JP2002362287A - 乗員拘束装置 - Google Patents

乗員拘束装置

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JP2002362287A
JP2002362287A JP2001175062A JP2001175062A JP2002362287A JP 2002362287 A JP2002362287 A JP 2002362287A JP 2001175062 A JP2001175062 A JP 2001175062A JP 2001175062 A JP2001175062 A JP 2001175062A JP 2002362287 A JP2002362287 A JP 2002362287A
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JP
Japan
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garnish
airbag
roof
pillar
lower edge
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Pending
Application number
JP2001175062A
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English (en)
Inventor
Fumitoshi Yasuhara
文俊 安原
Koji Ikeda
康二 池田
Takeshi Otsuka
猛 大塚
Naoteru Kawajiri
直輝 川尻
Kazuaki Miyamoto
和明 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Air Bags (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ルーフガーニッシュの下縁とピラーガーニッ
シュの上縁との間に段差が発生して外観が低下するのを
防止しながら、エアバッグの展開時にルーフガーニッシ
ュの下縁がピラーガーニッシュの上縁から容易に分離で
きるようにする。 【解決手段】 ルーフサイドレール18の内面に設けら
れた乗員拘束装置Cはルーフガーニッシュ47により覆
われており、ルーフガーニッシュ47の下縁に設けたフ
ランジ47aがピラーガーニッシュ61の上縁に設けた
フランジ61aに突き合わされる。ルーフガーニッシュ
47の下縁に設けたフランジ47aから所定間隔で下向
きに突設した複数の係止爪47bを、ピラーガーニッシ
ュ61のフランジ61aの裏面に係止する。これにより
両ガーニッシュ47,61を相対的に位置決めして段差
を無くし、かつエアバッグ21の膨張時にルーフガーニ
ッシュ47をピラーガーニッシュ61から容易に分離す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体のドア開口部
の上縁に沿って折り畳み状態のエアバッグを配置し、車
両の衝突時にインフレータが発生するガスでエアバッグ
を膨張させて車室の側部内面に沿ってカーテン状に展開
させる乗員拘束装置に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる乗員拘束装置は、例えば、特開2
000−33847号公報、特開平11−235965
号公報により公知である。この種の乗員拘束装置では、
折り畳んだエアバッグがルーフサイドレールに沿って配
置され、その車室側の側面がルーフガーニッシュにより
覆われている。ドア開口部の上縁ではルーフガーニッシ
ュの下縁がドア用のウエザーストリップに係止されてお
り、エアバッグが膨張する圧力でルーフガーニッシュが
撓んでウエザーストリップと分離し、そこに形成された
開口からエアバッグが車室内に展開する。またセンター
ピラーやリヤピラーの上部では、ルーフガーニッシュの
下縁がピラーガーニッシュの上縁に突き合わされてお
り、エアバッグが膨張する圧力でルーフガーニッシュが
撓んでピラーガーニッシュと分離し、そこに形成された
開口からエアバッグが車室内に展開する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ルーフガー
