JP2002184582A - 発光装置 - Google Patents

発光装置

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JP2002184582A
JP2002184582A JP2001302017A JP2001302017A JP2002184582A JP 2002184582 A JP2002184582 A JP 2002184582A JP 2001302017 A JP2001302017 A JP 2001302017A JP 2001302017 A JP2001302017 A JP 2001302017A JP 2002184582 A JP2002184582 A JP 2002184582A
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JP2001302017A
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Tetsushi Seo
哲史 瀬尾
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 スピン−軌道相互作用が大きくなる分子構造
の有機化合物(複核錯体)を発光層もしくはドーパント
として用いて三重項励起エネルギーを発光に変換しうる
有機EL素子を得るとき、核錯体に安価な中心金属の導入
により製造コストを低減でき、明るく低消費電力で、安
価な発光装置および電気器具を提供する。 【解決手段】 一般式1、例えば式10 (Mは6族元素を、Rは水素、ハロゲン、アルキル基、
アルコキシル基、アリール基または置換基を有するアリ
ール基を表す。)の有機化合物を有機EL素子として含
む発光装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、電場を加えることでル
ミネッセンス(Electro Luminescence:以下、「EL」と
記す)が得られる有機化合物を含む層(以下、「有機EL
膜」と記す)と、陽極層と、陰極層とを有する素子(以
下、「有機EL素子」と記す)を光源とする発光装置に関
する。有機化合物におけるELには、一重項励起状態から
基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から
基底状態に戻る際の発光(リン光)があるが、本発明で
は特に、ELとしてリン光が発生しうる有機化合物を用い
た発光装置に関する。なお、本明細書中における発光装
置とは、発光素子として有機EL素子を用いた画像表示デ
バイスもしくは発光デバイスを指す。また、有機EL素子
にTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP
(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュー
ル、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられた
モジュール、または有機EL素子にCOG(Chip On Glass)
方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュール
も全て発光装置に含むものとする。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子は電場を加えることにより発
光する素子であり、軽量・直流低電圧駆動・高速応答性
などの特性から、次世代のフラットパネルディスプレイ
素子として注目されている。また、自発光型であり視野
角が広いことから、携帯機器の表示画面として有効と考
えられている。
【0003】有機EL素子の発光機構は、陰極から注入さ
れた電子と陽極から注入された正孔が再結合して励起状
態の分子(以下、「分子励起子」と記す)を形成し、そ
の分子励起子が基底状態に戻るときにエネルギーを放出
して発光すると言われている。励起状態には一重項状態
(S*)と三重項状態(T*)が可能であり、その統計的な
生成比率はS*:T*=1:3であると考えられている(文献
1:筒井哲夫、「応用物理学会有機分子・バイオエレク
トロニクス分科会・第3回講習会テキスト」、P.31(19
93))。
【0004】しかしながら、一般的な有機化合物は室温
において、三重項励起状態(T*)からの発光(リン光)
は観測されない。このことは有機EL素子においても同様
であり、通常は一重項励起状態(S*)からの発光(蛍
光)のみが観測されることになる。したがって、有機EL
素子における内部量子効率(注入したキャリアに対して
発生するフォトンの割合)の理論的限界は、S*:T*
1:3であることを根拠に25%とされていた。
【0005】また、発生した光は全て発光装置外部に放
出されるわけではなく、一部の光は有機EL素子構成材料
(有機EL膜、電極)や基板材料固有の屈折率が原因で取
り出すことができない。発生した光のうち発光装置外部
に取り出される率は光の取り出し効率と呼ばれるが、ガ
ラス基板上に有機EL素子を設けた場合、その取り出し効
率は約20%程度と言われている。
【0006】以上の理由から、注入したキャリアが全て
励起子を形成したとしても、その注入キャリア数に対し
て最終的に発光装置外部に取り出せるフォトンの割合
(以下、「外部量子効率」と記す)の理論的限界は、25
%×20%=5%と言われていた。すなわち、全てのキャリア
が再結合したとしても、そのうちの5%しか光として取り
出せない計算になる。
【0007】ところが近年、三重項励起状態から基底状
態に戻る際に放出されるエネルギー(以下、「三重項励
起エネルギー」と記す)を発光に変換できる有機EL素子
が相次いで発表され、その発光効率の高さが注目されて
いる(文献2:D. F. O'Brien, M. A. Baldo, M. E. Th
ompson and S. R. Forrest, "Improved energy transfe
r in electrophosphorescent devices", Applied Physi
cs Letters, vol. 74,No. 3, 442-444 (1999))(文献
3:Tetsuo Tsutsui, Moon-Jae Yang, Masayuki Yahir
o, Kenji Nakamura, Teruichi Watanabe, Taishi Tsuj
i, Yoshinori Fukuda, Takeo Wakimoto and Satoshi Mi
yaguchi, "High Quantum Efficiency in Organic Light
-Emitting Devices with Iridium-Complex as a Triple
t EmissiveCenter", Japanese Journal of Applied Phy
sics, Vol. 38, L1502-L1504 (1999))。
【0008】文献2では白金を中心金属とする金属錯体
(以下、「白金錯体」と記す)を、文献3ではイリジウ
ムを中心金属とする金属錯体(以下、「イリジウム錯
体」と記す)を用いており、いずれの金属錯体も第3遷
移系列元素を中心金属として導入していることが特徴で
あると言える。その中には、先に述べた外部量子効率の
理論的限界値5%をゆうに越えるものも存在する。
【0009】また、イリジウム錯体からなる層と公知の
蛍光色素であるDCM2からなる層とを交互に積層すること
により、イリジウム錯体で生成した三重項励起エネルギ
ーをDCM2に移動させ、DCM2の発光に寄与させることもで
きる(文献4:M. A. Baldo,M. E. Thompson and S. R.
