JP2002361068A - 超臨界反応による分解生成物の分離・回収システム - Google Patents
超臨界反応による分解生成物の分離・回収システムInfo
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- JP2002361068A JP2002361068A JP2001168394A JP2001168394A JP2002361068A JP 2002361068 A JP2002361068 A JP 2002361068A JP 2001168394 A JP2001168394 A JP 2001168394A JP 2001168394 A JP2001168394 A JP 2001168394A JP 2002361068 A JP2002361068 A JP 2002361068A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/54—Improvements relating to the production of bulk chemicals using solvents, e.g. supercritical solvents or ionic liquids
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- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 超臨界流体中での燃料物質の酸化分解反応で
発生する分解生成物を、有害物質を環境に排出すること
なく分離・回収することができるシステムを提供する。 【解決手段】 本発明の分離・回収システムは、有機燃
料物質を超臨界状態の流体中で酸化剤により酸化分解す
る超臨界分解反応装置を有し、さらに、この反応装置で
生成された液状または固体の生成物を密閉系で回収する
固液回収装置と、前記反応装置で生成された気体生成物
を減圧してエンタルピーを回収するエンタルピー回収装
置、および前記気体生成物を分離し、該気体中の二酸化
炭素を密閉系において回収する気体分離回収装置のうち
で、少なくとも2つの装置を備えている。
発生する分解生成物を、有害物質を環境に排出すること
なく分離・回収することができるシステムを提供する。 【解決手段】 本発明の分離・回収システムは、有機燃
料物質を超臨界状態の流体中で酸化剤により酸化分解す
る超臨界分解反応装置を有し、さらに、この反応装置で
生成された液状または固体の生成物を密閉系で回収する
固液回収装置と、前記反応装置で生成された気体生成物
を減圧してエンタルピーを回収するエンタルピー回収装
置、および前記気体生成物を分離し、該気体中の二酸化
炭素を密閉系において回収する気体分離回収装置のうち
で、少なくとも2つの装置を備えている。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超臨界分解反応による
分解生成物の分離・回収システムに係わり、さらに詳し
くは、化石燃料や可燃性廃棄物などの有機燃料物質を、
超臨界流体反応技術を利用して酸化分解した後の物質
を、そのまま環境に排出することなく分離し回収するシ
ステムに関する。
分解生成物の分離・回収システムに係わり、さらに詳し
くは、化石燃料や可燃性廃棄物などの有機燃料物質を、
超臨界流体反応技術を利用して酸化分解した後の物質
を、そのまま環境に排出することなく分離し回収するシ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、石炭や石油などの化石燃料を燃
焼させて発生する熱エネルギーを利用する火力発電プラ
ントや、可燃性廃棄物を焼却炉で焼却する廃棄物焼却処
理プラントなどにおいては、環境汚染を防止するための
対策として、燃料や廃棄物の燃焼に伴って発生する排ガ
ス中に含まれる物質(硫黄酸化物SOx、窒素酸化物N
Ox、煤塵など)を除去するための設備が付設されてい
る。
焼させて発生する熱エネルギーを利用する火力発電プラ
ントや、可燃性廃棄物を焼却炉で焼却する廃棄物焼却処
理プラントなどにおいては、環境汚染を防止するための
対策として、燃料や廃棄物の燃焼に伴って発生する排ガ
ス中に含まれる物質(硫黄酸化物SOx、窒素酸化物N
Ox、煤塵など)を除去するための設備が付設されてい
る。
【0003】図2は、このような排ガス処理システムの
