JP2002355062A - サバイビン類似ポリペプチドおよびそのdna - Google Patents

サバイビン類似ポリペプチドおよびそのdna

Info

Publication number
JP2002355062A
JP2002355062A JP2001318533A JP2001318533A JP2002355062A JP 2002355062 A JP2002355062 A JP 2002355062A JP 2001318533 A JP2001318533 A JP 2001318533A JP 2001318533 A JP2001318533 A JP 2001318533A JP 2002355062 A JP2002355062 A JP 2002355062A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypeptide
salt
dna
ester
amide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001318533A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Tanaka
浩史 田中
Isao Kaieda
功 海江田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP2001318533A priority Critical patent/JP2002355062A/ja
Publication of JP2002355062A publication Critical patent/JP2002355062A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】サバイビン類似ポリペプチドおよびそのDNA
の提供。 【解決手段】ヒト由来の特定なアミノ酸配列と同一もし
くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチ
ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
塩、該ポリペプチドをコードするDNAを含有するDN
A、該DNAを含有する組換えベクター、該組換えベク
ターで形質転換された形質転換体など。 【効果】本発明は、例えば、カスパーゼ阻害活性を阻害
し、抗癌剤として有用な化合物またはその塩のスクリー
ニングのための材料として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、BIR(baculovirus
IAP repeat)ドメインまたはBIRドメインおよびRING-f
ingerドメインを有するサバイビン類似ポリペプチドお
よびそのDNA、該ポリペプチドなどを用いることを特
徴とする抗癌剤などのスクリーニング方法などに関す
る。
【0002】
【従来の技術】アポトーシスとは、例えば、細胞縮小、
クロマチン凝縮、核濃縮、細胞表面微絨毛消失、大小突
起の出現(blebbing)、アポトーシス小体形成、細胞縮
小に伴う周辺細胞との間隙、隣接細胞による貧食除去な
どをいう(日本臨床,第54巻,第7号(1996))。ア
ポトーシスまたはプログラム細胞死は個体発生、生体の
恒常性維持などにおいて重要な役割を演じている。そし
てアポトーシスの異常により、癌、自己免疫疾患、神経
性疾患などの病気を引き起こすことがしだいに明らかに
なってきている。近年アポトーシス調節にかかわる分子
が次々と単離され、その調節機構がしだいに明らかにな
りつつある。アポトーシス実行に関与する分子群として
カスパーゼファミリーがある。カスパーゼファミリー
は、アポトーシスに至るシグナル伝達過程において中心
的な役割を担っている。また直接カスパーゼに結合して
その作用を阻害することでアポトーシス抑制に関与して
いる分子群としてアポトーシス阻害タンパク質(Inhibit
or of apoptosis protein:以下「IAP」とも称する。)
ファミリーがある(最新医学, 54巻, 861頁, (1999),
臨床免疫, 32巻, 1頁(1999))。
【0003】IAPファミリー蛋白質の構造は非常によく
保存されており、BIR (baculovirusIAP repeat) および
RING-fingerとよばれる2種類のドメインが認められる。
BIRドメインはすべてのIAPファミリー蛋白質において認
められ、主にN末端側に1-3個繰り返している。この配列
は約70アミノ酸からなり、システインとヒスチジン残基
の保存された配列(RX7PX(12-14)GX4GX2DX3CX2CX6WX3DX5
HX6C)で特徴づけられる。IAPファミリー蛋白質は、この
BIRドメインを介してカスパーゼを阻害していると報告
されている(ザ・エンボジャーナル(The EMBO Journa
l), 16巻, 6914頁, (1997), ザ・ジャーナルオブバイオ
ロジカルケミストリー(The Journal ofBiological Chem
istry), 273巻, 7787頁, (1998))。RING-fingerドメイ
ンはC末端側に存在し、やはりシステインとヒスチジン
残基がよく保存されている(CX2CX (11-28)CXHX(2-3)CX2C
X(5-17)CX2C)が、このドメインはすべてのIAPファミリ
ー蛋白質に存在するわけではない。このRING-finger ド
メインはユビキチン連結酵素の共通配列に認められる配
列であり、標的タンパク質あるいは自分自身をユビキチ
ン化し分解するということが報告されている [サイエン
ス (Science), 288巻,874頁 (2000)]。サバイビン(以
下「Survivin」とも称する。)もカスパーゼ3, 7を阻害
してアポトーシス抑制作用を発揮している [キャンサー
リサーチ (Cancer Research),58巻,5315頁 (1998)]。
しかし他のIAPファミリー蛋白質とは異なり、Survivin
は、正常組織ではほとんど発現が認められず、癌組織で
非常に高頻度に発現が認められる [ネイチャーメディス
ン (Nature Medicine), 3巻,917頁 (1997)]。また、大
腸癌患者でSurvivinを発現している患者は、発現してい
ない患者と比較して生存率が低いということが報告され
ており、Survivinは癌の発症のみならず悪性化にも関与
している事が示唆される[オンコジーン (Oncogene), 17
巻,3247頁 (1998)]。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したSurvivinの特
質から、IAPファミリー蛋白質に属し、優れたアポトー
シス異常疾患治療薬となると共に、優れた抗癌剤をスク
リーニングするため等に用いることができるSurvivin類
似ポリペプチドおよびそのDNA等の開発が期待されて
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、Survivin
の蛋白質構造と相同性のある蛋白質に翻訳される遺伝子
サバイビン類似タンパク質 (Survivin like protein:
以下「SLIP」とも称する。)を単離した。SLIPは3種類の
スプライシング バリアント(splicing variant) (SL
IP-long遺伝子(配列番号:5で表されるアミノ酸配列
からなる。), SLIP-short遺伝子(配列番号:7で表さ
れるアミノ酸配列からなる。), SLIP-ring遺伝子(配
列番号:9で表されるアミノ酸配列からなる。))とし
て発現していた。SLIP-longは、IAPファミリー間で保存
されているBIRドメインを持ち、カスパーゼ阻害を介し
たアポトーシス抑制に関与していることが明らかになっ
た。また、SLIP-longは、Survivin同様RING-fingerドメ
インをもたないため、その蛋白質が分解されにくい。さ
らに、SLIP-longは、癌化のプロセスに関わっていると
考えられる。
【0006】一方、SLIP-long遺伝子の1塩基多型(SNP
s)であるSLIP-short遺伝子はIAPファミリー間で保存さ
れているBIRドメインを有するが、カスパーゼ阻害を介
したアポトーシス抑制作用を有しないことが明らかにな
った。また、SLIP-ringに関しては、BIRドメインに加え
てRING-fingerドメインを持ち、エトポシドで誘導され
るアポトーシスを促進することが明らかになった。さら
に、SLIP-long, SLIP-short, およびSLIP-ringはある種
の癌組織に特異的に発現が認められることから癌抗原と
しても有用である。従って生体内での(1)SLIP-longの蛋
白質量を減少させるか、または(2) SLIP-longのカスパ
ーゼとの結合を阻害することなどにより、癌細胞でのア
ポトーシスを促進することが期待できる。さらに今回単
離したSLIP-longはSurvivinに比べ正常組織での発現が
低いことから、副作用の点からもこれらの発現および活
性を抑えることは効果的な癌治療になりえると考えられ
る。逆に、(1) SLIP-ringの蛋白質量を増加させるか、
または(2) SLIP-ringのアポトーシス促進活性を促進す
ることなどにより、癌細胞でのアポトーシスを促進する
ことが期待できる。また、SNPsであるSLIP-longとSLIP-
shortの発現量を測定することにより、効果的な癌診断
が行えると考える。
【0007】すなわち、本発明は以下の発明を提供す
る。以下の〔1〕から〔48〕は、主にSLIP-longに関
連する発明である。 〔1〕配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一も
しくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプ
チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
れらの塩。 〔2〕配列番号:5で表されるアミノ酸配列を含有する
上記〔1〕記載のポリペプチドもしくはそのアミドもし
くはそのエステルまたはそれらの塩。 〔3〕上記〔1〕記載のポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド。 〔4〕DNAである上記〔3〕記載のポリヌクレオチ
ド。 〔5〕配列番号:6で表わされる塩基配列を含有する上
記〔4〕記載のDNA。 〔6〕上記〔3〕記載のポリヌクレオチドを含有する組
換えベクター。 〔7〕上記〔6〕記載の組換えベクターで形質転換され
た形質転換体。 〔8〕上記〔7〕記載の形質転換体を培養し、上記
〔1〕記載のポリペプチドを生成、蓄積せしめ、これを
採取することを特徴とする上記〔1〕記載のポリペプチ
ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそれ
らの塩の製造法。
〔9〕上記〔1〕記載のポリペプチドもしくはそのアミ
ドもしくはそのエステルまたはそれらの塩を含有してな
る医薬。 〔10〕上記〔3〕記載のポリヌクレオチドを含有して
なる医薬。 〔11〕カスパーゼ阻害剤である上記
〔9〕または〔1
0〕記載の医薬。 〔12〕アポトーシス阻害剤である上記
〔9〕または
〔10〕記載の医薬。 〔13〕アポトーシス異常疾患の予防・治療剤である上
〔9〕または〔10〕記載の医薬。 〔14〕上記〔1〕記載のポリペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩に対する抗
体。 〔15〕上記〔1〕記載のポリペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩の活性を不
活性化する中和抗体である上記〔14〕記載の抗体。 〔16〕上記〔14〕記載の抗体を含有してなる医薬。 〔17〕癌の予防・治療剤である上記〔16〕記載の医
薬。 〔18〕上記〔14〕記載の抗体を含有してなる診断
剤。 〔19〕癌の診断剤である上記〔18〕記載の診断剤。 〔20〕上記〔3〕記載のポリヌクレオチドを含有して
なる診断剤。 〔21〕癌の診断剤である上記〔20〕記載の診断剤。 〔22〕上記〔1〕記載のポリペプチドをコードするD
NAに相補的または実質的に相補的な塩基配列またはそ
の一部を有し、該DNAの発現を抑制し得る作用を有す
るアンチセンスDNA。 〔23〕上記〔22〕記載のアンチセンスDNAを含有
してなる医薬。 〔24〕癌の予防・治療剤である上記〔23〕記載の医
薬。
【0008】〔25〕上記〔1〕記載のポリペプチドも
しくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそれらの
塩を用いることを特徴とする上記〔1〕記載のポリペプ
チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
れらの塩の機能を促進または阻害する活性を有する化合
物またはそれらの塩のスクリーニング方法。 〔26〕機能がカスパーゼ阻害活性、アポトーシス阻害
活性、腫瘍壊死受容体関連因子(Tumor Necrosis Recep
tor Associated Factor:TRAF)結合活性、受容体
相互作用蛋白質(Receptor Interacting Protein:RI
P)結合活性またはドロソフィアアポトーシス誘導蛋白
質 リーパー (apotosis-inducing protein of Drosoph
ia, Reaper:RPR)結合活性である上記〔25〕記載
のスクリーニング方法。 〔27〕上記〔1〕記載のポリペプチドのカスパーゼ阻
害活性を試験化合物の存在下および非存在下に測定し、
比較することを特徴とする上記〔25〕記載のスクリー
ニング方法。 〔28〕上記〔1〕記載のポリペプチドの遺伝子を発現
する能力を有する細胞を試験化合物の存在下および非存
在下に培養し、それぞれの場合における当該ポリペプチ
ドのmRNAの発現量を測定し、比較することを特徴と
する上記〔25〕記載のスクリーニング方法。 〔29〕上記〔1〕記載のポリペプチドのプロモーター
領域およびエンハンサー領域、または上記〔1〕記載の
ポリペプチドのプロモーター領域をレポーター遺伝子の
上流に連結させたDNAで形質転換した細胞を試験化合
物の存在下および非存在下に培養し、それぞれの場合に
おけるレポーター遺伝子の発現量を測定することを特徴
とする上記〔25〕記載のスクリーニング方法。 〔30〕(i)上記〔1〕記載のポリペプチドの遺伝子
を発現する能力を有する細胞を培養し、当該ポリペプチ
ドに対する抗体と細胞培養液(被検液)および標識化さ
れた当該ポリペプチドとを競合的に反応させた場合にお
ける該抗体に結合した標識化された当該ポリペプチド量
の割合と、(ii)当該ポリペプチドの遺伝子を発現する
能力を有する細胞を試験化合物の存在下に培養し、当該
ポリペプチドに対する抗体と細胞培養液(被検液)およ
び標識化された当該ポリペプチドとを競合的に反応させ
た場合における該抗体に結合した標識化された当該ポリ
ペプチド量の割合とを比較することを特徴とする上記
〔25〕記載のスクリーニング方法。 〔31〕(i)上記〔1〕記載のポリペプチドの遺伝子
を発現する能力を有する細胞を培養し、細胞培養液(被
検液)と担体上に不溶化した当該ポリペプチドに対する
抗体および標識化された別の当該ポリペプチドに対する
抗体とを同時あるいは連続的に反応させた場合の不溶化
担体上の標識剤の活性と、(ii)当該ポリペプチドの遺
伝子を発現する能力を有する細胞を試験化合物の存在下
に培養し、細胞培養液(被検液)と担体上に不溶化した
当該ポリペプチドの抗体および標識化された別の当該ポ
リペプチドに対する抗体とを同時あるいは連続的に反応
させた場合における不溶化担体上の標識剤の活性とを比
較することを特徴とする上記〔25〕記載のスクリーニ
ング方法。 〔32〕上記〔1〕記載のポリペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩を含有して
なる上記〔1〕記載のポリペプチドもしくはそのアミド
もしくはそのエステルまたはそれらの塩の機能を促進ま
たは阻害する活性を有する化合物またはその塩のスクリ
ーニング用キット。 〔33〕上記〔25〕記載のスクリーニング方法または
上記〔32〕記載のスクリーニング用キットを用いて得
られうる、上記〔1〕記載のポリペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩の機能を
促進または阻害する活性を有する化合物またはその塩。 〔34〕上記〔25〕記載のスクリーニング方法または
上記〔32〕記載のスクリーニング用キットを用いて得
られうる、上記〔1〕記載のポリペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩の機能を
促進または阻害する活性を有する化合物またはその塩を
含有してなる医薬。 〔35〕上記〔25〕記載のスクリーニング方法または
上記〔32〕記載のスクリーニング用キットを用いて得
られうる、上記〔1〕記載のポリペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩の機能を
阻害する活性を有する化合物またはその塩を含有してな
る癌の予防・治療剤。 〔36〕上記〔25〕記載のスクリーニング方法または
上記〔32〕記載のスクリーニング用キットを用いて得
られうる、上記〔1〕記載のポリペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩の機能を
促進する活性を有する化合物またはその塩を含有してな
るアポトーシス異常疾患の予防・治療剤。 〔37〕哺乳動物に対して上記〔1〕記載のポリペプチ
ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそれ
らの塩の有効量を投与することを特徴とするアポトーシ
ス異常疾患の予防・治療方法。 〔38〕哺乳動物に対して上記〔3〕記載のポリヌクレ
オチドの有効量を投与することを特徴とするアポトーシ
ス異常疾患の予防・治療方法。 〔39〕哺乳動物に対して上記〔14〕記載の抗体の有
効量を投与することを特徴とする癌の予防・治療方法。 〔40〕哺乳動物に対して上記〔22〕記載のアンチセ
ンスDNAの有効量を投与することを特徴とする癌の予
防・治療方法。 〔41〕哺乳動物に対して、上記〔25〕記載のスクリ
ーニング方法または上記〔32〕記載のスクリーニング
用キットを用いて得られうる上記〔1〕記載のポリペプ
チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
れらの塩の機能を阻害する活性を有する化合物またはそ
の塩の有効量を投与することを特徴とする癌の予防・治
療方法。 〔42〕哺乳動物に対して、上記〔25〕記載のスクリ
ーニング方法または上記〔32〕記載のスクリーニング
用キットを用いて得られうる上記〔1〕記載のポリペプ
チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
れらの塩の機能を促進する活性を有する化合物またはそ
の塩の有効量を投与することを特徴とするアポトーシス
異常疾患の予防・治療方法。
【0009】〔43〕アポトーシス異常疾患の予防・治
療剤を製造するための上記〔1〕記載のポリペプチドも
しくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそれらの
塩の使用。 〔44〕アポトーシス異常疾患の予防・治療剤を製造す
るための上記〔3〕記載のポリヌクレオチドの使用。 〔45〕癌の予防・治療剤を製造するための上記〔1
4〕記載の抗体の使用。 〔46〕癌の予防・治療剤を製造するための上記〔2
2〕記載のアンチセンスDNAの使用。 〔47〕癌の予防・治療剤を製造するための、上記〔2
5〕記載のスクリーニング方法または上記〔32〕記載
のスクリーニング用キットを用いて得られうる上記
〔1〕記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはそれらの塩の機能を阻害する活性を
有する化合物またはその塩の使用。 〔48〕アポトーシス異常疾患の予防・治療剤を製造す
るための、上記〔25〕記載のスクリーニング方法また
は上記〔32〕記載のスクリーニング用キットを用いて
得られうる上記〔1〕記載のポリペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩の機能を
促進する活性を有する化合物またはその塩の使用。
【0010】以下の〔49〕から〔80〕は、主にSLIP
-ringに関する発明である。 〔49〕配列番号:9で表わされるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、アポト
ーシス促進作用を有するポリペプチドもしくはそのアミ
ドもしくはそのエステルまたはそれらの塩。 〔50〕配列番号:9で表されるアミノ酸配列を含有
し、アポトーシス促進作用を有する上記〔49〕記載の
ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル
またはそれらの塩。 〔51〕上記〔49〕記載のポリペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩を含有し
てなるアポトーシス促進剤。 〔52〕上記〔49〕記載のポリペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩を含有し
てなる癌の予防・治療剤。 〔53〕上記〔49〕記載のポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有し
てなるアポトーシス促進剤。 〔54〕上記〔49〕記載のポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有し
てなる癌の予防・治療剤。 〔55〕上記〔49〕記載のポリペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩に対する
抗体を含有してなるアポトーシス異常疾患の予防・治療
剤。 〔56〕上記〔49〕記載のポリペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩に対する
抗体を含有してなる癌の診断剤。 〔57〕上記〔49〕記載のポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有し
てなる癌の診断剤。 〔58〕上記〔49〕記載のポリペプチドをコードする
DNAに相補的または実質的に相補的な塩基配列または
その一部を有し、該DNAの発現を抑制し得る作用を有
するアンチセンスDNAを含有してなるアポトーシス異
常疾患の予防・治療剤。
【0011】〔59〕上記〔49〕記載のポリペプチド
もしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそれら
の塩を用いることを特徴とする上記〔49〕記載のポリ
ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまた
はそれらの塩のアポトーシス促進活性を促進または阻害
する活性を有する化合物またはその塩のスクリーニング
方法。 〔60〕アポトーシス促進活性がエトポシド刺激による
アポトーシスを促進する活性である上記〔59〕記載の
スクリーニング方法。 〔61〕上記〔49〕記載のポリペプチドのアポトーシ
ス促進活性を試験化合物の存在下および非存在下に測定
し、比較することを特徴とする上記〔59〕記載のスク
リーニング方法。 〔62〕上記〔49〕記載のポリペプチドの遺伝子を発
現する能力を有する細胞を試験化合物の存在下および非
存在下に培養し、それぞれの場合における当該ポリペプ
チドのmRNAの発現量を測定し、比較することを特徴
とする上記〔59〕記載のスクリーニング方法。 〔63〕上記〔49〕記載のポリペプチドのプロモータ
ー領域または(および)エンハンサー領域をレポーター
遺伝子の上流に連結させたDNAで形質転換した細胞を
試験化合物の存在下および非存在下に培養し、それぞれ
の場合におけるレポーター遺伝子の発現量を測定するこ
とを特徴とする上記〔59〕記載のスクリーニング方
法。 〔64〕(i)上記〔49〕記載のポリペプチドの遺伝
子を発現する能力を有する細胞を培養し、当該ポリペプ
チドに対する抗体と細胞培養液(被検液)および標識化
された当該ポリペプチドとを競合的に反応させた場合に
おける該抗体に結合した標識化された当該ポリペプチド
量の割合と、(ii)当該ポリペプチドの遺伝子を発現す
る能力を有する細胞を試験化合物の存在下に培養し、当
該ポリペプチドに対する抗体と細胞培養液(被検液)お
よび標識化された当該ポリペプチドとを競合的に反応さ
せた場合における該抗体に結合した標識化された当該ポ
リペプチド量の割合とを比較することを特徴とする上記
〔59〕記載のスクリーニング方法。 〔65〕(i)上記〔49〕記載のポリペプチドの遺伝
子を発現する能力を有する細胞を培養し、細胞培養液
(被検液)と担体上に不溶化した当該ポリペプチドに対
する抗体および標識化された別の当該ポリペプチドに対
する抗体とを同時あるいは連続的に反応させた場合の不
溶化担体上の標識剤の活性と、(ii)当該ポリペプチド
の遺伝子を発現する能力を有する細胞を試験化合物の存
在下に培養し、細胞培養液(被検液)と担体上に不溶化
した当該ポリペプチドの抗体および標識化された別の当
該ポリペプチドに対する抗体とを同時あるいは連続的に
反応させた場合における不溶化担体上の標識剤の活性と
