JP2002360633A - 背負い具 - Google Patents

背負い具

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JP2002360633A JP2001174867A JP2001174867A JP2002360633A JP 2002360633 A JP2002360633 A JP 2002360633A JP 2001174867 A JP2001174867 A JP 2001174867A JP 2001174867 A JP2001174867 A JP 2001174867A JP 2002360633 A JP2002360633 A JP 2002360633A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】人を楽に背負って搬送することができるように
すること。 【解決手段】背負う人が装着する背負い側装着体と、背
負われる人が装着する背負われ側装着体とからなり、背
負い側装着体は、背負う人の背中に当てる装着体本体
と、同装着体本体の上部と下部とにわたって連結した左
右一対の肩掛けベルトとを具備する一方、背負われ側装
着体は、背負われる人の少なくとも背中から大腿部の裏
側にかけて当てる装着体本体と、同装着体本体の左右側
の中途部よりそれぞれ伸延させた連結ベルトとを具備す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負傷者、障害者、
又は、老人等を背負うための背負い具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自力で行動することが困難な状態
にある一人の人間、例えば、負傷者、障害者、又は、老
人等を、一人の搬送者が搬送する際には、背負うのが一
般的であり、この際、布製の背負い具を使用している。
【0003】そして、かかる背負い具は、背負われる人
の背中に当てる背負い具本体と、同背負い具本体の左右
側部よりそれぞれ伸延させた連結ベルトとを具備し、両
連結ベルトは、背負う人の肩越しに交差させて、左側の
連結ベルトは右側の大腿部を保護している背負い具本体
の下部に連結すると共に、右側の連結ベルトは左側の大
腿部を保護している背負い具本体の下部に連結するよう
にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した背
負い具は、未だ、以下のような課題を有している。
【0005】背負う人が一人で背負われる人を背負う
際には、一旦、背負われる人を椅子等に座らせた状態に
して、背負い具本体を背負われる人の背中に当て、同状
態にて背負う人が背負われる人の前で背を向けた状態に
て腰を落として近接し、左右側の連結ベルトを肩越しに
交差させて、左側の連結ベルトを右側の大腿部を保護し
ている背負い具本体の下部に連結すると共に、右側の連
結ベルトを左側の大腿部を保護している背負い具本体の
下部に連結するが、かかる背負い作業を背負う人が低姿
勢にて行わなければならないという煩雑さがあると共
に、かかる低姿勢から背負われる人を背負って立ち上が
らなければならないという大きな肉体的負担がある。
【0006】上記した背負い具では、背負い具本体の
大きさが一定であるために、背負われる人の体の大きさ
に適合しないことがあり、同背負い具本体に設けた連結
ベルトの位置も背負われる人の体の大きさによって相対
的に位置が変化するために、かかる背負い具本体を利用
して背負うと、背負われる人の重心が前後側いずれかの
方向に偏りがちになり、例えば、後側に偏ると背負う人
の負担が大きくなって、疲労し易いという不具合があ
る。
【0007】そこで、連結ベルトをきつく締めると、
背負われる人の重心が前側に移動するが、背負われる人
が背負う人の背中に密着されて、背負われる人に圧迫感
を与えると共に、背負う人が前屈み姿勢となって、この
場合も、背負う人の負担が大きくなって、疲労し易いと
いう不具合がある。
【0008】しかも、両者の発汗が過多の状態となっ
て、両者が互いに受ける不快感が大きくなるという不具
合がある。
【0009】背負われる人の重心は、背負う人の腰部
の位置に配置すると、背負う人の肉体的負担や疲労が軽
減されると共に、背負われる人の搬送姿勢も安定して、
背負われる人の疲労も少ないが、上記した背負い具で
