JP2002355961A - インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクの吐出不良を回復したり、吐出状態を
定常的に良好に維持するためのインクの消費量を抑え、
また簡単な構造で小型のインクジェットヘッドおよびイ
ンクジェット記録装置を提供する。 【解決手段】 インクを吐出するノズル孔21にそれぞ
れ連通した複数の圧力室22がなす列方向に、各圧力室
にインクを供給するための共通インク室23を長く形成
し、その共通インク室23と平行に還流路27を形成
し、その共通インク室の一端と還流路の一端とを相互に
接続するとともに、共通インク室の他端と還流路の他端
とをそれぞれ外部のインクタンクと接続し、インクタン
クから共通インク室23にインクを圧送して、共通イン
ク室23内の気泡等をインクとともに還流路27をとお
してインクタンクに回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッドおよびインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置においては、イ
ンクの吐出不良を回復したり、吐出状態を定常的に良好
に維持するために、従来からインクジェットヘッドのノ
ズル面にキャップをかぶせて、ヘッド内のインクを吸引
することで、ヘッド内に発生した気泡や、乾燥し始めた
インクを排出することが行われている。また、インクジ
ェットヘッド内の共通インク室の両端を、2つのチュー
ブでインクタンクに接続し、インクをインクタンク、一
方のチューブ、共通インク室、他方のチューブをとおし
てインクタンクへ強制循環させることで、共通インク室
やチューブ内の気泡を除去することも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者の吸引方法では、
共通インク室内の全部のインクおよびインクタンクの一
部のインクを排出してしまうため、インクの消費量が多
くなる欠点がある。また、後者の循環する方法では、イ
ンクの消費量が抑えられるものの、共通インク室の両端
に2つのチューブを接続しなければならないため、構造
が複雑で、かつ大型化する問題がある。
【0004】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、インクの吐出不良を回復した
り、吐出状態を定常的に良好に維持するためのインクの
消費量を抑え、かつ簡単な構造で小型化できる構造を提
案するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1記載のインクジェットヘッドは、インクを
吐出するノズル孔に一端をそれぞれ連通した複数の圧力
室がなす列方向に、共通インク室を長く形成し、各圧力
室の他端を前記共通インク室内に開口し、前記共通イン
ク室から各圧力室にインクを供給する構成において、前
記共通インク室と平行に還流路を形成し、その共通イン
ク室の一端と還流路の一端とを相互に接続するととも
に、共通インク室の他端と還流路の他端とをそれぞれ外
部のインク供給源と接続できるように開口した。
【0006】このように、インクジェットヘッド内に共
通インク室と平行に還流路を形成し共通インク室の他端
の開口および還流路の他端の開口の一方からインクを供
給するとともに他方から排出することで、インク中の気
泡をインクとともにインク供給源に戻し、共通インク室
から各圧力室に供給するインクから気泡を少なくするこ
とができる。
【0007】このインクジェットヘッドにおいて好まし
くは、前記複数の圧力室を1つの平面状に形成した第1
の基板と、前記共通インク室と還流路とを、前記複数の
圧力室がなす平面と平行な1つの平面状に形成した第2
の基板とを、積層して構成することで、 共通インク室
および還流路を容易に形成し、複数の圧力室と組み合わ
せることができる。
【0008】また、前記還流路を、前記各圧力室の他端
よりも、前記一端に近接した位置に配置することで、圧
力室、共通インク室および還流路を小型に配置すること
ができる。
【0009】さらに、前記複数の圧力室を複数列設けた
場合でも、その列に対してそれぞれ前記共通インク室を
配置し、その列間に、前記複数の共通インク室に対し共
通の前記還流路を配置することで、圧力室、共通インク
室および還流路を小型に配置することができる。。
【0010】上記インクジェットヘッドを用いるインク
ジェット記録装置は、前記共通インク室の他端の開口と
還流路の他端の開口とをそれぞれ外部のインク供給源と
接続し、その両開口のいずれか一方にインク供給源のイ
ンクを供給するとともに、他方からそのインク供給源に
