JP2002361464A - レーザ加工方法および装置 - Google Patents

レーザ加工方法および装置

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JP2002361464A JP2001165015A JP2001165015A JP2002361464A JP 2002361464 A JP2002361464 A JP 2002361464A JP 2001165015 A JP2001165015 A JP 2001165015A JP 2001165015 A JP2001165015 A JP 2001165015A JP 2002361464 A JP2002361464 A JP 2002361464A
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Toshihiro Mori
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工対象物の内部の位置決めマークを正確に
読み取ることができるレーザ加工方法および装置を得る
こと。 【解決手段】 加工対象物としての多層プリント配線板
7の構成材料を透過する波長の光を照明装置10により
照射する。照明装置10で照射される光の波長に感度を
有するCCDカメラ11で位置決めマーク20を読み取
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を用いて
多層プリント配線板などの加工対象物をレーザ加工する
レーザ加工方法および装置に関し、特に加工対象物に形
成した位置決めマークを用いて加工対象物の位置決めを
行う場合において、高い位置精度でレーザ加工をなし得
るようにしたレーザ加工方法および装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ビルドアップ多層プリント配線板では、
エポキシなどの樹脂からなる層間絶縁層と銅等の導体金
属からなる導体層を交互に積み重ね、層間絶縁層に穴を
形成して、この穴の壁面をめっき等で導体化することに
より各導体層を電気的に接続する。このビアホールと呼
ばれる層間接続用の穴はレーザ加工により形成されるこ
とが多い。
【0003】多層プリント配線板の配線密度を高密度化
するためには高い位置精度でビアホールを形成する必要
があり、穴加工時に配線板の位置を正確に測定すること
が不可欠である。このような配線板の位置を測定する方
法としては、例えば特開平7−260427号公報があ
る。この従来技術においては、プリント配線板に設けら
れたアライメントマークと呼ばれる位置決め用のマーク
を可視光による照明で照らし、これを通常のCCDカメ
ラで読み取り、プリント配線板の位置を測定している。
【0004】ところが、多層プリント配線板において、
より高い位置精度で穴を形成するためには、レーザ光で
除去する絶縁層の下にアライメントマークを形成する必
要があり、この場合、絶縁層の下の内層アライメントマ
ークからの反射光をカメラで読み取ろうとすると、絶縁
層表面からの反射光によってアライメントマークをコン
トラスト良く撮像することができず、画像処理による読
み取りが困難になる問題がある。
【0005】そこで、特開平10−200270号公報
においては、XYテーブルにLEDを埋め込み、位置決
めマークおよび層間絶縁膜層が形成された多層プリント
配線板をXYテーブル上に載置し、XYテーブルに埋め
込まれたLEDからの光が多層プリント配線板の位置決
めマークにより遮断されてできる影を、上方に配置した
カメラで撮像するようにしている。この従来方法によれ
ば、位置決めマークが絶縁層の下にあっても位置決めマ
ークをコントラスト良く撮像できるので画像処理による
読み取りが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来方法
では、照明(LED)が埋め込まれたXYテーブルを作
成する必要があるので、装置がコスト高になるととも
に、照明する位置の調整が難しいので、アライメントマ
ークの位置が異なる多層プリント配線への対応が困難で
ある。
【0007】また、この従来技術においては、アライメ
ントマークと同じ場所の別の層にセラミックス層や導体
層がある場合、例えば表面が銅箔やアルミニウム箔やタ
ングステン層に覆われている場合や、アライメントマー
