JP2002355918A - 包装容器用こんにゃくラミネート紙板及びラミネート用こんにゃくフィルムの製造方法 - Google Patents

包装容器用こんにゃくラミネート紙板及びラミネート用こんにゃくフィルムの製造方法

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JP2002355918A
JP2002355918A JP2001165334A JP2001165334A JP2002355918A JP 2002355918 A JP2002355918 A JP 2002355918A JP 2001165334 A JP2001165334 A JP 2001165334A JP 2001165334 A JP2001165334 A JP 2001165334A JP 2002355918 A JP2002355918 A JP 2002355918A
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packaging container
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Takashi Fukuda
敬志 福田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 こんにゃくフィルムのラミネートにより紙製
包材の耐水性及び耐久性を図り、液体の紙製包装容器に
利用できるようにする。 【解決手段】 包装容器用の紙板1の片面に脱アセチル
化したこんにゃくフィルム2をセルロース接着剤3によ
り一体に貼着する。そのこんにゃくフィルム2により紙
板1に耐水性及び耐久性を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、こんにゃくによ
り耐水性及び耐久性が付与された包装容器用こんにゃく
ラミネート紙板とラミネート用こんにゃくフィルムの製
造方法に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】現在世界中で、毎日5
0億リットルの水、牛乳、ジュースなどの液体食品が流
通されている。流通させるための包装容器として紙製容
器が大量に使用されているが、本来は水に弱い紙に耐水
性を持たせるため、紙板にポリエチレン、ポリエステ
ル、ナイロンなどの石油系プラスチックをラミネートし
ている。
【0003】このプラスチックラミネート紙板は、耐水
性、ガスバリア性、保香性、無臭性、密封性など多くの
点で、液体や準液体の容器としての適用性を有するが、
使用後に紙板を古紙としてリサイクルする場合には、プ
ラスチックの部分を除去せねばならないため多大な手間
がかかり、廃棄する場合でも埋め立てではプラスチック
が残り、焼却では有害ガスが発生される危険があるなど
の難点も有する。特に最近の環境に対する関心の高まり
から、リサイクルもしくは安全な処分ができる紙製包材
による包装用容器の開発が望まれ、紙製包材のラミネー
ト素材として、石油系プラスチック以外の高分子の採用
が一部で試みられている。
【0004】天然に産するこんにゃくの主成分は、グル
コマンナンで高分子であるが、その殆どは食品として供
されている。しかし、過去においては耐水性及び耐久性
を有する天然資材として、模造ゴムの原料、風船爆弾の
ライニング剤等の工業用途として使用された実績があ
る。
【0005】今日では石油化学の技術進歩による生産性
の向上により安価で多くの特性を有するプラスチック
が、こんにゃくに代わって多用されているわけで、使用
後の紙製包材のリサイクル又は安全な処分の点から看る
ならば、プラスチックをラミネートした紙製包材は環境
的に好ましいものではない。
【0006】こんにゃくのグルコマンナンは、水により
膨潤して糊化する。これを乾燥すると耐水性及び耐久性
を有する固形物となる。土中では自然に分解するので生
分解プラスチックとも云え、燃焼により有害ガスを発生
するようなこともない。したがって、プラスチックに代
えてこんにゃくを紙板にラミネートすることができれ
ば、使用後の包装容器の古紙リサイクルとしての手間が
