JP2002355468A - ミシンの糸掛け装置 - Google Patents

ミシンの糸掛け装置

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JP2002355468A
JP2002355468A JP2001165331A JP2001165331A JP2002355468A JP 2002355468 A JP2002355468 A JP 2002355468A JP 2001165331 A JP2001165331 A JP 2001165331A JP 2001165331 A JP2001165331 A JP 2001165331A JP 2002355468 A JP2002355468 A JP 2002355468A
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JP
Japan
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thread
threading
needle
guide
yarn
Prior art date
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JP2001165331A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kotaki
浩志 小滝
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Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より性能の高いミシンの糸掛け装置を提供す
る。 【解決手段】 ミシンの糸掛け装置は、針止め102
と、糸掛け手段(二又部63a)と、糸通し手段とを備
える。針止め102は、針を取り付けるとともに、上糸
Aを案内する糸案内104を備える。二又部63aは、
針止め102に上糸Aを押しつけて糸案内104に上糸
Aを掛ける。糸通し手段は、針の針穴に上糸を通す。糸
案内104には、傾斜部104dが設けられている。傾
斜部104dは、二又部63aにより上糸Aを針止め1
02に押しつけることによってこの針止め102と二又
部63aとの間に張られた上糸Aを、糸案内104内側
へ誘導する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、針止めに設けられ
る糸案内に糸を掛けるとともに、針穴に糸を通すミシン
の糸掛け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、針近傍へ搬送された上糸を、
自動的に針止めの糸案内に掛けるとともに、針穴に糸を
通す自動糸掛け装置を備えたミシンが知られている。例
えば、特開平11−179084号公報に記載の刺繍縫
いミシンでは、糸渡し手段によって縫針の目孔近傍に搬
送された上糸を、糸通しフックにより縫針の目孔内に引
き込むことにより、糸通しを行っている。また、糸通し
フックの引き込み動作に連動して、針止め糸掛けの先端
部分に上糸を引っかけて、針止めの糸ガイド(糸案内)
に上糸を通す動作を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の自動
糸掛け装置においては、高精度、かつ高機能の装置が望
まれている。例えば、針止め糸案内へ確実に糸掛けでき
るもの、誤動作を防止できるもの、さらには、多機能を
有するものなど、より高性能な装置が待望されている。
本発明の課題は、より性能の高いミシンの糸掛け装置を
提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、例えば、図1、図5、図
6、図12に示すように、針(103)を取り付けると
ともに、糸(上糸A)を案内する糸案内(104)を備
える針止め(102)と、この針止めに糸を押しつけて
前記糸案内に糸を掛ける糸掛け手段(60)と、前記針
の針穴(N)に糸を通す糸通し手段(50)と、を備え
るミシンの糸掛け装置(1)であって、前記針止めに
は、前記糸掛け手段によって前記針止めに押しつけられ
た糸を、前記糸案内内側へ誘導する誘導部(傾斜部10
2a)が設けられていることを特徴とする。ここで、誘
導部としては、例えば、糸案内への糸の移動を妨げない
形状とされた針止めの外面部などがあり、具体的には、
例えば、糸案内内側方向へ向けて傾斜する傾斜部(10
2a)などが挙げられる。
【0005】請求項1記載の発明によれば、針止めには
前記誘導部が設けられているので、糸掛け手段によって
糸が針止めに押しつけられると、誘導部によって糸が糸
案内内側へ誘導される。したがって、針止めに押しつけ
る糸を糸案内内側に入り込ませて確実に糸掛けを行うこ
とができ、より性能の高い糸掛け装置を提供できる。
【0006】請求項2記載の発明は、例えば、図6およ
び図12に示すように、針を取り付けるとともに、糸を
案内する糸案内を備える針止めと、この針止めに糸を押
しつけて前記糸案内に糸を掛ける糸掛け手段と、前記針
の針穴に糸を通す糸通し手段と、を備えるミシンの糸掛
け装置であって、前記糸案内には、前記糸掛け手段によ
り糸を前記針止めに押しつけることによってこの針止め
と前記糸掛け手段(二又部63a)との間に張られた糸
を、前記糸案内内側へ誘導する誘導部(傾斜部104
d)が設けられていることを特徴とする。ここで、前記
誘導部としては、具体的には、例えば、糸案内内側へ向
けて傾斜する傾斜部(104d)などが挙げられる。
【0007】請求項2記載の発明によれば、糸案内には
前記誘導部が設けられているので、糸掛け手段により糸
を針止めに押しつけて針止めと糸掛け手段との間で糸を
張ると、この糸が誘導部によって糸案内内側へ誘導され
る。よって、糸を糸案内内側に入り込ませて確実に糸掛
けを行うことができ、より性能の高い糸掛け装置を提供
