JP2002359538A - 圧電振動子 - Google Patents

圧電振動子

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JP2002359538A
JP2002359538A JP2001165756A JP2001165756A JP2002359538A JP 2002359538 A JP2002359538 A JP 2002359538A JP 2001165756 A JP2001165756 A JP 2001165756A JP 2001165756 A JP2001165756 A JP 2001165756A JP 2002359538 A JP2002359538 A JP 2002359538A
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piezoelectric substrate
resin
vibration
fundamental wave
harmonic
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JP2001165756A
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Noboru Kamei
登 亀井
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高調波を使用した発振子で、高調波振動に影
響することなく基本波振動を抑える。 【解決手段】 圧電基板の両主面に振動電極を設けた厚
み縦3倍波振動を利用した圧電振動子において、前記圧
電基板の両端面に鉛筆硬度2H以下の樹脂を取着した構
成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エネルギー閉じこ
め型の圧電振動子に関し、特に、厚み縦3倍波振動を用
いた圧電振動子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、圧電振動子はマイクロコンピ
ュータのクロック発振回路に使用されている。近年、マ
イクロコンピュータの高速化に伴い周波数の高い圧電振
動子の要求が高まり、エネルギー閉じこめ型の厚み縦3
倍波振動を用いる圧電振動子が増えている。
【0003】このような圧電振動子は、厚み方向に分極
した一枚の圧電基板に振動電極をその主面の略中央部に
対向して形成する構造をとっており、その分極方向と同
じ方向に交流電界を印可することで、厚み方向へ励振す
る厚み縦振動を利用していた。
【0004】このような圧電振動子においては、近年ス
ーパコンピュータを用いた振動解析技術により、振動電
極に交流電界を印可しその周波数を変化させた状態をシ
ミュレートすると、圧電基板表面には基本波成分で振動
する領域と、3倍波、5倍波などの高調波成分で振動す
る領域が存在することが知られている。
【0005】このとき、圧電基板及び、振動電極の寸法
や形状を適切にすることで、基本波振動そのものを小さ
くする、あるいは、3倍波などの高調波成分で振動する
領域を振動部に閉じこめ、基本波成分で振動する領域を
分離するという設計手法も一般的に用いられる。
【0006】図2はその例であり、圧電基板及び、振動
電極の寸法や形状を適切にすることで、基本波成分の振
動を小さくすると同時に、圧電基板の主面上において、
高調波励振領域は略主面中央部の振動電極付近に集中し
ているのに対し、基本波励振領域は両端部付近に存在し
ている。
【0007】よってこのような素子設計に加えて、圧電
基板の主面上、基本波励振領域に樹脂等を印刷等の加工
法によって形成しダンピングを加えることで、基本波振
動成分を抑制する方法が従来から知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来手法、すなわち圧電基板の主面上、基本波励振領域
に樹脂等を印刷等の加工法によって形成しダンピングを
加える方法では、樹脂等の形成位置ばらつき等によって
基本波振動抑制の効果が十分でなく、また場合によって
は、3倍波等の高調波励振領域にも影響を与え、高調波
振動成分をも抑制してしまうという欠点があった。その
結果、基本波にて発振してしまう、あるいは、全く発振
しない等の不具合が発生する可能性が高かった。
【0009】また、上記欠点は圧電基板が小型になるに
