JP2002360236A - 紙巻き煙草消火器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、点火中の吸い殻紙巻き煙草
の消火具に係り、特に灰皿容器と共に使用して好適する
紙巻き煙草用消火器具に関するものである。 【解決手段】 少なくとも下端部に注水開口部１３を有
する内部中空容器本体１０と、該容器本体１０の上端面
に開口を有し、且つ前記容器本体内部に垂下され、上下
方向に貫通する貫通穴１１を有する紙巻き煙草挿入用の
挿入筒１２を備えると共に、前記容器本体１０の下端部
に着脱可能に装着され、前記注水開口部１３を液密状態
に塞ぐ底蓋２０を装着した構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、点火中の吸い殻
紙巻き煙草の消火具に係り、特に灰皿容器と共に使用し
て好適する紙巻き煙草用消火器具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、室内における喫煙用具として使用
される灰皿は、縁部に点火中の吸い掛けの紙巻き煙草を
載置する凹部を形成した開口部の広い矩形または円形の
底浅の盆状容器が一般的であって、吸い殻煙草の消火に
おいては灰皿の底面に煙草の先端点火部を押し付けて揉
み消し、前記吸い殻として灰皿に放置するようにしてい
る。また、戸外または病院，駅等の公共建物の待ち合い
場所、喫煙ルーム等に設置される大形の吸い殻煙草回収
容器にあっては、容器に消火用の水を入れて、吸い殻煙
草が放置された場合に確実に水によって消火するように
している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記のよう
な灰皿では、煙草の点火部の消火時に喫煙者の指が灰に
よって汚れたり、火傷するなどの不具合があると共に、
吸い殻が多くなると消火が完全できずに燃え残った煙草
が燃焼され煙が発生して室内の空気を汚染する。また、
燃え残った煙草が火災等の原因に繋がる惧れがある。一
方、前記大形の吸い殻煙草回収容器における煙草の消火
方法にあっては、回収容器に放置された吸い殻煙草が、
容器中に装填された水によって直ちに消火されるが、次
第に吸い殻が水分を吸収し、煙草の有害な成分であるニ
コチン等が水中に溶解される結果、前記回収容器の清掃
に当っては、煙草の有害な成分を溶解した液体をそのま
ま廃棄するようになり、下水道の汚染につながり環境衛
生上好ましくなく、公害を防止するためには、廃棄水中
の有害成分を分離する必要がある等の問題点がある。

【０００４】本発明は、前述した問題点を解決すべくな
されたものであって、吸い殻煙草の点火を迅速に且つ確
実に消火して灰皿に放置できるようにすることで、煙害
を防止できると共に、大形の吸い殻煙草回収容器にあっ
ても消火用の消火水を不要とすることで、有害な成分を
溶融した廃棄水とすることのない紙巻き煙草消火器具を
提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、少な
くとも下端部に注水開口部を有する内部中空容器本体
と、該容器本体の上端面に開口を有し、且つ前記容器本
体内部に垂下され、上下方向に貫通する貫通穴を有する
紙巻き煙草挿入用の挿入筒を備えると共に、前記容器本
体の下端部に着脱可能に装着され、前記注水開口部を液
密状態に塞ぐ底蓋を装着したことを特徴する。

【０００６】請求項２の発明は、請求項1記載の紙巻き
煙草消火器具において、前記容器本体は、耐熱性を有す
る透明又は半透明性材料で成形すると共に、容器本体の
内面にダイヤカット模様を施したことを特徴とする。

【０００７】請求項３の発明は、請求項1又は２に記載
の紙巻き煙草消火器具において、前記挿入筒の貫通穴下
端に対応して、前記底蓋の内部表面に凹部を形成したこ
とを特徴とする。

【０００８】請求項４の発明は、請求項1〜３のいずれ
かに記載の紙巻き煙草消火器具において、 前記底蓋の
内部表面に形成した凹部に金属性の薄板を配設したこと
を特徴とする。

【０００９】請求項５の発明は、請求項1〜4のいずれか
に記載の紙巻き煙草消火器具において、 前記底蓋の外
周下部に所定高さの脚部を設けたことを特徴とする。

【００１０】請求項６の発明は、請求項1〜4のいずれか
に記載の紙巻き煙草消火器具において、 前記底蓋の底
部外面に凹所を形成し、該凹所にマグネットを装着した
ことを形成したことを特徴とする。

