JP2002361596A - シリコン系構造体の製造装置と製造方法 - Google Patents

シリコン系構造体の製造装置と製造方法

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JP2002361596A JP2002062558A JP2002062558A JP2002361596A JP 2002361596 A JP2002361596 A JP 2002361596A JP 2002062558 A JP2002062558 A JP 2002062558A JP 2002062558 A JP2002062558 A JP 2002062558A JP 2002361596 A JP2002361596 A JP 2002361596A
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Masayuki Matsui
正行 松井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空のシリコン系構造体の製造工程を簡単化
する。 【解決手段】 シリコン系構造体の製造装置は、シリコ
ン基板上に酸化シリコン層が形成され、その酸化シリコ
ン層がシリコン層で覆われた試料を加工して中空のシリ
コン系構造体を製造する装置である。この装置は、第1
ガス供給部20、21と、第2ガス供給部30、31
と、エッチング反応室10と、選択連通手段23〜2
6、34、35と、ガス排出手段42を備えている。第
1ガスは、シリコンをエッチングする。第2ガスは、酸
化シリコンをエッチングしてシリコンをほとんどエッチ
ングしない。選択連通手段23〜26、34、35は、
エッチング反応室10を第1ガス供給部20、21と第
2ガス供給部30、31のいずれかに選択的に連通させ
る。ガス排出手段42は、エッチング反応室10内のガ
スを排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、シリコン系材料
の加工技術と、シリコン系構造体の製造技術に関する。
本明細書でいうシリコン系材料とは、単結晶シリコン、
多結晶シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等をい
う。シリコン系構造体とは、製造中あるいは製造後にお
いて、シリコン系材料が含まれている構造体をいう。シ
リコン系構造体には、シリコン系材料以外の材料が含ま
れていてもよい。
【0002】
【従来の技術】 半導体製造技術の進展によって様々な
シリコン系材料の加工技術が開発されている。このシリ
コン系材料の加工技術を用いることで、MOS(Metal
Oxide Semiconductor)等の半導体素子のみならず、セ
ンサやアクチュエータ等の機能を有する様々なシリコン
系構造体の製造も可能となっている。今日では数μm以
下のシリコン系材料の微細加工が可能となっており、こ
の微細加工技術(マイクロマシニング技術)によって、
μmオーダの微小構造体の製造も可能となっている。
【0003】(第1背景技術)例えば図22に示す中空
空間320を有するシリコン系構造体を、シリコン系材
料の加工技術を用いて製造する方法を、図20〜図22
を参照して説明する。このシリコン系構造体は、中空空
間320の上方に伸びるビーム(梁)やマス(質量体)
Aを有する。まず図20に示すように、シリコン基板3
02上の所定領域に酸化シリコン層308を形成する。
次に酸化シリコン層308を覆うようにシリコン層31
2を形成する。以上の工程を経ることで得られた図20
に示す試料を、ドライエッチング装置のエッチング反応
室に収容する。この装置では、シリコンをエッチングす
るガスをエッチング反応室に供給して、図21に示すよ
うにシリコン層312を局所的にドライエッチングす
る。これにより、酸化シリコン層308に達するエッチ
ング孔318が形成される。この結果、酸化シリコン層
308の一部が露出する。エッチング孔318が形成さ
れた図21に示す試料を、今度はウェットエッチング装
置のエッチング容器に収容してエッチング液に浸漬す
る。このエッチング液は、例えばフッ化水素酸を希釈し
た溶液(希HF)である。フッ化水素溶液は、酸化シリ
コンをエッチングしてシリコンをほとんどエッチングし
ない。この結果、図22に示すように、酸化シリコン層
308がウェットエッチングされて除去される。酸化シ
リコン層308は、最終的には除去することで中空空間
320を作り出すための層である。この層は一般に「犠
牲層」と称される。この結果、中空空間320を有する
中空のシリコン構造体が製造される。
【0004】この構造体は、例えば加速度センサとして
用いられる。加速度センサとして用いられる場合には、
シリコン層312の一部Aが、加速度が作用すると変位
するビームあるいはマスとして用いられる。例えばシリ
コン基板302の基板面に垂直な方向の加速度が作用す
るとマスAが基板面垂直方向に変位する。マスAの変位
を図示しない電極対間の静電容量の変化として検出する
ことで、作用した加速度を検出できる。あるいはシリコ
ン基板302の基板面に垂直な方向の加速度が作用する
とビームAがたわむ。ビームAのたわみを図示しないピ
エゾ抵抗の抵抗変化として検出することで、作用した加
速度を検出できる。なお、シリコン基板302の基板面
に平行な方向の加速度を検出することも可能である。
【0005】(第2背景技術)例えば図26に示す中空
空間420を有するシリコン系構造体を、シリコン系材
料の加工技術を用いて製造する方法を、図23〜図26
を参照して説明する。このシリコン系構造体は、中空空
間420の上方に位置するダイアフラムBを有する。ま
ず図23に示すように、単結晶シリコン基板402に局
部的に不純物を注入して下部電極404を形成する。シ
リコン基板402の表面を窒化処理して、下部窒化シリ
コン層410を形成する。下部窒化シリコン層410上
の所定領域に、多結晶シリコン層408を形成する。こ
の例では多結晶シリコン層408が犠牲層となる。その
多結晶シリコン層408を覆うように、上部第1窒化シ
リコン層412を形成する。上部第1窒化シリコン層4
12上の所定領域に、上部電極406を形成する。上部
電極406は多結晶シリコン等で形成される。上部電極
406を覆うように、上部第2窒化シリコン層414を
形成する。上部電極406が存在しない部分で、上部窒
化シリコン層412、414をエッチングし、多結晶シ
リコン層408に達するエッチング孔418を形成す
る。これにより、多結晶シリコン層408の一部が露出
する。この結果、多結晶シリコン層408の露出した部
分が酸化して自然酸化膜(酸化シリコン)419が形成
されてしまう。
【0006】以上の工程を経ることで得られた試料を、
酸化シリコンのウェットエッチング装置のエッチング容
器に入れてエッチング液に浸漬する。このエッチング液
は上記したフッ化水素酸を希釈した溶液(希HF)等で
ある。フッ化水素溶液は、酸化シリコンをエッチングし
て窒化シリコンをほとんどエッチングしない。この結
果、図24に示すように、自然酸化膜419はウェット
エッチングされて除去される。次に、自然酸化膜419
が除去された試料を、シリコンのドライエッチング装置
のエッチング反応室に収容する。この装置では、シリコ
ンをエッチングして窒化シリコンをほとんどエッチング
しないガスをエッチング反応室に供給して、犠牲層であ
る多結晶シリコン層408をドライエッチングする。こ
の結果、中空空間420が形成される。
【0007】その後、図25に示すように、上部電極4
06と下部電極404上にコンタクト孔422a、42
2bを形成する。その後、配線層となるアルミニウム層
416を試料の表面に亘って形成する。その後、図26
に示すように、アルミニウム層416をパターニングし
て上部電極406に接する配線層416aと、下部電極
404に接する配線層416bを形成する。その後、封
止層424を形成してエッチング孔418を封止する。
この結果、中空空間420を有する中空のシリコン系構
造体が製造される。この構造体は圧力センサとして機能
する。
【0008】この構造体では、上部窒化シリコン層41
2、414と上部電極406と封止層424の所定部位
Bがダイアフラムとして機能する。中空空間420は密
封された空間であり、圧力基準室として機能する。この
構造体では、ダイアフラムBに作用した圧力と基準圧の
差に応じてダイアフラムBがたわむ。ダイアフラムBが
たわむと、上部電極406と下部電極404の間の距離
が変化する。両電極406、404の間の距離が変化す
ると、両電極406、404の間の静電容量が変化す
る。この静電容量の変化量を検出することでダイアフラ
ムBに作用する圧力の大きさを検出できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】 いずれの背景技術に
おいても、酸化シリコンを除去するためにウェットエッ
チングが行われている。しかし、ウェットエッチングを
行うと、その後に、試料に付着したエッチング溶液を洗
浄する工程や、その洗浄後に試料を乾燥させる工程を行
う必要がある。このため、構造体の製造工程が煩雑にな
るという問題がある。
【0010】また、ウェットエッチングを行うと、その
後の洗浄工程や乾燥工程において、液体の表面張力で中
空の構造体の中空空間を囲む層同士が貼付いてしまう、
いわゆるスティッキング現象が生じる恐れがある。ステ
ィッキング現象が生じると、構造体はセンサやアクチュ
エータ等としてほとんど機能しなくなる。即ち、スティ
ッキング現象は不良品を発生させ、歩留まりを低下させ
る要因となる。第1背景技術を例にすると、図22に示
す構造体において、マス及びビームAとして機能するシ
リコン層312がシリコン基板302に貼付いてしまう
と、作用する加速度によるマスAの変位量あるいはビー
ムAのたわみ量が著しく減少する。この結果、この構造
体は加速度センサとしてほとんど機能しなくなる。第2
背景技術を例にすると、図26に示すダイアフラムBと
して機能する上部第1窒化シリコン層412が下部窒化
シリコン層410に貼付いてしまうと、作用する圧力に
よるダイアフラムBのたわみ量が著しく減少する。この
結果、この構造体は圧力センサとしてほとんど機能しな
くなる。
【0011】センサやアクチュエータ等の高感度化、高
精度化の要求が高まっている。この要求に応えるため、
構造体の剛性はより低く、構造体の形状寸法はより小さ
くなる方向にある。構造体の剛性がより低く、あるい
は、構造体の形状寸法がより小さくなると、ウエットエ
ッチングによってスティッキング現象が生じる可能性が
より高くなる。このように、近年はウェットエッチング
によって不良品が発生し易い状況となっている。
【0012】逆にいうと、不良品を発生させないように
するには、構造体の剛性を高く、構造体の形状寸法を大
きくせざるを得ない。この結果、高感度あるいは高精度