つれ一層顕著となり、電子部品の小型化という時代の要
請にそぐわない面もあった。
【0010】本発明は、上述の課題を解決するために案
出されたものであり、その目的は、厚み縦3倍波を利用
する圧電振動子であっても基本波発振を阻止しつつ、安
定した厚み縦3倍波を効率良く取り出すことのできるエ
ネルギー閉じこめ型の圧電振動子を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明は、圧電基板の両主面に振動電極を設けた厚
み縦3倍波振動を利用した圧電振動子において、前記圧
電基板の両端面に鉛筆硬度2H以下の樹脂を取着したこ
とを特徴とする圧電振動子を提供する。
【0012】本発明の構成によれば、圧電基板の両端面
に鉛筆硬度2H以下の樹脂を塗布することにより、圧電
基板の主面における略中央部で励振する厚み縦3倍波成
分に影響を与えることなく、圧電基板の両端部付近で励
振する基本波振動を阻止することになり、インピーダン
ス特性における基本波成分のピークバレーを抑制しつ
つ、安定した厚み縦3倍波を効率良く取り出すことがで
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の圧電振動子を図に基づい
て説明する。図1は圧電振動子の形態を説明する図であ
り、(a)はその斜視図、(b)は平面図、(c)は側
面図、図2は圧電振動子の振動位置を説明する平面図で
ある。
【0014】本発明の圧電振動子1は、図1(a)
(b)(c)に示すように、圧電基板2における両主面
の略中央部で互いに対向する振動電極3,4を被着形成
してなる。
【0015】圧電基板2は、分極方向を厚み方向に揃え
られた圧電性を有する基板であり、その材料は例えばP
ZT(チタン酸ジルコン酸鉛)やPT(チタン酸鉛)な
どが例示できる。圧電基板2の形状は、例えば長さ
(L)が2.8mmで、幅(W)が1.1mm、厚み
(T)が0.45mmの短冊状を成し、圧電基板2の両
端面に樹脂6,7が取着されている。
【0016】振動電極3,4はCr、Cu、Agなどか
らなり、蒸着やスパッタなどの薄膜技法によって形成さ
れる。振動電極3は、圧電基板2の一方主面側に形成さ
れ、圧電基板2の一方側の短辺端部から中央部付近にか
けて形成されている。また、振動電極4は、圧電基板2
の他方主面側に形成され、圧電基板2の他方側の短辺端
部から中央部付近にかけて形成されている。そして、両
振動電極3,4は圧電基板2の長手方向の中央部付近に
て、圧電基板2の厚み方向に互いに対向して振動部5を
形成している。
【0017】また、圧電基板2の両端面に取着された樹
脂6,7の材質としては、エポキシ樹脂、シリコン樹
脂、フェノール樹脂等が例示される。ここでこの樹脂は
銀などの導電性粒子を適量混入して構成する導電性樹脂
であっても良い。即ち、圧電基板2はケースや回路基板
に実装されるが、その接続固定を別途設けるのでなく、
圧電基板の両端面に導電性樹脂を塗布したものをケース
内や回路基板上の電極パッドに載せることで、圧電基板
の両主面電極とケースや回路基板の外部端子電極と、電
気的接続かつ機械的固定用の樹脂として共用が可能であ
る。
【0018】前述の樹脂は例えばディッピング等の技法
で圧電基板2の端面に塗布され、加熱硬化処理を施すこ
とにより略20〜30μmの塗布膜が形成される。
【0019】ここで、圧電基板2の両主面状の振動状態
は、図2に示すように、圧電基板2の両主面上において
3倍波などの高調波励振領域と基本波励振領域は分離し
ており、高調波励振領域は略主面中央部の振動電極付近
に集中しているのに対し、基本波励振領域は両端部付近
に存在している。
【0020】基本波振動はその励振領域が上述のように
両端部付近であることから、その振動の一部はそれぞれ
両端部に到達し端面反射波として存在する。両端面に塗
布した樹脂は、この端面反射波の吸収材として作用し、
基本波振動を抑制する。このように、圧電基板の両端面
に樹脂を塗布することにより、従来主面への樹脂塗布で
は抑圧できなかった基本波振動の端面反射波を抑圧でき
る。また、塗布した樹脂の振動吸収材としての効果は樹
脂の硬度に依存し、鉛筆硬度2H以下であることが望ま
しく、さらにB以下であることが好ましい。鉛筆硬度が
2Hを超えると振動吸収材としての効果が低下し、基本
波振動の端面反射波の抑圧が不十分となり不具合が生じ
る。特に2H〜2Bのものを用いると、圧電基板2の端
