を調整する必要がある場合には、更に導電性
物質を配合しても良い。特に画像形成装置に用いられる
シームレスベルト等のエンドレスベルト等においては電
気的にトナーや紙等を吸着、転写させるため、表面抵抗
値や体積抵抗値を用途に合わせて調整する必要がある。
【0045】配合する導電性物質としては、成形部材の
用途において要求される性能を満たすものであれば特に
制限はなく、各種のものを用いることができるが、具体
的には、導電性フィラーとして、カーボンブラックやカ
ーボンファイバー、グラファイトなどのカーボン系フィ
ラー、金属系導電性フィラー、金属酸化物系導電性フィ
ラーなどが用いられ、導電性フィラーの他には、イオン
導電性物質、例えば四級アンモニウム塩等が例示され
る。
【0046】特に好ましい導電性物質は、分散性に優れ
ているカーボンブラックである。
【0047】カーボンブラックの種類としては、アセチ
レンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラッ
クなどが好適に使用でき、この中でも不純物としての官
能基が少なくカーボン凝集による外観不良を発生しにく
いアセチレンブラックが特に好適に使用できる。更に一
次粒子径が10〜100nm、比表面積10〜200m
/g,pH値3〜11のものがより好ましい。
【0048】また、使用するカーボンブラックは1種類
であっても2種類であっても良い。更には、樹脂を被覆
したカーボンブラックや、黒鉛化処理したカーボンブラ
ックや、酸性処理したカーボンブラック等の公知の後処
理工程を施したカーボンブラックを用いても何ら問題は
ない。
【0049】また、導電性フィラーの分散性を向上させ
る目的でシラン系、アルミネート系、チタネート系、又
はジルコネート系等のカップリング剤で処理したカーボ
ンブラック等の導電性フィラーを用いても良い。
【0050】(導電性物質の配合量)導電性物質の配合
量は、成形部材中の含有量で1〜50重量%とすること
が好ましく上記範囲内で特に好ましい範囲は、3〜30
重量%で、10〜25重量%とするのが更に好ましい。
上記範囲を超えると、製品の外観が悪くなり、また、材
料強度が低下して好ましくない。
【0051】(付加的配合材;任意成分)本発明の成形
部材を構成する樹脂組成物には、各種目的に応じて任意
の配合成分を配合することができる。
【0052】具体的には、日本チバガイギー社製「イル
ガノックス1010(商品名)」などの酸化防止剤、熱
安定剤、各種可塑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和
剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ
剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤、難燃剤、分散剤等の各
種添加剤を添加することができる。
【0053】更に、本発明の効果を著しく損なわない範
囲内で、第2,第3成分として各種熱可塑性樹脂、各種
エラストマー、熱硬化性樹脂、フィラー等の配合材を配
合することができる。
【0054】付加成分としての熱可塑性樹脂としてはポ
リプロピレン、ポリエチレン(高密度,中密度,低密
度,直鎖状低密度)、プロピレンエチレンブロック又は
ランダム共重合体、ゴム又はラテックス成分、例えばエ
チレン・プロピレン共重合体ゴム、スチレン・ブタジエ
ンゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重
合体又は、その水素添加誘導体、ポリブタジエン、ポリ
イソブチレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリア
セタール、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリイ
ミド、液晶性ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェ
ニレンサルファイド、ポリビスアミドトリアゾール、ポ
リエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、アク
リル、ポリフッ素化ビニリデン、ポリフッ素化ビニル、
クロロトリフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロ
エチレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレン、パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体、アクリル酸ア
ルキルエステル共重合体、ポリエステルエステル共重合
体、ポリエーテルエステル共重合体、ポリエーテルアミ
ド共重合体、ポリウレタン共重合体等の1種又はこれら
の2種以上の混合物からなるものが使用できる。
【0055】熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂等の1種又はこれらの2種以上の混合物からなる
ものが使用できる。
【0056】また、各種フィラーとしては、例えば炭酸
カルシウム(重質、軽質)、タルク、マイカ、シリカ、
アルミナ、水酸化アルミニウム、ゼオライト、ウオラス
トナイト、けいそう土、ガラス繊維、ガラスビーズ、ベ
ントナイト、アスベスト、中空ガラス玉、黒鉛、二硫化
モリブデン、酸化チタン、炭素繊維、アルミニウム繊
維、スチレンスチール繊維、黄銅繊維、アルミニウム粉
末、木粉、もみ殻、グラファイト、金属粉、導電性金属
酸化物、有機金属化合物、有機金属塩等のフィラーの
他、添加剤として酸化防止剤(フェノール系、硫黄系、
リン酸エステル系など)、滑剤、有機・無機の各種顔
料、紫外線防止剤、帯電防止剤、分散剤、中和剤、発泡
剤、可塑剤、銅害防止剤、難燃剤、架橋剤、流れ性改良
剤等を挙げることができる。
【0057】次に上述のような配合成分よりなる成形部
材の溶融混練、成形方法及び用途について説明する。
【0058】(溶融混練、成形)本発明においては、前
述の成分A〜D、及び必要に応じて添加されるキレータ
ー、導電性物質、上記付加成分を所定の配合割合で加熱
混練後、所望の形に成形、固化して成形部材とするが、
成形方法としては、特に、これらの成分を加熱混練し、
一旦ペレット形状に成形し、このペレットを更に溶融成
形して別な形の成形部材に成形する方法が好ましい。
【0059】なお、原料の溶融混練に際しては、混練前
に全ての原料を加熱してTi系化合物及びMg系化合物
の反応性を調整した上で溶融混練するのが好ましい。こ
の加熱温度は過度に高いと原料樹脂の熱劣化が起こり、
低いと加熱による効果を十分に得ることができないこと
から、40〜150℃で0.5〜10時間程度とするの
が好ましい。
【0060】(本発明の成形部材の用途)本発明の成形
部材の用途には特に制限はなく、OA機器の構成部品,
機能部材、自動車の外装部品,内装材、家電機器の構成
部材、汎用フィルムなどとして幅広く用いることができ
るが、なかでも寸法精度、耐屈曲性、引張破断伸びなど
要求物性の厳しいOA機器分野、特に機能部材に好適に
用いることができ、例えばエンドレスベルトとして、電
子写真式複写機、レーザービームプリンター、ファクシ
ミリ機等の画像形成装置の中間転写ベルト,搬送転写ベ
ルト,感光体ベルトなどに用いると、割れ、伸びなど不
具合が少ないことから好適である。
【0061】以下に本発明の成形部材の好適な使用例の
一例としてのエンドレスベルトについて説明する。
【0062】(エンドレスベルト)エンドレスベルトを
製造するには、成分A〜D、及び必要に応じて配合され
るその他の成分を例えば二軸混練押出機により混合し、
ペレット化した後にエンドレスベルトとなるように成形
する手法が特に好ましく用いられる。
【0063】成形方法については特に限定されるもので
はなく、連続溶融押出成形法、射出成形法、ブロー成形
法、或いはインフレーション成形法など公知の方法を採
用することができるが、特に望ましいのは、連続溶融押
出成形法である。特に、押し出したチューブの内径を高
精度に制御可能な下方押出方式の内部冷却マンドレル方
式或いはバキュームサイジング方式が好ましく、内部冷
却マンドレル方式が最も好ましい。この成形時において
は、温度、滞留時間の適正化により、より良好な物性の
成形部材を得ることができるので、各成分の配合にあわ
せて条件を調整することが好ましい。
【0064】(エンドレスベルトの物性)本発明によれ
ば、以下のような物性を有するエンドレスベルトを得る
ことができる。
【0065】・耐折回数 本発明に用いるエンドレスベルトを例えば中間転写ベル
