JPH08148967A - 圧電共振子及びその製造方法 - Google Patents

圧電共振子及びその製造方法

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JPH08148967A
JPH08148967A JP28828794A JP28828794A JPH08148967A JP H08148967 A JPH08148967 A JP H08148967A JP 28828794 A JP28828794 A JP 28828794A JP 28828794 A JP28828794 A JP 28828794A JP H08148967 A JPH08148967 A JP H08148967A
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piezoelectric resonator
piezoelectric
piezoelectric substrate
powder particles
thickness
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JP28828794A
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English (en)
Inventor
Kazushi Horiuchi
一志 堀内
Seiichi Minami
誠一 南
Masamitsu Nishida
正光 西田
Yasuhiro Sugaya
康博 菅谷
Shunichiro Kawashima
俊一郎 河島
Koichi Kugimiya
公一 釘宮
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スプリアス振動を低減し、素子の小型化を図
ることができる圧電共振子を提供する。 【構成】 チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックス材
料からなる圧電基板(5.2mm×2.5mm×0.2
4mmの矩形板)2の両主表面に、一対の電極(直径
0.8mm)3を形成し、厚み縦振動を利用したエネル
ギー閉じ込め型の圧電共振子を構成する。また、圧電基
板2の一方の主表面に、その両端部近辺に位置させてセ
ラミックス粉末粒子(粉末粒子の平均粒子径は4μm)
4を含むエポキシ系高分子材料5からなる塗膜(幅0.
2mm、長さ1.0mm)を形成する。セラミックス粉
末粒子4として、ジルコニアを用いる。セラミックス粉
末粒子4とエポキシ系高分子材料5の比率を、体積で
1:1に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電共振子及びその製
造方法に関する。さらに詳細には、フィルタや発振子と
して用いられるエネルギー閉じ込め型の圧電共振子及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電共振子は、圧電物質から切り出した
振動子であって、適当な対向面に電極を設けることによ
り、振動子の共振周波数を励振するようにしたものであ
る。中でも、圧電基板の主表面に電極を形成したエネル
ギー閉じ込め型の圧電共振子は、フィルタや発振子など
への広範囲にわたる応用が可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
構成を備えたエネルギー閉じ込め型の圧電共振子におい
ては、素子の小型化に伴い、閉じ込め電極からもれた振
動が端面で反射するために、主振動以外のスプリアス振
動が生じる。
【0004】図5に、厚み縦基本振動を利用した小型素
子の圧電共振子のインピーダンス特性を示す。図5に示
すように、厚み縦基本振動の共振周波数は10MHz、
反共振周波数は11MHzであるが、その間に大きな寄
生振動(スプリアス振動)が発生していることが分か
る。従って、これをフィルタや発振子として用いると、
発振周波数がスプリアス振動の周波数へジャンプする可
能性があるため、従来は圧電共振子の小型化を図ること
が困難であった。
【0005】本発明は、従来技術における前記課題を解
決するため、スプリアス振動の発生を低減し、小型化を
図ることのできる圧電共振子を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る圧電共振子の第1の構成は、圧電基板
の両主表面に電極が形成されたエネルギー閉じ込め型の
圧電共振子であって、前記圧電基板の少なくとも一方の
主表面に、粉末粒子を含む有機高分子材料からなる塗膜
を形成したことを特徴とする。
【0007】また、前記本発明の第1の構成において
は、圧電基板の主表面の両端部近辺の少なくとも一方に
塗膜を形成するのが好ましい。また、本発明に係る圧電
