JP2002355864A - ペット樹脂成形品とその射出成形法と金型 - Google Patents
ペット樹脂成形品とその射出成形法と金型Info
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Abstract
サイクルタイムを短縮でき、実用の強度に耐えることの
出来るポリエチレンテレフタレートの成型品とその成型
方法とその金型を提供しようとする。 【解決手段】ポリエチレンテレフタレートを主成分とす
る樹脂材の射出成形によりつくられた成形品であって、
ウエッブとフランジとでできた断面形状が長手方向に連
続する長手構造部と、前記長手構造部の長手方向の一部
のウエッブまたはフランジから突出したタブ部とを備
え、前記タブ部の平面部分に射出成形時のゲートをカッ
トしたゲート跡があるものとした。
Description
料として代表的な樹脂材であるポリエチレンテレフタレ
ートを主成分とする樹脂材を射出成形して成形品を製作
する技術に関する。
の樹脂材であり、強靱で、クリープ、疲労がすくなく、
電気特性が優れ、有機溶剤や油に耐え、無毒である等の
優れた性質を有している。ポリエチレンテレフタレート
はいわゆるペットボトルの材料として多く用いられてい
る。最近、その優れた性質に着目して、使用済みのペッ
トボトルを粉砕・洗浄・脱水・乾燥の工程を経て材料化
し、再生されたポリエチレンテレフタレートの粉砕物か
ら再生品を成形しようと試みられている。しかし、主に
フィルム材又は繊維材に再生されていたに過ぎない。
ンテレフタレートを射出成形してつくられた成型品を製
造することに成功した。ポリエチレンテレフタレートの
射出成形を難しくする原因の一つとしてポリマーの配向
現象がある。すなわち、高い温度(例えば、300度
C)で溶融したポリエチレンテレフタレートを雄型と雌
型とでできた金型に射出成形した後、ゆっくりと冷却を
行うと、ポリエチレンテレフタレートのポリマーの結晶
の向きが揃ってしまう。また、ポリエチレンテレフタレ
ートに急激な物理的ショック(例えば、急激な圧力降
下)を与えても、ポリマーの結晶の向きが揃ってしま
う。この現象を配向現象といい、この現象が発生する
と、成型品が白化し、白化した箇所がきわめて脆くな
る。例えば、日用雑貨品であるハンガーにこの配向現象
が生ずると、日常の使用形態で使用している際に、白化
した箇所から割れてしまうことがある。
5mm程度)のウェッブ部とフランジ部で構成される断
面を持った長手部材の構造とすることで、射出成形時の
冷却を容易にし、配向現象を防止した。金型の隙間空隙
のなかに射出された溶融状態のポリエチレンテレフタレ
ートは金型表面により冷却されて固化する。間隔空隙の
厚みが薄いので金型での冷却が急速にすすみ、ポリエチ
レンテレフタレートの配向現象が抑制される。
せ目(パーティングと呼ぶ)にできた成型品相当の空隙
に溶融した樹脂材を流し込んで成形する。その射出成形
用金型は、成形材料が流入するための通路としてスプル
ー、ランナー、ゲートが設けられる。スプルーとは、成
型機ノズルに接する部分からランナーに至る流入経路で
ある。ランナーは、スプルーから成形品に至る流入通路
である。パーティングを挟んで設けることが多い。ラン
ナーの断面は円形が普通であるが、パーティングの片側
だけで工作ができる台形が実用的である。多数個取り金
型では成型品とランナーの配置が重要である。スプルー
とランナーは成形後取り出すのが普通である。ゲート
は、ランナーから成形品に流入する入口である。ゲート
は、成型品の中央付近で肉厚部分につけるのを原則とす
る。
部で切り離される。代表的なゲートとしては、ダイレク
トゲート、サイドゲート、トンネルゲート、ファンゲー
ト等があるが、ポリエチレンテレフタレートを主成分と
する樹脂材の成型品には主にダイレクトゲートが用いら
れてきた。ダイレクトゲートとは、スプルーがそのまま
ゲートとなる形式である。成形が容易であるが、ゲート
は成形後で切り取る必要がある。ペットボトルの中間製
