JP2002355302A - 揮散器 - Google Patents

揮散器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 揮散効率の向上を図りつつスタック性(積み
重ね性)を確保することのできる揮散器を提供する。 【解決手段】 揮散器は、容器とこの容器の上部に螺着
されたキャップ3とで構成されている。キャップ3は、
円筒状のスカート部31を有しており、このスカート部
31の内周面には雌ねじ部32が形成されている。スカ
ート部31の上端部には、フランジ33が全周に亙って
形成されており、このフランジ33はキャップ3の上部
斜め外方に突設されている。フランジ33の下端部に
は、その内側全面に亙って、複数のリブ34が形成され
ているとともに、隣接する各リブ34間に揮散口35が
形成されている。リブ34は、リブ34は上方に膨出す
る湾曲状に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香剤や消臭剤等
の薬剤を周囲空間に揮散させる揮散器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、芳香剤や消臭剤等の薬液を揮散さ
せる揮散器は一般的に、上部に開口部を備えた容器と、
この容器の上部に装着され複数の揮散口が設けられたキ
ャップとからなり、容器の内部に揮散する薬剤を収容す
る。そして、この薬剤を収容した揮散器を室内等の適宜
空間に配置すると、揮散口から容器内に流入する空気内
に薬剤が揮散した後、容器外部に流出して、周囲に薬剤
の薬効による芳香空間等が形成される。
【0003】したがって、キャップがなくとも薬剤の揮
散による効果を得ることは可能ではあるが、配置状態に
おいて容器内部に落下した物等が入ってしまうことを未
然に防止し、あるいは搬送時や陳列時に揮散器を積み重
ね(スタック)ることを可能すべくキャップを設けてい
る。また、キャップを設けても揮散を可能にすべく、キ
ャップに揮散口を形成しているのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、揮散器が
適宜箇所に配置されるものであること、及び搬送時や陳
列時に積み重ねが要求されることを考慮すると、キャッ
プは不可欠ではあるが、キャップを設けると容器への空
気の流入及び流出が阻害されて、薬剤の揮散効率が低下
することなる。このため、キャップを設けつつも容器へ
の空気の流入及び流出がより効率的になされるべく、キ
ャップに形成される揮散口の開口面積を可及的に増大さ
せることが必要となる。
【0005】しかし、各揮散口の開口面積を増大させる
と、揮散口から容器内部に物が入ってしまい、キャップ
による物の容器内への落下防止効果が損なわれてしま
う。そこで、各揮散口の開口面積は増大させることな
く、揮散口の数を増大させることにより、キャップによ
る物の容器内への落下防止効果を確保しつつ、揮散効率
を高めることが考えられる。しかし、揮散口の数を増大
させると、揮散口以外の残存部分が相対的に減少するこ
ととなり、その結果キャップの強度が低下してスタック
が不可能となってしまう。
【0006】本発明は、このような従来の課題に鑑みて
なされたものであり、揮散効率の向上を図りつつスタッ
ク性(積み重ね性)を確保することのできる揮散器を提
供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に請求項1記載の発明にかかる揮散器にあっては、内部
に揮散する薬剤を収容可能であって上部に開口部を備え
た容器と、この容器の上部に装着され複数の揮散口が設
けられたキャップとからなる揮散器において、前記キャ
ップに複数のリブを形成して、隣接するリブ間で前記揮
散口を形成するととももに、前記リブを上方に膨出する
湾曲状に形成してある。
【0008】したがって、キャップ上を流動する空気が
リブの側面に当たり易くなって、空気が効率的に容器内
に導入されて揮散効率が高められるとともに、上方から
の荷重に対する強度も高められる。
【0009】また、請求項2記載の発明にかかる揮散器
にあっては、前記キャップの周縁部に、上方に突出する
フランジを形成してある。すなわち、前記リブを上方に