トとして画像形成装置に用いる場合には、耐屈曲性が悪
いとクラックが発生して画像が得られなくなるので、耐
屈曲性の良好なエンドレスベルトが好ましい。
【0066】耐屈曲性の程度は、JIS P−8115
の耐折回数の測定方法に従うことで定量的に評価でき、
耐折回数の大きいエンドレスベルトほどクラックが入り
にくく、耐屈曲性に優れていると判断することができ
る。
【0067】具体的な数値としては、500回以上あれ
ば一応エンドレスベルトとしての機能を発揮して使用す
ることができるが、実用的には5000回以上が好まし
く、10000回以上であれば更に好ましく、3000
0回以上であれば、特にクラックが発生しにくくなるの
でより一層好ましい。
【0068】・引張弾性率 エンドレスベルトの引張弾性率が低いと、例えば中間転
写ベルトとして画像形成装置に用いる場合に張力により
伸びが発生してしまい、色ズレなどの不具合を発生する
ことがあるので、引張弾性率が高い方が好ましく、具体
的には1000MPa以上が好ましく、1500MPa
以上であると更に好ましく、2000MPa以上である
とより一層好ましく、2500MPa以上であれば色ズ
レなどの不具合を大幅に抑えることができるので特に好
ましい。
【0069】一般に柔らかいプラスチックは耐折回数が
高いが引張弾性率が低くなりやすく、逆に硬いプラスチ
ックは高い引張弾性率を得られるが脆くなりやすく、耐
折回数は低いものしか得られないことが多い。本発明で
はPBTやPCの有する固有の高い引張弾性率の特性を
維持したまま、高い耐折回数を得ることができる意味で
有用であると言える。
【0070】・表面抵抗率 本発明に用いるエンドレスベルトは必要に応じてカーボ
ンブラック等の導電性物質を配合することにより導電性
を得ることができる。この場合の抵抗領域は目的により
異なるが、表面抵抗率1〜1×1016Ωの範囲から選定
することが好ましい。
【0071】表面抵抗率の更に好ましい範囲は用途によ
り異なるが、例えば感光体ベルトとして用いる場合には
必要に応じて外表面の電荷を内表面に逃がせるように1
〜1×106Ωと比較的低い表面抵抗率が好ましく、中
間転写ベルトとして用いる場合には帯電−転写の容易に
できる1×106〜1×1011Ωが好ましく、搬送転写
ベルトとして用いる場合には帯電しやすく高電圧でも破
損しにくい1×1010〜1×1016Ωと比較的高い領域
が好ましい。
【0072】また、エンドレスベルト1本中の表面抵抗
率の分布は狭い方が好ましく、それぞれの好ましい表面
抵抗率領域において、1本中の最大値が最小値の100
倍以内(2桁以内)であることが好ましく、10倍以内
であることが特に好ましい。
【0073】エンドレスベルトの表面抵抗率は例えばダ
イヤインスツルメント(株)製ハイレスタ,ロレスタや
アドバンテスト(株)製R8340Aなどにより容易に
測定することができる。
【0074】(エンドレスベルトの厚み)エンドレスベ
ルトの厚みは50〜1000μmが好ましく、80〜5
00μmが更に好ましく、100〜200μmであれば
特に好ましい。
【0075】(エンドレスベルトの用途)エンドレスベ
ルトの用途に特に制限はないが、例えば電子写真式複写
機等の画像形成装置の中間転写ベルト,搬送転写ベル
ト,感光体ベルトなどとして好適に用いることができ
る。
【0076】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
より具体的に説明する。
【0077】以下の実施例及び比較例では、下記の原料
を用い、下記の加熱混練及びTダイフィルム成形方法で
フィルムを製造し、得られたフィルムについて下記の評
価を行った。結果は表1に示す通りである。
【0078】(原料)原料は下記のものを用い、配合割
合は表1の通りとした。 成分A:PBT(重量平均分子量40,000;PS換
算重量平均分子量122,000) 成分B:PC(重量平均分子量28,000;PS換算
重量平均分子量 64,000) 成分C:Ti系化合物(チタニウム(IV)ブトキシド) 成分D:Mg系化合物(酢酸マグネシウム) 導電性物質:カーボンブラック(電気化学(株)製「デ
ンカブラック」) キレーター:亜リン酸エステル(クラリアントジャパン
(株)製「サンドスタブP−EPQ」(商品名))
【0079】なお、成分Aと成分Bについて、前述の方
