JP2002359082A - 有機発光素子および前記素子を用いた発光装置 - Google Patents

有機発光素子および前記素子を用いた発光装置

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JP2002359082A JP2002091526A JP2002091526A JP2002359082A JP 2002359082 A JP2002359082 A JP 2002359082A JP 2002091526 A JP2002091526 A JP 2002091526A JP 2002091526 A JP2002091526 A JP 2002091526A JP 2002359082 A JP2002359082 A JP 2002359082A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 明るく低消費電力で、安価な有機発光素子、
および有機発光素子を用いた発光装置を提供する。 【解決手段】 陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰
極の間に設けられた有機化合物層と、を有する有機発光
素子において、前記有機化合物層は、下記の一般式
(1) で表される有機化合物を含むことを特徴とする有機発光
素子(ただし、M1およびM2は、2価の金属イオンな
いしは2価のオキソ金属イオンを表す。Xはベンゼン環
またはベンゼン環からなる縮合環であり、置換基を有し
ていても良い。R1は水素またはアルキル基を表す。R
2〜R11はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水
素またはアルキル基を表す)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、陽極と、陰極と、電界
を加えることで発光が得られる有機化合物を含む層(以
下、「有機化合物層」と記す)と、を有する有機発光素
子に関する。一般に、電界を加えることにより生じる有
機化合物の発光には、一重項励起状態から基底状態に戻
る際の発光と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発
光があるが、本発明では特に、三重項励起状態からの発
光が生じうる有機化合物を用いた有機発光素子に関す
る。なお、本明細書中における発光装置とは、発光素子
として有機発光素子を用いた画像表示デバイスもしくは
発光デバイスを指す。また、有機発光素子にコネクタ
ー、例えば異方導電性フィルム(FPC:Flexible printe
d circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テ
ープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付け
られたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線
板が設けられたモジュール、または有機発光素子にCOG
(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実
装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。
【0002】
【従来の技術】有機発光素子は、電界を加えることによ
り発光する素子である。その発光機構は、電極間に有機
化合物層を挟んで電圧を印加することにより、陰極から
注入された電子および陽極から注入された正孔が有機化
合物層中で再結合して、励起状態の分子(以下、「分子
励起子」と記す)を形成し、その分子励起子が基底状態
に戻る際にエネルギーを放出して発光すると言われてい
る。
【0003】このような有機発光素子において、通常、
有機化合物層は1μmを下回るほどの薄膜で形成される。
また、有機発光素子は、有機化合物層そのものが光を放
出する自発光型の素子であるため、従来の液晶ディスプ
レイに用いられているようなバックライトも必要ない。
したがって、有機発光素子は極めて薄型軽量に作製でき
ることが大きな利点である。
【0004】また、例えば100〜200nm程度の有機化合物
層において、キャリアを注入してから再結合に至るまで
の時間は、有機化合物層のキャリア移動度を考えると数
十ナノ秒程度であり、キャリアの再結合から発光までの
過程を含めてもマイクロ秒以内のオーダーで発光に至
る。したがって、非常に応答速度が速いことも特長の一
つである。
【0005】さらに、有機発光素子はキャリア注入型の
発光素子であるため、直流電圧での駆動が可能であり、
ノイズが生じにくい。駆動電圧に関しては、まず有機化
合物層の厚みを100nm程度の均一な超薄膜とし、また、
有機化合物層に対するキャリア注入障壁を小さくするよ
うな電極材料を選択し、さらにはヘテロ構造(二層構
造)を導入することによって、5.5Vで100cd/m2の十分な
輝度が達成された(文献1:C. W. Tang and S. A. Van
Slyke, "Organic electroluminescent diodes",Applied
Physics Letters, vol. 51, No.12, 913-915 (198
7))。
【0006】こういった薄型軽量・高速応答性・直流低
電圧駆動などの特性から、有機発光素子は次世代のフラ
ットパネルディスプレイ素子として注目されている。ま
た、自発光型であり視野角が広いことから、視認性も比
較的良好であり、携帯機器の表示画面に用いる素子とし
て有効と考えられている。
【0007】ところで、有機発光素子において見られる
発光は、分子励起子が基底状態に戻る際の発光現象であ
ることは先に述べたが、有機化合物が形成する分子励起
子の種類としては、一重項励起状態(S*)と三重項励起
状態(T*)が可能である。また、有機発光素子における
その統計的な生成比率は、S*:T*=1:3であると考えら
れている(文献2:城戸淳二、「月刊ディスプレイ別冊
有機ELディスプレイ基礎から最新情報まで」(テクノ
タイムズ社)、p. 28-29 )。
【0008】しかしながら、一般的な有機化合物は室温
において、三重項励起状態(T*)からの発光は観測され
ず、通常は一重項励起状態(S*)からの発光のみが観測
される。有機化合物の基底状態は通常、一重項基底状態
(S0)であるため、T*→S0遷移(燐光過程)は強度の禁
制遷移となり、S*→S0遷移(蛍光過程)は許容遷移とな
るからである。
【0009】すなわち、一重項励起状態(S*)のみが通
常は発光に寄与するのであり、このことは有機発光素子
においても同様である。したがって、有機発光素子にお
ける内部量子効率(注入したキャリアに対して発生する
フォトンの割合)の理論的限界は、S*:T*=1:3である
ことを根拠に25%とされていた。
【0010】また、発生した光は全て外部に放出される
わけではなく、一部の光は有機発光素子構成材料(有機
化合物層材料、電極材料)や基板材料固有の屈折率が原
因で取り出すことができない。発生した光のうち外部に
取り出される率は光の取り出し効率と呼ばれるが、ガラ
ス基板を有する有機発光素子において、その取り出し効
率は約20%程度と言われている。
【0011】以上の理由から、注入したキャリアが全て
分子励起子を形成したとしても、その注入キャリア数に
対して最終的に外部に取り出せるフォトンの割合(以
下、「外部量子効率」と記す)の理論的限界は、25%×2
0%=5%と言われていた。すなわち、全てのキャリアが再
結合したとしても、そのうちの5%しか光として取り出せ