一例を概略的に示したものであり、ボイラまたは焼却炉
201で発生した排ガスは、窒素酸化物を除去するため
の脱硝装置202、煤塵を除去するための集塵器20
3、硫黄酸化物を除去するための空気予熱器204と脱
硫装置205を順に経て、排気塔206から排出される
ようになっている。
一例を概略的に示したものであり、ボイラまたは焼却炉
201で発生した排ガスは、窒素酸化物を除去するため
の脱硝装置202、煤塵を除去するための集塵器20
3、硫黄酸化物を除去するための空気予熱器204と脱
硫装置205を順に経て、排気塔206から排出される
ようになっている。
【0004】しかしながら、このような排ガス処理シス
テムにおいては、建設に要する費用が高い、消費エネル
ギーが大きい(例えば火力発電プラントの場合、自ら生
産する電力の7〜8%に相当するエネルギーを消費す
る)、燃料が低品位になると必ずしも十分な処理効果を
期待できないなどの問題があった。
テムにおいては、建設に要する費用が高い、消費エネル
ギーが大きい(例えば火力発電プラントの場合、自ら生
産する電力の7〜8%に相当するエネルギーを消費す
る)、燃料が低品位になると必ずしも十分な処理効果を
期待できないなどの問題があった。
【0005】このような中で、近年、超臨界状態の水中
で燃料を燃焼(酸化分解)する、あるいは有機物を酸化
分解する技術が考案され、環境負荷の少ない発電システ
ムあるいは廃棄物処理システムを実現するものとして期
待されている。
で燃料を燃焼(酸化分解)する、あるいは有機物を酸化
分解する技術が考案され、環境負荷の少ない発電システ
ムあるいは廃棄物処理システムを実現するものとして期
待されている。
【0006】図3は、このような超臨界水を利用した酸
化分解処理システムの構成の一例を概略的に示したもの
である。
化分解処理システムの構成の一例を概略的に示したもの
である。
【0007】この処理システムでは、超臨界反応装置3
01に、反応溶媒である水とともに、石炭などの燃料物
質を、燃料供給系302より供給する。また、酸化剤
(例えば、酸素ガス)を酸化剤供給系303より供給
し、外部から熱エネルギーを加えて反応装置301内の
水を超臨界状態として、燃料物質を燃焼(酸化分解)さ
せる。
01に、反応溶媒である水とともに、石炭などの燃料物
質を、燃料供給系302より供給する。また、酸化剤
(例えば、酸素ガス)を酸化剤供給系303より供給
し、外部から熱エネルギーを加えて反応装置301内の
水を超臨界状態として、燃料物質を燃焼(酸化分解)さ
せる。
【0008】このような超臨界水中での反応(酸化分
解)により、燃料物質中の有機物は二酸化炭素と水に、
無機物は酸化物になる。燃料物質中にハロゲン類が含ま
れている場合には、ハロゲン化合物として反応装置30
1内に残留する。酸化分解反応が終了した後、反応装置
301内に残留する液状または固体の副生成物を、残渣
回収貯留装置304に導く。そして、圧力調整弁305
により圧力を調整した後、スラリー状の残渣を残渣排出
弁306を介して系外に排出する。なお、液状または固
体の副生成物は、硫黄酸化物(SOx)と重金属等の無
機物が含まれた水溶液である。
解)により、燃料物質中の有機物は二酸化炭素と水に、
無機物は酸化物になる。燃料物質中にハロゲン類が含ま
れている場合には、ハロゲン化合物として反応装置30
1内に残留する。酸化分解反応が終了した後、反応装置
301内に残留する液状または固体の副生成物を、残渣
回収貯留装置304に導く。そして、圧力調整弁305
により圧力を調整した後、スラリー状の残渣を残渣排出
弁306を介して系外に排出する。なお、液状または固
体の副生成物は、硫黄酸化物(SOx)と重金属等の無
機物が含まれた水溶液である。
【0009】一方、分解反応による気体生成物は、反応
装置301内において高温・高圧の気体となっているの
で、これを止め弁307により減圧した後、排出ガス凝
縮分離装置308に送る。ここで、水蒸気のような凝縮
性の気体は、凝縮水回収(ドレン)系309に導かれて
回収または排出される。また、非凝縮性の気体は排気塔
310に送られ、大気中に排出される。
装置301内において高温・高圧の気体となっているの
で、これを止め弁307により減圧した後、排出ガス凝
縮分離装置308に送る。ここで、水蒸気のような凝縮
性の気体は、凝縮水回収(ドレン)系309に導かれて