クの下に導体層としての銅箔やアルミニウム箔やタング
ステン層がある場合には、この導体層の影によりアライ
メントマークの影が撮像できないため、アライメントマ
ークが認識できないという問題もある。
【0008】この発明は、上記に鑑みてなされたもの
で、内層アライメントマークを精度良く認識すること
で、高位置決め精度でのレーザ加工を可能とするレーザ
加工方法および装置を得ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
この発明にかかるレーザ加工装置は、レーザ発振器と、
このレーザ発振器からのレーザ光を加工対象物に導き照
射する光学系と、該加工対象物に形成された位置決めマ
ークを含むように加工対象物を照明する照明手段と、前
記位置決めマークを含むように照明手段で照明された加
工対象物を撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像デ
ータを用いて検出した位置決めマークの位置に基づき加
工対象物と光学系との相対位置関係を補正する制御手段
とを備えるレーザ加工装置において、前記照明手段は前
記加工対象物の構成材料を透過する波長の光を照射する
とともに、前記撮像手段は前記照明装置で照射される光
の波長に感度を有するようにしたことを特徴とする。
【0010】この発明によれば、照明手段は加工対象物
の構成材料を透過する波長の光を照射するようにしてい
るので、照明光は加工対象物の構成材料を透過した後、
位置決めマークで反射散乱される。この反射散乱した照
明光を、照明光の波長に感度をもつ撮像手段で撮像す
る。
【0011】つぎの発明は、上記発明において、前記加
工対象物の構成材料が樹脂材料または樹脂とガラス繊維
の複合材料であり、前記照明手段により照射される光が
近赤外光であり、前記撮像手段が近赤外域に感度を有す
ることを特徴とする。
【0012】この発明によれば、加工対象物の構成材料
が樹脂材料または樹脂とガラス繊維の複合材料である場
合、照明手段により照射される光を近赤外光とし、撮像
手段が近赤外域に感度を有するようにしている。
【0013】つぎの発明にかかるレーザ加工装置は、中
間層に位置決めマークが形成されこの位置決めマークの
近傍の表面を覆う表面層を有する加工対象物に対するレ
ーザ加工に適用され、レーザ発振器と、このレーザ発振
器からのレーザ光を加工対象物に導き照射する光学系
と、加工対象物に設けた位置決めマークを照明する照明
手段と、この照明手段で照明された位置決めマークを含
む領域を撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像デー
タを用いて検出した位置決めマークの位置に基づき加工
対象物と光学系との相対位置関係を補正する制御手段と
を備えたレーザ加工装置において、前記位置決めマーク
を覆う表面層を除去する除去手段を備え、前記照明手段
は前記加工対象物の構成材料を透過する波長の光を照射
するとともに、前記撮像手段は前記照明装置で照射され
る光の波長に感度を有するようにし、前記除去手段によ
って表面層を除去した加工対象物を前記照明手段によっ
て照明し、該照明した加工対象物を前記撮像手段で撮像
することを特徴とする。
【0014】この発明によれば、除去手段によって加工
対象物の表面層を除去した後、表面層を除去した加工対
象物を照明手段によって照明し、該照明した加工対象物
を撮像手段で撮像する。この際、照明手段は加工対象物
の構成材料を透過する波長の光を照射するようにしてい
るので、照明光は加工対象物の構成材料を透過した後、
位置決めマークで反射散乱される。この反射散乱した照
明光を、照明光の波長に感度をもつ撮像手段で撮像す
る。
【0015】つぎの発明は、上記発明において、前記加
工対象物の表面層が銅を含む金属であって中間層が樹脂
材料または樹脂とガラス繊維の複合材料であり、前記照
明手段により照射される光が近赤外光であり、前記撮像
手段が近赤外域に感度を有することを特徴とする。
【0016】この発明によれば、加工対象物の表面層が
銅を含む金属であって中間層が樹脂材料または樹脂とガ
ラス繊維の複合材料である場合、照明手段の照射光を近
赤外光とし、撮像手段は近赤外域に感度を持つようにし
ている。
【0017】つぎの発明は、上記発明において、前記除
去手段は、前記レーザ発振器からのレーザ光を用いて前
記位置決めマークを覆う表面層を除去することを特徴と
