JP2002355933A - 金属缶外面貼合せ用多層積層フィルム - Google Patents

金属缶外面貼合せ用多層積層フィルム

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JP2002355933A
JP2002355933A JP2001164222A JP2001164222A JP2002355933A JP 2002355933 A JP2002355933 A JP 2002355933A JP 2001164222 A JP2001164222 A JP 2001164222A JP 2001164222 A JP2001164222 A JP 2001164222A JP 2002355933 A JP2002355933 A JP 2002355933A
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laminated film
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Shinichiro Okada
真一郎 岡田
Eiji Kinoshita
英司 木下
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光干渉によって特定の波長の光を高い選択性
で反射させ、発色性に優れ、玉虫色の金属光沢を有し、
フィルムに施される絵柄印刷を美麗なものとすることが
できる金属缶外面貼合せ用多層積層フィルムを提供す
る。 【解決手段】 融点が共に210℃以上の異なる2種の
ポリマー層を11層以上交互に積層して構成される多層
積層延伸フィルムであって、層間の光干渉によって特定
波長の光線を反射率70%以上で反射する、金属缶外面
貼合せ用多層積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属缶外面貼合せ
用多層積層フィルムに関し、さらに詳しくは、屈折率の
低い層と高い層を交互に規則的に配置させ、層間の構造
的な干渉によって光を選択反射させることにより、フィ
ルムに施される絵柄印刷を美麗なものとすることがで
き、該フィルムを金属缶の外面に被覆することにより、
金属缶を意匠性に優れたものとすることができる、金属
缶外面貼合せ用多層積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】金属缶外面に施される意匠は、近年、ま
すます美麗なものが求められるようになっており、印刷
品位に優れるグラビアなどによる印刷を施したフィルム
を缶外面に貼付被覆する方法が提案されている。
【0003】この場合、フィルムにはハンドリング性
や、表面状態、透明性などの改良が要求される。従来、
種々の改良がなされているものの、外観上は無色透明で
ある以上の特性が付与されることはなかった。従って、
金属缶としての意匠性を向上させるためには、必然的に
印刷柄や缶形状により差別化を図る以外に方法がなかっ
た。
【0004】ところで、相対的に低い屈折率の層と高い
屈折率の層とを交互に多数積層することで、これら層の
間の構造的な光干渉によって特定の波長の光を選択的に
反射し、他の波長の光を透過する特性を得ることができ
ることから、多層積層フィルムは、光干渉フィルムとし
て用いることができる。
【0005】この場合には、染料を使用することなく、
退色性や意匠性に優れたフィルムを得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光干
渉によって特定の波長の光を高い選択性で反射させ、発
色性に優れ、玉虫色の金属光沢を有し、フィルムに施さ
れる絵柄印刷を美麗なものとすることができる金属缶外
面貼合せ用多層積層フィルムを提供することにあり、該
フィルムを金属缶の外面に被覆することにより、金属缶
を意匠性に優れたものとすることができる金属缶外面貼
合せ用多層積層フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究した結果、屈折率の異なる2
種のポリマーを交互に積層させ、ポリマー層間の光干渉
によって、特定波長の光線を反射させる多層積層延伸フ
ィルムを金属缶外面貼合せ用に用いることで、上記課題
を解決できることを見出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、融点が共に210℃
以上の異なる2種のポリマー層を11層以上交互に積層
して構成される延伸フィルムからなる金属缶外面貼合せ
用多層積層フィルムである。本発明の金属缶外面貼合せ
用多層積層フィルムは、特定波長の光線を反射率70%
以上で反射するものである。特定波長の光線の反射は、
多層積層フィルムを構成するポリマー層間の光干渉によ
り発生する。ここでいう特定波長とは、350〜210