回収または排出される。また、非凝縮性の気体は排気塔
310に送られ、大気中に排出される。
【0010】超臨界水中での燃焼(酸化分解)は、反応
が均一相で行われ、反応温度が低いため、窒素の酸化に
よるNOxは発生しない。したがって、非凝縮性の気体
は、二酸化炭素が主成分であり、これに酸化分解反応に
おいて余剰となった酸素や、燃料物質に予め含有されて
いた窒素などが含まれる。
が均一相で行われ、反応温度が低いため、窒素の酸化に
よるNOxは発生しない。したがって、非凝縮性の気体
は、二酸化炭素が主成分であり、これに酸化分解反応に
おいて余剰となった酸素や、燃料物質に予め含有されて
いた窒素などが含まれる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】最近、超臨界水中での
燃焼(酸化分解)処理技術は、低品位の石炭、重質油な
どの化石燃料の燃焼処理、可燃性廃棄物の燃焼処理およ
び有害物質無害化処理において、環境への有害物質の放
出が少ない燃焼方式として用いられているが、さらに、
このような超臨界反応による分解生成物を、環境に直接
排出することなく回収・処理するためのシステムの開発
も望まれている。
燃焼(酸化分解)処理技術は、低品位の石炭、重質油な
どの化石燃料の燃焼処理、可燃性廃棄物の燃焼処理およ
び有害物質無害化処理において、環境への有害物質の放
出が少ない燃焼方式として用いられているが、さらに、
このような超臨界反応による分解生成物を、環境に直接
排出することなく回収・処理するためのシステムの開発
も望まれている。
【0012】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、超臨界流体中での燃料物質の酸化分解反
応で発生する分解生成物を、有害物質を環境に排出する
ことなく、分離し回収することができるシステムを提供
することを目的とする。
たものであり、超臨界流体中での燃料物質の酸化分解反
応で発生する分解生成物を、有害物質を環境に排出する
ことなく、分離し回収することができるシステムを提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の超臨界反応による分解生成物の分離・回収
システムは、請求項1に記載するように、有機燃料物質
を超臨界状態の流体中で酸化剤により酸化分解する超臨
界分解反応装置と、この反応装置で生成された液状また
は固体の生成物を、密閉系において回収する固液回収装
置と、この固液回収装置で回収された液状または固体の
生成物を、密閉系において分離し回収する残渣分離回収
装置とを備えたことを特徴としている。
め、本発明の超臨界反応による分解生成物の分離・回収
システムは、請求項1に記載するように、有機燃料物質
を超臨界状態の流体中で酸化剤により酸化分解する超臨
界分解反応装置と、この反応装置で生成された液状また
は固体の生成物を、密閉系において回収する固液回収装
置と、この固液回収装置で回収された液状または固体の
生成物を、密閉系において分離し回収する残渣分離回収
装置とを備えたことを特徴としている。
【0014】また、本発明の超臨界反応による分解生成
物の分離・回収システムは、請求項2に記載するよう
に、有機燃料物質を超臨界状態の流体中で酸化剤により
酸化分解する超臨界分解反応装置と、この反応装置で生
成された気体生成物を減圧してエンタルピーを回収する
エンタルピー回収装置とを備えたことを特徴としてい
る。
物の分離・回収システムは、請求項2に記載するよう
に、有機燃料物質を超臨界状態の流体中で酸化剤により
酸化分解する超臨界分解反応装置と、この反応装置で生
成された気体生成物を減圧してエンタルピーを回収する
エンタルピー回収装置とを備えたことを特徴としてい
る。
【0015】さらに、請求項3に記載するように、有機
燃料物質を超臨界状態の流体中で酸化剤により酸化分解
する超臨界分解反応装置と、この反応装置で生成された
気体生成物を分離し、該気体中の二酸化炭素を密閉系に
おいて回収する気体分離回収装置とを備えたことを特徴
としている。
燃料物質を超臨界状態の流体中で酸化剤により酸化分解
する超臨界分解反応装置と、この反応装置で生成された
気体生成物を分離し、該気体中の二酸化炭素を密閉系に
おいて回収する気体分離回収装置とを備えたことを特徴
としている。
【0016】またさらに、請求項4に記載するように、
有機燃料物質を超臨界状態の流体中で酸化剤により酸化