を比較することを特徴とする上記〔59〕記載のスクリ
ーニング方法。 〔66〕上記〔49〕記載のポリペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩を含有し
てなる上記〔49〕記載のポリペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩のアポトー
シス促進活性を促進または阻害する活性を有する化合物
またはその塩のスクリーニング用キット。 〔67〕上記〔59〕記載のスクリーニング方法または
上記〔66〕記載のスクリーニング用キットを用いて得
られうる、上記〔49〕記載のポリペプチドもしくはそ
のアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩のアポ
トーシス促進活性を促進または阻害する活性を有する化
合物またはその塩。 〔68〕上記〔59〕記載のスクリーニング方法または
上記〔66〕記載のスクリーニング用キットを用いて得
られうる、上記〔49〕記載のポリペプチドもしくはそ
のアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩のアポ
トーシス促進活性を促進または阻害する活性を有する化
合物またはその塩を含有してなる医薬。 〔69〕上記〔59〕記載のスクリーニング方法または
上記〔66〕記載のスクリーニング用キットを用いて得
られうる、上記〔49〕記載のポリペプチドもしくはそ
のアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩のアポ
トーシス促進活性を促進する活性を有する化合物または
その塩を含有してなる癌の予防・治療剤。 〔70〕上記〔59〕記載のスクリーニング方法または
上記〔66〕記載のスクリーニング用キットを用いて得
られうる、上記〔49〕記載のポリペプチドもしくはそ
のアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩のアポ
トーシス促進活性を阻害する活性を有する化合物または
その塩を含有してなるアポトーシス異常疾患の予防・治
療剤。 〔71〕哺乳動物に対して上記〔49〕記載のポリペプ
チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
れらの塩の有効量を投与することを特徴とする癌の予防
・治療方法。 〔72〕哺乳動物に対して上記〔49〕記載のポリペプ
チドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌク
レオチドの有効量を投与することを特徴とする癌の予防
・治療方法。 〔73〕哺乳動物に対して上記〔49〕記載のポリペプ
チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
れらの塩に対する抗体の有効量を投与することを特徴と
するアポトーシス異常疾患の予防・治療方法。 〔74〕哺乳動物に対して、上記〔49〕記載のポリペ
プチドをコードするDNAに相補的または実質的に相補
的な塩基配列またはその一部を有し、該DNAの発現を
抑制し得る作用を有するアンチセンスDNAの有効量を
投与することを特徴とするアポトーシス異常疾患の予防
・治療方法。
【0012】〔75〕癌の予防・治療剤を製造するため
の上記〔49〕記載のポリペプチドもしくはそのアミド
もしくはそのエステルまたはそれらの塩の使用。 〔76〕癌の予防・治療剤を製造するための上記〔4
9〕記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
を含有するポリヌクレオチドの使用。 〔77〕アポトーシス異常疾患の予防・治療剤を製造す
るための上記〔49〕記載のポリペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩に対する
抗体の使用。 〔78〕アポトーシス異常疾患の予防・治療剤を製造す
るための上記〔49〕記載のポリペプチドをコードする
DNAに相補的または実質的に相補的な塩基配列または
その一部を有し、該DNAの発現を抑制し得る作用を有
するアンチセンスDNAの使用。 〔79〕癌の予防・治療剤を製造するための、上記〔5
9〕記載のスクリーニング方法または上記〔66〕記載
のスクリーニング用キットを用いて得られうる上記〔4
9〕記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそ
のエステルまたはそれらの塩のアポトーシス促進活性を
促進する活性を有する化合物またはその塩の使用。 〔80〕アポトーシス異常疾患の予防・治療剤を製造す
るための、上記〔59〕記載のスクリーニング方法また
は上記〔66〕記載のスクリーニング用キットを用いて
得られうる上記〔49〕記載のポリペプチドもしくはそ
のアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩の機能
を阻害する活性を有する化合物またはその塩の使用。
【0013】以下の〔81〕から〔101〕は、SLIP-s
hortに関連した発明である。 〔81〕配列番号:7で表わされるアミノ酸配列と同一
もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペ
プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
それらの塩。 〔82〕配列番号:7で表されるアミノ酸配列を含有す
る上記〔81〕記載のポリペプチドもしくはそのアミド
もしくはそのエステルまたはそれらの塩。 〔83〕上記〔81〕記載のポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド。 〔84〕DNAである上記〔83〕記載のポリヌクレオ
チド。 〔85〕配列番号:8で表わされる塩基配列を含有する
上記〔84〕記載のDNA。 〔86〕上記〔83〕記載のポリヌクレオチドを含有す
る組換えベクター。 〔87〕上記〔86〕記載の組換えベクターで形質転換
された形質転換体。 〔88〕上記〔87〕記載の形質転換体を培養し、上記
〔81〕記載のポリペプチドを生成、蓄積せしめ、これ
を採取することを特徴とする上記〔81〕記載のポリペ
プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
それらの塩の製造法。 〔89〕上記〔81〕記載のポリペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩に対する
抗体。
〔90〕上記〔89〕記載の抗体を含有してなる診断
剤。 〔91〕さらに上記〔14〕記載の抗体を含有する上記
〔90〕記載の診断剤。 〔92〕癌の診断剤である上記
〔90〕または〔91〕
記載の診断剤。 〔93〕上記〔83〕記載のポリヌクレオチドを含有し
てなる診断剤。 〔94〕さらに上記〔3〕記載のポリヌクレオチドを含
有する上記〔93〕記載の診断剤。 〔95〕癌の診断剤である上記〔93〕または〔94〕
記載の診断剤。 〔96〕上記〔89〕記載の抗体および上記〔14〕記
載の抗体を用いることを特徴とする癌の診断方法。 〔97〕被検液中の上記〔1〕記載のポリペプチドもし
くはそのアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩
と上記〔81〕記載のポリペプチドもしくはそのアミド
もしくはそのエステルまたはそれらの塩との存在割合を
測定する上記〔96〕記載の診断方法。 〔98〕被検体中の上記〔81〕記載のポリペプチドも
しくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそれらの
塩に対する上記〔1〕記載のポリペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩の存在割
合が高い場合に癌に罹患している、または罹患する可能
性が高いと判断する上記〔96〕記載の診断方法。
〔99〕上記〔83〕記載のポリヌクレオチドおよび上
記〔3〕記載のポリヌクレオチドを用いることを特徴と
する癌の診断方法。 〔100〕被検体中の上記〔83〕記載のポリヌクレオ
チドと上記〔3〕記載のポリヌクレオチドとの存在割合
を測定する上記
〔99〕記載の診断方法。 〔101〕被検体中の上記〔3〕記載のポリヌクレオチ
ドに対する上記〔83〕記載のポリヌクレオチドの存在
割合が高い場合に癌に罹患している、または罹患する可
能性が高いと判断する上記
〔99〕記載の診断方法。
【0014】
【発明の実施の形態】(1)本発明の配列番号:5で表
わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するポリペプチド(以下、「SLIP-lon
gと称する場合がある」)、(2)本発明の配列番号:
7で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同
一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド(以下、「SL
IP-short」と称する場合がある)、および(3)本発明
の配列番号:9で表わされるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチド
(以下、「SLIP-ring」と称する場合がある)は、温血
動物(例えば、ヒト、モルモット、ラット、マウス、ニ
ワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)の細
胞(例えば、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、
膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハ
ンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細
胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マク
ロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、
肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核
球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細
胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら
細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞など)もしく
はそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、
脳の各部位(例、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視
床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂
体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、
骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小
腸)、血管(例、大動脈)、心臓、胸腺、脾臓、顎下
腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関
節、骨格筋など、または血球系の細胞もしくはその培養
細胞(例えば、MEL,M1,CTLL−2,HT−
2,WEHI−3,HL−60,JOSK−1,K56
2,ML−1,MOLT−3,MOLT−4,MOLT
−10,CCRF−CEM,TALL−1,Jurka
t,CCRT−HSB−2,KE−37,SKW−3,
HUT−78,HUT−102,H9,U937,TH
P−1,HEL,JK−1,CMK,KO−812,M
EG−01など)に由来するポリペプチドであってもよ
く、合成ポリペプチドであってもよい。以下、SLIP-lin
g、SLIP-shortおよびSLIP-ringなどのSLIP、もしくはそ
れらのアミドもしくはそれらのエステル、またはそれら
の塩をまとめて、「本発明のポリペプチド」と称する場
合がある。
【0015】本発明の配列番号:5で表わされるアミノ
酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペ
プチドとしては、例えば、配列番号:5で表わされるア
ミノ酸配列を含有するポリペプチドと実質的に同質の活
性(例えば、カスパーゼ(特にカスパーゼ3、カスパー
ゼ7などの下位カスパーゼ)阻害活性、アポトーシス阻