【００１１】請求項７の発明は、請求項1〜４のいずれ
かに記載の紙巻き煙草消火器具において、前記容器本体
の外方前面側に段差部を形成すると共に、前記段差部に
前記紙巻き煙草挿入用の挿入筒を設け、且つ外方裏面側
に取付金具を装着したことを特徴とする。

【００１２】請求項８の発明は、請求項1〜3のいずれか
に記載の紙巻き煙草消火器具において、前記容器本体を
中央部に開口を有する円形，矩形，多角形の下端注入開
口部を有する環状に形成し、前記紙巻き煙草挿入用の挿
入筒を所定間隔をもって複数配設すると共に、容器本体
の下端注水開口部には内周面及び外周面に配設されたシ
ール部材を介して環状の底蓋を装着し、さらに前記底板
の外周下端部には消火後の吸い殻を収容する収容部を形
成したことを特徴とする。

【００１３】

【発明の実施の形態】図１は、この発明に係る紙巻き煙
草消火器具の第１実施形態の正面図を示すものであり、
本発明は、上端面に内部側に延びる貫通穴１１を有する
紙巻き煙草挿入用の挿入筒１２を備え、下端が開口され
た注水開口部１３となる中空の容器本体１０と、前記容
器本体１０の注水開口部１３を下面側からシール部材1
４を介して塞ぐ底蓋２０とから構成され、前記容器本体
１０内には水Ｗを装填するようにしたものである。

【００１４】前記容器本体１０は、透明又は半透明で且
つ耐熱性を有するＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレー
ト）樹脂，ＰＳ（ポリエチレン）樹脂，ＰＣ（ポリカボ
ネート）樹脂材料などでドーム形状に成形されたもの
で、内面にはダイヤカット模様１５を施し、上端面１０
ａには前記容器本体１０内部側に延びる貫通穴１１を有
する紙巻き煙草挿入用の挿入筒１２を備えたものであ
る。

【００１５】前記挿入筒１２は、容器本体１０の略中央
部分に一体形成され、上端開口部は緩やかに外方に向け
て広角した湾曲部１２ａを有し、且つ下端開口縁部は僅
かに内方に絞った小径部１２ｂが形成されている。前記
容器本体１０の下端は注入開口部１３が形成され、開口
縁部外周面１３ａに形成した小径段差部１３ｂには、側
周壁２１を有する底蓋２０が、ゴム等の弾性部材からな
るリング状のシール部材１４を介して液密状態に着脱可
能に装着されている。

【００１６】前記底蓋２０は、金属性或いはプラスチッ
ク性材料、好ましくは前記容器本体１０と同様の耐熱性
を有する透明又は半透明材料で成形されている。また、
前記底蓋２０は、底部内面中央部、すなわち前記挿入筒
１２の下端開口に対応させて、凹部２２が形成されると
共に、外面にも凹部２３が形成されている。さらに、底
蓋２０の底部外周縁には脚部２４が形成されている。前
記挿入筒１２の下端開口端部位置は、前記底蓋２０の内
部底面と一致させた状態となっている。１００は従来の
灰皿を示す。

【００１７】なお、変形例として、前記底蓋２０の底部
内面中央部に形成した凹部２２には、仮想線で示すよう
な金属性薄板２５を配設することで、底蓋２０が煙草の
火により熱変形することが防止できる。

【００１８】また、更なる変形例としては、前記底蓋２
０に形成した脚部２４を省略してもよく、前記底蓋２０
の底部外面に形成した凹部２３にマグネット２６を装着
することで、片面接着層を有する鉄板（図示しない）等
を介して所望の箇所に固定できる。以上のように構成さ
れた本発明の紙巻き煙草消火器具の使用方法について以
下に説明する。

【００１９】まず、前記容器本体１０を反転させて、前
記容器本体１０の下端の注入開口部１３に装着した底蓋
２０を取り外し、容器本体１０内部に水Ｗを注入する。
しかる後、前記取り外した底蓋２０をシール部材１４を
介して前記容器本体１０の下端注入開口部１３に装着し
て、容器本体１０を反転させる。なお、再度の反転時に
容器本体１０の挿入筒１２の貫通穴１１を通して僅かに
水がこぼれるが、反転設置した状態では容器本体１０の
内部空間に装填された水Ｗの上面にはトリチュリの真空
ができ、大気圧が作用せず、大気圧は挿入筒１２の下端
開口面に位置する水面にのみ作用し、装填水の水面は、
図2に示すように水表面張力が働き挿入筒１２の下端部
分のみに僅かに盛り上がる程度の位置になる。