分解する超臨界分解反応装置を有し、さらに、前記反応
装置で生成された液状または固体の生成物を、密閉系に
おいて回収する固液回収装置と、前記反応装置で生成さ
れた気体生成物を減圧してエンタルピーを回収するエン
タルピー回収装置、および前記気体生成物を分離し、該
気体中の二酸化炭素を密閉系において回収する気体分離
回収装置のうちで、少なくとも2つの装置を備えている
ことを特徴としている。
有機燃料物質を超臨界状態の流体中で酸化剤により酸化
分解する超臨界分解反応装置を有し、さらに、前記反応
装置で生成された液状または固体の生成物を、密閉系に
おいて回収する固液回収装置と、前記反応装置で生成さ
れた気体生成物を減圧してエンタルピーを回収するエン
タルピー回収装置、および前記気体生成物を分離し、該
気体中の二酸化炭素を密閉系において回収する気体分離
回収装置のうちで、少なくとも2つの装置を備えている
ことを特徴としている。
【0017】このような超臨界反応による分解生成物の
分離・回収システムにおいて、請求項5に記載するよう
に、前記超臨界分解反応装置は、前記燃料物質を超臨界
状態の水中で酸化分解する装置であることができる。ま
た、請求項6に記載するように、前記残渣分離回収装置
は、前記固液回収装置で回収された液状または固体の生
成物を比重差を利用して分離し回収する装置であること
ができる。
分離・回収システムにおいて、請求項5に記載するよう
に、前記超臨界分解反応装置は、前記燃料物質を超臨界
状態の水中で酸化分解する装置であることができる。ま
た、請求項6に記載するように、前記残渣分離回収装置
は、前記固液回収装置で回収された液状または固体の生
成物を比重差を利用して分離し回収する装置であること
ができる。
【0018】さらに、請求項7に記載するように、前記
気体分離回収装置は、前記気体成分を膜分離法を用いて
分離する機構を有することができる。さらに、請求項8
に記載するように、前記超臨界分解反応装置において、
前記酸化剤として純酸素を使用することができる。
気体分離回収装置は、前記気体成分を膜分離法を用いて
分離する機構を有することができる。さらに、請求項8
に記載するように、前記超臨界分解反応装置において、
前記酸化剤として純酸素を使用することができる。
【0019】本発明の超臨界反応による分解生成物の分
離・回収システムによれば、超臨界流体中での燃焼(酸
化分解)により生ずる分解生成物を、有害物質を環境に
放出することなく分離して回収することができる。さら
に、従来は廃棄処理されていた副生成物を精製・分離す
ることにより、有用資源として再利用することができ
る。特に、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の大気へ
の拡散を防止し、資源としての有効利用を図ることがで
きる。
離・回収システムによれば、超臨界流体中での燃焼(酸
化分解)により生ずる分解生成物を、有害物質を環境に
放出することなく分離して回収することができる。さら
に、従来は廃棄処理されていた副生成物を精製・分離す
ることにより、有用資源として再利用することができ
る。特に、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の大気へ
の拡散を防止し、資源としての有効利用を図ることがで
きる。
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、本発明は、下記の実施の形
態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範
囲内で適宜変形して実施し得る。
に基づいて説明する。なお、本発明は、下記の実施の形
態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範
囲内で適宜変形して実施し得る。
【0020】図1は、本発明に係わる超臨界反応分解生
成物の分離・回収システムの実施例の概要を系統的に示
す図である。
成物の分離・回収システムの実施例の概要を系統的に示
す図である。
【0021】実施例の分離・回収システムは、図に示す
ように、臨界温度および臨界圧力を越えた状態(超臨界
状態)の流体(例えば水)中で有機燃料物質を酸化剤に
より酸化分解する超臨界分解反応装置1と、この反応装
置1に燃料物質を供給する燃料供給系2と、反応装置1