ない計算になる。
【0012】ところが近年、三重項励起状態(T*)から
基底状態に戻る際に放出されるエネルギー(以下、「三
重項励起エネルギー」と記す)を発光に変換できる有機
発光素子が相次いで発表され、その発光効率の高さが注
目されている(文献3:D. F. O'Brien, M. A. Baldo,
M. E. Thompson and S. R. Forrest, "Improved energy
transfer in electrophosphorescent devices", Appli
ed Physics Letters,vol. 74, No. 3, 442-444 (199
9))(文献4:Tetsuo TSUTSUI, Moon-Jae YANG,Masayu
ki YAHIRO, Kenji NAKAMURA, Teruichi WATANABE, Tais
hi TSUJI, Yoshinori FUKUDA, Takeo WAKIMOTO and Sat
oshi MIYAGUCHI, "High Quantum Efficiency in Organi
c Light-Emitting Devices with Iridium-Complex as a
TripletEmissive Center", Japanese Journal of Appl
ied Physics, Vol. 38, pp. L1502-L1504 (1999))。
【0013】文献3では白金を中心金属とする有機金属
錯体(以下、「白金錯体」と記す)を、文献4ではイリ
ジウムを中心金属とする有機金属錯体(以下、「イリジ
ウム錯体」と記す)を用いており、いずれの有機金属錯
体も第3遷移系列元素を中心金属として導入しているこ
とが特徴であると言える。その中には、先に述べた外部
量子効率の理論的限界値5%をゆうに越えるものも存在す
る。
【0014】文献3および文献4に示されるとおり、三
重項励起エネルギーを発光に変換できる有機化合物(以
下、「三重項発光材料」と記す)を用いた有機発光素子
は、従来よりも高い外部量子効率を達成できる。そし
て、外部量子効率が高くなれば発光輝度も向上する。し
たがって、三重項発光材料を用いた有機発光素子は、高
輝度発光・高発光効率を達成するための手法として、今
後の開発において大きなウェートを占めるものと考えら
れる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、白金も
しくはイリジウムは共にいわゆる貴金属であるため、そ
れらを用いた白金錯体やイリジウム錯体も高価であり、
将来的にコスト低減の弊害になることが予想される。ま
た、稀少金属であるため、大量生産の際、供給にも難が
ある。
【0016】また、前記白金錯体や前記イリジウム錯体
は、中心金属と配位子のベンゼン環とが直接σ結合して
いる有機金属錯体であり、合成に要する時間も長く収率
も悪いため、生産性がよいとは言えない。生産性の観点
からは、有機発光素子でよく用いられるトリス(8−キ
ノリノラト)アルミニウム(以下、「Alq3」と記す)の
ような、ウェルナー型錯体の方が一般的には有効と考え
られる。
【0017】さらに、前記イリジウム錯体の発光色は緑
色、すなわち可視光領域の中では中間に位置する波長で
ある。前記白金錯体はドーパントとして用いると比較的
色純度のよい赤色に発光するが、濃度が低い場合はホス
ト材料も光ってしまうため色純度が悪くなり、濃度が高
い場合は濃度消光のため発光効率が落ちてしまうという
欠点がある。つまり、色純度の高い赤色や青色の高効率
発光は、三重項励起エネルギーを発光に変換できる有機
発光素子からは得られていない。
【0018】したがって将来的に、赤、緑、青の発光色
を用いてフルカラーのフラットパネルディスプレイを作
製することを考えると、白金錯体やイリジウム錯体と同
様に高い外部量子効率で、なおかつ色純度の高い赤色発
光および青色発光を呈する材料を、より安価な原料を用
いて大量に生産することを達成しなければならない。
【0019】以上のことから、既存の白金やイリジウム
を用いた有機金属錯体以外に、三重項発光材料の開発が
必要不可欠な状況にある。
【0020】そこで本発明では、三重項発光材料を、従
来よりも安価に提供することを課題とする。またそれを
用いて、従来よりも発光効率が高く、安価に作製できる
有機発光素子を提供することを課題とする。
【0021】さらに、本発明を実施することで得られる
発光効率の高い有機発光素子を用いて、明るく消費電力
が少ない上に安価な発光装置、および前記発光装置を用
いた電気器具を提供することを課題とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】三重項励起エネルギーを
発光に変換する方法として、フォトルミネッセンスの分
野では重原子効果がよく知られている。重原子効果と
は、発光物質の分子内に重原子を導入するか、もしくは
発光物質が溶解している溶媒等の周辺環境に重原子を存
在させることにより、スピン−軌道相互作用が大きくな
り、禁制遷移(T*→S0)である燐光発光が促進される現
象である。なおここでは、重原子とは、多くの原子核荷
重(原子番号、すなわち原子核の正電荷の数に相当す
る)を保有している原子のことを指す。
【0023】白金やイリジウムは大きなスピン−軌道相
互作用を発現できる重原子であり、効果的に燐光を促進
させることができる。その点においては、前記白金錯体
や前記イリジウム錯体は極めて有効な三重項発光材料で
あると言える。
【0024】しかしながら、重原子効果の効力は、各原
子固有の値であるスピン−軌道結合定数で決定されるた
め、重原子効果を引き起こすために用いる原子はかなり
限定されてしまう。そして、それら重原子を含む原材料
等は、高価なものが多いと言える。
【0025】そこで、重原子を用いることなく、三重項
励起エネルギーを発光に変換する手法が望ましい。概念
的には、三重項励起状態から基底状態への遷移が許容遷
移になればよい。すなわち、基底状態が三重項状態であ
れば、三重項励起エネルギーを発光に変換することがで
きると考えられる。例えば酸素分子のように、最高被占
分子軌道(Highest Occupied Molecular Orbital:HOM
O)が縮重していれば基底状態は三重項状態になる。
【0026】通常の炭化水素化合物ではそのような状態
は見られないが、金属錯体の中心金属のエネルギー準位
において、三重項状態を形成することは可能である。そ
の例として、常磁性金属を中心金属とする複核錯体(2
個の中心金属を有する金属錯体)が挙げられる。
【0027】常磁性金属を中心金属とする複核錯体にお
いては、しばしば、常磁性金属の不対電子が錯体内にお
いてカップリングし、強磁性的ないしは反強磁性的な相
互作用が生じる現象が見られる。強磁性的相互作用の場
合は、それらの電子は三重項状態にあると考えられる。
また、反強磁性的相互作用の場合は一重項状態である
が、ある温度以上では三重項状態となる(文献5:基礎
錯体工学研究会/偏、「錯体化学 基礎と最新の話題」
(講談社)、p.48-49)。
【0028】このようにして形成された三重項状態の電
子が発光に寄与することにより、三重項励起エネルギー
を発光に変換することは可能になると考えられる。そこ
で本発明者は、複核錯体を有機発光素子の発光材料とし
て適用することに着目した。
【0029】また、特に複数の中心金属が近接してクラ
スター状態となることにより、総原子核荷重がより増大
し、実質的に重原子効果と同等の効果を引き起こす可能
性もあると本発明者は考えている。このことも、複核錯
体に着目した理由である。
【0030】さらに、複核錯体を用いると、中心金属の