する。
【0018】この発明によれば、レーザ発振器からのレ
ーザ光を用いて位置決めマークを覆う表面層を除去する
ようにしている。
【0019】つぎの発明にかかるレーザ加工方法は、中
間層に位置決めマークが形成されこの位置決めマークの
近傍の表面を覆う表面層を有する加工対象物に対するレ
ーザ加工に適用され、前記位置決めマークを含むように
加工対象物を照明し、該照明した加工対象物を位置決め
マークを含むように撮像し、該撮像データを用いて検出
した位置決めマークの位置に基づき加工対象物へのレー
ザ照射位置を補正するレーザ加工方法において、前記加
工対象物の表面層を除去する除去工程と、前記加工対象
物の中間層を透過する波長の光をもって前記加工対象物
を照明する照明工程と、前記照明光の波長に感度を有す
る撮像手段をもって前記位置決めマークを含むように加
工対象物を撮像する撮像工程と、この撮像データを用い
て検出した位置決めマークの位置に基づき加工対象物へ
のレーザ照射位置を補正する補正工程とを備えることを
特徴とする。
【0020】この発明によれば、まず加工対象物の表面
層を除去する。つぎに、加工対象物の中間層を透過する
波長の光をもって加工対象物を照明する。照明光は加工
対象物の構成材料を透過した後、位置決めマークで反射
散乱される。この反射散乱した照明光を、照明光の波長
に感度をもつ撮像手段で撮像する。
【0021】つぎの発明は、上記発明において、前記加
工対象物の表面層が銅を含む金属であって中間層が樹脂
材料または樹脂とガラス繊維の複合材料であり、前記照
明工程では、照明光を近赤外光とし、前記撮像工程で
は、近赤外域に感度を有する撮像手段を用いることを特
徴とする。
【0022】この発明によれば、加工対象物の表面層が
銅を含む金属であって中間層が樹脂材料または樹脂とガ
ラス繊維の複合材料である場合、照明工程では照明光を
近赤外光として照明を行い、撮像工程では近赤外域に感
度を有する撮像手段を用いて撮像を行う。
【0023】つぎの発明は、上記発明において、前記除
去工程では、レーザ光を照射することにより位置決めマ
ークを覆う表面層を除去することを特徴とする。
【0024】この発明によれば、レーザ発振器からのレ
ーザ光を用いて位置決めマークを覆う表面層を除去する
ようにしている。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明にかかるレーザ加工方法および装置の好適な実施の
形態を詳細に説明する。
【0026】実施の形態1.図1は、この発明にかかる
レーザ加工装置の実施の形態1の構成を示すものであ
る。
【0027】このレーザ加工装置は、レーザ光1を発生
させるレーザ発振器2、レーザ光1を平行光に変換して
レーザ光の発散角を調整するコリメートレンズ3、レー
ザ光のビーム径を制限するマスク14、レーザ光1の方
向を任意の方向に偏向するガルバノミラー5、加工プロ
グラムに従ってガルバノミラー5の角度を調整してレー
ザ光1の偏向角度を調整するガルバノスキャナ4、入射
したレーザ光1を集光する集光レンズ6、集光されたレ
ーザ光1が照射される加工対象物(ワーク)としての多
層プリント配線板(プリント配線板ともいう)7、プリ
ント配線板7が載置され必要に応じてプリント配線板7
と集光レンズ6との相対位置を変えることができるXY
テーブル8、プリント配線板7上の任意の位置を照明す
ることができる照明装置10、プリント配線板7上の任
意の位置を撮像する撮像手段としてのCCDカメラ1
1、CCDカメラ11の撮像データを画像処理する画像
処理装置12、およびこれらレーザ発振器2,ガルバノ
スキャナ4,XYテーブル8,照明装置10,CCDカ
メラ11および画像処理装置12を駆動制御する制御装
置13を備えている。
【0028】レーザ発振器2は、加工するプリント配線
板7の材質により必要なレーザ光1の波長が異なるが、
この場合は炭酸ガスレーザを用いる。この場合、レーザ
加工には、50μm〜200μm程度の小さな穴加工が要
求されるので、加工対象としての多層プリント配線板7
の表面上では、50μm〜200μm程度の非常に小さな
スポットに集光する必要がある。このため、レーザ光1
を集光レンズ6で集光して多層プリント配線板7上に照
射する。また、レーザ発振器2から発射されたレーザ光
1が多層プリント配線板7まで導かれる光路にはある程
度距離があるので、レーザ光1が発散してガルバノミラ