は、背負われる人の重心位置を、背負う人の腰部の位置
に保持することができないために、背負う人の肉体的負
担や疲労が大きく、しかも、背負われる人の疲労も大き
いという不具合がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、背
負う人が装着する背負い側装着体と、背負われる人が装
着する背負われ側装着体とからなり、背負い側装着体
は、背負う人の背中に当てる装着体本体と、同装着体本
体の上部と下部とにわたって連結した左右一対の肩掛け
ベルトとを具備する一方、背負われ側装着体は、背負わ
れる人の少なくとも背中から大腿部の裏側にかけて当て
る装着体本体と、同装着体本体の左右側の中途部よりそ
れぞれ伸延させた連結ベルトとを具備し、両連結ベルト
は、それぞれ伸縮長さ調節自在となして、背負う人が装
着した肩掛けベルト越しに交差させて、左側の連結ベル
トは右側の大腿部を保護している装着体本体の下部に着
脱自在に連結すると共に、右側の連結ベルトは左側の大
腿部を保護している装着体本体の下部に着脱自在に連結
して、背負われる人の大腿部を背負う人の腰部の左右側
方に保持させることができるようにしたことを特徴とす
る背負い具を提供するものである。
【0011】また、本発明は、以下の構成にも特徴を有
する。
【0012】背負い側装着体が具備する左右一対の肩
掛けベルトは、背負う人の体型に応じて締め付け調節可
能とする一方、背負われ側装着体が具備する装着体本体
は、本体上半部と本体下半部とに接続・離脱自在に二分
割形成すると共に、背負われる人の体型に応じて本体上
半部と本体下半部の接続位置を上下方向に調節可能とし
たこと。
【0013】背負い側装着体が具備する装着体本体に
背負い側下支え連結ベルトを設ける一方、背負われ側装
着体が具備する装着体本体に背負われ側下支え連結ベル
トを設けて、同背負われ側下支え連結ベルトを背負われ
る人の股間を通して背負い側下支え連結ベルトに連結す
るようにしたこと。
【0014】背負われ側装着体が具備する装着体本体
の内面には、通気性を有するクッション体を着脱自在に
取り付けたこと。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0016】すなわち、本発明に係る背負い具は、背負
う人が装着する背負い側装着体と、背負われる人が装着
する背負われ側装着体とからなるものであり、背負い側
装着体は、背負う人の背中に当てる装着体本体と、同装
着体本体の上部と下部とにわたって連結した左右一対の
肩掛けベルトとを具備する一方、背負われ側装着体は、
背負われる人の少なくとも背中から大腿部の裏側にかけ
て当てる装着体本体と、同装着体本体の左右側の中途部
よりそれぞれ伸延させた連結ベルトとを具備している。
【0017】そして、両連結ベルトは、それぞれ伸縮長
さ調節自在となして、背負う人が装着した肩掛けベルト
越しに交差させて、左側の連結ベルトは右側の大腿部を
保護している装着体本体の下部に着脱自在に連結すると
共に、右側の連結ベルトは左側の大腿部を保護している
装着体本体の下部に着脱自在に連結して、背負われる人
の大腿部を背負う人の腰部の左右側方に保持させること
ができるようにしている。
【0018】しかも、背負い側装着体が具備する左右一
対の肩掛けベルトは、背負う人の体型に応じて締め付け
調節可能とする一方、背負われ側装着体が具備する装着
体本体は、本体上半部と本体下半部とに接続・離脱自在
に二分割形成すると共に、背負われる人の体型に応じて
本体上半部と本体下半部の接続位置を上下方向に調節可
能としている。
【0019】さらには、背負い側装着体が具備する装着
体本体に背負い側下支え連結ベルトを設ける一方、背負
われ側装着体が具備する装着体本体に背負われ側下支え
連結ベルトを設けて、同背負われ側下支え連結ベルトを
背負われる人の股間を通して背負い側下支え連結ベルト
に連結するようにしている。
【0020】また、背負われ側装着体が具備する装着体
本体の内面には、通気性を有するクッション体を着脱自
在に取り付けている。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の実施例を、図面を参照しな
がら説明する。
【0022】図1は、本発明に係る背負い具Aの使用状
態を示す側面図、図2は、同背負い具Aの使用状態を示
す正面図である。