に酸化分解反応に必要な酸化剤を供給する酸化剤供給系
3と、反応装置1内の気体以外(液状または固体)の生
成物を密閉系において回収する固液回収貯留装置4と、
この固液回収貯留装置4で回収された液状または固体の
生成物を、密閉系で分離し回収する残渣分離回収装置5
と、反応装置1内に生成された高温・高圧の気体を減圧
しそのエンタルピーを回収するエンタルピー回収減圧装
置6と、減圧されエンタルピーが回収された気体中の凝
縮性の気体(例えば水蒸気)を凝縮して分離するガス凝
縮分離装置7と、このガス凝縮分離装置7により凝縮さ
れた水を回収する凝縮水回収(ドレン)系8と、非凝縮
性の気体を成分ごとに分離する混合ガス分離装置9と、
この分離装置9により分離された気体のうちで、二酸化
炭素を回収するCO2回収系10、および残りの気体成
分である窒素ガスと酸素ガスを分離して大気中に排出す
るN2ガスおよびO2ガス分離排出系11とを備えてい
る。
ように、臨界温度および臨界圧力を越えた状態(超臨界
状態)の流体(例えば水)中で有機燃料物質を酸化剤に
より酸化分解する超臨界分解反応装置1と、この反応装
置1に燃料物質を供給する燃料供給系2と、反応装置1
に酸化分解反応に必要な酸化剤を供給する酸化剤供給系
3と、反応装置1内の気体以外(液状または固体)の生
成物を密閉系において回収する固液回収貯留装置4と、
この固液回収貯留装置4で回収された液状または固体の
生成物を、密閉系で分離し回収する残渣分離回収装置5
と、反応装置1内に生成された高温・高圧の気体を減圧
しそのエンタルピーを回収するエンタルピー回収減圧装
置6と、減圧されエンタルピーが回収された気体中の凝
縮性の気体(例えば水蒸気)を凝縮して分離するガス凝
縮分離装置7と、このガス凝縮分離装置7により凝縮さ
れた水を回収する凝縮水回収(ドレン)系8と、非凝縮
性の気体を成分ごとに分離する混合ガス分離装置9と、
この分離装置9により分離された気体のうちで、二酸化
炭素を回収するCO2回収系10、および残りの気体成
分である窒素ガスと酸素ガスを分離して大気中に排出す
るN2ガスおよびO2ガス分離排出系11とを備えてい
る。
【0022】なお、図中符号12は圧力調整弁、13は
止め弁、14は残渣排出弁、15は回収残渣移送ポンプ
をそれぞれ示している。
止め弁、14は残渣排出弁、15は回収残渣移送ポンプ
をそれぞれ示している。
【0023】このような実施例の分離・回収システムに
おいては、超臨界分解反応装置1に、反応溶媒である水
を収容し、さらに有機燃料物質を燃料供給系2より、酸
化剤を酸化剤供給系3よりそれぞれ供給する。そして、
外部から熱エネルギーを加え、反応装置1内を400〜
700℃、22〜50MPa、好ましくは550〜65
0℃、22〜30MPaに保つことにより、反応装置1
内の水を超臨界状態とし、この超臨界状態の水中で有機
燃料物質を燃焼(酸化分解)させる。
おいては、超臨界分解反応装置1に、反応溶媒である水
を収容し、さらに有機燃料物質を燃料供給系2より、酸
化剤を酸化剤供給系3よりそれぞれ供給する。そして、
外部から熱エネルギーを加え、反応装置1内を400〜
700℃、22〜50MPa、好ましくは550〜65
0℃、22〜30MPaに保つことにより、反応装置1
内の水を超臨界状態とし、この超臨界状態の水中で有機
燃料物質を燃焼(酸化分解)させる。
【0024】このような水の臨界温度(約374℃)、
臨界圧力(約22MPa)を越えた条件下での酸化反応
により、燃料物質中の有機物は二酸化炭素と水になり、
無機物は酸化物になる。ここで、有機燃料物質として
は、例えば石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料の他、
可燃性廃棄物などが用いられる。また酸化剤としては、
純酸素ガス、液化酸素、空気、酸素富化空気、過酸化水
素などを用いることができる。
臨界圧力(約22MPa)を越えた条件下での酸化反応
により、燃料物質中の有機物は二酸化炭素と水になり、
無機物は酸化物になる。ここで、有機燃料物質として
は、例えば石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料の他、
可燃性廃棄物などが用いられる。また酸化剤としては、
純酸素ガス、液化酸素、空気、酸素富化空気、過酸化水
素などを用いることができる。
【0025】このような酸化分解反応が終了した後、超