インクを戻す強制循環手段を設けることで、実現でき
る。なお、前記インク供給源は、前記インクジェットヘ
ッドの前記両開口に対向するインク供給口および還流口
を有するインクタンクであることで、一層容易に実現す
ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にしたがって説明する。
【0012】インクジェットヘッドは、キャビティプレ
ート組10とアクチュエータユニット30とからなる。
キャビティプレート組10は、インク流路となる開口を
エッチングにより形成した複数の基板11〜19を、積
層して相互に接着した構造である。最上層の基板11は
複数の圧力室20を複数列たとえば2列にかつ1つの平
面状に配置して備え、最下層の基板19は、インク滴を
吐出する複数のノズル孔21を有する。その両基板間に
位置する他の基板12〜18は、各圧力室20の一端を
ノズル孔21に連通するための連通孔22をそれぞれ備
える。5番目〜7番目の基板15〜17は、各圧力室2
0の列の下に対応してその列方向に延びる共通インク室
23,23を有する。各圧力室20の他端は、断面積を
縮小した制限流路20aになっており、その制限流路2
0aは、図5および図6に詳細に示すように2番目の基
板12の連通路24、3番目の基板13のフィルタ孔2
5、4番目の基板14の連通孔26を介して共通インク
室23に連通している。3番目の基板13は、電鋳によ
って製作し厚さ5〜20μmの弾性を有する薄板で、連
通路24の端部と連通孔26とに対向する位置に直径1
5μm以下のフィルタ孔25を多数有している。
【0013】2列の圧力室20は、ノズル孔21側の端
部を相互に対向するように位置し、また、各列の圧力室
20は、共通インク室23の上方を横切る方向に延び、
その各圧力室20の他端に連通する連通孔26は、共通
インク室23の長手方向の側縁に沿って開口している。
2列の圧力室20の一端とノズル孔21とを連通させる
2列の連通孔22の間には、還流路27を基板15〜1
8に設けている。つまり、共通インク室23,23と還
流路27とは、複数の圧力室20がなす平面と平行な1
つの平面状に位置する。
【0014】還流路27は、2つの共通インク室23,
23の間をそれらの長手方向と平行に延び、その一端を
両共通インク室23,23の同側端部と相互に連通して
いる。還流路27の他端は、キャビティプレート組10
の上面に開口する開口28に連通し、両共通インク室2
3,23のの他端は、キャビティプレート組10の上面
に開口する開口29,29に連通している。
【0015】アクチュエータユニット30は、特開平3
−274159号公報に記載されたものと同様に、圧電
セラミックス層と電極とを交互に積層しキャビティプレ
ート組10の上面に固定した構成で、圧電セラミックス
層を挟む電極のうち少なくとも一方を圧力室20の平面
形状とほぼ相似形でかつそれよりもやや小さい平面形状
としている。圧電セラミックス層を挟む2つの電極間に
電圧を印加することにより、圧力室20に対応する部分
の圧電セラミックス層を変形させ圧力室20内のインク
に圧力を与え、そのインクをノズル孔21から吐出する
ことができる。アクチュエータユニット30は、上記圧
電または電歪変形のほか、静電気、熱によるインクの局
部的な沸騰などの力を利用してインクに吐出圧力を付与
するものを用いることもできる。
【0016】図3に示すように、インク供給源すなわち
インクタンク40は、内部にインクを貯留し、底面に、
2つの共通インク室23,23の各開口29,29と対
向する2つのインク供給口41,41と、還流路27の
開口28と対向する還流口42を備える。キャビティプ
レート組10の3つの開口28,29,29は、キャビ
ティプレート組10の上面の一側に並んで位置してお
り、インクタンク40はインク供給口41,41、還流
口42を各開口28,29,29に接続して、その一側
部分に容易に着脱可能に装着することができる。
【0017】インクタンク40は、内部のインク貯留室
をインク供給口41,41に連通する第1の部屋44
と、還流口42に連通する第2部屋45とに仕切る仕切
壁43を備え、その仕切壁43に、第2の部屋45から
第1の部屋44へのインクの流動を許す一方向流路手段
46を有する。また、第1の部屋44には、該部屋内の
インクをインク供給口41,41からキャビティプレー
ト組10内へ流動させるようにインクに圧力を付与する
流動手段47を接続する。流動手段47としては、たと
えば送風機、コンプレッサ等で第1の部屋44内の圧力
を高め、インクをインク供給口41,41から圧送する
もの、あるいはインク供給口41,41に配置した液体
ポンプ等を利用することができる。一方向流路手段46