0nm、好ましくは350〜1000nmの範囲にある
光線の波長である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明の金属缶外面貼合せ用多層積層フィ
ルムは、相対的に光屈折率の小さい層と大きい層を交互
に規則的に配置させることにより、層間の構造的な干渉
によって特定波長の光を選択的に反射する。
【0010】この金属缶外面貼合せ用多層積層フィルム
としては、共に融点が210℃以上の異なる2種のポリ
マー層の一方の層(以下、「A層」ということがある)
がポリエチレン−2,6−ナフタレートからなり、他方
の層(以下、「B層」ということがある)が210℃〜
245℃の融点の共重合ポリエチレンテレフタレートか
らなる多層積層フィルムを用いることができる。この場
合、B層のポリマーはポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートとポリエチレンテレフタレート若しくはイソフタル
酸共重合ポリエチレンテレフタレートとの混合物である
ことが好ましい。
【0011】また、金属缶外面貼合せ用多層積層フィル
ムとしては、B層のポリマーがイソフタル酸共重合ポリ
エチレンテレフタレートであり、A層のポリマーとB層
のポリマーのガラス転移温度(Tg)の差が40℃以上
ある多層積層フィルムを用いることもできる。
【0012】[A層]A層はポリエチレン−2,6−ナ
フタレートからなる層である。A層のポリエチレン−
2,6−ナフタレートは、15モル%未満の成分を共重
合させてもよいが、好ましくは、98モル%以上がエチ
レン−2,6−ナフタレート単位で構成される。
【0013】[B層]B層の共重合ポリエチレンテレフ
タレートは、配向結晶性を低くするために、融点が21
0℃〜245℃である必要がある。融点が210℃未満
では、結晶性が低くなりすぎ製膜が難しくなり、B層の
耐熱性が悪くなりフィルム全体の耐熱性に悪影響を与え
る。融点が245℃を超えるとB層の結晶性が高くな
り、B層のガラス転移温度(Tg)に対しては相対的に
高い延伸温度での配向結晶化が進み、連続製膜性が悪く
なる上にA層とB層の屈折率差が小さくなり、光線の選
択反射性が得難くなる。
【0014】B層の共重合ポリエチレンテレフタレート
は、共重合させることで融点を210〜245℃に調整
し、さらにガラス転移温度(Tg)がA層のポリマーと
40℃以上異なる温度になるように調整する。
【0015】この際に用いる共重合成分は、ジカルボン
酸成分であってもグリコール成分であってもよい。ジカ
ルボン酸成分としては、例えばイソフタル酸、フタル
酸、ナフタレンジカルボン酸等の如き芳香族ジカルボン
酸;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジ
カルボン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサ
ンジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸を挙げること
ができる。グリコール成分としては、例えば、1,3−
プロパンジオール、ブタンジオール、へキサンジオール
等の如き脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール
の如き脂環族ジオール等を挙げることができる。特に共
重合酸成分としてイソフタル酸を用いることが、融点や
ガラス転移温度(Tg)を調整する上で好ましい。
【0016】これらの共重合成分は単独または二種以上
を使用することができる。イソフタル酸の共重合量とし
ては、好ましくは4〜18モル%、更に好ましくは8〜
15モル%である。イソフタル酸をB層のポリマーの共
重合成分として使用する場合、A層のポリマーとB層の
ポリマーのガラス転移温度(Tg)の差を40℃以上と
することが好ましい。この場合、A層のポリマーのガラ
ス転移温度(Tg)に合せて延伸すると、B層のポリマ
ーにとっては、過大の延伸温度となり、延伸による配向
が抑えられ、ほとんど流動に近くなる。この結果、A層
は延伸により配向し、屈折率が増大するが、B層の配向
は抑えられてその屈折率の増大は少なく、屈折率差が大
きくなる。屈折率差が大きくなると、層間干渉が生じ、
本発明の目的である特定波長範囲の選択反射が得られ
る。
【0017】B層のポリマーは、ポリエチレン−2,6
−ナフタレートとポリエチレンテレフタレート若しくは
イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートとの混
合物であってもよい。この場合、混合物の融点は210
〜245℃であることが好ましい。B層としては、結晶
性を低下させた方が延伸による配向を抑制できるが、低
結晶性の故に乾燥のための設備が必要になる。或いは無
乾燥にて押し出すための設備が必要となり、混合物の場
