JP2002359985A - 振動体および振動波駆動装置 - Google Patents

振動体および振動波駆動装置

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JP2002359985A
JP2002359985A JP2001162990A JP2001162990A JP2002359985A JP 2002359985 A JP2002359985 A JP 2002359985A JP 2001162990 A JP2001162990 A JP 2001162990A JP 2001162990 A JP2001162990 A JP 2001162990A JP 2002359985 A JP2002359985 A JP 2002359985A
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JP2001162990A
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Atsushi Tamai
淳 玉井
Akira Kitajima
暁 北島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧電素子と弾性体との密着性を高めて、高効率
の振動体を提供する。 【解決手段】圧電素子2を一対の弾性部材1で挟持し、
一対の弾性部材1の内径部に中空ボルト6をねじ込むこ
とによりこれらを一体化した振動体において、弾性部材
1を摩擦駆動部1aと、くびれ部1bと、挟持部1cと
により構成し、挟持部1cの有する軸方向の肉厚が、径
方向において外周側が薄く、且つ内周側を厚くするよう
にくびれ部1bを形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は振動波駆動装置およ
びその振動体に係り、特に棒状振動体に設けられた電気
−機械エネルギー変換素子に電気エネルギーを供給する
ことにより、前記棒状振動体の摩擦部に円又は楕円運動
を発生させ、該摩擦部に圧接した移動体を移動させる振
動波駆動装置の振動体を構成する弾性部材の形状に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、振動波モータ等の振動波駆動装
置は、駆動振動が形成される振動体を基本的構成として
有し、前記振動体と前記振動体に加圧接触する移動体と
を前記駆動振動により相対的に移動させるようにしたも
のである。
【0003】そして、前記振動体は、一般に、弾性体
と、電気−機械エネルギー変換素子としての圧電素子と
により構成され、例えば空間的に互いに90°の位相差
を持つ駆動相を有する圧電素子を配置し、この位相差を
持つ駆動相に互いに90°の位相差を持つ2相の交番信
号を印加することによって弾性体上に駆動振動を発生さ
せ、これに前記移動体を圧接して摩擦力により移動体を
移動させるようにしている。
【0004】なお、振動体と移動体との接触部には適切
な摩擦力を得るための摩擦材が接着、塗布、または形成
される。
【0005】一方、振動波駆動装置の振動体としてリン
グ状のもの、棒状のもの等があり、棒状振動体を有する
振動波駆動装置としての振動波モータがいくつか知られ
ている。例えば、図6に示すように、特開平5−211
785号公報に開示されている振動波モータは、以下の
ように構成されている。
【0006】振動体101は、複数の圧電素子108と
電極板109を挟持する101a〜101cの各部位か
ら構成される第1の弾性体と第2の弾性体101dとを
ボルト110により締結して構成されており、また第2
の弾性体101dとボルト110とを電気的に絶縁する
ために、絶縁シート111が介装されている。
【0007】移動体(ロータ)102は、円環形状のロ
ータ本環120から下方にバネ性を有する構造の接触部
121が一体的に形成され、この接触部121が振動体