組み合わせを変えることにより励起エネルギー状態は変
化するため、発光色をある程度変化させることができる
と考えられる。すなわち、配位子を変更させることな
く、発光色のチューニングが可能になるというメリット
がある。
【0031】このような背景から、本発明では、発光性
の配位子を持たせた複核錯体を有機発光素子に用いる。
なお、本発明では合成上の簡便さ・生産性の良さからウ
ェルナー型錯体を用いるが、中心金属と配位子の炭素原
子とが直接結合している有機金属錯体を用いた方が、特
性に関しては向上すると考えられる。このことは、前記
イリジウム錯体において顕著に見られる。
【0032】本発明で用いる複核錯体は、以下に示す一
般式(1)〜(4)で表すことができる。
【0033】
【化5】
【0034】
【化6】
【0035】
【化7】
【0036】
【化8】
【0037】ただし、一般式(1)において、M1および
M2は、2価の金属イオンないしは2価のオキソ金属イオ
ンを表す。また、Xはベンゼン環またはベンゼン環から
なる縮合環であり、置換基を有していても良い。R1は水
素またはアルキル基を表す。R2〜R11はそれぞれ同一で
も異なっていてもよく、水素またはアルキル基を表す。
【0038】一般式(2)においては、M1およびM2は、
2価の金属イオンないしは2価のオキソ金属イオンを表
す。R1は水素またはアルキル基またはアルコキシル基ま
たはアリール基を表す。R2〜R11はそれぞれ同一でも異
なっていてもよく、水素またはアルキル基を表す。
【0039】一般式(3)においては、M1およびM2は、
2価の金属イオンないしは2価のオキソ金属イオンを表
す。R1は水素またはアルキル基を表す。また、X1および
X2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、ベンゼン環
またはベンゼン環からなる縮合環であり、置換基を有し
ていても良い。
【0040】一般式(4)においては、M1およびM2は、
2価の金属イオンないしは2価のオキソ金属イオンを表
す。R1およびR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよ
く、水素またはアルキル基またはアルコキシル基または
アリール基を表す。
【0041】
【発明の実施の形態】まず、本発明で開示した複核錯体
の合成法について述べる。この系統の複核錯体の合成法
は確立されている(文献6:Mitsunori TANAKA, Michiy
o KITAOKA, Hisashi OKAWA, and Sigeo KIDA, "Binucle
ar Metal Complexes. XV. Copper(II)and Nickel(II) C
omplexes of Binucleating Ligands Derived From 3-Fo
rmyl-salicylic Acid and Diamines", Bull. Chem. So
c. Jpn., vol. 49(9), 2469-2473 (1976))。文献6で
は、3−ホルミルサリチル酸とジアミンを反応させるこ
とにより、複核錯体の配位子を形成し、それに中心金属
の原料を作用させて複核錯体の合成を行っている。
【0042】本発明の複核錯体を合成する際において
も、上記の手法を適用すればよい。例えば、一般式
(2)であれば、3−ホルミルサリチル酸誘導体と、
1,2−シクロヘキサンジアミン誘導体を反応させるこ
とにより、一般式(2)の配位子が得られる。一般式
(2)をより一般化したものが一般式(1)であるが、
同様の反応で合成可能である。
【0043】また、一般式(4)であれば、3−ホルミ
ルサリチル酸誘導体と、1,2−フェニレンジアミン誘
導体を反応させることにより、一般式(4)の配位子が
得られる。一般式(4)をより一般化したものが一般式
(3)であるが、同様の反応で合成可能である。
【0044】次に、一般式(1)〜(4)において、中
心金属および置換基の導入に関する説明を記載する。
【0045】本発明で開示した複核錯体の配位子は、シ
クロヘキシレン基やフェニレン基を用いることにより、
いずれも平面状に配位する傾向を強くすることができ
る。特に、シクロヘキシレン基を有する場合(一般式
(1)および(2))では、シス型の1,2−シクロヘ
キサンジアミン誘導体を原料として用いることで、平面
配位の傾向を強くすることができる。
【0046】したがって、例えば中心金属として亜鉛の
ように四面体配位しやすいものを選択しても、平面状に
配位することが可能である。つまり、M1およびM2は、2
価の金属イオンであれば配位可能である。ただし、M1お
よびM2としては平面配位の傾向が強い金属イオンが好ま
しく、コバルト、ニッケル、銅などの第9族〜第11族
元素が好適である。
【0047】また、M1およびM2が2価のオキソ金属イオ
ン(MO2+)の場合も可能である。この場合、オキソ金属
イオンの酸素原子が、配位子からなる平面より突き出た
分子構造になる。オキソ金属イオンの形成に好適な元素
として、チタン、バナジウム、モリブデンなどの第4族
〜第6族元素が好ましい。
【0048】なお、本発明で開示した有機化合物は、無
置換体の場合、様々な有機溶媒に対して溶解性に乏し
い。したがって、スピンコートなどの湿式法による成膜
や、再結晶法による精製などを考慮し、分子の溶解性を
向上させるためにアルキル基やアルコキシル基を導入し
てもよい。また、発光波長を長波長側にシフトさせる目
的で、アリール基を導入してもよい。
【0049】以下では、有機発光素子を作製する際の形
態について述べる。本発明で開示した有機化合物を有機
発光素子の発光材料として使用する場合、大きく分けて
二通りの分類が考えられる。一つは、図1(a)に代表さ
れるような、発光層としての使用法である。もう一つ
は、図1(b)に代表されるような、ドーパントとしての
使用法である。
【0050】なお、図1(a)では、本発明で開示した有
機化合物を電子輸送性発光層として用いている(シング
ルへテロ構造)が、正孔輸送層と電子輸送層の間に発光
層として設けてもよい(ダブルへテロ構造)。また、図
1(b)では、本発明で開示した有機化合物を電子輸送層
にドープしているが、正孔輸送層にドープしてもよい。
さらに、図1では陽極を基板上に設けているが、陰極を
基板上に設ける構造でもよい。
【0051】ここで、一般式(1)および(2)で表さ
れる有機化合物は、シクロヘキサンの部位は非平面であ
るが、先に述べたとおり、配位子の中心金属への配位部
分は平面状である。また、一般式(3)および(4)で
表される有機化合物は、全体に渡り平面状である。した
がって、本発明で開示した有機化合物は、全体的に平面
性の高い分子構造となっている。
【0052】このように分子の平面性が高い場合は分子
間相互作用が強く、単一の層として成膜した場合、濃度
消光により発光特性が低下する可能性が高い。そこで、
図1(a)のような発光層としての使用法よりも、図1(b)
のようなドーパントとしての使用法がより好ましい。
【0053】
【実施例】[実施例1]本実施例では、発明の実施の形
態において一般式(1)で表される複核錯体を具体的に
例示する。
【0054】下記式(5)で表される有機化合物は、中
心金属として一分子当たり2個のニッケルを用いた複核
錯体である。下記式(5)の複核錯体は、ニッケル原子
間の磁気的相互作用はないと考えられるが、中心金属が
近接してクラスター状態となることにより、総原子核荷
重がより増大し、実質的に重原子効果と同等の効果を引
き起こす可能性を考慮したものである。
【0055】
【化9】
【0056】また、下記式(6)で表される有機化合物