合は押出機内で混合され共重合化する故に、低結晶性の
ために必要な設備が不要になる利点がある。
【0018】[不活性粒子]A層およびB層の少なくと
も一方の層には、平均粒径0.01〜2μmの不活性粒
子を0.001〜0.5重量%含有せしめることが好ま
しい。
【0019】不活性粒子の平均粒径は通常は0.01〜
2.5μmであり、好ましくは0.1〜2.0μm、さ
らに好ましくは0.3〜1.5μmである。不活性粒子
の平均粒径が0.01μm未満ではフィルムの滑りが不
充分であり、巻取り性の向上が不十分であり好ましくな
い。2.5μmを超えると粒子による粗大突起などでグ
ラビアの印刷抜けなどが生じ易くなり、印刷品位が悪化
するため好ましくない。
【0020】不活性粒子の含有量は、通常は0.001
〜0.5重量%であり、好ましくは0.005〜0.2
重量%である。不活性粒子の含有量が0.001重量%
未満では巻取り性の向上の効果が不十分であり好ましく
ない。0.5重量%を超えると意匠性の悪化が顕著とな
り好ましくない。
【0021】このような不活性粒子としては、例えば、
シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、
カオリン、タルクのような無機不活性粒子、シリコー
ン、架橋ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共
重合体のような有機不活性粒子を挙げることができる。
【0022】なお、不活性粒子としては、酸化チタンや
硫化亜鉛のような顔料として作用するような粒子や着色
している粒子は、光学的な特性を劣化させるので、好ま
しくない。
【0023】不活性粒子はその長径と短径の比が1.2
以下である球状粒子であることが、滑り性と光学特性を
バランスさせる点から好ましい。また、粒子の粒度分布
としては、その相対標準偏差が0.3未満の物が好まし
い。相対標準偏差が大きい粒子を使用すると粗大粒子の
頻度が大きくなり、光学的な欠陥を生ずる場合がある。
【0024】上記の不活性粒子の平均粒径および粒径比
は、不活性粒子をフィルムに配合する時の値であるが、
これは、配合前の粒子表面に導電性付与のための金属を
極く薄くスパッターし、電子顕微鏡にて、1万〜3万倍
に拡大した像から、長径、短径および面積円相当径を求
め、これらから算出される。
【0025】[積層]本発明の金属缶外面貼合せ用多層
積層フィルムの多層積層延伸フィルムは、上記のような
A層とB層を11層以上、好ましくは31層以上、さら
に好ましくは31層から501層交互に積層したもので
ある。11層未満では多重干渉による選択反射が小さ
く、高い反射率を得ることができない。
【0026】この多層積層延伸フィルムは、その両面を
A層とすることが好ましい。A層のガラス転移温度(T
g)はB層より高いため、B層が表面では、延伸のため
ロール等で加熱する際に、A層を延伸するのに必要な延
伸温度に上げることができず、A層を延伸することがで
きないからである。
【0027】[延伸]この多層積層延伸フィルムは、少
なくとも1方向に延伸され、好ましくは2軸延伸されて
いる。延伸温度はA層の樹脂のガラス転移温度(Tg)
からTg+50℃の範囲で行うことが好ましい。延伸倍
率としては、1軸延伸の場合、2倍から10倍で、延伸
方向は、縦方向であっても横方向であっても構わない。
2軸延伸の場合は、面積倍率として、5倍から25倍で
ある。延伸倍率が大きい程、延伸前の厚みを大きくする
事ができ、積層時の層厚みの層間のバラツキが、相対的
には同じであるが、延伸による薄層化により、絶対的な
厚みバラツキが小さくなり、各層での光干渉が大きくな
り、反射率が増大するので好ましい。
【0028】延伸方法としては、逐次2軸延伸、同時2
軸延伸、チューブラー延伸、インフレーション延伸等の
公知の延伸方法が可能である。なかでも、逐次2軸延伸
が、生産性、品質の面で有利であり好ましい。
【0029】延伸されたフィルムは、熱的な安定化のた
めに、熱処理により安定化されるのが好ましい。熱処理
の温度としては、(B層の融点−30℃)より高く、
(A層の融点−30℃)より低い温度が好ましい。これ
を超えて高いとB層の融解が始まるため、厚み斑が悪化
し、連続製膜性が低下する。
【0030】[厚み]A層およびB層は、その各1層の
厚みが0.05〜0.5μmであり、各層の厚みのバラ
ツキは、その相対標準偏差が0.15以下であることが
好ましい。相対標準偏差が、0.15を超えると、各層
での干渉が弱くなり、反射率が低下する。層厚を調整す
ることにより反射しようとする波長を調整することが容
易にできる。
【0031】金属缶外面貼合せ用多層積層フィルム全体
の厚みは、特に制限がないが、好ましくは3〜50μ
m、さらに好ましくは5〜30μm、特に好ましくは8
〜20μmである。
【0032】金属缶外面貼合せ用多層積層フィルムは、
通常、フイルム厚み25μmにおけるフィルムヘーズが