なセンサやアクチュエータ等として機能する構造体の実
現が妨げられてしまう。また、第2背景技術における製
造工程によると、図25に示すように、アルミニウム層
416の形成時にそのアルミニウム416がエッチング
孔418から空間420内に入り込む。この結果、図2
6に示すように、入り込んだアルミニウムの一部416
cが、パターニング後にも除去されずに空間420内に
残ってしまう場合が生じる。空間420内にアルミニウ
ム416cが残ると、ダイアフラムBに圧力が作用した
ときに、そのダイアフラムBのたわみの邪魔をする。即
ち、圧力センサとしてほとんど機能しない構造体が製造
され、不良品が発生することになる。
【0013】図23の自然酸化膜419とシリコン層4
08をエッチングする前にアルミニウム層416を形成
できれば、このような問題は生じない。しかし、自然酸
化膜419をエッチングするフッ化水素溶液は、アルミ
ニウム416をエッチングしてしまう。このため、第2
背景技術では、図23の自然酸化膜419とシリコン層
408をエッチングした後に図25のアルミニウム層4
16を形成せざるを得ない。なお、第1背景技術のシリ
コン系構造体でも同様の問題が生じ得る。また、シリコ
ン系構造体の製造時のスティッキング現象の発生だけで
なく、使用時のスティッキング現象の発生を減少させる
ことも重要な課題である。使用時のスティッキング現象
の発生を減少させることができれば、シリコン系構造体
の使用時の故障品の発生を減少させることができる。
【0014】以上では、フッ化水素溶液等によって酸化
シリコンをウェットエッチングする場合の問題点につい
て説明した。これに対し、近年では、フッ化水素ガスに
よって酸化シリコンをドライエッチングできる装置も現
れている。これに関連する技術は、特開平8−1160
70号公報や、特開平4−96222号公報に開示され
ている。しかし、この装置を用いる場合でも、シリコン
のドライエッチング装置のエッチング反応室と酸化シリ
コンのドライエッチング装置のエッチング反応室の間で
試料を移し換えるという面倒な作業が必要となる。この
作業は、製造工程を煩雑化する。また、試料を移し換え
る際にその試料を外気にさらすことになる。このことは
シリコン系構造体の製造時の不良品の発生あるいは使用
時の故障品の発生を招く要因となる。特に、シリコンの
表面に形成された自然酸化膜のドライエッチングを行っ
た後、シリコンのドライエッチングを行うために試料を
移し換える場合は、その試料が外気にさらされること
で、その試料のシリコンの表面に再度自然酸化膜が形成
されてしまう恐れがある。
【0015】このように、シリコンと酸化シリコンのエ
ッチングを別々のドライエッチング装置を用いて行うよ
うにすると、上記したような問題やコスト高の問題が生
じる。このため、シリコン系構造体を製造する場合、第
1及び第2背景技術で説明したように、シリコンのエッ
チングはシリコンのドライエッチング装置で行い、酸化
シリコンのエッチングは従来から広く用いられている酸
化シリコンのウェットエッチング装置で行うことが実際
上は一般的となっている。
【0016】本発明はシリコン系構造体の製造工程を簡
単化することを第1の課題とする。本発明はシリコン系
構造体の製造時の不良品の発生又は使用時の故障品の発
生を少なくすることを第2の課題とする。本発明は高感
度あるいは高精度なセンサやアクチュエータ等として機
能するシリコン系構造体を実現することを第3の課題と
する。本発明は上記した課題の少なくとも1つを解決す
るためになされたものである。
【0017】
【課題を解決するための手段および作用と効果】 上記
したシリコンのドライエッチング装置にしても、酸化シ
リコンのドライエッチング装置にしても、センサやアク
チュエータ等の構造体の加工を考慮して作られたもので
なく、MOS等の半導体素子の加工を考慮して作られて
いるという背景がある。MOS等の半導体素子の加工に
おいては、エッチングの必要な材料がシリコンのみ又は
酸化シリコンのみである場合も少なくない。また、シリ
コンと酸化シリコンの両方をエッチングしなければなら
ない場合でも、一方の材料(シリコン又は酸化シリコ
ン)をエッチングした後に何らかの加工(例えば結晶成
長や膜成形等)をし、次いで他方の材料(酸化シリコン
又はシリコン)をエッチングする。上記したシリコンの
ドライエッチング装置や酸化シリコンのドライエッチン
グ装置は、これらの場合を想定して作られている。MO
S等の半導体素子の加工においては、一方の材料(シリ
コン又は酸化シリコン)をエッチングした後に続けて他
方の材料(酸化シリコン又はシリコン)をエッチングす
ることは少ないのである。
【0018】そのような中で、本発明者らは、シリコン
系構造体を製造するのに適した技術を実現するために鋭
意研究を行った結果、シリコンのドライエッチングと酸
化シリコンのドライエッチングを同一のエッチング反応
室で行うことで、シリコン系構造体に関する上記した課
題を効果的に解決できるとの着想を見出したのである。
【0019】本発明を具現化したシリコン系材料の加工
装置、あるいはシリコン系構造体の製造装置は、センサ
やアクチュエータ等として機能するシリコン系構造体の
製造が最初に念頭に置かれている点で斬新な装置であ
る。また、本発明は、シリコン系構造体の製造方法にも
具現化される。
【0020】以下に、本発明を具現化した第1〜第8の
態様と、これらの態様のより好ましい実施態様を説明す
る。本発明を具現化した第1の態様は、シリコン系材料
の加工装置である。この装置は、第1ガス供給部と、第
2ガス供給部と、エッチング反応室と、選択連通手段
と、ガス排出手段を備えている。第1ガスは、シリコン
をエッチングするガスである。第2ガスは、酸化シリコ
ンをエッチングしてシリコンをほとんどエッチングしな
いガスである。選択連通手段は、エッチング反応室を第
1ガス供給部と第2ガス供給部のいずれかに選択的に連
通させる。ガス排出手段は、エッチング反応室内のガス
を排出する。
【0021】この態様によると、選択連通手段によって
第1ガス供給部をエッチング反応室に連通させること
で、エッチング反応室に第1ガスを供給できる。エッチ
ング反応室に第1ガスを供給することで、シリコンの少
なくとも一部をドライエッチングして除去できる。ガス
排出手段によってエッチング反応室内の第1ガスを排出
できる。選択連通手段によって第2ガス供給部をエッチ
ング反応室に連通させることで、エッチング反応室に第
2ガスを供給できる。エッチング反応室に第2ガスを供
給することで、シリコンが残っている場合はそのシリコ
ンを残しながら、酸化シリコンの少なくとも一部をドラ
イエッチングして除去できる。第2ガスを供給した後に
第1ガスを供給しても勿論よい。
【0022】この態様によると、酸化シリコンを除去す
るためにウェットエッチングをしなくてもよい。よっ
て、試料に付着したエッチング液を洗浄する工程や、そ
の洗浄後に試料を乾燥させる工程を行わなくてもよい。
このため、シリコン系構造体の製造工程を簡単化でき
る。また、酸化シリコンを除去するためにウェットエッ
チングしなくてもよいので、製造時にスティッキング現
象が生じる可能性を非常に低くできる。よって、製造時
の不良品の発生を減少させることができる。逆にいう
と、ウェットエッチングを行っていた場合に比べて、構
造体の剛性を低く、構造体の形状寸法を小さくできる。
このため、高感度あるいは高精度なセンサやアクチュエ
ータ等として機能する構造体を実現できる。また、シリ
コンと酸化シリコンを同一のエッチング反応室でドライ
エッチングできるので、シリコンのドライエッチング装
置のエッチング反応室と酸化シリコンのドライエッチン
グ装置のエッチング反応室の間で試料を移し換えるとい
う面倒な作業が不要となる。このため、製造工程を簡単
化できる。エッチング反応室間で試料を移し換える必要
がないために、その間に試料が外気にさらされることも
ない。特に、シリコンの表面に形成された自然酸化膜の
エッチングを行った後に、その試料の表面に再度自然酸
化膜が形成されてしまうことを防止できる。シリコン系
構造体の製造時の不良品の発生あるいは使用時の故障品
の発生を減少させることができる。以上の効果は、以下
で説明する第2〜第8の態様においても同様に得ること
ができる。
【0023】第2の態様のシリコン系材料の加工装置
は、第1の態様と同様に、第1ガス供給部と、第2ガス
供給部と、エッチング反応室と、選択連通手段と、ガス
排出手段を備えている。第1ガスは、酸化シリコンをエ
ッチングして窒化シリコンをほとんどエッチングしない
ガスである。第2ガスは、シリコンをエッチングして窒
化シリコンをほとんどエッチングしないガスである。
【0024】この態様によると、エッチング反応室に第
1ガスを供給することで、窒化シリコンが存在する場合
はその窒化シリコンをエッチングしないようにしなが
ら、酸化シリコンの少なくとも一部をドライエッチング
して除去できる。そのエッチング反応室から第1ガスを
排出した後、そのエッチング反応室に第2ガスを供給す
ることで、窒化シリコンが存在する場合はその窒化シリ
コンをエッチングしないようにしながら、シリコンの少
なくとも一部をドライエッチングして除去できる。第2
ガスを供給した後に第1ガスを供給しても勿論よい。
【0025】第3の態様は、シリコン系構造体の製造装
置である。この装置は、第1シリコン系材料上に第2シ
リコン系材料が形成され、その第2シリコン系材料が第
3シリコン系材料で覆われた試料を加工して中空のシリ
コン系構造体を製造する装置である。この装置は、第1
の態様と同様に、第1ガス供給部と、第2ガス供給部
と、エッチング反応室と、選択連通手段と、ガス排出手
段を備えている。第1ガスは、第2シリコン系材料の一
部を露出させるガスである。第2ガスは、第2シリコン
系材料をエッチングして第1及び第3シリコン系材料を
ほとんどエッチングしないガスである。
【0026】ここで、第1シリコン系材料〜第3シリコ
ン系材料は、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコンの
いずれかである。第1シリコン系材料と第3シリコン系
材料は等しいことがある。第1シリコン系材料と第2シ
リコン系材料は相違し、第2シリコン系材料と第3シリ
コン系材料も相違している。
【0027】この態様によると、エッチング反応室に第
1ガスを供給してドライエッチングすることで、第2シ
リコン系材料の一部を露出させることができる。そのエ
ッチング反応室から第1ガスを排出した後、そのエッチ
ング反応室に第2ガスを供給することで、第1及び第3
シリコン系材料をエッチングしないようにしながら、第
2シリコン系材料をドライエッチングして除去できる。
この結果、第2シリコン系材料がエッチングされて形成
された中空空間を有するシリコン系構造体が製造され
る。
【0028】第4の態様は、第3の態様をさらに具体化
したシリコン系構造体の製造装置である。この装置は、