膨出する湾曲状に形成すると、その上に別の揮散器を積
み重ねた際に滑落し易くなるが、周縁部にフランジを形
成することにより上部の揮散器の滑落が防止される。よ
って、揮散効率と上方からの荷重に対する強度とを高め
つつ、スタック性を確保することができる。
【0010】また、請求項3記載の発明にかかる揮散器
にあっては、前記フランジを、斜め外方に突設してあ
る。したがって、キャップ上で流動する空気がフランジ
の表面に沿って流動してリブまでガイドされ、よって、
スタック性を確保しつつ揮散効率が高められる。
【0011】また、請求項4記載の発明にかかる揮散器
にあっては、前記リブは、横方向に湾曲状である。した
がって、リブの側面も湾曲状となることから、キャップ
上を流動する空気がリブの側面にガイドされて容器に流
入した際に、湾曲状の側面により拡散されつつ容器に流
入し、内部の薬剤と広範囲に亙って接触することによ
り、揮散効率が高められる。
【0012】また、請求項5記載の発明にかかる揮散器
にあっては、前記リブは、一端部を前記キャップの周縁
部に結合され、他端部をキャップの中心部に結合されて
放射状に配置されているとともに、前記一端部側が二股
状に形成されている。したがって、リブは二股状の一端
部にてキャップの周縁部に結合されていることから、リ
ブの横方向の幅を狭くして開口面積を増大させても、キ
ャップの周縁部との結合強度が充分に得られ、上方から
の荷重に対する強度も高められる。
【0013】また、請求項6記載の発明にかかる揮散器
にあっては、前記容器は、周壁の上下方向の中程部が外
部方向に膨出した球面形状である。したがって、容器内
に流入した空気が周壁に沿って流下した後、薬剤の表面
に沿って容器中心方向に流れた後、容器外部に流出する
空気通流経路が形成され、これにより構成効率的な揮散
がなされる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
従って説明する。図1に示すように、本実施の形態にか
かる揮散器1は、容器2とこの容器2の上部に螺着され
たキャップ3とで構成されている。容器2は透明のプラ
スチック製であって、図2に示すように、底面部21
と、この底面部21に下端部が連なる周壁22、及びこ
の周壁22の上端部に連なって起立する円筒状の首部2
3を一体的に有している。
【0015】底面部21は、容器2の内部方向に膨出し
ており、周壁22はその上下方向の中程部が外部方向に
膨出した球面形状に形成されている。首部23の外周面
には、雄ねじ部24が形成されており、その内側に開口
部25が設けられている。
【0016】一方、キャップ3は半透明のプラスチック
製であって、図3に示すように、円筒状のスカート部3
1を有しており、このスカート部31の内周面には雌ね
じ部32が形成されている。スカート部31の上端部に
は、フランジ33が全周に亙って形成されており、この
フランジ33はキャップ3の上部斜め外方に突設されて
いる。
【0017】フランジ33の下端部には、その内側全面
に亙って、複数のリブ34が形成されているとともに、
隣接する各リブ34間に揮散口35が形成されている。
各リブ34は、図4に示すように、縦方向の幅aが横方
向の幅bよりも大きく、これら縦方向の幅aと横方向の
幅bとの関係は、例えばa=1.5bに設定されてい
る。つまり、リブ34は、その側面34bの幅が上面3
4cの幅よりも広く設定されている。
【0018】また、リブ34は上方U(図4参照)に膨
出する湾曲状に形成されているとともに、横方向S(図
3(A)参照)に湾曲状に形成されている。さらに、リ
ブ34は、一端部をフランジ33の下端部に結合され、
他端部をキャップ3の中心部に位置する円形のボス部3
6に結合されて放射状に配置されている。前記一端部側
に一対の二股部34aが設けられ、この二股部34aの
端部がフランジ33の下端部に結合されている。このキ
ャップ3は、前記雌ねじ部32を容器2の雄ねじ部24
に螺合させることにより、容器2の首部23に装着され
ている。
【0019】なお、容器2の内部には、図1に示すよう
に、芳香剤、消臭剤等の揮散して薬効を発生するゲル状
の薬剤4が収容されるとともに、容器2の開口部25に
アルミ箔等の気密シート(図示せず)が貼着されて出荷
される。
