JP2002126797A - 有機物処理システム - Google Patents
有機物処理システムInfo
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Abstract
き、運転コストの削減を図ることができる有機物処理シ
ステムを提供する。 【解決手段】 有機物処理システムは、水と有機物を含
むスラリーを高温高圧として有機物を分解する反応装置
4と、反応装置4で生成した分解物を液体分解生成物
と、気体分解生成物と、残固形物とに分離する分離装置
9と、発電装置10とを備えている。発電装置10から
の排ガスが排ガスダクト12を経て反応装置4へ送られ
る。反応装置4は排ガスダクト12からの排ガスを利用
して有機物を分解する。
Description
する際に排出される浄水場汚泥、生活廃水処理から排出
される下水汚泥、パルプ、繊維、化学、食品などの工場
排水処理から排出される有機性汚泥、畜産農場、魚介類
の養殖場から屍骸、糞尿として排出される有機性汚泥、
生ゴミなどのバイオマス廃棄物、あるいは廃プラスチッ
クなどの廃棄物、あるいは種々の未利用可燃物などを、
分解処理し、無害化および減量化する有機物処理システ
ムに関する。
して、パルプ、繊維、化学、食品などの工場廃水処理か
ら排出される有機性汚泥や、生活排水処理から大量に排
出される下水汚泥、河川の水を上水にする際に排出され
る浄水場汚泥などが考えられる。また、畜産農場、魚介
類の養殖場から屍骸、糞尿として排出される有機性汚泥
があげられる。これらの汚泥は、含水率が95重量%以
上と高く、又膨大な量であり、年々増加の傾向にある。
ほとんどが埋立て処分か、焼却処理されている。しかし
ながら、埋立て処分の場合には、埋め立て地確保の問題
があり、近年、都市化が進むにつれて埋立地の確保は難
しくなっている。さらに、こういった汚泥は、水分と共
に蛋白質、脂肪及び炭水化物等の有機物を多量に含むた
めに腐敗し易く、悪臭を発生させる。また、人畜に対し
て有害な物質が含まれる事があり、汚泥の安定化、無害
化が求められている。
からは有効な方法である。しかし、含水率が80%を超
えるような汚泥では、乾燥に費やす熱エネルギーの方
が、焼却して発生する熱エネルギーよりも大きくなり、
このため大量の燃料が必要となる。さらに、灰分に加
え、汚泥中の窒素分や硫黄分が酸化されて生成した窒素
酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)が排ガス中に
含まれるため、脱硝設備、脱硫設備及び電気集塵機等の
排ガス処理設備の設置が必要となり、設備コストが嵩
む。
む有機性汚泥を脱水せずに温度200〜300℃、圧力
2〜10Mpaの条件下で酸素により酸化分解する「湿
式酸化法」(特許第2655006号)や、超臨界水あ
るいは亜臨界水中で物理化学的に汚泥中の有機物を酸化
分解する「超(亜)臨界水酸化法」(特願平10−80
700、特許第3036077号など)などが提案され
ている。
応や熱分解反応といった水熱反応が加わり、比較的低い
温度で殆どの難分解性有機物や有害有機物等を分解する
ことができる。したがって、スラリーを容易に無害化お
よび減量化することができ、かつクリーンな水を回収で
きる。しかも、事前に汚泥を脱水する必要がないので濾
過助剤や濾過機も不要であり、やっかいな濾過操作を省
くことができる。また、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸
化物(SOx)、灰塵の発生がないので、排ガス処理設
備が不要となり、設備コストを低下させることができる
可能性がある。
た「湿式酸化法」や「超(亜)臨界水酸化法」では、高
温高圧条件下で処理を行うので、大量の水分を含む有機
性廃棄物を反応温度・反応圧力まで加熱・加圧したり、
酸化剤として用いる空気もしくは酸素を圧縮機で反応圧
力まで昇圧する必要がある。このため、加熱用の熱源を
