JP3831779B2 - 超臨界水中燃焼発電方法および超臨界水中燃焼発電システム - Google Patents

超臨界水中燃焼発電方法および超臨界水中燃焼発電システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低品位石炭等これまで火力発電用燃料として殆ど利用されていなかった有機物を燃料として超臨界領域又は臨界点付近の高温・高圧下の水中で燃焼させことにより有害物質を排出しない環境に対してクリーンな超臨界水中燃焼発電方法およびそのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来の石炭火力発電所のシステムを示すフロー図の一例である。石炭41をボイラ42で燃焼させて熱エネルギーを蒸気で回収してタービン43で発電機44を駆動させることにより発電を行っている。その際に、ボイラー42で発生した排ガスは排煙脱硝装置45、電気集塵装置46、排煙脱硫装置47を通して、NOx、SOx、煤塵濃度を大気放出濃度の基準値以下にした後に煙突48から排煙49を大気に放出する。前記ボイラ42から排出される石炭灰50は、石炭灰貯蔵槽51に一旦貯蔵された後に管理型処分場に分類される灰捨場52に処分する。また、前記タービン43から排出される蒸気は復水器53で水になり、ポンプ54で前記ボイラ42に戻される。
【0003】
しかしながら、現在の方法では排ガス処理装置の有害物質の除去性能から、燃料は硫黄分や窒素分の少ない高品質なものに限られ、また、石炭灰は微粉であり、処分場への輸送や管理で粉塵の飛散防止策を講じなければならなかった。
【0004】
一方、特開平10−132201号公報には水の臨界点を超えた条件下で石炭、石油、天然ガスなどの有機燃料物質を酸化させることにより、排ガス処理の負担の少ない、また炭酸ガスを放出しない発電システムが開示されている。図7は、この公報に開示された従来の超臨界水中酸化による直接発電システムの一例を示すフロー図であり、図8は間接発電システムの一例を示すフロー図である。
【0005】
図7の直接発電システムでは、空気61を高圧空気圧縮機62で加圧して給水加熱器63で加熱した給水に注入し、ポンプ64,65で加圧した有機物燃料物質66とアルカリ溶液67と共に超臨界水酸化反応装置68に供給して前記有機燃料物質を酸化して燃焼させる。
【0006】
石炭灰やイオン成分は、給水の一部を前記超臨界水酸化装置68に流通させて廃液69と共に除去する。前記超臨界水酸化反応装置68中の流体を直接タービン70に供給して発電機71を駆動させて発電を行う。前記タービン70を出た流体は、70気圧以上に維持された液化二酸化炭素分離塔72で比重差により液体の2層に分かれた液化二酸化炭素73と水、および液化しない窒素、酸素等の未燃焼ガスに分離する。前記液化二酸化炭素73は、回収され、水は減圧弁74を通過した後に復水処理装置75で脱塩と不純物固形分の除去を行い、ポンプ76により前記超臨界水酸化反応装置68に戻して再利用される。前記未燃焼ガスは、排ガスタービン77に供給されて発電機78で発電を行い、排ガス79を系外に放出する。
【0007】
次に、図8の間接発電システムについて説明する。なお、前述した図7と同様な部材は同符号を付す。
【0008】
このシステムでは、空気の圧縮に大きな動力が必要であるため超臨界水酸化反応装置68から発生する高温・高圧の流体をタービン80に供給して発電機81を駆動させて発電を行う。前記タービン80に直結した空気圧縮用タービン82を駆動させて空気61を圧縮して給水加熱器63で加熱した給水を、ポンプ64,65で加圧した有機物燃料物質66およびアルカリ溶液67と共に超臨界水酸化反応装置68に供給して、有機燃料物質を酸化して燃焼させる。
【0009】
石炭灰やイオン成分は、給水の一部を前記超臨界水酸化装置68に流通させて廃液69と共に除去する。前記各タービン80,82で空気の圧縮と熱交換を行った流体は、熱交換器83に供給された後、70気圧以上に維持された液化二酸化炭素分離塔72で比重差により液体の2層に分かれた液化二酸化炭素73と水、および液化しない窒素、酸素等の未燃焼ガスに分離する。前記液化二酸化炭素73は回収され、水は減圧弁74を通過した後に復水処理装置75で脱塩と不純物固形分の除去を行い、ポンプ76により前記超臨界水酸化反応装置68に戻して再利用される。前記未燃焼ガスは、排ガスタービン77に供給されて発電機78で発電を行い、排ガス79を系外に放出する。
【0010】
前記熱交換器83で発生した蒸気は、タービン70に供給され発電機71を駆動させて発電を行い、復水器84を通過してポンプ85で前記熱交換器83に戻して再利用される。