害活性、TRAF(Tumor Necrosis Receptor Associated Fa
ctor)結合活性、RIP(Receptor Interacting Protein)
結合活性、RPR(apotosis-inducing protein ofDrosophi
a, Reaper)結合活性など)を有するポリペプチドなどが
好ましい。本明細書中で述べるカスパーゼ阻害活性と
は、プロテアーゼの一種であるカスパーゼの活性化の阻
害等の機作によりカスパーゼの活性を阻害する活性を意
味し、より具体的には、カスパーゼに結合することによ
り、カスパーゼの活性化を阻害する活性を意味する。カ
スパーゼ阻害活性の測定は、公知の方法に準じて行なう
ことができるが、例えば、後述するスクリーニング方法
に従って測定することができる。本発明の配列番号:7
で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配
列を含有するポリペプチドとしては、例えば、配列番
号:7で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチ
ドと同様に、カスパーゼ(特にカスパーゼ3、カスパー
ゼ7などの下位カスパーゼ)阻害活性、アポトーシス阻
害活性、TRAF(TumorNecrosis Receptor Associated Fac
tor)結合活性、RIP(Receptor InteractingProtein)結
合活性、RPR(apotosis-inducing protein of Drosophi
a, Reaper)結合活性などの活性を有しないポリペプチド
などが好ましい。本発明の配列番号:9で表わされるア
ミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポ
リペプチドとしては、例えば、配列番号:9で表わされ
るアミノ酸配列を含有するポリペプチドと実質的に同質
の活性(例えば、エトポシドによるアポトーシスを促進
する活性など)を有するポリペプチドなどが好ましい。
【0016】また、本発明のポリペプチドとしては、例
えば、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:
9で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好
ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜
5)個、特に好ましくは1、2または3個)のアミノ酸
が欠失したアミノ酸配列、配列番号:5、配列番号:
7または配列番号:9で表わされるアミノ酸配列に1ま
たは2個以上(好ましくは1〜10個程度、さらに好ま
しくは数(1〜5)個、特に好ましくは1、2または3
個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:
5、配列番号:7または配列番号:9で表わされるアミ
ノ酸配列に1または2個以上(好ましくは1〜10個程
度、さらに好ましくは数(1〜5)個、特に好ましくは
1、2または3個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配
列、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:9
で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ま
しくは1〜10個程度、さらに好ましくは数(1〜5)
個、特に好ましくは1、2または3個個)のアミノ酸が
他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれ
らを組み合わせたアミノ酸配列を含有するポリペプチド
などのいわゆるムテインも含まれる。より具体的には、
本発明のポリペプチドとしては、(1)配列番号:5で
表わされるアミノ酸配列を含有するSLIP-long、(2)
配列番号:7で表わされるアミノ酸配列を含有するSLIP
-short、および(3)配列番号:9で表わされるアミノ
酸配列を含有するSLIP-ringが好ましい。
【0017】本明細書におけるポリペプチドは、ペプチ
ド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右
端がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:
5、配列番号:7または配列番号:9で表わされるアミ
ノ酸配列を含有するポリペプチドをはじめとする、本発
明のポリペプチドは、C末端が通常カルボキシル基(−
COOH)、カルボキシレート(−COO)、アミド
(−CONH)またはエステル(−COOR)のいず
れであってもよい。
【0018】ここでエステルにおけるRとしては、例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもし
くはn−ブチルなどのC1−6アルキル基、例えば、シ
クロペンチル、シクロヘキシルなどのC3−8シクロア
ルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC
6−12アリール基、例えば、ベンジル、フェネチルな
どのフェニル−C1−2アルキル基もしくはα−ナフチ
ルメチルなどのα−ナフチル−C1−2アルキル基など
のC7−14アラルキル基のほか、経口用エステルとし
て汎用されるピバロイルオキシメチル基などが用いられ
る。本発明のポリペプチドがC末端以外にカルボキシル
基(またはカルボキシレート)を有している場合、カル
ボキシル基がアミド化またはエステル化されているもの
も本発明のポリペプチドに含まれる。この場合のエステ
ルとしては、例えば上記したC末端のエステルなどが用
いられる。さらに、本発明のポリペプチドには、N末端
のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のアミノ基が保
護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1−6
アルカノイルなどのC1−6アシル基など)で保護され
ているもの、生体内で切断されて生成するN末端のグル
タミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のア
ミノ酸の側鎖上の置換基(例えば−OH、−SH、アミ
ノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基な
ど)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基
などのC1−6アルカノイル基などのC1−6アシル基
など)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合した
いわゆる糖ポリペプチドなどの複合ポリペプチドなども
含まれる。
【0019】本発明のポリペプチドの塩としては、生理
学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸)や塩基
(例、アルカリ金属塩)などとの塩が用いられ、とりわ
け生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な
塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、
臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、
酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コ
ハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香
酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩な
どが用いられる。
【0020】本発明のポリペプチドもしくはそのアミド
もしくはそのエステルまたはそれらの塩(以下、単に
「本発明のポリペプチド」と称する場合がある。)は、
前述した温血動物の細胞または組織から公知のポリペプ
チドの精製方法によって製造することもできるし、後述
するポリペプチドをコードするDNAを含有する形質転
換体を培養することによっても製造することができる。
また、後述のペプチド合成法に準じて製造することもで
きる。温血動物の組織または細胞から製造する場合、温
血動物の組織または細胞をホモジナイズした後、酸など
で抽出を行ない、該抽出液を逆相クロマトグラフィー、
イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィ
ーを組み合わせることにより精製単離することができ
る。
【0021】本発明のポリペプチドのアミド体の合成に
は、通常市販のポリペプチド合成用樹脂を用いることが
できる。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチ
ル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン
樹脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジル
アルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹
脂、PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルア
セトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェ
ノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmocア
ミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることができ
る。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基
を適当に保護したアミノ酸を、目的とするポリペプチド
の配列通りに、公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮
合させる。反応の最後に樹脂からポリペプチドを切り出
すと同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で
分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的のポリ
ペプチドまたはそれらのアミド体を取得する。上記した
保護アミノ酸の縮合に関しては、ポリペプチド合成に使
用できる各種活性化試薬を用いることができるが、特
に、カルボジイミド類がよい。カルボジイミド類として
は、DCC、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド、N-エチ
ル-N'-(3-ジメチルアミノプロリル)カルボジイミドな
どが用いられる。これらによる活性化にはラセミ化抑制
添加剤(例えば、HOBt, HOOBt)とともに保護アミノ酸を
直接樹脂に添加するかまたは、対称酸無水物またはHOBt
エステルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護
アミノ酸の活性化を行なった後に樹脂に添加することが
できる。
【0022】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、ポリペプチド縮合反応に使用し
うることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例
えば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチ
ルアセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド
類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジ
ン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル
類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル
類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいは
これらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はポ
リペプチド結合形成反応に使用され得ることが知られて
いる範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の