5%以下、好ましくは4%以下である。これにより、印
刷品位に優れ、印刷をフィルムを缶外面に貼付した際の
内側(すなわち缶体側)となる面に施した場合において
も、フィルムの優れた透明性のために、缶外面の意匠は
美麗なものとなる。
【0033】[熱収縮率]さらに、本発明の金属缶外面
貼合せ用多層積層フィルムは、フィルム面に平行でかつ
製膜方向と垂直な方向の200℃、10分の熱処理にお
ける熱収縮率が0.0〜5.0%の範囲にあることが、
印刷工程や缶外面への貼付工程における不具合を防止す
るために好ましい。
【0034】該方向の熱収縮率が5.0%を越える場合
には、印刷工程における版ずれ、貼付工程における接着
剤のはみ出しなどを起こす恐れがあり、また、該方向の
熱収縮率が0.0%未満、すなわち、熱処理により、該
方向に膨張するような場合、缶外面への貼付工程におけ
る位置ずれなどを起こす恐れがあり好ましくない。
【0035】該方向の熱収縮率のさらに好ましい熱収縮
率の範囲は、0.5〜3.0%である。また、フィルム
製膜方向の200℃、10分の熱処理における熱収縮率
が10%未満であると、さらに好ましい。
【0036】[添加剤]得られるフィルムの特性が本発
明の範囲を超えるものでない限りにおいて、本発明のポ
リエステルフィルム中に各種添加剤、例えば紫外線吸収
剤などの安定剤、帯電防止剤、染料、顔料、および難燃
剤などを含有させてもよい。
【0037】[製造方法]本発明の金属缶外面貼合せ用
多層積層フィルムは、好ましくは下記の方法で製造する
ことができる。
【0038】まず、フィードブロックを用いた同時多層
押出し法により、積層未延伸フィリムを製造する。すな
わち、A層を形成するポリマーの溶融物とB層を形成す
るポリマーの溶融物を、フィードブロックを用いて2層
が交互にかつ両表面にA層が形成されるように積層し、
ダイに展開して押し出す。このとき、フィードブロック
で積層されたポリマーは積層された形態を維持してい
る。
【0039】ダイより押し出されたシートは、キャステ
ィングドラムで冷却固化され、多層積層未延伸フィルム
となる。この未延伸フィルムは、所定の温度に加熱さ
れ、縦方向および/または横方向に延伸され、所定の温
度で熱処理され、巻き取られる。
【0040】[印刷]本発明の金属缶外面貼合せ用多層
積層フィルムは、通常印刷を施して使用されるが、印刷
を施す方法は特に限定されるものでなく、従来周知のグ
ラビア印刷などの方法を好ましく用いることができる。
【0041】グラビアのメッシュサイズ、印刷インキの
種類などを適当なものとすることで、印刷品位をさらに
高めることが可能である。この場合、フィルムと印刷イ
ンキとの密着性をさらに向上させるため、フィルム上に
プライマー層を設けたり、コロナ放電処理、プラズマ処
理、火炎処理などを施してもよい。なお、このプライマ
ー層は、フィルムを製膜、延伸、熱固定する工程の中で
塗設されるものであってもよい。
【0042】この印刷は、フィルムを缶外面に貼付した
際の外側となる面、内側(すなわち缶体側、裏印刷とい
う)となる面のいずれに施してもよいが、意匠性向上の
ためには多層積層フィルムの干渉光がより生かし易い内
側への印刷の方が好ましい。
【0043】本発明の金属缶外面貼合せ用多層積層フィ
ルムは、缶体もしくは缶体に成型される前の金属板上に
先に印刷を施し、その外面側に貼合せることもできる。
【0044】本発明の金属缶外面貼合せ用多層積層フィ
ルムを缶外面に貼合せる方法は、特に限定されるもので
なく、例えば、接着剤を塗布した印刷フィルムをドライ
ラミネーションなどの従来周知の手法を用いて金属板上
に貼り付けた後、缶体として成型したり、あるいは缶体
に成型された後に、その外面に巻回貼付したりすること
ができる。
【0045】この場合、フィルムと接着剤などの密着性
をさらに向上させるため、フィルム上あるいは印刷面上
にプライマー層を設けたりしてもよい。なお、このプラ
イマー層は、フィルムを製膜、延伸、熱固定する工程の
中で塗設(以後、インラインコートという)されるもの
であってもよいし、印刷工程の前後でオフラインで塗設
されるものであってもよい。
【0046】また、接着剤の密着性をさらに向上させる
ため、貼付後に架橋・硬化のための熱処理を施してもよ
い。さらに缶体の最外層にオーバーコート層を設けても
よい。このオーバーコート層は製膜時のインラインコー
トであってもよいし、印刷工程の前後で施されてもよ
い。
【0047】本発明の金属缶外面貼合せ用多層積層ポリ
エステルフイルムを用いて、上述したようにフィルムの
少なくとも片面上に直接、あるいは他の層を介して印刷
を施し、さらに上述したように、得られた印刷フィルム
を金属缶の側面上に直接、あるいは他の層を介して貼付
被覆させることにより意匠性に優れた金属缶を作成する
ことができる。
【0048】フィルムを貼付する相手の金属缶は、特に
限定されるものではなく、例としては、スリーピース金