【0011】
なお、間接発電では前記空気圧縮用タービン82に直結した高温・高圧タービン80による発電を行わず超臨界水酸化反応装置68から発生する流体を直接熱交換器83に供給することも可能である。この場合には、前述した図7で行ったように空気61を高圧空気圧縮機62で加圧し、その空気を給水中に注入する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の燃焼方法では燃料中の硫黄分からSOxが、燃料中の窒素分と空気中の窒素分からNOxが、燃料中の灰分から煤塵が発生し、排ガス中のこれらの濃度を基準値以下に下げるため、燃料は硫黄分や窒素分の少ない高品位なものに限定される。また、NOx、SOxの除去装置、集塵装置の設置が必要であり、灰が飛散しやすいために輸送処分時にカバーや散水設備等が必要である。さらに、二酸化炭素の排出量を減らすために二酸化炭素を回収しなければならないが、大量の排ガス中から二酸化炭素を分離することは経済的に困難であるという課題があった。
【0013】
一方、超臨界水中での直接発電システムでは、二酸化炭素や窒素等の非凝縮性ガスを含む流体を蒸気タービンに導き直接発電を行っている。しかしながら、蒸気タービンは凝縮性ガスである蒸気を対象とするもので、非凝縮性ガスを含む流体では圧力損失が大きく、効率の著しい低下を招く。
【0014】
また、超臨界水中での直接発電システムでは無機物、灰分、不燃物、腐食性の硫酸や硝酸イオンを含む流体を直接タービンに導入するため、タービン翼の損傷が著しく設備の稼働率が低いという課題があった。
【0015】
さらに、炭酸ガスの分離ではタービン通過後の流体の圧力を70気圧以上に保たなければならないため、タービンの効率を低下させることになる。その上、水と液化炭酸ガス混合物製造工程とこれら液体2相を分離する工程の2つの工程が必要であった。
【0016】
超臨界水中での酸化により発生した高温・高圧の流体を熱交換して得られた蒸気により発電する間接発電システムでは、超臨界水酸化装置(燃焼器)で発生した流体を熱交換器に通して蒸気を発生させ蒸気タービンで発電を行うため、高温・高圧の流体に曝される2つの大型機器が必要である。その結果、前述した直接発電に比べて設備が大型化する欠点があった。
【0017】
また、間接発電システムでは酸化剤の空気を燃焼器に注入するために空気圧縮タービンで増圧する。このため、発電した電気エネルギーのかなりの量を消費する。圧縮エネルギーの消費を減らすために酸素を酸化剤に変えた場合でも、空気から酸素を製造するエネルギーと圧縮のエネルギー消費が大きいために送電できる電気エネルギーが小さくなるという欠点があった。この改善手段として、燃焼器で生成した流体をタ−ビンに導いて発電する際にタービンに同軸の空気圧縮用タービンを設置して圧縮器の動力を減らす対策がとられているが、この方法では空気圧縮機の作動のためにタービンで得られる電気エネルギーが小さくなるという欠点もあった。
【0018】
さらに、超臨界水酸化装置(燃焼器)で酸化反応を起こさせるためには給水を予め給水加熱器で加熱する必要がある。その結果、エネルギーを消費して送電できる電気エネルギーが小さくなるという欠点があった。
【0019】
本発明は、従来より環境および設備の経済的な観点から燃料として利用できなかった硫黄分、窒素分、水分等の含有率が高い低品位炭、低品位重質油、バイオマス、および下水汚泥などの有機物でも燃料として利用でき、かつこの燃料を超臨界近傍の水中で燃焼させることにより排ガス処理装置が不要で灰の取り扱いも容易になり、炭酸ガスを容易に回収してその排出量を低減でき、重金属等の有害物質が安定化でき、さらにエネルギー効率の高いクリーンな超臨界水中燃焼発電方法およびそのシステムを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる超臨界水中燃焼発電方法は、熱交換器一体型燃焼器に有機物を含む流動性燃料と酸化剤ガスとアルカリ溶液を連続的に供給し、この燃焼器において超臨界近傍の温度・圧力条件に保持された水中で前記有機物を燃焼させる工程と、
前記燃焼器から流出された流体中の固形分を分離除去する工程と、
固形分が分離除去された流体を熱交換器に供給して前記燃焼器に供給される流体と熱交換する工程と、
圧力動力回収装置で前記熱交換器から流出された流体の圧力を利用して空気の圧縮機を機械的に駆動する圧力動力を回収する工程と、
前記圧力動力回収装置から流出された流体を水・二酸化炭素分離器に導入し、ここで液体の水と気体の二酸化炭素および未燃焼ガスを分離する工程と、