シリコン基板上に酸化シリコン層が形成され、その酸化
シリコン層がシリコン層で覆われた試料を加工して中空
のシリコン系構造体を製造する装置である。この装置
は、第1の態様と同様に、第1ガス供給部と、第2ガス
供給部と、エッチング反応室と、選択連通手段と、ガス
排出手段を備えている。第1ガスは、シリコンをエッチ
ングするガスである。第2ガスは、酸化シリコンをエッ
チングしてシリコンをほとんどエッチングしないガスで
ある。
【0029】この態様によると、エッチング反応室に第
1ガスを供給してシリコン層を局部的にドライエッチン
グすることで、酸化シリコン層の一部を露出させること
ができる。そのエッチング反応室から第1ガスを排出し
た後、そのエッチング反応室に第2ガスを供給すること
で、シリコン基板とシリコン層をエッチングしないよう
にしながら、酸化シリコン層をドライエッチングして除
去できる。この結果、酸化シリコン層がエッチングされ
て形成された中空空間を有するシリコン系構造体が製造
される。
【0030】第5の態様は、第3の態様をさらに具体化
したシリコン系構造体の製造装置である。この装置は、
下部窒化シリコン層上にシリコン層が形成され、そのシ
リコン層が上部窒化シリコン層で覆われ、その上部窒化
シリコン層には孔が形成され、その孔に対応して位置す
るシリコン層の表面に酸化シリコンが形成された試料を
加工して中空のシリコン系構造体を製造する装置であ
る。この装置は、第1の態様と同様に、第1ガス供給部
と、第2ガス供給部と、エッチング反応室と、選択連通
手段と、ガス排出手段を備えている。第1ガスは、酸化
シリコンをエッチングして窒化シリコンをほとんどエッ
チングしないガスである。第2ガスは、シリコンをエッ
チングして窒化シリコンをほとんどエッチングしないガ
スである。
【0031】この態様によると、エッチング反応室に第
1ガスを供給してシリコン層の表面に形成された酸化シ
リコンをドライエッチングすることで、シリコン層の一
部を露出させることができる。そのエッチング反応室か
ら第1ガスを排出した後、そのエッチング反応室に第2
ガスを供給することで、下部窒化シリコン層と上部窒化
シリコン層をエッチングしないようにしながら、シリコ
ン層をドライエッチングして除去できる。この結果、シ
リコン層がエッチングされて形成された中空空間を有す
るシリコン系構造体が製造される。
【0032】第1〜第5の態様においては、第1ガスと
第2ガスは、アルミニウム系材料をほとんどエッチング
しないガスであることが好ましい。なお、アルミニウム
系材料の例としては、アルミニウムを始めとして、Al
−SiやAl−SI−Cu等のアルミ合金が挙げられ
る。第1ガスと第2ガスがアルミニウム系材料をほとん
どエッチングしなければ、これらのガスによってシリコ
ンと酸化シリコンをエッチングする前にアルミニウム系
材料を形成できる。よって、ドライエッチングによって
除去された中空空間にアルミニウム系材料が入り込むこ
とを回避できる。このため、製造時の不良品の発生ある
いは使用時の故障品の発生を減少させることができる。
【0033】第1〜第5の態様においては、ガス供給部
は、ガスの原料である固体又は液体の収容部を有するこ
とが好ましい。さらに、その固体又は液体をガスに変換
するガス変換手段を備えることが好ましい。この態様に
よると、ガスに比較して取扱いが容易な固体又は液体の
状態で収容し、エッチング反応室にガスを供給する必要
がある場合にガスに変換して供給できる。このため、装
置の利便性を向上させることができる。
【0034】ガス供給部はまた、固体又は液体から変換
されたガスの貯蔵部を有することが好ましい。この態様
によると、固体又は液体から変換されたガスを貯蔵でき
るので、多量のガスによるドライエッチングが必要な場
合にも充分に対処できる。
【0035】ガス供給部はより具体的には、固体である
二フッ化キセノン(XeF)又は三フッ化臭素(Br
)を収容する容器を有することが好ましい。これら
の容器に収容された原料をガス化した二フッ化キセノン
ガス又は三フッ化臭素ガスは、シリコンをエッチングし
て、酸化シリコンと窒化シリコンとアルミニウム系材料
をほとんどエッチングしないという性質を持つ。このた
め、これらの容器の原料をガス化したものは、第4の態
様における第1ガス又は第5の態様における第2ガスと
して好適なガスである。
【0036】あるいはガス供給部が、フッ化水素(H
F)溶液を収容する容器と、メチルアルコール(CH
OH)溶液又は水(HO)を収容する容器を有するこ
とが好ましい。これらの容器に収容された原料をガス化
したフッ化水素とメチルアルコール又は水の混合ガス
は、酸化シリコンをエッチングして、シリコンと窒化シ
リコンとアルミニウム系材料をほとんどエッチングしな
いという性質を持つ。このため、これらの容器の原料を
ガス化したものは、第4の態様における第2ガス又は第
5の態様における第1ガスとして好適なガスである。
【0037】液体収容部の液体をガスに変換してエッチ
ング反応室に供給する場合において、その液体が液体収
容部とエッチング反応室の間で詰まることを抑制する手
段をさらに備えることが好ましい。この態様によると、
液体収容部の液体をガスに変換するときに、その液体が
突沸して液体収容部とエッチング反応室の間の配管等ま
で入り込んだ場合でも、その液体が詰まることを抑制で
きる。
【0038】ガス変換手段は、固体又は液体収容部を減
圧する減圧手段であることが好ましい。さらに、その減
圧手段と固体又は液体収容部はエッチング反応室を介し
て接続されていることが好ましい。この態様によると、
固体又は液体収容部の固体又は液体をガスに変換しつ
つ、その変換されたガスをエッチング反応室に素早く導
くことができる。
【0039】第1〜第5の態様においては、エッチング
反応室内に、ガス供給口からガス排出口への直線的なガ
スの流れを阻止する手段が設けられていることが好まし
い。このような阻止手段を設けると、エッチング反応室
内でのガスの流れの均一性を向上できる。
【0040】第1〜第5の態様においては、ガス排出手
段は、高速排出手段と低速排出手段を有することが好ま
しい。これらの排出手段を設けることで、例えば通常は
低速で排出し必要時のみ高速に排出するといった効率的
なガスの排出が行える。
【0041】第1〜第5の態様においては、試料のエッ
チング終了時を検出するエッチング終了検出手段をさら
に備えることが好ましい。この検出手段を利用すること
で、例えば試料の大きさにばらつきがある場合でも、必
要以上にエッチングされたり、あるいは逆にエッチング
が不充分であるといった事態が生じることを防止でき
る。
【0042】第1〜第5の態様においては、有機ケイ素
化合物を収容する容器と、水を収容する容器と、これら
の容器に収容された有機ケイ素化合物と水をガスに変換
するガス変換手段と、これらの容器に接続されたコーテ
ィング室をさらに備えることが好ましい。この態様は、
シリコン系構造体の使用時のスティッキング現象の発生
を抑制する上で有用な技術である。この態様によると、
第1〜第5の態様によって形成されたシリコン系構造体
の表面に、撥水性の膜をコーティングできる。よって、
シリコン系構造体の撥水性を向上させることができる。
このため、例えば結露し易いような環境で構造体を使用
している場合であっても、構造体に液が付着してその液
の表面張力によってスティッキング現象が発生すること
を抑制できる。従って、使用時の故障品の発生を減少さ
せることができる。
【0043】さらに次のような連結部と、開閉手段と、
試料搬送手段を備えることが好ましい。連結部は、エッ
チング反応室とコーティング室の間を外気から遮断して
連結する。開閉手段は、エッチング反応室とコーティン
グ室の間を開状態と閉状態に切換可能である。試料搬送
手段は、エッチング反応室とコーティング室の間で試料
を搬送可能である。あるいは、次のような予備室と、連
結部と、開閉手段と、試料搬送手段を備えることが好ま
しい。連結部は、エッチング反応室と予備室、及び、予
備室とコーティング室の間を外気から遮断して連結す
る。開閉手段は、エッチング反応室と予備室の間、及
び、予備室とコーティング室の間を開状態と閉状態に切
換可能である。試料搬送手段は、エッチング反応室と予
備室の間、及び、予備室とコーティング室の間で試料を
搬送可能である。これらの態様によると、エッチング反
応室でドライエッチングが終了した後の構造体を、外気
にさらすことなくコーティング室に搬送することができ
る。このため、構造体の酸化等を防止できる。さらに予
備室を備えると、エッチング反応室とコーティング室間
での構造体の受け渡しがより行い易くなる。
【0044】本発明は、有用なシリコン系構造体の製造
方法にも具現化される。本発明を具現化した第6の態様
のシリコン系構造体の製造方法は、以下の工程を有す
る。第1シリコン系材料上に第2シリコン系材料を形成
する。第2シリコン系材料を覆うように第3シリコン系
材料を形成する。以上の工程を経ることで得られた試料
をエッチング反応室に収容する。そのエッチング反応室
に第1ガスを供給して局所的にドライエッチングして第
2シリコン系材料の一部を露出させる。そのエッチング
反応室から第1ガスを排出する。そのエッチング反応室
に、第2シリコン系材料をエッチングして第1及び第3
シリコン系材料をエッチングしない第2ガスを供給して
第2シリコン系材料をドライエッチングする。ここで、
第1シリコン系材料〜第3シリコン系材料は、シリコ
ン、酸化シリコン、窒化シリコンのいずれかである。第
1シリコン系材料と第3シリコン系材料は等しいことが
あるのに対し、第1シリコン系材料と第2シリコン系材
料は相違し、第2シリコン系材料と第3シリコン系材料
も相違している。
【0045】第7の態様は、第6の態様をさらに具体化
したシリコン系構造体の製造方法でである。この製造方
法は、以下の工程を有する。シリコン基板上に酸化シリ
コン層を形成する。その酸化シリコン層を覆うようにシ
リコン層を形成する。以上の工程を経ることで得られた
試料をエッチング反応室に収容する。そのエッチング反
応室にシリコンをエッチングする第1ガスを供給して、
シリコン層を局所的にドライエッチングして酸化シリコ
ン層の一部を露出させる。そのエッチング反応室から第
1ガスを排出する。そのエッチング反応室に酸化シリコ
ンをエッチングしてシリコンをほとんどエッチングしな
い第2ガスを供給して酸化シリコン層をドライエッチン
グする。
【0046】第8の態様は、第6の態様をさらに具体化
したシリコン系構造体の製造方法でである。この製造方
法は、以下の工程を有する。下部窒化シリコン層上にシ
リコン層を形成する。そのシリコン層を覆うように上部
窒化シリコン層を形成する。その上部窒化シリコン層に
シリコン層まで達する孔を形成する。以上の工程を経る
ことで得られた試料をエッチング反応室に収容する。そ
のエッチング反応室に酸化シリコンをエッチングして窒
化シリコンをほとんどエッチングしない第1ガスを供給