Forrest, "High-efficiency fluorescent organicligh
t-emitting devices using a phosphorescent sensitiz
er", Nature(London), Vol. 403, 750-753 (2000))。D
CM2の発光は一重項励起状態からの発光(蛍光)である
が、効率よく発生するイリジウム錯体の三重項励起エネ
ルギーを他の分子であるDCM2の一重項励起エネルギーへ
と利用できる利点がある。
【0010】文献2〜文献4に示されるとおり、三重項
励起エネルギーを発光に変換できる有機EL素子は、従
来よりも高い外部量子効率を達成できる。そして、外部
量子効率が高くなれば発光輝度も向上する。したがっ
て、三重項励起エネルギーを発光に変換できる有機EL素
子は、高輝度発光・高発光効率を達成するための手法と
して、今後の開発において大きなウェートを占めるもの
と考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、白金も
しくはイリジウムは共にいわゆる貴金属であるため、そ
れらを用いた白金錯体やイリジウム錯体も高価であり、
将来的にコスト低減の弊害になることが予想される。
【0012】さらに、前記イリジウム錯体の発光色は緑
色、すなわち可視光領域の中では中間に位置する波長で
あり、イリジウムを用いた金属錯体で他の発光色は報告
されていない。また、前記白金錯体はドーパントとして
用いると比較的色純度のよい赤色に発光するが、濃度が
低い場合はホスト材料も光ってしまうため色純度が悪く
なり、濃度が高い場合は濃度消光のため発光効率が落ち
てしまうという欠点がある。
【0013】つまり、色純度の高い赤色や青色の高効率
発光は、三重項励起エネルギーを発光に変換できる有機
EL素子からは得られていない。したがって将来的に、
赤、緑、青の発光色を用いてフルカラーのフラットパネ
ルディスプレイを作製することを考えると、イリジウム
錯体や白金錯体と同様に高い外部量子効率でなおかつ色
純度の高い赤色発光および青色発光を、より安価な材料
を用いて達成しなければならない。
【0014】以上のことから、既存のイリジウム錯体や
白金錯体以外に、三重項励起エネルギーを発光に変換し
うる(すなわち、リン光発光が得られる)有機化合物の
開発が必要不可欠な状況にある。
【0015】本発明では、三重項励起エネルギーを発光
に変換しうる有機化合物を、従来よりも安価に提供する
ことを課題とする。またそれを用いて、発光効率が高
く、安価に作製できる有機EL素子を提供することを課題
とする。
【0016】さらに、本発明を実施することで得られる
発光効率の高い有機EL素子を用いて、明るく消費電力が
少ない上に安価な発光装置、および前記発光装置を用い
た電気器具を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は、フォトルミ
ネッセンス(Photo Luminescence:以下、「PL」と記
す)の分野において知られている重原子効果に着目し
た。重原子効果とは、分子内ないしは溶媒内に重原子
(多くの原子核荷重を保有している原子)を導入するこ
とにより、スピン−軌道相互作用が大きくなり、リン光
発光が促進されることをいう。なお、原子核荷重とは原
子番号、すなわち原子核の正電荷の数に相当する。
【0018】そこで本発明者は、三重項励起エネルギー
を発光に変換するためには、スピン−軌道相互作用の大
きな分子構造の導入が最重要であると考えた。すなわ
ち、重原子そのものを用いることによる重原子効果の導
入はもちろんのこと、重原子を用いない場合でも、スピ
ン−軌道相互作用の大きい分子構造を導入することによ
り、三重項励起エネルギーを発光に変換しうると考え
た。
【0019】その一つの手法として、強磁性もしくは反
強磁性を示す分子構造を導入することが考えられる。し
かしながら、従来の有機EL材料で用いられているような
金属錯体や有機色素には、そのような性質を示す分子構
造を持つものはない。したがって、これまでに有機EL素
子に用いられている材料とは異なった分子構造を持ち、
それにより強磁性もしくは反強磁性を示すような有機化
合物を適用する必要がある。
【0020】そこで本発明者は、複核錯体(2個の中心
金属を有する金属錯体)に着目した。その理由は、常磁
性金属イオンを有する複核錯体において、しばしば錯体
内で強磁性的あるいは反強磁性的な相互作用が見られる
ためである。
【0021】また、特に2個の中心金属同士が金属・金