ニッシュの下縁とピラーガーニッシュの上縁とを単純に
突き合わせただけだと、エアバッグが膨張する圧力でル
ーフガーニッシュをピラーガーニッシュから容易に分離
することが可能となるが、両ガーニッシュの突き合わせ
部に段差等が発生して外観が低下する問題がある。これ
を回避するために、ルーフガーニッシュの下縁をピラー
ガーニッシュの上縁の裏面に重ね合わせれば、前記段差
の発生を防止して外観を向上させることが可能となる
が、エアバッグが膨張する際にルーフガーニッシュの下
縁がピラーガーニッシュの上縁から分離し難くなり、エ
アバッグのスムーズな展開が妨げられる可能性がある。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、ルーフガーニッシュの下縁とピラーガーニッシュの
上縁との間に段差が発生して外観が低下するのを防止し
ながら、エアバッグの展開時にルーフガーニッシュの下
縁がピラーガーニッシュの上縁から容易に分離できるよ
うにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、車体のドア開
口部の上縁に沿って折り畳み状態のエアバッグを配置
し、車両の衝突時にインフレータが発生するガスでエア
バッグを膨張させて車室の側部内面に沿ってカーテン状
に展開させる乗員拘束装置において、折り畳んだエアバ
ッグを覆うルーフガーニッシュの下縁と、このルーフガ
ーニッシュの下部に接続されるピラーガーニッシュの上
縁とを突き合わせるとともに、ルーフガーニッシュの下
縁に所定間隔で設けた複数の係止爪をピラーガーニッシ
ュの上縁の裏面に係止したことを特徴とする乗員拘束装
置が提案される。
【0006】上記構成によれば、エアバッグを覆うルー
フガーニッシュの下縁とピラーガーニッシュの上縁とを
突き合わせ、かつルーフガーニッシュの下縁に所定間隔
で設けた複数の係止爪をピラーガーニッシュの上縁の裏
面に係止したので、係止爪で両ガーニッシュを相対的に
位置決めして突き合わせ部の段差を無くし、外観を向上
させることができる。しかもエアバッグが膨張する圧力
でルーフガーニッシュがピラーガーニッシュから分離し
て車室側に変形するとき、係止爪だけが変形すれば良い
ため、ルーフガーニッシュの下縁全体をピラーガーニッ
シュの上縁に係止した場合に比べてエアバッグが受ける
負荷を減少させることができる。
【0007】また請求項2に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、折り畳んだエアバッグの下部
に、展開するエアバッグを車室側に向けて案内するガイ
ド部材を配置し、ルーフガーニッシュの下縁の裏面をガ
イド部材の頂面に当接させて位置決めしたことを特徴と
する乗員拘束装置が提案される。
【0008】上記構成によれば、展開するエアバッグを
ガイド部材により車室側に向けて案内するので、エアバ
ッグがピラーガーニッシュの上端に引っ掛かるのを防止
してスムーズに展開させることができる。しかもルーフ
ガーニッシュの下縁の裏面をガイド部材の頂面に当接さ
せて位置決めしたので、ルーフガーニッシュの下縁をガ
イド部材の頂面およびピラーガーニッシュの上縁で両側
から挟み付けて更に精度良く位置決めすることができ
る。
【0009】尚、実施例のリヤピラーガーニッシュ61
は本発明のピラーガーニッシュに対応し、実施例のリヤ
ガイド部材57は本発明のガイド部材に対応する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0011】図1〜図14は本発明の第1実施例を示す
もので、図1は自動車の車室内部を示す斜視図、図2は
乗員拘束装置のエアバッグが展開した状態を示す、前記
図1に対応する図、図3はエアバッグが展開した乗員拘
束装置の拡大図、図4は乗員拘束装置の分解斜視図、図
5は図1の5−5線拡大断面図、図6は図1の6−6線
拡大断面図、図7は図1の7−7線拡大断面図、図8は
図1の8−8線拡大断面図、図9は図3の9−9線拡大
断面図、図10は図5の10−10線拡大断面図、図1
1は図4の11方向矢視図、図12は図7の12方向矢
視図、図13は展開したエアバッグ後部近傍の拡大図、
図14はフロントシートに着座した乗員の正面図であ
る。
【0012】図1に示すように、車両の車体側面にはフ
ロントピラー11およびセンターピラー12間にフロン
トドア13が取り付けられるドア開口部14が形成さ