【0023】そして、かかる背負い具Aは、図3及び図
4にも示すように、背負う人M1が装着する背負い側装着
体1と、背負われる人M2が装着する背負われ側装着体2
とから構成している。
【0024】背負い側装着体1は、図5及び図6にも示
すように、背負う人M1の背中に当てる装着体本体3と、
同装着体本体3の上部と下部とにわたって連結した左右
一対の肩掛けベルト4,4とを具備している。
【0025】装着体本体3は、正面視長方形のシート状
に形成して、上部と下部にそれぞれクッション体5,5を
設けている。
【0026】左右一対の肩掛けベルト4,4は、装着体本
体3の背面において取付片6,6を交差状に縫着して取り
付け、各取付片6,6の上端部より前方へ伸延させて肩掛
けベルト本体7,7を形成し、各肩掛けベルト本体7,7の下
端部より下方へ伸延させて股巻きベルト片8,8を伸縮長
さ調節自在に形成する一方、各取付片6,6の下端部より
下方へ伸延させて股巻きベルト連結片9,9を形成し、各
股巻きベルト連結片9,9の中途部と股巻きベルト片8,8の
中途部とを交差状となして、交差部を縫着して連結して
いる。
【0027】そして、股巻きベルト片8の先端部に雄側
連結具10を取り付ける一方、股巻きベルト連結片9の先
端部に雌側連結具11を取り付けて、両連結具10,11を嵌
合させてワンタッチにて連結することも、また、ワンタ
ッチにて連結解除することもできるようにしている。
【0028】このようにして、股巻きベルト片8は、背
負う人M1の股に巻いて股巻きベルト連結片9に連結する
ことにより、背負い側装着体1を背負う人M1に確実に固
定することができるようにしている。
【0029】ここで、股巻きベルト片8と股巻きベルト
連結片9は、後述する締め付け調節ベルト体16にそれぞ
れ取り付けた収納ポケット12に出し入れ自在に収納し
て、必要に応じて、例えば、山岳救助時の様に傾斜の激
しい場所での搬送作業時に使用するようにしており、図
5及び図6において、右側の股巻きベルト片8と股巻き
ベルト連結片9は、収納ポケット12に収納した状態を示
している。
【0030】また、各肩掛けベルト本体7,7には、同肩
掛けベルト本体7,7の伸延方向に伸延させて形成した肩
当てクッション片13,13を取り付け、各肩掛けベルト本
体7,7の下部に伸縮長さ調節自在の締め付け調節ベルト
体14,14を各肩掛けベルト本体7,7の伸延方向に沿わせて
取り付けて、各締め付け調節ベルト体14,14を伸縮長さ
調節することにより、各肩掛けベルト本体7,7の長さ
を、背負う人M1の体型に適合させるべく締め付け調節が
行えるようにしている。
【0031】そして、上記した締め付け調節ベルト体1
4,14には、連結ベルト挿通用リング片15,15を取り付
け、各連結ベルト挿通用リング片15,15と装着体本体3
の左右側下部との間に伸縮長さ調節自在の締め付け調節
ベルト体16,16を介設して、各締め付け調節ベルト体16,
16を伸縮長さ調節することにより、各肩掛けベルト本体
7,7と装着体本体3との間隔を、背負う人M1の体型に適
合させるべく締め付け調節が行えるようにしている。
【0032】各肩掛けベルト本体7,7の上部には、後述
する連結ベルト31を挿通するために伸縮長さ調節自在に
形成した挿通用リング形成体17,17の中途部を取り付け
て、各挿通用リング形成体17,17の一側端部に雄側連結
具18,18を取り付ける一方、他側端部に雌側連結具19,19
を取り付けて、両連結具18,18,19,19を嵌合させてワン
タッチにて連結してベルト挿通用のリングを形成するこ
とも、また、ワンタッチにて連結解除することもできる
ようにしている。
【0033】また、各肩掛けベルト本体7,7の上部に
は、連結受け片49,49を取り付け、各連結片49,49の先端
部に雌側連結具50,50を取り付けている。
【0034】装着体本体3の背面上部には、後述する連
結ベルト31を挿通して規制するために伸縮長さ調節自在
に形成した挿通・規制用リング形成体20の中途部を取り
付けて、各挿通・規制用リング形成体20の一側端部に雄
側連結具21を取り付ける一方、他側端部に雌側連結具22
を取り付けて、両連結具21,22を嵌合させてワンタッチ
にて連結してベルト挿通用のリングを形成することも、
また、ワンタッチにて連結解除することもできるように
している。
【0035】また、装着体本体3の背面上部には、上下