属結合(以下、「M−M結合」と記す)している複核錯体
(以下、「クラスター錯体」と記す)では、総原子核荷
重がより増大し、実質的に重原子効果と同等の効果を引
き起こす可能性があると本発明者は考えている。このこ
とも、複核錯体に着目した理由である。
【0022】M−M結合が生成しやすい条件としては、金
属錯体内の2個の金属原子において、d軌道のエネルギ
ー準位が近い上に、その広がりが十分に大きく形が適切
であることが挙げられる。また、軌道の電子配置がM−M
結合に適していることも重要である。
【0023】ここでd軌道の広がりに関して考えると、
遷移系列元素の左の部分に位置する元素の方が、また、
下に位置する元素の方が、よりM−M結合に有利である。
したがって、ニオブおよびタンタル(5族)、モリブデ
ンおよびタングステン(6族)、テクネチウムおよびレ
ニウム(7族)は、金属錯体内でM−M結合を形成しやす
い。特に、テクネチウム、レニウム、モリブデンおよび
タングステンは結合力が強く、金属錯体内における四重
結合も珍しくない。
【0024】これらの中で、6族元素であるモリブデン
およびタングステンは安価な金属であり、本発明に好適
である。6族元素で周期表の一番上にあるクロムも、モ
リブデンないしはタングステンと同様なd軌道の電子配
置を持つため、M−M結合に適していると考えられる。
【0025】以上のことから、本発明では、スピン−軌
道相互作用を大きくしうる有機化合物として、6族元素
(クロム、モリブデン、タングステン)を中心金属とす
るクラスター錯体(以下、「6族クラスター錯体」と記
す)を有機EL素子に適用することを特徴とする。
【0026】ここで、特にタングステンはイリジウムや
白金に匹敵する重原子であり(イリジウムの原子番号7
7、白金の原子番号78と比較しても、タングステンの原
子番号74はほぼ同等である)、イリジウムや白金と同様
の重原子効果を発現できる可能性が高い。したがって、
上で述べた6族クラスター錯体の中でも、M−M結合によ
る効果だけでなく、重原子効果そのものによりリン光発
光が促進されることが期待できる。
【0027】また、イリジウムや白金と同等の重原子と
しては第3遷移系列元素に属する遷移金属が挙げられる
が、タングステンはその中では最も地球上における含有
量が多く、安価な金属である。このことも本発明には好
適と言える。
【0028】したがって本発明では、スピン−軌道相互
作用を大きくしうる有機化合物として、特に6族クラス
ター錯体の中でもタングステンを中心金属とする金属錯
体(以下、「タングステン錯体」と記す)を有機EL素子
に適用することを特徴とする。
【0029】なお、同じ配位子で中心金属だけを変えた
6族クラスター錯体を作製することは、比較的容易であ
る。中心金属の違いによって励起エネルギー状態は変化
すると考えられるため、中心金属が変わることによる発
光色の変化が期待できることも、6族クラスター錯体の
大きな特徴と言える。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明で用いる三重項励起エネル
ギーを発光に変換しうる有機化合物は、以下に示す一般
式で表すことができる(請求項1〜請求項3)。
【0031】
【化7】
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】ただし、Mは6族元素を表す。また、Rは水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、
アリール基、または置換基を有するアリール基、を表
す。
【0035】さらに、一般式(7)、(8)、および
(9)で表される有機化合物において、中心金属Mをタ
ングステンとする有機化合物は、重原子効果の観点から
本発明に好適であるため、特に本発明に用いることが望
ましい(請求項4〜請求項6)。
【0036】以上に示した本発明の有機化合物は、安価
な中心金属を用いた金属錯体であるため、従来よりも安
価なものにすることができる。また、前記有機化合物を
用いた有機EL素子は、三重項励起エネルギーを発光に変
換することにより、発光効率を従来よりも高くすること
ができる。したがって、本発明で開示した有機化合物を
含む有機EL素子を用いた発光装置は、明るく消費電力が
少ない上に安価なものとして提供できる。
【0037】なお、これらの有機化合物の合成法につい
ては、下記の文献に記載の合成法を踏襲すればよい(文
献5:F. Albert Cotton, Phillip E. Fanwick, Ron H.