できる。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項2記載のミ
シンの糸掛け装置において、例えば、図6に示すよう
に、糸案内には、針止めとの間隔を狭くして、前記糸案
内に掛けられた糸が外れるのを防止する近接部(104
c)が設けられていることを特徴とする。
【0009】請求項3記載の発明によれば、糸案内には
前記近接部が設けられているので、一度糸案内に掛けら
れた糸は、針止めとの間隔が狭い近接部に引っかかり、
糸案内内側から外れにくくなる。よって、安定して糸を
糸案内内側に保持させておくことができ、より性能の高
い糸掛け装置を提供できる。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載のミシンの糸掛け装置において、例えば、
図5、図8、図9、図12に示すように、糸掛け手段
は、糸を引っかけ可能な糸掛け部(二又部63a)を有
し、糸掛け位置で回転することにより、前記糸掛け部に
糸を引っかけ、針止めに糸を押しつけて糸案内に糸掛け
可能な糸掛け回転体(針止め糸掛け体61)と、この糸
掛け回転体に対して相対的に下降可能な作動体(糸通し
・糸掛け作動体42)と、前記糸掛け回転体に対して前
記作動体が所定量下降した後、前記糸掛け回転体に対す
る前記作動体の相対的な下降運動を回転運動に変換し
て、前記糸掛け回転体を回転させて前記糸案内に糸を掛
ける糸掛け伝達手段(ピン42d、溝カム62(垂直カ
ム62a、傾斜カム62b))と、を備えることを特徴
とする。
【0011】ここで、糸掛け伝達手段としては、例え
ば、糸掛け回転体に設けられる溝部(溝カム62)と、
作動体に設けられ、前記溝部に嵌合する嵌合部(ピン4
2d)と、の組み合わせが挙げられるが、これに限定さ
れるものではなく、例えば、溝部を作動体に設けて、嵌
合部を糸掛け回転体に設ける構成としても良いし、その
他、構成は適宜に変更可能である。
【0012】請求項4記載の発明によれば、糸掛け手段
は前記糸掛け伝達手段を備えるので、糸掛け回転体に対
して作動体が所定量下降した後でなければ、糸掛け回転
体が回転することはない。したがって、糸掛け回転体が
糸掛け位置にないときに、誤って作動体が糸掛け回転体
に対して相対的に下降してしまった場合にも、糸掛け回
転体がすぐに回転してしまうことがない。よって、回転
すべきでない位置での糸掛け回転体の不要な回転を防止
でき、より性能の高い糸掛け装置を提供できる。
【0013】請求項5記載の発明は、例えば、図1、図
5、図9に示すように、針を取り付けるとともに、糸を
案内する糸案内を備える針止めと、この針止めに糸を押
しつけて前記糸案内に糸を掛ける糸掛け手段と、前記針
の針穴に糸を通す糸通し手段と、を備えるミシンの糸掛
け装置であって、前記糸掛け手段は、糸を引っかけ可能
な糸掛け部を備える糸掛け腕(63)を有し、糸掛け位
置で回転することにより、前記糸掛け部に糸を引っかけ
るとともに前記針止めに糸を押しつけて、前記糸案内に
糸を掛ける糸掛け回転体を備え、前記糸掛け腕には、前
記糸案内に掛けられた糸の上流側をガイドする糸ガイド
部(63b)が設けられていることを特徴とする。ここ
で、「上流側」とは、より糸の供給源に近い側を意味
し、具体的には、例えば、より糸ゴマに近い側を意味す
る。
【0014】請求項5記載の発明によれば、糸掛け腕に
前記糸ガイド部が設けられているので、糸掛け腕は、糸
案内に糸を掛ける機能を有するとともに、糸案内への糸
掛け後に行う縫い中の糸暴れ防止手段としての機能も兼
ね備えることになる。よって、糸掛け腕を二つの用途に
兼用でき、より性能の高い糸掛け装置を提供できる。
【0015】請求項6記載の発明は、図4および図5に
示すように、針を取り付けるとともに、糸を案内する糸
案内を備える針止めと、前記糸案内に糸を掛ける糸掛け
手段と、前記針の針穴に糸を通す糸通し手段と、を備え
るミシンの糸掛け装置であって、前記糸通し手段は、糸
を引っかけ可能な糸通しフック(53a)を備え、糸通
し位置で往復回転することにより、前記糸通しフックを
前記針穴に通す挿入状態と、前記針穴から前記糸通しフ
ックを引き抜く引抜状態と、に変換可能な糸通し回転体
(糸通し軸51(糸通し軸ピン52)、糸通しフックホ
ルダ53)と、この糸通し回転体を前記糸通し位置へ移
動させるとともに、この糸通し位置で前記糸通し回転体
を往復回転させることによって、前記挿入状態に変換し
た後、前記引抜状態に変換して、前記針穴前に張られた
糸を前記糸通しフックにより前記針穴に引き込ませる作
動体(糸通し・糸掛け作動体42)と、を備え、この作
動体は、前記糸通し回転体を、前記糸通し位置へ移動さ
せる前に前記引抜状態に変換する引抜状態変換手段(カ
ム42c)を備えることを特徴とする。
【0016】請求項6記載の発明によれば、作動体は前
記引抜状態変換手段を備えるので、作動体によって糸通
し回転体を往復回転させて糸通しを行う際には、あらか
じめ、糸通し回転体は引抜状態に変換される。よって、
糸通し回転体が挿入状態のまま、作動体が糸通し回転体
を糸通し位置へ移動させることがないので、糸通し回転
体の移動時に糸通しフックを針などに当ててしまう心配
が無い。したがって、糸通し動作を安全に行うことがで
き、より性能の高い糸掛け装置を提供できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図1に示すように、本実施の
形態例のミシンの糸掛け装置1は、図示略の針を図示略
の針棒の下端に取り付けるとともに、上糸を案内する針
止め糸案内を備える針止め(図示略)と、上糸を針の近
傍へ移送する糸移送手段10と、糸移送手段10により
針近傍へ移送された上糸を、針穴に挿通するとともに、
針止め糸案内に糸掛けする糸通し・糸掛け手段40と、
を備えて構成されている。
【0018】まず、糸移送手段10の構成を説明する。
糸移送手段10においては、図2に示すように、駆動軸
11が、ミシンの台板2によって回転可能に支持されて