ー5上ではビーム径が広がってしまう。必要なビーム径
にするには、レーザ光1の発散角を調整する必要があ
る。このため、光路の途中にコリメートレンズ3を挿入
してビームの径を調整している。また、多層プリント配
線板7上で必要な部分にレーザ光1を照射するために、
ガルバノスキャナ4を駆動し、ガルバノミラー5の角度
を変えてレーザ光1を必要な方向に偏向させている。偏
向されたレーザ光1が集光レンズ6へ入射する角度θに
より、多層プリント配線板7上でのレーザ光の座標値が
一義的に決まる。
【0029】このレーザ加工においては、ガルバノミラ
ー5で加工できる範囲の加工が終了すると、XYテーブ
ル8を移動させてプリント配線板7を移動させた後、次
の加工エリアの加工を行う。この場合は、ガルバノスキ
ャンエリアが50mm×50mmとし、500mm×5
00mmのプリント配線板を用いたため、XYテーブル
8が50mmのX方向の移動を10回、Y方向の移動を
10回行うことで加工が完了する。
【0030】図2は、多層プリント配線板7の断面を示
すものである。この場合、多層プリント配線板7の構成
材料すなわち絶縁層9としては、クロス状に編み込まれ
たガラスファイバ(ガラス繊維)9aとエポキシ樹脂9
bとの複合材料から成るガラスエポキシを用いている。
位置決めマーク20は、導体層として用いる銅箔をφ1
00μmの円形に所定位置に残すことで形成し、約50
μm厚さのガラスエポキシ樹脂9の下に設置されてい
る。この場合、位置決めマーク20は、図1に示すよう
に、プリント配線板7の四隅に配置されている。
【0031】ここで、照明装置10から発生される照明
光としては、加工対象物としての多層プリント配線板7
の構成材料すなわち例えばガラスエポキシを透過するこ
とができる波長をもつ光を採用する。この場合は、近赤
外光を発生するLEDを照明装置10の光源とする。
【0032】さらに、CCDカメラ11としては、近赤
外光に感度をもつ近赤外カメラを採用する。
【0033】このように、この実施の形態1では、近赤
外照明装置10、近赤外カメラ11および画像処理装置
12によって、視覚認識のためのビジョンセンサを構成
している。この実施の形態1のレーザ加工装置において
は、近赤外照明装置10によって多層プリント配線板7
に形成された位置決めマーク20を含むように多層プリ
ント配線板7を照明する。そして、近赤外カメラ11に
よって位置決めマーク20を含むように照明装置10で
照明された多層プリント配線板7を撮像する。画像処理
装置12では、近赤外カメラ11の撮像データを画像処
理して位置決めマーク20の位置を検出する。制御装置
13では、該検出した位置決めマーク20の位置に基づ
き、ガルバノスキャナ4またはXYテーブル8を駆動制
御して多層プリント配線板7と光学系(この場合はガル
バノミラー5)との相対位置関係を補正する。そして、
この補正の後、レーザ発振器2などを駆動して、多層プ
リント配線板7に対してビアホールを形成する等のレー
ザ加工を実行する。
【0034】かかる実施の形態1の構成によれば、図2
に示すように、近赤外照明装置10によって多層プリン
ト配線板7に対し近赤外光30を照射すると、ガラスエ
ポキシ樹脂9の表面と位置決めマーク20の表面で反射
光31,32が生じ、これらの反射光31,32を近赤
外カメラ11によって撮像する。このとき、位置決めマ
ーク20の表面で反射した光32に比べガラスエポキシ
樹脂9の表面で反射した光31の光強度が大きいと、位
置決めマーク20を近赤外カメラ11でコントラスト良
く撮像することができない。従来は、照明光として可視
光が使用され、可視光が樹脂層9bで一部吸収されるた
め、位置決めマーク20の表面での反射光強度が低下
し、ガラスエポキシ樹脂9の表面での反射光強度に近く
なり、コントラストが低下していた。
【0035】これに対し、近赤外光は樹脂層9bを透過
するため、コントラスト良く位置決めマーク20を撮像
することができ、高精度の画像認識が可能となる。
【0036】このように、この実施の形態1によれば、
多層プリント配線板7の構造材料を透過する近赤外光を
照明光に用い、これに感度がある近赤外カメラ11を用
いて撮像を行うようにしたので、多層プリント配線板7
の表面からの反射光31よりも多層プリント配線板7の
内部にある位置決めマーク20からの反射光32の強度
を高くでき、これにより簡便に内層位置決めマーク20
を精度良く画像認識することが可能となり、高い位置精