れ、センターピラー12およびリヤピラー15間にリヤ
ドア16が取り付けられるドア開口部17が形成され
る。フロントピラー11の上端とリヤピラー15の上端
とを接続するように車体前後方向に延びるルーフサイド
レール18(図5参照)はフロントドア13およびリヤ
ドア16のドア開口部14,17の上縁を区画してお
り、このルーフサイドレール18に沿って乗員拘束装置
Cが設けられる。尚、乗員拘束装置Cは、実質的に同一
構造のものが車体の左右両側にそれぞれ設けられている
が、以下その代表として車体の右側に設けられたものに
ついて説明する。
【0013】図2に示すように、車両の側面衝突時ある
いはロールオーバー時に所定値以上の加速度が検出され
ると、車体の内部側面、即ちフロントピラー11、セン
ターピラー12、リヤピラー15、フロントドア13の
ドアガラス13aおよびリヤドア16のドアガラス16
aと、フロントシートおよびリヤシートに座った乗員と
の間に遮るように、乗員拘束装置Cのエアバッグ21が
ドア開口部14,17の上縁から下向きにカーテン状に
展開する。
【0014】図3に示すように、車体前後方向に延びる
エアバッグ21は略同一形状の第1基布25および第2
基布26(図9参照)を2重に重ね合わせて縫製27し
たものであり、その縫製27によって複数個(例えば1
3個)のセル28…と、上部連通路29とが形成され
る。リヤピラー15の内部に収納されたインフレータ3
0から前方に延びるガス供給パイプ31の前端は上部連
通路29内に挿入され、その上部連通路29から下向き
に分岐する前記13個のセル28…の下端は閉塞され
る。ガス供給パイプ31が上部連通路29内に挿入され
る部分は金属バンド22(図13参照)で締結される。
【0015】尚、エアバッグ21のフロントピラー11
の後側に対応する位置と、センターピラー12の後側に
対応する位置とには、セル28…が形成されない非膨張
部21b,21cが設けられる。
【0016】図13に拡大して示すように、インフレー
タ30から前方に延びるガス供給パイプ31の直径はエ
アバッグ21の上部連通路29の直径よりも小さいた
め、上部連通路29を区画する縫製27の一部で形成し
たパイプ支持部27a,27aでガス供給パイプ31を
位置決めし、そのガス供給パイプ31の先端開口部を上
部連通路29の中心に位置させている。このように、エ
アバッグ21の縫製27の一部を変更するだけでガス供
給パイプ31を上部連通路29に対して位置決めするの
で、位置決めのための特別の部品が不要になってコスト
の削減に寄与することができる。
【0017】エアバッグ21の上縁に沿って複数個(例
えば5個の)の衝撃吸収部材支持部21a…が設けられ
ており、コルゲートパイプよりなる衝撃吸収部材33が
前記衝撃吸収部材支持部21a…によってエアバッグ2
1と一体化される。図10に示すように、衝撃吸収部材
33はアルミニウム製の本体部33aと内外の紙製の被
覆33b,33cとを積層して円形断面の蛇腹状に形成
したもので、外部からの荷重により潰れて有効な衝撃吸
収効果を発揮する。ルーフ34はアウター部材35、セ
ンター部材36およびインナー部材37から構成されて
おり、エアバッグ21の後側の4個の衝撃吸収部材支持
部21a…の上端は各2本のボルト38,38でインナ
ー部材37に固定される(図5〜図7参照)。フロント
ピラー11はアウター部材39、センター部材40およ
びインナー部材41から構成されており、エアバッグ2
1の前端の衝撃吸収部材支持部21aの上端は2本のボ
ルト38,38でインナー部材41に固定される(図8
参照)。
【0018】このように、折り畳んだエアバッグ21と
衝撃吸収部材33とを予め一体化してモジュールを構成
したので、それらを別個に車体に取り付ける場合に比べ
て取付作業が容易になり、作業能率の向上および組付精
度の向上が可能になる。しかも折り畳んだエアバッグ2
1およびコルゲートパイプより衝撃吸収部材33は共に
可撓性を有しているため、湾曲したルーフサイドレール
18に沿うように配置することが容易である。
【0019】図4から明らかなように、折り畳み状態の
エアバッグ21は、不織布で形成したエアバッグカバー
42の内部に収納される。エアバッグカバー42は、長
方形の布片を筒状にして下縁に沿って縫製したもので、
ルーフサイドレール18に対向する側面に容易に破断す
るスリット42a…がミシン目状に形成される。またエ