Niswander, and Janine C. Sekutowski, "A Triad of
Homologous, Air-Stable Compounds Containing Short,
Quadruple Bonds between Metal Atoms of Group 6",
Journal of the American Chemical Society, 4725-473
2(1978)。文献5では、6族金属のアセテートないしは
ヘキサカルボニルを中心金属原料としており、前記原料
及び配位子を同一溶媒に溶解し、窒素気流化にて撹拌
(あるいは加熱撹拌)することによって合成を行ってい
る。
【0038】上記文献5で示されている合成法によれ
ば、タングステン錯体の場合では収率が95%に達するな
ど、収率が非常に高いことが特徴的である。したがっ
て、より安価に作製するという本発明の目的に好適と言
える。
【0039】
【実施例】[実施例1]本実施例では、発明の実施の形
態において一般式(7)で表される6族クラスター錯体
を具体的に例示する。
【0040】下記式(10)で表される有機化合物は、
中心金属としてタングステンを用いた6族クラスター錯
体であり、M−M結合による総原子核荷重の増加およびタ
ングステンの重原子効果により、スピン−軌道相互作用
の増大が期待される。したがって、三重項励起エネルギ
ーを発光に変換する効率が向上すると考えられる。
【0041】
【化10】
【0042】合成法は文献5で示された通りである。ま
ず、3.52g(10mmol)のタングステンヘキサカルボニル
と2.20g(20mmol)の2−ヒドロキシ−6−メチル−ピ
リジンを蒸留済みのジグライム150mLに加える。この反
応溶媒を加熱撹拌しつつ、窒素気流化にて6時間環流を
行う。反応後、室温まで除冷することによって目的物が
得られる。
【0043】なお、ここでは反応溶媒として文献5と同
様のジグライムを用いているが、その他の方法として、
ジオキサンなども反応溶媒として用いることができると
考えられる。タングステンヘキサカルボニルは比較的低
温(数十℃程度)でジオキサンに十分溶解するため、こ
の場合は加熱温度を下げることができるというメリット
がある。
【0044】[実施例2]本実施例では、発明の実施の
形態において一般式(8)で表される6族クラスター錯
体を具体的に例示する。
【0045】下記式(11)で表される有機化合物は、
中心金属としてタングステンを用いた6族クラスター錯
体であり、M−M結合による総原子核荷重の増加およびタ
ングステンの重原子効果により、スピン−軌道相互作用
の増大が期待される。したがって、三重項励起エネルギ
ーを発光に変換する効率が向上すると考えられる。
【0046】
【化11】
【0047】なお、合成法は実施例1と同様でよい。た
だし、2−ヒドロキシ−6−メチル−ピリジンの替わり
に、4−メチル−2−キノリノールを用いる。
【0048】[実施例3]本実施例では、発明の実施の
形態において一般式(9)で表される6族クラスター錯
体を具体的に例示する。
【0049】下記式(12)で表される有機化合物は、
中心金属としてタングステンを用いた6族クラスター錯
体であり、M−M結合による総原子核荷重の増加およびタ
ングステンの重原子効果により、スピン−軌道相互作用
の増大が期待される。したがって、三重項励起エネルギ
ーを発光に変換する効率が向上すると考えられる。
【0050】
【化12】
【0051】なお、合成法は実施例1と同様でよい。た
だし、2−ヒドロキシ−6−メチル−ピリジンの替わり
に、2−ヒドロキシベンゾ[f]−キノリンを用いる。
【0052】[実施例4]発明の実施の形態で示した一
般式(7)〜(9)で表される有機化合物は、有機EL素
子において発光層、正孔輸送層、電子輸送層、もしくは
発光層におけるドーパントとして用いることができる。
【0053】本発明の有機化合物が、最低空分子軌道
(LUMO)準位が低く最高被占分子軌道(HOMO)準位の高
い金属錯体、すなわちエネルギーギャップの狭い金属錯
体であり、さらに濃度消光を起こしにくい材料である場
合、発光層として用いることが有効である。本発明の有
機化合物を発光層として用いた場合のバンドダイアグラ
ムを図1に示す。図1において、101は陽極、102は陰
極、103は正孔輸送層(Hole Transfer Layer:HTL)、1
04は発光層(Emitting Layer:EML)、105は電子輸送層
(Electron Transfer Layer:ETL)である。
【0054】また、本発明の有機化合物が正孔輸送性を
有する場合は、正孔輸送性発光層として用いることが有
効である。その場合、HOMO準位の低い電子輸送層を正孔
ブロッキング層として用いることで、正孔輸送層におけ
るキャリアの再結合確率を高める手法が望ましい。本発
明の有機化合物を正孔輸送性発光層として用いた場合の
バンドダイアグラムを図2に示す。図2において、201
は陽極、202は陰極、203は正孔輸送性発光層、204は電
子輸送層である。
【0055】また、本発明の有機化合物が電子輸送性を
有する場合は、電子輸送性発光層として用いることが有
効である。その場合、LUMO準位の高い正孔輸送層を電子
ブロッキング層として用いることで、電子輸送層におけ
るキャリアの再結合確率を高める手法が望ましい。本発
明の有機化合物を電子輸送性発光層として用いた場合の
バンドダイアグラムを図3に示す。図3において、301
は陽極、302は陰極、303は電子輸送性発光層、304は正
孔輸送層である。
【0056】さらに、本発明の有機化合物がキャリア輸
送性に乏しい、あるいは濃度消光を起こしやすい材料で
ある場合は、ドーパントとして用いることが有効であ
る。ただしこの場合、ホスト材料に比べてHOMO準位が高
く、LUMO準位が低いことが条件となる。なお、ドーパン
トとして添加するホストとしては、正孔輸送層でも電子
輸送層でもよく、発光層に添加することも可能である。
【0057】ここでは、本発明の有機化合物を正孔輸送