共振子の第2の構成は、圧電基板の両主表面に電極が形
成されたエネルギー閉じ込め型の圧電共振子であって、
前記圧電基板の少なくとも一方の端面に、粉末粒子を含
む有機高分子材料からなる塗膜を形成したことを特徴と
する。
【0008】また、前記本発明の第1又は第2の構成に
おいては、有機高分子材料がエポキシ樹脂及びシリコー
ンゴムから選ばれる少なくとも1つであるのが好まし
い。また、前記本発明の第1又は第2の構成において
は、粉末粒子の材質がセラミックス、ガラス及び金属か
ら選ばれる少なくとも1つであるのが好ましい。
【0009】また、前記本発明の第1又は第2の構成に
おいては、粉末粒子の平均粒子径が1μm以上150μ
m以下であるのが好ましい。また、前記本発明の第1又
は第2の構成においては、粉末粒子の平均粒子径が電極
の平均厚みの2倍以上800倍以下であるのが好まし
い。
【0010】また、前記本発明の第1又は第2の構成に
おいては、粉末粒子の平均粒子径が圧電基板の平均厚み
の1/100以上50/100以下であるのが好まし
い。また、前記本発明の第1又は第2の構成において
は、厚み縦振動を利用したエネルギー閉じ込め型圧電共
振子であるのが好ましい。
【0011】また、本発明に係る圧電共振子の第1の製
造方法は、圧電基板の両主表面に電極が形成されたエネ
ルギー閉じ込め型の圧電共振子の製造方法であって、圧
電基板の少なくとも一方の主表面の端部近辺に、粉末粒
子を含む有機高分子材料をスクリーン印刷によって塗布
することを特徴とする。
【0012】また、本発明に係る圧電共振子の第3の構
成は、圧電基板の両主表面に電極が形成されたエネルギ
ー閉じ込め型の圧電共振子であって、前記圧電基板の少
なくとも一方の主表面に金属を配置したことを特徴とす
る。
【0013】また、前記本発明の第3の構成において
は、圧電基板の主表面の両端部近辺の少なくとも一方に
金属を配置するのが好ましい。また、本発明に係る圧電
共振子の第4の構成は、圧電基板の両主表面に電極が形
成されたエネルギー閉じ込め型の圧電共振子であって、
前記圧電基板の少なくとも一方の端面に金属を配置した
ことを特徴とする。
【0014】また、前記本発明の第3又は第4の構成に
おいては、金属材料の厚みが電極の平均厚みの0.5倍
以上3.0倍以下であるのが好ましい。また、前記本発
明の第3又は第4の構成においては、金属材料の厚みが
圧電基板の平均厚みの1/4000以上1/1000以
下であるのが好ましい。
【0015】また、前記本発明の第3又は第4の構成に
おいては、厚み縦振動を利用したエネルギー閉じ込め型
圧電共振子であるのが好ましい。また、本発明に係る圧
電共振子の第2の製造方法は、圧電基板の両主表面に電
極が形成されたエネルギー閉じ込め型の圧電共振子の製
造方法であって、前記圧電基板の少なくとも一方の主表
面の端部近辺に、蒸着又はスパッタによって金属材料を
形成することを特徴とする。
【0016】
【作用】前記本発明の第1又は第2の構成によれば、圧
電基板上に分散させた粉末粒子が付加質量として作用
し、圧電共振子の面内方向で部分的に質量が変わるの
で、寄生振動を抑圧することができる。その結果、スプ
リアス振動の発生を低減することができるので、これを
小型のフィルタや発振子として用いても、発振周波数が
スプリアス振動の周波数へジャンプしてしまうことはな
い。
【0017】また、前記本発明の第1又は第2の構成に
おいて、有機高分子材料がエポキシ樹脂及びシリコーン
ゴムから選ばれる少なくとも1つであるという好ましい
例によれば、粉末粒子を圧電基板にうまく接着すること
ができる。
【0018】また、前記本発明の第1又は第2の構成に
おいて、粉末粒子の材質がセラミックス、ガラス及び金
属から選ばれる少なくとも1つであるという好ましい例
によれば、寄生振動を抑圧するのに十分な付加質量とし
て作用する粉末粒子を得ることができる。
【0019】また、前記本発明の第1又は第2の構成に
おいて、粉末粒子の平均粒子径が1μm以上150μm
以下であるという好ましい例によれば、スプリアス振動
を十分に低減することができる。また、厚み縦振動を利
用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子である場合
に、主振動の厚み縦振動が抑圧されてしまうこともな
い。また、前記本発明の第1又は第2の構成において、
粉末粒子の平均粒子径が電極の平均厚みの2倍以上80
0倍以下であるという好ましい例によっても、同様の作
用を奏することができる。さらに、前記本発明の第1又
は第2の構成において、粉末粒子の平均粒子径が圧電基
板の平均厚みの1/100以上50/100以下である
という好ましい例によっても、同様の作用を奏すること
ができる。
【0020】また、前記本発明方法の第1の構成によれ
ば、圧電基板の両主表面に電極が形成されたエネルギー
