JP2002361559A - 多段ショットピ−ニング加工方法 - Google Patents
多段ショットピ−ニング加工方法Info
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Abstract
うねりや表面粗さを改善することができる多段ショット
ピ−ニング加工を提案する。 【解決手段】 金属製品の表面を多段ショットピーニ
ング処理した時にこの処理面の表面粗さを極小にする方
法であって,処理製品の表面粗さまたはピークカウント
値が製品表面の初期状態より大きくなるようなショット
ピーニング加工条件でショットピ−ニング加工する工程
と、それ以降に遅い投射速度または/および小さい粒径
または/および硬度の低い投射材のショットピーニング
加工条件でショットピ−ニング加工する工程を有す。
Description
グ方法に関する。より詳しくは,複数回のショットピー
ニング処理を用いた多段ショットピーニング処理に関す
る。
品において,完成品の表面粗さが大きい場合,粗さに起
因する表面クラックにより悪影響を及ぼし疲労強度を下
げる原因となることが知られている(図7参照)。これ
まで様々な研究により,ある特定の条件の製品に対し,
特定条件のショットピーニング加工で粗さを低減する方
法が知られている。ショットピーニング加工による表面
粗さへの効果は,速度を持った投射粒が微細な凸部を削
り取り,また押しつぶすことによって表面粗さを低減す
る効果がある(例えば、特許第3033638号公報参
照)。しかし、一般的に比較的弱いショットピーニング
加工を施すと,打痕形状の大きさから投射材粒径に応じ
た粗さとなる場合が多いが,製品表面と投射材の硬度
差,処理条件,初期粗さにより処理後の表面粗さは様々
に変化し,その挙動は明確ではなかった。特に,処理前
の表面状態にうねりがある場合,比較的弱いピーニング
では製品初期のうねり成分が残ってしまうため,粗さ改
善が困難である問題があった。
ーニング加工によって金属製品のうねりや表面粗さを改
善するためになされたものである。
め、本発明の多段ショットピ−ニング加工方法は、処理
製品の表面にうねりなどの大きな凹凸がある場合,初め
にショットピーニング加工により表面粗さまたはピーク
カウント値を製品表面初期のそれより大きくする,つま
り表面の初期状態より荒れる様に比較的強いショットピ
ーニング加工を施し、その後、処理製品の表面がこの状
態から次段のショットピーニング加工を施す。この時の
ショットピーニング処理条件は一様に荒れた表面を平滑
にする為,投射速度を遅くし,または投射材粒径を小さ
くし,または投射材硬度を低くすることを特徴とする。
においてピーニング効果による疲労強度向上を阻害する
事無く,表面粗さを低減させクラックなどの疲労破壊を
抑制し,製品の寿命を延ばすことができる。ショットピ
ーニング加工後の研摩工程を必要とする場合には,その
工数低減させることが可能である。
ニング加工条件は、製品表面の硬度が750〜900HVの浸炭
熱処理品であれば,投射材硬度は製品表面のそれと同等
またはそれ以上のものを使用し,重力式エアショットピ
ーニング処理装置の場合、0.4MPa以上のエア噴射圧力で
処理すれば良い。それにより,うねりが一様な粗さに表
面加工される。次段若しくはその後のショットピーニン
グ加工は、処理製品の表面がこの状態からを施す。この
時のショットピーニング処理条件は一様に荒れた表面を
平滑にする為,投射速度を遅くし,または投射材粒径を
小さくし,または投射材硬度を低くする事により,前段
より表面粗さの低減を図る事が出来る。この時,ショッ
トピーニング処理段数はうねりの大きさに応じ2段以上
を必要とし,段数が多いほど,平滑化の効果は高くなる
(図1参照)。
加工は、必ずしも一段目と段として格差のあるものでな
くてよい。すなわち、1段目の処理により、うねりを一
様な粗さにした後、漸次連続的にショットピ−ニングを
緩やかにして入っても良い。この場合は、使用する投射
材が同一で、投射速度のみを漸次低速にしていくことで
実現ができる(図2参照)。投射材が同一である場合に
は、複数段の投射装置を必要とせず、単に投射速度のみ
を変えればよいため、投射装置を複数設置する必要がな
いという利点を有する。
とは投射材粒径,硬度,投射速度,時間あたり投射量な
どのショットピーニング条件を変化させた処理を組み合
わせてショットピーニング処理することで,そのショッ
トピーニング条件の組み合わせが連続に変化しても構わ
ない。ここで、図1、図2に示す条件は、投射速度など
の条件を総称したものである。
ョットピーニング装置はショットピーニング加工の装置
に限定せず,投射材を任意の速度で投射することのでき
る装置をそなえていれば,遠心投射式,エア投射式など
の投射方法を問わない。また,本発明において,うねり
とは製品表面に200μm以上の周期での凹凸をいい,一
般的な表面粗さと分けている。さらに、ピ−クカウント
とは、粗さ曲線の平均線から,正負両方向に一定の基準
レベルを設け,負の基準レベルを超えた後,正の基準レ
ベルを表面の抽出曲線が超えた時1カウントし,このカ
ウントを測定長さに達するまで繰り返し,数えたカウン
ト数で表したものをいう。表面粗さの波長を表すパラメ
ータとして使用される場合が多い。なお、ピ−クカウン
トは、ISO規格(468-1982),ANSI規格(B46.1),SAE
規格(J911-1986)等にて規格化されている。
期表面粗さ4.5〜5.5μmの浸炭熱処理した平鋼
(SCr420H)35x75x15mm,表面硬度約750HVのテストピー
スを図3に示すエア噴射式ショットピーニング装置1に
より,下表1の条件にて処理を行ない,表面粗さRzを測
定した。ここで、エア式ショットピ−ニング装置1は、
投射材回収ホッパ2の中に溜められた投射材3が、エア
配管4からの圧縮空気によりノズル5に吸引されると共
にワ−クWに向かって投射される。ワ−クWはテ−ブル
Tに支えられており、テ−ブルTの下はホッパ5になっ