法(JIS K−7210)で測定したMFR(260
℃、2.16kg)は各々、成分A:7g/10mi
n、成分B:3g/10minであり、両樹脂のMFR
比は2.33/1である。
【0080】(加熱混練)各原料を、二軸混練押出機
(IKG(株)製「PMT32」)を用いて混練し、樹
脂組成物をペレット化した。混練条件は混練機の設定温
度を240℃とし、スクリュー回転数100rpm、吐
出速度15g/hrとした。本条件での混練機内での溶
融状態での滞留時間は平均で約1分程度である。
【0081】(Tダイフィルム成形)φ20mmのTダ
イフィルム成形機を用いて上記樹脂組成物ペレットから
評価フィルムを成形した。成形前に樹脂組成物ペレット
を130℃で8時間乾燥し、成形に用いた。なお、成形
フィルムの物性の滞留時間依存性を評価するため、滞留
時間を調節し、下記の2種類の条件で成形した。 条件A;滞留時間6分、フィルム厚み150μmを目標
とし、厚みの許容範囲±15μmに調整して成形 条件B;滞留時間15分、フィルム厚み150μmを目
標とし、厚みの許容範囲±15μmに調整して成形
【0082】この条件Bでは、条件Aより滞留時間が長
くなるようスクリューの回転を遅くして成形すると共
に、条件Aとフィルム厚みが同じになるように引取速度
も遅く調整して成形した。
【0083】(評価) ・外観 フィルム外観は目視観察により調べた。
【0084】・耐折回数 JIS P−8115準拠 各サンプルで3回づつ測定し、平均値(有効数字2桁)
を代表値とした。耐折回数はフィルムの耐屈曲疲労性の
指標で数字が大きいほど割れにくく丈夫であることを意
味する。
【0085】・表面抵抗率 Ω 表面抵抗率は測定器により好適に測定できる領域が異な
るので以下のように使い分けた。測定時間は10秒とし
た。
【0086】1〜1×10Ωとなるサンプル ダイヤ
インスツルメント(株)製 ロレスタを使用し、押出方
向と直角方向に20mmピッチで測定した。
【0087】10〜1×1013Ωとなるサンプル
ダイヤインスツルメント(株)製ハイレスタ(HA端
子)を使用し、500V、10秒の条件にて、押出方向
と直角方向に20mmピッチで測定した。
【0088】1013〜1×1016Ωとなるサンプル
アドバンテスト(株) 微小電流測定器R8340A
(JIS電極)を使用し、500V、10秒の条件に
て、押出方向と直角方向に20mmピッチにて測定し
た。
【0089】実施例1 表1に示す如く、Ti系化合物及びMg系化合物を、そ
れらの元素濃度比Mg/Tiが0.4となるように配合
し、且つリン酸エステル及びカーボンブラックを配合し
て樹脂組成物ペレットを得た。ただし、混練前全ての原
料を80℃に6時間保持し、Ti系化合物及びMg系化
合物の反応性を調整した上で混練に用いた。
【0090】このペレットを条件AにてTダイフィルム
成形したところ、耐折回数が22,000回と非常に高
く、かつ外観良好なフィルムを得ることができた。ま
た、条件BにてTダイフィルム成形しても、耐折回数が
23,000回と非常に高く、かつ外観良好なフィルム
を得ることができた。
【0091】この結果から、得られた成形部材は高物性
で、しかも、成形条件による物性差が表れにくいので、
熱的に安定で、扱いやすいことが分かる。
【0092】この高物性発現は共重合化、高分子量化の
触媒となるTi系化合物及びMg系化合物の効果である
と考えられる。
【0093】実施例2、3 表1に示す如く、Mg系化合物としての酢酸マグネシウ
ムを実施例1よりも多く配合し、元素濃度比Mg/Ti
が0.9(実施例2)及び1.5(実施例3)となるよ
うに配合して樹脂組成物ペレットを得た。ただし、混練
前全ての原料を80℃で6時間保持し、Ti系化合物及
びMg系化合物の反応性を調整した上で混練に用いた。
【0094】これらのペレットを条件AにてTダイフィ
ルム成形したところ、実施例1と同様に耐折回数が1
0,000回以上の高物性を有し、かつ外観良好なフィ
ルムを得ることができた。また、条件BにてTダイフィ
ルム成形しても、耐折回数が10,000回以上の高物
性を有し、かつ外観良好なフィルムを得ることができ、
しかもそれらの成形条件依存性は小さかった。
【0095】この結果から、実施例1と同様、得られた
成形部材は高物性で、しかも、成形条件による物性差が
表れにくいので、熱的に安定で、扱いやすいことが分か