度でビアホールを形成することが可能となる。また、照
明装置10は、多層プリント配線板7を上方から照明す
ることができるので、位置決めマーク20の位置が異な
る多層プリント配線板7に対しても容易に対処が可能と
なる。また、位置決めマーク20上に銅箔が存在する場
合でも、レーザ加工や機械加工で表層銅箔を除去するだ
けで、簡便に位置決めマーク20を認識可能となる。
【0037】なお、上記実施の形態1では、近赤外カメ
ラ11としてCCDカメラを用いたが、近赤外光に感度
があれば、撮像管を用いたビジコンなど他のカメラを用
いてもよい。また、照明装置10として、近赤外光を発
生させる光源であれば、ハロゲン光源を用いてもよい。
また、多層プリント配線板7の絶縁層9を、エポキシ樹
脂などの樹脂のみによって形成した場合でも、ガラスエ
ポキシ樹脂と同様の効果を得ることができる。
【0038】実施の形態2.つぎにこの発明の実施の形
態2を説明する。この実施の形態2においては、図3に
示すような多層プリント配線板40に対してレーザ加工
を行う。この多層プリント配線板40は、表面に厚さ9
μmの銅箔(表面層)41が形成され、その下に厚さ5
0μmのエポキシ樹脂42があり、その下に導体層とし
て用いる銅箔をφ100μmの円形にエッチングした位
置決めマーク20が配置され、さらにその下側にガラス
エポキシ樹脂43がある。位置決めマーク20は、先の
実施の形態1と同様、多層プリント配線板40の四隅に
形成されているとする。
【0039】この実施の形態2においても、図1に示し
たレーザ加工装置を用いてレーザ加工を実行する。以
下、実施の形態2による動作を図4に示すフローチャー
トを用いて説明する。
【0040】多層プリント配線板40をXYテーブル8
の上に設置する。制御装置13は、XYテーブル8およ
びガルバノスキャナ4を駆動制御することで、内層に位
置決めマーク20が存在していると思われる付近にレー
ザ光が照射されるように、レーザ照射位置を調整する
(ステップS1)。このレーザ照射位置の調整の際に
は、制御装置13に対し、四隅の位置決めマーク20の
座標位置を予め設定しておくようにすればよい。
【0041】はじめに、第1番目の位置決めマーク20
の位置にレーザ照射位置を位置決めする(ステップS
1)。次に、レーザ光の照射を開始し、図5に示すよう
に、多層プリント配線板40の表面層41およびその下
のエポキシ樹脂42の一部を除去する(ステップS
2)。これを、位置決めマーク20の個数分(この場合
は4個)繰り返すことにより(ステップS3)、全ての
位置決めマーク20の上の表面層41およびその下のエ
ポキシ樹脂42の一部を除去する。この場合は、レーザ
光1をビーム径φ300μmに集光し、3mm×3mm
の領域の表面層41が除去できるように、ガルバノミラ
ー5を駆動してこのエリア内に順次隙間なくレーザ光1
を照射し、3mm×3mmの銅箔除去部44(図5参
照)を形成した。
【0042】つぎに、制御装置13は、第1番目の位置
決めマーク20の位置に近赤外カメラ11の視野を移動
させる(ステップS4)。そして、近赤外照明装置10
による近赤外光を照明として用いて、第1番目の位置決
めマーク20を含む領域を近赤外カメラ11で撮像す
る。撮像データは、画像処理装置12に入力され、ここ
で、マーク位置検出のための画像処理が実行される(ス
テップS5)。
【0043】なお、この実施形態2では、照明装置10
は、多層プリント配線板40全体を一様に照明できるも
のを用いたために、照明装置10による照明領域を移動
させる必要はないが、多層プリント配線板40の一部領
域にスポット照明する照明を用いる場合は、照明装置1
0を近赤外カメラ11と同様逐次移動させて多層プリン
ト配線板40に形成された位置決めマーク20を含むよ
うに多層プリント配線板40を照明すればよい。
【0044】画像処理装置12においては、撮像データ
を画像処理して第1番目の位置決めマーク20の位置
(ずれ量)を検出する(ステップS6)。このような処
理を、全ての位置決めマーク20について(この場合は
4個)繰り返すことにより(ステップS7)、全ての位
置決めマーク20の位置を検出する。
【0045】制御装置13では、該検出した4つの位置
決めマーク20の位置に基づき、ガルバノスキャナ4ま
たはXYテーブル8を駆動制御して多層プリント配線板
40と光学系(この場合はガルバノミラー5)との相対