アバッグ21の上端から突出する衝撃吸収部材支持部2
1a…が、エアバッグカバー42の上面に形成した開口
42b…を通過して上方に突出する。
【0020】図5から明らかなように、アウター部材4
3、センター部材44およびインナー部材45から構成
されたルーフサイドレール18の下端には、リヤドア1
6(あるいはフロントドア13)に当接可能なウエザー
ストリップ46が設けられる。ルーフ34の下面に沿う
ように配置された合成樹脂製のルーフガーニッシュ47
の端縁は、ルーフサイドレール18の下端から車室側に
突出したウエザーストリップ46の端縁に係止される。
車室に対向するルーフガーニッシュ47の下面は表皮材
49で被覆されており、この表皮材49はルーフガーニ
ッシュ47の端縁において下面側から上面側に回り込ん
でいる。これにより、衝撃が加わったときに合成樹脂製
のルーフガーニッシュ47の端縁が割れて飛散するのを
防止することができる。
【0021】図4および図6から明らかなように、ルー
フサイドレール18から下向きに延びるセンターピラー
12はアウトサイドパネル65、スチフナ66およびセ
ンターピラーインナー67から構成されており、ルーフ
34のインナー部材37とセンターピラー12のセンタ
ーピラーインナー67とに亘ってフロントブラケット5
0が装着される。フロントブラケット50は金属板を折
り曲げたもので、その上部がルーフ34のインナー部材
37に重ねられた状態で、エアバッグ21の衝撃吸収部
材支持部21aと共に2本のボルト38,38で固定さ
れ、またその下部がセンターピラー12のセンターピラ
ーインナー67に2本のボルト51,51で固定され
る。
【0022】フロントブラケット50の中間には車室側
に突出する突出部52が形成されており、突出部52の
上面に形成したガイド面52aが折り畳んだエアバッグ
21の下端に対向するとともに、突出部52の下面に形
成した2個の係止孔52b,52bに、センターピラー
ガーニッシュ53の上部内面に突設した係止爪53a,
53aが係合する。尚、センターピラーガーニッシュ5
3の内面には、乗員の二次衝突の衝撃を吸収すべく多数
の衝撃吸収リブ(図示せず)が形成される。
【0023】しかして、特別のクリップ等を用いること
なく、センターピラーガーニッシュ53の上部をセンタ
ーピラー12に固定することができ、しかもクリップを
用いた場合に比べてセンターピラーガーニッシュ53を
強固に固定することができる。そしてルーフガーニッシ
ュ47の下縁が、フロントブラケット50の突出部52
の頂面52cとセンターピラーガーニッシュ53の上端
内面との間に挟まれて固定される。
【0024】図4、図7および図12から明らかなよう
に、ルーフサイドレール18から下向きに延びるリヤピ
ラー15はアウター部材54、センター部材55および
インナー部材56から構成されており、ルーフ34のイ
ンナー部材37とリヤピラー15のインナー部材56と
に亘ってリヤブラケット57が装着される。リヤブラケ
ット57はフロントブラケット50と略同一形状であ
り、その上部がルーフ34のインナー部材37に重ねら
れた状態で、エアバッグ21の衝撃吸収部材支持部21
aと共に2本のボルト38,38で固定され、その下部
がリヤピラー15のインナー部材56に2本のボルト5
8,58で固定される。リヤブラケット57の中間には
車室側に突出する突出部59が形成されており、突出部
59の上面に形成したガイド面59aが折り畳んだエア
バッグ21の下端に対向する。
【0025】リヤピラー15のインナー部材56にクリ
ップ60で固定されたリヤピラーガーニッシュ61は、
その上端に車体外側に折れ曲がったフランジ61aを備
えており、ルーフガーニッシュ47の下縁にも前記リヤ
ピラーガーニッシュ61のフランジ61aに突き合わさ
れるフランジ47aが形成される。ルーフガーニッシュ
47のフランジ47aは、下向きに突出する複数個(実
施例では5個)の係止爪47b…を備えており、これら
の係止爪61b…はリヤピラーガーニッシュ61のフラ
ンジ61aの裏面に係合する。尚、リヤピラーガーニッ
シュ61の内面には、乗員の二次衝突の衝撃を吸収すべ
く多数の衝撃吸収リブ(図示せず)が形成される。
【0026】図2、図8および図11に示すように、フ
ロントピラー11の前面にはラバー部材62を介してフ
ロントガラス63の側縁が支持されており、このラバー