101の摺動部に当接する。
【0008】106は加圧バネで、バネケース104を
介してロータ102に加圧力を付与する。103は外周
部に歯車部が形成されたギアで、ベアリング107によ
り支承されると共に、バネケース104と係合し、ロー
タ102と共に回転する。105はボルト110の先端
部に軸方向にのみ移動可能に取付けられたフランジで、
ベアリング7を固定しており、ギア103と共に軸方向
上方へ移動すると、ギア103とバネケース104との
係合を解除することができる。
【0009】そして、第1の弾性体には、圧電素子によ
って励振される駆動振動の振動変位を拡大するためのく
びれ部101bが形成されている。
【0010】又、他の例として、特開平6−32727
0公報に開示されているモータは図7のように構成され
ている。
【0011】203は振動体の中心軸部をなす金属性の
ピン部材で、軸となるピン本体203aの一端部には駆
動用等の、例えばPZTで構成される電気−機械エネル
ギー変換素子としての圧電素子板208a〜208eを
挟持するためのフランジ部203bが一体的に形成さ
れ、またピン本体203aにはネジ部203c,203
dが形成されている。
【0012】圧電素子板208a〜208eは中空円形
状に形成され、互いに同位相に配置される圧電素子20
8aと208bは駆動用のA相圧電素子をなし、同様に
配置される圧電素子208cと208dはB相圧電素子
をなし、圧電素子板208eはセンサ用として用いら
れ、その歪に応じた起電圧を検出信号として発生する。
A相圧電素子とB相圧電素子とは互いに90°の位相差
を有している。また、各圧電素子208a〜208eは
中心線を挟んで厚み方向に(+)(−)に分極されてい
る。
【0013】202はピン部材203のネジ部203c
に螺合する第1の振動弾性体で、ピン部材のフランジ部
203bとの間に不図示の電極板を介装して積層配置さ
れた圧電素子208a〜208eを挟持固定する。
【0014】201はピン部材203のネジ部203d
に螺合する先端質量部材である第2の振動弾性体で、内
周上端部にのみ該ネジ部203dに螺合するネジ部20
1aが形成され、該ネジ部201aの下部には円周状の
溝部201bが形成され、この溝部201bとピン部材
203の外周面との間に空間部分209bが形成され
る。
【0015】第2の振動弾性体201と第1の振動弾性
体202とは、図7に示す所定位置に固定された状態に
おいて、振動弾性体の径方向にピン部材203が露出す
る隙間209aが形成され、第2の振動弾性体201の
独立性が維持されている。
【0016】第2の振動弾性体201は、ピン部材20
3に対して一部分のみで支持されているため、振動体の
見掛け上の軸方向における長さを短くしても、空間部分
209bの軸方向の長さ部分だけ共振周波数に影響を与
える振動体の長さが長くなる。このため、振動体の寸法
を小さくしても、固有振動数を低くすることができるこ
とになる。
【0017】なお、204は支持ピンで、ピン部材20
3に駆動振動の節位置で圧入されている。
【0018】ここで、A相、B相圧電素子に位相の差を
有する駆動信号が不図示の駆動回路より印加されると、
振動体には空間的位相差を持った振動が生じ、かつ時間
的にも所定の位相差をもった振動が生じるので、これら
の振動が合成されることにより弾性体の表面には移動体
を移動させる駆動振動が励振される。なお、この原理に
ついては公知であるのでその詳細は省略する。そして、
第2の振動弾性体201とピン部材203の間に円筒系
の空間部分209bが存在する為、全体のスラスト方向
の長さを伸す事なく、駆動に利用するモードの共振周波
数を著しく低くする事が出来るものである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】棒状振動波モータの様
に、電気−機械エネルギー変換素子を弾性部材の間に挟
持固定する方式の振動体を用いるものでは、電気−機械