は、中心金属としてM1サイトに2価の銅イオンを、M2サ
イトに2価のオキソバナジウムイオンを導入した複核錯
体である。下記式(6)の複核錯体は、金属間に強磁性
的相互作用が働くため、三重項励起エネルギーを発光に
変換する効率が向上すると考えられる。
【0057】
【化10】
【0058】[実施例2]本実施例では、発明の実施の
形態において一般式(3)で表される複核錯体を具体的
に例示する。
【0059】下記式(7)で表される有機化合物は、中
心金属として一分子当たり2個のニッケルを用いた複核
錯体である。下記式(7)の複核錯体は、ニッケル原子
間の磁気的相互作用はないと考えられるが、中心金属が
近接してクラスター状態となることにより、総原子核荷
重がより増大し、実質的に重原子効果と同等の効果を引
き起こす可能性を考慮したものである。
【0060】
【化11】
【0061】また、下記式(8)で表される有機化合物
は、中心金属としてM1サイトに2価の銅イオンを、M2サ
イトに2価のオキソバナジウムイオンを導入した複核錯
体である。下記式(8)の複核錯体は、金属間に強磁性
的相互作用が働くため、三重項励起エネルギーを発光に
変換する効率が向上すると考えられる。
【0062】
【化12】
【0063】[実施例3]発明の実施の形態で示した一
般式(1)〜(4)で表される有機化合物は、有機発光
素子において、発光層、もしくは発光層におけるドーパ
ントとして用いることができるが、先に述べたとおり、
濃度消光の防止の観点からはドーパントとして用いるこ
とが好ましい。そこで本実施例では、ドーパントとして
用いる際の素子構成を示す。
【0064】図2に、その代表的な素子構造、およびバ
ンドダイアグラムを示す。図2は素子構造であり、基板
201上に、陽極202、正孔注入層203、正孔輸送層204、正
孔ブロッキング層205、電子輸送層206、および陰極207
を順次積層したものである。本発明の有機化合物は、ド
ーパント208として正孔輸送層204に添加している。な
お、ここでは基板が陽極に接する構造であるが、逆に基
板が陰極に接する構造としてもよい。
【0065】ここで、図2で示した素子を具体的に例示
する。まず、ガラス基板201上に、陽極202としてインジ
ウム錫酸化物(ITO)をスパッタリングにより成膜す
る。さらに、ポリスチレンスルホン酸(以下、「PSS」
と記す)をドープしたポリエチレンジオキシチオフェン
(以下、「PEDOT」と記す)の水溶液をスピンコートに
より成膜し、ベークすることにより正孔注入層203とす
る。
【0066】正孔輸送層204としては、励起エネルギー
が大きいためホストとしての汎用性が高い、ポリ(N−
ビニルカルバゾール)(以下、「PVK」と記す)を用い
る。したがって、一般式(1)のアルキル置換体(溶解
性を向上させるため)とPVKとを同一の溶媒に溶解さ
せ、スピンコートにより成膜すればよい。このとき、一
般式(1)のアルキル置換体がドーパント208となる。
【0067】次に、正孔輸送層204におけるキャリアの
再結合率を高めるため、正孔ブロッキング層205とし
て、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル
−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾー
ル(以下、「TAZ」と記す)を、真空蒸着にて成膜す
る。さらに、電子輸送層206として、Alq3を真空蒸着に
より成膜する。最後に、Al:Li合金を真空蒸着により成
膜し、陰極207とすればよい。
【0068】本実施例のように、高分子材料中に本発明
の有機化合物を分散させることによって、有機EL素子を
作製することも可能となる。
【0069】[実施例4]本実施例では、本発明で開示
した有機発光素子を含む発光装置について説明する。図
3は、本発明の有機発光素子を用いたアクティブマトリ
クス型発光装置の断面図である。
【0070】なお、能動素子としてここでは薄膜トラン
ジスタ(以下、「TFT」と記す)を用いているが、MOSト
ランジスタを用いてもよい。また、TFTとしてトップゲ
ート型TFT(具体的にはプレーナ型TFT)を例示するが、
ボトムゲート型TFT(典型的には逆スタガ型TFT)を用い
ることもできる。
【0071】図3(a)において、301は基板であり、ここ
では基板側から光を取り出すため、可視光を透過する基
板を用いる。具体的には、ガラス基板、石英基板、結晶
化ガラス基板もしくはプラスチック基板(プラスチック
フィルムを含む)を用いればよい。なお、基板301と
は、表面に設けた絶縁膜も含めるものとする。
【0072】基板301の上には画素部311および駆動回路
312が設けられている。まず、画素部311について説明す
る。
【0073】画素部311は画像表示を行う領域である。
基板上には複数の画素が存在し、各画素には有機発光素
子に流れる電流を制御するためのTFT(以下、「電流制
御TFT」と記す)302、画素電極(陽極)303、有機化合
物層304および陰極305が設けられている。なお、図3
(a)では電流制御TFTしか図示していないが、電流制御TF
Tのゲートに加わる電圧を制御するためのTFT(以下、
「スイッチングTFT」と記す)を設けている。
【0074】電流制御TFT302は、ここではpチャネル型T
FTを用いることが好ましい。nチャネル型TFTとすること
も可能であるが、図3のように有機発光素子の陽極に電
流制御TFTを接続する場合は、pチャネル型TFTの方が消
費電力を押さえることができる。ただし、スイッチング
TFTはnチャネル型TFTでもpチャネル型TFTでもよい。
【0075】また、電流制御TFT302のドレインには画素
電極303が電気的に接続されている。本実施例では、画
素電極303の材料として仕事関数が4.5〜5.5eVの導電性
材料を用いるため、画素電極303は有機発光素子の陽極
として機能する。画素電極303として代表的には、酸化
インジウム、酸化錫、酸化亜鉛もしくはこれらの化合物
(ITOなど)のような、光透過性の材料を用いればよ
い。画素電極303の上には有機化合物層304が設けられて
いる。
【0076】さらに、有機化合物層304の上には陰極305
が設けられている。陰極305の材料としては、仕事関数
が2.5〜3.5eVの導電性材料を用いることが望ましい。陰
極305として代表的には、アルカリ金属元素もしくはア
ルカリ土類金属元素を含む導電膜、アルミニウムを含む
導電膜、あるいはその導電膜にアルミニウムや銀などを
積層したもの、を用いればよい。
【0077】また、画素電極303、有機化合物層304、お
よび陰極305からなる層は、保護膜306で覆われている。
保護膜306は、有機発光素子を酸素および水から保護す
るために設けられている。保護膜306の材料としては、
窒化珪素、窒化酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化タン
タル、もしくは炭素(具体的にはダイヤモンドライクカ
ーボン)を用いる。
【0078】次に、駆動回路312について説明する。駆
動回路312は画素部311に伝送される信号(ゲート信号お
よびデータ信号)のタイミングを制御する領域であり、
シフトレジスタ、バッファ、ラッチ、アナログスイッチ
(トランスファゲート)もしくはレベルシフタが設けら
れている。図3(a)では、これらの回路の基本単位とし
てnチャネル型TFT307およびpチャネル型TFT308からなる
CMOS回路を示している。
【0079】なお、シフトレジスタ、バッファ、ラッ
チ、アナログスイッチ(トランスファゲート)もしくは
レベルシフタの回路構成は、公知のものでよい。また図