して、シリコン層の表面のうち上部窒化シリコン層の孔
に対応する部分に形成された酸化シリコンをドライエッ
チングしてシリコン層の一部を露出させる。そのエッチ
ング反応室から第1ガスを排出する。そのエッチング反
応室にシリコンをエッチングして窒化シリコンをほとん
どエッチングしない第2ガスを供給してシリコン層をド
ライエッチングする。
【0047】第6〜第8の態様においては、アルミニウ
ム系材料をほとんどエッチングしないガスから第1ガス
と第2ガスを選択し、試料の表面に露出するアルミニウ
ムを形成してから試料をエッチング反応室に収容するこ
とが好ましい。
【0048】第6〜第8の態様のいずれかの工程を経た
構造体を、水蒸気と有機ケイ素化合物の混合ガスにさら
す工程を有することが好ましい。
【0049】本明細書において、一方の材料(例えばシ
リコン)をエッチングして他方の材料(例えば酸化シリ
コン)をほとんどエッチングしないガスには、例えば一
方の材料のエッチング速度と他方の材料のエッチング速
度の比(エッチング選択比)が15以上となるようなガ
スが含まれる。このエッチング選択比は20以上である
ことが好ましく、30以上であることがより好ましい。
ここでいう他方の材料には、上記したアルミニウム系材
料も含むものとする。なお、他方の材料をほとんどエッ
チングしないガスには、その他方の材料を全くエッチン
グしないガスも当然に含まれる。
【0050】
【発明の実施の形態】(第1実施例)図1は、第1実施
例のシリコン系構造体の製造装置(以下では「構造体製
造装置」という)の構成を示す。この装置は、シリコン
系材料全般の加工に用いることができるので、シリコン
系材料の加工装置ともいえるが、本実施例では、シリコ
ン系構造体の製造のために用いているので、シリコン系
構造体の製造装置と呼ぶことにする。第1実施例の構造
体製造装置は、二フッ化キセノン容器20と、昇華ガス
貯蔵容器21と、フッ化水素容器30と、メチルアルコ
ール容器31と、エッチング反応室10と、ドライポン
プ42と、除害装置49と、ターボ分子ポンプ40と、
ロータリーポンプ41と、制御部502等を備えてい
る。
【0051】二フッ化キセノン容器20には、固体の二
フッ化キセノン(XeF)が収容されている。二フッ
化キセノンは常温常圧で固体である。昇華ガス貯蔵容器
21には、固体の状態から昇華した二フッ化キセノンガ
スが一時的に貯蔵される。この二フッ化キセノンガス
は、二フッ化キセノン容器20をドライポンプ42等で
減圧し、その容器20内の固体の二フッ化キセノンを昇
華させることでガス化したものである。フッ化水素容器
30には、フッ化水素酸(HF)の溶液が収容されてい
る。メチルアルコール容器31には、メチルアルコール
(CHOH)の溶液が収容されている。ドライポンプ
42は、エッチング反応室10や、容器20、30、3
1を減圧する。除外装置49は、ドライポンプ42から
排気される排気ガスを無害化する。ターボ分子ポンプ4
0とロータリーポンプ41は、ドライポンプ42に比較
してエッチング反応室10や、容器20、30、31を
高速に減圧する。制御部502は、CPU504と、制
御プログラム等を記憶するROM506と、データ等を
一時的に記憶するRAM508と、入力ポート510
と、出力ポート512等を有する。
【0052】エッチング反応室10と二フッ化キセノン
容器20の間の配管には、第3バルブ23と第1流量計
27と第6バルブ26が設けられている。エッチング反
応室10と昇華ガス貯蔵容器21の間には、第4バルブ
24と第1流量計27と第6バルブ26が設けられた配
管と、第5バルブ25が設けられた配管が設けられてい
る。エッチング反応室10とフッ化水素容器30の間の
配管には、第2流量計32と第7バルブ34が設けられ
ている。エッチング反応室10とメチルアルコール容器
31の間の配管には、第3流量計33と第8バルブ35
が設けられている。エッチング反応室10とターボ分子
ポンプ40の間の配管には、第9バルブ43が設けられ
ている。エッチング反応室10とドライポンプ42の間
の配管には、第1スロットルバルブ91と、第10バル
ブ44が設けられている。エッチング反応室10には、
第1圧力計11が接続されている。エッチング反応室1
0には、第12バルブ13を介して第1真空計12が接
続されている。エッチング反応室10には、第2バルブ
14を介して窒素ガス供給部93が接続されている。
【0053】エッチング反応室10には、試料のエッチ
ング終了時を検出するエッチング終了検出部97が設け
られている。エッチング終了検出部97は、試料のエッ
チングすべき部分のエッチングが終了したことを何らか
の手段で検出するものや、あるいは、何らかの条件を設
けて判別するものであればよい。但し、本発明者らによ
って創作された特開2001−185530号公報に記
載の技術を用いることが好ましい。
【0054】制御部502は、上記した各バルブ13、
14、23〜26、34、35、43、44や各圧力計
11、22、各流量計27、32、33、各ポンプ40
〜42、第1真空計12、除害装置49、エッチング終
了検出部97等に電気的に接続されている。制御部50
2は、これらの各部の動作を監視したり、制御する機能
を有する。エッチング反応室10内には、図2に示すよ
うに、試料テーブル80と、シャワープレート82と、
2枚の阻止板83が設けられている。試料テーブル80
には、ドライエッチングして構造体を製造するための試
料81が載置可能となっている。試料テーブル80の表
面には、放射状の溝又は少数の微小な突起を設けること
が好ましい。溝又は突起を設けると、試料81の両面で
の圧力差を生じさせないようにすることができる。よっ
て、脆弱な材料で形成された試料81であっても破損を
防止できる。また、試料テーブル80の表面に試料81
が密着することを防止できる。
【0055】シャワープレート82は円板状に形成され
ており、下面に多数のガス供給口82aを有する。シャ
ワープレート82には、回転軸を取付けて回転可能にす
ることが好ましい。また、回転軸と円板との接合部は運
動シールとして円板を揺動可能にすることが好ましい。
円板を回転可能あるいは揺動可能とすることで、エッチ
ング反応室10全体にわたってガスをほぼ均一にシャワ
ーできる。また、ガス供給管と回転軸は別個に形成する
ことが好ましい。この場合、ガス供給管は軟質配管で形
成し、軟質配管と円板の接合部は固定シールにすると、
ガスの漏れを強固に防止できる。また、回転軸の接合部
でのガス漏れを考慮する必要がないので、運動シールの
構造を簡略化できる。また、軟質配管は揺動中心軸に振
動角分、巻き付けておくことが好ましい。
【0056】2枚の阻止板83は、シャワープレート8
2のガス供給口82aからガス排出口10aへの直線的
なガスの流れを阻止する。阻止板83を設けると、エッ
チング反応室10内でのガスの流れる方向が様々な方向
に分散される。このため、エッチング反応室10内の試
料81の全体にガスをほぼ均一に供給できる。阻止板8
3を設けると、連続的にガスを供給して連続的にエッチ
ングする場合でも、試料81をほぼ均一にエッチングで
きる。
【0057】メチルアルコール容器31には、図3に示
すように、3枚の阻止板85が取付けられて迷路構造が
形成されている。この阻止板85を設けると、メチルア
ルコール容器31をドライポンプ42等で減圧したとき
にメチルアルコール溶液が突沸した場合に、そのメチル
アルコール溶液が配管に直接進入することを防止でき
る。この結果、メチルアルコール溶液が配管内のフィル
タ84で詰まることを防止できる。
【0058】次に、例えば図6に示す中空空間120を
有するシリコン系構造体を、上記構成の第1実施例の構
造体製造装置とシリコン系材料の加工技術を用いて製造
する方法を図4〜図6を参照して説明する。このシリコ
ン系構造体は、中空空間120の上方に伸びるビーム
(梁)やマス(質量体)Aを有する。この製造方法は、
図20〜図22に示した第1背景技術と対比されるもの
である。
【0059】まず、第1実施例の構造体製造装置とは別
の装置によって、以下の処理を行う。まず、図4に示す
シリコン基板102上の所定領域に例えばCVD(Chem
icalVapor Deposition)法等によって酸化シリコン層1
08を形成する。その後、その酸化シリコン層108を
覆うように例えばCVD法等によってシリコン層112
を形成する。
【0060】以上の工程を経ることで得られた図4に示
すような試料を、図1に示す第1実施例の構造体製造装
置のエッチング反応室10に収容する。この構造体製造
装置では以下の処理が行われる。まず、この構造体製造
装置は、エッチング反応室10にシリコンをエッチング
する二フッ化キセノンガスを供給して、シリコン層11
2を局所的にドライエッチングする。二フッ化キセノン
ガスは、シリコン(Si:多結晶シリコンと単結晶シリ
コンの両方を含む)を選択的にエッチングして、酸化シ
リコン(SiO)と窒化シリコン(SiN)とアルミ
ニウム(Al)をほとんどエッチングしない。具体的に
は、二フッ化キセノンガスによるシリコンのエッチング
速度は約4600Å/minであり、酸化シリコンのエ
ッチング速度は約0Å/minであり、窒化シリコンの
エッチング速度は約120Å/minであり、アルミニ
ウムのエッチング速度は約0Å/minである。但し、
これらの値は種々の条件によって変動し得るものであ
る。
【0061】局所的にドライエッチングする方法として
は、例えばドライエッチングをしたい部分を除いてレジ
ストによってマスクをした状態でガスを供給する方法
や、ドライエッチングをしたい部分に局所的にガスを当
てる方法等が挙げられるが、これらの方法には限定され
ない。局所的にドライエッチングできればいかなる方法
であってもよい。レジストによってマスクをする場合
は、そのレジストはガス(この例では二フッ化キセノン
ガス)によってほとんどエッチングされない材料である
必要がある。これにより、図5に示すように、酸化シリ
コン層108に達するエッチング孔118が形成され
る。この結果、酸化シリコン層108の一部が露出す
る。その後、そのエッチング反応室10から二フッ化キ
セノンガスを排出する。その後、そのエッチング反応室
10にメチルアルコールとフッ化水素の混合ガスを供給
して、酸化シリコン層108の全てをドライエッチング
する。
【0062】メチルアルコールとフッ化水素の混合ガス
は、酸化シリコン(SiO)を選択的にエッチングし
て、シリコン(Si:多結晶シリコンと単結晶シリコン
の両方を含む))と窒化シリコン(SiN)とアルミニ
ウム(Al)をほとんどエッチングしない。具体的に
は、メチルアルコールとフッ化水素の混合ガスによる酸
化シリコンのエッチング速度は約1000Å/minで
あり、シリコンのエッチング速度は約0Å/minであ
り、窒化シリコンのエッチング速度は約10Å/min
であり、アルミニウムのエッチング速度は約1Å/mi