得るための燃料や、ポンプ・圧縮機用の電力が大量に必
要で、結果的に運転コストが大きくなってしまうという
課題がある。
ものであり、汚泥などの有機物を含むスラリーを処理す
る有機物処理システムであって、燃料を効率良く利用し
て運転コストを低下させることができる有機物処理シス
テムを提供することを目的とする。
含むスラリーを高圧高温状態として有機物を分解する反
応装置と、反応装置において生成された分解物を液体分
解生成物と、気体分解生成物と、残固形分とに分離する
分離装置と、発電機を有し、排ガスを放出する発電装置
と、発電装置に接続され、発電装置からの排ガスを反応
装置に導く排ガスダクトと、を備え、反応装置は、発電
装置からの排ガスの熱を利用して、有機物を分解するこ
とを特徴とする有機物処理システムである。
用して水と有機物を含むスラリーを加熱し、分解するこ
とにより、スラリーを高効率で安価に、無害化、減量化
でき、かつ、クリーンな水を回収できる有機物処理シス
テムを提供できる。特に、供給した燃料を用いてオンサ
イト発電し、所内動力として使用すると共に、その排ガ
スが有する熱で反応処理を加熱するので、燃料の利用率
が非常に高く、結果的に運転コスト、すなわち廃棄物処
理コストを大きく低下させることができる。
と、熱風用チャンバー内の反応管とから構成され、スラ
リーは反応管内に導入され、発電装置からの排ガスは、
熱風用チャンバー内に導入され、反応管の内側を流れる
スラリーと、反応管の外側を流れる排ガスとが熱交換す
ることを特徴とする有機物処理システムである。
スの有する熱エネルギーを効率良くスラリーに供給で
き、いっそう燃料の利用率が高くなり、結果的に運転コ
ストすなわち廃棄物処理コストを大きく低下させること
ができる。
する第1酸化剤導入管が接続されていることを特徴とす
る有機物処理システムである。
と共に酸化分解することができ、より低い温度(400
−600℃)でスラリーに含まれる殆どの難分解性有機
物や有害有機物等を分解することができる。この結果、
排ガスの温度が低い発電装置であっても、スラリーを高
効率で安価に、無害化、減量化でき、かつ、クリーンな
水を回収できる有機物処理システムを提供できる。
に、補助燃料を導入する補助燃料導入管が接続され、熱
風用チャンバー内で補助燃料を燃焼させることを特徴と
する有機物処理システムである。
に、酸化剤を導入する第2酸化剤導入管が接続され、熱
風用チャンバー内で補助燃料を燃焼させることを特徴と
する有機物処理システムである。
より熱風用チャンバー内の温度を高くすることができ、
排ガス温度が低い発電装置であっても、スラリー中の難
分解性有機物や有害物等をほぼ完全に分解することが可
能な有機物処理システムを提供できる。
れた分解物と、反応装置に導入されるスラリーとを熱交
換する熱交換器を有することを特徴とする有機物処理シ
ステムである。
ギーをスラリーが回収するので、さらに熱効率を向上さ
せることができる。
される分解物を減圧して、気体成分と残固形分とに分離
することを特徴とする有機物処理システムである。
することなく、あるいは、わずかな加熱で水蒸気、分解
ガスから成る気体成分と、油、水を含む残固形分とに容
易に分離することができる。すなわち、スラリー中の有
機物を分解し、無害化、減量化しながら、さらに低コス
トで脱水されて減容化できる有機物処理システムを提供
できる。
分を冷却して気体成分中に含まれる液体分解生成物を凝
縮させ、液体分解生成物と気体分解生成物とに分離する
ことを特徴とする有機物処理システムである。
た後に生成した気体成分を、スラリーが持つ冷熱を利用
して、気体成分に含まれる水蒸気を凝縮させて水にする
ことにより、水と、分解ガスとに容易に気液分離でき
る。一方、気体成分が持つ熱を利用してスラリーは加熱
されるため、スラリーを加熱する燃料が少なくて済む。
これらの結果、有機物処理システムの設置コスト、運転
コストを低減した有機物処理システムを提供できる。
力は0.9乃至40MPa、スラリーの温度は150乃