臨界分解反応装置1内に残留する気体以外の生成物、す
なわち液状または固体の副生成物を、密閉式の固液回収
貯留装置4に導く。なお、液状または固体の副生成物と
しては、硫黄酸化物(SOx)および重金属等の無機物
が含まれた水溶液などがある。
臨界分解反応装置1内に残留する気体以外の生成物、す
なわち液状または固体の副生成物を、密閉式の固液回収
貯留装置4に導く。なお、液状または固体の副生成物と
しては、硫黄酸化物(SOx)および重金属等の無機物
が含まれた水溶液などがある。
【0026】この固液回収貯留装置4で回収された液状
または固体の副生成物のうちで、スラリー状の残渣を、
中和により無機塩の形態にした後、残渣排出弁14を介
して排出し、回収残渣移送ポンプ15により、残渣分離
回収装置5に送る。そして、残渣分離回収装置5では、
残渣の性状、比重の差等を利用し、重力・ろ過・乾燥の
固液分離技術を用いて分離・回収する。
または固体の副生成物のうちで、スラリー状の残渣を、
中和により無機塩の形態にした後、残渣排出弁14を介
して排出し、回収残渣移送ポンプ15により、残渣分離
回収装置5に送る。そして、残渣分離回収装置5では、
残渣の性状、比重の差等を利用し、重力・ろ過・乾燥の
固液分離技術を用いて分離・回収する。
【0027】また、固液回収貯留装置4で回収された上
相の成分は、圧力調整弁12により圧力を調整された
後、エンタルピー回収減圧装置6からの気体成分ととも
に、ガス凝縮分離装置7に送られる。
相の成分は、圧力調整弁12により圧力を調整された
後、エンタルピー回収減圧装置6からの気体成分ととも
に、ガス凝縮分離装置7に送られる。
【0028】一方、超臨界分解反応装置1での分解反応
による気体の生成物は、反応装置1内において高温・高
圧の気体となっているので、止め弁13を開いて反応装
置1外に排出した後、エンタルピー回収減圧装置6によ
り、高温・高圧の気体の有する高いエンタルピーを回収
する。そして、このエンタルピー回収減圧装置6により
減圧された気体を、ガス凝縮分離装置7に送り、水蒸気
のような凝縮性の気体を凝縮して回収する。
による気体の生成物は、反応装置1内において高温・高
圧の気体となっているので、止め弁13を開いて反応装
置1外に排出した後、エンタルピー回収減圧装置6によ
り、高温・高圧の気体の有する高いエンタルピーを回収
する。そして、このエンタルピー回収減圧装置6により
減圧された気体を、ガス凝縮分離装置7に送り、水蒸気
のような凝縮性の気体を凝縮して回収する。
【0029】ガス凝縮分離装置7により凝縮された水
は、凝縮水回収系8に導かれて循環・再利用され、非凝
縮性の気体は、混合ガス分離装置9に送られる。非凝縮
性の気体は、二酸化炭素を主成分とするが、酸化分解反
応において余剰となった酸素ガスや、被分解物質である
燃料物質に予め含有されていた窒素ガスなどが含まれて
いる。これらの混合気体を、混合ガス分離装置9により
気体分子分離膜などを利用して、成分ごとに分離する。
そして、二酸化炭素は、CO2回収系10により例えば
液化して分離・回収され、再利用される。また、窒素お
よび酸素は、N2ガスおよびO2ガス分離排出系11によ
りそれぞれ排出処理される。
は、凝縮水回収系8に導かれて循環・再利用され、非凝
縮性の気体は、混合ガス分離装置9に送られる。非凝縮
性の気体は、二酸化炭素を主成分とするが、酸化分解反
応において余剰となった酸素ガスや、被分解物質である
燃料物質に予め含有されていた窒素ガスなどが含まれて
いる。これらの混合気体を、混合ガス分離装置9により
気体分子分離膜などを利用して、成分ごとに分離する。
そして、二酸化炭素は、CO2回収系10により例えば
液化して分離・回収され、再利用される。また、窒素お
よび酸素は、N2ガスおよびO2ガス分離排出系11によ
りそれぞれ排出処理される。
【0030】このように、実施例のシステムにおいて
は、低品位の石炭や重質油などの化石燃料、可燃性廃棄
物などの燃料物質を、超臨界水中で燃焼(酸化分解)す
ることにより、環境へ有害物質を排出することなく燃焼
処理することができ、しかもこのような超臨界水中での
酸化分解により生ずる分解生成物を、有害物質を環境に
放出することなく分離して回収することができる。特
に、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の大気中への拡
散を防止することができ、さらに、従来は廃棄処理され