層に添加した場合のバンドダイアグラムを図4に示す。
図4において、401は陽極、402は陰極、403は正孔輸送
層、404は正孔輸送層403に添加されたドーパント(Dopa
nt)、405は正孔ブロッキング層(Hole Blocking laye
r:HBL)、406は電子輸送層である。
【0058】[実施例5]本実施例では、本発明で開示
した有機化合物を用いた、具体的な有機EL素子の作成法
について例示する。その素子構造を図5に示す。
【0059】まず、基板500(ここではガラスを用い
る)上に、陽極501としてインジウム錫酸化物(ITO)を
スパッタリングにより100nm程度成膜する。ITO上には、
正孔注入層503として、下記式(13)(nは繰り返し単
位を表す整数)で表されるポリエチレンジオキシチオフ
ェン(PEDOT)と、ポリスチレンスルホン酸(PSS)とを
混合した水溶液をスピンコーティングによって30nm程度
成膜する。成膜後、ベークにより水分を除去する。
【0060】
【化13】
【0061】これとは別に、下記式(14)(nは繰り
返し単位を表す整数)で表されるポリ(N−ビニルカル
バゾール)(以下、「PVK」と記す)と2−ビフェニリ
ル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−
オキサジアゾール(以下、「PBD」と記す)とを1:
0.3のモル比で混合したトルエン溶液に、一般式
(1)で表される有機化合物を3mol%となるように添加
した溶液を用意する(なお、PVKはモノマー単位を一分
子として計算している)。この溶液をスピンコーティン
グによって正孔注入層503上に100nm成膜したあと、ベー
クすることでトルエンを除去し、発光層504とする。
【0062】
【化14】
【0063】最後に、Mg:Ag合金(モル比でMg:Ag=2
5:1)を1000Å、その上にAgを500Åの厚みで積層し、
陰極502とする。陰極502としては他に、アルカリ金属元
素もしくはアルカリ土類金属元素を含む導電膜、あるい
はその導電膜にアルミニウム合金を積層したものを用い
てもよい。
【0064】本実施例のように、高分子材料中に本発明
の有機化合物を分散させることによって、有機EL素子を
作製することも可能となる。
【0065】[実施例6]本実施例では、本発明で開示
した有機EL素子を含む発光装置について説明する。図6
は本発明の有機EL素子を用いたアクティブマトリクス型
発光装置の断面図である。なお、能動素子としてここで
は薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と記す)を用いて
いるが、MOSトランジスタを用いてもよい。
【0066】また、TFTとしてトップゲート型TFT(具体
的にはプレーナ型TFT)を例示するが、ボトムゲート型T
FT(典型的には逆スタガ型TFT)を用いることもでき
る。
【0067】図6において、601は基板であり、ここで
は可視光を透過する基板を用いる。具体的には、ガラス
基板、石英基板、結晶化ガラス基板もしくはプラスチッ
ク基板(プラスチックフィルムを含む)を用いればよ
い。なお、基板601には、基板の表面に設けた絶縁膜も
含めるものとする。
【0068】基板601の上には画素部511および駆動回路
612が設けられている。まず、画素部611について説明す
る。
【0069】画素部611は画像表示を行う領域であり、
複数の画素を有し、各画素には有機EL素子に流れる電流
を制御するためのTFT(以下、「電流制御TFT」と記す)
602、画素電極(陽極)603、有機EL膜604および陰極605
が設けられている。なお、図6では電流制御TFTしか図
示していないが、電流制御TFTのゲートに加わる電圧を
制御するためのTFT(以下、「スイッチングTFT」と記
す)を設けている。
【0070】電流制御TFT602は、ここではpチャネル型T
FTを用いることが好ましい。nチャネル型TFTとすること
も可能であるが、図6のように有機EL素子の陽極に電流
制御TFTを接続する場合は、pチャネル型TFTの方が消費
電力を押さえることができる。ただし、スイッチングTF
Tはnチャネル型TFTでもpチャネル型TFTでもよい。
【0071】また、電流制御TFT602のドレインには画素
電極603が電気的に接続されている。本実施例では、画
素電極603の材料として仕事関数が4.5〜5.5eVの導電性
材料を用いるため、画素電極603は有機EL素子の陽極と
して機能する。画素電極603として代表的には、酸化イ
ンジウム、酸化錫、酸化亜鉛の化合物(ITOなど)を用
いればよい。
【0072】画素電極603の上には有機EL膜604が設けら
れている。有機EL膜604は、本発明で開示した有機化合
物(一般式(1)〜一般式(6))を含む。また、その
形態としては、実施例2〜実施例4で述べた素子構造の
ような形態をとればよい。
【0073】さらに、有機EL膜604の上には陰極605が設
けられている。陰極605の材料としては、仕事関数が2.5
〜3.5eVの導電性材料を用いる。陰極605として代表的に
は、アルカリ金属元素もしくはアルカリ土類金属元素を
含む導電膜、あるいはその導電膜にアルミニウム合金を
積層したものを用いればよい。
【0074】また、画素電極603、有機EL膜604、および
陰極605からなる層は、保護膜606で覆われている。保護
膜606は、有機EL素子を酸素および水から保護するため
に設けられている。保護膜606の材料としては、窒化珪
素、窒化酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、
もしくは炭素(具体的にはダイヤモンドライクカーボ
ン)を用いる。ただし、これらの保護膜はあってもなく
てもよい。
【0075】次に、駆動回路612について説明する。駆
動回路612は画素部611に伝送される信号(ゲート信号お
よびデータ信号)のタイミングを制御する領域であり、
シフトレジスタ、バッファ、ラッチ、アナログスイッチ