分離された二酸化炭素を液化装置で液体二酸化炭素として回収し、未燃焼ガスを分離する工程と、
前記燃焼器で発生した熱を利用してこの燃焼器と一体型の熱交換器で蒸気を発生させ、蒸気タービンで発電を行う工程と
を具備したことを特徴とするものである。
【0021】
このような本発明に係わる超臨界水中燃焼発電方法では、次のような作用効果を奏する。
【0022】
(1)硫黄分、窒素分、水分等の含有率の高い石炭、重質油等の低品位の有機物を燃料として利用できる。
【0023】
(2)超臨界水中で燃焼させることにより排ガス中のNOx、SOx、煤塵の濃度を低く抑えることができるため、排ガスをそのまま大気放出することが可能となる。その結果、排ガス処理設備を削除することができる。
【0024】
(3)燃焼灰がスラリーで得られるため取り扱いも容易となり、重金属等の有害物質も無機物となって灰中に安定化されて無害化することができる。
【0025】
(4)燃焼後の流体の圧力を下げるだけで容易に高純度の二酸化炭素を回収することができる。その結果、二酸化炭素の排出量削減効果が高いクリーンな発電を行うことができる。また、回収した二酸化炭素を炭酸ナトリウム、尿素、メタノールなどの工業用原料、消火剤、清涼飲料などに利用することもできる。
【0026】
(5)燃焼器で発生した熱を燃焼器と一体型の熱交換器で蒸気を発生させて発電を行うため、非凝縮性ガス、無機物、灰分、不燃物、腐食性物質のタービンへの混入を防止できる。その結果、高純度に水を管理している既存の蒸気タービン発電方式が利用できる。
【0027】
(6)燃焼器と熱交換器が一体型であるため、流体移送に伴う熱損失がなく設備をコンパクトにすることができる。
【0028】
(7)酸化剤ガスである空気の圧縮を熱エネルギー回収後の流体の圧力を利用して行うため、圧縮機の動力消費が小さくなり、送電できる電気エネルギーを多くすることができる。
【0029】
(8)水の超臨界条件近傍における無機物の溶解度が小さく塩が析出し易い燃焼形態において、高温・高圧下で塩・無機物等の固形分を分離することにより水中の不純物濃度を低く抑えることができるばかりでなく、冷却過程でのライン内での析出堆積を予防できる。
【0030】
本発明に係わる超臨界水中燃焼発電方法において、前記有機物として無煙炭、瀝青炭、褐炭、亜炭などの石炭、塩化ビニール、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチック類;ペットボトル、家電、自動車、コンピュータなどの廃プラスチック類;木材、木材くず、建築廃材類、ゴム類、紙とプラスチックの複合紙;などの固体状のもの、またはメタノール、エタノール、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ベンゼン、ポリ塩素化ビフェニルなどの液体状のもの、あるいはこれらの混合物を用いることができる。
【0031】
このように本発明では、低品位の石炭、廃プラスチック、建築廃材、廃溶媒などを燃料として利用でき、さらに二酸化炭素の排出量削減効果が高いクリーンな発電を行なうことが可能になる。
【0032】
本発明に係わる超臨界水中燃焼発電方法において、酸化剤ガスとして空気をガス分離膜に通して高酸素濃度化したガスを用いることが好ましい。
【0033】
このように酸化剤ガスとして空気よりも酸素濃度の高いガスを使用することによって、燃焼器に酸化剤を供給するポンプの処理量が減少し消費する動力を削減でき、水・二酸化炭素分離器および二酸化炭素液化装置の処理量も低減できる。
【0034】
本発明に係わる超臨界水中燃焼発電方法において、前記酸化剤ガスとして酸素を用い、かつ前記水・二酸化炭素分離器で液体の水と気体の二酸化炭素と未燃焼の酸素を分離し、二酸化炭素は前記液化装置で液体二酸化炭素として回収し、酸素は前記酸化剤として再利用することを許容する。
【0035】
このように酸化剤として酸素を使用することにより燃焼器に酸化剤を供給するポンプの処理量を約20%に減少させることができ、燃焼器の体積も小さくできるとともに、水・二酸化炭素分離器および二酸化炭素液化装置の処理量も低減できる。さらに、二酸化炭素液化装置では気体として未燃焼の酸素のみが回収されるので、これを酸化剤としてリサイクルすることが可能である。
【0036】
本発明に係わる超臨界水中燃焼発電方法において、空気を液化装置で液化して液体酸素と液体窒素を製造し、液体酸素を前記酸化剤ガスとして利用し、液体窒素を前記液化装置に組み込まれた熱交換器に導入して前記空気の冷却に利用することを許容する。
【0037】