ていた副生成物を精製・分離することにより、有用資源
として再利用することができる。
は、低品位の石炭や重質油などの化石燃料、可燃性廃棄
物などの燃料物質を、超臨界水中で燃焼(酸化分解)す
ることにより、環境へ有害物質を排出することなく燃焼
処理することができ、しかもこのような超臨界水中での
酸化分解により生ずる分解生成物を、有害物質を環境に
放出することなく分離して回収することができる。特
に、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の大気中への拡
散を防止することができ、さらに、従来は廃棄処理され
ていた副生成物を精製・分離することにより、有用資源
として再利用することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の分離・回
収システムによれば、超臨界流体中での酸化分解反応で
発生する分解生成物を、環境に有害物質を排出すること
なく分離・回収することができ、さらに有用物質の再利
用を図ることができる。
収システムによれば、超臨界流体中での酸化分解反応で
発生する分解生成物を、環境に有害物質を排出すること
なく分離・回収することができ、さらに有用物質の再利
用を図ることができる。
【図1】本発明に係わる超臨界反応分解生成物の分離・
回収システムの一実施例の概要を示すブロック図。
回収システムの一実施例の概要を示すブロック図。
【図2】従来の超臨界反応分解生成物の分離・回収シス
テムの一例を説明するためブロック図。
テムの一例を説明するためブロック図。
【図3】従来の排ガス処理システムの一例を説明するた
めブロック図。
めブロック図。
1………超臨界分解反応装置、2………燃料供給系、3
………酸化剤供給系、4………残渣回収貯留装置、5…
……残渣分離回収装置、6………エンタルピー回収減圧
装置、7………ガス凝縮分離装置、8………凝縮水回収
系、9………混合ガス分離装置、10………CO2回収
系、11………N2ガス、O2ガス分離排出系、12……
…圧力調整弁、15………回収残渣移送ポンプ
………酸化剤供給系、4………残渣回収貯留装置、5…
……残渣分離回収装置、6………エンタルピー回収減圧
装置、7………ガス凝縮分離装置、8………凝縮水回収
系、9………混合ガス分離装置、10………CO2回収
系、11………N2ガス、O2ガス分離排出系、12……
…圧力調整弁、15………回収残渣移送ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K065 TA01 TA02 TA06 TB07 TD04 TD07 TD08 TE06 TF04 TF08 TL07 4D006 GA41 PB19 PB64 4H013 AA06
Claims (8)
- 【請求項1】 有機燃料物質を超臨界状態の流体中で酸
化剤により酸化分解する超臨界分解反応装置と、 この反応装置で生成された液状または固体の生成物を、
密閉系において回収する固液回収装置と、 前記固液回収装置で回収された液状または固体の生成物
を、密閉系において分離し回収する残渣分離回収装置と
を備えたことを特徴とする超臨界反応による分解生成物
の分離・回収システム。 - 【請求項2】 有機燃料物質を超臨界状態の流体中で酸
化剤により酸化分解する超臨界分解反応装置と、 この反応装置で生成された気体生成物を減圧してエンタ
ルピーを回収するエンタルピー回収装置とを備えたこと
を特徴とする超臨界反応による分解生成物の分離・回収
システム。 - 【請求項3】 有機燃料物質を超臨界状態の流体中で酸
化剤により酸化分解する超臨界分解反応装置と、 この反応装置で生成された気体生成物を分離し、該気体
中の二酸化炭素を密閉系において回収する気体分離回収
装置とを備えたことを特徴とする超臨界反応による分解
生成物の分離・回収システム。 - 【請求項4】 有機燃料物質を超臨界状態の流体中で酸
化剤により酸化分解する超臨界分解反応装置を有し、さ
らに、 前記反応装置で生成された液状または固体の生成物を、
密閉系において回収する固液回収装置と、前記反応装置
で生成された気体生成物を減圧してエンタルピーを回収
するエンタルピー回収装置、および前記気体生成物を分
離し、該気体中の二酸化炭素を密閉系において回収する
気体分離回収装置のうちで、少なくとも2つの装置を備
えていることを特徴とする超臨界反応による分解生成物