【0020】以上の構成にかかる本実施の形態におい
て、出荷に伴う搬送時や販売店での陳列時には、揮散器
1が積み重ねられ、リブ34にはその上部に位置する揮
散器1の荷重が加わることとなる。しかし、リブ34の
縦方向の幅aは横方向の幅bよりも大きいことから、上
方から加わる前記荷重に対する強度を確保することがで
き、リブ34が破損して商品性が損なわれてしまうこと
はない。
【0021】しかも、リブ34は上方Uに膨出する湾曲
状であることから、上方からの荷重に対する強度も高め
られて、その破損が確実に防止される。その反面、この
ようにリブ34を上方Uに膨出する湾曲状に形成する
と、その上に揮散器1を積み重ねた際に、上部の揮散器
1が滑落し易くなる。しかし、キャップ3には前記フラ
ンジ33が形成されていることから、上部の揮散器1の
滑落がフランジ33により防止され、よって、上方から
の荷重に対する強度とを高めつつ、スタック性を確保す
ることができる。
【0022】加えて、リブ34の端部は二股部34aに
て、フランジ33の下端部に結合されていることから、
リブ34に加わった荷重が二股部34aで分散されるこ
とにより、応力集中が回避され、揮散器1を積み重ねた
際のリブ34の破損が、確実に防止される。
【0023】このようにして、搬送あるいは陳列された
揮散器1は購入後に、キャップ3が容器2から螺脱され
て、前記気密シートが除去され、再度キャップ3が容器
2に螺着れた後、適宜の箇所に配置されて使用が開始さ
れる。すると、薬剤4の成分が揮散口35を介して揮散
器1の外部に揮散し、これにより、周囲空間に揮散成分
による薬効が生ずる。
【0024】このとき、揮散口35を形成している各リ
ブ34は、縦方向の幅aが横方向の幅bよりも大きいこ
とから、隣接するリブ34間の各揮散口35には充分な
開口面積が確保されており、優れた揮散効率を得ること
ができる。また、キャップ3上を流動する空気の流れ
は、大きな縦方向の幅を有するリブ34の側面34bに
よりガイドされて、容器2内には効率的に空気が流入
し、これによっても容器2内に収容されている薬剤4の
揮散効率が高められる。
【0025】しかも、リブ34を上方Uに膨出する湾曲
状に形成されていることから、キャップ上を流動する空
気がリブ34の側面34bに当たり易くなって、空気が
効率的に容器2内に導入されて揮散効率が高められる。
また、前記フランジ33は、キャップ3の上部斜め外方
に突設されていることから、キャップ上で流動する空気
が、図1に示すように、フランジ33の表面に沿って流
動しリブ34までガイドされて、揮散口35から容器2
の内部に流入する。
【0026】このとき、リブ34は、横方向Sに湾曲状
であり、リブ34の側面34bも同方向に湾曲状である
ことから、空気がリブ34の側面34bにガイドされて
容器に流入した際に、湾曲状の側面34bにより拡散さ
れつつ容器2に流入する。このため、空気が内部の薬剤
と広範囲に亙って接触し、これによっても揮散効率が高
められる。
【0027】また、容器2は、周壁22の上下方向の中
程部が外部方向に膨出した球面形状であることから、図
1に示すように、容器2内に流入した空気aが周壁22
に沿って流下した後、薬剤4の表面に沿って容器2の中
心方向に流れ、容器2外部に流出する空気通流経路が形
成され、これによっても薬剤4を効率的に揮散させるこ
とができる。
【0028】図5は、本発明の他の実施の形態を示すも
のであり、リブ34は直状であってキャップ3の中心部
から放射状に形成されており、したがって、隣接するリ
ブ34間に形成される揮散口35は、必然的に中心部側
が狭く、周部側が広い形状となっている。よって、揮散
口35は、中心部側の開口面積が小さく、周部側の開口
面積が大きいという関係にある。しかし、リブ34は、
縦方向の幅は中心部側が周部側よりも広く設定されてお
り、したがって、リブ34のガイド作用によっては、中
心部側では、周部側よりも大量の空気が導入されること
となる。
【0029】つまり、揮散口35の開口面積に着目する
と、周部側が中心部側よりも大量の空気が導入されるこ
ととなるが、リブ34に着目すると、これとは逆に中心
部側が周部側よりも大量の空気が導入されることとな
る。よって、全体としてはリブ34の全面において、均