エネルギー変換素子の変位は微小なので、該挟持部分と
の密着が確実でないと、変位が弾性部材に伝達されず、
効率の低いモータになってしまう。この現象は特に前記
変位が大きい程顕著になる。
【0020】棒状振動波モータの小型化を図るために振
動体の全長を短くするには、前記挟持部分の肉厚を薄く
せざるをえないのだが、棒状振動体では、弾性部材の中
心付近をボルト等で引っ張り、電気−機械エネルギー変
換素子に圧接させようとしているので、前記挟持部分が
薄いと、挟持面の中心付近だけが強く電気−機械エネル
ギー変換素子に密着することになり、外周部は密着が不
確実になる。
【0021】以上の現象は、ねじれと縦の振動を合成し
て摩擦部に円又は楕円運動を生じる振動体でも起こる
が、特に複数の曲げ振動を合成する振動体では、曲げ変
形の凸側でなおさら挟持面の外周付近での密着が不確実
になりやすい。
【0022】そこで、振動体の全長を短くしつつも電気
−機械エネルギー変換素子と弾性体との密着性を高め
て、高効率の振動体を得ることが第1の課題である。
【0023】ところで、この種のモータで出力の限界を
決めている要素は、モータの発熱である。なぜなら、温
度が高くなると電気−機械エネルギー変換素子が非可逆
性劣化を生じ、その後モータ性能が低下してしまうから
である。
【0024】又、発熱はモータのその他の構成部品やモ
ータの周辺にある電気部品や樹脂性部品などへも悪影響
を及ぼす。そのためモータの温度は、ある値より常に低
くなっていなければならない。発生する熱量はモータ出
力以外の無駄になったエネルギーの大きさに依存してい
る。モータ形状に大きな差異もないので、放熱しやすさ
も同等と考えられる。よって、単位時間当り無駄になる
エネルギーが小さい程良い。つまり、効率の高いモータ
が望ましい。
【0025】この種の振動波モータの効率を低下させて
いる原因は、主に摩擦摺動損失と振動体の内部損失であ
る。
【0026】上記した第1の課題に対策を施して振動体
の内部損失を低減させた後はモータの全損失のうち摩擦
摺動損失の割合が大きくなる。そのため、摩擦摺動損失
を低減する手段を講じると振動波モータ全体の効率は著
しく高くなる。
【0027】ここで、振動体の振動数(=共振周波数)
が高くて1回当りの振動変位が小さいよりも、振動数は
低くても1回当りの振動変位を大きくした方が全体の効
率は高くなる。なぜなら、この振動変位は通常数ミクロ
ンと小さく、一方のその振動変位を摩擦力でロータに伝
達する摩擦摺動面の平面度もその変位に比べて無視出来
る程小さくはないからである。
【0028】この平面度を著しく向上させることは実用
的な加工の上で困難なので、振動数が低くても振動変位
を大きくして平面のゆがみの悪影響が生じないようにし
た方がモータ効率上有利である。
【0029】つまり、モータの小型化を図るために振動
体の全長を短くした場合であっても、振動変位が大きく
なるように振動体の共振周波数を低く抑えることが第2
の課題である。
【0030】このように、本出願に係る発明の目的は、
上記した課題を解決し、振動波モータ等の振動波駆動装
置の小型化を図ることにある。具体的には棒状振動体の
全長を短くすることを目的とするものである。
【0031】
【課題を解決するための手段】本出願に係る発明の目的
を達成するために、前記振巾拡大部材としての弾性部材
の形状に次の様な特徴がある。
【0032】まず、第1の課題に応えるために、弾性部
材のうち挟持部の部材の厚さにおいて、外周部より内周
部の方が軸方向における厚さにおいて厚くしており、こ
れにより、弾性部材の中心付近の肉厚が厚くなるので、
ネジ部材としてのボルトで挟持しても中心付近に加わる
応力が低減して、電気−機械エネルギー変換素子への圧
接力は、その中心部付近が特に大きくなることもない。
【0033】すなわち、挟持部の外周部での密着が保た
れる。また、弾性部材にネジ山を設ける構造であれば、
ネジのかみ合いを長く出来るため、挟持力も大きくし