このような本発明では、酸化剤を液体で供給するため非常に大きな動力が必要な圧縮器に代えて動力の小さなポンプが利用できるため、送電端効率を大幅に向上できる。さらに、液化で副製する液体窒素を熱交換器で空気の冷却に利用するため、酸化剤製造のエネルギー消費を低く抑えることができる。
【0038】
本発明に係わる超臨界水中燃焼発電方法において、前記流動性燃料として予熱により流動化させた重質油、ピッチから選ばれる有機物をを用い、この流動性燃料を前記アルカリ溶液とともに前記燃焼器に連続して供給することを許容する。
【0039】
このような本発明では、硫黄分、窒素分等の含有率の高い低品位の重質油や廃油も燃料として利用でき、さらに二酸化炭素排出量削減効果が高いクリーンな発電が可能になる。
【0040】
本発明に係わる超臨界水中燃焼発電方法において、前記流動性燃料として下水または工場から排出された含水率の高い汚泥状の有機物を改質器にて加圧下で加熱処理することにより調製された流動性のスラリーを用い、このスラリーを前記アルカリ性溶液とともに前記燃焼器に連続して供給することを許容する。
【0041】
このような本発明では、流動性の低い汚泥等の有機物を流動性の高いスラリーに改質して流動性燃料としてポンプ輸送が可能となり、さらに二酸化炭素排出量削減効果が高いクリーンな発電が可能となる。
【0042】
前記改質器は、100〜300℃の温度、5〜10気圧の圧力の条件で運転されることが好ましい。
【0043】
このような条件の下での改質器の運転により、タンパク質の膜の中に水分が蓄積されて圧力や遠心力等の通常の方法では含水率を下げるのが困難な流動性の低い汚泥などをタンパク質の膜を破壊して流動性の高いスラリーを製造することができる。
【0044】
本発明に係わる超臨界水中燃焼発電方法において、前記流動性燃料として富栄養化した湖沼や閉塞海域で発生する藻類の有機物をミキサーで微細化することにより調製されたスラリーを用い、このスラリーを前記アルカリ性溶液とともに前記燃焼器に連続して供給することを許容する。
【0045】
このような本発明では、富栄養化した湖沼や閉塞海域で大量に発生する藻類等(あおこ、あおさ等)の有機物を燃焼するために事前に乾燥するためのエネルギーが不要な二酸化炭素排出量削減効果が高いクリーンな発電が可能で、さらに富栄養化した湖沼や閉塞海域から富栄養物質を除去して環境修復ができる。
【0046】
本発明に係わる超臨界水中燃焼発電方法において、前記流動性燃料として食物残飯、植物くず(木、枝、落ち葉、草、稲藁、サトウキビ絞りかす等)、食品製造で発生するくず、解体木材から選ばれる有機物をミキサーで微細化することにより調製されたスラリーであり、このスラリーを前記アルカリ性溶液とともに前記燃焼器に連続して供給することを許容する。
【0047】
このような本発明では、不要な有機物を分別することなく取り扱いが容易なスラリーとすることにより燃料として利用でき、さらに二酸化炭素排出量削減効果が高いクリーンな発電が可能となる。
【0048】
本発明に係わる超臨界水中燃焼発電方法において、前記スラリーをタンクローリーまたはパイプラインで輸送することが好ましい。
【0049】
このような本発明では、発生場所の近くの施設で腐敗しやすいまたは密度の低い有機物のスラリーを発電設備に供給するため、効率的で安定した燃料の供給と貯蔵ができる。
【0050】
本発明に係わる超臨界水中燃焼発電方法において、前記燃焼器における超臨界近傍の温度を500〜700℃であり、かつその圧力を10〜40MPaにすることが好ましい。
【0051】
このような本発明では、前記燃焼器における温度・圧力の下で有機物の燃焼速度を高めて完全に燃焼でき、さらに排ガス中のNOx、SOxの発生量を低く抑えることができるため、燃焼器を小さくできるとともに排ガス処理装置の削除が可能になる。
【0052】
本発明に係わる超臨界水中燃焼発電方法において、前記水・二酸化炭素分離装置を30〜374℃の温度、水の飽和蒸気圧以上の圧力の条件で運転することが好ましい。
【0053】
このような本発明では、前記水・二酸化炭素分離装置を特定の温度・圧力の下での運転により、熱エネルギーを回収後の水・窒素・酸素・二酸化炭素からなる高温・高圧流体から圧力と温度を下げるだけで水を液体、窒素・酸素・二酸化炭素を気体で分離することができる。
【0054】
本発明に係わる超臨界水中燃焼発電方法において、前記水・二酸化炭素分離器により分離された水を有機物を含むスラリーの調製に再利用することが好ましい。
【0055】
このような本発明によれば、熱エネルギー回収後の流体の熱で給水やスラリーの予熱を行うため、給水加熱器のエネルギー消費を抑えることができる。
【0056】