n以下の微小な値である。但し、これらの値は種々の条
件によって変動し得るものである。酸化シリコン層10
8は最終的には除去することで図6に示すような空間1
20を作り出すための層である。この層は一般に「犠牲
層」と称される。この結果、図6に示すように、中空空
間120を有するシリコン系構造体が製造される。
【0063】この構造体は、例えば加速度センサとして
用いられる。加速度センサとして用いられる場合には、
シリコン層112の一部Aが、加速度が作用すると変位
するビームあるいはマスとして用いられる。例えばシリ
コン基板102の基板面に垂直な方向の加速度が作用す
るとマスAが基板面垂直方向に変位する。マスAの変位
を図示しない電極対間の静電容量の変化として検出する
ことで、作用した加速度を検出できる。あるいはシリコ
ン基板102の基板面に垂直な方向の加速度が作用する
とビームAがたわむ。ビームAのたわみを図示しないピ
エゾ抵抗の抵抗変化として検出することで、作用した加
速度を検出できる。なお、シリコン基板102の基板面
に平行な方向の加速度を検出することも可能である。
【0064】次に、第1実施例の構造体製造装置による
上記した処理を図1を参照してより具体的に説明する。
なお、最初は各バルブはすべて閉じられている。以下の
処理は、全ての制御を制御プログラム等によって制御部
502で行ってもよいし、その一部を操作者が手動で行
ってもよい。まず、第1スロットルバルブ91と、第1
0バルブ44と第6バルブ26と第3バルブ23を開
き、ドライポンプ42を駆動して、エッチング反応室1
0と二フッ化キセノン容器20を減圧する。二フッ化キ
セノンは3.8Torr以下の圧力で昇華する。よっ
て、この減圧処理によって二フッ化キセノン容器20に
収容された固体の二フッ化キセノンが昇華してガスとな
る。この二フッ化キセノンガスは、ドライポンプ42の
吸込み力によってエッチング反応室10へ導かれ、さら
にドライポンプ42を経由して排出される。これによ
り、エッチング反応室10内に残留していたガス等が追
い出される。排出後は、第10バルブ44と第6バルブ
26と第3バルブ23を閉じる。
【0065】次に、第2バルブ14を開き、窒素ガス供
給部93から窒素ガスをエッチング反応室10に供給
し、エッチング反応室10内を大気圧にする。大気圧に
した状態でエッチング反応室10の扉を開き、図2に示
すような試料81を試料テーブル80上に載置する。試
料81を載置した後に扉を閉め、第2バルブ14を閉じ
る。
【0066】次に、第1スロットルバルブ91と、第1
0バルブ44と第3バルブ23と第6バルブ26を開
き、ドライポンプ42を駆動し、エッチング反応室10
と二フッ化キセノン容器20を減圧する。この結果、二
フッ化キセノン容器20に収容されている固体の二フッ
化キセノンが昇華してガスとなり、エッチング反応室1
0内に導入される。エッチング反応室10内の圧力を第
1圧力計11で監視し、所定の圧力に到達したら、第3
バルブ23と第6バルブを閉じ、二フッ化キセノンガス
をエッチング反応室10に閉じ込める。その二フッ化キ
セノンガスによって、エッチング反応室10内にある試
料81のシリコン層112(図5参照)が局部的にエッ
チングされてエッチング孔118が形成される。このエ
ッチングの反応式は次式(1)で表される。 2XeF+Si→2Xe+SiF (1)
【0067】エッチング終了検出部97で、二フッ化キ
セノンガスによるシリコン層112のエッチング必要部
分のエッチングが終了したことが検出されたら、第10
バルブ44を開き、エッチング反応室10内の二フッ化
キセノンガスをドライポンプ42と除害装置49を通じ
て排出する。なお、エッチング終了検出部97は設けな
くてもよい。例えば、制御部502で算出あるいは記憶
されたエッチング期間データを利用してもよい。このエ
ッチング期間データとは、所定の条件におけるエッチン
グ開始時から終了推定時までの期間を装置の動作時に算
出するか、あるいは予め算出して記憶されたデータであ
る。所定の条件とは、例えば試料の大きさ、エッチング
反応室に供給されるガスの量、ガスの種類等である。
【0068】次に、第1スロットルバルブ91と、第1
0バルブ44と第8バルブ35と第7バルブ34を開
き、ドライポンプ42で真空排気する。すると、メチル
アルコール容器31内のメチルアルコール溶液が蒸発
し、フッ化水素容器30内のフッ化水素溶液が蒸発す
る。蒸発したメチルアルコールガスの流量を第3流量計
33で監視し、必要に応じて流量を調整する。また、蒸
発したフッ化水素ガスの流量を第2流量計32で監視
し、必要に応じて流量を調整する。流量が調整されたメ
チルアルコールとフッ化水素の混合ガスがエッチング反
応室10に供給される。その後、第8バルブ35と第7
バルブ34を閉じ、エッチング反応室10からメチルア
ルコールとフッ化水素の混合ガスを排出する。これによ
り、エッチング反応室10内に残留していたガス等が追
い出される。
【0069】次に、第9バルブ43を開き、ターボ分子
ポンプ40とロータリーポンプ41でエッチング反応室
10内を高真空にする。次に、第9バルブ43を閉じ、
第10バルブ44と第8バルブ35と第7バルブ34を
開き、ドライポンプ42で真空排気して、メチルアルコ
ール容器31内のメチルアルコール溶液を蒸発させ、フ
ッ化水素容器30内のフッ化水素溶液を蒸発させる。蒸
発したメチルアルコールガスの流量を第3流量計33で
監視し、必要に応じて流量を調整する。また、蒸発した
フッ化水素ガスの流量を第2流量計32で監視し、必要
に応じて流量を調整する。流量が調整されたメチルアル
コールとフッ化水素の混合ガスがエッチング反応室10
に供給される。
【0070】エッチング反応室10内の圧力を第1圧力
計11で監視し、第1スロットルバルブ91を調整し、
所定の圧力に保持する。この結果、試料の酸化シリコン
層108(図5参照)は混合ガスでエッチングされる。
この場合、以下の式(2)と式(3)で表される反応が
生じる。式(2)と式(3)中の「M」はメチルアルコ
ールを表す。 M+2HF→HF +MH (2) SiO+2HF +2MH→SiF+2HO+2M (3)
【0071】エッチング終了検出部97で、混合ガスに
よる酸化シリコン層108のエッチングが終了したこと
が検出されたら、第8バルブ35と第7バルブ34を閉
じ、エッチング反応室10内からメチルアルコールとフ
ッ化水素の混合ガスをドライポンプ42と除害装置49
を通じて排出する。なお、この場合もエッチング終了検
出部97を利用せずに、制御部502で算出あるいは記
憶されたエッチング期間データを利用してもよい。
【0072】以上の処理においては、エッチング反応室
10、メチルアルコール容器31、フッ化水素容器3
0、二フッ化キセノン容器20等を減圧する手段とし
て、ドライポンプ42に代えてターボ分子ポンプ40と
ロータリーポンプ41を連結した高速の減圧手段を用い
てもよい。この場合、減圧を行う際には第10バルブ4
4に代えて第9バルブ43を開く。
【0073】次に、図13に示す中空空間220を有す
るシリコン系構造体を、上記構成の第1実施例の構造体
製造装置とその他のシリコン系材料の加工技術を用いて
用いて製造する方法を図7〜図13を参照して説明す
る。このシリコン系構造体は、中空空間220の上方に
位置するダイアフラムBを有する。この製造方法は、図
23〜図26に示した第2背景技術と対比されるもので
ある。
【0074】まず、第1実施例の構造体製造装置とは別
の装置によって以下の処理を行う。図7に示す単結晶シ
リコン基板202に局部的に不純物を注入して下部電極
204を形成する。シリコン基板202の表面を窒化処
理して、下部窒化シリコン層210を形成する。その下
部窒化シリコン層210上の所定領域に例えばCVD法
等によって多結晶シリコン層208を形成する。この例
では多結晶シリコン層208が犠牲層となる。その多結
晶シリコン層208を覆うように、上部第1窒化シリコ
ン層212を形成する。上部第1窒化シリコン層212
上の所定領域に、上部電極206を形成する。上部電極
206は多結晶シリコン等で形成される。上部電極20
6を覆うように、上部第2窒化シリコン層214を形成
する。
【0075】その後、図8に示すように、上部電極20
6と下部電極204の所定領域上にコンタクト孔222
a、222bを形成する。その後、図9に示すように、
試料の表面に配線層となるアルミニウム層216を形成
する。その後、図10に示すように、アルミニウム層2
16をパターニングして上部電極206に接触する配線
層216aと、下部電極204に接触する配線層216
bを形成する。その後、図11に示すように、上部電極
206が存在しない部分で、上部窒化シリコン層21
2、214をエッチングして、多結晶シリコン層208
に達するエッチング孔218を形成する。これにより、
多結晶シリコン層208の一部が露出する。この結果、
多結晶シリコン層208の露出した部分が酸化して自然
酸化膜(酸化シリコン)219が形成される。
【0076】以上の工程を経ることで得られた図11に
示す試料を、図1に示す第1実施例の構造体製造装置の
エッチング反応室10に収容する。この構造体製造装置
では以下の処理が行われる。まず、この構造体製造装置
は、エッチング反応室10にメチルアルコールとフッ化
水素の混合ガスを供給して、図11に示す自然酸化膜
(酸化シリコン)219をドライエッチングする。メチ
ルアルコールとフッ化水素の混合ガスは、上記したよう
に、酸化シリコンを選択的にエッチングして、シリコン
(多結晶、単結晶)と窒化シリコンとアルミニウムをほ
とんどエッチングしない。この結果、犠牲層であるシリ
コン層208の一部が露出する。その後、エッチング反
応室10からメチルアルコールとフッ化水素の混合ガス
を排出する。その後、エッチング反応室10に二フッ化
キセノンガスを供給して、図11に示すシリコン層20
8をドライエッチングする。この結果、図12に示す状
態となる。二フッ化キセノンガスは、上記したように、
シリコン(多結晶、単結晶)を選択的にエッチングし
て、酸化シリコンと窒化シリコンとアルミニウムをほと
んどエッチングしない。その後、第1実施例の構造体製
造装置とは別の装置によって図13に示すような封止層
224を形成して、エッチング孔218を封止する。こ
の結果、中空空間220を有するシリコン系構造体が製
造される。この構造体は圧力センサとして機能する。
【0077】この構造体では、上部窒化シリコン層21
2、214と上部電極206と封止層224の所定部位
Bがダイアフラムとして機能する。犠牲層である酸化シ
リコン層208が除去された空間220は密封された空
間であり、圧力基準室として機能する。この構造体によ
ると、ダイアフラムBに作用した圧力と基準圧の差に応
じてダイアフラムBがたわむ。ダイアフラムBがたわむ
と、上部電極206と下部電極204の間の距離が変化
する。両電極206、204の間の距離が変化すると、