品を成形する際に使用される。ファンゲートは、ランナ
ーからファン状に広がりながら成型品に流入する形式で
ある。広い平板に適し、流れの悪い材料に適する。ゲー
トは成形後に切り取る必要がある。上記のゲートであれ
ば、成型品に配向現象が発生せず、良好な成型品を得る
ことが出来る。しかし、成形後にゲートを切り取る必要
がある。または、射出成形工程中にゲートを切り取るに
は、金型のゲート部にゲートカッターを仕込み、射出成
形し、ゲート部の温度が所定の温度になったことにゲー
トカッターでゲートを切る。
型と雌型を開く際に自動的にゲートを切る方式がある。
この方式を採用するには、例えば、トンネルゲートを採
用する。トンネルゲートは、成型品の内側や側面の目立
たない箇所につけるゲートで、切り離したゲート部を仕
上げる必要がない。しかし、ゲート部が細く長くなりや
すいので圧力降下が大きい。ポリエチレンテレフタレー
トをトンネルゲートを使用して射出成形すると、成型品
のゲート付近に配向現象が生ずる。成型品を急速に冷却
するために製品の肉厚を薄くしていても、ゲート部に配
向現象が生ずるのは、射出時の大きな圧力降下が原因と
考えられる。従って、ポリエチレンテレフタレートの射
出成形においては、冷却を十分にすることの出来る単純
な形(例えば、ペットボトルの形)であって、ダイレク
トゲート等を使用しなければ、射出成形はできないと考
えられていた。
トを採用した金型での射出成形の場合、射出成形後に、
ゲートを切り落とす必要があり、大量生産には向いてい
ないという問題があった。また、ゲートとゲートカッタ
ーとを組み合わせた金型での射出成形の場合、射出成形
工程の後、ゲートカット工程を経た後でなければ金型を
開くことができず、射出成形機のサイクルタイムを短縮
できないという問題があった。一方、ゲートの自動カッ
トを行うことのできるトンネルゲートを採用した金型で
の射出成形は、射出成形後のゲートカット工程が不要で
射出成形機のサイクルタイムを向上できる期待がありな
がら、上述のように成型品に配向現象が生じ成型品が脆
くなってしまうために、採用が出来ないという問題があ
った。ポリエチレンテレフタレートを主成分とする樹脂
に、配向現象を押さえる添加剤(例えば、イソフタル
酸)を加えることもできるが、材料が高価になってしま
う。特に、近年試みられている使用済ペットボトルの材
料の再利用においては、射出成形機のサイクルタイムを
短縮して、安価に良質の成型品をつくる要請がきわめて
高い。このペットボトルの原材料であるポリエチレンテ
レフタレートを主原料とした樹脂材には、上述の配向現
象を押さえる添加剤(例えば、イソフタル酸)が加えら
れていない。ペットボトルの製造においては、ペットボ
トルの形状が単純で冷却が容易であることとダイレクト
ゲートやバルブゲート付きホットランナーを用いること
から、上述の添加物を加えない樹脂材を用いるにもかか
わらず、配向現象が生じない。このペットボトルの材料
で形状の複雑な成型品を射出成形すると、その成型品に
配向現象が起きやすい。
れたもので、従来のポリエチレンテレフタレートの射出
成形品とその成型方法とその金型にかわって、ゲートの
自動カットを実現し、射出成形機のサイクルタイムを短
縮でき、実用の強度に耐えることの出来るポリエチレン
テレフタレートの成型品とその成型方法とその金型を提
供しようとする。
め、本発明に係るポリエチレンテレフタレートを主成分
とする樹脂材の射出成形によりつくられた成形品は、ウ
エッブとフランジとでできた断面形状が長手方向に連続
する長手構造部と、前記長手構造部の長手方向の一部の
ウエッブまたはフランジから突出したタブ部とを備え、
前記タブ部の平面部分に射出成形時のゲートをカットし
たゲート跡があるものとした。
レフタレートを主成分とする樹脂材の射出成形によりつ
くられた成形品が長手構造部とタブ部を有し、長手構造
部の断面形状がウエッブとフランジとででき、タブ部が
そのウエッブまたはフランジから突出し、タブ部の平面
部分にゲート跡があるので、タブ部のゲート跡の周囲の