3では、同一の基板上に画素部311および駆動回路312を
設けているが、駆動回路312を設けずにICやLSIを電気的
に接続することもできる。
【0080】また、図3では電流制御TFT302に画素電極
(陽極)303が電気的に接続されているが、陰極が電流
制御TFTに接続された構造をとることもできる。その場
合、画素電極を陰極305と同様の材料で形成し、陰極を
画素電極(陽極)303と同様の材料で形成すればよい。
その場合、電流制御TFTはnチャネル型TFTとすることが
好ましい。
【0081】ところで、図3(a)に示した発光装置は、
画素電極303を形成した後に配線309を形成する工程で作
製されたものを示してあるが、この場合、画素電極303
が表面荒れを起こす可能性がある。有機発光素子は電流
駆動型の素子であるため、画素電極303の表面荒れによ
り、特性が悪くなることも考えられる。
【0082】そこで、図3(b)に示すように、配線309を
形成した後に画素電極303を形成する発光装置も考えら
れる。この場合、図3(a)の構造に比べて、画素電極303
からの電流の注入性が向上すると考えられる。
【0083】また、図3においては、正テーパー型の土
手状構造310によって、画素部311に設置されている各画
素を分離している。この土手状構造を、例えば逆テーパ
ー型のような構造にすることにより、土手状構造が画素
電極に接しない構造をとることもできる。その一例を図
4に示す。
【0084】図4では、配線を利用して分離部を兼ね
た、配線および分離部310を設けた。図4で示されるよ
うな配線および分離部310の形状(ひさしのある構造)
は、配線を構成する金属と、前記金属よりもエッチレー
トの低い材料(例えば金属窒化物)とを積層し、エッチ
ングすることにより形成することができる。この形状に
より、画素電極303や配線と、陰極305とが、ショートす
ることを防ぐことができる。なお、図4においては、通
常のアクティブマトリクス型の発光装置と異なり、画素
上の陰極305をストライプ状(パッシブマトリクスの陰
極と同様)にする構造になる。
【0085】また、図5(a)は、導電性高分子材料を正
孔注入領域として用いる場合に有効な電極構造を、アク
ティブマトリクス型の発光装置に導入した例である。断
面図を図5(a)に、各画素の電極構造の上面図を図5(b)
にそれぞれ示す。すなわち、各画素513において、陽極
が全面に成膜されているのではなく、ストライプ状にな
っており、そのストライプ状電極503の間にスリットが
形成されている構造である。
【0086】このような構造に直接有機化合物層を成膜
してしまうと、電極の存在しないスリットの部分は発光
しない。しかしながら、導電性高分子514を図5(a)のよ
うにコーティングすることにより、画素の全面が発光す
る。つまり、導電性高分子514は、正孔注入領域である
と同時に、電極の役割も果たしているとも言える。
【0087】図5のような発光装置のメリットとして
は、陽極503として、透明なものを使用する必要がない
ことである。スリットの開口率が8〜9割程度あれば、
十分な発光が取り出せる。また、平らな面を形成する導
電性高分子514によって、有機化合物層に対する電界の
加わり方は均一となり、絶縁破壊等も起こりにくくな
る。
【0088】次に、図3(b)に示したアクティブマトリ
クス型発光装置の外観を図6に示す。なお、図6(a)に
は上面図を示し、図6(b)には図6(a)をP−P'で切断し
た時の断面図を示す。また、図3の符号を引用する。
【0089】図6(a)において、601は画素部、602はゲ
ート信号側駆動回路、603はデータ信号側駆動回路であ
る。また、ゲート信号側駆動回路602およびデータ信号
側駆動回路603に伝送される信号は、入力配線604を介し
てTAB(Tape Automated Bonding)テープ605から入力さ
れる。なお、図示しないが、TABテープ605の代わりに、
TABテープにIC(集積回路)を設けたTCP(Tape Carrier
Package)を接続してもよい。
【0090】このとき、606は図3(b)に示した発光装置
の上方に設けられるカバー材であり、樹脂からなるシー
ル材607により接着されている。カバー材606は酸素およ
び水を透過しない材質であれば、いかなるものを用いて
もよい。本実施例では、カバー材606は図6(b)に示すよ
うに、プラスチック材606aと、前記プラスチック材606a
の表面および裏面に設けられた炭素膜(具体的にはダイ
ヤモンドライクカーボン膜)606b、606cからなる。
【0091】さらに、図6(b)に示すように、シール材6
07は樹脂からなる封止材608で覆われ、有機発光素子を
完全に密閉空間609に封入するようになっている。密閉
空間609は不活性ガス(代表的には窒素ガスや希ガ
ス)、樹脂または不活性液体(例えばパーフルオロアル
カンに代表される液状のフッ素化炭素)を充填しておけ
ばよい。さらに、吸湿剤や脱酸素剤を設けることも有効
である。
【0092】また、本実施例に示した発光装置の表示面
(画像を観測する面)に偏光板をもうけてもよい。この
偏光板は、外部から入射した光の反射を押さえ、観測者
が表示面に映り込むことを防ぐ効果がある。一般的に
は、円偏光板が用いられている。ただし、有機化合物層
から発した光が偏光板により反射されて内部に戻ること
を防ぐため、屈折率を調節して内部反射の少ない構造と
することが好ましい。
【0093】なお、本実施例の発光装置に含まれる有機
発光素子には、本発明で開示した有機発光素子のいずれ
を用いてもよい。
【0094】[実施例5]本実施例では、本発明で開示
した有機発光素子を含む発光装置の例として、アクティ
ブマトリクス型発光装置を例示するが、実施例4とは異
なり、能動素子が形成されている基板とは反対側から光
を取り出す構造(以下、「上方出射」と記す)の発光装
置を示す。図7にその断面図を示す。
【0095】なお、能動素子としてここでは薄膜トラン
ジスタ(以下、「TFT」と記す)を用いているが、MOSト
ランジスタを用いてもよい。また、TFTとしてトップゲ
ート型TFT(具体的にはプレーナ型TFT)を例示するが、
ボトムゲート型TFT(典型的には逆スタガ型TFT)を用い
ることもできる。
【0096】本実施例において、基板701、画素部に形
成された電流制御TFT702、および駆動回路712に関して
は、実施例4と同様の構成でよい。
【0097】電流制御TFT702のドレインに接続されてい
る第一電極703であるが、本実施例では陽極として用い
るため、仕事関数がより大きい導電性材料を用いること
が好ましい。その代表例として、ニッケル、パラジウ
ム、タングステン、金、銀などの金属が挙げられる。本
実施例では、第一電極703は光を透過しないことが好ま
しいが、それに加えて、光の反射性の高い材料を用いる
ことがさらに好ましい。
【0098】第一電極703の上には有機化合物層704が設
けられている。さらに、有機化合物層704の上には第二
電極705が設けられており、本実施例では陰極とする。
その場合、第二電極705の材料としては、仕事関数が2.5
〜3.5eVの導電性材料を用いることが望ましい。代表的
には、アルカリ金属元素もしくはアルカリ度類金属元素
を含む導電膜、アルミニウムを含む導電膜、あるいはそ
の導電膜にアルミニウムや銀などを積層したもの、を用
いればよい。ただし、本実施例は上方出射であるため、
第二電極705が光透過性であることが大前提である。し
たがって、これらの金属を用いる場合は、20nm程度の超
薄膜であることが好ましい。
【0099】また、第一電極703、有機化合物層704、お
よび第二電極705からなる層は、保護膜706で覆われてい