【００２０】したがって、紙巻き煙草の点火部分を下方
にして、図２の仮想線で示す状態にして紙巻き煙草挿入
用の挿入筒１２に挿入し点火部分を盛り上がり水面に接
触させると水分が一瞬にして点火部分に吸引されて消火
される。前記消火された状態の吸い殻煙草は、前記挿入
筒12より抜き出し吸い殻容器或いは別備えの灰皿に放置
する。なお、長期の使用により容器本体内の装填水が無
くなった場合は、前記手順にしたがって、再度水Ｗの注
入を行って、使用に供する。

【００２１】図３は本発明の紙巻き煙草消火器具の第２
実施形態を示す斜視図である。この実施形態において
は、前記容器本体３０の外方前面側に段差部３１を形成
すると共に、前記段差部３１に前記第1実施形態と同様
に紙煙き草挿入用の挿入筒３２を設け、且つ外方裏面側
３３に取付金具３４を装着できるようにしたもので、前
記容器本体３０の下端注水開口部をシール部材（図示せ
ず）を介して着脱可能に底蓋４０を装着するようにした
ものである。

【００２２】この第２実施形態の紙巻き煙草消火器具に
よれば、自動車の内装パネル、特に灰皿が設置された内
装パネルに取り付けて使用することで、吸い殻煙草の点
火を確実に消火した後で、灰皿内に放置できるので、燃
え残りの吸い殻から煙害などの悪臭が防止できる。

【００２３】図４，図５は本発明の紙巻き煙草消火器具
の第３実施形態を示す平面図、及びＡ―Ａ線縦断面図で
ある。第３実施形態は、前述の紙巻き煙草消火器具と吸
い殻入れ容器とを組合わせたもので、大勢の喫煙者が使
用できるようにした大形の紙巻き煙草消火器具を構成し
たものである。

【００２４】この実施形態によれば、容器本体５０を中
央部に開口５１を有する円形状の環状に形成し、容器本
体５０の下端には注水開口部５２を有する。そして、容
器本体５０の内部空間には所定間隔をもって紙巻き煙草
挿入用の挿入筒５３を複数配設すると共に、容器本体５
０の下端注水開口部５２近傍の内周面５２ａ及び外周面
５２ｂに配設されたシール部材６０ａ，６０ｂを介して
容器本体５０同様の開口７１を有する環状の底蓋７０を
液密状態に装着し、さらに前記底蓋７０の底板７２の外
周壁下端部には消火後の吸い殻を収容する収容部８０を
形成したものであり、容器本体５０内への水Ｗ注入に関
しては前述の実施形態と同様である。

【００２５】なお、上記以外の構成は前述の実施形態と
同様なので同一符号を付して説明を省略する。なお、前
記第３実施形態では容器本体５０を中央部に開口５１を
有する円形状の環状に形成したものについて説明した
が、これに限定されることなく、中央部に開口を有する
三角形状，矩形状，５角状形，６角形状，８角形状とす
ることも勿論可能であり、さらにはＣ字状，Ｌ字状の非
環状とすることも勿論可能である。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の請求項１
の紙巻き煙草消火器具は、少なくとも下端部に注水開口
部を有する内部中空容器本体と、該容器本体の上端面に
開口を有し、且つ前記容器本体内部に垂下され、上下方
向に貫通する貫通穴を有する紙巻き煙草挿入用の挿入筒
を備えると共に、前記容器本体の下端部に装着され、前
記注水開口部を液密状態に塞ぐ底蓋を装着した構成とし
たので、吸い殻の点火を迅速に且つ確実に消火して灰皿
に放置することで、煙害を防止できると共に、煙草の点
火部の消火時に喫煙者の指が灰によって汚れたり、火傷
するなどの不具合を防止でき、吸い殻が多くなることに
より消火が完全できずに燃え残った煙草が燃焼され煙が
発生して室内の空気を汚染したり、燃え残った煙草が火
災等の原因に繋がる惧れもない。

【００２７】さらに、大形の灰皿回収容器にあっても消
火用の装填水を不要とすることで、有害な成分を溶融し
た廃棄水とすることのない環境にやさしい清潔な排水と
することができる。

【００２８】請求項２の発明によれば、容器本体を耐熱
性を有する透明又は半透明材料で成形し、且つ容器本体
の内面にはダイヤカット模様の加工を施した構成とした
ので、容器の外面より内部に収容された水位の確認が極
めて容易にできると共に、容器本体の外観意匠を向上で
きる。