樹脂材には配向現象を生じるが、長手構造部の樹脂材に
は配向現象が生じにくく、成型品全体の強度が維持され
る。また、ゲートを自動カットする様に金型をつくるこ
とも容易であり、そうすることにより射出成形のサイク
ルタイムを短縮することが可能である。
部が固定端と自由端の間に曲がり部を有し、前記ゲート
跡が前記自由端側の平面部にあるものとした。上記本発
明の構成により、ゲート跡が前記自由端側の平面部にあ
り、タブ部が曲がり部を有しているので、タブ部のゲー
トから生じた配向現象が、タブ部での曲がり部で抑制さ
れ、長手構造部には配向現象が生じにくく、成型品全体
の強度がさらに維持される。
材が使用済ペットボトルの破砕片であるものとした。上
記本発明の構成により、樹脂材が使用済ペットボトルの
破砕片であっても、強度の高い成型品をつくることがで
き、資源の再利用を図ることができる。
レートを主成分とする樹脂材を雄型と雌型とでできた金
型に射出して成形品をつくる射出成形法は、雄型と雌型
とを合わせた境目に沿ってウエッブ部とフランジ部とで
できた断面形状の空隙が連続する長手空間と、前記長手
空間の一部のウエッブ部またはフランジ部から突出した
所定の厚みの空隙でできたタブ空間と、タブ空間の壁部
に設けたゲートに連通する流入通路と、を有する金型を
用意し、前記流入通路を介して前記金型へ前記樹脂材を
射出するものとした。
レフタレートを主成分とする樹脂材の射出成形によりつ
くられた成形品が長手構造部とタブ部を有し、長手構造
部の断面形状がウエッブとフランジででき、タブ部がそ
のウエッブまたはフランジから突出し、タブ部の平面部
分にゲート跡があるので、タブ部のゲート跡の周囲の樹
脂材には配向現象を生じるが、長手構造部の樹脂材には
配向現象が生じず、成型品全体の強度が維持される。
タブ空間が固定端と自由端の間に曲がり部を有し、前記
ゲートが前記自由端側の空隙の壁部にあるものとした。
上記本発明の構成により、ゲート跡が前記自由端側の平
面部にあり、タブ部空間が曲がり部を有しているので、
タブ部のゲートから生じた配向現象が、タブ部での曲が
り部で抑制され、長手構造部には配向現象がおきにく
く、成型品全体の強度がさらに維持される。
樹脂材が使用済ペットボトルの破砕片であるものとし
た。上記本発明の構成により、樹脂材が使用済ペットボ
トルの破砕片であっても、強度の高い成型品をつくるこ
とができ、資源の再利用を図ることができる。
金型は、雄型と雌型とを合わせた境目に沿ってウエッブ
部とフランジ部とでできた断面形状の空隙が連続する長
手空間と、前記長手空間の長手方向の一部のウエッブ部
またはフランジ部から突出した所定の厚みの空隙ででき
たタブ空間と、タブ空間の壁部に設けたゲートに連通す
る流入通路と、を備えたものとした。上記本発明の構成
により、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする樹
脂材の射出成形により成型品をつくると、その成形品が
長手構造部とタブ部を有し、長手構造部の断面形状がウ
エッブとフランジとででき、タブ部がそのウエッブまた
はフランジから突出し、タブ部の平面部分にゲート跡が
あるので、タブ部のゲート跡の周囲の樹脂材には配向現
象を生じるが、長手構造部の樹脂材には配向現象が生じ
ず、成型品全体の強度が維持される。
間が固定端と自由端の間に曲がり部を有し、前記ゲート
が前記自由端側の空隙の壁部にあるものとした。上記本
発明の構成により、ゲート跡が前記自由端側の平面部に
あり、タブ部が曲がり部を有しているので、タブ部のゲ
ートから生じた配向現象が、タブ部での曲がり部で抑制
され、長手構造部には配向現象がおきにくく、成型品全
体の強度がさらに維持される。
を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共
通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略
する。
明する。図1は、本発明の実施形態の正面図と側面図と