範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体
は通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反
応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護
基の脱離を行なうことなく縮合反応を繰り返すことによ
り十分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返して
も十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはア
セチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル
化することによって、後の反応に影響を与えないように
することができる。
【0023】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソボ
ルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシ
カルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカルボニ
ル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2
−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノ
チオイル、Fmocなどが用いられる。カルボキシル基は、
例えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2
−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アル
キルエステル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベ
ンジルエステル、4−ニトロベンジルエステル、4−メ
トキシベンジルエステル、4−クロロベンジルエステ
ル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシルエステル
化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド化、t−ブト
キシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化な
どによって保護することができる。セリンの水酸基は、
例えば、エステル化またはエーテル化によって保護する
ことができる。このエステル化に適する基としては、例
えば、アセチル基などの低級(C1−6)アルカノイル
基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導
される基などが用いられる。また、エーテル化に適する
基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒドロピラニ
ル基、t-ブチル基などである。チロシンのフェノール性
水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、C1-Bzl、2
−ニトロベンジル、Br-Z、t−ブチルなどが用いられ
る。ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、例え
ば、Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスル
ホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、
Fmocなどが用いられる。
【0024】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノ
ール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタ
ルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原
料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対
応するリン酸アミドが用いられる。保護基の除去(脱
離)方法としては、例えば、Pd−黒あるいはPd-炭
素などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、
また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれら
の混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルア
ミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなど
による塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによ
る還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応
は、一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれるが、
酸処理においては、例えば、アニソール、フェノール、
チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジ
メチルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタン
ジチオールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効で
ある。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用
いられる2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処理
により除去され、トリプトファンのインドール保護基と
して用いられるホルミル基は上記の1,2-エタンジチオー
ル、1,4-ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による
脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニア
などによるアルカリ処理によっても除去される。
【0025】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。ポリペプチドのアミド体を得る別
の方法としては、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ
酸のα−カルボキシル基をアミド化して保護した後、ア
ミノ基側にペプチド(ポリペプチド)鎖を所望の鎖長ま
で延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の
保護基のみを除いたポリペプチドとC末端のカルボキシ
ル基の保護基のみを除去したポリペプチドとを製造し、
この両ポリペプチドを上記したような混合溶媒中で縮合
させる。縮合反応の詳細については上記と同様である。
縮合により得られた保護ポリペプチドを精製した後、上
記方法によりすべての保護基を除去し、所望の粗ポリペ
プチドを得ることができる。この粗ポリペプチドは既知
の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥
することで所望のポリペプチドのアミド体を得ることが
できる。ポリペプチドのエステル体を得るには、例え
ば、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基を所
望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、
ポリペプチドのアミド体と同様にして、所望のポリペプ
チドのエステル体を得ることができる。
【0026】本発明のポリペプチドは、公知のペプチド
の合成法に従って、あるいは本発明のポリペプチドを含
有する前駆体を適当なペプチダーゼで切断することによ
っても製造することができる。ペプチドの合成法として
は、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによって
も良い。すなわち、本発明のポリペプチドを構成し得る
部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合さ
せ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離するこ
とにより目的のペプチドを製造することができる。公知
の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば、以下の
〜に記載された方法が挙げられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 ポリ
ペプチドの化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合
成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて本発明のポリペプチドを精
製単離することができる。上記方法で得られるポリペプ
チドが遊離体である場合は、公知の方法あるいはそれに
準じる方法によって適当な塩に変換することができる
し、逆に塩で得られた場合は、公知の方法あるいはそれ
に準じる方法によって遊離体または他の塩に変換するこ
とができる。
【0027】本発明で用いられるポリペプチドをコード
するDNAの塩基配列の一部、または該DNAと相補的
な塩基配列の一部を含有してなるポリヌクレオチドと
は、本発明のポリペプチドをコードするDNAを包含す
るだけではなく、RNAをも包含する意味で用いられ
る。本発明に従えば、本発明のポリペプチド遺伝子の複
製または発現を阻害することのできるアンチセンス・ポ
リヌクレオチド(核酸)を、クローン化した、あるいは
決定された本発明のポリペプチドをコードするDNAの
塩基配列情報に基づき設計し、合成しうる。そうしたポ
リヌクレオチド(核酸)は、本発明のポリペプチド遺伝
子のRNAとハイブリダイズすることができ、該RNA
の合成または機能を阻害することができるか、あるいは
本発明のポリペプチド関連RNAとの相互作用を介して
本発明のポリペプチド遺伝子の発現を調節・制御するこ
とができる。本発明のポリペプチド関連RNAの選択さ
れた配列に相補的なポリヌクレオチド、および本発明の
ポリペプチド関連RNAと特異的にハイブリダイズする
ことができるポリヌクレオチドは、生体内および生体外
で本発明のポリペプチド遺伝子の発現を調節・制御する
のに有用であり、また病気などの治療または診断に有用
である。用語「対応する」とは、遺伝子を含めたヌクレ
オチド、塩基配列または核酸の特定の配列に相同性を有
するあるいは相補的であることを意味する。ヌクレオチ
ド、塩基配列または核酸とペプチド(蛋白質)との間で
「対応する」とは、ヌクレオチド(核酸)の配列または
その相補体から誘導される指令にあるペプチド(蛋白
質)のアミノ酸を通常指している。本発明のポリペプチ
ド遺伝子の5’端ヘアピンループ、5’端6−ベースペ
ア・リピート、5’端非翻訳領域、ペプチド翻訳開始コ
ドン、蛋白質コード領域、ORF翻訳終止コドン、3’
端非翻訳領域、3’端パリンドローム領域、および3’
端ヘアピンループは好ましい対象領域として選択しうる
が、本発明のポリペプチド遺伝子内の如何なる領域も対
象として選択しうる。
【0028】目的核酸と、対象領域の少なくとも一部に
相補的なポリヌクレオチドとの関係すなわち、対象物と
ハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドとの
関係は、「アンチセンス」であるということができる。
アンチセンス・ポリヌクレオチドは、2−デオキシ−D
−リボースを含有しているポリヌクレオチド、D−リボ
ースを含有しているポリヌクレオチド、プリンまたはピ
リミジン塩基のN−グリコシドであるその他のタイプの
ポリヌクレオチド、あるいは非ヌクレオチド骨格を有す
るその他のポリマー(例えば、市販の蛋白質核酸および
合成配列特異的な核酸ポリマー)または特殊な結合を含
有するその他のポリマー(但し、該ポリマーはDNAや
RNA中に見出されるような塩基のペアリングや塩基の
付着を許容する配置をもつヌクレオチドを含有する)な
どが挙げられる。それらは、2本鎖DNA、1本鎖DN
A、2本鎖RNA、1本鎖RNA、さらにDNA:RN
Aハイブリッドであることができ、さらに非修飾ポリヌ
クレオチド(または非修飾オリゴヌクレオチド)、さら