(トランスファゲート)もしくはレベルシフタが設けら
れている。図6では、これらの回路の基本単位としてn
チャネル型TFT607およびpチャネル型TFT608からなるCMO
S回路を示している。
【0076】なお、シフトレジスタ、バッファ、ラッ
チ、アナログスイッチ(トランスファゲート)もしくは
レベルシフタの回路構成は、公知のものでよい。また図
6では、同一の基板上に画素部611および駆動回路612を
設けているが、駆動回路612を設けずにICやLSIを電気的
に接続することもできる。
【0077】また、図6では電流制御TFT602に画素電極
(陽極)603が電気的に接続されているが、陰極が電流
制御TFTに接続された構造をとることもできる。その場
合、画素電極を陰極605と同様の材料で形成し、陰極を
画素電極(陽極)603と同様の材料で形成すればよい。
その場合、電流制御TFTはnチャネル型TFTとすることが
好ましい。
【0078】ここで、図6に示したアクティブマトリク
ス型発光装置の外観を図7に示す。なお、図7(a)には
上面図を示し、図7(b)には図7(a)をP−P'で切断した
時の断面図を示す。また、図6の符号を引用する。
【0079】図7(a)において、701は画素部、702はゲ
ート信号側駆動回路、703はデータ信号側駆動回路であ
る。また、ゲート信号側駆動回路702およびデータ信号
側駆動回路703に伝送される信号は、入力配線704を介し
てTAB(Tape Automated Bonding)テープ705から入力さ
れる。なお、図示しないが、TABテープ705の代わりに、
TABテープにIC(集積回路)を設けたTCP(Tape Carrier
Package)を接続してもよい。
【0080】このとき、706は図6に示した有機EL素子
の上方に設けられるカバー材であり、樹脂からなるシー
ル材707により接着されている。カバー材706は酸素およ
び水を透過しない材質であれば、いかなるものを用いて
もよい。本実施例では、カバー材706は図14(b)に示す
ように、プラスチック材706aと、前記プラスチック材70
6aの表面および裏面に設けられた炭素膜(具体的にはダ
イヤモンドライクカーボン膜)706b、706cからなる。
【0081】さらに、図7(b)に示すように、シール材7
07は樹脂からなる封止材708で覆われ、有機EL素子を完
全に密閉空間709に封入するようになっている。密閉空
間709は不活性ガス(代表的には窒素ガスや希ガス)、
樹脂または不活性液体(例えばパーフルオロアルカンに
代表される液状のフッ素化炭素)を充填しておけばよ
い。さらに、吸湿剤や脱酸素剤を設けることも有効であ
る。
【0082】なお、本実施例に示した発光装置の表示面
(画像を観測する面)に偏光板をもうけてもよい。この
偏光板は、外部から入射した光の反射を押さえ、観測者
が表示面に映り込むことを防ぐ効果がある。一般的に
は、円偏光板が用いられている。ただし、有機EL膜から
発した光が偏光板により反射されて内部に戻ることを防
ぐため、屈折率を調節して内部反射の少ない構造とする
ことが好ましい。
【0083】[実施例7]本実施例では、本発明で開示
した有機EL素子を含む発光装置の例として、パッシブマ
トリクス型発光装置を例示する。図8(a)にはその上面
図を示し、図8(b)には図8(a)をP−P'で切断した時の
断面図を示す。
【0084】図8(a)において、801は基板であり、ここ
ではプラスチック材を用いる。プラスチック材として
は、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、エポキシ
樹脂、PES(ポリエチレンサルファイル)、PC(ポリカ
ーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)も
しくはPEN(ポリエチレンナフタレート)を板状、もし
くはフィルム上にしたものが使用できる。
【0085】802は酸化導電膜からなる走査線(陽極)
であり、本実施例では酸化亜鉛に酸化ガリウムを添加し
た酸化物導電膜を用いる。また、803は金属膜からなる
データ線(陰極)であり、本実施例ではビスマス膜を用
いる。また、804はアクリル樹脂からなるバンクであ
り、データ線803を分断するための隔壁として機能す
る。走査線802とデータ線803は両方とも、ストライプ状
に複数形成されており、互いに直交するように設けられ
ている。なお、図8(a)では図示していないが、走査線8
02とデータ線803の間には有機EL膜が挟まれており、交
差部805が画素となる。
【0086】そして、走査線802およびデータ線803はTA
Bテープ807を介して外部の駆動回路に接続される。な
お、808は走査線802が集合してなる配線群を表してお
り、809はデータ線803に接続された接続配線806の集合
からなる配線群を表す。また、図示していないが、TAB
テープ807の代わりに、TABテープにICを設けたTCPを接
続してもよい。
【0087】また、図8(b)において、810はシール材、
811はシール材810によりプラスチック材801に貼り合わ
されたカバー材である。シール材810としては光硬化樹
脂を用いていればよく、脱ガスが少なく、吸湿性の低い
材料が好ましい。カバー材としては基板801と同一の材
料が好ましく、ガラス(石英ガラスを含む)もしくはプ
ラスチックを用いることができる。ここではプラスチッ
ク材を用いる。
【0088】次に、画素領域の構造の拡大図を図8(c)
に示す。813は有機EL膜である。有機EL膜813は、本発明
で開示した有機化合物(一般式(1)〜一般式(6))
を含む。また、その形態としては、実施例2〜実施例4
で述べた素子構造のような形態をとればよい。
【0089】なお、図8(c)に示すように、バンク804は
下層の幅が上層の幅よりも狭い形状になっており、デー
タ線803を物理的に分断できる。また、シール材810で囲
まれた画素部814は、樹脂からなる封止材815により外気
から遮断され、有機EL膜の劣化を防ぐ構造となってい
る。