属缶や、金属板に絞り、しごきなどの成形を施すことに
より得られるツーピース金属缶などを挙げることがで
き、この場合、ポリエステルフィルムをその少なくとも
片面に積層被覆させた金属板からなる金属缶であっても
よい。また、これらの製缶用金属板としては、ブリキ、
テインフリースチール、アルミニウム等金属板を用いる
ことができる。
【0049】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を更に詳細に説
明する。また、フィルムの特性は以下の方法で測定、評
価した。 1)ポリエステルの融点(Tm)およびガラス転移点
(Tg) ポリエステルのチップを20mgサンプリングし、TA
インスツルメンツ社製DSC(DSC2920)を用
い、20℃/min.の昇温速度で、ガラス転移度およ
び融点を測定する。
【0050】2)各層の厚み 積層フィルムを三角形に切り出し、包埋カプセルに固定
後、エポキシ樹脂にて包埋する。ミクロトーム(ULT
RACUT−S)で縦方向に平行な断面を50nm厚の
薄膜切片にする。透過型電子顕微鏡を用い、加速電圧1
00kvにて観察、撮影し、写真より、各層の厚みを測
定し、平均厚み、相対標準偏差を求める。
【0051】3)反射率 島津製作所製分光光度計MPC−3100を用い、各波
長でのアルミ蒸着したミラーとの相対鏡面反射率を波長
350nmから2100nmの範囲で測定する。その反
射率がピークとなる波長をピーク波長とし、その反射率
を測定し、次の基準でランク分けする。 ◎:90%以上 ○:80%以上、90%未満 △:70%以上、80%未満 ×:70%未満
【0052】4)全光線透過率 各波長での光線透過率を求め、可視光領域(450nm
〜700nm)での平均光線透過率を全光線透過率と
し、次の基準でランク分けする。 ◎:80%以上 ○:70%以上、80%未満 △:60%以上、70%未満 ×:50%未満
【0053】5)熱収縮率 内部を200℃にした熱風循環型のオーブン中に、該フ
ィルムの機械長手方向と直交する方向に一定の間隔の評
点をつけたサンプルを設置する。10分後に取り出した
サンプルの評点間距離を測定し、下記式によって収縮率
を算出する。 S=100×(L−L0)/L0 (S:熱収縮率(%)、L:熱処理後の評点間間隔(m
m)、L0:熱処理前の評点間間隔(mm))
【0054】6)巻き取り性 製膜したフィルムを巻き取る際に、次の基準でランク分
けする。 ◎:巻き取りに問題無い ○:速度を落としたり、条件調整して、巻き取れる △:ブツ、シワ等が発生するが、何とか巻き取れる ×:条件調整しても、ブツやシワがひどく、巻き取れな
【0055】7)製膜性 製膜時の状況を観察し、次の基準でランク分けする。 ◎:製膜する上で切断等の問題が無い。 ○:製膜可能であるための条件が狭く限定されるが、長
尺のロールの採取は可能。 △:連続製膜する上で、切断等の問題があり、長尺のロ
ールを採取するのが難しい。 ×:連続製膜性に劣り、極短時間でしか製膜ができな
い。
【0056】[実施例1]平均粒径1.3μm、長径と
短径の比が1.04、粒径の相対標準偏差が0.13の
真球状シリカ粒子を0.05wt%添加した、固有粘度
(オルソクロロフェノール、35℃)0.65のポリエ
チレン−2,6−ナフタレート(以下「PEN」と略す
ことがある)をA層の樹脂として調製した。また不活性
粒子を含まないイソフタル酸を12モル%共重合した、
固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.64
のコポリエチレンテレフタレート(以下「IA12」と
略すことがある)をB層の樹脂として調製した。
【0057】A層のポリマーの融点は269℃、ガラス
転移点は121℃、B層のポリマーの融点は、225
℃、ガラス転移点は74℃であった。
【0058】それぞれのポリマーを160℃で3時間乾
燥後、押出し機に供給して溶融し、A層ポリマーを10
1層、B層ポリマーを100層に分岐させた後、A層と
B層が交互に積層するような多層フィードブロック装置
を使用して合流させ、その積層状態を保持したままダイ
へと導き、キャスティングドラム上にキャストしてA層
とB層が交互の積層された総数201層の積層未延伸シ
ートを作成した。このとき、A層とB層のポリマーの押
し出し量比が1:0.33になるように調整し、かつ両
表面層がA層となるように積層させた。
【0059】前記積層未延伸シートを140℃の温度で
縦方向に3.6倍延伸し、さらに150℃の延伸温度で
横方向に5.7倍に延伸し、210℃で4秒間熱処理を
行った。製造条件およびフィルム物性を表1、2および
3に示す。
【0060】[実施例2〜7および比較例1〜8]製造
条件を表1および2に示すように種々調整し、実施例1
と同様にして、実施例2〜7および比較例1〜8のフィ