両電極206、204の間の静電容量が変化する。この
静電容量の変化量を検出することでダイアフラムBに作
用する圧力の大きさを検出できる。
【0078】次に、第1実施例の構造体製造装置による
上記した処理を図1を参照してより具体的に説明する。
なお、最初は各バルブはすべて閉じられている。以下の
処理は、全ての制御を制御プログラム等によって制御部
502で行ってもよいし、その一部を操作者が手動で行
ってもよい。まず、第1スロットルバルブ91と、第1
0バルブ44と第8バルブ35と第7バルブ34を開
き、ドライポンプ42で真空排気して、メチルアルコー
ル容器31内のメチルアルコール溶液を蒸発させ、フッ
化水素容器30内のフッ化水素溶液を蒸発させる。蒸発
したメチルアルコールガスの流量を第3流量計33で監
視し、必要に応じて流量を調整する。また、蒸発したフ
ッ化水素ガスの流量を第2流量計32で監視し、必要に
応じて流量を調整する。流量が調整されたメチルアルコ
ールとフッ化水素の混合ガスがエッチング反応室10に
供給される。その後に、第8バルブ35と第7バルブ3
4を閉じ、エッチング反応室10からメチルアルコール
とフッ化水素の混合ガスを排出する。これにより、エッ
チング反応室10内に残留していたガス等が追い出され
る。なお、エッチング反応室10内を1×10−2Pa
以下の真空状態にする必要がある場合は、第10バルブ
44を閉じ、第9バルブ43を開き、ターボ分子ポンプ
40とロータリーポンプ41で真空排気する。
【0079】次に、第9バルブ43と第10バルブ44
を閉じ、第2バルブ14を開き、Nガス供給部93から
窒素ガスをエッチング反応室10に供給し、エッチング
反応室10内を大気圧にする。大気圧にした状態でエッ
チング反応室10の扉を開いて図2に示すような試料8
1を試料テーブル80上に載置する。試料81を載置し
た後に扉を閉め、第2バルブ14を閉じる。次に、第9
バルブ43を開き、ターボ分子ポンプ40とロータリー
ポンプ41でエッチング反応室10内を高真空にする。
次に、第9バルブ43を閉じ、第10バルブ44と第8
バルブ35と第7バルブ34を開き、ドライポンプ42
で真空排気して、メチルアルコール容器31内のメチル
アルコール溶液を蒸発させ、フッ化水素容器30内のフ
ッ化水素溶液を蒸発させる。蒸発したメチルアルコール
ガスの流量を第3流量計33で監視し、必要に応じて流
量を調整する。また、蒸発したフッ化水素ガスの流量を
第2流量計32で監視し、必要に応じて流量を調整す
る。流量が調整されたメチルアルコールとフッ化水素の
混合ガスがエッチング反応室10に供給される。
【0080】エッチング反応室10内の圧力を第1圧力
計11で監視し、第1スロットルバルブ91を調整し、
所定の圧力に保持する。この結果、試料81の自然酸化
膜(酸化シリコン)219(図11参照)は混合ガスで
エッチングされる。エッチング終了検出部97で、混合
ガスによる自然酸化膜219のエッチングが終了したこ
とが検出されたら、第8バルブ35と第7バルブ34を
閉じ、エッチング反応室10内からメチルアルコールと
フッ化水素の混合ガスをドライポンプ42と除害装置4
9を通じて排出する。なお、上記の場合もエッチング終
了検出部97を利用せずに、制御部502で算出あるい
は記憶されたエッチング期間データを利用してもよい。
【0081】次に、第1スロットルバルブ91と、第1
0バルブ44と第5バルブ25と第4バルブ24と第3
バルブ23を開き、ドライポンプ42を駆動し、エッチ
ング反応室10と昇華ガス貯蔵容器21と二フッ化キセ
ノン容器20を減圧する。二フッ化キセノンは3.8T
orr以下の圧力で昇華するために、この処理によっ
て、二フッ化キセノン容器20に収容されている固体の
二フッ化キセノンが昇華する。その後、第3バルブ23
を閉じ、昇華ガス貯蔵容器21とエッチング反応室10
内の昇華した二フッ化キセノンガスを排出する。これに
より、昇華ガス貯蔵容器21とエッチング反応室10内
に残留していたガス等が追い出される。排出後は、第1
0バルブ44と第5バルブ25と第4バルブ24を閉じ
る。
【0082】次に、第1スロットルバルブ91と、第1
0バルブ44と第5バルブ25と第4バルブ24を開
き、ドライポンプ42を駆動し、エッチング反応室10
と昇華ガス貯蔵容器21と二フッ化キセノン容器20を
減圧する。減圧後に第5バルブ25を閉じ、第3バルブ
23を開く。この結果、第5バルブ25が閉じ、第3バ
ルブ23と第4バルブ24が開いた状態となる。これに
より、減圧状態の昇華ガス貯蔵容器21と二フッ化キセ
ノン容器20が連通する。よって、二フッ化キセノン容
器20に収容されている固体の二フッ化キセノンが昇華
し、昇華した二フッ化キセノンガスが昇華ガス貯蔵容器
21に貯蔵される。昇華ガス貯蔵容器21内の圧力を第
2圧力計22で監視し、所定の圧力に到達したら、第1
0バルブ44と第3バルブ23を閉じ、第5バルブ25
を開き、昇華ガス貯蔵容器21から二フッ化キセノンガ
スをエッチング反応室10内に導入する。エッチング反
応室10内の圧力を第1圧力計11で監視し、所定の圧
力に到達したら、第5バルブ25を閉じ、二フッ化キセ
ノンガスをエッチング反応室10に閉じ込める。その二
フッ化キセノンガスによって、エッチング反応室10内
にある試料81の犠牲層である多結晶シリコン層208
(図11参照)がドライエッチングされる。
【0083】エッチング終了検出部97で、二フッ化キ
セノンガスによるシリコン層112のエッチングが終了
したことが検出されたら、第10バルブ44を開き、エ
ッチング反応室10内の二フッ化キセノンガスをドライ
ポンプ42と除害装置49を通じて排出する。排出され
たら、第4バルブ24と第5バルブ25を再度開き、二
フッ化キセノンガスをエッチング反応室10内に供給す
る。なお、上記の場合もエッチング終了検出部97を利
用せずに、制御部502で算出あるいは記憶されたエッ
チング期間データを利用してもよい。
【0084】本実施例では、二フッ化キセノンガスをエ
ッチング反応室10に供給し、保持して排出する動作を
繰返して、いわゆるパルスエッチング方式によって多結
晶シリコン層(犠牲層)208を選択的にエッチングし
ている。なお、第1流量計27で流量を監視しながらガ
スを連続的に供給して連続的にエッチングする方式でも
よい。パルスエッチング方式を利用すると、二フッ化キ
セノンガスの使用量を節約できる。
【0085】以上で説明した第1実施例の構造体製造装
置を用いると、酸化シリコンを除去するためにウェット
エッチングをしなくてもよい。よって、試料に付着した
エッチング液を洗浄する工程や、その洗浄後に試料を乾
燥させる工程を行わなくてもよい。このため、シリコン
系構造体の製造工程を簡単化できる。また、酸化シリコ
ンを除去するためにウェットエッチングしなくてもよい
ので、製造時にスティッキング現象が生じる可能性を非
常に低くできる。よって、製造時の不良品の発生を減少
させることができる。逆にいうと、ウェットエッチング
を行っていた場合に比べて、構造体の剛性を低く、構造
体の形状寸法を小さくできる。このため、高感度あるい
は高精度なセンサやアクチュエータ等として機能する構
造体を実現できる。また、シリコンと酸化シリコンを同
一のエッチング反応室10(図1参照)でドライエッチ
ングできる。よって、シリコンのドライエッチング装置
のエッチング反応室と酸化シリコンのドライエッチング
装置のエッチング反応室の間で試料を移し換えるという
面倒な作業が不要となる。このため、製造工程を簡単化
できる。エッチング反応室間で試料を移し換える必要が
ないために、その間に試料が外気にさらされることもな
い。このため、シリコン系構造体の製造時の不良品の発
生あるいは使用時の故障品の発生を減少させることがで
きる。特に、シリコンの表面に形成された自然酸化膜の
エッチングを行った後に、その試料の表面に再度自然酸
化膜が形成されてしまうことを防止できる。
【0086】二フッ化キセノンガスと、フッ化水素ガス
とメチルアルコールの混合ガスはアルミニウム系材料を
ほとんどエッチングしない。このため、これらのガスに
よって、図11に示すような自然酸化膜である酸化シリ
コン219と犠牲層であるシリコン層208をエッチン
グする前に、図9に示すようにアルミニウム層216を
形成できる。よって、ドライエッチングによってシリコ
ン層208が除去された後の図12に示すような中空空
間220にアルミニウム216が入り込むことを回避で
きる。このため、製造時の不良品の発生あるいは使用時
の故障品の発生を減少させることができる。
【0087】(第2実施例)図14は、第2実施例のシ
リコン系構造体の製造装置の構成を示す。以下では第1
実施例の同様の内容については原則として説明を省略す
る。第2実施例の構造体製造装置は、第1実施例の構造
体製造装置が有する構成要素に加えて、コーティング室
50と、有機ケイ素化合物容器60と、水容器61等を
備えている。有機ケイ素化合物容器60には、液体の有
機ケイ素化合物が収容されている。有機ケイ素化合物と
しては、例えば、トリデカフルオロ−1、1、2、2、
−テトラビドロオクチルトリクロロシラン(C13
SiCl)、オフタデシルトリクロロシラン(C
1837SiCl)等を用いることができる。水容
器61には、水(HO)が収容されている。コーティ
ング室50には、第3圧力計51が接続されている。コ
ーティング室50には、第11バルブ53を介して第2
真空計52が接続されている。コーティング室50に
は、第12バルブ54を介して窒素ガス導入部94が接
続されている。
【0088】コーティング室50は、第13バルブ62
を介して有機ケイ素化合物容器60と接続されている。
コーティング室50は、第14バルブ63を介して水容
器61と接続されている。コーティング室50は、第1
5バルブ45を介してターボ分子ポンプ40と接続され
ている。コーティング室50は、スロットルバルブ92
と第16バルブ46を介してドライポンプ42と接続さ
れている。制御部502は、上記した各バルブ45、4
6、53、54、62〜63、91や第3圧力計51、
第2真空計52等にも電気的に接続されている。制御部
502は、これらの各部の動作を監視したり、制御する
機能を有する。
【0089】第2実施例の構造体製造装置は、第1実施
例の構造体製造装置と同様の処理動作を行った後、以下
の処理動作を行う。まず、第12バルブ54を開き、窒
素ガス導入部94から窒素ガスをコーティング室50に
供給し、コーティング室50内を大気圧にする。その
後、エッチング反応室10からコーティング室50に試
料を移動し、試料をコーティング室50の試料テーブル
上に固定する。この試料は、具体的には、ドライエッチ
ングを終了した図6に示すようなシリコンビーム及びマ
ス構造Aを有する状態の試料である。あるいは、ドライ
エッチングを終了した図12に示すようなエッチング孔
218が封止される前の状態の試料である。コーティン
グ室50内は、図2に示すエッチング反応室10内の構