て、より確実な密着にすることが出来る。
【0034】ところで、通常くびれ部の内径にはネジ部
を設けない。なぜなら、くびれ部の変形は大きく、そこ
にネジのかみ合い部を設けると、おネジとめネジの摩擦
により損失が大きくなるからである。そのため、従来は
振巾拡大部材としての弾性部材が短いと、前記ネジのか
み合いは長く出来なかった。
【0035】さらに第2の課題に応えるために、弾性部
材の摩擦駆動部の部材の厚さにおいて、内周側より外周
側の方が軸方向における厚さが厚くしている。これによ
り、摩擦駆動部の部材は外周ほどその軸心方向の厚さが
厚いので、該部材の質量を大きく出来る上、慣性質量
(一定質量の場合、曲げやねじりの中心軸から離れたと
ころに質量が存在していた方が大きい)も大きいので、
振動体の共振周波数を低下させることが出来る。
【0036】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1は第1
の実施の形態の振動体を用いた棒状振動波モータ全体の
断面図である。図2は図1の振動体を示している。
【0037】本実施の形態の棒状振動波モータは、棒状
の振動体の両端部を夫々駆動部として2つのロータ5を
駆動するタイプのものである。
【0038】振動体は、振動拡大部材である一対の中空
に形成された弾性体1の間に電気−機械エネルギー変換
素子である例えば積層型の圧電素子2が配置され、該圧
電素子2の一端側に電力を供給するためのフレキシブル
プリント基板12が配置され、また反対側に振動体をケ
ースに支持させる支持部材3を配置している。
【0039】一対の弾性体1は、振動変位を拡大するた
めのくびれ部1bを有しており、このくびれ部を挟んで
駆動部側を摩擦部1a、圧電素子側を挟持部1cとす
る。
【0040】そして、両方の弾性体1の内径部に中空ボ
ルト6をねじ込み、圧電素子2,支持部材3,フレキシブ
ルプリント基板12を図のように挟み込んで両側から一
対の弾性体1で挟持固定し、振動体を構成している。な
お、摩擦部1aから挟持部1cまでは一体的に形成され
ているので、挟持部1cの内径に中空ボルトが配置され
れば足り、摩擦部1aにまで中空ボルトが係る必要はな
い。
【0041】中空ボルト6の内径部には軸受け6aが圧
入されており、貫通する出力軸10に対して棒状振動体
の位置決めをしている。棒状振動体の駆動部をなす両端
面にはリング状の摩擦部材4がエポキシ接着材にて外径
部に接合されている。
【0042】摩擦部材4の材料には、炭化チタンや窒化
チタンが含有されているアルミナセラミックを用いてい
るが、これに代えて熱処理によりマルテンサイト相を祈
出させ、硬化させたステンレス鋼を用いても良い。又、
該摩擦部材4と弾性体1との固定はエポキシ接着材の代
わりにろう付けをすると、耐熱性が向上する。
【0043】しかし、熱膨張率の差が大きすぎると、高
温又は低温時に、前記接合部がはく離するおそれがあ
る。
【0044】そこで、前記摩擦材料にアルミナ系セラミ
ックを用いた時は、マルテンサイト系ステンレス鋼やフ
ェライト系ステンレス鋼を振巾拡大部材である弾性体1
の材料として使えば、前記セラミックとの熱膨張係数差
が小さくて望ましい。
【0045】又、前記リング状摩擦部材4の材料として
マルテンサイト系ステンレス鋼や祈出硬化型ステンレス
鋼を用いる場合、摩擦部1a、くびれ部1b及び挟持部
1cを含めて振動拡大部材全体を前記ステンレス鋼で作
製することが望ましい。この場合、前記した接合部が不
要なため信頼性向上とコスト低減が計れる。さらにネジ
部の強度向上でネジ長の短い振巾拡大部材が可能にな
る。
【0046】上記した構成の振動体において、前記圧電
素子2に加えた交流電圧により、該振動体は曲げ振動が
励振され両端部に首ふり運動を生じる。該首振り運動に
より、両端部の摩擦部材の表面には円又は楕円運動を発
生する。
【0047】一方、ロータ5にはプレス加工により作製
されたステンレス鋼製段付きパイプ状摩擦部材5aが、