いる。駆動軸11の上端には、駆動ギヤ12が取り付け
られている。駆動ギヤ12は、図示しないステッピング
モータによって回転する図示しないギヤにかみ合ってい
る。また、駆動軸11には、スクリュー溝13が形成さ
れている。
【0019】駆動軸11には、略箱体の外部作動体14
が、自由移動状態で装着されている。外部作動体14
は、ミシンの台板に設けられた図示略の外部作動体ガイ
ドによって、回転することなく上下方向に摺動可能とさ
れている。また、外部作動体14の上端には、後述する
針棒100に設けられた被係止部材105(図5に図
示)に上方から当接する当接部14aが設けられてい
る。
【0020】外部作動体14内部には、略箱体の内部作
動体15が配置されている。内部作動体15は、外部作
動体14内部で上下方向に移動可能で、かつ、回転不可
能となるように、その大きさが設定されている。内部作
動体15には、糸通し・糸掛け作動板(以下、作動板と
略称する)16が取り付けられている。
【0021】図1に示すように、作動板16には、後述
する糸通し・糸掛け作動体42に上方から当接する延出
部16aと、後述する糸通し軸51の糸通し軸ピン52
に上方から当接するカム部16bと、が形成されてい
る。図2に示すように、作動板16には、内部作動体1
5内部へ向けて突出し、駆動軸11のスクリュー溝13
と嵌合する駆動ピン16cが設けられている。これによ
り、駆動軸11が回転すると、内部作動体15が外部作
動体14内で回転することなく、上下方向に移動するよ
うになっている。
【0022】外部作動体14の内部には、外部作動体1
4の底面14bと、内部作動体15の底面15aとを、
互いに離れる方向へ押しこむ圧縮ばね(図示略)が設け
られている。これにより、内部作動体15の上面15b
が外部作動体14の上面14cに下方から押しつけられ
ており、内部作動体15が上下動すると、これに伴って
外部作動体14も上下動するようになっている。
【0023】外部作動体14の側面には、軸18が突設
されており、軸18には、移送体カム19が回転自在に
取り付けられている。移送体カム19の一方の面には、
ギヤ(図示略)が形成されており、このギヤがある方の
面を外部作動体14側に向けて、移送体カム19が軸1
8に取り付けられている。移送体カム19に形成された
ギヤは、上下方向に取り付けられた図示略のラックにか
み合っている。これにより、外部作動体14が上下動す
ると、移送体カム19が回転するようになっている。ま
た、移送体カム19の他方の面には、ストッパ19aが
設けられている。
【0024】また、図1および図2に示すように、軸1
8には、移送体カム19の取り付けられている位置より
も外側に、糸移送体20が回転可能に取り付けられてい
る。図2に示すように、糸移送体20は、軸18に固定
されたカラー23を介して回転可能に取り付けられた糸
移送体基部21と、糸移送体基部21に対して基端部2
2aがねじ24によって固定された糸移送体アーム部2
2と、を備えて構成されている。
【0025】糸移送体基部21とカラー23にはねじり
ばね25が掛けられており、これにより、糸移送体20
が軸18を中心に、図2において時計回りに付勢されて
いる。また、糸移送体基部21には、位置決め板26が
ねじ27により固定されている。位置決め板26の一端
側には、軸18側へ向けて突出する当接部26aが設け
られている。
【0026】この当接部26aは、ねじりばね25によ
る付勢力によって、移送体カム19のストッパ19aに
押しつけられており、これにより、糸移送体20と移送
体カム19とが係合している。このため、この状態で移
送体カム19が回転すると、これに伴い糸移送体20も
回転するようになっている。
【0027】また、糸移送体基部21には、コ字状のカ
ム当接部28が形成されている。また、図示しないフレ
ームには、糸移送体20の回転を規制する規制カム5が
固定されている。外部作動体14の当接部14aが、図
5に示す被係止部材105に当接している状態(図3
(A)に図示)では、規制カム5の下側のカム部5aに
対して、カム当接部28が当接するようになっている。
【0028】ここで、規制カム5は、カム当接部28が
当接した状態で糸移送体20が上下動したときに、糸移
送体20が、ミシン内部の他の部材に接触しないよう、
取付位置や形状が設定されている。また、カム部5aに
カム当接部28が当接した状態で、糸移送体アーム部2
2の先端部22bに設けられた糸把持部30と糸ガイド
部34(後述する)とによって張り渡された上糸が、針
103の針穴N前に押しつけられるよう、規制カム5の
取付位置が設定されている。
【0029】また、図1に示すように、糸移送体アーム
部22の先端部22bには、上糸を把持する糸把持部3
0と、上糸をガイドして支持する糸ガイド部34と、が
設けられている。
【0030】糸把持部30は、糸移送体アーム部22と
一体とされている固定板31と、圧縮ばね33により固
定板31に対して下方から押しつけられる押さえ板32
と、を備えて構成されている。固定板31の先端部31
aと、押さえ板32の先端部32aは、互いに離れる方
向へ反った形状とされており、これら先端部31a・3
2aにより、上糸を固定板31と押さえ板32との間へ
誘導する糸入り口30aが構成されている。
【0031】また、図1に示すように、糸ガイド部34
の先端には、糸把持部30の糸入り口30aの開口方向
と同じ方向に開いた形状のV字状溝34aが形成されて
いる。V字状溝34aは、糸把持部30の固定板31の
下面とほぼ同じ高さ位置に形成されている。
【0032】ここで、図2においては、仮想線により、
ミシンのリアパネル200を図示している。リアパネル
200の縁部は、上糸を案内する糸案内溝201となっ
ている。ミシンに設けられた図示しない糸ゴマから引き
出された上糸を、糸案内溝201に沿って移動させるこ
とにより、糸ガイド部34のV字状溝34aと、糸把持