本発明に係わる超臨界水中燃焼発電システムは、有機物を含む流動性燃料(例えばスラリー状または液体状のもの)と酸化剤ガスとアルカリ溶液が連続的に供給され、超臨界近傍の温度・圧力条件に保持された水中で前記有機物を燃焼させるための熱交換器一体型燃焼器と、
前記燃焼器から流出される流体中の固形分を分離除去するための無機物分離器と、
前記無機物分離除去器から流出された流体と前記燃焼器に供給される流体とを熱交換するための熱交換器と、
前記熱交換器から流出された流体の圧力を利用して空気の圧縮機を機械的に駆動して動力を回収するための圧力動力回収装置と、
前記圧力動力回収装置から流出された流体を液体の水と気体の二酸化炭素および未燃焼ガスとに分離するための水・二酸化炭素分離器と、
前記水・二酸化炭素分離器で分離された二酸化炭素を液体二酸化炭素として回収し、未燃焼ガスを分離するための液化装置と、
前記熱交換器一体型燃焼器で発生した蒸気を利用して発電するための蒸気タービンと
を具備したことを特徴とするものである。
【0057】
このような発明によれば、前述した(1)〜(8)の作用、効果を奏する超臨界水中燃焼発電システムを実現できる。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる超臨界水中燃焼発電方法およびそのシステムを図面を参照して詳細に説明する。
【0059】
(第1実施例)
図1は、本発明の第1実施例を説明するためのフロー図である。
【0060】
有機物1(例えば石炭、プラスチックなど)をスラリー調製器2で水と共に混合して流動性燃料である燃料スラリーを調製する。この時、前記有機物1がスラリー状であれば水を必要量添加または除去するだけでよく、固体状有機物および液体状有機物(例えばメタノール、トリクロロエチレン、ベンゼンなど)の多種類の有機物を混合してスラリーを調製することもできる。
【0061】
次いで、前記スラリーおよびアルカリ溶液(例えば水酸化ナトリウムや水酸化カルシウム)3をそれぞれポンプ4,5で10〜40MPaに加圧して廃熱回収用熱交換器6を流通させる。この時、混合流体は後述する熱交換器一体型燃焼器7から流出した流体と熱交換されて400〜700℃に加熱される。なお、熱交換器で熱量が不足する場合にはヒータを設置して熱を補うことも可能である。
【0062】
加熱された混合流体は、熱交換器一体型燃焼器7に供給される。同時に、酸化剤ガスである空気8を圧縮機9で例えば10〜40MPaに圧縮し、前記熱交換器6を流通されて加熱し、得られた圧縮加熱空気を前記燃焼器7に供給する。これら流体が供給された前記燃焼器7において、前記混合流体中の有機物が空気中の酸素により燃焼される。前記熱交換器一体型燃焼器7の熱交換において燃焼熱により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン10に供給して発電機11で電気エネルギーを取り出す。
【0063】
前記タービン10から流出された蒸気は、復水器12で水になり、ポンプ13で前記熱交換器一体型燃焼器7に戻されて再利用される。
【0064】
前記熱交換器一体型燃焼器7で熱を回収された燃焼後の流体は、無機物分離器14に供給され、ここで前記流体中の灰、塩類等の無機物15(固形分)を分離除去される。前記無機物分離器14から流出された流体は、前記廃熱回収用熱交換器6を流通する過程で前記各流体と熱交換されて温度が下がる。この流体は、圧縮動力回収装置16に導入され、ここでその圧力を利用して前記圧縮機9を駆動させて空気8を前述したように10〜40MPaに加圧する。なお、前記流体の圧力が不足して所定の圧力まで加圧できない場合は、電動の圧縮機を追加することも可能である。
【0065】
前記圧縮動力回収装置16から流出され、温度と圧力の下がった流体は、30〜374℃で水の飽和蒸気圧以上の圧力に維持された水・二酸化炭素分離装置17に導入され、ここで液体の水と気体の二酸化炭素および未燃焼ガス、例えば窒素が分離される。気体は、二酸化炭素液化装置18に供給され、気体の窒素ガス19が分離除去されて液体の液化二酸化炭素20が回収される。
【0066】
前記水・二酸化炭素分離装置18で分離された水は、前記スラリー調整器2に戻されて燃料スラリーの調製に再利用される。さらに、回収した液化二酸化炭素20は、炭酸ナトリウム、尿素、メタノールなどの工業用原料、消火剤、清涼飲料などに利用することもできる。
【0067】
下記表1は、褐炭の超臨界水中燃焼における600℃における燃焼挙動の結果の一例を示したものである。酸化剤ガスである酸素と超臨界水の混合流体が連続的に供給されているベッセル型の反応容器に褐炭のスラリーを瞬時に注入し、流出してくるガス中および液中の燃焼生成物を測定した。燃焼率は褐炭中の炭素に対して二酸化炭素に変化した割合、NOxおよびSOxの発生量は褐炭中に含まれる窒素分、硫黄分に対してNOx、SOxに変化した割合である。