としては、公知の一方向流動弁、または特開平10−1
51761号公報に記載したものと同様に2つの弁手段
を使用することができる。流動手段47と一方向流路手
段46は、強制循環手段を構成する。
【0018】通常の記録状態では、流動手段47は駆動
しない。圧力室20からインクを吐出した後、あるいは
吐出する前にアクチュエータユニット30の変形にとも
なって共通インク室23から圧力室20へインクを補給
し、共通インク室23へは、インクタンク40からイン
ク供給口41を通って補給する。
【0019】このとき、共通インク室23から圧力室2
0への流路中に多数のフィルタ孔25が位置するので、
製造工程中に侵入したゴミ等が、共通インク室から圧力
室へ流入して圧力室からノズル孔までの流路に存在する
確率を低減させることができ、また、インクタンクの装
着時に侵入したゴミも圧力室へ流入するのを防ぎ、圧力
室20からノズル孔21までの流路を閉塞することを防
ぐことができる。なお、フィルタは、上記フィルタのみ
でなく、開口29にも設けてもよい。
【0020】共通インク室23等にたまった気泡やゴミ
を除去するために、流動手段47を駆動すると、インク
タンク40内のインクは、上記通常の記録状態のときよ
りも高速でインク供給口41を通って共通インク室23
へ流れ、共通インク室23から還流路27、インクタン
クの還流口42、一方向流路手段46を通ってインクタ
ンクの第1の部屋44に戻る。このインクの速い流れと
ともに共通インク室23等の気泡やゴミもインクタンク
40に回収することができる。このとき、キャビティプ
レート組10のノズル孔21は、公知のキャップ50に
より覆っておくことが望ましい。必要に応じキャップ5
0に接続した吸引手段により圧力室20,連通孔23,
ノズル孔21内のインクを吸引することで、それらの中
の気泡、乾燥し始めたインク等を除去することができ
る。これらのインクの循環動作、吸引動作により、イン
クの吐出状態を回復したり良好に維持することができ
る。吸引動作では、共通インク室23内のインクを大量
に排出する必要がないから、無駄にするインクが少な
い。
【0021】また、インク吐出時の圧力変動によるクロ
ストークを防止するために、共通インク室23の一部の
領域の機械的剛性を弱くしている。たとえば、図2に示
すように、共通インク室23の開口29と反対側つまり
還流路27と接続する側の端部で、各圧力室の他端が前
記共通インク室に連通する領域から離れた領域に、圧力
室の他端が共通インク室に連通する領域よりも幅が広い
部分23aを設けている。また、図4に示すように、上
記幅広部分23aに対応する基板12,14の部分を開
口12a,14aとして、それに対応する基板13の部
分の下面を幅広部分23aに臨ませ、上面を空間とする
ことで、その基板13の部分が圧力変動により弾性変形
するようにしている。
【0022】上記のように構成することで、多数の圧力
室20から同時にインク吐出したとき、圧力室20から
共通インク室23に圧力変動が及ぶが、このとき多量の
インクの補給のために共通インク室23内に開口29か
ら幅広部分23a側に向けて比較的速いインクの流れが
生じているので、共通インク室23内に発生した圧力波
は、そのインクの流れにともない、幅広部分23a側に
大部分を伝播し、共通インク室23が幅広部分23aで
断面積を拡大していることで圧力変動が緩衝される。ま
たその幅広部分23aに対応する基板13が弾性変形し
て、圧力変動を吸収し、次のインク吐出時に圧力室に圧
力変動が及ぶクロストークを防止することができる。
【0023】上記のように幅広部分23aを設けること
と、基板13を弾性変形させることは、併用することが
もっとも効果的であるが、一方のみでもよい。なお、幅
広部分23aの上方は、基板11〜13を設けることな
く基板14のみにし、また下方は、基板19のみにし
て、基板14,19を弾性変形させるようにしてもよ
い。つまり、幅広部分23aを構成するキャビティプレ
ート組10の部分(13または14,19)は、幅の広
い空間を内包することで、他の部分よりも機械的剛性が
著しく弱くなっており、圧力変動を吸収させやすいが、
基板13のように一層薄いものであることが好ましい。
【0024】なお、このとき、仮に圧力室に対応する共
通インク室23の部分の剛性を弱くすると、圧力室の列
の中央と両端とでキャビティプレート組10の機械的剛
性がばらつき、圧力室での発生圧力にばらつきがでて、
インク吐出を均一に行うことができなくなるが、上記の
ように圧力室の他端が共通インク室に連通する領域から
離れた領域に幅広部分23aを形成することで、全圧力
室に対して剛性が均一になりインク吐出を均一に行うこ
とができる。