部30の糸入り口30aとの間に、上糸を張り渡すよう
にしてセットできるようになっている。
【0033】次に、糸通し・糸掛け手段40の構成を説
明する。図4および図5に示すように、糸通し・糸掛け
手段40は、針穴Nに上糸を通す糸通し手段50と、針
止め102の針止め糸案内104に糸を掛ける糸掛け手
段60と、を備えて構成されている。
【0034】図5に示すように、糸通し・糸掛け手段4
0は針棒100に隣接して設けられている。針棒100
は、図示しない揺動台に摺動可能に装着されている。ま
た、針棒100は、針棒抱き101により支持されてお
り、図示しない上軸の回転力が、図示しないクランクな
どを介して、針棒100に上下運動が伝達される構成と
なっている。また、針棒100には、針棒抱き101の
固定位置よりも上方に、被係止部材105がねじ止めさ
れている。
【0035】針棒100の下端には、針止め102によ
り針103が取り付けられている。また、針止め102
の下面には、上糸を案内する針止め糸案内104が設け
られている。図6に示すように、針止め糸案内104
は、針金により形成されており、その一端が、針止め1
02下面の左後端(図6(B)においては、左下)に取
り付けられている。
【0036】図6に示すように、針止め糸案内104
は、針止め102に対する取付部104aから、針10
3の左側前方を通って針103前方へ至る糸保持部10
4bと、針103のほぼ前方で針止め102との間隔が
狭くされた近接部104cと、この近接部104cから
針103の右側前方を通って、後方へ向けて右斜め下方
に向けて傾斜した傾斜部(誘導部)104dと、から構
成されている。傾斜部104dは、図9(B)に示すよ
うに、後述する糸掛け腕63先端の二又部63aの移動
軌跡Xよりも外側まで延出するよう、長さが設定されて
いる。また、図6(B)に示すように、針止め102の
前面には、針止め102の右側から左側へ行くにつれて
後方へ傾斜する傾斜部(誘導部)102aが形成されて
いる。
【0037】図4および図5に示すように、糸通し・糸
掛け手段40においては、糸通し・糸掛け作動体ガイド
(以下、作動体ガイドと略称する)41が図示しない揺
動体に固定されており、作動体ガイド41には、糸通し
・糸掛け作動体(以下、作動体と略称する)42が上下
方向に摺動可能に取り付けられている。作動体42は、
糸通し手段50と糸掛け手段60とを作動させる部材で
ある。
【0038】図4に示すように、作動体42および作動
体ガイド41には、それぞれ穴42a・41aが開けら
れている。作動体42の穴42aには、後述する糸通し
軸ピン52に当接するカム42b・42cが形成されて
いる。また、穴42a・41aは、後述するようにして
手動で糸通しを行う場合に、糸通し軸ピン52が当たら
ないような形状とされている。
【0039】作動体42の下端には引っ張りばね43が
連結されており、これにより、作動体42が上方へ引き
上げられている。これにより、上述の内部作動体15に
取り付けられた作動板16の延出部16aが、作動体4
2の上面に当接し、この状態でさらに内部作動体15が
下降した場合には、作動体42は延出部16aによって
引っ張りばね43の引っ張り力に抗って押し下げられ、
内部作動体15とともに下降するようになっている。
【0040】糸通し手段50においては、図5に示すよ
うに、作動体42の下端に、糸通し軸(糸通し回転体)
51が回転可能に、かつ上下方向に摺動自在に挿入され
ている。糸通し軸51は、針棒100と略平行となるよ
う、揺動体106に対しても回転可能に、かつ上下方向
に摺動自在に挿入されている。糸通し軸51の上端に
は、糸通し軸ピン52が貫通するようにして取り付けら
れている。
【0041】糸通し軸ピン52の一端部52aは、作動
体ガイド41の穴41aと、作動体42の穴42aとに
挿通されている。また、糸通し軸ピン52の他端部52
bは、糸通し軸51が下降する際に、針棒100に固定
された被係止部材105の当接面105aに、上方から
当接するようになっている。
【0042】糸通し軸51の下端には、糸通しフックホ
ルダ53が取り付けられている。糸通しフックホルダ5
3には、図7に示すように、先端が鉤状とされて糸を引
っかけ可能な糸通しフック53aと、糸通しフック53
aの両側に配置され、糸通しフック53aへ糸を案内す
るための案内溝53cが設けられた糸通しフックガイド
53bと、が一体的に装着されている。ここで、図4お
よび図10においては、糸通しフックガイドの図示を省
略している。図4に示すように、糸通しフックホルダ5
3は、引っ張りばね54によって、作動体42の下端と
互いに引き合うように連結されている。ここで、図4に
おいては、糸通し軸の図示を省略している。
【0043】糸掛け手段60においては、図5に示すよ
うに、略筒体の針止め糸掛け体(糸掛け回転体)61
が、糸通し軸51に対して回転可能に装着されている。
針止め糸掛け体61には、溝カム62が形成されてお
り、溝カム62には、作動体42の下端に設けられたピ
ン42dが摺動可能に嵌合している。
【0044】図8に示すように、溝カム62は、溝カム
62上端から針止め糸掛け体61の上下方向に沿って形
成された垂直カム62aと、垂直カム62a下端から前
斜め下方へ向けて傾斜した傾斜カム62bと、傾斜カム
62b下端から上下方向に沿って形成された垂直カム6
2cと、から構成されている。
【0045】図1に示すように、針止め糸掛け体61に
は、糸掛け腕63が取り付けられている。糸掛け腕63
の先端には、上方から掛け渡される上糸を引っかける二
又部(糸掛け部)63aが形成されている。糸掛け腕6
3の中間部は、前方へ向けてゆるく突出した形状の糸ガ
イド部63bとなっている。また、図9(A)に示すよ
うに、二又部63aの内側には、針止め糸案内104に
上糸を掛けたあとに上糸を糸ガイド部63bへ案内する
案内部63cが形成されている。
【0046】また、図4および図5に示すように、針止