には公知の修飾の付加されたもの、例えば当該分野で知
られた標識のあるもの、キャップの付いたもの、メチル
化されたもの、1個以上の天然のヌクレオチドを類縁物
で置換したもの、分子内ヌクレオチド修飾のされたも
の、例えば非荷電結合(例えば、メチルホスホネート、
ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、カルバメー
トなど)を持つもの、電荷を有する結合または硫黄含有
結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエ
ートなど)を持つもの、例えば蛋白質(ヌクレアーゼ、
ヌクレアーゼ・インヒビター、トキシン、抗体、シグナ
ルペプチド、ポリ−L−リジンなど)や糖(例えば、モ
ノサッカライドなど)などの側鎖基を有しているもの、
インターカレント化合物(例えば、アクリジン、ソラレ
ン(psoralen)など)を持つもの、キレート化合物(例
えば、金属、放射活性をもつ金属、ホウ素、酸化性の金
属など)を含有するもの、アルキル化剤を含有するも
の、修飾された結合を持つもの(例えば、αアノマー型
の核酸など)であってもよい。ここで「ヌクレオシ
ド」、「ヌクレオチド」および「核酸」とは、プリンお
よびピリミジン塩基を含有するのみでなく、修飾された
その他の複素環型塩基をもつようなものを含んでいて良
い。こうした修飾物は、メチル化されたプリンおよびピ
リミジン、アシル化されたプリンおよびピリミジン、あ
るいはその他の複素環を含むものであってよい。修飾さ
れたヌクレオチドおよび修飾されたヌクレオチドはまた
糖部分が修飾されていてよく、例えば、1個以上の水酸
基がハロゲンとか、脂肪族基などで置換されていたり、
あるいはエーテル、アミンなどの官能基に変換されてい
てよい。
【0029】本発明のアンチセンス・ポリヌクレオチド
(以下アンチセンス核酸とも称する。)は、RNA、D
NA、あるいは修飾された核酸(RNA、DNA)であ
る。修飾された核酸の具体例としては核酸の硫黄誘導体
やチオホスフェート誘導体、そしてポリヌクレオシドア
ミドやオリゴヌクレオシドアミドの分解に抵抗性のもの
が挙げられるが、それに限定されるものではない。本発
明のアンチセンス核酸は次のような方針で好ましく設計
されうる。すなわち、細胞内でのアンチセンス核酸をよ
り安定なものにする、アンチセンス核酸の細胞透過性を
より高める、目標とするセンス鎖に対する親和性をより
大きなものにする、そしてもし毒性があるならアンチセ
ンス核酸の毒性をより小さなものにする。こうした修飾
は当該分野で数多く知られており、例えば J. Kawakami
et al.,Pharm Tech Japan, Vol. 8, pp.247, 1992; Vo
l. 8, pp.395, 1992; S. T. Crooke et al. ed., Antis
ense Research and Applications, CRC Press, 1993 な
どに開示がある。本発明のアンチセンス核酸は、変化せ
しめられたり、修飾された糖、塩基、結合を含有してい
て良く、リポゾーム、ミクロスフェアのような特殊な形
態で供与されたり、遺伝子治療により適用されたり、付
加された形態で与えられることができうる。こうして付
加形態で用いられるアンチセンス核酸としては、リン酸
基骨格の電荷を中和するように働くポリリジンのような
ポリカチオン体、細胞膜との相互作用を高めたり、核酸
の取込みを増大せしめるような脂質(例えば、ホスホリ
ピド、コレステロールなど)といった疎水性のものが挙
げられる。付加するに好ましい脂質としては、コレステ
ロールやその誘導体(例えば、コレステリルクロロホル
メート、コール酸など)が挙げられる。こうしたもの
は、核酸の3’端あるいは5’端に付着させることがで
き、塩基、糖、分子内ヌクレオシド結合を介して付着さ
せることができうる。その他の基としては、核酸の3’
端あるいは5’端に特異的に配置されたキャップ用の基
で、エキソヌクレアーゼ、RNaseなどのヌクレアー
ゼによる分解を阻止するためのものが挙げられる。こう
したキャップ用の基としては、ポリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコールなどのグリコールをはじ
めとした当該分野で知られた水酸基の保護基が挙げられ
るが、それに限定されるものではない。アンチセンス核
酸の阻害活性は、本発明の形質転換体、本発明の生体内
や生体外の遺伝子発現系、あるいは本発明のペプチドの
生体内や生体外の翻訳系を用いて調べることができる。
該核酸は、公知の各種の方法で細胞に適用できる。
【0030】本発明のポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチドとしては、前述した本発明のポリペプチドを
コードするものであればいかなるものであってもよい。
このようなポリヌクレオチドとしては、DNAが好まし
い。このようなDNAとしては、ゲノムDNA、ゲノム
DNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDN
A、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、
合成DNAのいずれでもよい。ライブラリーに使用する
ベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミ
ド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、前
記した細胞・組織よりtotalRNAまたはmRNA画分
を調製したものを用いて直接Reverse Transcriptase Po
lymerase Chain Reaction(以下、RT-PCR法と略称
する)によって増幅することもできる。本発明のSLIP-l
ongをコードするDNAとしては、例えば、配列番
号:6で表わされる塩基配列を含有するDNA、または
配列番号:6で表わされる塩基配列を含有するDNAと
ハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするD
NAを含有し、配列番号:5で表わされるアミノ酸配列
を含有するSLIP-longと実質的に同質の活性(例えば、
カスパーゼ(特にカスパーゼ3、カスパーゼ7などの下
位カスパーゼ)阻害活性、アポトーシス阻害活性、TRAF
(Tumor Necrosis Receptor Associated Factor)結合活
性、RIP(Receptor Interacting Protein)結合活性、R
PR(apotosis-inducing protein of Drosophia, Reaper)
結合活性など)を有するポリペプチドをコードするDN
Aなどが用いられる。本発明のSLIP-shortをコードする
DNAとしては、例えば、配列番号:8で表わされる
塩基配列を含有するDNA、または配列番号:8で表わ
される塩基配列を含有するDNAとハイストリンジェン
トな条件下でハイブリダイズするDNAを含有し、配列
番号:7で表わされるアミノ酸配列を含有するSLIP-sho
rtと同様に、カスパーゼ(特にカスパーゼ3、カスパー
ゼ7などの下位カスパーゼ)阻害活性、アポトーシス阻
害活性、TRAF(Tumor Necrosis Receptor Associated Fa
ctor)結合活性、RIP(Receptor Interacting Protein)
結合活性、RPR(apotosis-inducing protein of Drosoph
ia, Reaper)結合活性などを有しないポリペプチドをコ
ードするDNAなどが用いられる。本発明のSLIP-ring
をコードするDNAとしては、配列番号:10で表わさ
れる塩基配列を含有するDNA、または配列番号:10
で表わされる塩基配列を含有するDNAとハイストリン
ジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを含有
し、配列番号:9で表わされるアミノ酸配列を含有する
SLIP-ringと実質的に同質の活性(例えば、エトポシド
によるアポトーシスを促進する活性など)を有するポリ
ペプチドをコードするDNAなどであれば何れのもので
もよい。
【0031】配列番号:6、配列番号:8または配列番
号:10で表わされる塩基配列を含有するDNAとハイ
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
としては、例えば、それぞれ配列番号:6、配列番号:
8または配列番号:10で表わされる塩基配列と約95
%以上、好ましくは約98%以上、より好ましくは約9
9%以上、特に好ましくは、約99.6%以上の相同性
を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0032】ハイブリダイゼーションは、公知の方法あ
るいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クロ
ーニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et
al.,Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の
方法などに従って行なうことができる。また、市販のラ
イブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の
方法に従って行なうことができる。より好ましくは、ハ
イストリンジェントな条件に従って行なうことができ
る。ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリ
ウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20
mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜6
5℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mM
で温度が約65℃の場合が最も好ましい。より具体的に
は、配列番号:5で表わされるアミノ酸配列を含有する
SLIP-longをコードするDNAとしては、配列番号:6
で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが、配列番
号:7で表わされるアミノ酸配列を有するSLIP-shortを
コードするDNAとしては、配列番号:8で表わされる
塩基配列を含有するDNAなどが、配列番号:9で表さ
れるアミノ酸配列を有するSLIP-ringをコードするDN
Aとしては、配列番号:10で表される塩基配列を含有
するDNAなどが用いられる。また、上記の配列番号:
1で表されるBIRドメインに相当するアミノ酸配列に対
応するDNA配列としては、配列番号:2で表される塩
基配列などが、上記の配列番号:3で表されるRING-Fin
gerドメインに相当するアミノ酸配列に対応するDNA
配列としては、配列番号:4で表される塩基配列などが
あげられる。
【0033】本発明のポリペプチドを完全にコードする
DNAのクローニングの手段としては、本発明のポリペ
プチドの部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを
用いてPCR法によって増幅するか、または適当なベク
ターに組み込んだDNAを本発明のポリペプチドの一部
あるいは全領域をコードするDNA断片もしくは合成D
NAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーション
によって選別することが挙げられる。ハイブリダイゼー
ションの方法は、例えば、モレキュラー・クローニング
(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Col
d Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法など
に従って行なうことができる。また、市販のライブラリ
ーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従
って行なうことができる。DNAの塩基配列の変換は、
PCRや公知のキット、例えば、MutanTM-superExpress
Km(宝酒造(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))等を
用いて、ODA-LAPCR法やGapped duplex法やKunkel法等の
公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行なう
ことができる。クローン化されたポリペプチドをコード
