JP2002355882A - 樹脂シートの製造方法及び樹脂シート成形用キャスティング装置 - Google Patents

樹脂シートの製造方法及び樹脂シート成形用キャスティング装置

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JP2002355882A JP2001163513A JP2001163513A JP2002355882A JP 2002355882 A JP2002355882 A JP 2002355882A JP 2001163513 A JP2001163513 A JP 2001163513A JP 2001163513 A JP2001163513 A JP 2001163513A JP 2002355882 A JP2002355882 A JP 2002355882A
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義之 北氏
Takayuki Sakai
孝之 酒井
Kiyobumi Kume
清文 久米
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融樹脂の冷却ロールへの密着性を改良する
と共に、溶融樹脂に含まれる低分子量成分、添加剤等か
らの揮発成分が吸引チャンバの内壁面に凝結することを
防止して、冷却ロール面の汚染を防ぎ、表面光沢、透明
性等の品質が改良された樹脂シート(フィルム)を製造
する方法及びそれに好適で、比較的簡単で安価な構造の
吸引チャンバを提供することを目的とする。 【解決手段】 Tダイ1から押し出される溶融樹脂3a
に向かって開放され、側面壁を残して冷却ロール2に面
する下側壁とTダイ1の下面と接する上面壁を取り除い
た吸引チャンバ本体11と、Tダイ1の下面と吸引チャ
ンバ本体11のTダイ1の下面に近接するコの字形開放
口の縁部との間に介装されたコの字形シールパッキン1
6と、複数の吸出口14と、吸引ブロワ5と配管結合さ
れた吸出口マニホールド19とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばTダイから
押し出した溶融樹脂を、吸引チャンバ装置を用いて冷却
ロールへの密着巻き付きを確実にして表面光沢、透明性
等に優れたフィルム状又はシート状の樹脂製薄膜(以
降、樹脂シートと称する。)を製造する方法及びそれに
用いるキャスティング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】Tダイから押し出した溶融樹脂を回転す
る冷却ロールに巻き付けてシート状に成形するフィルム
製造装置において、冷却ロール面に溶融樹脂の密着を良
好に保つために溶融樹脂が冷却ロール面に着地寸前に、
溶融樹脂と冷却ロールとの間に空気が巻き込まれるのを
防止するための吸引チャンバ装置の従来の構造は、図3
の側面断面図、図4の斜視図に示したようなものであ
る。図3の1は押出機のTダイ、2は冷却ロール、3は
シート状に押し出された樹脂シート、3aは溶融樹脂で
あり、010は吸引チャンバ装置で、同吸引チャンバ装
置010の本体011は冷却ロール2側の壁が除かれ、
樹脂シート3側に吸引口011bが開き、吸引口011
bの上側に線状のシールパッキン015を取付けた構成
である。吸引口011bから吸い込まれた樹脂シート3
に含まれている添加剤の揮発成分のガスが混入した空気
は吸出口014から配管ホース018を経て図示しない
吸引ブロワにより吸出される。
【0003】特開平11−188776号公報に開示さ
れた従来例では、上記のような吸引チャンバは内壁面の
温度が低いために前記の添加剤の揮発成分が内壁面に凝