め糸掛け体61内部には、針止め糸掛け体61の底部
と、作動体42の下面とを、互いに離れる方向へ押し込
む圧縮ばね64が設けられている。また、図5に示すよ
うに、針止め糸掛け体61は、糸通し軸51に固定され
たEリング55によって、下方への移動が規制されてい
る。
【0047】以上の構成の糸通し・糸掛け手段40にお
いては、引っ張りばね54により糸通しフックホルダ5
3とともに糸通し軸51が上方へ引き上げられており、
かつ、圧縮ばね64により作動体42に対して針止め糸
掛け体61が下方へ押し下げられているので、針止め糸
掛け体61の底面がEリング55に向けて上方から押し
つけられるとともに、作動体42の下面が針止め糸掛け
体61の上面を上方へ押し上げている。よって、作動体
42が上下動すると、これに伴って針止め糸掛け体61
と糸通し軸51も、ともに上下動するようになってい
る。
【0048】また、糸通し軸51が下降して、糸通し軸
ピン52の他端部52bが、被係止部材105の当接面
105aに当接している状態(図10に図示)では、糸
通しフック53aが、針穴Nの高さと同じ高さで停止す
るように、また、糸掛け腕63の二又部63aが、上方
から張られた上糸Aの前に位置するように、糸通しフッ
クホルダ53と、針止め糸掛け体61の取付位置が設定
されている。この高さ位置(糸通し位置)で糸通し軸5
1が往復回転することにより、糸通しフック53aを針
穴Nに通す挿入状態(図11(B))と、針穴Nから糸
通しフック53aを引き抜いた引抜状態(図11
(A)、(C))とに変換できるようになっている。ま
た、この高さ位置(糸掛け位置)で針止め糸掛け体61
が回転することにより、図9(A)〜(B)に示すよう
に、二又部63aに上糸Aを引っかけ、針止め102に
上糸(A)を押しつけて針止め糸案内104に糸を掛け
られるようになっている。
【0049】次に、上述のミシンの糸掛け装置1によっ
て、上糸を針穴N近傍まで移送して針穴Nに糸通しする
とともに、針止め102の針止め糸案内104に糸を掛
ける糸掛け動作について、説明する。ここで、あらかじ
め、図示しないステッピングモータにより駆動軸11を
駆動させて内部作動体15を一番高い位置まで移動させ
て停止させ、糸把持部30をミシン上部の糸把持位置に
待機させておく。
【0050】上糸の糸掛け時においては、まず、作業者
は、ミシンに設けられた図示しない糸ゴマから上糸を引
き出して、糸案内溝201に沿って上糸を移動させる。
これにより、糸ガイド部34のV字状溝34aと、糸把
持部30とに上糸を導き、その後、図示しない糸切り刃
で上糸を所定長さに切断する。これにより、上糸が、糸
把持部30によって把持され、糸ガイド部34と糸把持
部30との間で張り渡された状態に保持される。
【0051】その後、作業者はミシンに設けられた図示
しない糸掛け起動スイッチを操作する。すると、図示略
のステッピングモータにより駆動ギヤ12が回転駆動さ
れ、駆動軸11が回転する。これにより、内部作動体1
5内部に設けられた駆動ピン16cが駆動軸11のスク
リュー溝13に沿って下降するので、内部作動体15と
外部作動体14とが、ともに下降する。
【0052】移送体カム19に形成されたギヤ(図示
略)は、上下方向に取り付けられた図示略のラックにか
み合わされているので、外部作動体14の下降に伴い、
移送体カム19が図2において時計回りに回転する。位
置決め板26の当接部26aは移送体カム19のストッ
パ19aに対してねじりばね25によって押しつけられ
て当接しているので、移送体カム19の回転とともに、
上糸を糸把持部30により把持した状態の糸移送体20
が、時計回りに回転する。
【0053】さらに内部作動体15が下降すると、作動
板16の延出部16aが、作動体42の上面に当接す
る。この状態でさらに内部作動体15が下降すると、作
動体42は、引っ張りばね43による上方への引き上げ
力に逆らって下降し、これとともに、糸通し軸51、針
止め糸掛け体61も下降する。
【0054】さらに内部作動体15が下降すると、糸移
送体基部21のカム当接部28が規制カム5に当接し、
ねじりばね25の付勢力によって、規制カム5に対して
カム当接部28が押しつけられる。これにより、糸移送
体20の回転は規制される。また、内部作動体15およ
び外部作動体14はさらに下降するので、糸移送体20
は規制カム5に沿って下降し、また、移送体カム19は
回転しつづける。すると、糸移送体基部21に設けられ
た位置決め板26の当接部26aと、ストッパ19aと
が離れ、移送体カム19は、糸移送体20に対して相対
的に回転する。
【0055】さらに内部作動体15および外部作動体1
4が下降すると、外部作動体14の当接部14aが被係
止部材105に当接し、外部作動体14の下降が停止す
る(図3(A))。このとき、糸移送体基部21のカム
当接部28が、規制カム5のカム部5aに当接してお
り、図11(A)に示すように、糸把持部と糸ガイド部
34によって張り渡された上糸Aが、針103の針穴N
前に張り渡される。このとき、図12の仮想線A’で示
すように、糸ゴマから引き渡された上糸は、針止め10
2の前に張り渡される。
【0056】さらに駆動軸11が回転すると、外部作動
体14内部の図示しない圧縮ばねをたわませながら内部
作動体15が下降し、これとともに、作動体42、糸通
し軸51、および針止め糸掛け体61が下降する。
【0057】下降する糸通し軸51の糸通し軸ピン52
の一端部52aが、被係止部材105の当接面105a
に上から当接すると、糸通し軸51の下降が停止し、ま
た、針止め糸掛け体61の下降も停止する。このとき、
図10に示すように、糸通しフック53aは、針穴Nと
同じ高さ位置で停止している。また、図12の仮想線6
3a’で示すように、針止め糸掛け腕の二又部は、針止
め102のやや下側で、針止め102の前に張り渡され
た上糸Aの前で停止している。
【0058】さらに内部作動体15が下降すると、これ
にともなって、作動体42が、針止め糸掛け体61内部