接着材、ろう付けあるいは溶接により接合されている。
【0048】段付きパイプ状摩擦部材5aの端面は内径
部に配置した加圧バネ11により、前記セラミック製摩
擦部材4の表面に圧接されている。前記ロータ5の回転
力は、ロータ5と係合してロータ5と一体に回転する回
り止め部材7を介して出力軸10に伝えられる。
【0049】前記加圧バネ11による反力は軸方向両側
に配置した2つのE型止めリング8で受けている。該E
型止めリング8と出力軸10及び回り止め部材7は接着
材にて接合されているため、ロータ5の回転力は確実に
出力軸10に伝達される。出力軸10はケースの軸方向
両端部にそれぞれ設けた軸受け9に支持されている。
【0050】前記ケースは、ケース部13,14に分離
されていて、振動全体を支持する支持部材3をはさみ込
んで固定している。
【0051】本実施の形態において、振巾拡大部材であ
る弾性体1は、機能上3つの部分にわけられる。すなわ
ち、上述のように、摩擦部1a、くびれ部1b及び挟持
部1cである。くびれ部1bは上述したように摩擦部1
aの振動変位を拡大する効果があり、くびれ部1bの形
状、直径を調整することで、所望の振動変位が得られ
る。
【0052】本実施の形態において、弾性体1の内径の
ネジ部はくびれ部の内径部分には設けていない。これ
は、くびれ部1bが弾性体1のうちで変形が最も大きい
所なので、ネジ山がくびれ部1bの内径にかかると、お
ネジとめネジの接合面で摩擦熱を生じ、電気一機械エネ
ルギー変換効率の低い振動体になってしまうからであ
る。
【0053】又、くびれ部1bの形状を空間部が略三角
形の断面形状に形成しているため、切削加工でくびれ部
1bを形成するのも容易である。くびれ部1bによって
出来る前記空間部が余り狭いと切削バイトの破損が発生
しやすいので、本実施の形態では狭持部1cは三角錐の
形状としている。勿論、三角錐の斜面部は指数関数をは
じめ多次元曲線の形状をしたものに代えてもよい。
【0054】この狭持部1cを軸方向の厚さで考える
と、外周部が薄く、内径部に向かうに従って軸方向にお
ける厚さが滑らかに厚くなっている。つまり、挟持部1
cの端面外径端における軸方向の厚さが最も薄く、内径
端部の軸方向の厚さが厚くなっている。内径部が厚いた
め、中空ボルト6により狭持しても、狭持部1cの内径
側が弾性変形又は塑性変形で圧電素子側に引き込まれる
ことも少なく、圧電素子2への圧接力が内径側で大きく
なることもない。
【0055】すなわち、弾性体1がその挟持部1cにお
ける外周側での密着力が不確実になって、圧電素子2の
微小変位が振巾拡大部材としての弾性体1の全体に伝達
されにくくなることもない。
【0056】更に、狭持部1cの内径側の軸方向におけ
る厚みが厚いので、前述した様にくびれ部1bの内径に
ネジ山を設けないという条件でも、ネジ長さを長くとれ
る。よって、狭持力そのものを大きく出来るため、圧電
素子2と振巾拡大部材としての弾性体1の密着が確実に
なる。
【0057】(第2の実施の形態)図3は第2の実施の
形態を示す。
【0058】第1の実施の形態と比較すると、振巾拡大
部材としての弾性体1の摩擦部1aの外形を大きくして
いる。摩擦部1aを大きくしたことで、発生トルクが大
きくなる。高価な圧電素子2は小径なので、振動体全体
の製造コストを低く抑えることができる。
【0059】又、振動体の全長を長くせずに、共振周波
数は下げられるので、前述した様に摩擦摺動損失を低減
出来、モータの効率が向上する。
【0060】(第3の実施の形態)図4は第3の実施の
形態を示す。
【0061】本実施の形態が第2の実施の形態と異なる
点は、摩擦部1aの形状である。図でわかる様に、狭持
部1cの軸心方向の厚さにおいて、外周部分が薄く、内
周側で厚くなっているので、摩擦部1aにおいては反対
に、その軸心方向の厚さにおいて、外周部が厚く、内周
側が薄い形状に出来る。
【0062】又、くびれ部1bも切削可能な形状のまま