成とほぼ同様の構成となっている。
【0090】次に、第12バルブ54を閉じ、第14バ
ルブ63を開き、水容器61内の水を蒸発させて、コー
ティング室50内に導入し、構造体の表面を水蒸気にさ
らす。次に、第13バルブ62を開き、有機ケイ素化合
物容器60内の有機ケイ素化合物を蒸発させ、コーティ
ング室50内に導入し、構造体の表面を有機ケイ素化合
物のガスにさらす。これにより、構造体の表面は水蒸気
と有機ケイ素化合物の混合ガスにさらされることにな
る。この結果、構造体の表面は、水酸基と有機ケイ素化
合物の反応基との縮合反応によって撥水性コーティング
される。以上で説明した撥水性コーティング処理の詳細
は、本発明者らによって創作された特開平11−288
929号公報に記載されている。
【0091】第2実施例の構造体製造装置によると、第
1実施例の説明で記載した効果に加えて、シリコン系構
造体の使用時のスティッキング現象の発生をより有効に
抑制できるという効果が得られる。この構造体製造装置
によると、シリコン系構造体の表面に、撥水性の膜をコ
ーティングできる。よって、シリコン系構造体の撥水性
を向上させることができる。このため、例えば結露し易
いような環境で構造体を使用している場合であっても、
構造体に液が付着してその液の表面張力によってスティ
ッキング現象が発生することを抑制できる。従って、使
用時の故障品の発生を減少させることができる。
【0092】(第3実施例)図15は、第3実施例のシ
リコン系構造体の製造装置の構成を示す。以下では、第
1及び第2実施例の同様の内容については原則として説
明を省略する。第3実施例の構造体製造装置は、第2実
施例の構造体製造装置が有する構成要素に加えて、予備
室70と、第1及び第2連結部75、76と、第1及び
第2開閉手段98、99と、試料搬送手段96等を備え
ている。第1連結部75は、エッチング反応室10と予
備室70の間を外気から遮断して連結する。第2連結部
76は、予備室70とコーティング室50の間を外気か
ら遮断して連結する。第1開閉手段98は、エッチング
反応室10と予備室70の間を開状態と閉状態に切換可
能である。第2開閉手段99は、予備室70とコーティ
ング室50の間を開状態と閉状態に切換可能である。
【0093】試料搬送手段96は、エッチング反応室1
0と予備室70の間、及び、予備室70とコーティング
室50の間で試料を搬送可能である。予備室70には、
第4圧力計71が接続されている。予備室70には、第
17バルブ73を介して第3真空計72が接続されてい
る。予備室70には、第18バルブ74を介して窒素ガ
ス導入部95が接続されている。予備室70は、第19
バルブ47を介してターボ分子ポンプ40と接続されて
いる。予備室70は、第20バルブ48を介してドライ
ポンプ42と接続されている。
【0094】第3実施例の構造体製造装置は、第1実施
例の構造体製造装置と同様の処理動作を行った後、以下
の処理動作を行う。まず、第19バルブ47を開き、タ
ーボ分子ポンプ40とロータリーポンプ41で予備室7
0内を真空排気する。予備室70内の圧力を第4圧力計
71で監視し、所定の圧力に到達したら試料搬送手段9
6によって試料をエッチング反応室10から第1連結部
75を通じて予備室70に移動させる。所定時間後、試
料搬送手段96によって試料を予備室70から第2連結
部75を通じてコーティング室50に移動させる。その
後、図14に示す第2実施例の構造体製造装置の処理動
作で説明したような処理動作を行う。
【0095】第3実施例の構造体製造装置によると、第
1及び第2実施例の説明で記載した効果に加えて、エッ
チング反応室10でのドライエッチングが終了した後の
構造体を、外気にさらすことなくコーティング室50に
搬送することができ、構造体の酸化等を防止できるとい
う効果が得られる。また、予備室70を備えているの
で、エッチング反応室10とコーティング室50の間で
の構造体の受け渡しがより行い易い。
【0096】以上、本発明の具体例を詳細に説明した
が、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定する
ものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上
に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれ
る。上記実施例では、図6に示すマス及びビーム構造A
を有する中空シリコン系構造体と、図13に示すダイア
フラム構造Bを有する中空シリコン系構造体の製造方法
を例にして説明したが、これらの構造体は上記実施例の
構造体製造装置で製造できる構造体のほんの一例に過ぎ
ない。本発明を具現化したシリコン系材料の加工装置
や、シリコン系構造体の製造装置や、その製造方法は、
少なくとも製造中にシリコンと酸化シリコンを含む様々
な構造体の製造に適するものである。また、上記実施例
で使用した二フッ化キセノン(XeF)ガス以外で
は、三フッ化臭素(BrF)ガスを使用することが好
ましい。また、上記実施例で使用したメチルアルコール
(CHOH)とフッ化水素(HF)の混合ガス以外で
は、水蒸気(HO)とフッ化水素(HF)の混合ガス
を使用することが好ましい。また、メチルアルコールと
水蒸気の他にも、フッ化水素(HF)と混合すること
で、HFが生成されるようなガスを使用することも好
ましい。上記したガス以外であっても、特許請求の範囲
に記載の要件を満たすガスであれば、そのガスを用いて
もよいのは勿論である。
【0097】また、例えば、メチルアルコール容器31
内で突沸したメチルアルコールの溶液が配管内で詰まる
ことを防止するためには、図3の構成に代えて、以下の
ような態様で実施することができる。 (第1変形例)図16に示すように、配管とエッチング
反応室10にコードヒータ86を取付け、配管とエッチ
ング反応室10を加熱することで、突沸によりメチルア
ルコール容器31から配管に進入した液体を気化するよ
うにしてもよい。 (第2変形例)図17に示すように、メチルアルコール
容器31とフィルタ84の間にリザーバタンク87を設
け、リザーバタンク87で完全に気化させてから、その
気化させたガスをエッチング反応室10へ供給するよう
にしてもよい。 (第3変形例)図18に示すように、メチルアルコール
容器31の手前に補充容器88と制御弁89を設け、メ
チルアルコール容器31での液体の蒸発速度に合わせ
て、補充容器88から供給する原料の流量を制御弁89
で調整してもよい。 (第4変形例)図19に示すように、メチルアルコール
容器31内の溶液にスポンジあるいは繊維90等を浸
し、液面が波立たないようにしてドライポンプ42で真
空排気したときの突沸を防止してもよい。
【0098】また、本明細書または図面に説明した技術
要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有
用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せ
に限定されるものではない。また、本明細書または図面
に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであ
り、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的
有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のシリコン系構造体の製造装置の
構成を示す。
【図2】 第1実施例のシリコン系構造体の製造装置の
エッチング反応室の構成を示す。
【図3】 第1実施例のシリコン系構造体の製造装置の
メチルアルコール容器とドライポンプ間の構成を示す。
【図4】 第1実施例のシリコン系構造体の製造装置と
その他のシリコン系材料の加工技術を利用した第1のシ
リコン系構造体の製造工程の一部を示す(1)。
【図5】 同製造工程の一部を示す(2)。
【図6】 同製造工程の一部を示す(3)。
【図7】 第1実施例のシリコン系構造体の製造装置と
その他のシリコン系材料の加工技術を利用した第2のシ
リコン系構造体の製造工程の一部を示す(1)。
【図8】 同製造工程の一部を示す(2)。
【図9】 同製造工程の一部を示す(3)。
【図10】 同製造工程の一部を示す(4)。
【図11】 同製造工程の一部を示す(5)。
【図12】 同製造工程の一部を示す(6)。
【図13】 同製造工程の一部を示す(7)。
【図14】 第2実施例のシリコン系構造体の製造装置
の構成を示す。
【図15】 第3実施例のシリコン系構造体の製造装置
の構成を示す。
【図16】 メチルアルコール容器とドライポンプ間の
構成の第1変形例を示す。
【図17】 メチルアルコール容器とドライポンプ間の
構成の第2変形例を示す。
【図18】 メチルアルコール容器とドライポンプ間の
構成の第3変形例を示す。
【図19】 メチルアルコール容器とドライポンプ間の
構成の第4変形例を示す。
【図20】 従来の第1のシリコン系構造体の製造工程
の一部を示す(1)。
【図21】 同製造工程の一部を示す(2)。
【図22】 同製造工程の一部を示す(3)。
【図23】 従来の第2のシリコン系構造体の製造工程
の一部を示す(1)。
【図24】 同製造工程の一部を示す(2)。
【図25】 同製造工程の一部を示す(3)。
【図26】 同製造工程の一部を示す(4)。
【符号の説明】
10:エッチング反応室 20:二フッ化キセノン容器 21:昇華ガス貯蔵容器 23〜26、34、35:バルブ 30:フッ化水素容器 31:メチルアルコール容器 42:ドライポンプ 49:除害装置 502:制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 隆教 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 奥田 勝治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 松井 正行 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 鈴木 泰彦 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4M112 AA02 BA01 BA07 CA01 CA02 CA21 CA22 DA03 DA06 EA03 EA04 EA06 EA07 EA11 FA20 5F004 AA02 BA19 CA01 DA19 DA20 DB01 DB03 EA34 EB08

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1ガス供給部と、第2ガス供給部と、
    エッチング反応室と、選択連通手段と、ガス排出手段を
    備え、 第1ガスは、シリコンをエッチングするガスであり、 第2ガスは、酸化シリコンをエッチングしてシリコンを