の圧縮ばね64をたわませながら下降する。すると、作
動体42下端に設けられたピン42dが針止め糸掛け体
61の溝カム62の垂直カム62aに沿って下へ移動す
る。
【0059】ピン42dが下降して、垂直カム62aか
ら傾斜カム62b内へ移動すると、作動体42が作動体
ガイド41によって移動方向が上下方向に規制されてい
るため、ピン42dの下降に沿ってカム42bが移動
し、針止め糸掛け体61は、図9において反時計回りに
回転し、図9(A)の状態から図9(B)の状態へ移行
する。これにより、針止め102前に張り渡された上糸
Aが、図9(B)に示す二又部63aの移動軌跡Xに沿
って、針止め糸案内104の傾斜部104dの奥へ移動
する。
【0060】その後、ピン42dが垂直カム62cへ至
ると、針止め糸掛け体61の回転は停止する。このと
き、図12に示すように、糸ガイド部34にガイドされ
た上糸の糸ゴマ側(図において、上側)の糸は、針止め
102の前面に押しつけられる。針止め102の前面に
は、傾斜部102aが形成されているので、針止め10
2前面に押しつけられた糸は、傾斜部102aに沿っ
て、図9中の左側へ移動する。これにより、上糸Aが針
止め糸案内104内部へ移動していく。
【0061】また、針止め糸掛け体61の回転開始とほ
ぼ同時に、図3(A)に示すように、内部作動体15に
取り付けられた作動板16のカム部16bが、糸通し軸
ピン52に上方から当接する。この状態で、さらに内部
作動体15は下降し、また、糸通し軸ピン52の他端は
被係止部材105の当接面105aに当接しているの
で、糸通し軸ピン52はカム部16bに沿って、後方
(図3において、左側)へ移動する(図3(B)に図
示)。これにより、糸通し軸54が回転する。
【0062】すると、糸通し軸54の下端に設けられた
糸通しフックホルダ53が、図11において時計回りに
回転し、糸通しフックが針に入っていない図10(A)
の状態(引抜状態)から、糸通しフックが針に通された
図10(B)の状態(挿入状態)へ移行する。すると、
針穴N前に張り渡された上糸が糸通しフックガイド53
bの案内溝53c内へ案内されるとともに、糸通しフッ
ク43aが針穴Nに挿入される。これにより、針穴N前
に張り渡された上糸Aに、糸通しフック53aの先端が
引っかかる。
【0063】ステッピングモータによって駆動軸11が
所定量回転した後、ステッピングモータは、駆動軸11
を逆回転に駆動させる。これにより、内部作動体15は
上昇し始める。また、内部作動体15の延出部16aに
は、引っ張りばね43の引き上げ力により作動体42が
上方へ向けて押しつけられているので、内部作動体15
の上昇にともない、作動体42も上昇する。
【0064】このとき、外部作動体14は、圧縮ばね1
7によって下方へ押し下げられているので、当接部14
aが被係止部材105に当接した状態のまま停止してい
る。また、糸通し軸51も、針止め糸掛け体61内部の
圧縮ばねによって下方へ押し下げられているので、糸通
し軸ピン52が被係止部材105の当接面105aに当
接した状態のまま停止している。
【0065】これにより、糸通し軸ピン52の一端部5
2aが、上昇する作動体42のカム42bに当接するの
で、作動体42の上昇に伴って、糸通し軸ピン52がカ
ム42bに沿って図4において右側へ移動する。これに
より、糸通し軸54が逆回転し、図11(B)の状態か
ら図11(C)の状態へ移行する。よって、糸通しフッ
ク53aが上糸Aを引っかけた状態で元の位置に戻り、
上糸Aが糸把持部30と糸ガイド部34とから外れて、
針穴Nに挿通される。
【0066】また、作動体42の上昇に伴って、作動体
42下端のピン42dも上昇するので、これに伴い、針
止め糸掛け体61が逆回転する。これにより、図9
(B)の状態から図9(C)の状態へ移行し、針止め糸
掛け腕63が元の位置に戻って、上糸Aが針止め糸案内
104内部に残される。
【0067】さらに、作動体42が上昇して、ピン42
dが溝カム62の最上部まで移動すると、作動体42の
上昇とともに、針止め糸掛け体61も上昇する。また、
引っ張りばね57の引っ張り力により、糸通し軸54も
上昇する。これとともに、針止め糸案内104に掛けら
れた上糸Aの上流側が、針止め糸掛け腕63の案内部6
3cにより、糸ガイド部63b内側へ誘導される。
【0068】さらに内部作動体15が上昇して、内部作
動体15の上面が外部作動体14の上面に下方から当接
すると、内部作動体15の上昇にともない、外部作動体
14も上昇する。すると、規制カム5に沿って糸移送体
20が上昇するとともに、移送体カム19が反時計回り
に回転しはじめる。
【0069】さらに外部作動体14が上昇すると、糸移
送体基部21のカム当接部28が規制カム5のカム部5
b側へ移動していく(図7に図示)。さらに移送体カム
19が反時計回りに回転すると、移送体カム19のスト
ッパ19aが、糸移送体基部21に取り付けられた位置
決め板26の当接部26aに当接する。すると、移送体
カム19の回転にともなって、糸移送体20も反時計回
りに回転する。
【0070】その後、図示しない原点検出基板の信号に
よって、内部作動体15および外部作動体14が一番高
い位置まで上昇したことを検出すると、ステッピングモ
ータによる駆動軸11の回転が停止し、図2に示すよう
に、糸把持部30が糸把持位置で停止する。
【0071】ここで、上述の動作において、作動体42
の下降中に、糸通し軸51がセリのためスムーズに下降
せず、糸通し軸ピン52が当接面105aに当接する前
に、圧縮ばね64を押し込んで作動体42が針止め糸掛
け体61に対して相対的に下降した場合には、ピン42
dが垂直カム62aに沿って下降する。このとき、針止
め糸掛け体61は回転せず、また、圧縮ばね64がより
圧縮されるので、ピン42dが傾斜カム62bに至る前
に、針止め糸掛け体61とともに糸通し軸51が下方へ
押し込まれることになる。
【0072】上述の糸掛け動作後においては、針止め糸