方向に伸延させて伸縮長さ調節自在に形成した背負い側
下支え連結ベルト23の上端部を縫着して取り付け、同背
負い側下支え連結ベルト23の下端部に雄側連結具24を取
り付けている。
【0036】背負われ側装着体2は、図4にも示すよう
に、背負われる人M2の少なくとも背中から大腿部の裏側
にかけて当てる装着体本体30と、同装着体本体30の左右
側の中途部よりそれぞれ伸延させた連結ベルト31とを具
備している。
【0037】装着体本体30は、図7〜図10にも示すよ
うに、本体上半部32と本体下半部33とに接続・離脱自在
に二分割形成すると共に、背負われる人M2の体型に応じ
て本体上半部32と本体下半部33の接続位置を上下方向に
調節可能としている。
【0038】そして、本体上半部32は、図7及び図8に
示すように、左右方向に幅広の長方形シート状に形成し
た頭部及び顔面側方保護体34と、同頭部及び顔面側方保
護体34の下端縁中央部に上端縁部を連設した長方形シー
ト状の背中保護体35と、上記頭部及び顔面側方保護体34
と略同形状に形成した通気性を有する頭部及び顔面側方
保護用のクッション体36と、横長四角形に形成した通気
性を有する背中上部保護用のクッション体37とを具備し
ている。
【0039】頭部及び顔面側方保護体34の正面には、面
ファスナー38を介して上記クッション体36を着脱自在に
取り付けており、同頭部及び顔面側方保護体34の背面に
は、上部に頭部側把持片39を取り付けると共に、左右側
部に連結受け片40,40を取り付けている。48は、連結受
け片40の先端部に取り付けた雌側連結具である。
【0040】背中保護体35の正面には、上部に面ファス
ナー41を介して前記クッション体37を着脱自在に取り付
け、下部に面ファスナー42を介して本体下半部33を着脱
自在かつ上下方向に接続位置調節自在に取り付けてお
り、同背中保護体35の背面には、左右側上端部に二又状
連結体43,43の基端部を取り付け、上部左右側に側部把
持片44,44を取り付けている。45は、二又状連結片43の
中途部に囲繞した首部側方保護用のクッション体であ
る。
【0041】二又状連結体43は、それぞれ長さ調節自在
に形成した一側連結片43aと他側連結片43bとを具備し、
各連結片43a,43bの先端部に雄側連結具46,47を取り付け
ている。
【0042】そして、一側連結片43aの先端部に取り付
けた雄側連結具46は、頭部及び顔面側方保護体34の背面
に取り付けた連結受け片40の雌側連結具48に嵌合させて
ワンタッチにて連結することも、また、ワンタッチにて
連結解除することもできるようにしている。
【0043】また、他側連結片43bの先端部に取り付け
た雄側連結具47は、肩掛けベルト本体7の上部に取り付
けた連結受け片49の雌側連結具50に嵌合させてワンタッ
チにて連結することも、また、ワンタッチにて連結解除
することもできるようにしている。
【0044】ここで、左右一対の他側連結片43b,43b
は、図4に示すように、交差状となるように連結して、
頭部及び顔面側方保護体34の左右側端部を、背負われる
人M2の顔面の側方保護位置に保持することができるよう
にしている。
【0045】本体下半部33は、図9及び図10に示すよ
うに、横長長方形シート状に形成した腰部保護体51と、
同腰部保護体51の下端縁中央部に上端縁部を連設して縦
長長方形シート状に形成した臀部保護体52と、同臀部保
護体52の下部左右側縁部に連設してシート状に形成した
大腿部下側保護体53,53と、上記腰部保護体51と略同形
状に形成した通気性を有する腰部保護用のクッション体
54と、上記臀部保護体52と略同形状に形成した通気性を
有する臀部保護用のクッション体55と、長方形に形成し
た通気性を有する大腿部下側保護用のクッション体56,5
6とを具備している。
【0046】腰部保護体51の正面には、面ファスナー57
を介して上記クッション体54を着脱自在に取り付けてお
り、同腰部保護体51の背面には、左右側部に長さ調節自
在に形成した左右一対の連結ベルト31,31の基端部を縫
着して取り付け、各連結ベルト31,31の先端部に雄側連
結具58,58を取り付け、また、左側部に長さ調節自在に
形成した腹部ベルト59の基端部を縫着して取り付け、同
腹部ベルト59の先端部に雄側連結具60を取り付ける一
方、右側部にベルト受け片61の基端部を縫着して取り付