る。保護膜706は、有機発光素子を酸素および水から保
護するために設けられている。本実施例では、光を透過
するものであればいかなるものを用いてもよい。
【0100】なお、図7では電流制御TFT702に第一電極
(陽極)703が電気的に接続されているが、陰極が電流
制御TFTに接続された構造をとることもできる。その場
合、第一電極を陰極の材料で形成し、第二電極を陽極の
材料で形成すればよい。このとき、電流制御TFTはnチャ
ネル型TFTとすることが好ましい。
【0101】さらに、707はカバー材であり、樹脂から
なるシール材708により接着されている。カバー材707は
酸素および水を透過しない材質で、かつ、光を透過する
材質であればいかなるものを用いてもよい。本実施例で
はガラスを用いる。密閉空間709は不活性ガス(代表的
には窒素ガスや希ガス)、樹脂または不活性液体(例え
ばパーフルオロアルカンに代表される液状のフッ素化炭
素)を充填しておけばよい。さらに、吸湿剤や脱酸素剤
を設けることも有効である。
【0102】なお、ゲート信号側駆動回路およびデータ
信号側駆動回路に伝送される信号は、入力配線713を介
してTAB(Tape Automated Bonding)テープ714から入力
される。なお、図示しないが、TABテープ714の代わり
に、TABテープにIC(集積回路)を設けたTCP(Tape Car
rier Package)を接続してもよい。
【0103】また、本実施例に示した発光装置の表示面
(画像を観測する面)に偏光板をもうけてもよい。この
偏光板は、外部から入射した光の反射を押さえ、観測者
が表示面に映り込むことを防ぐ効果がある。一般的に
は、円偏光板が用いられている。ただし、有機化合物層
から発した光が偏光板により反射されて内部に戻ること
を防ぐため、屈折率を調節して内部反射の少ない構造と
することが好ましい。
【0104】なお、本実施例の発光装置に含まれる有機
発光素子には、本発明で開示した有機発光素子のいずれ
を用いてもよい。
【0105】[実施例6]本実施例では、本発明で開示
した有機発光素子を含む発光装置の例として、パッシブ
マトリクス型発光装置を例示する。図8(a)にはその上
面図を示し、図8(b)には図8(a)をP−P'で切断した時
の断面図を示す。
【0106】図8(a)において、801は基板であり、ここ
ではプラスチック材を用いる。プラスチック材として
は、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、エポキシ
樹脂、PES(ポリエチレンサルファイル)、PC(ポリカ
ーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)も
しくはPEN(ポリエチレンナフタレート)を板状、もし
くはフィルム上にしたものが使用できる。
【0107】802は酸化導電膜からなる走査線(陽極)
であり、本実施例では酸化亜鉛に酸化ガリウムを添加し
た酸化物導電膜を用いる。また、803は金属膜からなる
データ線(陰極)であり、本実施例ではビスマス膜を用
いる。また、804はアクリル樹脂からなるバンクであ
り、データ線803を分断するための隔壁として機能す
る。走査線802とデータ線803は両方とも、ストライプ状
に複数形成されており、互いに直交するように設けられ
ている。なお、図8(a)では図示していないが、走査線8
02とデータ線803の間には有機化合物層が挟まれてお
り、交差部805が画素となる。
【0108】そして、走査線802およびデータ線803はTA
Bテープ807を介して外部の駆動回路に接続される。な
お、808は走査線802が集合してなる配線群を表してお
り、809はデータ線803に接続された接続配線806の集合
からなる配線群を表す。また、図示していないが、TAB
テープ807の代わりに、TABテープにICを設けたTCPを接
続してもよい。
【0109】また、図8(b)において、810はシール材、
811はシール材810によりプラスチック材801に貼り合わ
されたカバー材である。シール材810としては光硬化樹
脂を用いていればよく、脱ガスが少なく、吸湿性の低い
材料が望ましい。カバー材としては基板801と同一の材
料が好ましく、ガラス(石英ガラスを含む)もしくはプ
ラスチックを用いることができる。ここではプラスチッ
ク材を用いる。
【0110】次に、画素領域の構造の拡大図を図8(c)
に示す。813は有機化合物層である。なお、図8(c)に示
すように、バンク804は下層の幅が上層の幅よりも狭い
形状になっており、データ線803を物理的に分断でき
る。また、シール材810で囲まれた画素部814は、樹脂か
らなる封止材815により外気から遮断され、有機化合物
層の劣化を防ぐ構造となっている。
【0111】以上のような構成からなる本発明の発光装
置は、画素部814が走査線802、データ線803、バンク804
および有機化合物層813で形成されるため、非常に簡単
なプロセスで作製することができる。
【0112】また、本実施例に示した発光装置の表示面
(画像を観測する面)に偏光板をもうけてもよい。この
偏光板は、外部から入射した光の反射を押さえ、観測者
が表示面に映り込むことを防ぐ効果がある。一般的に
は、円偏光板が用いられている。ただし、有機化合物層
から発した光が偏光板により反射されて内部に戻ること
を防ぐため、屈折率を調節して内部反射の少ない構造と
することが好ましい。
【0113】なお、本実施例の発光装置に含まれる有機
発光素子には、本発明で開示した有機発光素子のいずれ
を用いてもよい。
【0114】[実施例7]本実施例では、実施例6で示
した発光装置にプリント配線板を設けてモジュール化し
た例を示す。
【0115】図9(a)に示すモジュールは、基板901(こ
こでは、画素部902、配線903a、 903bを含む)にTABテ
ープ904が取り付けられ、前記TABテープ904を介してプ
リント配線板905が取り付けられている。
【0116】ここで、プリント配線板905の機能ブロッ
ク図を図9(b)に示す。プリント配線板905の内部には少
なくともI/Oポート(入力もしくは出力部)906、 909、
データ信号側駆動回路907およびゲート信号側回路908と
して機能するICが設けられている。
【0117】このように、基板面に画素部が形成された
基板にTABテープが取り付けられ、そのTABテープを介し
て駆動回路としての機能を有するプリント配線版が取り
付けられた構成のモジュールを、本明細書では特に駆動
回路外付け型モジュールと呼ぶことにする。
【0118】なお、本実施例の発光装置に含まれる有機
発光素子には、本発明で開示した有機発光素子のいずれ
を用いてもよい。
【0119】[実施例8]本実施例では、実施例4、実
施例5、もしくは実施例6に示した発光装置にプリント
配線板を設けてモジュール化した例を示す。
【0120】図10(a)に示すモジュールは、基板1001
(ここでは、画素部1002、データ信号側駆動回路1003、
ゲート信号側駆動回路1004、配線1003a、 1004aを含
む)にTABテープ1005が取り付けられ、そのTABテープ10
05を介してプリント配線板1006が取り付けられている。
プリント配線板1006の機能ブロック図を図10(b)に示
す。
【0121】図10(b)に示すように、プリント配線板1
006の内部には少なくともI/Oポート1007、 1010、コン
トロール部1008として機能するICが設けられている。な
お、ここではメモリ部1009を設けてあるが、必ずしも必
要ではない。またコントロール部1008は、駆動回路の制
御、映像データの補正などをコントロールするための機