掛け腕63の糸ガイド部63bは上糸Aをガイドし、縫
い中の糸暴れを防止する。また、針止め糸案内104の
糸保持部104b内に残された上糸は、縫いスタートと
同時に、図示略の天秤で上方へ向けて引き上げられる。
このとき、針止め102の傾斜部102aによって、図
5の左側への糸の移動が妨げられる。また、針止め糸案
内104の近接部104cは、針止め糸案内104内側
から糸が外れるのを防止する。
【0073】また、上述のミシンの糸掛け装置1におい
て、作業者が手動により針穴Nへ糸通しを行う場合に
は、図5に示すレバー58を押し下げて糸通し軸51お
よび糸通しフックホルダ53を下降させる。その後、レ
バー58を持って糸通しフック53aを針穴N内に挿入
させて、針穴N前に張り渡した上糸を引き抜き、針穴N
内に糸を挿通させる。
【0074】ここで、手動により糸通しフック53aを
針穴N内に挿入した状態では、図4の仮想線52’に示
す位置に、糸通し軸ピン52が移動して停止している。
この状態で、作業者が糸掛け起動スイッチを操作して、
自動糸掛けを開始した場合には、作動体ガイド41に対
して下降する作動体42のカム42cに糸通し軸ピン
(52’)が当接し、作動体42の下降に伴い、糸通し
軸ピンがカム42cに沿って図4中の右側へ移動する。
これにより、作動体42が一番下まで下降する前に、糸
通しフック53aが針穴Nに挿入した状態から、引き抜
かれた状態に戻る。その後、上述と同様にして、自動的
に針穴Nへの糸通しが行われる。
【0075】以上のように、本実施の形態例のミシンの
糸掛け装置1によれば、針止め102の前面に傾斜部1
02aが設けられているので、糸掛け時に針止め糸掛け
体61に上糸Aが針止め102に押しつけられると、針
止め糸案内104の内側へ上糸Aが誘導される。よっ
て、糸案内104内側に確実に上糸Aを案内できる。ま
た、糸通し後に天秤が上糸を引き上げた場合には、傾斜
部102aによって、上糸Aが針止め糸案内104から
外れるのを防止できる。
【0076】また、針止め糸案内104には傾斜部10
4dが設けられているので、針止め102と糸ガイド部
34との間に張られた上糸Aが、針止め糸案内104内
側へ誘導される。よって、糸案内104内側に確実に上
糸Aを案内できる。また、針止め糸案内104には近接
部104cが設けられているので、近接部104cによ
り、針止め糸案内104の糸保持部104b内に移動し
た糸が外れるのを防止できる。
【0077】また、針止め糸掛け体61の溝カム62に
は、垂直カム62aが設けられているので、針棒100
のセリなどで、糸掛け位置以外のところで針止め糸掛け
体61に対して作動体42が相対的に移動した場合に
も、針止め糸掛け体61が回転するのを防止できる。
【0078】また、糸掛け腕63は、先端に設けられた
二又部63aによって針止め糸案内104に糸を掛ける
糸掛け機能を有するとともに、中間部の糸ガイド部63
bによって縫い中の糸暴れ防止手段としての機能も有し
ており、糸掛け腕63を二つの用途に兼用することがで
きる。
【0079】また、作動体42にはカム42cが設けら
れているので、手動で糸通しを行ったときに、糸通しフ
ック53aが針穴Nに挿入した状態のままに放置されて
いたとしても、作動体42の下降に伴って、糸通し軸5
1が回転し、糸通しフック53aが針穴Nから自動的に
引き抜かれる。よって、糸通しフック53aが針穴Nに
挿入した状態のまま糸通し軸51を上下動させることが
ないので、糸通しフック53aの破損を防止でき、ま
た、自動糸掛け動作を確実に行わせることができる。よ
って、本発明によれば、より性能の高い糸掛け装置を提
供できる。
【0080】なお、本発明は、上述の本実施の形態に限
定されるものではない。例えば、針止め102に針金製
の針止め糸案内104を設ける構成としたが、これに限
らず、例えば、図13に示すように、板金で形成された
針止め糸案内110を設けるものとしてもよい。また、
その形状も適宜に変更可能である。また、ミシンの糸掛
け装置1は糸移送手段10を備えるものとしたが、糸移
送手段を備えない構成としても良い。
【0081】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、針止めに
押しつける糸を糸案内内側に入り込ませて確実に糸掛け
を行え、より性能の高い糸掛け装置を提供できる。請求
項2記載の発明によれば、針止めと糸掛け手段との間で
張られた糸を糸案内に入り込ませて確実に糸かけを行
え、より性能の高い糸掛け装置を提供できる。請求項3
記載の発明によれば、安定して糸を糸案内内側に保持さ
せておくことができ、より性能の高い糸掛け装置を提供
できる。請求項4記載の発明によれば、糸掛け回転体が
糸掛け位置にないときに、作動体が糸掛け回転体に対し
て相対的に下降してしまった場合にも、糸掛け回転体が
不要に回転するのを防止でき、より性能の高い糸掛け装
置を提供できる。
【0082】請求項5記載の発明によれば、糸掛け腕
を、糸案内への糸掛けと、縫い中の糸暴れ防止とに兼用
でき、より性能の高い糸掛け装置を提供できる。請求項
6記載の発明によれば、糸通し回転体が挿入状態のま
ま、作動体が糸通し回転体を糸通し位置へ移動させるこ
とがないので、糸通し動作を安全に行うことができ、よ
り性能の高い糸掛け装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態のミシンの糸掛
け装置を示す概略斜視図である。
【図2】図1中の糸移送手段を示す要部側面図である。
【図3】(A)は図1中の糸把持部が針穴前へ移動した
状態の糸移送手段の側面図、(B)は外部作動体に対し
て内部作動体が下降した状態を示す側面図である。
【図4】図1中の糸通し・糸掛け手段を示す概略側面図
である。
【図5】図1中の糸通し・糸掛け手段と、針棒とを示す
正面図である。
【図6】図5中の針止めを示す図面であり、(A)は正
面図、(B)は底面図である。
【図7】図5中の糸通しフックホルダの要部概略斜視図