【００２９】請求項３の発明によれば、底蓋の内部表面
に凹部を形成したので、容器本体に収容した水が少なく
なった場合にも消火に寄与できる。

【００３０】請求項４の発明によれば、底蓋の内部表面
に形成した凹部に薄板状の金属板を配設したので、煙草
の消火時に強く挿入筒内に差し込んでも、底蓋が熱によ
り変形することが防止できる。

【００３１】請求項５の発明によれば、底蓋の下方に脚
部を設けた構成としたので、紙巻き煙草消火器具を従来
の灰皿の中に設置した場合においても、脚部によってで
きる隙間に、吸い殻を放置できるので、灰皿の有効面積
を狭めることがない。

【００３２】請求項６の発明によれば、底蓋の外底面部
にマグネットを配設したので、設置時に確実に固定でき
る。

【００３３】請求項７の発明によれば、容器本体に取付
金具を設けた構成としたので、携帯に便利であると共
に、特に自動車等の内装パネルに取付けた灰皿の近傍に
取付けることが容易にできる。

【００３４】請求項８の発明によれば、容器本体に挿入
筒を複数設け、底蓋の下方に吸い殻収容部を形成した構
成としたので、大勢の喫煙者が同時に利用でき、駅，病
院等の喫煙ルーム，待ち合室などに好適し、吸い殻の清
掃も簡単に行うことができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の紙巻き煙草消火器具の第１実施形態を
示す全体の正面図。

【図２】図１の紙巻き煙草消火器具の縦断図。

【図３】本発明の紙巻き煙草消火器具の第２施形態を示
す全体の斜視図。

【図４】本発明の紙巻き煙草消火器具の第３実施形態を
示す平面図。

【図５】図４のＡ―Ａ線縦断面図。

【符号の説明】

１０，３０，５０ 容器本体 １１ 貫通穴 １２，５３ 挿入筒 １３，５２ 注入開口部 １４ シール部材 １５ ダイヤカット模様 ２０，４０，７０ 底蓋 ２１ 側壁 ２２ 凹部 ２４ 脚部 ２５ 金属性の薄板 ２６ マグネット ５１ 開口

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも下端部に注水開口部を有する
   内部中空容器本体と、該容器本体の上端面に開口を有
   し、且つ前記容器本体内部に垂下され、上下方向に貫通
   する貫通穴を有する紙巻き煙草挿入用の挿入筒を備える
   と共に、前記容器本体の下端部に着脱可能に装着され、
   前記注水開口部を液密状態に塞ぐ底蓋を装着したことを
   特徴する紙巻き煙草消火器具。
2. 【請求項２】 前記容器本体は、耐熱性を有する透明又
   は半透明性材料で成形すると共に、容器本体の内面にダ
   イヤカット模様を施したことを特徴とする請求項1記載
   の紙巻き煙草消火器具。
3. 【請求項３】 前記挿入筒の貫通穴下端に対応して、前
   記底蓋の内部表面に凹部を形成したことを特徴とする請
   求項1又は2記載の紙巻き煙草消火器具。
4. 【請求項４】 前記底蓋の内部表面に形成した凹部に金
   属性の薄板を配設したことを特徴とする請求項１〜３の
   いずれかに記載の紙巻き煙草消火器具。
5. 【請求項５】 前記底蓋の外周下部に所定高さの脚部を
   設けたことを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載
   の紙巻き煙草消火器具。
6. 【請求項６】 前記底蓋の底部外面に凹所を形成し、該
   凹所にマグネットを装着したことを形成したことを特徴
   とする請求項１〜４のいずれかに記載の紙巻き煙草消火
   器具。
7. 【請求項７】 前記容器本体の外方前面側に段差部を形
   成すると共に、前記段差部に前記紙巻き煙草挿入用の挿
   入筒を設け、且つ外方裏面側に取付金具を装着したこと
   を特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載の紙巻き煙
   草消火器具。
8. 【請求項８】 前記容器本体を中央部に開口を有する円
   形，矩形，多角形の下端注水開口部を有する環状に形成
   し、前記紙巻き煙草挿入用の挿入筒を所定間隔をもって
   複数配設すると共に、容器本体の下端注水開口部には内
   周面及び外周面に配設されたシール部材を介して環状形
   状に一致させた形状の底蓋を装着し、さらに前記底蓋の
   外周下端部には消火後の吸い殻を収容する収容部を形成
   したことを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載の
   紙巻き煙草消火器具。