一に空気が容器2内に導入されることとなり、その結
果、薬剤4の全面に亙って均一に成分を揮散させて、こ
れにより揮散効率を向上させることができる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、揮散器の
キャップに、複数のリブを形成して、隣接するリブ間で
揮散口を形成するととももに、リブを上方に膨出する湾
曲状に形成するようにしたことから、空気を効率的に容
器内に導入して、揮散効率が高めつつ、搬送時や陳列時
に揮散器を積み重ねた場合等に生ずる荷重による破損の
ない揮散器を提供することができる。
【0031】さらに、キャップの周縁部に、上方に突出
するフランジを形成するようしたことから、揮散器を積
み重ねた際の滑落を防止することができ、揮散効率と上
方からの荷重に対する強度とを高めつつ、スタック性を
確保することができる。
【0032】また、前記フランジを、斜め外方に突設す
るようにしたことから、キャップ上で流動する空気をリ
ブまでガイドすることができ、よって、スタック性を確
保しつつ揮散効率を高めることができる。
【0033】また、リブを横方向に湾曲状としたことか
ら、リブの側面が湾曲状となって、キャップ上を流動す
る空気がリブの側面にガイドされて容器に流入した際
に、湾曲状の側面により空気を拡散させて容器に流入さ
せることができ、これにより、流入した空気を内部の薬
剤と広範囲に亙って接触させて、揮散効率を高めること
ができる。
【0034】また、リブを放射状に配置するとともに、
二股状の一端部にてキャップの周縁部に結合させるよう
にしたことから、リブの横方向の幅を狭くして開口面積
を増大させても、キャップの周縁部との結合強度が充分
に得られ、上方からの荷重に対する強度を高めることが
できる。
【0035】また、容器の周壁をその上下方向の中程部
が外部方向に膨出した球面形状としたことから、容器内
に流入した空気が周壁に沿って流下した後、薬剤の表面
に沿って容器中心方向に流れ、しかる後に容器外部に流
出する空気通流経路が形成され、これによっても揮散効
率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の一実施の形態にかかる揮散器
の一部断面正面図、(B)は一部断面側面図である。
【図2】(A)は容器の平面図、(B)は正面図であ
る。
【図3】(A)はキャップの平面図、(B)は一部断面
正面図、(C)は底面図である。
【図4】キャップの断面拡大図である。
【図5】本発明の他の実施の形態を示すキャップの垂直
断面図である。
【符号の説明】
1 揮散器 2 容器 3 キャップ 4 薬剤 25 開口部 34 リブ 35 揮散口

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に揮散する薬剤を収容可能であって
    上部に開口部を備えた容器と、この容器の上部に装着さ
    れ複数の揮散口が設けられたキャップとからなる揮散器
    において、 前記キャップに複数のリブを形成して、隣接するリブ間
    で前記揮散口を形成するととももに、前記リブを上方に
    膨出する湾曲状に形成したことを特徴とする揮散器。
  2. 【請求項2】 前記キャップの周縁部に、上方に突出す
    るフランジを形成したことを特徴とする請求項1記載の
    揮散器。
  3. 【請求項3】 前記フランジを、斜め外方に突設したこ
    とを特徴とす請求項2記載の揮散器。
  4. 【請求項4】 前記リブは、横方向に湾曲状であること
    を特徴とする請求項1記載の揮散器。
  5. 【請求項5】 前記リブは、一端部を前記キャップの周
    縁部に結合され、他端部をキャップの中心部に結合され
    て放射状に配置されているとともに、前記一端部側が二
    股状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    揮散器。
  6. 【請求項6】 前記容器は、周壁の上下方向の中程部が
    外部方向に膨出した球面形状であることを特徴とする請
    求項1記載の揮散器。
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