部分詳細図である。
トを主成分とした樹脂材の射出成型品である。ポリエチ
レンテレフタレートは、工場から出荷される原料ペレッ
トでも、使用済ペットボトルから再生したフレークでも
よいが、経済的には使用済ペットボトルから再生したフ
レークのほうが好ましい。ここでは、成型品10がネク
タイハンガーである場合を例にして説明する。成型品1
0は、フック部X1とネクタイ掛止部X2とを有する。
フック部X1の一端がネクタイ掛止部X2の中央と結合
した形状をしている。フック部X1とネクタイ掛止部X
2とは、所定の断面形状の長手構造部である。長手構造
部の断面形状は、ウェッブ11と2つのフランジ13と
で構成された、いわゆるH型形状をしている。ウェッブ
11の上下にフランジ13の中央部が結合し、成形品1
0が通常の使われ方をする場合に生ずる主要な曲げ力に
よる生ずる引っ張り応力や圧縮応力を上下のフランジ1
3が主に受け持つ構造をしている。フランジ部の厚みt
1とウェッブ部の厚みt2は、1.4mm〜1.5mm
であるのが好ましい。この程度の厚さにすると射出成形
時の冷却が良好であり、ポリエチレンテレフタレートは
透明である。もちろん射出成形の技術は経験則によるこ
とろが大きく、厳密に1.5mmを越えることがないわ
けではなく、射出時の温度条件や流動条件が有利な場合
は、いくらか厚くてもさしつかえない。
止部X2の結合部に近いフック部X1のフランジ部12
に設けられる。そのタブ部13は、フランジ部13の厚
みt1と同じ厚みを有し、フランジ部13が延長した様
に突出している。タブ部13は、片側がフランジ部12
の端と一体化して、他端が円みを帯びた半欠けのぼたん
形状をしている。図では、2つのタブ部が、所定断面の
上下のフランジ部に設けられているが、一方のタブ部は
美観上設けられたいわゆるダミーである。本願での機能
を有するタブ部は、2つのタブ部のうちの一個(以下、
こちらをタブ部13という)である。
平面部のやや先端寄りにある。射出成形時には、このゲ
ート跡14に流入通路が設けられており、溶融したポリ
エチレンテレフタレートを主成分とする樹脂材がこの流
入通路から注入された。タブ部のゲート跡14からフッ
ク部のフランジ部にわたる領域Hで配向現象が生じ、固
化した樹脂が白化している。
の形状を採用することができる。その共通した形状は、
長手構造部が薄肉のウエッブとフランジとでできた断面
形状が長手方向に連続することである。タブ部が、前記
長手構造部の長手方向の一部のウエッブまたはフランジ
から突出した構造をしていることである。以下にその長
手構造部の断面形状とタブ部の形状について図をもとに
詳述する。図2は、H型断面形状を有する長手構造部の
構造図と金型の空隙の構造図である。図3は、溝型断面
形状を有する長手構造部の構造図と金型の空隙の構造図
である。
を有する。H型断面は、縦長のウェッブ部11の上と下
とにフランジ部12が結合している。タブ部13がフラ
ンジ部の一部が延長する様に突出している。タブ部13
の厚さはフランジ部12の厚さとほぼ同じである。タブ
部13は、片側がフランジ部12の端と一体化して、他
端が円みを帯びた半欠けのぼたん形状をしている。金型
の雌型と雄型との合わせ目(以下、パーティングとい
う)を中心に線対称となるように長手構造部の断面形状
の空隙が存在する。断面形状の空隙は、ウェッブ部空隙
11cとフランジ部空隙12Cとから成る。さらにフラ
ンジ部空隙12Cの一方にタブ部空隙13cが存在す
る。そのタブ部空隙の壁部の一ヶ所にゲート空隙14c
が存在し、そのゲート空隙14cにはコールドスラッグ
ウェル空隙(以下、溜り空隙という)35Cの先端部が
連通している。さらに、溜り空隙35cには第二スプル
ー空隙34cが連通している。
を有する。H型断面は、縦長のウェッブ部11の上と下
とにフランジ部12が結合している。タブ部15が、ウ
ェッブ部11の一部が延長する様に、フランジ部11の
中央部から突出している。タブ部15の厚さはウェッブ
部11の厚さとほぼ同じである。タブ部15は、曲がり