能を有した部位である。
【0122】このように、有機発光素子の形成された基
板にコントローラーとしての機能を有するプリント配線
板が取り付けられた構成のモジュールを、本明細書では
特にコントローラー外付け型モジュールと呼ぶことにす
る。
【0123】なお、本実施例の発光装置に含まれる有機
発光素子には、本発明で開示した有機発光素子のいずれ
を用いてもよい。
【0124】[実施例9]本実施例では、有機発光素子
を、デジタル時間階調表示により駆動する発光装置の例
を示す。本実施例の発光装置は、デジタル時間階調表示
により均一な像を得ることができ、非常に有用である。
【0125】有機発光素子を用いた画素の、回路構成を
図11(a)に示す。Trはトランジスタ、Csはストレージ
キャパシタを表す。この回路においては、ゲート線が選
択されると、電流がソース線からTr1に流れ、その信号
に対応する電圧がCsに蓄積される。そして、Tr2のゲー
トおよびソース間の電圧(Vgs)により制御される電流
が、Tr2および有機発光素子に流れることになる。
【0126】Tr1が選択されたあとは、Tr1はオフ状態と
なり、Csの電圧(Vgs)が保持される。したがって、Vgs
に依存するだけの電流を流し続けることができる。
【0127】このような回路を、デジタル時間階調表示
により駆動するチャートを図22(b)に示す。すなわ
ち、1フレームを複数のサブフレームに分割するわけだ
が、図11(b)では、1フレームを6つのサブフレーム
に分割する6ビット階調とした。この場合、それぞれの
サブフレーム発光期間の割合は、32:16:8:4:
2:1となる。
【0128】本実施例におけるTFT基板の駆動回路の概
要を図11(c)に示す。ゲートドライバおよびソースド
ライバは同じ基板上に設けられている。本実施例では、
画素回路およびドライバは、デジタル駆動するように設
計されているため、TFT特性のばらつきの影響を受ける
ことなく、均一な像を得ることができる。
【0129】[実施例10]上記実施例で述べた本発明
の発光装置は、低消費電力で安価であるという利点を有
する。したがって、前記発光装置が表示部等として含ま
れる電気器具は、従来よりも低い消費電力で動作可能で
あり、なおかつ安価に提供できる電気器具となる。特に
電源としてバッテリーを使用する携帯機器のような電気
器具に関しては、低消費電力化が便利さに直結する(電
池切れが起こりにくい)ため、極めて有用である。
【0130】また、前記発光装置は、自発光型であるこ
とから液晶表示装置のようなバックライトは必要なく、
有機化合物層の厚みも1μmに満たないため、薄型軽量
化が可能である。したがって、前記発光装置が表示部等
として含まれる電気器具は、従来よりも薄型軽量な電気
器具となる。このことも、特に携帯機器のような電気器
具に関して、便利さ(持ち運びの際の軽さやコンパクト
さ)に直結するため、極めて有用である。さらに、電気
器具全般においても、薄型である(かさばらない)こと
は運送面(大量輸送が可能)、設置面(部屋などのスペ
ース確保)からみても有用であることは疑いない。
【0131】なお、前記発光装置は自発光型であるため
に、液晶表示装置に比べて明るい場所での視認性に優
れ、しかも視野角が広いという特徴を持つ。したがっ
て、前記発光装置を表示部として有する電気器具は、表
示の見やすさの点でも大きなメリットがある。
【0132】すなわち、本発明の発光装置を用いた電気
器具は、薄型軽量・高視認性といった従来の有機発光素
子の長所に加え、低消費電力・低コストという特長も保
有しており、極めて有用である。
【0133】本実施例では、本発明の発光装置を表示部
として含む電気器具を例示する。その具体例を図12お
よび図13に示す。なお、本実施例の電気器具に含まれ
る有機発光素子には、本発明で開示した素子のいずれを
用いてもよい。また、本実施例の電気器具に含まれる発
光装置の形態は、図3〜図11のいずれの形態を用いて
も良い。
【0134】図12(a)は有機発光素子を用いたディス
プレイであり、筐体1201a、支持台1202a、表示部1203a
を含む。本発明の発光装置を表示部1203aとして用いた
ディスプレイを作製することにより、薄く軽量で、安価
なディスプレイを実現できる。よって、輸送が簡便にな
り、設置の際の省スペースが可能となる上に、価格も抑
えることができる。
【0135】図12(b)はビデオカメラであり、本体120
1b、表示部1202b、音声入力部1203b、操作スイッチ1204
b、バッテリー1205b、受像部1206bを含む。本発明の発
光装置を表示部1202bとして用いたビデオカメラを作製
することにより、消費電力が少なく、軽量なビデオカメ
ラを実現できる。よって、電池の消費量が少なくなり、
持ち運びも簡便になる。
【0136】図12(c)はデジタルカメラであり、本体1
201c、表示部1202c、接眼部1203c、操作スイッチ1204c
を含む。本発明の発光装置を表示部1202cとして用いた
デジタルカメラを作製することにより、消費電力が少な
く、軽量なデジタルカメラを実現できる。よって、電池
の消費量が少なくなり、持ち運びも簡便になる。
【0137】図12(d)は記録媒体を備えた画像再生装
置であり、本体1201d、記録媒体(CD、LD、またはDVDな
ど)1202d、操作スイッチ1203d、表示部(A)1204d、表示
部(B)1205dを含む。表示部(A)1204dは主として画像情報
を表示し、表示部(B)1205dは主として文字情報を表示す
る。本発明の発光装置をこれら表示部(A)1204dや表示部
(B)1205dとして用いた画像再生装置を作製することによ
り、消費電力が少なく軽量な上に、安価な画像再生装置
を実現できる。なお、この記録媒体を備えた画像再生装
置には、CD再生装置、ゲーム機器なども含む。
【0138】図12(e)は携帯型(モバイル)コンピュ
ータであり、本体1201e、表示部1202e、受像部1203e、
操作スイッチ1204e、メモリスロット1205eを含む。本発
明の発光装置を表示部1202eとして用いた携帯型コンピ
ュータを作製することにより、消費電力が少なく、薄型
軽量な携帯型コンピュータを実現できる。よって、電池
の消費量が少なくなり、持ち運びも簡便になる。なお、
この携帯型コンピュータはフラッシュメモリや不揮発性
メモリを集積化した記録媒体に情報を記録したり、それ
を再生したりすることができる。
【0139】図12(f)はパーソナルコンピュータであ
り、本体1201f、筐体1202f、表示部1203f、キーボード1
204fを含む。本発明の発光装置を表示部1203fとして用
いたパーソナルコンピュータを作製することにより、消
費電力が少なく、薄型軽量なパーソナルコンピュータを
実現できる。特に、ノートパソコンのように持ち歩く用
途が必要な場合、電池の消費量や軽さの点で大きなメリ
ットとなる。
【0140】なお、上記電気器具はインターネットなど
の電子通信回線や電波などの無線通信を通じて配信され
る情報を表示することが多くなってきており、特に動画
情報を表示する機会が増えている。有機発光素子の応答
速度は非常に速く、そのような動画表示に好適である。
【0141】次に、図13(a)は携帯電話であり、本体1
301a、音声出力部1302a、音声入力部1303a、表示部1304
a、操作スイッチ1305a、アンテナ1306aを含む。本発明
の発光装置を表示部1304aとして用いた携帯電話を作製
することにより、消費電力が少なく、薄型軽量な携帯電
話を実現できる。よって、電池の消費量が少なくなり、
持ち運びも楽になる上にコンパクトな本体にできる。
【0142】図13(b)は音響機器(具体的には車載用