とすることが出来る。以上の様に、摩擦部1aの外周部
で質量が集中しているので、振動体の共振周波数は容易
に下げられる。また、挟持部1cの内径部の端部側に逃
げ部(ネジ山の存在しない部分)15を設けることで、
狭持部1cの内径側が特に強く圧接するのをさけてい
る。
【0063】(第4の実施の形態)図5は第4の実施の
形態を示す。
【0064】本実施の形態において、狭持部1cと摩擦
部1aは別部材になっており、摩擦部1aの内径にネジ
山を設けて、狭持部1cを圧電素子2と同時に狭持固定
している。前記狭持部1cと摩擦部1aを別部材にする
ことで、くびれ部1bによって出来る空間部1dは切削
不可能な程狭い空間に出来る。
【0065】摩擦部1aの振動変位は通常数ミクロン程
度なので、振動体が振動することによっても、前記空間
部がせばめられて、前記摩擦部と狭持部が互いに接触す
る危険はほとんどない。振動体の全長を短くするために
は、前記空間部は製作可能であれば狭い程望ましい。
【0066】なお、上記した各実施の形態は、いずれも
振動体の軸方向両側に駆動振動を形成するようにしてい
るが、従来例のように振動体の片側のみに駆動振動を形
成するタイプのものであっても良い。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
気−機械エネルギー変換素子を1又は複数の弾性部材の
間にはさみ、ボルト等のネジ部材により狭持固定し、外
部より交流電圧である高周波電力を入力することで、摩
擦部に円又は楕円運動を発生する振動体の弾性部材のう
ち挟持部の部材の厚さにおいて、外周部より内周部の方
が軸方向における厚さにおいて厚くしたので、弾性部材
の中心付近の肉厚が厚くなり、ネジ部材としてのボルト
で挟持しても中心付近に加わる応力が低減して、電気−
機械エネルギー変換素子への圧接力は、その中心部付近
が特に大きくなることもない。
【0068】すなわち、挟持部の外周部での密着が保た
れる。また、弾性部材にネジ山を設ける構造であれば、
ネジのかみ合いを長く出来るため、挟持力も大きくし
て、より確実な密着にすることが出来る。
【0069】また、くびれ部の内径にはネジ部を設けな
い。なぜなら、くびれ部の変形は大きく、そこにネジの
かみ合い部を設けると、おネジとめネジの摩擦により損
失が大きくなるからである。そのため、従来は振巾拡大
部材としての弾性部材が短いと、前記ネジのかみ合いは
長く出来なかった。
【0070】さらに、弾性部材の摩擦駆動部の部材の厚
さにおいて、内周側より外周側の方が軸方向における厚
さが厚くしているので、摩擦駆動部の部材は外周ほどそ
の軸心方向の厚さが厚くなり、該部材の質量を大きく出
来る上、慣性質量(一定質量の場合、曲げやねじりの中
心軸から離れたところに質量が存在していた方が大き
い)も大きいので、振動体の共振周波数を低下させるこ
とが出来る。
【0071】したがって、前記振巾拡大部材としての弾
性部材の形状を前述した様にすることで、全長の短い振
動体が可能になる。その結果、同じ出力で小型の振動波
モータ等の振動波駆動装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す振動波モータ
の断面図
【図2】図1の振動体の断面図
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す振動体の断面
【図4】本発明の第3の実施の形態を示す振動体の断面
【図5】本発明の第4の実施の形態を示す振動体の断面
【図6】従来の棒状振動波モータの断面図
【図7】従来の他の棒状振動波モータの断面図
【符号の説明】
1…弾性体(振巾拡大部材) 1a…摩擦部 1b…くびれ部 1c・・・狭持部 2・・・圧電素子(電気−機械エネルギー変換素子) 3・・・支持部材 4・・・リング状摩擦部材 5・・・ロータ 5a・・・パイプ状摩擦部材 6・・・中空ボルト 6a・・・軸受け 7・・・回り止め 8・・・E型止めリング 9・・・ケース側軸受 10・・・出力軸 11・・・加圧バネ 12・・・フレキシブルプリント基板 13、14・・・ケース 15・・・逃げ部