【0068】
【表1】
Figure 0003831779
【0069】
反応容器内の圧力を増大させるに伴って、燃焼率は増加し、SOxの発生量は減少しNOxは全く発生しなかった。臨界圧近傍の20MPa以上でその傾向は顕著になる。石炭火力発電所では空気で石炭を燃焼させるが、石炭中の窒素分ばかりでなく空気中の窒素によってもNOxが発生する。
【0070】
前記表1の結果によると、超臨界水中燃焼では空気で燃焼してもNOx は全く発生しない。SOx に関しては、燃焼後の流体に脱硫等の処理を施さなくてもSOx発生量が2%に減っている。反応容器内の混合流体の交換時間が約5秒以下と短いにも拘わらず超臨界状態の30MPaでは硫黄分の98%が排ガス中から除去されており、燃焼器中の滞留時間増加や水酸化ナトリウムや水酸化カルシウム等のアルカリ添加により除去率向上が期待できる。
【0071】
また、石炭火力発電で発生する石炭灰等の粉塵は水中で燃焼するので水に懸濁し、排ガスの集塵操作が不要となるばかりでなく、ボイラーから排出される石炭灰も水中の懸濁物となるので灰の飛散の恐れがなく取り扱いが容易となる。エネルギー回収後の高温・高圧の流体の温度と圧力を下げていく過程で、沸点の違いから高純度の二酸化炭素を容易に分離回収することができる。
【0072】
したがって、第1実施例のように水の超臨界条件付近では有機物を燃焼させることにより、NOx、SOxの発生が非常に少なく、排ガスの脱硫、脱硝および集塵の操作が不要とり、二酸化炭素を排出しないクリーンな発電が可能となる。さらに、回収した二酸化炭素を工業用原料、消火剤、清涼飲料などに利用することもできる。
【0073】
また、第1本実施例では排ガス処理が不要で、しかも二酸化炭素を排出しないクリーンな発電が可能になる。
【0074】
(第2実施例)
図2は、本発明の第2実施例を説明するためのフロー図である。なお、前述した図1と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
【0075】
この第2実施例は、酸化剤ガスとして空気8の代わりに酸素ガス21を用い、二酸化炭素液化装置18で窒素ガスの代わりに回収される未燃焼の酸素ガス22を酸化剤として再利用し、その他の工程は第1実施例と同じである。
【0076】
このような第2実施例では、酸化剤として空気の代わりに酸素ガスを使用するので、圧縮するガスの量が約20%になり、圧縮動力を大幅に削減でき発電端効率の向上を期待できる。また、二酸化炭素液化装置で分離されるガスは未燃焼の酸素ガスのみであるため、酸化剤として再利用できるという利点を有する。
【0077】
(第3実施例)
図3は、本発明の第3実施例を説明するためのフロー図である。なお、前述した図1と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
【0078】
この第3実施例は、酸化剤ガスとして空気8を熱交換器23を内蔵した液化装置24で液化して液体酸素25と液体窒素26を分離する。液体酸素25は、酸化剤として利用し、液体窒素26を前記液化装置24の熱交換器23に導入して前記空気の冷却に利用し、窒素ガス27として放出する。また、酸化剤をポンプ9で供給するため圧縮動力回収装置が不要になる。その他の工程は第1の実施例と同じである。
【0079】
なお、二酸化炭素液化装置17で窒素ガスの代わりに回収される未燃焼の酸素ガス22を分離し、この分離した酸素ガス22を空気8に添加して再利用することも可能である。
【0080】
このような第3実施例では、酸化剤を液体で供給するため非常に大きな動力が必要な圧縮機に代えて動力の小さなポンプを利用できる。その結果、送電端効率を大幅に向上することができる。さらに、液化で副生する液体窒素26を熱交換器23を介して空気の冷却に利用できるため、酸化剤の製造のエネルギー消費を低く抑えることができる。
【0081】
(第4実施例)
図4は、本発明の第4実施例を説明するためのフロー図である。なお、前述した図1と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
【0082】
この第4実施例は、実施例1で用いたスラリー調製器2を削除し、その代わりに粘性が高く流動性の低い重質油等の有機物1を予熱器28を通して加熱して流動性燃料とした後、ポンプ4で廃熱回収用熱交換器6に供給、その他の工程は第1実施例と同じである。なお、水・二酸化炭素分離装置17で分離された水はポンプ29で前記流動性燃料とアルカリ性溶液とからなる混合流体の流通系統に返送される。