【0025】また、上記のように圧力室20と共通イン
ク室23との間にフィルタ孔25を介在させているの
で、圧力室20から共通インク室23に向かう圧力波
を、フィルタ孔25の抵抗により緩衝でき、上記のクロ
ストーク防止効果を一層高めることができる。また、幅
広部分23aを還流路27と反対側に幅広く形成してい
るので、還流路27の大きさや配置を制限することな
く、幅広部分23aを設け、インクジェットヘッドを小
型にすることができる。
【0026】
【発明の効果】以上のように、インクジェットヘッド内
に共通インク室と平行に還流路を形成し共通インク室の
他端の開口および還流路の他端の開口の一方からインク
を供給するとともに他方から排出するようにしたこと
で、インク中の気泡をインクとともにインク供給源に戻
し、共通インク室から各圧力室に供給するインクから気
泡を少なくすることができる。したがって、インクの吐
出不良を回復したり、吐出状態を定常的に良好に維持す
るためのインクの消費量を抑え、また簡単な構造で小型
に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すインクジェットヘッ
ドの断面図で、図2のA−A線断面図である。
【図2】図1のインクジェットヘッドのアクチュエータ
ユニットを取り外した状態の平面図である。
【図3】図1のインクジェットヘッドにインクタンクを
装着した状態の断面図で、図2のB−B線断面位置に相
当する断面図である。
【図4】図2のC−C線断面図である。
【図5】図1のフィルタ孔部分の拡大断面図である。
【図6】図1のフィルタ孔部分の拡大斜視図である。
【符号の説明】
11〜19 基板 20 圧力室 23 共通インク室 27 還流路 40 インクタンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA23 EA25 FA04 HA05 JA13 JC20 KA08 KB05 KB09 KB16 KB25 KC22 KC24 2C057 AF10 AF71 AG12 AG29 AG47 AG68 AG70 AG75 AG77 AG80 BA14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するノズル孔に一端をそれ
    ぞれ連通した複数の圧力室がなす列方向に、共通インク
    室を長く形成し、各圧力室の他端を前記共通インク室内
    に開口し、前記共通インク室から各圧力室にインクを供
    給するインクジェットヘッドにおいて、 前記共通インク室と平行に還流路を形成し、その共通イ
    ンク室の一端と還流路の一端とを相互に接続するととも
    に、共通インク室の他端と還流路の他端とをそれぞれ外
    部のインク供給源と接続できるように開口したことを特
    徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記複数の圧力室を1つの平面状に形成
    した第1の基板と、前記共通インク室と還流路とを、前
    記複数の圧力室がなす平面と平行な1つの平面状に形成
    した第2の基板とを、積層したことを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記還流路を、前記各圧力室の他端より
    も、前記一端に近接した位置に配置したことを特徴とす
    る請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記複数の圧力室は複数列に位置し、そ
    の列に対してそれぞれ前記共通インク室を配置し、その
    列間に、前記複数の共通インク室に対し共通の前記還流
    路を配置したことを特徴とする請求項1から3のいずれ
    かに記載のインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドを備え、前記共通インク室の他端の開
    口と還流路の他端の開口とをそれぞれ外部のインク供給
    源と接続し、その両開口のいずれか一方にインク供給源
    のインクを供給するとともに、他方からそのインク供給
    源にインクを戻す強制循環手段を設けたことを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記インク供給源は、前記インクジェッ
    トヘッドの前記両開口に対向するインク供給口および還
    流口を有するインクタンクであることを特徴とする請求
    項5に記載のインクジェット記録装置。
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