軽減され、そのまま土に埋めても自然に還るので、その
利用は環境の観点から社会に貢献できるところが極めて
大きいものと考えられる。
【0007】ところで、紙板とこんにゃくとの積層化に
は、こんにゃく糊を紙板に塗ってアルカリ処理をし、そ
れを乾燥して耐水性のあるこんにゃく薄膜を紙板の表面
に形成させる方法と、予めアルカリ処理をして作ったこ
んにゃくフィルムを、紙板にラミネートする方法とが考
えられる。これらについて鋭意検討を重ねた結果、予め
アルカリ処理をして作ったこんにゃくフィルムを、ラミ
ネートすることが液体や準液体等を包装する紙製容器に
とって最も好ましいことを見い出した。
【0008】この発明は上記事情から考えられたもので
あって、その目的は、こんにやく糊を紙板にラミネート
できるようにフィルム化し、そのこんにゃくフィルムに
より耐水性及び耐久性が付与されて、液体や準液体等の
紙製包装容器に利用でき、またリサイクル又は廃棄処分
等の容易に行い得る新たな包装容器用こんにゃくラミネ
ート紙板とラミネート用のこんにゃくフィルムの製造方
法とを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的によるこの発明
の包装容器用こんにゃくラミネート紙板は、包装容器用
の紙板の片面に脱アセチル化したこんにゃくフィルムを
セルロース接着剤により一体に貼着し、そのこんにゃく
フィルムにより紙板に耐水性及び耐久性を付与してな
る、というものである。
【0010】またこの発明のラミネート用こんにゃくフ
ィルムの製造方法は、こんにゃく糊を脱気しながらスク
リュにより攪拌混練し、そのこんにゃく糊をTダイから
回転中の加熱ロールの上に押し出してシートに一次成形
し、その加熱ロールと熱風とによりこんにゃくシートの
水分を、含水率10質量%程度に蒸発減少させてフィル
ムとなし、そのこんにゃくフィルムを1%水酸化ナトリ
ウム水溶液に浸漬して脱アセチル化したのち乾燥し、厚
さ10〜40μmのこんにゃくフィルムとなす、という
ものである。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、この発明のこんにゃくラ
ミネート紙板で、包装容器用の紙板1の片面に脱アセチ
ル化した厚さ10〜40μmのこんにゃくフィルム2が
セルロース接着剤3により一体に貼着してラミネートし
てある。
【0012】図2は、上記こんにゃくラミネート紙板
を、紙製包材として形成した通常構造の箱型の飲料包装
容器で、上記紙板1により形成された容器本体11の内
側に、セルロース接着剤3により貼着した上記んにゃく
フィルム2が、内張りとして位置するように組み立てた
ものからなる。
【0013】このような飲料包装容器では、こんにゃく
フィルム2が紙板1に対する耐水性の内張りとして機能
し、これにより容器本体11に耐水性が付与されて、液
体を充填しても容器本体11に滲みが生ずることがな
く、また容器本体11に適度な剛性も生ずるようになつ
て、耐久性も向上するようになる。
【0014】このこんにゃくフィルム2は、下記工程に
より製造することができる。先ず、こんにゃく粉5〜1
0Kgを水1000リットルに溶解してこんにゃく糊を
作り、所要時間放置して粘凋なこんにゃく糊を作る。そ
のこんにゃく糊を真空混練機で脱気しながらスクリュに
より攪拌混練する。攪拌混練後のこんにゃく糊は、その
ままTダイから大径で表面をテフロン(R)加工した回
転中の加熱ロール上に押し出し、シート状に一次成形す
る。なお、加熱ロールの回転速度はTダイの押出速度に
合わせて設定される。
【0015】次に、上記こんにゃくシートの水分を加熱
により蒸発させて、シートのフィルム化を行う。この水
分の加熱蒸発は、加熱ロールとの接触面はロールからの
熱伝導により、また非接触面は熱風を吹き付けて同時に
両面を加熱して行う。この接触加熱と熱風加熱とによる
水分の蒸発は、含水率が10質量%程度に減少するまで
行う。これによりこんにゃくシートの厚みが著しく減少
してフィルムの状態となる。
【0016】このこんにゃくフィルムを巻取り、一対の
支持ロールに通して1%水酸化ナトリウムを含む80℃
前後の水槽中に連続的に送り込み、60〜90秒間ほど
水中に通して浸漬し、こんにゃくフィルムの脱アセチル