【0083】
このような第4実施例では、硫黄分、窒素分等の含有率の高い低品位の重質油や廃油等を超臨界水中で燃焼できるので、SOx、NOxを排出せず二酸化炭素排出量削減効果の高いクリーンな発電を行なうことができる。
【0084】
(第5実施例)
図5は、本発明の第5実施例を説明するためのフロー図である。なお、前述した図1と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
【0085】
この第5実施例は、スラリー調整器2の代わりに改質器30を用い、この改質器30に有機物1を供給し、温度100〜300℃、圧力5〜10気圧で処理して流動性燃料であるスラリーに改質する。余剰な水は、ここで分離除去する。水・二酸化炭素分離装置17で分離した水31は系外に排除する。この水31は、高温・高圧であるため前記改質器30の熱源として利用することもできる。その他の工程は第1実施例と同じである。
【0086】
このような第5実施例では、下水または工場等の含水率が高く流動性の低い汚泥等の有機物を流動性の高いスラリーに改質してポンプ輸送が可能になる。その結果、廃棄物を無公害・エネルギー投入なしに処理できエネルギーを回収することができる。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によればこれまで環境および設備の経済的な観点から燃料として利用できなかった硫黄分、窒素分、水分等の含有率が高い低品位炭、低品位重質油、バイオマス、および下水汚泥などの有機物でも燃料として利用できる。また、排ガス処理設備が不要となり、灰の取り扱いも容易、重金属等の有害物質も安定化して無害化できるとともに、容易に二酸化炭素を回収することができ工業原料に利用することができる。したがって、二酸化炭素の排出量削減効果が高いクリーンな発電が可能な超臨界水中燃焼発電方法およびそのシステム提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる超臨界水中燃焼発電システムの第1実施例を示すフロー図。
【図2】本発明に係わる超臨界水中燃焼発電システムの第2実施例を示すフロー図。
【図3】本発明に係わる超臨界水中燃焼発電システムの第3実施例を示すフロー図。
【図4】本発明に係わる超臨界水中燃焼発電システムの第4実施例を示すフロー図。
【図5】本発明に係わる超臨界水中燃焼発電システムの第5実施例を示すフロー図。
【図6】従来の石炭火力発電所の一例を示すフロー図。
【図7】従来の超臨界水中酸化法を用いた直接発電システムを示すフロー図。
【図8】従来の超臨界水中酸化法を用いた間接発電システムを示すフロー図。
【符号の説明】
1…有機物、
2…スラリー調製器、
3…アルカリ溶液、
6…廃熱回収用熱交換器、
7…熱交換器一体型燃焼器、
8…空気、
9…圧縮機、
10…タービン、
11…発電機、
14…無機物分離器、
16…圧縮動力回収装置、
17…水・二酸化炭素分離装置、
18…二酸化炭素液化装置、
24…液化装置、
25…液体酸素、
28…予熱器、
30…改質器。

Claims (15)

  1. 熱交換器一体型燃焼器に有機物を含む流動性燃料と酸化剤ガスとアルカリ溶液を連続的に供給し、この燃焼器において超臨界近傍の温度・圧力条件に保持された水中で前記有機物を燃焼させる工程と、
    前記燃焼器から流出された流体中の固形分を分離除去する工程と、
    固形分が分離除去された流体を熱交換器に供給して前記燃焼器に供給される流体と熱交換する工程と、
    圧力動力回収装置で前記熱交換器から流出された流体の圧力を利用して空気の圧縮機を機械的に駆動する圧力動力を回収する工程と、
    前記圧力動力回収装置から流出された流体を水・二酸化炭素分離器に導入し、ここで液体の水と気体の二酸化炭素および未燃焼ガスを分離する工程と、
    分離された二酸化炭素を液化装置で液体二酸化炭素として回収し、未燃焼ガスを分離する工程と、
    前記燃焼器で発生した熱を利用してこの燃焼器と一体型の熱交換器で蒸気を発生させ、蒸気タービンで発電を行う工程と
    を具備したことを特徴とする超臨界水中燃焼発電方法。