至600℃であることを特徴とする有機物処理システム
である。
含まれる水を、加圧熱水、超臨界水または亜臨界水のい
ずれかの状態とすることを特徴とする有機物処理システ
ムである。
や熱分解反応が加わり、比較的低い温度で殆どの難分解
性有機物や有害有機物等を分解することができる有機物
処理システムを提供できる。
装置、マイクロガスタービン発電装置、ガスエンジン発
電装置、ディーゼル発電装置、または燃料電池のいずれ
かであることを特徴とする有機物処理システムである。
発電装置が利用できるので、必要な電力量や条件に適し
た発電装置を選択することが出来る。
施の形態について説明する。図1は、本発明による有機
物処理システムの構成概略図である。図1に示すよう
に、有機物処理システム1は、水と有機物を含むスラリ
ー2と、酸化剤の空気3とを高圧高温水下に置き、スラ
リー2に含まれている有機物等の成分を水熱分解すると
ともに酸化分解する反応装置4と、反応装置4より排出
される分解物5を、水(液体分解生成物)6と、分解ガ
ス7(気体分離生成物)と、残固形分8とに分離する分
離装置9と、ガスタービン発電装置10とを備えてい
る。このうち分解ガス7は、有機性ガス、炭酸ガス、空
気中の窒素等を含む混合物からなっている。
る配管11と、ガスタービン発電装置10からの高温排
ガス10aを反応装置4に導く排ガスダクト12と、反
応装置4において有機物を分解して生成された分解物5
を分離装置9に導く接続管13とが接続されている。な
お、スラリー2を導入する配管11には高圧ポンプ14
が設けられ、この配管11は後述のように分離装置9を
通過するようになっている。
機10bと、燃焼器10cと、ガスタービン10dと、
発電機10eとを有し、このうちガスタービン10d
は、回転軸10f、10gを介して圧縮機10bと発電
機10eに接続されている。また、排ガスダクト12は
ガスタービン10dと反応装置4とを接続するものであ
り、ガスタービン10dからの高温排ガス10aが、高
温のまま反応装置4に送られるようになっている。
るための燃焼装置4aと、熱交換のために表面積を増大
するよう設けられた複数の反応管4bと、その周囲に形
成された熱風用チャンバー4cとを有している。ガスタ
ービン10dから排出された高温排ガス10aは排ガス
ダクト12を介して、燃焼装置4aに導入され、また、
燃焼装置4aには、補助燃料4dおよび空気(酸化剤)
4eが補助燃料導入管21および第2酸化剤導入管22
を経て供給され、補助燃料4dを高温排ガス10a中の
残存酸素と空気4eとで燃焼させるようになっている。
また燃焼装置4aからの燃焼ガス4fと高温排ガス10
aは、次に熱風用チャンバー4cに導入されるようにな
っている。
プ14において反応圧力になるまで加圧される。さらに
空気(酸化剤)3が圧縮機15において、反応圧力まで
加圧され、加圧空気3は第1酸化剤導入管20を経て配
管11へ送られ、配管11でスラリー2と、混合して反
応管4bに送られるようになっている。
を150−600℃の温度、好ましくは400−550
℃程度まで加熱し、0.9−40Mpaの圧力、好まし
くは20−30Mpa程度で、数分間反応させるように
なっている。また、反応管4bでは、スラリー2に含ま
れる水を加圧熱水、亜臨界水、または超臨界水の状態と
することが可能となっている。
は、反応装置4における反応条件に近い高温高圧のまま
接続管13により分離装置9へ導かれるようになってい
る。分離装置9は導入された分解物5を1Mpa以下、
好ましくは0.1−0.2Mpaに急激に減圧する減圧
バルブ9aと、分解物5を水蒸気6aおよび分解ガス7
から成る気体成分9bと、油および水を含む残固形分8
に分離する気固分離器9cと、気体成分9bを冷却して
気体成分9b中の水蒸気6aを凝縮させ水6にする熱交
換器16と、この水6と分解ガス7とを分離する気液分
離器9dとを有している。
応装置4に送られる途中の配管11中のスラリー2と気
体成分9bとが熱交換器16で熱交換できるようになっ