結して溜まり、冷却ロール2面に落下して製品シートを
汚すことを防ぐために、吸引チャンバの内壁面の温度を
一定の温度以上に保つように、吸引チャンバの内壁面を
加熱するヒータ、温度センサ、温調コントローラ等を設
けている。
【0004】また、特開2000−225624号公報
に開示された従来例は、吸引チャンバをTダイと一体
に、又は、Tダイに一体的に固着した構成で、吸引チャ
ンバの内壁面の温度を高温に保つようにして、溶融樹脂
から出た揮発成分が内壁面に凝結することを防ぐ手段と
したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の別体構造の単純
な吸引チャンバ装置010は、上述のように内壁面の温
度が低くなるために、溶融樹脂の添加剤からの揮発成分
が上壁面011aに凝結し、冷却ロール2面に落ちて冷
却ロール2を汚すとともに樹脂シート3を汚し、製品シ
ートの品質を低下させる問題がある。この問題の解決の
ために提案された特開平11−188776号公報の従
来例は、揮発成分が吸引チャンバの内壁面に凝結するこ
とを防止することは可能となるが、内壁面を加熱するヒ
ータ、温調コントローラ等が高価である。
【0006】また、同じ問題の解決のために提案された
特開2000−225624号公報に開示された従来例
のTダイと吸引チャンバ一体の構造は、Tダイ側の内壁
面は高温に保たれるが、下側や後側の内壁面は温度が低
下するので、溶融樹脂から揮発した添加剤等が内壁面に
凝結して汚染し、溜まった凝結物が冷却ロール2面に落
下する点は未解決であるとともに、内壁面の汚染を洗浄
することも困難である。
【0007】本発明は、シート製造装置において溶融樹
脂を回転する冷却ロールに巻き付けてシート状に成形す
るとき、吸引チャンバにより、溶融樹脂と冷却ロールと
の間の空気を吸引して、溶融樹脂の冷却ロールへの密着
性を改良すると共に、溶融樹脂に含まれる低分子量成
分、添加剤等からの揮発成分が吸引チャンバの内壁面に
凝結することを防止して、冷却ロール面の汚染を防ぎ、
表面光沢、透明性等の品質が改良された樹脂シートを製
造する方法及びそれに好適で、比較的安価な構造の吸引
チャンバを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の問題に対して本発
明は、ダイから押し出した溶融樹脂を所定方向に移動す
る冷却面にて冷却固化する樹脂シートの製造方法におい
て、前記溶融樹脂の前記冷却面への落下地点より前記所
定方向の上流側に配置されかつ前記ダイの下面が晒され
る吸引空間を有する吸引チャンバ本体と、前記ダイの下
面と前記吸引チャンバ本体の前記ダイの下面に近接する
コの字形開放口の縁部との間に介装されたコの字形シー
ルパッキンと、前記吸引空間に連通する複数の吸出口
と、前記吸出口と吸引ブロワとを配管結合する吸出口マ
ニホールドと、前記吸引空間内の吸引空気の通路に設け
られた多孔板とで構成された吸引チャンバ装置により、
前記冷却面と前記溶融樹脂間の空気を吸引することによ
って溶融樹脂を冷却ロール面に密着させて冷却固化する
ことを特徴とする樹脂シートの製造方法を課題解決の手
段とする。また本発明は、ダイから押し出された溶融樹
脂を所定方向に移動する冷却面にて冷却固化して樹脂シ
ートを成形する樹脂シート成形用キャスティング装置に
おいて、前記ダイから押し出される前記溶融樹脂に向か
って開放され、側面壁を残して前記冷却面に対向する下
側壁とダイの下面と接する上面壁を取り除いた吸引チャ
ンバ本体と、前記ダイの下面と前記吸引チャンバ本体の
ダイの下面に近接するコの字形開放口の縁部との間に介
装された耐熱性のコの字形シールパッキンと、複数の吸
出口と、吸引ブロワと配管結合された吸出口マニホール