け、同ベルト受け片61の先端部に雌側連結具62を取り付
け、また、左右側部に腰部側把持片63,63を縫着して取
り付けている。79は、面ファスナーであり、同面ファス
ナー79を前記背中保護体35の下部に張設した面ファスナ
ー42に面接触させて、腰部保護体51を着脱自在かつ上下
方向に接続位置調節自在に取り付けている。
【0047】ここで、連結ベルト31は、端部31aを雄側
連結具58から離隔する方向に引くことにより、短縮張設
することができるようにしている。
【0048】臀部保護体52の正面には、面ファスナー64
を介して上記クッション体55を着脱自在に取り付けてお
り、同臀部保護体52の背面には、左右側上部に臀部側把
持片65,65を取り付け、下端部に連結具取付片66を介し
て雌側連結具67を取り付けている。
【0049】ここで、雌側連結具67には、背負い側装着
体1に設けた背負い側下支え連結ベルト23の雄側連結具
24を嵌合してワンタッチにて連結することも、また、ワ
ンタッチにて連結解除することもできるようにしてい
る。
【0050】そして、背負い側下支え連結ベルト23は、
図5及び図6に示すように、端部23aを雄側連結具24か
ら離隔する方向、すなわち、上方へ引き上げることによ
り短縮調節することができるようにしている。
【0051】大腿部下側保護体53,53の正面には、面フ
ァスナー68,68を介して上記クッション体56,56を着脱自
在に取り付けており、同大腿部下側保護体53,53の背面
には、大腿部巻回ベルト体69,69の基端部を縫着して取
り付け、各大腿部巻回ベルト体69,69の内面の中途部と
先端部とにはそれぞれ面ファスナー70,70,71,71を張設
して、中途部の面ファスナー70,70に面ファスナー72,72
を介して大腿部上側保護体73,73を着脱自在に取り付け
ると共に、先端部の面ファスナー71,71を接続するため
の面ファスナー80,80を張設し、また、大腿部下側保護
体53,53の背面には、連結ベルト受け片74,74の基端部を
取り付け、各連結ベルト受け片74,74の先端部に雌側連
結具75,75を取り付けている。76は補助牽引用ワイヤ連
結リング片、77は連結金具、78は補助牽引用ワイヤであ
る。
【0052】次に、上記のように構成した背負い具Aの
使用方法を、図11を参照しながら説明する。
【0053】(1)図11(a)に示すように、背負わ
れる人M2に背負われ側装着体2を装着する。
【0054】この際、背負われ側装着体2の装着は、地
面Gに背負われ側装着体2を展開状態にて載置し、同背
負われ側装着体2上に背負われる人M2を横臥させる。
【0055】そして、同状態にて、腹部ベルト59を背負
われる人M2の腹部に掛け回して、先端部の雄側連結具60
を右側部のベルト受け片61の先端部に取り付けた雌側連
結具62に嵌合してワンタッチにて連結する。
【0056】続いて、大腿部下側保護体53,53を背負わ
れる人M2の大腿部の下側に当てると共に、大腿部巻回ベ
ルト体69,69を大腿部の上面側に掛け回して、同大腿部
巻回ベルト体69,69の中途部に取り付けた大腿部上側保
護体73,73を大腿部の上側に当て、かつ、大腿部巻回ベ
ルト体69,69の先端部に張設した面ファスナー71,71を大
腿部下側保護体53,53の背面に張設した面ファスナー80,
80に面接触させて接続する。
【0057】(2)図11(b)に示すように、背負わ
れる人M2を腰掛け台Bに腰掛けさせる。
【0058】(3)図11(b)に示すように、背負う
人M1は、背負い側装着体1を装着する。
【0059】この際、装着体本体3の背面上部に取り付
けた挿通・規制用リング形成体20の雄側連結具21と雌側
連結具22とを嵌合させてワンタッチにて連結してリング
状となし、また、左右一対の肩掛けベルト本体7,7の上
部に取り付けた挿通用リング形成体17,17の雄側連結具1
8,18と雌側連結具19,19とをそれぞれ嵌合させてワンタ
ッチにて連結してリングを形成しておく。
【0060】(4)図11(b)に示すように、背負う
人M1は、背負われる人M2の前に立ち、背負われ側装着体
2に基端部を取り付けた連結ベルト31,31の先端部を、
背負い側装着体1の上記挿通・規制用リング形成体20中
に挿通すると共に、各連結ベルト31,31をそれぞれ挿通
用リング形成体17,17中に挿通し、さらに、連結ベルト
挿通用リング片15,15中に挿通する。