ており、この熱交換によって、スラリー2は予熱され、
気体成分9bは冷却される。気液分離器9dでは、上部
から分解ガス7が排出され、下方から水6が排出され
る。
水を上水にする際に排出される浄水場汚泥、生活排水処
理から排出される下水汚泥、パルプ、繊維、化学、食品
などの工場廃水処理から排出される有機性汚泥、畜産農
場、魚介類の養殖場から屍骸、糞尿として排出される有
機性汚泥、あるいは粉砕化した生ゴミ、廃プラスチック
などをスラリーにしたものである。
さらに水を加えるか、または一部の水を脱水してスラリ
ー2を生成する。生ゴミ、廃プラスチックなどの場合
は、水を加えて含水率を調整した上で、含有固形物の大
きさを粉砕機で適度な大きさにすることによってスラリ
ー2を生成する。この時、水熱反応に適した含水率の範
囲は、90−98重量%、好ましくは95重量%程度で
ある。
態の作用について説明する。図1においてスラリー2
は、高圧ポンプ14によって0.9−40MPa、好ま
しくは20−30MPa程度の圧力まで加圧され、配管
11を介して反応装置4の反応管4bへ送られる。スラ
リー2は、配管11を通過する際に熱交換器16で分離
装置9内の気体成分9bにより予熱される。一方、酸化
剤としての空気3が圧縮機15によってスラリー2と同
程度の圧力まで加圧され、この空気3が配管11内へ送
られ配管11においてスラリー2と混合されて反応装置
4の反応管4bに送られる。
iが圧縮機10bで加圧され、空気10iは燃焼器10
cにおいて燃料10hと爆発燃焼してガスタービン10
dを回転させる。ガスタービン10dのエネルギーは圧
縮機10bと発電機10eの動力となり、発電機10e
において電気エネルギーに変換される。爆発燃焼後の高
温排ガス10aは、ガスタービン10dから排出され、
排ガスダクト12を介して、高温のまま反応装置4内部
の燃焼装置4aに送られる。
空気4eが反応装置4の燃焼装置4aへ供給される。補
助燃料4dは高温排ガス10a中の未燃の酸素と空気4
eとで燃焼され、燃焼装置4a内で生成した燃焼ガス4
fと高温排ガス10aの温度は600℃以上になる。
風用チャンバ4cに導入され、反応管4bには、スラリ
ー2と酸化剤の空気3が高圧で導入される。この場合、
熱風用チャンバー4c内に充満する高温排ガス10aと
燃焼ガス4fの熱を利用して、スラリー2と空気3とが
加熱され、スラリー2は水熱反応と酸化反応とにより分
解する。
の熱(温度600℃以上)によって、スラリー2と空気
3が、400−550℃の温度まで加熱され、スラリー
2に含まれる水が、加圧熱水、亜臨界水、超臨界水の状
態となって、スラリーが水熱分解される。また空気3に
より、水熱分解と同時にスラリー2が酸化分解される
か、あるいはスラリー2が水熱分解された成分が酸化分
解される。
行われるため、比較的低い温度(400−550℃)で
スラリー2に含まれるほとんどの難分解性有機物や有害
有機物等を分解することができる。なお、補助燃料4d
および空気4eの供給量を調整することにより、反応管
4bに供給される熱量が調製される。またガスタービン
発電装置10あるいは反応装置4の運転条件、例えばガ
スタービン発電装置10から排出される高温排ガス10
aの温度が高く、しかもその排出量が多い(熱量が多
い)場合は、補助熱料4dと空気4eの供給は不要とな
る。
高温排ガス10aを直接、熱風用チャンバ10cに導入
してもよい。ここで、本実施の形態における水熱分解と
は、高温高圧水により、加水分解と、熱分解が同時に起
こることを意味する。
を水熱分解および酸化分解することにより、二酸化炭素
を主成分とする分解ガス7と、残固形物8(スラリー2
に含まれている金属の酸化物など)と、水(加圧熱水、
亜臨界水、超臨界水の状態)とからなる分解物5が生成
する。この分解物5は、その後高温高圧の状態で反応装
置4の反応管4bから接続管13を経て分離装置9に送
られる。
減圧バルブ9aによって1MPa以下、好ましくは0.