位置関係を補正する位置ずれ補正処理を実行する(ステ
ップS8)。そして、この補正の後、レーザ発振器2な
どを駆動して、多層プリント配線板40に対してビアホ
ールを形成するレーザ穴あけ加工(実加工)を実行する
(ステップS9)。
【0046】このような手法で、位置決めマーク20の
認識を行った結果、全ての位置決めマークを精度良く画
像認識することができた。
【0047】なお、レーザ加工によって多層プリント配
線板40の表面層41を除去した後、可視光を用いたビ
ジョンセンサを用いて同じようにして位置決めマークの
認識を行った場合は、レーザ加工でエポキシ樹脂42の
表面が荒れているため、内層の位置決めマーク20を全
く撮像することができなかった。
【0048】このように、この実施の形態2によれば、
多層プリント配線板40の表面層41を除去した後、多
層プリント配線板40の中間層42を透過する波長の光
(近赤外光)をもって多層プリント配線板40を照明
し、この照明光の波長に感度がある近赤外カメラ11を
用いて撮像を行うようにしているので、従来の可視光に
よるビジョンセンサでは認識できなかった表面に銅箔の
ある内層位置決めマークの画像認識が可能となり、高い
位置精度でビアホールを形成することが可能となった。
なお、この実施の形態2において、表面層41として、
銅箔の他に、アルミニウム箔やタングステン層などを用
いた場合でも、前記同様の効果を得ることが可能とな
る。
【0049】なお、実施の形態2では、表層の銅箔を除
去するのにレーザ光を用いたが、ドリルやルータなどの
機械加工を用いてもよいし、さらにはエッチング等によ
り予め銅箔を除去しておいてもよい。
【0050】また、図4のステップS1で行われる表面
層除去のためのレーザ照射位置の移動は、自動運転で行
うようにしても良いし、手動操作で行うようにしてもよ
い。また、ステップS2においては、所定の照射条件に
より位置決めマーク20の上方の表面層41にレーザ光
を照射するが、このとき位置決めマーク20の径よりも
大きな面積の表面層41を除去する必要がある。そこ
で、上記した説明では、小径ビームを多重に照射して大
きな面積の表面層を除去するようにしたが、大径ビーム
を用いて一括除去してもよい。もちろん、表面層41を
除去できるレーザ光照射条件は予め見つけておく必要が
ある。
【0051】ところで、上記各実施の形態では、加工対
象物を多層プリント配線板7として説明を行ったが、本
発明は位置決めマークが内層にある他の加工対象物に対
しても適用することができる。
【0052】また、多層プリント配線板7の絶縁層9の
材料として、ガラスエポキシ樹脂のような複合材料の他
に、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ガラス繊維布とポ
リイミド樹脂との複合材料、クラフト紙とエポキシ樹脂
との複合材料、クラフト紙とフェノール樹脂との複合材
料などが用いられる場合においても、本発明を適用する
ことができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
レーザ加工装置によれば、加工対象部の構造材料を透過
する光を照明光に用い、これに感度がある撮像手段を用
いて撮像を行うようにしたので、加工対象物の表面から
の反射光よりも加工対象物の内部にある位置決めマーク
からの反射光強度を高くでき、これにより簡便に内層位
置決めマークを精度良く画像認識することが可能とな
り、高い位置精度でレーザ加工が可能となる。また、位
置決めマークの位置が異なる加工対象物に対しても容易
に対処が可能となる。また、位置決めマーク上に銅箔や
アルミニウム箔やタングステン層やセラミックス層が存
在する場合でも、レーザ加工や機械加工で表面層を除去
するだけで、簡便に位置決めマークを認識可能となる。
【0054】つぎの発明にかかるレーザ加工装置によれ
ば、加工対象物の構成材料が樹脂材料または樹脂とガラ
ス繊維の複合材料である場合、照明手段により照射され
る光を近赤外光とし、撮像手段が近赤外域に感度を有す
るようにしているので、多層プリント配線板などの加工
対象物にビアホールなどをレーザ加工する場合、内層位
置決めマークを精度良く画像認識することが可能とな
り、高い位置精度でレーザ加工が可能となる。
【0055】つぎの発明にかかるレーザ加工装置によれ
ば、加工対象物の表面層を除去した後、加工対象部の中
間層を透過する光を照明光として用いて照明を行い、こ