ドと、前記吸引チャンバ本体の吸引空気の通路に設けら
れた多孔板とで構成された吸引チャンバ装置を備えたこ
とを特徴とする樹脂シート成形用キャスティング装置を
課題解決の手段とする。
【0009】以上の本発明において、樹脂がポリオレフ
ィン、さらにポリオレフィンが線状低密度ポリエチレン
であることが望ましい。また、本発明の樹脂シート成形
用キャスティング装置において、前記吸引チャンバ本体
のダイ口と反対側の背側壁に接しかつ前記吸引チャンバ
本体の全幅に亘って前記冷却面に臨む受け板を設けるこ
とが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図に基づい
て説明する。図1は樹脂シート成形用キャスティング装
置とその周辺を示す側面断面図、図2は図1の吸引チャ
ンバ装置の斜視図である。押出機のTダイ、冷却ロー
ル、シート状に押し出された樹脂シートは上述の従来例
と同じ構成であるので、以下の説明の中では同じ符号を
使用する。
【0011】図1および図2において、1は溶融樹脂3
aをシート状に押し出す押出機のTダイ、2はTダイ1
から押し出された溶融樹脂3aを外周面上に引き取って
冷却固化し次の処理工程へ送り出す冷却ロールである。
冷却ロール2が回転することにより所定方向に冷却面が
移動する。吸引チャンバ装置10は、吸引チャンバ本体
11と、Tダイ1の下面と吸引チャンバ本体11のTダ
イ1の下面に近接するコの字形開放口の縁部との間に介
装された耐熱性のコの字形シールパッキン16と、吸出
口マニホールド19と、吸引チャンバ本体11に備えら
れた複数の吸出口14と吸出口マニホールド19とを配
管結合している複数の真空配管用ホース18と、吸出口
マニホールド19に配管結合している吸引ブロワ5とで
構成されている。
【0012】吸引チャンバ本体11は、冷却ロール2の
回転による冷却面の移動方向の上流側に配置され、かつ
Tダイ1に近接する側が除かれた上板11aと、側面壁
11b、11cと、背板11dと、複数の吸出口14と
が一体となった構成で、冷却ロール2に面した下側が開
放された半箱形状をなす。背板11dと側面壁11b、
11cには、受け板12と多孔板13とが設けられてい
る。Tダイ1の下側面と冷却ロール2の円周面と側面壁
11b、11cの先端とで囲われた部分が吸引口9及び
吸引空気通路を有する吸引空間を形成する。この吸引空
間には、Tダイ1の下面が晒される。吸引チャンバ本体
11の上板11aの縁のシールパッキン15と、側面壁
11b、11cの上縁のシールパッキン15aとでコの
字形シールパッキン16が形成されている。また、吸引
チャンバ本体11が所定位置に固定されたときは、吸引
の際に吸引チャンバ本体11内に余分な多くの空気が入
らぬように、側面壁11b、11cと背板11dの下縁
は、冷却ロール2から僅かな距離(1〜2mm)離れた
位置に調整される。17はTダイ1の両側に設けられた
吸い込み空気の停滞を防止するための整流用のガイド板
である。
【0013】溶融樹脂3aがTダイ1からシート状に押
出され、シートの速度に同期した周速度で回転する冷却
ロール2へ巻き付くとき、溶融樹脂3aを冷却ロール2
面に密着させるように、溶融樹脂3aと冷却ロール2と
の間への空気の巻き込みを防止するために吸引口9より
吸引力を作用させる。吸引された空気は吸引チャンバ装
置10の吸出口14からホース18、吸出口マニホール
ド19を経て吸引ブロワ5により吸出される。このよう
に吸引された空気には樹脂シート3に含まれる低分子量
成分、添加剤等からの揮発成分のガスが混入している。
【0014】この揮発成分のガスは温度が下がると凝結
し易く、図3に示したような従来例の筺体の場合だと、
上壁面011aの温度が下がるので、この揮発成分のガ