1MPa以上0.2MPa以下までに急激に減圧され
て、気固分離器9cにおいて水蒸気6aおよび分解ガス
7から成る気体成分9bと、油、水を含む残固形分とに
気固分離される。気固分離器9c内で気固分離された気
体成分9bと残固形分8とは、それぞれ、気固分離器9
cの上部と下部とから排出される。
9bは、熱交換器16によって反応装置4に導入される
前のスラリー2と熱交換して冷却される。この結果、気
体成分9b内の水蒸気6aは凝縮されて水となり、気液
分離器9dにおいて水6と分解ガス7とに気液分離され
る。気液分離器9d内で気液分離された分解ガス7と水
6のうち、分離ガスが気液分離器9dの上方から排出さ
れ、水6が気液分離器9dの下方から排出される。
に含まれる水を加圧熱水、亜臨界水、超臨界水の状態に
することにより、スラリー2が水熱分解される。また、
空気3により、前記の水熱分解と同時に、スラリー2が
酸化分解されるか、あるいは、スラリー2が水熱分解さ
れた成分が酸化分解される構成となっている。このた
め、スラリー2に含まれるほとんどの難分解性有機物や
有害有機物等をほぼ完全に分解することができる。
には、多量の水を含むスラリー2を20−30MPaに
昇圧し、400−550℃に加熱する必要がある。ま
た、酸化剤として用いる空気を圧縮機15で反応圧力ま
で昇圧する必要があり、大きな所内動力と熱エネルギー
を消費する。
料としてガスタービン発電装置10で発電し、生成した
電力を高圧ポンプ14や圧縮機15などの所内動力とし
て用いるとともに、ガスタービン発電装置10から排出
される高温排ガス10aが有する熱エネルギーを反応装
置での熱源として利用することができる。このため消費
している燃料の利用率80%程度と高く、所内動力とし
ての電力を外部から購入して使う場合に比べ、運転コス
トは大きく低下する。
ビン10dからの高温排ガス10の熱量の不足分を補う
ため、あるいは高い温度を得るために、高温排ガス10
a中の未然の酸素と空気4eにより補助燃料4dを燃焼
装置4aで燃焼させ、発生した燃焼熱を利用している。
この結果として、スラリー2を加熱するための燃料コス
トを最小限に抑ながら、スラリー2に含まれるほとんど
の難分解性有機物や有害有機物等を分解することができ
る。すなわち、スラリー2を高効率で安価に、無害化お
よび減量化でき、かつ、クリーンな水を回収できる有機
物処理システムを提供できる。なお、燃焼装置4aの燃
焼熱の利用の態様は、例えば他の熱媒を用いた種々の態
様を採用してもよい。
の反応管4bを複数の管状部材で構成することにより、
反応装置4の熱交換効率を高め、結果的に高効率な廃棄
物処理を行なうことができる。このように反応管4b内
は亜臨界水あるいは超臨界水の状態となり得るため、反
応管4bおよび接続管13、減圧バルブ9a等は、その
ような過酷な条件に耐え得るように構成されている。
装置4から排出される高温高圧の分解物5を急激に減圧
して、水蒸気6aおよび分解ガス7から成る気体成分9
bと、分解油、残水を含む残固形分8に分離し、また、
気体成分9bは、熱交換器16によって反応装置4に導
入される前のスラリー2と熱交換して冷却され、気体成
分9bの中の水蒸気6aは凝縮して水6となる。さら
に、この水6と分解ガス7は、気液分離器9dにて分離
される。このため、分離装置9において、特に加熱する
事なく、あるいは、わずかな加熱で水6、分解ガス7と
残固形分8とに分離することができる。
スラリー中に含まれる有機物を分解、無害化減量化しな
がら、さらに脱水できる有機物処理システムを提供でき
る。しかも、オンサイトのガスタービン発電装置10で
発電した電力とその排ガス熱を、所内動力と反応装置用
の熱源として効率良く利用するので、廃棄物処理費を大
きく低下させることができる。
ビン発電装置10を設けた例について説明したが、ガス
タービン発電装置10の代りに、マイクロガスタービン
発電装置、ガスエンジン発電装置、ディーゼル発電装