れに感度がある撮像手段を用いて撮像を行うようにして
いるので、表面層が照明光を透過しない材料で構成され
ている場合でも、内層位置決めマークを精度良く画像認
識することが可能となり、高い位置精度でレーザ加工が
可能となる。また、表面層の除去によって位置決めマー
ク上の内層樹脂表面が荒れている場合でも内層の位置決
めマークの画像認識が可能となる。
【0056】つぎの発明にかかるレーザ加工装置によれ
ば、加工対象物の表面層が銅を含む金属であって中間層
が樹脂材料または樹脂とガラス繊維の複合材料である場
合、照明手段の照射光を近赤外光とし、撮像手段は近赤
外域に感度を持つようにしているので、表面が銅で覆わ
れた多層プリント配線板などの加工対象物にビアホール
などをレーザ加工する場合、内層位置決めマークを精度
良く画像認識することが可能となり、高い位置精度でレ
ーザ加工が可能となる。
【0057】つぎの発明にかかるレーザ加工装置によれ
ば、レーザ発振器からのレーザ光を用いて位置決めマー
クを覆う表面層を除去するようにしているので、表面層
を除去するために他の加工装置を設ける必要がなくな
り、低コスト、装置の小型化に寄与する。
【0058】つぎの発明にかかるレーザ加工方法によれ
ば、加工対象物の表面層を除去した後、加工対象物の中
間層を透過する波長の光をもって加工対象物を照明し、
この照明光の波長に感度がある撮像手段を用いて撮像を
行うようにしているので、表面層が照明光を透過しない
材料で構成されている場合でも、内層位置決めマークを
精度良く画像認識することが可能となり、高い位置精度
でレーザ加工が可能となる。
【0059】つぎの発明にかかるレーザ加工方法によれ
ば、加工対象物の表面層が銅を含む金属であって中間層
が樹脂材料または樹脂とガラス繊維の複合材料である場
合、照明手段の照射光を近赤外光とし、撮像手段は近赤
外域に感度を持つようにしているので、表面が銅で覆わ
れた多層プリント配線板などの加工対象物にビアホール
などをレーザ加工する場合、内層位置決めマークを精度
良く画像認識することが可能となり、高い位置精度でレ
ーザ加工が可能となる。
【0060】つぎの発明にかかるレーザ加工方法によれ
ば、レーザ発振器からのレーザ光を用いて位置決めマー
クを覆う表面層を除去するようにしているので、表面層
を除去するために他の加工装置を設ける必要がなくな
り、低コスト、装置の小型化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明にかかるレーザ加工方法および装置
の実施の形態1を示す図である。
【図2】 実施の形態1に用いる多層プリント配線板を
示す断面図である。
【図3】 実施の形態2に用いる多層プリント配線板を
示す断面図である。
【図4】 この発明にかかるレーザ加工方法および装置
の実施の形態2の動作手順を示すフローチャートであ
る。
【図5】 実施の形態2のレーザ加工方法によって多層
プリント配線板を照明する際のレーザ光の反射態様を示
すための断面図である。
【符号の説明】
1 レーザ光、2 レーザ発振器、3 コリメートレン
ズ、4 ガルバノスキャナ、5 ガルバノミラー、6
集光レンズ、7 多層プリント配線板(プリント配線
板)、8 XYテーブル、9a ガラスファイバ、9b
エポキシ樹脂、9 絶縁層(ガラスエポキシ樹脂)、
10 照明装置(近赤外照明装置)、11CCDカメラ
(近赤外カメラ)、12 画像処理装置、13 制御装
置、14マスク、20 位置決めマーク、30 照明
光、31 反射光、32 反射光、40 多層プリント
配線板、41 表面層、42 エポキシ樹脂、43 ガ
ラスエポキシ樹脂。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 103:16 B23K 103:16 (72)発明者 中田 雅文 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2F065 AA07 BB01 BB21 BB27 CC01 DD02 FF04 GG07 GG12 JJ03 JJ26 QQ31 4E068 AC01 AF01 CA14 CB01 CC02 DB14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ発振器と、このレーザ発振器から
    のレーザ光を加工対象物に導き照射する光学系と、該加