スが筺体に凝結液化し、ある程度の量が溜まると滴下し
て冷却ロール2を汚染し、樹脂シート3の冷却ロール2
との対向面を汚染する不具合が生じる。しかし、本実施
の形態の吸引チャンバ本体11のように筺体の上板部が
無く、シールパッキン15、16でシールされたTダイ
1の下面を吸引チャンバ本体11に形成される吸引空間
に晒す形態としており、このTダイ1は樹脂を溶融する
ために図示しない加熱手段で加熱されている。したがっ
て、当該部分で揮発成分のガスが凝結する虞はなくな
る。
【0015】しかし、吸引チャンバ本体11の背板11
d側の上板11aはTダイ1から離れているので、温度
が低下し、揮発成分のガスが凝結する可能性がある。こ
れに対応して、同本体11の上板11aに凝結液化した
揮発成分の滴下液を受ける受け板12が設けられる。こ
の受け板12は、吸引チャンバ本体11の全幅に亘って
冷却ロール2に臨むように設けてある。また、吸引空気
の均一化を図るため、吸出口マニホールド19で分けた
配管は複数の吸出口14に入り、さらに、多孔板13に
より一層の均一化を図っている。
【0016】本発明に係る樹脂は、シート成形できる熱
可塑性樹脂であれば特に限定はされない。かかる熱可塑
性樹脂としては具体的には、エチレン、プロピレン、ブ
テン−1、ヘキセン−1、4−メチル・ペンテン−1、
オクテン−1等のα−オレフィンの単独若しくは共重合
体、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレ
ン(所謂LLDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリプロピレンランダム共重合体、ポリブテ
ン、ポリ4−メチル・ペンテン−1、低結晶性あるいは
非晶性のエチレン・プロピレンランダム共重合体、エチ
レン・ブテン−1ランダム共重合体、プロピレン・ブテ
ン−1ランダム共重合体等のポリオレフィンを単独若し
くは2種以上の組成物、エチレン・酢酸ビニル共重合体
(EVA)あるいはEVAとポリオレフィンとの組成
物、ポリエチレンフタレート、ポリブチレンフタレート
及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ナイ
ロン6、ナイロン66及びポリメタキシレンアジパミド
等のポリアミド無機化合物(B)並びにポリスチレン等
の熱可塑性樹脂を例示できる。これら熱可塑性樹脂の中
でも、ポリオレフィンが好ましく、更には高圧法低密度
ポリエチレン及び線状低密度ポリエチレンが好ましく、
特に線状低密度ポリエチレンが好適である。
【0017】高圧法低密度ポリエチレンとしては、通
常、密度が0.910〜0.935g/cm3、好まし
くは0.920〜0.935g/cm3、MFR(AS
TM D1238 荷重2160g、温度190℃)が1
〜30g/10分、好ましくは1〜10g/10分の高
圧下で重合されるエチレンの単独重合体、若しくは5重
量%以下の他のα−オレフィン、あるいは酢酸ビニル等
のビニル化合物との共重合体が用い得る。
【0018】又、線状低密度ポリエチレンとしては、通
常、密度が0.905〜0.940g/cm3、好まし
くは0.910〜0.935g/cm3、MFR(AS
TMD1238 荷重2160g、温度190℃)が
0.5〜20g/10分、好ましくは1〜10g/10
分のエチレンと炭素数が3〜10のα−オレフィン、例
えばプロピレン、ブテン−1、ヘプテン−1、ヘキセン
−1、オクテン−1、4−メチル−ペンテン−1とのラ
ンダム共重合体である。又、かかる線状低密度ポリエチ
レンは、分子量分布(重量平均分子量:Mw、と数平均
分子量:Mn、との比:Mw/Mnで表示)が通常1.