  2. 前記有機物は、無煙炭、瀝青炭、褐炭、亜炭などの石炭、塩化ビニール、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチック類;ペットボトル、家電、自動車、コンピュータなどの廃プラスチック類;木材、木材くず、建築廃材類、ゴム類、紙とプラスチックの複合紙;などの固体状のもの、またはメタノール、エタノール、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ベンゼン、ポリ塩素化ビフェニルなどの液体状のもの、あるいはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1記載の超臨界水中燃焼発電方法。
  3. 前記酸化剤ガスは、空気をガス分離膜に通して高酸素濃度化したガスであることを特徴とする請求項1または2記載の超臨界水中燃焼発電方法。
  4. 前記酸化剤ガスは、酸素であり、前記水・二酸化炭素分離器で液体の水と気体の二酸化炭素と未燃焼の酸素を分離し、二酸化炭素は前記液化装置で液体二酸化炭素として回収し、酸素は前記酸化剤として再利用することを特徴とする請求項1または2記載の超臨界水中燃焼発電方法。
  5. 空気を液化装置で液化して液体酸素と液体窒素を製造し、液体酸素を前記酸化剤ガスとして利用し、液体窒素を前記液化装置に組み込まれた熱交換器に導入して前記空気の冷却に利用することを特徴とする請求項1または2記載の超臨界水中燃焼発電方法。
  6. 前記流動性燃料は、予熱により流動化させた重質油、ピッチから選ばれる有機物からなり、この流動性燃料を前記アルカリ溶液とともに前記燃焼器に連続して供給することを特徴とする請求項1または3ないし5いずれか記載の超臨界水中燃焼発電方法。
  7. 前記流動性燃料は、下水または工場から排出された含水率の高い汚泥状の有機物を改質器にて加圧下で加熱処理することにより調製された流動性のスラリーであり、このスラリーを前記アルカリ性溶液とともに前記燃焼器に連続して供給することを特徴とする請求項1または3ないし5いずれか記載の超臨界水中燃焼発電方法。
  8. 前記改質器は、100〜300℃の温度、5〜10気圧の圧力の条件で運転されることを特徴とする請求項7記載の超臨界水中燃焼発電方法。
  9. 前記流動性燃料は、富栄養化した湖沼や閉塞海域で発生する藻類の有機物をミキサーで微細化することにより調製されたスラリーであり、このスラリーを前記アルカリ性溶液とともに前記燃焼器に連続して供給することを特徴とする請求項1または3ないし5いずれか記載の超臨界水中燃焼発電方法。
  10. 前記流動性燃料は、食物残飯、植物くず、食品製造で発生するくず、解体木材から選ばれる有機物をミキサーで微細化することにより調製されたスラリーであり、このスラリーを前記アルカリ性溶液とともに前記燃焼器に連続して供給することを特徴とする請求項1または3ないし5いずれか記載の超臨界水中燃焼発電方法。
  11. 前記スラリーは、タンクローリーまたはパイプラインで輸送されることを特徴とする請求項1ないし5、または6ないし10いずれか記載の超臨界水中燃焼発電方法。
  12. 前記燃焼器における超臨界近傍の温度は、500〜700℃であり、かつその圧力は10〜40MPaであることを特徴とする請求項1ないし11いずれか記載の超臨界水中燃焼発電方法。
  13. 前記水・二酸化炭素分離装置は、30〜374℃の温度、水の飽和蒸気圧以上の圧力の条件で運転されることを特徴とする請求項1ないし12いずれか記載の超臨界水中燃焼発電方法。
  14. 前記水・二酸化炭素分離器により分離された水を有機物を含むスラリーの調製に再利用することを特徴とする請求項1ないし5、または7ないし13いずれか記載の超臨界水中燃焼発電方法。
  15. 有機物を含む流動性燃料と酸化剤ガスとアルカリ溶液が連続的に供給され、超臨界近傍の温度・圧力条件に保持された水中で前記有機物を燃焼させるための熱交換器一体型燃焼器と、
    前記燃焼器から流出される流体中の固形分を分離除去するための無機物分離器と、
    前記無機物分離除去器から流出された流体と前記燃焼器に供給される流体とを熱交換するための熱交換器と、
    前記熱交換器から流出された流体の圧力を利用して空気の圧縮機を機械的に駆動して動力を回収するための圧力動力回収装置と、
    前記圧力動力回収装置から流出された流体を液体の水と気体の二酸化炭素および未燃焼ガスとに分離するための水・二酸化炭素分離器と、
    前記水・二酸化炭素分離器で分離された二酸化炭素を液体二酸化炭素として回収し、未燃焼ガスを分離するための液化装置と、
    前記熱交換器一体型燃焼器で発生した蒸気を利用して発電するための蒸気タービンと
    を具備したことを特徴とする超臨界水中燃焼発電システム。
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