    工対象物に形成された位置決めマークを含むように加工
    対象物を照明する照明手段と、前記位置決めマークを含
    むように照明手段で照明された加工対象物を撮像する撮
    像手段と、前記撮像手段の撮像データを用いて検出した
    位置決めマークの位置に基づき加工対象物と光学系との
    相対位置関係を補正する制御手段とを備えるレーザ加工
    装置において、 前記照明手段は前記加工対象物の構成材料を透過する波
    長の光を照射するとともに、前記撮像手段は前記照明装
    置で照射される光の波長に感度を有するようにしたこと
    を特徴とするレーザ加工装置。
  2. 【請求項2】 前記加工対象物の構成材料が樹脂材料ま
    たは樹脂とガラス繊維の複合材料であり、前記照明手段
    により照射される光が近赤外光であり、前記撮像手段が
    近赤外域に感度を有することを特徴とする請求項1に記
    載のレーザ加工装置。
  3. 【請求項3】 中間層に位置決めマークが形成されこの
    位置決めマークの近傍の表面を覆う表面層を有する加工
    対象物に対するレーザ加工に適用され、 レーザ発振器と、このレーザ発振器からのレーザ光を加
    工対象物に導き照射する光学系と、加工対象物に設けた
    位置決めマークを照明する照明手段と、この照明手段で
    照明された位置決めマークを含む領域を撮像する撮像手
    段と、前記撮像手段の撮像データを用いて検出した位置
    決めマークの位置に基づき加工対象物と光学系との相対
    位置関係を補正する制御手段とを備えたレーザ加工装置
    において、 前記位置決めマークを覆う表面層を除去する除去手段を
    備え、 前記照明手段は前記加工対象物の構成材料を透過する波
    長の光を照射するとともに、前記撮像手段は前記照明装
    置で照射される光の波長に感度を有するようにし、 前記除去手段によって表面層を除去した加工対象物を前
    記照明手段によって照明し、該照明した加工対象物を前
    記撮像手段で撮像することを特徴とするレーザ加工装
    置。
  4. 【請求項4】 前記加工対象物の表面層が銅を含む金属
    であって中間層が樹脂材料または樹脂とガラス繊維の複
    合材料であり、前記照明手段により照射される光が近赤
    外光であり、前記撮像手段が近赤外域に感度を有するこ
    とを特徴とする請求項3に記載のレーザ加工装置。
  5. 【請求項5】 前記除去手段は、前記レーザ発振器から
    のレーザ光を用いて前記位置決めマークを覆う表面層を
    除去することを特徴とする請求項3または4に記載のレ
    ーザ加工装置。
  6. 【請求項6】 中間層に位置決めマークが形成されこの
    位置決めマークの近傍の表面を覆う表面層を有する加工
    対象物に対するレーザ加工に適用され、前記位置決めマ
    ークを含むように加工対象物を照明し、該照明した加工
    対象物を位置決めマークを含むように撮像し、該撮像デ
    ータを用いて検出した位置決めマークの位置に基づき加
    工対象物へのレーザ照射位置を補正するレーザ加工方法
    において、 前記加工対象物の表面層を除去する除去工程と、 前記加工対象物の中間層を透過する波長の光をもって前
    記加工対象物を照明する照明工程と、 前記照明光の波長に感度を有する撮像手段をもって前記
    位置決めマークを含むように加工対象物を撮像する撮像
    工程と、 この撮像データを用いて検出した位置決めマークの位置
    に基づき加工対象物へのレーザ照射位置を補正する補正
    工程と、 を備えることを特徴とするレーザ加工方法。
  7. 【請求項7】 前記加工対象物の表面層が銅を含む金属
    であって中間層が樹脂材料または樹脂とガラス繊維の複
    合材料であり、前記照明工程では、照明光を近赤外光と
    し、前記撮像工程では、近赤外域に感度を有する撮像手
    段を用いることを特徴とする請求項6に記載のレーザ加
    工方法。
  8. 【請求項8】 前記除去工程では、レーザ光を照射する
    ことにより位置決めマークを覆う表面層を除去すること
    を特徴とする請求項6または7に記載のレーザ加工方
    法。
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