【0090】以上のような構成からなる本発明の発光装
置は、画素部814が走査線802、データ線803、バンク804
および有機EL膜813で形成されるため、非常に簡単なプ
ロセスで作製することができる。
【0091】なお、本実施例に示した発光装置の表示面
(画像を観測する面)に偏光板をもうけてもよい。この
偏光板は、外部から入射した光の反射を押さえ、観測者
が表示面に映り込むことを防ぐ効果がある。一般的に
は、円偏光板が用いられている。ただし、有機EL膜から
発した光が偏光板により反射されて内部に戻ることを防
ぐため、屈折率を調節して内部反射の少ない構造とする
ことが好ましい。
【0092】[実施例8]本実施例では、実施例7で示
した発光装置にプリント配線板を設けてモジュール化し
た例を示す。
【0093】図9(a)に示すモジュールは、基板900(こ
こでは、画素部901、配線902a、 902bを含む)にTABテ
ープ903が取り付けられ、前記TABテープ903を介してプ
リント配線板904が取り付けられている。
【0094】ここで、プリント配線板904の機能ブロッ
ク図を図9(b)に示す。プリント配線板904の内部には少
なくともI/Oポート(入力もしくは出力部)905、 908、
データ信号側駆動回路906およびゲート信号側回路907と
して機能するICが設けられている。
【0095】このように、基板面に画素部が形成された
基板にTABテープが取り付けられ、そのTABテープを介し
て駆動回路としての機能を有するプリント配線版が取り
付けられた構成のモジュールを、本明細書では特に駆動
回路外付け型モジュールと呼ぶことにする。
【0096】なお、本実施例の発光装置に含まれる有機
EL素子には、本発明で開示した有機EL素子のいずれを用
いてもよい。
【0097】[実施例9]本実施例では、実施例6もし
くは実施例7に示した発光装置にプリント配線板を設け
てモジュール化した例を示す。
【0098】図10(a)に示すモジュールは、基板1000
(ここでは、画素部1001、データ信号側駆動回路1002、
ゲート信号側駆動回路1003、配線1002a、 1003aを含
む)にTABテープ1004が取り付けられ、そのTABテープ10
04を介してプリント配線板1005が取り付けられている。
プリント配線板1005の機能ブロック図を図10(b)に示
す。
【0099】図10(b)に示すように、プリント配線板1
005の内部には少なくともI/Oポート1006、 1009、コン
トロール部1007として機能するICが設けられている。な
お、ここではメモリ部1008を設けてあるが、必ずしも必
要ではない。またコントロール部1007は、駆動回路の制
御、映像データの補正などをコントロールするための機
能を有した部位である。
【0100】このように、有機EL素子の形成された基板
にコントローラーとしての機能を有するプリント配線板
が取り付けられた構成のモジュールを、本明細書では特
にコントローラー外付け型モジュールと呼ぶことにす
る。
【0101】なお、本実施例の発光装置に含まれる有機
EL素子には、本発明で開示した有機EL素子のいずれを用
いてもよい。
【0102】[実施例10]本発明の発光装置は自発光
型であるために、液晶表示装置に比べて明るい場所での
視認性に優れ、しかも視野角が広いという特徴を持つ。
したがって、様々な電気器具の表示部としての利用が有
効である。
【0103】また、本発明の発光装置は、明るく低消費
電力であるという利点を有するため、様々な電気器具の
光源としても有用である。代表的には、液晶表示装置の
バックライトもしくはフロントライトとして用いる光
源、または照明機器の光源として用いることができる。
【0104】本実施例では、本発明の発光装置を表示部
に用いた電気器具を例示する。その具体例を図11およ
び図12に示す。なお、本実施例の電気器具に含まれる
有機EL素子には、図1〜図5のいずれの構造を用いても
良い。また、本実施例の電気器具に含まれる発光装置の
形態は、図6〜図10のいずれの形態を用いても良い。
【0105】図11(a)は有機ELディスプレイであり、
筐体1101a、支持台1102a、表示部1103aを含む。本発明
の発光装置は、表示部1103aに用いることができる。有
機ELディスプレイは自発光型であるためバックライトが
必要なく、液晶ディスプレイよりも薄い表示部を作製で
きる上にディスプレイ自体も軽量化できる。
【0106】図11(b)はビデオカメラであり、本体110
1b、表示部1102b、音声入力部1103b、操作スイッチ1104
b、バッテリー1105b、受像部1106bを含む。本発明の発
光装置は表示部1102bに用いることができる。
【0107】図11(c)はデジタルカメラであり、本体1
101c、表示部1102c、接眼部1103c、操作スイッチ1104c
を含む。本発明の発光装置は表示部1102cに用いること
ができる。
【0108】図11(d)は記録媒体を備えた画像再生装
置であり、本体1101d、記録媒体(CD、LD、またはDVDな
ど)1102d、操作スイッチ1103d、表示部(A)1104d、表示
部(B)1105dを含む。表示部(A)1104dは主として画像情報
を表示し、表示部(B)1105dは主として文字情報を表示す
るが、本発明の発光装置はこれら表示部(A)1104dや表示
部(B)1105dに用いることができる。この記録媒体を備え
た画像再生装置には、CD再生装置、ゲーム機器なども含
む。
【0109】図11(e)は携帯型(モバイル)コンピュ
ータであり、本体1101e、表示部1102e、受像部1103e、
操作スイッチ1104e、メモリスロット1105eを含む。本発
明の発光装置は表示部1102eに用いることができる。こ
の携帯型コンピュータはフラッシュメモリや不揮発性メ
モリを集積化した記録媒体に情報を記録したり、それを
再生したりすることができる。
【0110】図11(f)はパーソナルコンピュータであ
り、本体1101f、筐体1102f、表示部1103f、キーボード1