化を行う。
【0017】次に水を入れた水槽に30〜35秒間ほど
通して過剰の表面に付着しているアルカリを洗浄した
後、熱風を吹き付けて乾燥する。これによりこんにゃく
フィルムは無臭で10〜40μmの厚さのフィルムとな
る。またこんにゃくフィルムは強靱で破れ難く耐久性に
優れ、耐水性をも有するものとなる。
【0018】
【実施例】 材料 A:水、 B:こんにゃく粉、 C:バガスパルプ、
【0019】 実施例 A(リットル) B(kg) C(kg) シート フィルム NO1 1000 5 − 150μm 10μm NO2 1000 10 − 200μm 20μm NO3 1000 10 10 300μm 40μm
【0020】処理条件 攪拌混練時間 10分間 こんにゃく糊の放置時間 1時間 水槽浸漬時間(80℃) 1分間 加熱時間(130℃) 2分間 (1%水酸化ナトリウム含) 水槽(洗浄) 30秒 乾燥時間(90℃) 10分間
【0021】使用成形機械 スクリュ攪拌混練押出機 Tダイ(ダイスリット長さ200cm、ダイスリット間
隙1mm以下) ステンレスロール(ステンレス製テフロン(R)加工
直径240cm)1本 熱風乾燥機
【0022】[結果]実施例NO1、NO2のこんにゃ
くフィルムを、セルロース接着剤により包装容器用の紙
板に一体に貼着したラミネート紙板により、図2に示す
紙製の包装容器を形成した。その中に牛乳を充填して密
封し、10℃の冷蔵庫に2週間保管したところ、水分が
容器本体の紙板に染み出すことも無く、容器の強度にも
変化が無かった。内部の牛乳にも特に変化は見られなか
った。
【0023】実施例NO3のこんにゃくフィルムを、セ
ルロース接着剤により包装容器用の紙板に一体に貼着し
たラミネート紙板により、図2に示す紙製の包装容器を
形成した。その中にpH=4のオレンジジュースを充填
して密封し、室温で2週間保管したところ、水分が容器
本体の紙板に染み出すことも無く、容器の強度にも変化
が無かった。内部のオレンジジュースにも特に変化は見
られなかった。
【0024】このようなことから、石油系プラスチック
のラミネート紙板と同様に包装容器に使用できることが
明らかとなった。また使用後に、こんにゃくフィルムを
剥離して紙板と容易に分離でき、土に埋めて長く放置し
たところ、こんにゃくフィルムが分解して脆くなってお
り、燃焼では有害ガスの発生もなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の包装容器用こんにゃくラミネート
紙板の縦断面図である。
【図2】 この発明の包装容器用こんにゃくラミネート
紙板により形成し飲料包装容器の一部縦断側面図であ
る。
【符号の説明】 1 紙製包材 2 こんにゃくフィルム 3 セルロース接着剤 11 容器本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 65/46 B65D 65/46 C08J 5/18 CEP C08J 5/18 CEP // C08L 3:00 C08L 3:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 包装容器用の紙板の片面に脱アセチル化
    したこんにゃくフィルムをセルロース接着剤により一体
    に貼着し、そのこんにゃくフィルムにより紙板に耐水性
    及び耐久性を付与してなることを特徴とする包装容器用
    こんにゃくラミネート紙板。
  2. 【請求項2】 こんにゃく糊を脱気しながらスクリュに
    より攪拌混練し、そのこんにゃく糊をTダイから回転中
    の加熱ロールの上に押し出してシートに一次成形し、そ
    の加熱ロールと熱風とによりこんにゃくシートの水分
    を、含水率10質量%程度に蒸発減少させてフィルムと
    なし、そのこんにゃくフィルムを1%水酸化ナトリウム
    水溶液に浸漬して脱アセチル化したのち乾燥し、厚さ1
    0〜40μmのこんにゃくフィルムとなすことを特徴と
    するラミネート用こんにゃくフィルムの製造方法。
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