閉じ込め型の圧電共振子の製造方法であって、圧電基板
の少なくとも一方の主表面の端部近辺に、粉末粒子を含
む有機高分子材料をスクリーン印刷によって塗布するよ
うにしたので、寄生振動を抑圧し、スプリアス振動の発
生を低減することができる圧電共振子を効率良く合理的
に作製することができる。
【0021】また、前記本発明の第3又は第4の構成に
よれば、圧電基板上に配置した金属が付加質量として作
用し、圧電共振子の面内方向で部分的に質量が変わるの
で、寄生振動を抑圧することができる。その結果、スプ
リアス振動の発生を低減することができるので、これを
小型のフィルタや発振子として用いても、発振周波数が
スプリアス振動の周波数へジャンプしてしまうことはな
い。
【0022】また、前記本発明の第3又は第4の構成に
おいて、金属材料の厚みが電極の平均厚みの0.5倍以
上3.0倍以下であるという好ましい例によれば、スプ
リアス振動を十分に低減することができる。また、厚み
縦振動を利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子で
ある場合に、主振動の厚み縦振動が抑圧されてしまうこ
ともない。また、前記本発明の第3又は第4の構成にお
いて、金属材料の厚みが圧電基板の平均厚みの1/40
00以上1/1000以下であるという好ましい例によ
っても、同様の作用を奏することができる。
【0023】また、前記本発明方法の第2の構成によれ
ば、圧電基板の両主表面に電極が形成されたエネルギー
閉じ込め型の圧電共振子の製造方法であって、前記圧電
基板の少なくとも一方の主表面の端部近辺に、蒸着又は
スパッタによって金属材料を形成するようにしたことに
より、金属材料を電極と同時に形成することができるの
で、寄生振動を抑圧し、スプリアス振動の発生を低減す
ることができる圧電共振子を効率良く合理的に作製する
ことができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。 <第1の実施例>図1は本発明に係る圧電共振子の一実
施例を示す斜視図である。図1に示すように、チタン酸
ジルコン酸鉛系圧電セラミックス材料からなる圧電基板
(5.2mm×2.5mm×0.24mmの矩形板)2
の両主表面には、一対の電極(直径0.8mm)3が形
成されている。これにより、厚み縦振動を利用したエネ
ルギー閉じ込め型の圧電共振子が構成されている。ま
た、圧電基板2の一方の主表面には、その両端部近辺に
セラミックス粉末粒子(粉末粒子の平均粒子径は4μ
m)4を含むエポキシ系高分子材料5からなる塗膜(幅
0.2mm、長さ1.0mm)が形成されている。セラ
ミックス粉末粒子4としては、ジルコニアが用いられて
いる。セラミックス粉末粒子4とエポキシ系高分子材料
5の比率は、体積で1:1である。
【0025】ここで、セラミックス粉末粒子4を含むエ
ポキシ系高分子材料5からなる塗膜は、圧電基板2の主
表面にスクリーン印刷によって塗布した後、150℃で
加熱することによって形成した。これにより、上記構成
を備えた圧電共振子を効率良く合理的に作製することが
できる。この場合、スクリーン印刷の幅は、電極3と密
着しない幅であればよい。また、スクリーン印刷の長さ
は、電極径以上であるのが好ましい。また、このスクリ
ーン印刷によって形成する粉末粒子4を含む有機高分子
材料5の形状は、棒状、丸状、凹凸を設けたものなど、
いずれの形状であってもよい。
【0026】図2に、上記のようにして作製した圧電共
振子のインピーダンス特性を示す。図2に示すように、
厚み縦基本振動の共振周波数は10MHz、反共振周波
数は11MHzであるが、従来その間に存在していた大
きな寄生振動(図5参照)は抑圧されている。このよう
に本圧電共振子の構成によれば、寄生振動を抑圧し、ス
プリアス振動の発生を低減することができるので、小型
のフィルタや発振子として用いても、発振周波数がスプ
リアス振動の周波数へジャンプしてしまうことはない。
【0027】尚、本実施例においては、圧電基板2の一
方の主表面の両端部近辺に、セラミックス粉末粒子4を
含むエポキシ系高分子材料5からなる塗膜を形成した場
合を例に挙げて説明しているが、必ずしもこの構成に限
定されるものではなく、圧電基板2の両主表面の両端部
近辺に塗膜を形成してもよいし、圧電素子2の両主表面
の片端部近辺に裏表交互に塗膜を形成してもよい。そし
て、このような構成にした場合でも、上記構成の場合と
同様の効果を得ることができた。
【0028】<第2の実施例>図3は本発明に係る圧電
共振子の他の実施例を示す斜視図である。図3に示すよ
うに、チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックス材料か
らなる圧電基板(5.2mm×2.5mm×0.24m
mの矩形板)2の両主表面には、一対の電極(直径0.