【0061】(5)図11(c)に示すように、両連結
ベルト31,31をさらに引っ張り、各連結ベルト31,31を肩
掛けベルト越しに胸の前で交差させて、左側の連結ベル
ト31の先端部に取り付けた雄側連結具58を、右側の大腿
部を保護している大腿部下側保護体53の背面に取り付け
た連結ベルト受け片74の雌側連結具75に嵌合してワンタ
ッチにて連結すると共に、右側の連結ベルト31の先端部
に取り付けた雄側連結具58を、左側の大腿部を保護して
いる大腿部下側保護体53の背面に取り付けた連結ベルト
受け片74の雌側連結具75に嵌合してワンタッチにて連結
する。
【0062】(6)図2に示すように、背負い側装着体
1に設けた背負い側下支え連結ベルト23の雄側連結具24
を、背負われる人M2の股間を通して背負われ側装着体2
に設けた雌側連結具67に嵌合してワンタッチにて連結す
る。
【0063】(7)図11(c)に示すように、両連結
ベルト31,31の端部31a,31aを雄側連結具58から離隔する
方向、すなわち、前上方へ引いて、両連結ベルト31,31
を短縮調節する。
【0064】(8)背負い側下支え連結ベルト23の端部
23aを雄側連結具24から離隔する方向、すなわち、前上
方へ引き上げて、同背負い側下支え連結ベルト23を短縮
調節する。
【0065】(9)図1及び図11(d)に示すよう
に、背負われる人M2を背負われる人M1の背中側に引き寄
せて背負う。
【0066】この際、背負われる人M2の大腿部を背負う
人M1の腰部の左右側方に保持させて、背負われる人M2の
重心が背負う人M1の腰部に位置するようにする。
【0067】(10)図11(d)に示すように、左右
一対の他側連結片43b,43bの先端部に取り付けた雄側連
結具47,47を、肩掛けベルト本体7,7の上部に取り付けた
連結受け片49,49の雌側連結具50,50に嵌合させてワンタ
ッチにて連結する。
【0068】この際、左右一対の他側連結片43b,43b
は、図4に示すように、交差状となるように連結して、
頭部及び顔面側方保護体34の左右側端部を、背負われる
人M2の顔面の側方保護位置に保持する。
【0069】このようにして、背負う人M1は、背負われ
る人M2を楽に背負うことができる。
【0070】そして、搬送中に、小休止する際には、図
11(a)に示すように、背負われる人M2を背負われ側
装着体2を装着したまま地面に横臥させて休息させるこ
とができる。
【0071】この際、背負われ側装着体2には、通気性
のあるクッション体36,37,45,54,55,56を設けているた
め、背負われる人M2は地面上に横臥しているにもかかわ
らず、体に痛みや苦痛を感じることはない。
【0072】そして、各クッション体36,37,54,55,56
は、各保護体34,35,51,52,53に着脱自在として、洗濯、
メンテナンス、さらには、取り替え作業が容易に行える
ようにしている。
【0073】また、大腿部上側保護体73は、面ファスナ
ー70,72を介して大腿部巻回ベルト体69,69に着脱自在か
つ取付位置調節自在として、洗濯、メンテナンス、さら
には、取り替え作業が容易に行えるようにすると共に、
背負われる人M2の大腿部の太さに適合させて取付位置調
節することができるようにしている。
【0074】図12及び図13は、他の実施例としての
搬送形態を示しており、図12に示す搬送形態では、左
側の連結ベルト31の先端部に取り付けた雄側連結具58
を、右側の大腿部を保護している大腿部下側保護体53の
背面に取り付けた連結ベルト受け片74の雌側連結具75に
嵌合してワンタッチにて連結すると共に、右側の連結ベ
ルト31の先端部に取り付けた雄側連結具58を、左側の大
腿部を保護している大腿部下側保護体53の背面に取り付
けた連結ベルト受け片74の雌側連結具75に嵌合してワン
タッチにて連結した状態にて、かかる連結ベルト31,31
の中途部に担ぎ棒81を前後方向に挿通し、同担ぎ棒81の
前端部と後端部とを二人の搬送者M3,M3が担いで搬送す
るようにしている。
【0075】また、図13に示す搬送形態では、左右一
対の側部把持片44,44、臀部側把持片65,65、及び、補助
牽引用ワイヤ連結リング片76,76中に、左右一対の担ぎ
棒81,81を前後方向に挿通して、担架のようにして二人
の搬送者M3,M3により搬送するようにしている。
【0076】なお、上記した左右一対の側部把持片44,4