5〜4.0、好ましくは1.8〜3.5の範囲にある。
このMw/Mnはゲル透過クロマトグラフィー(GP
C)によって測定できる。
【0019】又、線状低密度ポリエチレンは、示差走査
熱量計(DSC)の昇温速度10℃/分で測定した吸熱
曲線から求めた鋭いピークが1個乃至複数個あり、該ピ
ークの最高温度、すなわち融点が通常70〜130℃、
好ましくは80〜120℃の範囲にある。上記のような
線状低密度ポリエチレンは、シングルサイト触媒を用い
た従来公知の製造法により調整することができる。例え
ば線状低密度ポリエチレンは、遷移金属のメタロセン化
合物を含む触媒を用いて調整することができる。このメ
タロセン化合物を含む触媒は、(a)遷移金属のメタロ
セン化合物と、(b)有機アルミニウムオキシ化合物
と、(c)担体とから形成されることが好ましく、さら
に必要に応じて、これらの成分と(d)有機アルミニウ
ム化合物および/または有機ホウ素化合物とから形成さ
れていてもよい。なお、このようなメタロセン化合物を
含むオレフィン重合用触媒、および触媒を用いた線状低
密度ポリエチレンの調整方法は、たとえば特開平8−2
69270号公報に記載されている。本発明に係わる樹
脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、通常ポリオ
レフィン等の熱可塑性樹脂に用いられる酸化防止剤、耐
候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、核剤、帯電防止剤、防
曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、顔料、染
料、無機または有機の充填剤等の種々の添加剤を必要に
応じて配合することができる。
【0020】本発明の方法で得られる樹脂シート3は、
未延伸であっても、一軸延伸シートあるいは二軸延伸シ
ートの原反として用いても良い。
【0021】〔実施例〕 (線状低密度ポリエチレンを用いたシートの製造例)図
1に示す吸引チャンバ装置10を具備したキャスティン
グ装置を用い、押出機でメタロセン触媒を用いて製造さ
れた線状低密度ポリエチレン[密度:0.920g/c
3、MFR:4g/10分、分子量分布(重量平均分
子量:Mw、と数平均分子量:Mn、との比:Mw/M
n):2.3、DSC融点:主ピーク118℃(105
℃及び122℃に副ピークあり)]を溶融した後、Tダ
イ1から溶融樹脂3aを押出し、吸引チャンバ装置10
で溶融樹脂3aと冷却ロール2との間への空気の巻き込
みを防止するために溶融樹脂3aと冷却ロール2面間の
空気を吸引してその密着性を向上させつつ冷却固化した
後引取り、厚さ40μmの樹脂シート3を製造した。四
日間連続して樹脂シート3の製造を行ったが、四日後も
樹脂シート3表面への揮発成分の付着は全く認められ
ず、透明性に優れた樹脂シート3が得られた。別途、吸
引チャンバ装置10を取り外して同線状低密度ポリエチ
レンシートを製造すると、表面光沢、透明性等に劣る樹
脂シート3しか得られなかった。
【0022】
【発明の効果】本発明の方法によれば、吸引チャンバを
用いることにより、溶融樹脂と冷却面との密着性が改善
され、溶融樹脂から発生する揮発成分の凝結を防ぎ、且
つ冷却面への揮発成分の滴下を防ぐことができるので、
表面の光沢、透明性等が優れた樹脂シートを製造するこ
とが可能となり、又、長時間製造できるという特徴も有
している。特に樹脂として線状低密度ポリエチレンを用
いた場合に、かかる特性の改善効果が顕著である。(請
求項1〜3)
【0023】本発明は、樹脂シート成形用キャスティン
グ装置のTダイから押し出された溶融樹脂を冷却面にて
冷却するときに、溶融樹脂と冷却面の間を吸引、減圧し
てその間への空気の巻き込みを防止することにより溶融
樹脂と冷却面との密着性を向上するために設けられた吸
引チャンバは、溶融樹脂側が開放され、側面壁を残して
冷却面に対向する下側壁とダイの下面と近接する上面壁
を取り除き、ダイの下面と吸引チャンバのコの字形開放
口の縁部との間をコの字形シールパッキンで気密にシー
ルした構成なので、吸引チャンバの吸引空気通路の上側
はダイからの熱により高温であり、溶融樹脂から発生す
る低分子量成分あるいは添加剤等からの揮発成分の凝結
を防ぎ、冷却面への揮発成分の滴下防止により樹脂シー
トの不良製品の発生を抑制することができる。このよう
に、添加剤付着防止、減少により清掃サイクルが長くな
る効果がある。また、吸引チャンバはシールパッキン部
でダイと分離することができ、開口部も広いので清掃が