部材62とフロントピラー11の後面に設けたウエザー
ストリップ48との間に、断面が弧状に湾曲するフロン
トピラーガーニッシュ64が取り付けられる。フロント
ピラーガーニッシュ64の上半部は中空であり、そこに
エアバッグ21の前端の折り畳まれた非膨張部21b
と、衝撃吸収部材33の前端部とが収納される。そして
エアバッグ21および衝撃吸収部材33が収納されない
フロントピラーガーニッシュ64の下半部の内面には、
衝撃吸収用の多数の衝撃吸収リブ64a…が一体に形成
される。
【0027】このように、フロントピラーガーニッシュ
64の上半部に衝撃吸収部材33を収納し、フロントピ
ラーガーニッシュ64の下半部に多数の衝撃吸収リブ6
4a…を形成したことにより、フロントピラー11内に
エアバッグ21の前端部を収納しながら、フロントピラ
ー11の全長に亘って衝撃吸収効果を発揮させることが
できる。しかもエアバッグ21の前端部を収納するフロ
ントピラーガーニッシュ64の上半部に衝撃吸収リブ6
4a…が形成されていないため、エアバッグ21の展開
時にフロントピラーガーニッシュ64を容易に撓ませて
エアバッグ21のスムーズな展開を可能にし、かつフロ
ントピラーガーニッシュ64の一部が割れて飛散するの
を確実に防止することができる。
【0028】図13から明らかなように、エアバッグ2
1の上部連通路29の内部に延びるガス供給パイプ31
の先端は、後輪68のホイールハウス69の前端よりも
距離αだけ後方に位置している。車両の側面衝突時にガ
ス供給パイプ31が損傷するとエアバッグ21の正常な
展開が妨げられる場合があるが、後輪68のホイールハ
ウス69は幅広のリヤピラー15に近傍に位置して車体
の変形に対する剛性を高めるため、そのホイールハウス
69の前端からガス供給パイプ31の先端が突出しない
ように配置することで、側面衝突時におけるガス供給パ
イプ31の損傷を効果的に防止することができる。しか
も、フロントピラー11よりも幅広で剛性が高いリヤピ
ラー15にインフレータ30を収納したので、インフレ
ータ30の保護効果も向上する。
【0029】図1に示すように、前部側突センサ71お
よび後部側突センサ72が電子制御ユニット73に接続
されており、電子制御ユニット73が両加速度センサ7
1,72からの信号に基づいて車両の側面衝突(あるい
は車両のロールオーバー)1検知すると、エアバッグ2
1を展開すべくインフレータ30に作動信号を出力す
る。
【0030】図14に示すように、フロントシート74
に着座した乗員を拘束するためのシートベルト装置75
は、一端がシートフレーム76に固定され、他端がタン
グ77に形成したスリットを摺動自在に貫通するラップ
ベルト78と、一端がラップベルト78の他端に一体に
連なり、センターピラー12に設けたスリップガイド7
9を経由して、他端がセンターピラー12の下部に設け
たリトラクタ80に巻き取られるショルダーベルト81
とを備える。通常時、タング77をシートフレーム76
に固定したバックル82に結合すべく引っ張ると、ショ
ルダーベルト81はリトラクタ80から自由に引き出す
ことが可能であるが、図示せぬ正突センサが車両の正面
衝突を検知すると、公知のプリテンショナを内蔵したリ
トラクタ80はショルダーベルト81の他端を引き込む
ように作動し、乗員をフロントシート74に確実に拘束
する。
【0031】次に、上記実施例の作用について説明す
る。
【0032】前部側突センサ71および後部側突センサ
72により車両の側面衝突が検知されると電子制御ユニ
ット73からの指令でインフレータ30が作動し、イン
フレータ30内に蓄圧されたガスがガス供給パイプ31
および上部連通路29を経て13個のセル28…に流入
し、それら13個のセル28…を膨張させる。エアバッ
グ21の膨張によりエアバッグカバー42のスリット4
2a…が破断し、拘束を解かれたエアバッグ21が下方
に展開する。
【0033】図5に示すように、フロントドア13およ
びリヤドア16のドア開口部14,17では、展開する
エアバッグ21の圧力でルーフガーニッシュ47の下縁
が下方に押し下げられてウエザーストリップ46との係
合が外れ、そこに形成された開口を通ってエアバッグ2
1が車室内に下向きに展開する。
【0034】また図6に示すように、センターピラー1
2の位置では、展開するエアバッグ21の圧力でルーフ
ガーニッシュ47の下縁が下方に押し下げられてセンタ