8mm)3が形成されている。これにより、厚み縦振動
を利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子が構成さ
れている。また、圧電基板2の両端面には、金属の粉末
粒子(粉末の平均粒子径は50μm)6を含むエポキシ
系高分子材料(粉末粒子6を含む樹脂の平均厚みは片側
で30μm)5からなる塗膜が形成されている。金属の
粉末粒子6としては、センダスト材料が用いられてい
る。
【0029】ここで、金属の粉末粒子6を含むエポキシ
系高分子材料5からなる塗膜は、金属の粉末粒子6を分
散させたペースト樹脂をディップ法によって圧電基板2
の端面に塗布した後、150℃で加熱することによって
形成した。
【0030】このようにして作製した圧電共振子のイン
ピーダンス特性は、上記第1の実施例の場合(図2参
照)とほとんど同じであり、スプリアス振動の発生を低
減することができた。
【0031】本発明においては、粉末粒子の平均粒子径
が1μm以上150μm以下であるのが好ましく、中で
も、3μm以上70μm以下の場合が特に効果的であ
る。平均粒子径が1μm未満の場合には、スプリアス振
動の発生を低減する効果が小さく、平均粒子径が150
μmを超えると、厚み縦振動を利用したエネルギー閉じ
込め型の圧電共振子である場合に、主振動の厚み縦振動
が抑圧されてしまうことがあるからである。
【0032】また、本発明においては、粉末粒子の平均
粒子径が電極の平均厚みの2倍以上800倍以下である
のが好ましい。粉末の平均粒子径が電極の平均厚みの2
倍未満の場合には、スプリアス振動の発生を低減する効
果が小さく、粉末の平均粒子径が電極の平均厚みの80
0倍を超えると、厚み縦振動を利用したエネルギー閉じ
込め型の圧電共振子である場合に、主振動の厚み縦振動
が抑圧されてしまうことがあるからである。
【0033】さらに、本発明においては、粉末粒子の平
均粒子径が圧電基板の平均の厚みの1/100以上50
/100以下であるのが好ましく、中でも、3/100
以上20/100以下の場合が特に効果的である。粉末
の平均粒子径が圧電基板の平均厚みの1/100未満の
場合には、スプリアス振動の発生を低減する効果が小さ
く、粉末の平均粒子径が圧電基板の平均厚みの50/1
00を超えると、厚み縦振動を利用したエネルギー閉じ
込め型の圧電共振子である場合に、主振動の厚み縦振動
が抑圧されてしまうことがあるからである。
【0034】本発明の粉末粒子は、セラミックス粉末、
ガラス粉末、金属粉末など、粒状の粉体であればよい。
また、粉末粒子の形状は、球状、偏平状、薄片状、さい
ころ状など、いずれの形状であってもよい。また、粉末
粒子は必ずしも高分子材料中に埋没している必要はな
く、これらの上に付着しているだけでもよい。また、有
機高分子材料としては、エポキシ樹脂、シリコーンゴム
など、各種の高分子材料を用いることができる。
【0035】<第3の実施例>図4は本発明に係る圧電
共振子のさらに他の実施例を示す斜視図である。図4に
示すように、チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックス
材料からなる圧電基板(5.2mm×2.5mm×0.