である。
【図8】図5中の針止め糸掛け体の溝カムを示す右側面
図である。
【図9】図5中の針止め糸掛け体の動作を説明するため
の概略平面図である。
【図10】図5中の糸通し軸の下降が停止した状態にお
ける針止め、針、針止め糸掛け体、糸通しフックの位置
関係を説明するための要部正面図である。
【図11】図5中の糸通しフックホルダの動作を説明す
るための概略平面図である。
【図12】図10中の針止めと糸ガイド部と二又部との
位置関係を説明するための概略平面図である。
【図13】針止めの他の実施例を示す図面であり、
(A)は正面図、(B)は底面図である。
【符号の説明】
1 ミシンの糸掛け装置 42 糸通し・糸掛け作動体(作動体) 42d ピン(糸掛け伝達手段) 42c カム(引抜状態変換手段) 50 糸通し手段 51 糸通し軸(糸通し回転体) 52 糸通し軸ピン(糸通し回転体) 53 糸通しフックホルダ(糸通し回転体) 53a 糸通しフック 60 糸掛け手段 61 針止め糸掛け体(糸掛け回転体) 62 溝カム(糸掛け伝達手段) 62a 垂直カム(糸掛け伝達手段) 62b 傾斜カム(糸掛け伝達手段) 63 糸掛け腕 63a 二又部(糸掛け手段、糸掛け部) 63b 糸ガイド部 102 針止め 102a 傾斜部(誘導部) 103 針 104 糸案内 104c 近接部 104d 傾斜部(誘導部) A 上糸(糸) N 針穴

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針を取り付けるとともに、糸を案内する
    糸案内を備える針止めと、 この針止めに糸を押しつけて前記糸案内に糸を掛ける糸
    掛け手段と、 前記針の針穴に糸を通す糸通し手段と、を備えるミシン
    の糸掛け装置であって、 前記針止めには、前記糸掛け手段によって前記針止めに
    押しつけられた糸を、前記糸案内内側へ誘導する誘導部
    が設けられていることを特徴とするミシンの糸掛け装
    置。
  2. 【請求項2】 針を取り付けるとともに、糸を案内する
    糸案内を備える針止めと、 この針止めに糸を押しつけて前記糸案内に糸を掛ける糸
    掛け手段と、 前記針の針穴に糸を通す糸通し手段と、を備えるミシン
    の糸掛け装置であって、 前記糸案内には、前記糸掛け手段により糸を前記針止め
    に押しつけることによってこの針止めと前記糸掛け手段
    との間に張られた糸を、前記糸案内内側へ誘導する誘導
    部が設けられていることを特徴とするミシンの糸掛け装
    置。
  3. 【請求項3】 糸案内には、針止めとの間隔を狭くし
    て、前記糸案内に掛けられた糸が外れるのを防止する近
    接部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の
    ミシンの糸掛け装置。
  4. 【請求項4】 糸掛け手段は、 糸を引っかけ可能な糸掛け部を有し、糸掛け位置で回転
    することにより、前記糸掛け部に糸を引っかけ、針止め
    に糸を押しつけて糸案内に糸掛け可能な糸掛け回転体
    と、 この糸掛け回転体に対して相対的に下降可能な作動体
    と、 前記糸掛け回転体に対して前記作動体が所定量下降した
    後、前記糸掛け回転体に対する前記作動体の相対的な下
    降運動を回転運動に変換して、前記糸掛け回転体を回転
    させて前記糸案内に糸を掛ける糸掛け伝達手段と、を備
    えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    ミシンの糸掛け装置。
  5. 【請求項5】 針を取り付けるとともに、糸を案内する
    糸案内を備える針止めと、 この針止めに糸を押しつけて前記糸案内に糸を掛ける糸
    掛け手段と、 前記針の針穴に糸を通す糸通し手段と、を備えるミシン
    の糸掛け装置であって、 前記糸掛け手段は、糸を引っかけ可能な糸掛け部を備え
    る糸掛け腕を有し、糸掛け位置で回転することにより、
    前記糸掛け部に糸を引っかけるとともに前記針止めに糸
    を押しつけて、前記糸案内に糸を掛ける糸掛け回転体を
    備え、 前記糸掛け腕には、前記糸案内に掛けられた糸の上流側
    をガイドする糸ガイド部が設けられていることを特徴と
    するミシンの糸掛け装置。
  6. 【請求項6】 針を取り付けるとともに、糸を案内する
    糸案内を備える針止めと、 前記糸案内に糸を掛ける糸掛け手段と、 前記針の針穴に糸を通す糸通し手段と、を備えるミシン
    の糸掛け装置であって、 前記糸通し手段は、 糸を引っかけ可能な糸通しフックを備え、糸通し位置で
    往復回転することにより、前記糸通しフックを前記針穴
    に通す挿入状態と、前記針穴から前記糸通しフックを引
    き抜く引抜状態と、に変換可能な糸通し回転体と、 この糸通し回転体を前記糸通し位置へ移動させるととも
    に、この糸通し位置で前記糸通し回転体を往復回転させ
    ることによって、前記挿入状態に変換した後、前記引抜
    状態に変換して、前記針穴前に張られた糸を前記糸通し
    フックにより前記針穴に引き込ませる作動体と、を備
    え、 この作動体は、前記糸通し回転体を、前記糸通し位置へ
    移動させる前に前記引抜状態に変換する引抜状態変換手
    段を備えることを特徴とするミシンの糸掛け装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104073991A (zh) * 2014-06-26 2014-10-01 台州拓卡奔马机电科技有限公司 一种新型的拨线装置
CN111560716A (zh) * 2020-05-26 2020-08-21 台州学院 一种工业缝纫机中的自动穿线装置

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