部を有したL字型形状をしており、片端がフランジ部1
2の中央部と一体化して、自由端の他端が円みを帯びた
半欠けのぼたん形状をしている。金型のパーティングを
中心に線対称となるように長手構造部の断面形状の空隙
が存在する。断面形状の空隙は、ウェッブ部空隙11c
とフランジ部空隙12Cとから成る。さらにフランジ部
空隙12Cの中央にタブ部空隙15cが存在する。タブ
部空隙15cは曲がり部を有するL字形状をしており、
そのタブ部空隙15cの壁面の一ヶ所にゲート空隙16
cが存在し、そのゲート空隙16cには溜り空隙35C
の先端部が連通している。さらに、溜り空隙35cには
第二スプルー空隙34cが連通している。
を有する。H型断面は、縦長のウェッブ部11の上と下
とにフランジ部12が結合している。タブ部17がウェ
ッブ部11の一部が延長する様にフランジ部11の中央
部から突出している。タブ部17の厚さはウェッブ部1
1の厚さとほぼ同じである。タブ部17は、片端がフラ
ンジ部12の中央部と一体化して、自由端の他端が円み
を帯びた半欠けのぼたん形状をしている。金型のパーテ
ィングを中心に対称となるように長手構造部の断面形状
の空隙が存在する。断面形状の空隙は、ウェッブ部空隙
11cとフランジ部空隙12Cとから成る。さらにタブ
部空隙18cがフランジ部空隙12Cの中央に存在す
る。タブ部空隙17cの平面部の一ヶ所にゲート空隙1
8cが存在し、そのゲート空隙18cには第二スプルー
空隙34Cの先端部が連通している。
形状を有する。溝型断面は、縦長のウェッブ部21の上
と下とにフランジ部22が結合している。タブ部23が
フランジ部22の一部が延長する様に突出している。タ
ブ部23の厚さはフランジ部22の厚さとほぼ同じであ
る。タブ部23は、片側がフランジ部22の端と一体化
して、他端が円みを帯びた半欠けのぼたん形状をしてい
る。金型のパーティングがウェッブ部空隙21cの中央
線と重なるように長手構造部の断面形状の空隙が存在す
る。断面形状の空隙は、ウェッブ部空隙21cとフラン
ジ部空隙22Cとから成る。さらにフランジ部空隙22
Cの一方にタブ部空隙23cが存在する。そのタブ部空
隙23cの壁面の一ヶ所にゲート空隙24cが存在し、
そのゲート空隙24cには溜り空隙35Cの先端部が連
通している。さらに、溜り空隙35cには第二スプルー
空隙34cが連通している。
形状を有する。溝型断面は、縦長のウェッブ部21の上
と下とにフランジ部22が結合している。タブ部25が
ウェッブ部21の一部が延長する様にフランジ部22の
端から突出している。タブ部25の厚さはウェッブ部2
1の厚さとほぼ同じである。タブ部25は、曲がり部を
有するL字型形状をしており、片端がフランジ部22の
端と一体化して、自由端の他端が円みを帯びた半欠けの
ぼたん形状をしている。金型のパーティングがウェッブ
部空間21cの中央線となるように長手構造部の断面形
状の空隙が存在する。断面形状の空隙は、ウェッブ部空
隙21cとフランジ部空隙22Cとから成る。さらにフ
ランジ部空隙22Cの端にタブ部空隙25cが存在す
る。タブ部空隙25cは曲がり部を有するL字形状をし
ており、そのタブ部空隙25cの壁面の一ヶ所にゲート
空隙26cが存在し、そのゲート空隙26cには溜り空
隙35Cの先端部が連通している。さらに、溜り空隙3
5cには第二スプルー空隙34cが連通している。
形状を有する。溝型断面は、縦長のウェッブ部21の上
と下とにフランジ部22が結合している。タブ部27が
ウェッブ部21の一部が延長する様にフランジ部21の
端から突出している。タブ部27の厚さはウェッブ部2
1の厚さとほぼ同じである。タブ部27は、片端がフラ
ンジ部22の端と一体化して、自由端の他端が円みを帯
びた半欠けのぼたん形状をしている。金型のパーティン
グがウェッブ部空間21cの中央線となるように長手構
造部の断面形状の空隙が存在する。断面形状の空隙は、
ウェッブ部空隙21cとフランジ部空隙22Cとならな
る。さらにフランジ部空隙22Cの端にタブ部空隙27