置、燃料電池などを用いても、ガスタービン発電装置1
0を用いた場合と同様の効果が得られる。
リーを高温高圧下で水熱分解および酸化分解させること
により処理する有機物処理システムにおいて、発電装置
で発生した排ガス熱を反応装置用の熱源として効率良く
利用することができる。このため、スラリーを無害化お
よび減量化できるとともに、運転コストを大幅に減少さ
せることができる。
を示す概略図
Claims (11)
- 【請求項1】水と有機物を含むスラリーを高圧高温状態
として有機物を分解する反応装置と、 反応装置において生成された分解物を液体分解生成物
と、気体分解生成物と、残固形分とに分離する分離装置
と、 発電機を有し、排ガスを放出する発電装置と、 発電装置に接続され、発電装置からの排ガスを反応装置
に導く排ガスダクトと、を備え、 反応装置は、発電装置からの排ガスの熱を利用して、有
機物を分解することを特徴とする有機物処理システム。 - 【請求項2】反応装置は、熱風用チャンバーと、熱風用
チャンバー内の反応管とから構成され、 スラリーは反応管内に導入され、発電装置からの排ガス
は、熱風用チャンバー内に導入され、 反応管の内側を流れるスラリーと、反応管の外側を流れ
る排ガスとが熱交換することを特徴とする請求項1に記
載の有機物処理システム。 - 【請求項3】反応装置の反応管に酸化剤を導入する第1
酸化剤導入管が接続されていることを特徴とする請求項
1或いは2のいずれかに記載の有機物処理システム。 - 【請求項4】反応装置の熱風用チャンバーに、補助燃料
を導入する補助燃料導入管が接続され、熱風用チャンバ
ー内で補助燃料を燃焼させることを特徴とする請求項1
乃至3からのいずれかに記載の有機物処理システム。 - 【請求項5】反応装置の熱風用チャンバーに、酸化剤を
導入する第2酸化剤導入管が接続され、熱風用チャンバ
ー内で補助燃料を燃焼させることを特徴とする請求項4
に記載の有機物処理システム。 - 【請求項6】分離装置は、反応装置で生成された分解物
と、反応装置に導入されるスラリーとを熱交換する熱交
換器を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
かに記載の有機物処理システム。 - 【請求項7】分離装置は、反応装置から排出される分解
物を減圧して、気体成分と残固形分とに分離することを
特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の有機物処
理システム。 - 【請求項8】分離装置の熱交換器は、気体成分を冷却し
て気体成分中に含まれる液体分解生成物を凝縮させ、液
体分解生成物と気体分解生成物とに分離することを特徴
とする請求項6に記載の有機物処理システム。 - 【請求項9】反応装置におけるスラリーの圧力は0.9
乃至40MPa、スラリーの温度は150乃至600℃
であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記
載の有機物処理システム。 - 【請求項10】反応装置において、スラリーに含まれる
水を、加圧熱水、超臨界水または亜臨界水のいずれかの
状態とすることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか
に記載の有機物処理システム。 - 【請求項11】発電装置は、ガスタービン発電装置、マ
イクロガスタービン発電装置、ガスエンジン発電装置、
ディーゼル発電装置、または燃料電池のいずれかである
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の
有機物処理システム。
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2000
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