    ほとんどエッチングしないガスであり、 選択連通手段は、エッチング反応室を第1ガス供給部と
    第2ガス供給部のいずれかに選択的に連通させ、 ガス排出手段は、エッチング反応室内のガスを排出する
    ことを特徴とするシリコン系材料の加工装置。
  2. 【請求項2】 第1ガス供給部と、第2ガス供給部と、
    エッチング反応室と、選択連通手段と、ガス排出手段を
    備え、 第1ガスは、酸化シリコンをエッチングして窒化シリコ
    ンをほとんどエッチングしないガスであり、 第2ガスは、シリコンをエッチングして窒化シリコンを
    ほとんどエッチングしないガスであり、 選択連通手段は、エッチング反応室を第1ガス供給部と
    第2ガス供給部のいずれかに選択的に連通させ、 ガス排出手段は、エッチング反応室内のガスを排出する
    ことを特徴とするシリコン系材料の加工装置。
  3. 【請求項3】 第1シリコン系材料上に第2シリコン系
    材料が形成され、第2シリコン系材料が第3シリコン系
    材料で覆われた試料を加工して中空のシリコン系構造体
    を製造する装置であって、 第1ガス供給部と、第2ガス供給部と、エッチング反応
    室と、選択連通手段と、ガス排出手段を備え、 第1ガスは、第2シリコン系材料の一部を露出させるガ
    スであり、 第2ガスは、第2シリコン系材料をエッチングして第1
    及び第3シリコン系材料をほとんどエッチングしないガ
    スであり、 選択連通手段は、エッチング反応室を第1ガス供給部と
    第2ガス供給部のいずれかに選択的に連通させ、 ガス排出手段は、エッチング反応室内のガスを排出する
    ことを特徴とするシリコン系構造体の製造装置。
  4. 【請求項4】 シリコン基板上に酸化シリコン層が形成
    され、その酸化シリコン層がシリコン層で覆われた試料
    を加工して中空のシリコン系構造体を製造する装置であ
    って、 第1ガス供給部と、第2ガス供給部と、エッチング反応
    室と、選択連通手段と、ガス排出手段を備え、 第1ガスは、シリコンをエッチングするガスであり、 第2ガスは、酸化シリコンをエッチングしてシリコンを
    ほとんどエッチングしないガスであり、 選択連通手段は、エッチング反応室を第1ガス供給部と
    第2ガス供給部のいずれかに選択的に連通させ、 ガス排出手段は、エッチング反応室内のガスを排出する
    ことを特徴とするシリコン系構造体の製造装置。
  5. 【請求項5】 下部窒化シリコン層上にシリコン層が形
    成され、そのシリコン層が上部窒化シリコン層で覆わ
    れ、その上部窒化シリコン層には孔が形成され、その孔
    に対応して位置するシリコン層の表面に酸化シリコンが
    形成された試料を加工して中空のシリコン系構造体を製
    造する装置であって、 第1ガス供給部と、第2ガス供給部と、エッチング反応
    室と、選択連通手段と、ガス排出手段を備え、 第1ガスは、酸化シリコンをエッチングして窒化シリコ
    ンをほとんどエッチングしないガスであり、 第2ガスは、シリコンをエッチングして窒化シリコンを
    ほとんどエッチングしないガスであり、 選択連通手段は、エッチング反応室を第1ガス供給部と
    第2ガス供給部のいずれかに選択的に連通させ、 ガス排出手段は、エッチング反応室内のガスを排出する
    ことを特徴とするシリコン系構造体の製造装置。
  6. 【請求項6】 第1ガスと第2ガスは、アルミニウム系
    材料をほとんどエッチングしないガスであることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
  7. 【請求項7】 ガス供給部は、ガスの原料である固体又
    は液体の収容部と、その固体又は液体をガスに変換する
    ガス変換手段を備えることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載の装置。
  8. 【請求項8】 ガス供給部は、固体又は液体から変換さ
    れたガスの貯蔵部をさらに有することを特徴とする請求
    項7に記載の装置。
  9. 【請求項9】 ガス供給部は、固体である二フッ化キセ
    ノン(XeF)又は三フッ化臭素(BrF)を収容
    する容器を有することを特徴とする請求項7に記載の装
    置。
  10. 【請求項10】 ガス供給部は、フッ化水素(HF)溶
    液を収容する容器と、メチルアルコール(CHOH)
    溶液又は水(HO)を収容する容器を有することを特
    徴とする請求項7に記載の装置。
  11. 【請求項11】 液体収容部の液体をガスに変換してエ
    ッチング反応室に供給する場合において、その液体が液
    体収容部とエッチング反応室の間で詰まることを抑制す
    る手段をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載
    の装置。
  12. 【請求項12】 ガス変換手段は、固体又は液体収容部
    を減圧する減圧手段であり、 その減圧手段と固体又は液体収容部はエッチング反応室
    を介して接続されていることを特徴とする請求項7に記
    載の装置。
  13. 【請求項13】 エッチング反応室内に、ガス供給口か
    らガス排出口への直線的なガスの流れを阻止する手段が
    設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の装置。
  14. 【請求項14】 ガス排出手段は、高速排出手段と低速
    排出手段を有することを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載の装置。
  15. 【請求項15】 試料のエッチング終了時を検出するエ
    ッチング終了検出手段をさらに備えたことを特徴とする
    請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
  16. 【請求項16】 有機ケイ素化合物を収容する容器と、
    水を収容する容器と、これらの容器に収容された有機ケ
    イ素化合物と水をガスに変換するガス変換手段と、これ
    らの容器に接続されたコーティング室をさらに備えたこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
  17. 【請求項17】 連結部と、開閉手段と、試料搬送手段
    を備え、 連結部は、エッチング反応室とコーティング室の間を外
    気から遮断して連結し、 開閉手段は、エッチング反応室とコーティング室の間を
    開状態と閉状態に切換可能であり、 試料搬送手段は、エッチング反応室とコーティング室の
    間で試料を搬送可能であることを特徴とする請求項16
    に記載の装置。
  18. 【請求項18】 予備室と、連結部と、開閉手段と、試
    料搬送手段を備え、 連結部は、エッチング反応室と予備室、及び、予備室と
    コーティング室の間を外気から遮断して連結し、 開閉手段は、エッチング反応室と予備室の間、及び、予
    備室とコーティング室の間を開状態と閉状態に切換可能
    であり、 試料搬送手段は、エッチング反応室と予備室の間、及
    び、予備室とコーティング室の間で試料を搬送可能であ
    ることを特徴とする請求項16に記載の装置。
  19. 【請求項19】 第1シリコン系材料上に第2シリコン
    系材料を形成する工程と、 その第2シリコン系材料を覆うように第3シリコン系材
    料を形成する工程と、 以上の工程を経ることで得られた試料をエッチング反応
    室に収容する工程と、 そのエッチング反応室に第1ガスを供給して局所的にド
    ライエッチングして第2シリコン系材料の一部を露出さ
    せる工程と、 そのエッチング反応室から第1ガスを排出する工程と、 そのエッチング反応室に、第2シリコン系材料をエッチ
    ングして第1及び第3シリコン系材料をエッチングしな
    い第2ガスを供給して第2シリコン系材料をドライエッ
    チングする工程を有することを特徴とするシリコン系構
    造体の製造方法。
  20. 【請求項20】 シリコン基板上に酸化シリコン層を形
    成する工程と、 その酸化シリコン層を覆うようにシリコン層を形成する
    工程と、 以上の工程を経ることで得られた試料をエッチング反応
    室に収容する工程と、 そのエッチング反応室にシリコンをエッチングする第1
    ガスを供給して、シリコン層を局所的にドライエッチン
    グして酸化シリコン層の一部を露出させる工程と、 そのエッチング反応室から第1ガスを排出する工程と、 そのエッチング反応室に酸化シリコンをエッチングして
    シリコンをほとんどエッチングしない第2ガスを供給し
    て酸化シリコン層をドライエッチングする工程を有する
    ことを特徴とするシリコン系構造体の製造方法。
  21. 【請求項21】 下部窒化シリコン層上にシリコン層を
    形成する工程と、 そのシリコン層を覆うように上部窒化シリコン層を形成
    する工程と、 その上部窒化シリコン層にシリコン層まで達する孔を形
    成する工程と、 以上の工程を経ることで得られた試料をエッチング反応
    室に収容する工程と、 そのエッチング反応室に酸化シリコンをエッチングして
    窒化シリコンをほとんどエッチングしない第1ガスを供
    給して、シリコン層の表面のうち上部窒化シリコン層の
    孔に対応する部分に形成された酸化シリコンをドライエ
    ッチングしてシリコン層の一部を露出させる工程と、 そのエッチング反応室から第1ガスを排出する工程と、 そのエッチング反応室にシリコンをエッチングして窒化
    シリコンをほとんどエッチングしない第2ガスを供給し
    てシリコン層をドライエッチングする工程を有すること
    を特徴とするシリコン系構造体の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項19〜21のいずれかに記載の
    製造方法において、アルミニウム系材料をほとんどエッ
    チングしないガスから第1ガスと第2ガスを選択し、 試料の表面に露出するアルミニウムを形成してから試料
    をエッチング反応室に収容することを特徴とするシリコ
    ン系構造体の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項19〜21のいずれかに記載の
    工程を経た構造体を、水蒸気と有機ケイ素化合物の混合
    ガスにさらす工程を有することを特徴とするシリコン系
    構造体の製造方法。
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