の分離・回収システム。 - 【請求項5】 前記超臨界分解反応装置が、前記燃料物
質を超臨界状態の水中で酸化分解する装置であることを
特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の超臨界
反応による分解生成物の分離・回収システム。 - 【請求項6】 前記残渣分離回収装置が、前記固液回収
装置で回収された液状または固体の生成物を比重差を利
用して分離し回収する装置であることを特徴とする請求
項1記載の超臨界反応による分解生成物の分離・回収シ
ステム。 - 【請求項7】 前記気体分離回収装置が、気体成分を膜
分離法を用いて分離する機構を有することを特徴とする
請求項3記載の超臨界反応による分解生成物の分離・回
収システム。 - 【請求項8】 前記超臨界分解反応装置において、前記
酸化剤として純酸素が使用されることを特徴とする請求
項1乃至5のいずれか1項記載の超臨界反応による分解
生成物の分離・回収システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001168394A JP2002361068A (ja) | 2001-06-04 | 2001-06-04 | 超臨界反応による分解生成物の分離・回収システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001168394A JP2002361068A (ja) | 2001-06-04 | 2001-06-04 | 超臨界反応による分解生成物の分離・回収システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002361068A true JP2002361068A (ja) | 2002-12-17 |
Family
ID=19010628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001168394A Withdrawn JP2002361068A (ja) | 2001-06-04 | 2001-06-04 | 超臨界反応による分解生成物の分離・回収システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002361068A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009015409A1 (en) * | 2007-07-27 | 2009-02-05 | Ignite Energy Resources Pty Ltd | Process and apparatus for converting organic matter into a product |
US7591983B2 (en) | 2003-08-05 | 2009-09-22 | Hitachi, Ltd. | Heavy oil treating method and heavy oil treating system |
-
2001
- 2001-06-04 JP JP2001168394A patent/JP2002361068A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7591983B2 (en) | 2003-08-05 | 2009-09-22 | Hitachi, Ltd. | Heavy oil treating method and heavy oil treating system |
WO2009015409A1 (en) * | 2007-07-27 | 2009-02-05 | Ignite Energy Resources Pty Ltd | Process and apparatus for converting organic matter into a product |
US8579996B2 (en) | 2007-07-27 | 2013-11-12 | Ignite Energy Resources Pty Ltd | Process and apparatus for converting organic matter into a product |
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