24mmの矩形板)2の両主表面には、一対の電極(直
径0.8mm)3が形成されている。これにより、厚み
縦振動を利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子が
構成されている。また、圧電基板2の一方の主表面に
は、その両端部近辺にCrAu金属(幅0.2mm、長
さは1.0mm)7が配置されている。
【0036】ここで、CrAu金属7は、蒸着又はスパ
ッタによって圧電基板2の主表面に電極3と同時に形成
した。このようにCrAu金属7を電極3と同時に形成
することができるので、上記構成を備えた圧電共振子を
効率良く合理的に作製することができる。この場合、蒸
着又はスパッタによって形成される金属7の幅は、電極
3と密着しない幅であればよい。また、蒸着又はスパッ
タによって形成される金属7の長さは、電極径以上であ
るのが好ましい。また、この蒸着又はスパッタによって
形成する金属7の形状は、棒状、丸状、凹凸を設けたも
のなど、いずれの形状であってもよい。
【0037】このようにして作製した圧電共振子のイン
ピーダンス特性は、上記第1の実施例の場合(図2参
照)とほとんど同じであり、スプリアス振動の発生を低
減することができた。
【0038】尚、本実施例においては、圧電基板2の一
方の主表面の両端部近辺に金属7を配置した場合を例に
挙げて説明しているが、必ずしもこの構成に限定される
ものではなく、圧電基板2の両主表面の両端部近辺に金
属7を配置してもよいし、圧電素子2の両主表面の片端
部近辺に裏表交互に金属7を配置してもよい。そして、
このような構成にした場合でも、上記構成の場合と同様
の効果を得ることができる。
【0039】本発明においては、金属材料の厚みが電極
の平均厚みの0.5倍以上3.0倍以下であるのが好ま
しい。金属材料の厚みが電極の平均厚みの0.5倍未満
の場合には、スプリアス振動の発生を低減する効果が小
さく、金属材料の厚みが電極の平均厚みの3.0倍を超
えると、厚み縦振動を利用したエネルギー閉じ込め型の
圧電共振子である場合に、主振動の厚み縦振動が抑圧さ
れてしまうことがあるからである。
【0040】また、本発明においては、金属材料の厚み
が圧電基板の平均厚みの1/4000以上1/1000
以下であるのが好ましい。金属材料の厚みが圧電基板の
平均厚みの1/4000未満の場合には、スプリアス振
動の発生を低減する効果が小さく、金属材料の平均粒子
径が圧電基板の平均厚みの1/1000を超えると、厚
み縦振動を利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子
である場合に、主振動の厚み縦振動が抑圧されてしまう
ことがあるからである。
【0041】尚、上記第1〜第3の実施例においては、
厚み縦振動の基本波を例に挙げて説明したが、本発明は
このモードについてのみ所期の効果を奏するものではな
く、例えば、厚みすべり、厚み縦振動について基本波を
含む高調波を利用した振動モードについても同様の効果
を得ることができる。
【0042】また、上記第1〜第3の実施例において
は、共振周波数が10MHzである場合を例に挙げて説
明しているが、本発明の使用周波数は10MHzに限定
されるものではない。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る圧電
共振子の第1又は第2の構成によれば、圧電基板上に分
散させた粉末粒子が付加質量として作用し、圧電共振子
の面内方向で部分的に質量が変わるので、寄生振動を抑
圧することができる。その結果、スプリアス振動の発生
を低減することができるので、これを小型のフィルタや
発振子として用いても、発振周波数がスプリアス振動の
周波数へジャンプしてしまうことはない。
【0044】また、前記本発明の第1又は第2の構成に
おいて、有機高分子材料がエポキシ樹脂及びシリコーン
ゴムから選ばれる少なくとも1つであるという好ましい
例によれば、粉末粒子を圧電基板にうまく接着すること
ができる。
【0045】また、前記本発明の第1又は第2の構成に
おいて、粉末粒子の材質がセラミックス、ガラス及び金
属から選ばれる少なくとも1つであるという好ましい例
によれば、寄生振動を抑圧するのに十分な付加質量とし
て作用する粉末粒子を得ることができる。
【0046】また、前記本発明の第1又は第2の構成に