面に発生する基本波振動を吸収できる効果に加えて、樹
脂を圧電基板2の端面に取着した際に十分な保持力が得
られて取着工程における作業性の面で向上する。なお、
樹脂の弾性率としては4.0GPa以下のものを用いる
のが好ましい。
【0021】また、圧電基板2の両端面に樹脂を取着す
ることで、取着時において振動電極端と塗布樹脂との間
隔に留意する必要がなく、特別の印刷精度を必要としな
い。同時に小型化に対応した短冊状圧電基板においても
応用可能である。
【0022】
【実施例】本発明の作用効果を確認するために、以下の
試料を用意した。 (実験例1)チタン酸鉛(PT)を主成分とする長さL
=2.8mm、幅W=1.1mm、厚みt=0.45mm
の短冊状の圧電基板を用意して、振動電極を圧電基板の
主面における略中央に幅方向の長さが0.7mm、、長
さ方向が1.1mmの矩形状の電極を形成した。この圧
電基板の両端面に鉛筆硬度2Bのエポキシ樹脂を厚み2
5μmに塗布、形成した。
【0023】この圧電基板において、基本波振動成分及
び厚み縦3倍波振動成分についてのインピーダンス特性
を調べた。
【0024】比較例として、上述の圧電基板において両
端面に樹脂を塗布、形成しない試料を用意し基本波振動
成分及び厚み縦3倍波振動成分についてのインピーダン
ス特性を調べた。
【0025】上記比較結果を図3(a)、(b)に示
す。本発明の製品(実施例)と比較例の製品を比較する
と、図3(a)に示すように厚み縦3倍波振動成分にイ
ンピーダンス特性のピークバレーは変わらないが、図3
(b)に示す基本波成分のインピーダンス特性では、本
発明の製品が、比較例に比べてピークバレーを抑えるこ
とができている。これにより、本発明の製品は厚み縦3
倍波成分を取り出すときに、基本波振動成分が大きく基
本波発振をするような誤動作は生じない。 (実験例2)圧電基板の両端面に取着する樹脂の鉛筆硬
度を変化する以外は実験例1と同様の圧電振動子を作成
した。実験では、樹脂の鉛筆硬度を変化させることによ
る基本波インピーダンスのピークバレーの変化をみた。
実験の結果、鉛筆硬度2H以下の樹脂を用いると基本波
インピーダンスを40dB以下に抑えることが理解でき
る。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、両主面に
振動電極を設けた厚み縦3倍波振動を利用した圧電振動
子において両端面に鉛筆硬度2H以下の樹脂を塗布する
ことで、圧電基板の主面における略中央部で励振する厚
み縦3倍波成分に影響を与えることなく、圧電基板の両
端部付近で励振する基本波振動を阻止することになり、
インピーダンス特性における基本波振動のピークバレー
を小さく抑え、厚み縦3倍波振動のピークバレーを大き
くすることにより、安定した振動を取り出すことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧電振動子の形態を説明する図であり、(a)
はその斜視図、(b)は平面図、(c)は側面図であ
る。
【図2】圧電振動子の基本波振動成分と高調波振動成分
との振動位置を説明する平面図である。
【図3】本発明の圧電振動子と従来の圧電振動子におけ
る基本波と3倍波のインピーダンス特性を説明する図で
ある。
【図4】圧電基板両端面に塗布する樹脂の硬度を基本波
インピーダンス特性の関係を説明する図である。
【符号の説明】
1:圧電振動子 2:圧電基板 3,4:振動電極 5:振動部 5a,5b:振動部 6,7:樹脂

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板の両主面に振動電極を設けた厚
    み縦3倍波振動を利用した圧電振動子において、前記圧
    電基板の両端面に鉛筆硬度2H以下の樹脂を取着したこ
    とを特徴とする圧電振動子。
JP2001165756A 2001-05-31 2001-05-31 圧電振動子 Pending JP2002359538A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006080341A1 (ja) * 2005-01-28 2006-08-03 Kyocera Corporation 圧電発振素子及びそれを用いた圧電発振部品

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