104fを含む。本発明の発光装置は表示部1103fに用いる
ことができる。
【0111】なお、上記電気器具はインターネットなど
の電子通信回線や電波などの無線通信を通じて配信され
る情報を表示することが多くなってきており、特に動画
情報を表示する機会が増えている。有機EL材料の応答速
度は非常に速く、そのような動画表示に好適である。
【0112】次に、図12(a)は携帯電話であり、本体1
201a、音声出力部1202a、音声入力部1203a、表示部1204
a、操作スイッチ1205a、アンテナ1206aを含む。本発明
の発光装置は表示部1204aに用いることができる。
【0113】図12(b)は音響機器(具体的には車載用
オーディオ)であり、本体1201b、表示部1202b、操作ス
イッチ1203b、1204bを含む。本発明の発光装置は、表示
部1202bに用いることができる。また、本実施例では車
載用オーディオを例として示すが、家庭用オーディオに
用いても良い。
【0114】さらに光センサを内蔵させ、使用環境の明
るさを検知する手段を設けることで、使用環境の明るさ
に応じて発光輝度を変調させるような機能を持たせるこ
とは有効である。使用者は、使用環境の明るさに比べて
コントラスト比で100〜150の明るさを確保できれば、問
題なく画像もしくは文字情報を認識できる。すなわち、
使用環境が明るい場合は画像の輝度を上げて見やすく
し、使用環境が暗い場合は画像の輝度を抑えて消費電力
を抑えるといったことが可能となる。
【0115】なお、本実施例に示した図11〜図12の
電気器具の表示部を、全て液晶ディスプレイにする場合
においても、その液晶ディスプレイのバックライトもし
くはフロントライトとして本発明の発光装置を用いるこ
とができる。
【0116】
【発明の効果】本発明により、三重項励起エネルギーを
発光に変換しうる有機化合物を、従来よりも安価に提供
することができる。またそれを用いて、発光効率が高
く、安価に作製できる有機EL素子を提供することができ
る。さらに、本発明を実施することで得られる発光効率
の高い有機EL素子を用いて、明るく消費電力の少ない発
光装置、および前記発光装置を用いた電気器具を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 有機EL素子のバンドダイアグラムを示す図。
【図2】 有機EL素子のバンドダイアグラムを示す図。
【図3】 有機EL素子のバンドダイアグラムを示す図。
【図4】 有機EL素子のバンドダイアグラムを示す図。
【図5】 有機EL素子の構造を示す図。
【図6】 発光装置の断面構造を示す図。
【図7】 発光装置の上面構造および断面構造を示す
図。
【図8】 発光装置の上面構造および断面構造を示す
図。
【図9】 発光装置の構成を示す図。
【図10】発光装置の構成を示す図。
【図11】電気器具の具体例を示す図。
【図12】電気器具の具体例を示す図。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機EL素子を含む発光装置において、前記
    有機EL素子は、下記の一般式(1) 【化1】 (ただし、Mは6族元素を表す。また、Rは水素原子、ハ
    ロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、アリール
    基、または置換基を有するアリール基、を表す。)で表
    される有機化合物を含むことを特徴とする発光装置。
  2. 【請求項2】有機EL素子を含む発光装置において、前記
    有機EL素子は、下記の一般式(2) 【化2】 (ただし、Mは6族元素を表す。また、Rは水素原子、ハ
    ロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、アリール
    基、または置換基を有するアリール基、を表す。)で表
    される有機化合物を含むことを特徴とする発光装置。
  3. 【請求項3】有機EL素子を含む発光装置において、前記
    有機EL素子は、下記の一般式(3) 【化3】 (ただし、Mは6族元素を表す。また、Rは水素原子、ハ
    ロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、アリール
    基、または置換基を有するアリール基、を表す。)で表
    される有機化合物を含むことを特徴とする発光装置。
  4. 【請求項4】有機EL素子を含む発光装置において、前記
    有機EL素子は、下記の一般式(4) 【化4】 (ただし、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
    アルコキシル基、アリール基、または置換基を有するア
    リール基、を表す。)で表される有機化合物を含むこと
    を特徴とする発光装置。
  5. 【請求項5】有機EL素子を含む発光装置において、前記
    有機EL素子は、下記の一般式(5) 【化5】 (ただし、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
    アルコキシル基、アリール基、または置換基を有するア
    リール基、を表す。)で表される有機化合物を含むこと
    を特徴とする発光装置。
  6. 【請求項6】有機EL素子を含む発光装置において、前記
    有機EL素子は、下記の一般式(6) 【化6】 (ただし、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
    アルコキシル基、アリール基、または置換基を有するア
    リール基、を表す。)で表される有機化合物を含むこと
    を特徴とする発光装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記
    載の発光装置を用いたことを特徴とする電気器具。
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