cが存在する。タブ部空隙27cの平面部の一ヶ所にゲ
ート空隙28cが存在し、そのゲート空隙28cには第
二スプルー空隙34Cの先端部が繋がっている。
明する。使用済ペットボトルの再生素材を使用するのが
経済的に有利であるので、使用済ペットボトルから成型
品をつくる場合を例に取り説明する。図4は、本発明の
実施形態の射出成形の手順図である。 (AA)使用済ペットボトル50を回収する。使用済ペ
ットボトルのラベルやキャップを除去して、洗浄する。 (BB)ペットボトルを破砕し、フレーク状にして乾燥
する。 (CC)ポリエチレンテレフタレートを主成分とするフ
レークを乾燥させて、射出成形機40に投入し、金型3
0に射出する。金型は水冷却されている。 (DD)樹脂の温度が十分に低下して固化すると、金型
30の雌型と雄型を開く。成型品とランナーとを繋ぐゲ
ートが自動的にカットされ、成型品10,20を取り出
す。
に説明する。図5は、射出成形時の金型の断面図であ
る。金型30は、雌型32と雄型31とを有する。雄型
31と雌型32との間のパーティングには、成形品を成
形する空隙があいている。雌型には、スプルーとランナ
ーが形つくられている。さらに、ノックアウトピン36
が雄型に中に仕込まれている。また、金型は、水冷装置
(図示せず)により冷却され、金型の表面はほぼ20度
C程度に維持されている。雌型32と雄型31をガイド
ピン(図示せず)にガイドさせて合わせる。射出器40
のスクリューフィーダ(図示せず)によりフレークをフ
ィードする。フィードされたフレークは、外部加熱の熱
とフィードの摩擦熱とにより昇温する。フレークは、3
00度C程度で溶融し、ポリエチレンテレフタレートを
主成分とする樹脂材となって金型に射出される。溶融し
た樹脂材は、センタースプルー(第一スプルー)33と
ランナーと第二スプルー34とコールドスラッグウェル
(溜まり)35を経由してゲートから成型品の空隙に射
出される。樹脂材は金型の空隙内に充満し、金型により
冷却されて固化する。長手構造部は、薄肉であるので金
型の表面から急激に冷却され固化し、配向現象が発生せ
す、きれいな透明となる。一方、タブ部では、ゲート跡
付近から長手構造部に繋がる付近の樹脂財に配向現象が
発生して、白化する。雄型31と雌型32とをガイドピ
ンにガイドさせて開く、成型品が雄型31に取り残され
て、成型品とコールドスラッグとがゲート部分で切り離
される。ノックアウトピン36が雄型31から成型品を
押し出す。自動的に成型品とコールドスラッグと一体と
なったスプルーとランナーとが分離して、取り出され
る。
金型を用いれば、ポリエチレンテレフタレートを主成分
とする樹脂材が、タブ部の平面に設けられたゲートから
成型品と同形の空隙を持った金型へ射出され、樹脂材が
タブ部を経由して長手構造部に流れる。配向現象がタブ
部で生じるので、タブ部の硬度が上がり脆くなる。しか
し、配向現象が長手構造部には生じないので、成型品全
体での強度の劣化がない。また、タブ部が曲がり部を有
するL字形状をしたものでは、樹脂材の配向現象が曲が
り部で抑制されて、配向現象をおこした樹脂材が長手構
造部には流れないので、より成型品全体での強度の劣化
がない。また、使用済ペットボトルの破砕片を樹脂材の
原料として使用すると、配向現象を起こしやすい成分で
あるにもかかわらず、長手構造部の樹脂材に配向現象を
おこしていない成型品をつくることができ、資源の再利
用を図ることができる。また、長手構造部に配向現象を
起こしにくいので、射出成形条件の悪い、例えば梅雨時
でも、安定して成型品を射出成形できる。
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変
更が可能である。長手構造部の断面形状をH型と溝型と
で説明したがこれに限定されず、例えば、T型やE型や
F型や山型やI型や球平型等でもよい。タブ部の厚みを
長手構造部のウェッブ部の厚みやフランジ部の厚みとほ
ぼ同じと説明したがこれに限定されず、長手構造部に配