ーピラーガーニッシュ53の上端との係合が外れ、そこ
に形成された開口を通ってエアバッグ21が車室内に下
向きに展開する。
【0035】ところで、センターピラー12の車室側側
面を覆うセンターピラーガーニッシュ53は、センター
ピラー12ではなくフロントブラケット50に固定され
ているため、車両が側面衝突してルーフサイドレール1
8に対してセンターピラー12の上部が変形しても、フ
ロントブラケット50の上部に支持したエアバッグ21
とセンターピラーガーニッシュ53との位置関係が変化
し難くなる。従って、センターピラーガーニッシュ53
をクリップではなく係止爪53a,53aでフロントブ
ラケット50に強固に固定したことと相俟って、展開す
るエアバッグ21がセンターピラーガーニッシュ53の
上端に引っ掛かり難くして確実な展開を保証することが
できる。
【0036】しかも、展開するエアバッグ21は、フロ
ントブラケット50の突出部52の傾斜したガイド面5
2aに案内されて車室内に向けて斜め下方に案内される
ため、センターピラーガーニッシュ53との干渉を回避
してエアバッグ21を一層スムーズに展開させることが
できる。
【0037】また図7に示すように、リヤピラー15の
位置では、展開するエアバッグ21の圧力でルーフガー
ニッシュ47の下縁が下方に押し下げられてリヤピラー
ガーニッシュ61の上端との係合が外れ、そこに形成さ
れた開口を通ってエアバッグ21が車室内に下向きに展
開する。このとき、展開するエアバッグ21は、リヤブ
ラケット57の突出部59の傾斜したガイド面59aに
案内されて車室内に向けて斜め下方に案内されるため、
リヤピラーガーニッシュ47との干渉を回避してエアバ
ッグ21をスムーズに展開させることができる。
【0038】更に、ルーフガーニッシュ47の下縁近傍
は突出部59の頂面59bとリヤピラーガーニッシュ6
1のフランジ61aとにより両側から挟まれて位置決め
されるため、両者のフランジ47a,61aは段差を発
生せずに突き合わされて美観が向上する。しかもエアバ
ッグ21の展開時にルーフガーニッシュ47の係止爪4
7b…が撓んでリヤピラーガーニッシュ61のフランジ
61aから簡単に外れるため、ルーフガーニッシュ47
とリヤピラーガーニッシュ61との間にエアバッグ21
が展開する開口を確実に形成することができる。仮に、
ルーフガーニッシュ47の下縁全体をリヤピラーガーニ
ッシュ61の上縁の裏面に係合させると、エアバッグ2
1の展開時にルーフガーニッシュ47の下縁をリヤピラ
ーガーニッシュ61の上縁からスムーズに分離させるの
が難しくなる。
【0039】また図8に示すように、フロントピラー1
1の位置では、展開するエアバッグ21の圧力でフロン
トピラーガーニッシュ64の後縁が下方に押し下げられ
てウエザーストリップ48との係合が外れ、そこに形成
された開口を通ってエアバッグ21が車室内に下向きに
展開する。
【0040】側面衝突により発生する加速度が所定値以
下の場合には乗員拘束装置Cは作動しないが、その衝撃
で乗員がルーフサイドレール18に臨むルーフガーニッ
シュ47の下縁、あるいはフロントピラーガーニッシュ
64の上部に二次衝突した場合には、コルゲートパイプ
よりなる衝撃吸収部材33が押し潰されて衝撃を吸収す
るだけでなく、折り畳まれたエアバッグ21も衝撃吸収
効果を高める機能を発揮する。このとき、衝撃吸収部材
33はルーフ34のインナー部材37あるいはフロント
ピラー11のインナー部材41に当接する状態で支持さ
れているため(図5〜図8参照)、それらインナー部材
37,41に押し付けられて確実に圧潰し、二次衝突の
衝撃を効果的に吸収することができる。
【0041】電子制御ユニット73に接続されたリトラ
クタ80のプリテンショナは、車両の正面衝突時に作動
するだけでなく、前部側突センサ71および後部側突セ
ンサ72により車両の側面衝突が検知された場合にも作
動する。従って、車両の側面衝突時にエアバッグ21の
展開に先立ち、シートベルト装置75のラップベルト7
8およびショルダーベルト81にプリテンショナで張力
を与え、下向きに展開するエアバッグ21と干渉してシ
ョルダーベルト81が乗員の肩からずれるのを確実に防
止することができる。
【0042】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0043】例えば、実施例ではリヤピラーガーニッシ