ていて、投射材3が回収されて、投射材回収ホッパ2に
循環する。なお、投射材3に混入した異物や粉塵はサイ
クロン6を介して図示していない集塵機に回収される。
本実施例1に用いる投射材としては、各段とも同一であ
り、超硬ショットで、材質はタングステンカ−バイト、
硬度は1400HVを使用した。粒径は平均粒径50μ
mであった。なお、粒度分布は40〜200μmであっ
た。
あらさプロファイルを示す。図4から明らかなように、
4段目処理の後,表面粗さは2.9μmまで低下すること
ができた。
0〜6.0μm,表面硬度760HV,材質SCM420Hの浸炭歯
車について処理した結果を下表2に示す。
あらさプロファイルを示す。実施例2では形状が複雑に
なり,投射角の差や各歯の相互干渉による影響も含んだ
検討を行ったが、その影響は小さく、実施例1と同様の
結果が得られた。また、図6に各処理ごとのピークカウ
ント値の推移を示す。図6から明らかなように、ピ−ク
カウントが一度上昇した後、順次段階的にピ−クカウン
トが減少している。
のショットピ−ニング加工方法は、金属製品の表面を多
段ショットピーニング処理した時にこの処理面の表面粗
さを極小にする方法であって,処理製品の表面粗さまた
はピークカウント値が製品表面の初期状態より大きくな
るようなショットピーニング加工条件でショットピ−ニ
ング加工する工程と、それ以降に遅い投射速度または/
および小さい粒径または/および硬度の低い投射材のシ
ョットピーニング加工条件でショットピ−ニング加工す
る工程を有すことから、ショットピーニング加工によっ
て金属製品のうねりや表面粗さを改善することができ
る。このように、ショット加工において疲労強度向上を
目的にしたピーニング効果と表面研掃を目的にしたブラ
スト効果を利用し,共に満足する効果を得ることができ
た。
る。
さのプロフィ−ルである。
さのプロフィ−ルである。
推移である。
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】金属製品の表面を多段ショットピーニング
処理した時にこの処理面の表面粗さを極小にする方法で
あって,処理製品の表面粗さまたはピークカウント値が
製品表面の初期状態より大きくなるようなショットピー
ニング加工条件でショットピ−ニング加工する工程と、
それ以降に遅い投射速度または/および小さい粒径また
は/および硬度の低い投射材のショットピーニング加工
条件でショットピ−ニング加工する工程を有すことを特
徴とする多段ショットピーニング加工方法。 - 【請求項2】金属製品の表面を多段ショットピーニング
処理した時にこの処理面の表面粗さを極小にする方法で
あって,実際のショットピ−ニング前に予め処理製品の
表面粗さまたはピークカウント値が製品表面の初期状態
より大きくなるようにショットピーニング加工条件を設
定する工程と、この設定されたショットピーニング加工
条件によりショットピ−ニング加工する工程と、それ以
降に遅い投射速度または/および小さい粒径または/お
よび硬度の低い投射材のショットピーニング加工条件を
有することを特徴とする多段ショットピーニング加工方
法。 - 【請求項3】前記表面粗さまたはピークカウント値が製
品表面の初期状態より大きくなるショットピーニング加
工条件が、投射材の硬度が処理製品の表面硬度とほぼ同
等または高いことを特徴とする請求項1又は請求項2に
記載の多段ショットピーニング加工方法。 - 【請求項4】前記投射材の粒径が40〜200μmであ
ることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の多段
ショットピーニング加工方法。 - 【請求項5】前記金属製品が、マルテンサイト変態を有
する熱処理を施した部品であることを特徴とする請求項
1から4に記載の多段ショットピーニング加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001171677A JP4370550B2 (ja) | 2001-06-06 | 2001-06-06 | 多段ショットピ−ニング加工方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP4370550B2 JP4370550B2 (ja) | 2009-11-25 |
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Country | Link |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007262506A (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-11 | Komatsu Ltd | 機械部品の製造方法 |
JP2009226523A (ja) * | 2008-03-21 | 2009-10-08 | Suncall Corp | ばねの表面処理方法 |
CN102941536A (zh) * | 2012-11-21 | 2013-02-27 | 上海交通大学 | 一种新型的弹簧预强化精整复合喷丸方法 |
JP2013087581A (ja) * | 2011-10-21 | 2013-05-13 | Mitsubishi Materials Corp | 掘削工具の表面処理方法及び掘削工具 |
CN115070623A (zh) * | 2022-07-18 | 2022-09-20 | 上海交通大学 | 一种高熵合金喷丸处理工艺 |
-
2001
- 2001-06-06 JP JP2001171677A patent/JP4370550B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP4370550B2 (ja) | 2009-11-25 |
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