向現象が生じない厚みであればよい。タブ部の形状を半
欠けのぼたん形状と説明したがこれに限定されず、例え
ば四角形状や三角形状等でもよい。タブ部がフランジ部
の縁や中央部から突出する例で説明したがこれに限定さ
れず、例えば、フランジ部の任意の位置やウェッブ部の
中央部等から突出してもよい。配向現象が、タブ部には
生じ、長手構造部には生じないと説明したが、タブ部と
長手構造部の物理的境目ははっきりしないので、配向現
象を生じた樹脂材がタブ部と長手構造部の形状上の境目
にあっても、成型品全体として脆くなければよい。
出成形方法と金型は、その構成により、以下の効果を有
する。ポリエチレンテレフタレートを主成分とする樹脂
材の射出成形によりつくられた成形品が長手構造部とタ
ブ部を有し、タブ部のゲート跡の周囲の樹脂材には配向
現象を生じるが、長手構造部の樹脂材には配向現象が生
じず、成型品全体の強度が低下しない。また、ゲートを
自動カットする様に金型をつくることも容易であり、そ
うすることにより射出成形のサイクルタイムを短縮する
ことが可能である。また、タブ部のゲートから生じた配
向現象が、タブ部での曲がり部で抑制され、長手構造部
には配向現象がおきにくく、成型品全体の強度がさらに
維持される。また、使用済ペットボトルの破砕片を樹脂
材として利用しても、強度の高い成型品をつくることが
でき、資源の再利用を図ることができる。従って、ゲー
トの自動カットを実現し、射出成形機のサイクルタイム
を短縮でき、実用の強度に耐えることの出来るポリエチ
レンテレフタレートの成型品とその成型方法とその金型
を提供できる。
図である。
図である。
図である。
である。
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートを主成分と
する樹脂材の射出成形によりつくられた成形品であっ
て、ウエッブとフランジとでできた断面形状が長手方向
に連続する長手構造部と、前記長手構造部の長手方向の
一部のウエッブまたはフランジから突出したタブ部とを
備え、前記タブ部の平面部分に射出成形時のゲートをカ
ットしたゲート跡があることを特徴とする成形品 - 【請求項2】前記タブ部が固定端と自由端の間に曲がり
部を有し、前記ゲート跡が前記自由端側の平面部にある
ことを特徴とする請求項1に記載の成形品 - 【請求項3】前記樹脂材が使用済ペットボトルの破砕片
であることを特徴とする請求項1または請求項2の一つ
に記載の成形品 - 【請求項4】ポリエチレンテレフタレートを主成分とす
る樹脂材を雄型と雌型とでできた金型に射出して成形品
をつくる射出成形法であって、雄型と雌型とを合わせた
境目に沿ってウエッブ部とフランジ部とでできた断面形
状の空隙が連続する長手空間と、前記長手空間の一部の
ウエッブ部またはフランジ部から突出した所定の厚みの
空隙でできたタブ空間と、タブ空間の壁部に設けたゲー
トに連通する流入通路と、を有する金型を用意し、前記
流入通路を介して前記金型へ前記樹脂材を射出すること
を特徴とする射出成形法 - 【請求項5】前記タブ空間が固定端と自由端の間に曲が
り部を有し、前記ゲートが前記自由端側の空隙の壁部に
あることを特徴とする請求項4に記載の射出成形法 - 【請求項6】前記樹脂材が使用済ペットボトルの破砕片
であることを特徴とする請求項4又は請求項5の一つに
記載の射出成形法 - 【請求項7】樹脂材の射出成形用の金型であって、雄型
と雌型とを合わせた境目に沿ってウエッブ部とフランジ
部とでできた断面形状の空隙が連続する長手空間と、前
記長手空間の長手方向の一部のウエッブ部またはフラン
ジ部から突出した所定の厚みの空隙でできたタブ空間
と、タブ空間の壁部に設けたゲートに連通する流入通路
と、を備えたことを特徴とする金型 - 【請求項8】前記タブ空間が固定端と自由端の間に曲が
り部を有し、前記ゲートが前記自由端側の空隙の壁部に
あることを特徴とする請求項7に記載の金型
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