4、腰部側把持片63,63、臀部側把持片65,65、及び、補
助牽引用ワイヤ連結リング片76,76を複数の搬送者が把
持して搬送することもできる。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得ら
れる。
【0078】請求項1記載の本発明では、背負う人が
装着する背負い側装着体と、背負われる人が装着する背
負われ側装着体とからなり、背負い側装着体は、背負う
人の背中に当てる装着体本体と、同装着体本体の上部と
下部とにわたって連結した左右一対の肩掛けベルトとを
具備する一方、背負われ側装着体は、背負われる人の少
なくとも背中から大腿部の裏側にかけて当てる装着体本
体と、同装着体本体の左右側の中途部よりそれぞれ伸延
させた連結ベルトとを具備し、両連結ベルトは、それぞ
れ伸縮長さ調節自在となして、背負う人が装着した肩掛
けベルト越しに交差させて、左側の連結ベルトは右側の
大腿部を保護している装着体本体の下部に着脱自在に連
結すると共に、右側の連結ベルトは左側の大腿部を保護
している装着体本体の下部に着脱自在に連結して、背負
われる人の大腿部を背負う人の腰部の左右側方に保持さ
せることができるようにしている。
【0079】このようにして、背負う人は、背負い側装
着体を装着すると共に、背負われる人には背負われ側装
着体を装着して、背負われる人を、一旦、椅子等に腰を
掛けた状態にして、同状態にて背負う人が背負われる人
の前に立ち、背負われ側装着体の左右一対の連結ベルト
を胸の前で交差させて、左側の連結ベルトを右側の大腿
部を保護している装着体本体の下部に連結する一方、右
側の連結ベルトを左側の大腿部を保護している装着体本
体の下部に連結して、かかる連結状態にて両連結ベルト
を短縮調節することにより、背負われる人を背負う人の
背中側に引き寄せることができて、背負われる人を楽に
背負うことができる。
【0080】この際、背負われる人の大腿部を背負う人
の腰部の左右側方に保持させることにより、背負われる
人の重心を、背負う人の腰部の位置に確実に配置するこ
とができて、背負う人の肉体的負担や経時的疲労を軽減
することができると共に、背負われる人に圧迫感を与え
ない搬送姿勢を安定化させことができて、背負われる人
の疲労も軽減することができる。
【0081】請求項2記載の本発明では、背負い側装
着体が具備する左右一対の肩掛けベルトは、背負う人の
体型に応じて締め付け調節可能とする一方、背負われ側
装着体が具備する装着体本体は、本体上半部と本体下半
部とに接続・離脱自在に二分割形成すると共に、背負わ
れる人の体型に応じて本体上半部と本体下半部の接続位
置を上下方向に調節可能としている。
【0082】このようにして、背負う人が背負い側装着
体を装着すると共に、背負う人が自分の体型に応じて肩
掛けベルトを締め付け調節することにより、背負い側装
着体を自分の体型に合わせて適正に装着することができ
る。
【0083】そして、背負う人が複数いる場合には、あ
らかじめ背負う人がそれぞれ背負い側装着体を自分の体
型に合わせて適正に装着しておくことにより、速やかに
背負い作業を交代することができる。
【0084】また、背負われ側装着体が具備する装着体
本体は、本体上半部と本体下半部とに接続・離脱自在に
二分割形成すると共に、背負われる人の体型に応じて本
体上半部と本体下半部の接続位置を上下方向に調節可能
としているため、同装着体本体を適宜調節することによ
り、背負われる人の体の大きさに適合させることができ
て、同背負い具本体に設けた連結ベルトの位置も背負わ
れる人の体の大きさに応じて適正な位置に保持すること
ができる。
【0085】従って、背負われる人の重心位置を、前後
方向に偏らせることなく、背負う人の腰部の位置に確実
に配置することができて、この点からも、背負う人の肉
体的負担や疲労を軽減することができると共に、背負わ
れる人に圧迫感を与えない搬送姿勢を安定化させことが
できて、背負われる人の疲労も軽減することができる。
【0086】請求項3記載の本発明では、背負い側装
着体が具備する装着体本体に背負い側下支え連結ベルト
を設ける一方、背負われ側装着体が具備する装着体本体
に背負われ側下支え連結ベルトを設けて、同背負われ側
下支え連結ベルトを背負われる人の股間を通して背負い
側下支え連結ベルトに連結するようにしている。
【0087】このようにして、背負われる人を、背負い