ュ61に本発明を適用しているが、センターピラーガー
ニッシュ53に本発明を適用することができる。
【0044】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、エアバッグを覆うルーフガーニッシュの下縁
とピラーガーニッシュの上縁とを突き合わせ、かつルー
フガーニッシュの下縁に所定間隔で設けた複数の係止爪
をピラーガーニッシュの上縁の裏面に係止したので、係
止爪で両ガーニッシュを相対的に位置決めして突き合わ
せ部の段差を無くし、外観を向上させることができる。
しかもエアバッグが膨張する圧力でルーフガーニッシュ
がピラーガーニッシュから分離して車室側に変形すると
き、係止爪だけが変形すれば良いため、ルーフガーニッ
シュの下縁全体をピラーガーニッシュの上縁に係止した
場合に比べてエアバッグが受ける負荷を減少させること
ができる。
【0045】また請求項2に記載された発明によれば、
展開するエアバッグをガイド部材により車室側に向けて
案内するので、エアバッグがピラーガーニッシュの上端
に引っ掛かるのを防止してスムーズに展開させることが
できる。しかもルーフガーニッシュの下縁の裏面をガイ
ド部材の頂面に当接させて位置決めしたので、ルーフガ
ーニッシュの下縁をガイド部材の頂面およびピラーガー
ニッシュの上縁で両側から挟み付けて更に精度良く位置
決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車の車室内部を示す斜視図
【図2】乗員拘束装置のエアバッグが展開した状態を示
す、前記図1に対応する図
【図3】エアバッグが展開した乗員拘束装置の拡大図
【図4】乗員拘束装置の分解斜視図
【図5】図1の5−5線拡大断面図
【図6】図1の6−6線拡大断面図
【図7】図1の7−7線拡大断面図
【図8】図1の8−8線拡大断面図
【図9】図3の9−9線拡大断面図
【図10】図5の10−10線拡大断面図
【図11】図4の11方向矢視図
【図12】図7の12方向矢視図
【図13】展開したエアバッグ後部近傍の拡大図
【図14】フロントシートに着座した乗員の正面図
【符号の説明】
14 ドア開口部 17 ドア開口部 21 エアバッグ 30 インフレータ 47 ルーフガーニッシュ 47b 係止爪 57 リヤガイド部材(ガイド部材) 59b 頂面 61 リヤピラーガーニッシュ(ピラーガーニッ
シュ)
フロントページの続き (72)発明者 大塚 猛 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 川尻 直輝 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 宮本 和明 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D023 BA01 BB06 BB10 BB22 BC01 BD01 BD02 BE03 BE09 3D054 AA07 AA16 AA18 BB24 FF20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体のドア開口部(14,17)の上縁
    に沿って折り畳み状態のエアバッグ(21)を配置し、
    車両の衝突時にインフレータ(30)が発生するガスで
    エアバッグ(21)を膨張させて車室の側部内面に沿っ
    てカーテン状に展開させる乗員拘束装置において、 折り畳んだエアバッグ(21)を覆うルーフガーニッシ
    ュ(47)の下縁と、このルーフガーニッシュ(47)
    の下部に接続されるピラーガーニッシュ(61)の上縁
    とを突き合わせるとともに、ルーフガーニッシュ(4
    7)の下縁に所定間隔で設けた複数の係止爪(47b)
    をピラーガーニッシュ(61)の上縁の裏面に係止した
    ことを特徴とする乗員拘束装置。
  2. 【請求項2】 折り畳んだエアバッグ(21)の下部
    に、展開するエアバッグ(21)を車室側に向けて案内
    するガイド部材(57)を配置し、ルーフガーニッシュ
    (47)の下縁の裏面をガイド部材(57)の頂面(5
    9b)に当接させて位置決めしたことを特徴とする、請
    求項1に記載の乗員拘束装置。
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