る。
【0096】この高物性発現は共重合化、高分子量化の
触媒となるTi系化合物及びMg系化合物の効果である
と考えられる。
【0097】比較例1 Ti系化合物及びMg系化合物は配合せずに、表1の成
分配合で加熱混練して樹脂組成物ペレットを得た。この
比較例1では、Ti系化合物及びMg系化合物が存在し
ないため、副反応の解重合も進行せず、熱的に安定であ
ると考えられる。
【0098】得られた樹脂組成物ペレットを条件Aにて
Tダイフィルム成形し、フィルムを得た。このフィルム
の耐折回数を測定したところ、2,800回と物性に劣
るものであった。また、条件BにてTダイ成形したフィ
ルムは条件A品とほぼ同物性となった。
【0099】比較例2 比較例1の成分A及び成分Bの配合比を基準とし、表1
に示す如く、Mg系化合物を配合せずにTi系化合物の
みを配合し、加熱混練して樹脂組成物ペレットを得た。
【0100】得られた樹脂組成物ペレットを条件Aにて
Tダイフィルム成形したところ、耐折回数が比較例1と
同程度の耐折回数を示すフィルムを得た。また、条件B
にてTダイ成形したフィルムは条件A品とほぼ同物性と
なった。
【0101】比較例3 比較例1の成分A及び成分Bの配合比を基準とし、表1
に示す如く、Ti系化合物に対してMg系化合物を大過
剰配合し、加熱混練して樹脂組成物ペレットを得た。
【0102】得られた樹脂組成物ペレットを条件Aにて
Tダイフィルム成形したところ、耐折回数が比較例1と
同程度の耐折回数を示すフィルムを得た。また、条件B
にてTダイ成形したフィルムは条件A品とほぼ同物性と
なった。
【0103】
【表1】
【0104】
【発明の効果】以上の実施例及び比較例からも明らかな
通り、本発明によると、耐屈曲性や耐薬品性及び成形寸
法安定性に優れ、物性の成形条件依存性が低く、熱的に
安定で、取り扱い性、成形作業性に優れた成形部材が提
供される。
フロントページの続き (72)発明者 森越 誠 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 (72)発明者 大津 紀宏 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA45 AA50 AA75 AB03 AE15 AH17 BA01 BB06 BC01 4F213 AA24 AA27 AA28 AB04 AB13 AB18 AG16 AH33 WA06 WB02 WF01 4J002 CF041 CG001 DA016 DA026 DA036 DA066 DE046 FA046 FD116 GM01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分A;熱可塑性結晶性エステル系樹
    脂、成分B;熱可塑性非晶性エステル系樹脂、成分C;
    チタン系化合物、及び成分D;マグネシウム系化合物を
    加熱混合した後、成形してなる成形部材において、成分
    A〜Dを成分Aと成分Bの重量比A/Bが1/99〜9
    9/1であり、 成分A〜Dの合計に対するTi元素濃度とMg元素濃度
    の比Mg/Tiが0.3〜4.0となる配合割合で混合
    したことを特徴とする成形部材。
  2. 【請求項2】 成分Aの熱可塑性結晶性エステル系樹脂
    がポリアルキレンテレフタレートであることを特徴とす
    る請求項1に記載の成形部材。
  3. 【請求項3】 成分Bの熱可塑性非晶性エステル系樹脂
    がポリカーボネート又はポリアリレートであることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の成形部材。
  4. 【請求項4】 導電性物質を1〜50重量%含有するこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の成形部材。
  5. 【請求項5】 導電性物質がカーボンブラックであるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の成形部材。
  6. 【請求項6】 エンドレスベルトであることを特徴とす
    る請求項1ないし5のいずれか1項に記載の成形部材。
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