ルムを得た。その特性を表3に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、光干渉によって特定の
波長の光を高い選択性で反射させ、発色性に優れ、玉虫
色の金属光沢を有し、フィルムに施される絵柄印刷を美
麗なものとすることができる金属缶外面貼合せ用多層積
層フィルムを提供することができる。このフィルムを金
属缶の外面に被覆することにより、金属缶を意匠性に優
れたものとすることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01A AK01B AK01C AK01D AK01E AK41B AK41D AK42C AK42E AL01B AL01C AL01D AL01E BA05 BA07 BA08 BA15 DE01B DE01C DE01D DE01E EJ37B EJ37C EJ37D EJ37E EJ38B EJ38C EJ38D EJ38E GB15 HB31 HB31E JA03 JA04B JA04C JA04D JA04E JA05B JA05C JA05D JA05E JN06 YY00 YY00B YY00C YY00D YY00E

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が共に210℃以上の異なる2種の
    ポリマー層を11層以上交互に積層して構成される延伸
    フィルムからなる金属缶外面貼合せ用多層積層フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 特定波長の光線を反射率70%以上で反
    射する、請求項1記載の金属缶外面貼合せ用多層積層フ
    ィルム。
  3. 【請求項3】 融点が共に210℃以上の異なる2種の
    ポリマー層の一方の層(A層)がポリエチレン−2,6
    −ナフタレートからなり、他方の層(B層)が210℃
    〜245℃の融点の共重合ポリエチレンテレフタレート
    からなる、請求項1記載の金属缶外面貼合せ用多層積層
    フィルム。
  4. 【請求項4】 B層のポリマーがイソフタル酸共重合ポ
    リエチレンテレフタレートであり、A層のポリマーとB
    層のポリマーのガラス転移温度(Tg)の差が40℃以
    上ある、請求項3記載の金属缶外面貼合せ用多層積層フ
    ィルム。
  5. 【請求項5】 B層のポリマーがポリエチレン−2,6
    −ナフタレートとポリエチレンテレフタレート若しくは
    イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートとの混
    合物である、請求項3記載の金属缶外面貼合せ用多層積
    層フィルム。
  6. 【請求項6】 A層およびB層の少なくとも一方の層
    に、平均粒径0.01〜2μmの不活性粒子を0.00
    1〜0.5重量%含有せしめた、請求項1記載の金属缶
    外面貼合せ用多層積層フィルム。
  7. 【請求項7】 フィルム面に平行でかつ製膜方向と垂直
    な方向の200℃、10分の熱処理における熱収縮率が
    0.0〜5.0%の範囲にある、請求項1記載の金属缶
    外面貼合せ用ポリエステルフィルム。
  8. 【請求項8】 フィルムの少なくとも片面上に直接、あ
    るいは他の層を介して印刷を施し、得られた印刷フィル
    ムを金属缶の側面上に直接、あるいは他の層を介して貼
    付被覆させることにより金属缶を作成する際に用いられ
    る、請求項1乃至3のいずれかに記載の金属缶外面貼合
    せ用ポリエステルフィルム。
  9. 【請求項9】 金属缶がツーピース金属缶またはスリー
    ピース金属缶である、請求項1乃至5のいずれかに記載
    の金属缶外面貼合せ用ポリエステルフィルム。
  10. 【請求項10】 二軸配向されていてる請求項3乃至5
    のいずれかに記載の金属缶外面貼合せ用多層積層フィル
    ム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004338390A (ja) * 2003-04-21 2004-12-02 Toray Ind Inc 積層フィルム
JP2010005954A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 Teijin Dupont Films Japan Ltd 成形加工用多層積層二軸配向ポリエステルフィルム
JP2014004834A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Lg Electronics Inc ミラー効果を有する外装フィルム及びその製造方法

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