側下支え連結ベルトに連結した背負われ側下支え連結ベ
ルトにより下支えしているため、背負われる人の重心位
置を、背負う人の腰部の位置に確実に保持することがで
きて、この点からも、背負う人の肉体的負担や疲労を軽
減することができると共に、背負われる人に圧迫感を与
えない搬送姿勢を安定化させことができて、背負われる
人の疲労も軽減することができる。
【0088】請求項4記載の本発明では、背負われ側
装着体が具備する装着体本体の内面には、通気性を有す
るクッション体を着脱自在に取り付けている。
【0089】このようにして、クッション体を介して通
気性を良好に確保して、背負われる人の搬送中の快適性
を良好に確保することができる。
【0090】しかも、背負われ側装着体にクッション体
を取り付けているため、背負われる人を多少凹凸のある
地面においても横臥させて小休止させることができ、背
負われる人が山岳救助等における負傷者である場合には
便利なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる背負い具の使用状態を示す側面
図。
【図2】同背負い具の使用状態を示す正面図。
【図3】同背負い具の使用状態を示す正面図。
【図4】背負われ側装着体の使用状態を示す正面図。
【図5】背負い側装着体の展開状態を示す正面図。
【図6】同背負い側装着体の展開状態を示す背面図。
【図7】背負われ側装着体の本体上半部の分解正面説明
図。
【図8】同背負われ側装着体の本体上半部の背面図。
【図9】背負われ側装着体の本体下半部の分解正面説明
図。
【図10】同背負われ側装着体の本体下半部の背面図。
【図11】背負い具の使用説明図。
【図12】背負い具の他の使用形態を示す説明図。
【図13】背負い具のもう一つの他の使用形態を示す説
明図。
【符号の説明】
A 背負い具 1 背負い側装着体 2 背負われ側装着体 3 装着体本体 4 肩掛けベルト 5 クッション体 6 取付片

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 背負う人が装着する背負い側装着体と、
    背負われる人が装着する背負われ側装着体とからなり、 背負い側装着体は、背負う人の背中に当てる装着体本体
    と、同装着体本体の上部と下部とにわたって連結した左
    右一対の肩掛けベルトとを具備する一方、 背負われ側装着体は、背負われる人の少なくとも背中か
    ら大腿部の裏側にかけて当てる装着体本体と、同装着体
    本体の左右側の中途部よりそれぞれ伸延させた連結ベル
    トとを具備し、 両連結ベルトは、それぞれ伸縮長さ調節自在となして、
    背負う人が装着した肩掛けベルト越しに交差させて、左
    側の連結ベルトは右側の大腿部を保護している装着体本
    体の下部に着脱自在に連結すると共に、右側の連結ベル
    トは左側の大腿部を保護している装着体本体の下部に着
    脱自在に連結して、背負われる人の大腿部を背負う人の
    腰部の左右側方に保持させることができるようにしたこ
    とを特徴とする背負い具。
  2. 【請求項2】 背負い側装着体が具備する左右一対の肩
    掛けベルトは、背負う人の体型に応じて締め付け調節可
    能とする一方、 背負われ側装着体が具備する装着体本体は、本体上半部
    と本体下半部とに接続・離脱自在に二分割形成すると共
    に、背負われる人の体型に応じて本体上半部と本体下半
    部の接続位置を上下方向に調節可能としたことを特徴と
    する請求項1記載の背負い具。
  3. 【請求項3】 背負い側装着体が具備する装着体本体に
    背負い側下支え連結ベルトを設ける一方、背負われ側装
    着体が具備する装着体本体に背負われ側下支え連結ベル
    トを設けて、同背負われ側下支え連結ベルトを背負われ
    る人の股間を通して背負い側下支え連結ベルトに連結す
    るようにしたことを特徴とする請求項2記載の背負い
    具。
  4. 【請求項4】 背負われ側装着体が具備する装着体本体
    の内面には、通気性を有するクッション体を着脱自在に
    取り付けたことを特徴とする請求項2〜3のいずれか1
    項に記載の背負い具。
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