容易で、短時間に済ませることができるため生産効率向
上の効果がある(請求項4)。
【0024】上記の吸引チャンバにおいて、吸引チャン
バ背側の壁に接して冷却ロールに面して全幅に亘って滴
下液受け板を設けたので、吸引チャンバの吸引空気通路
のダイから離れているため温度が低下した上側壁に溶融
樹脂から発生する揮発成分が凝結液化して滴下しても、
滴下液を受け取って冷却面の汚染を防止するので、上記
と同様の効果がある(請求項5)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る樹脂シート成形用
キャスティング装置の吸引チャンバ装置とその周辺を示
す側面断面図である。
【図2】 図1の吸引チャンバ装置の斜視図である。
【図3】 従来の吸引チャンバを示す側面断面図であ
る。
【図4】 図3の吸引チャンバの斜視図である。
【符号の説明】
1:Tダイ、2:冷却ロール、3:樹脂シート、3a:
溶融樹脂、5:吸引ブロワ、9:吸引口、10:吸引チ
ャンバ装置、11:吸引チャンバ本体、11a:上板、
11b,11c:側面壁、11d:背板、12:受け
板、13:多孔板、14:吸出口、15、15a:シー
ルパッキン、16:シールパッキン、17:ガイド板、
18:ホース、19: 吸出口マニホールド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 孝之 東京都中央区京橋一丁目3番3号 東セロ 株式会社内 (72)発明者 久米 清文 愛知県名古屋市中村区岩塚町字西枝1番地 の1 株式会社アール・エス・イー内 Fターム(参考) 4F207 AA07 AG01 KA01 KA17 KK64

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイから押し出した溶融樹脂を所定方向
    に移動する冷却面にて冷却固化する樹脂シートの製造方
    法において、 前記溶融樹脂の前記冷却面への落下地点より前記所定方
    向の上流側に配置されかつ前記ダイの下面が晒される吸
    引空間を有する吸引チャンバ本体と、前記ダイの下面と
    前記吸引チャンバ本体の前記ダイの下面に近接するコの
    字形開放口の縁部との間に介装されたコの字形シールパ
    ッキンと、前記吸引空間に連通する複数の吸出口と、前
    記吸出口と吸引ブロワとを配管結合する吸出口マニホー
    ルドと、前記吸引空間内の吸引空気の通路に設けられた
    多孔板とで構成された吸引チャンバ装置により、前記冷
    却面と前記溶融樹脂間の空気を吸引することによって溶
    融樹脂を前記冷却面に密着させて冷却固化することを特
    徴とする樹脂シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 樹脂がポリオレフィンである請求項1記
    載の樹脂シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィンが線状低密度ポリエチレ
    ンである請求項2記載の樹脂シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 ダイから押し出された溶融樹脂を所定方
    向に移動する冷却面にて冷却固化して樹脂シートを成形
    する樹脂シート成形用キャスティング装置において、 前記ダイから押し出される前記溶融樹脂に向かって開放
    され、側面壁を残して前記冷却面に対向する下側壁とダ
    イの下面と接する上面壁を取り除いた吸引チャンバ本体
    と、前記ダイの下面と前記吸引チャンバ本体の前記ダイ
    の下面に近接するコの字形開放口の縁部との間に介装さ
    れた耐熱性のコの字形シールパッキンと、複数の吸出口
    と、吸引ブロワと配管結合された吸出口マニホールド
    と、前記吸引チャンバ本体の吸引空気の通路に設けられ
    た多孔板とで構成された吸引チャンバ装置を備えたこと
    を特徴とする樹脂シート成形用キャスティング装置。
  5. 【請求項5】 樹脂シート成形用キャスティング装置に
    おいて、前記吸引チャンバ本体のダイ口と反対側の背側
    壁に接してかつ前記吸引チャンバ本体の全幅に亘って前
    記冷却面に臨む受け板を設けたことを特徴とする請求項
    4記載の樹脂シート成形用キャスティング装置。
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