おいて、粉末粒子の平均粒子径が1μm以上150μm
以下であるという好ましい例によれば、スプリアス振動
を十分に低減することができる。また、厚み縦振動を利
用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子である場合
に、主振動の厚み縦振動が抑圧されてしまうこともな
い。また、前記本発明の第1又は第2の構成において、
粉末粒子の平均粒子径が電極の平均厚みの2倍以上80
0倍以下であるという好ましい例によっても、同様の効
果を得ることができる。さらに、前記本発明の第1又は
第2の構成において、粉末粒子の平均粒子径が圧電基板
の平均厚みの1/100以上50/100以下であると
いう好ましい例によっても、同様の作用を奏することが
できる。
【0047】また、本発明に係る圧電共振子の第1の製
造方法によれば、圧電基板の両主表面に電極が形成され
たエネルギー閉じ込め型の圧電共振子の製造方法であっ
て、圧電基板の少なくとも一方の主表面の端部近辺に、
粉末粒子を含む有機高分子材料をスクリーン印刷によっ
て塗布するようにしたので、寄生振動を抑圧し、スプリ
アス振動の発生を低減することができる圧電共振子を効
率良く合理的に作製することができる。
【0048】また、本発明に係る圧電共振子の第3又は
第4の構成によれば、圧電基板上に配置した金属が付加
質量として作用し、圧電共振子の面内方向で部分的に質
量が変わるので、寄生振動を抑圧することができる。そ
の結果、スプリアス振動の発生を低減することができる
ので、これを小型のフィルタや発振子として用いても、
発振周波数がスプリアス振動の周波数へジャンプしてし
まうことはない。
【0049】また、前記本発明の第3又は第4の構成に
おいて、金属材料の厚みが電極の平均厚みの0.5倍以
上3.0倍以下であるという好ましい例によれば、スプ
リアス振動を十分に低減することができる。また、厚み
縦振動を利用したエネルギー閉じ込め型の圧電共振子で
ある場合に、主振動の厚み縦振動が抑圧されてしまうこ
ともない。また、前記本発明の第3又は第4の構成にお
いて、金属材料の厚みが圧電基板の平均厚みの1/40
00以上1/1000以下であるという好ましい例によ
っても、同様の作用を奏することができる。
【0050】また、本発明に係る圧電共振子の第2の製
造方法によれば、圧電基板の両主表面に電極が形成され
たエネルギー閉じ込め型の圧電共振子の製造方法であっ
て、前記圧電基板の少なくとも一方の主表面の端部近辺
に、蒸着又はスパッタによって金属材料を形成するよう
にしたことにより、金属材料を電極と同時に形成するこ
とができるので、寄生振動を抑圧し、スプリアス振動の
発生を低減することができる圧電共振子を効率良く合理
的に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電共振子の一実施例を示す斜視
図である。
【図2】本発明の一実施例の圧電共振子のインピーダン
ス特性を示す図である。
【図3】本発明に係る圧電共振子の他の実施例を示す斜
視図である。
【図4】本発明に係る圧電共振子のさらに他の実施例を
示す斜視図である。
【図5】従来の圧電共振子のインピーダンス特性を示す
図である。
【符号の説明】
1 圧電共振子 2 圧電基板 3 電極 4、6 粉末粒子 5 高分子材料 7 金属
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅谷 康博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 河島 俊一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 釘宮 公一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板の両主表面に電極が形成された
    エネルギー閉じ込め型の圧電共振子であって、前記圧電
    基板の少なくとも一方の主表面に、粉末粒子を含む有機
    高分子材料からなる塗膜を形成したことを特徴とする圧
    電共振子。
  2. 【請求項2】 圧電基板の主表面の両端部近辺の少なく
    とも一方に塗膜を形成した請求項1に記載の圧電共振
    子。
  3. 【請求項3】 圧電基板の両主表面に電極が形成された
    エネルギー閉じ込め型の圧電共振子であって、前記圧電