オーディオ)であり、本体1301b、表示部1302b、操作ス
イッチ1303b、1304bを含む。本発明の発光装置を表示部
1302bとして用いた音響機器を作製することにより、消
費電力が少なく、軽量な音響機器を実現できる。また、
本実施例では車載用オーディオを例として示すが、家庭
用オーディオに用いても良い。
【0143】なお、図12〜図13で示したような電気
器具において、さらに光センサを内蔵させ、使用環境の
明るさを検知する手段を設けることで、使用環境の明る
さに応じて発光輝度を変調させるような機能を持たせる
ことは有効である。使用者は、使用環境の明るさに比べ
てコントラスト比で100〜150の明るさを確保できれば、
問題なく画像もしくは文字情報を認識できる。すなわ
ち、使用環境が明るい場合は画像の輝度を上げて見やす
くし、使用環境が暗い場合は画像の輝度を抑えて消費電
力を抑えるといったことが可能となる。
【0144】また、本発明の発光装置を光源として用い
た様々な電気器具も、低消費電力での動作や薄型軽量化
が可能であるため、非常に有用と言える。代表的には、
液晶表示装置のバックライトもしくはフロントライトと
いった光源、または照明機器の光源として本発明の発光
装置を含む電気器具は、低消費電力の実現や薄型軽量化
が可能である。
【0145】したがって、本実施例に示した図12〜図
13の電気器具の表示部を、全て液晶ディスプレイにす
る場合においても、その液晶ディスプレイのバックライ
トもしくはフロントライトとして本発明の発光装置を用
いた電気器具を作製することにより、消費電力が少な
く、薄くて軽量な電気器具が達成できる。
【0146】
【発明の効果】本発明を実施することで、消費電力が少
ない上に、安価な発光装置を得ることができる。さら
に、そのような発光装置を光源もしくは表示部に用いる
ことで、明るく消費電力が少ない上に、安価な電気器具
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機発光素子の構造を示す図。
【図2】有機発光素子の構造を示す図。
【図3】発光装置の断面構造を示す図。
【図4】発光装置の断面構造を示す図。
【図5】発光装置の断面構造を示す図。
【図6】発光装置の上面構造および断面構造を示す図。
【図7】発光装置の上面構造および断面構造を示す図。
【図8】発光装置の上面構造および断面構造を示す図。
【図9】発光装置の構成を示す図。
【図10】発光装置の構成を示す図。
【図11】発光装置の構成を示す図。
【図12】電気器具の具体例を示す図。
【図13】電気器具の具体例を示す図。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極
    の間に設けられた有機化合物層と、を有する有機発光素
    子において、前記有機化合物層は、下記の一般式(1) 【化1】 で表される有機化合物を含むことを特徴とする有機発光
    素子(ただし、M1およびM2は、2価の金属イオンないし
    は2価のオキソ金属イオンを表す。Xはベンゼン環また
    はベンゼン環からなる縮合環であり、置換基を有してい
    ても良い。R1は水素またはアルキル基を表す。R2〜R11
    はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素またはア
    ルキル基を表す)。
  2. 【請求項2】陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極
    の間に設けられた有機化合物層と、を有する有機発光素
    子において、前記有機化合物層は、下記の一般式(2) 【化2】 で表される有機化合物を含むことを特徴とする有機発光
    素子(ただし、M1およびM2は、2価の金属イオンないし
    は2価のオキソ金属イオンを表す。R1は水素またはアル
    キル基またはアルコキシル基またはアリール基を表す。
    R2〜R11はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素
    またはアルキル基を表す)。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の有機発光
    素子において、前記M1および前記M2は、第9族元素乃至
    第11族元素のいずれかからなる金属イオンであること
    を特徴とする有機発光素子。
  4. 【請求項4】請求項1または請求項2に記載の有機発光
    素子において、前記M1および前記M2は、第4族元素乃至
    第6族元素のいずれかを含むオキソ金属イオンであるこ
    とを特徴とする有機発光素子。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記
    載の有機発光素子において、前記一般式(1)または前
    記一般式(2)で表される有機化合物は、前記有機化合
    物層に対するドーパントとして用いられていることを特
    徴とする有機発光素子。
  6. 【請求項6】陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極
    の間に設けられた有機化合物層と、からなる有機発光素
    子において、前記有機化合物層は、下記の一般式(3) 【化3】 で表される有機化合物を含むことを特徴とする有機発光
    素子(ただし、M1およびM2は、2価の金属イオンないし
    は2価のオキソ金属イオンを表す。R1は水素またはアル
    キル基を表す。また、X1およびX2はそれぞれ同一でも異
    なっていてもよく、ベンゼン環またはベンゼン環からな
    る縮合環であり、置換基を有していても良い)。
  7. 【請求項7】陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極
    の間に設けられた有機化合物層と、を有する有機発光素
    子において、前記有機化合物層は、下記の一般式(4) 【化4】 で表される有機化合物を含むことを特徴とする有機発光
    素子(ただし、M1およびM2は、2価の金属イオンないし
    は2価のオキソ金属イオンを表す。R1およびR2はそれぞ
    れ同一でも異なっていてもよく、水素またはアルキル基
    またはアルコキシル基またはアリール基を表す)。
  8. 【請求項8】請求項6または請求項7に記載の有機発光
    素子において、前記M1および前記M2は、第9族元素乃至
    第11族元素のいずれかからなる金属イオンであること
    を特徴とする有機発光素子。
  9. 【請求項9】請求項6または請求項7に記載の有機発光
    素子において、前記M1および前記M2は、第4族元素乃至
    第6族元素のいずれかを含むオキソ金属イオンであるこ
    とを特徴とする有機発光素子。
  10. 【請求項10】請求項6乃至請求項9のいずれか一項に
    記載の有機発光素子において、前記一般式(3)または
    前記一般式(4)で表される有機化合物は、前記有機化
    合物層に対するドーパントとして用いられていることを
    特徴とする有機発光素子。
  11. 【請求項11】請求項1乃至請求項10のいずれか一項
    に記載の有機発光素子を用いたことを特徴とする発光装
    置。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の発光装置を用いたこ
    とを特徴とする電気器具。
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