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Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貫通孔を有する電気−機械エネルギー変
    換素子と、一端を前記電気−機械エネルギー変換素子を
    挟持するための挟持部とし、他端を摩擦駆動部とし、前
    記挟持部と前記摩擦駆動部の間にくびれ部を形成し、貫
    通孔を有する弾性体と、前記電気−機械エネルギー変換
    素子と前記弾性体との貫通孔を貫通して前記電気−機械
    エネルギー変換素子と前記弾性体とを挟持固定する固定
    手段と、を有し、前記電気−機械エネルギー変換素子へ
    交流電圧が印加されることにより前記弾性体の摩擦駆動
    部に振動を形成する振動体において、 前記貫通孔の貫通方向における前記挟持部の厚みが、前
    記固定部材を中心として外周側が薄く、内周側が厚いこ
    とを特徴とする振動体。
  2. 【請求項2】 前記くびれ部は前記固定部材を中心とし
    て弾性体の外周部に形成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の振動体。
  3. 【請求項3】 前記固定部材は前記挟持部の内径に位置
    し、前記摩擦駆動部の内径には位置していないことを特
    徴とする請求項1または2に記載の振動体。
  4. 【請求項4】 前記くびれ部は前記摩擦駆動部側で深
    く、前記挟持部側で浅いことを特徴とする請求項1から
    3の何れかに記載の振動体。
  5. 【請求項5】 前記くびれ部は前記摩擦駆動部側から前
    記挟持部側にかけて連続的に浅くなることを特徴とする
    請求項4に記載の振動体。
  6. 【請求項6】 前記挟持部の貫通方向における前記挟持
    部の厚みは、前記くびれ部により、前記固定部材を中心
    として外周側が薄く、内周側を厚く形成されることを特
    徴とする請求項1から5の何れかに記載の振動体。
  7. 【請求項7】 前記弾性体は前記電気−機械エネルギー
    変換素子を挟んで両側に配置されていることを特徴とす
    る請求項1から6の何れかに記載の振動体。
  8. 【請求項8】 前記固定手段は、前記一対の弾性部材の
    内径部にネジ結合されるネジ部材であることを特徴とす
    る請求項7に記載の振動体。
  9. 【請求項9】 前記ネジ部材は、前記弾性部材の挟持部
    の領域でネジ結合されていることを特徴とする請求項8
    に記載の振動体。
  10. 【請求項10】 前記挟持部と摩擦駆動部とは別部材で
    構成され、前記挟持部と前記摩擦駆動部との間に前記く
    びれ部を形成したことを特徴とする請求項1から9の何
    れかに記載の振動体。
  11. 【請求項11】 前記貫通孔の貫通方向における前記摩
    擦駆動部の厚みが、前記固定部材を中心として外周側が
    厚く、内周側が薄いことを特徴とする請求項1から9の
    何れかに記載の振動体。
  12. 【請求項12】 前記貫通孔の貫通方向における前記摩
    擦駆動部の厚みは、前記くびれ部により、前記固定部材
    を中心として外周側が厚く、内周側を薄く形成されるこ
    とを特徴とする請求項11に記載の振動体。
  13. 【請求項13】 請求項1から12の何れかに記載の振
    動体と、前記振動体の摩擦駆動部に加圧接触する移動体
    とを有し、前記振動体に励起される駆動振動により、前
    記振動体と前記移動体とを相対的に移動させることを特
    徴とする振動波駆動装置。
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