    基板の少なくとも一方の端面に、粉末粒子を含む有機高
    分子材料からなる塗膜を形成したことを特徴とする圧電
    共振子。
  4. 【請求項4】 有機高分子材料がエポキシ樹脂及びシリ
    コーンゴムから選ばれる少なくとも1つである請求項1
    〜3のいずれかに記載の圧電共振子。
  5. 【請求項5】 粉末粒子の材質がセラミックス、ガラス
    及び金属から選ばれる少なくとも1つである請求項1〜
    3のいずれかに記載の圧電共振子。
  6. 【請求項6】 粉末粒子の平均粒子径が1μm以上15
    0μm以下である請求項1、2、3又は5のいずれかに
    記載の圧電共振子。
  7. 【請求項7】 粉末粒子の平均粒子径が電極の平均厚み
    の2倍以上800倍以下である請求項1、2、3又は5
    のいずれかに記載の圧電共振子。
  8. 【請求項8】 粉末粒子の平均粒子径が圧電基板の平均
    厚みの1/100以上50/100以下である請求項
    1、2、3又は5のいずれかに記載の圧電共振子。
  9. 【請求項9】 厚み縦振動を利用したエネルギー閉じ込
    め型圧電共振子である請求項1〜8のいずれかに記載の
    圧電共振子。
  10. 【請求項10】 圧電基板の両主表面に電極が形成され
    たエネルギー閉じ込め型の圧電共振子の製造方法であっ
    て、圧電基板の少なくとも一方の主表面の端部近辺に、
    粉末粒子を含む有機高分子材料をスクリーン印刷によっ
    て塗布することを特徴とする圧電共振子の製造方法。
  11. 【請求項11】 圧電基板の両主表面に電極が形成され
    たエネルギー閉じ込め型の圧電共振子であって、前記圧
    電基板の少なくとも一方の主表面に金属を配置したこと
    を特徴とする圧電共振子。
  12. 【請求項12】 圧電基板の主表面の両端部近辺の少な
    くとも一方に金属を配置した請求項11に記載の圧電共
    振子。
  13. 【請求項13】 圧電基板の両主表面に電極が形成され
    たエネルギー閉じ込め型の圧電共振子であって、前記圧
    電基板の少なくとも一方の端面に金属を配置したことを
    特徴とする圧電共振子。
  14. 【請求項14】 金属材料の厚みが電極の平均厚みの
    0.5倍以上3.0倍以下である請求項11〜13のい
    ずれかに記載の圧電共振子。
  15. 【請求項15】 金属材料の厚みが圧電基板の平均厚み
    の1/4000以上1/1000以下である請求項11
    〜13のいずれかに記載の圧電共振子。
  16. 【請求項16】 厚み縦振動を利用したエネルギー閉じ
    込め型圧電共振子である請求項11〜15のいずれかに
    記載の圧電共振子。
  17. 【請求項17】 圧電基板の両主表面に電極が形成され
    たエネルギー閉じ込め型の圧電共振子の製造方法であっ
    て、前記圧電基板の少なくとも一方の主表面の端部近辺
    に、蒸着又はスパッタによって金属材料を形成すること
    を特徴とする圧電共振子の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6987346B2 (en) 2003-06-03 2006-01-17 Murata Manufacturing Co., Ltd. Energy trap type piezoelectric resonator component
US6987347B2 (en) 2003-05-30 2006-01-17 Murata Manufacturing Co., Ltd. Piezoelectric resonator component
US7889025B1 (en) * 2008-06-10 2011-02-15 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Anti-reflective acoustic diffuser for SAW and BAW devices
JP2021027413A (ja) * 2019-07-31 2021-02-22 京セラ株式会社 水晶素子、水晶デバイス及び電子機器

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