するDNAは目的によりそのまま、または所望により制
限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用す
ることができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始
コドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳
終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有し
ていてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コド
ンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加するこ
ともできる。本発明のポリペプチドの発現ベクターは、
例えば、(イ)本発明のポリペプチドをコードするDN
Aから目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DN
A断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に
連結することにより製造することができる。
【0034】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neo、pcDNA3.1(+)な
どが用いられる。本発明で用いられるプロモーターとし
ては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロ
モーターであればいかなるものでもよい。例えば、動物
細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモーター、
SV40プロモーター、LTRプロモーター、CMVプ
ロモーター、HSV-TKプロモーターなどが挙げられ
る。これらのうち、CMV(サイトメガロウイルス)プ
ロモーター、SRαプロモーターなどを用いるのが好ま
しい。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、trpプ
ロモーター、lacプロモーター、recAプロモータ
ー、λPLプロモーター、lppプロモーター、T7プ
ロモーターなどが、宿主がバチルス属菌である場合は、
SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、pen
Pプロモーターなど、宿主が酵母である場合は、PHO
5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモー
ター、ADHプロモーターなどが好ましい。宿主が昆虫
細胞である場合は、ポリヘドリンプロモーター、P10
プロモーターなどが好ましい。
【0035】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
と略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neoと略称する場合がある、G418耐
性)等が挙げられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイ
ニーズハムスター細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マ
ーカーとして使用する場合、目的遺伝子をチミジンを含
まない培地によっても選択できる。また、必要に応じ
て、宿主に合ったシグナル配列を、本発明のポリペプチ
ドのN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌であ
る場合は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列
などが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラ
ーゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列など
が、宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配列、
SUC2・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場
合には、インシュリン・シグナル配列、α−インターフ
ェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などが
それぞれ利用できる。このようにして構築された本発明
のポリペプチドをコードするDNAを含有するベクター
を用いて、形質転換体を製造することができる。
【0036】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K1
2・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユー
エスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60
巻,160(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・
アシッズ・リサーチ,(Nucleic Acids Research),9
巻,309(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オ
ブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecul
ar Biology)〕,120巻,517(1978)〕,HB
101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
ー,41巻,459(1969)〕,C600〔ジェネテ
ィックス(Genetics),39巻,440(1954)〕、
JM109などが用いられる。バチルス属菌としては、
例えば、バチルス・サブチルス(Bacillus subtilis)
MI114〔ジーン,24巻,255(1983)〕,2
07−21〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー
(Journal of Biochemistry),95巻,87(198
4)〕などが用いられる。酵母としては、例えば、サッ
カロマイセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisia
e)AH22,AH22R,NA87−11A,DK
D−5D,20B−12、シゾサッカロマイセス ポン
ベ(Schizosaccharomyces pombe)NCYC1913,
NCYC2036、ピキア パストリス(Pichia pasto
ris)KM71などが用いられる。
【0037】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mor
i N 細胞;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞
としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf
21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In V
ivo),13, 213-217,(1977))などが用いられる。昆虫と
しては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田
ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(198
5)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−
7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、
CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニーズ
ハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhfr)細
胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−20,マウ
スミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細胞などが
用いられる。エシェリヒア属菌を形質転換するには、例
えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,21
10(1972)やジーン(Gene),17巻,107(1
982)などに記載の方法に従って行なうことができ
る。
【0038】バチルス属菌を形質転換するには、例え
ば、モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティッ
クス(Molecular & General Genetics),168巻,
111(1979)などに記載の方法に従って行なうこと
ができる。酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ
・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymolog
y),194巻,182−187(1991)、プロシ
ージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA),75巻,1929(197
8)などに記載の方法に従って行なうことができる。昆
虫細胞または昆虫を形質転換するには、例えば、バイオ
/テクノロジー(Bio/Technology),6, 47-55(1988))
などに記載の方法に従って行なうことができる。動物細
胞を形質転換するには、例えば、細胞工学別冊8 新細
胞工学実験プロトコール.263−267(1995)
(秀潤社発行)、ヴィロロジー(Virology),52巻,
456(1973)に記載の方法に従って行なうことがで
きる。このようにして、ポリペプチドをコードするDN
Aを含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体
を得ることができる。宿主がエシェリヒア属菌、バチル
ス属菌である形質転換体を培養する際、培養に使用され
る培地としては液体培地が適当であり、その中には該形
質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他
が含有せしめられる。炭素源としては、例えば、グルコ
ース、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源
としては、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コー
ンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、
大豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、
無機物としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水
素ナトリウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。ま
た、酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子などを添加
してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0039】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエ
シェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約
3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加える
こともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常
約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通
気や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である形質
転換体を培養する際、培地としては、例えば、バークホ
ールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L.
ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,450
5(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培
地〔Bitter, G. A. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ
・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),81巻,5330(1984)〕が挙げられる。
培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は
通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要
に応じて通気や撹拌を加える。宿主が昆虫細胞または昆
虫である形質転換体を培養する際、培地としては、Grac
e's Insect Medium(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Natur
e),195,788(1962))に非動化した10%ウシ血清等の
添加物を適宜加えたものなどが用いられる。培地のpH
は約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。培養は通
常約27℃で約3〜5日間行ない、必要に応じて通気や
撹拌を加える。宿主が動物細胞である形質転換体を培養
する際、培地としては、例えば、約5〜20%の胎児牛
血清を含むMEM培地〔サイエンス(Science),12
2巻,501(1952)〕,DMEM培地〔ヴィロロジ
ー(Virology),8巻,396(1959)〕,RPMI
1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・
メディカル・アソシエーション(The Journal of the A
merican Medical Association)199巻,519(19
67)〕,199培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソ
サイエティ・フォー・ザ・バイオロジカル・メディスン
(Proceeding ofthe Society for the Biological Medi
cine),73巻,1(1950)〕などが用いられる。p
Hは約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30℃
〜40℃で約15〜60時間行ない、必要に応じて通気
や撹拌を加える。以上のようにして、形質転換体の細胞
内、細胞膜または細胞外に本発明のポリペプチドを生成
せしめることができる。
【0040】上記培養物から本発明のポリペプチドを分
離精製するには、例えば、下記の方法により行なうこと
ができる。本発明のポリペプチドを培養菌体あるいは細
胞から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体
あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超
音波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって
菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過によ
りポリペプチドの粗抽出液を得る方法などが適宜用いら
れる。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白質
変性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤が
含まれていてもよい。培養液中にポリペプチドが分泌さ
れる場合には、培養終了後、公知の方法で菌体あるいは
細胞と上清とを分離し、上清を集める。このようにして
得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれるポリペ
プチドの精製は、公知の分離・精製法を適切に組み合わ
せて行なうことができる。これらの公知の分離、精製法
としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方
法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子
量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィー
などの荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマ
トグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相
高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用す
る方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する
方法などが用いられる。
【0041】このようにして得られるポリペプチドが遊
離体で得られた場合には、公知の方法あるいはそれに準
じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得
られた場合には公知の方法あるいはそれに準じる方法に
より、遊離体または他の塩に変換することができる。な
お、組換え体が産生するポリペプチドを、精製前または
精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、
任意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去す
ることもできる。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリ
プシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダー
ゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いら
れる。このようにして生成する本発明のポリペプチドの
存在または活性は、特異抗体を用いたエンザイムイムノ
アッセイなどにより測定することができる。
【0042】本発明のポリペプチドに対する抗体は、本
発明のポリペプチドを認識し得る抗体であれば、ポリク
ローナル抗体、モノクローナル抗体の何れであってもよ
いが、モノクローナル抗体がより好ましい。本発明のポ
リペプチドに対する抗体は、本発明のポリペプチドを抗
原として用い、公知の抗体または抗血清の製造法に従っ
て製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクローナル抗体産生細胞の作製 本発明のポリペプチドは、温血動物に対して投与により
抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤
とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高める
ため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイント
アジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎
に1回ずつ、計2〜10回程度行われることが好まし
い。用いられる温血動物としては、例えば、サル、ウサ
ギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤ
ギ、ニワトリが挙げられるが、マウスおよびラットが好
ましく用いられる。モノクローナル抗体産生細胞の作製
に際しては、抗原で免疫された温血動物、例えばマウス
から抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5
日後に脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる
抗体産生細胞を同種または異種動物の骨髄腫細胞と融合
させることにより、モノクローナル抗体産生ハイブリド
ーマを調製することができる。抗血清中の抗体価の測定
は、例えば、後記の標識化ポリペプチドと抗血清とを反
応させたのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定する
ことにより行なうことができる。融合操作は既知の方
法、例えば、ケーラーとミルスタインの方法〔ネイチャ
ー(Nature)、256、495 (1975)〕に従い実施することが
できる。融合促進剤としては、例えば、ポリエチレング
リコール(PEG)やセンダイウィルスなどが挙げられ
るが、好ましくはPEGが用いられる。
【0043】骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、
P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の骨髄
腫細胞が挙げられるが、P3U1が好ましく用いられ
る。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細
胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、
PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)
が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、
好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベート
することにより効率よく細胞融合を実施できる。モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには
種々の方法が使用できるが、例えば、ポリペプチド抗原
を直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイ
クロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次
に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗
体(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウ
ス免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテイン
Aを加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出す
る方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸
着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射
性物質や酵素などで標識したポリペプチドを加え、固相
に結合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙
げられる。モノクローナル抗体の選別は、公知あるいは
それに準じる方法に従って行なうことができる。通常H
AT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を
添加した動物細胞用培地で行なうことができる。選別お
よび育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できる
ものならばどのような培地を用いても良い。例えば、1
〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含む
RPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含
むGIT培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリ
ドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬
(株))などを用いることができる。培養温度は、通常
20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間であ
る。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができ
る。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清
中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0044】(b)モノクローナル抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、公知の方法、例え
ば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコ
ール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体
(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過
法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテ
インGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合
を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行なう
ことができる。
【0045】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、公知あるいはそれに準じる方法に
従って製造することができる。例えば、免疫抗原(本発
明のポリペプチド抗原)自体、あるいはそれとキャリア
ー蛋白質との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗
体の製造法と同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動
物から本発明のポリペプチドに対する抗体含有物を採取
して、抗体の分離精製を行なうことにより製造すること
ができる。温血動物を免疫するために用いられる免疫抗
原とキャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋
白質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、
キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体
が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率で架
橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミンやウシ
サイログロブリン、ヘモシアニン等を重量比でハプテン
1に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合
でカプルさせる方法が用いられる。また、ハプテンとキ
ャリアーのカプリングには、種々の縮合剤を用いること
ができるが、グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マ
レイミド活性エステル、チオール基、ジチオビリジル基
を含有する活性エステル試薬等が用いられる。縮合生成
物は、温血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ
自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に
際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュ
バントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよ
い。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜1
0回程度行なわれる。ポリクローナル抗体は、上記の方
法で免疫された温血動物の血液、腹水など、好ましくは
血液から採取することができる。抗血清中のポリクロー
ナル抗体価の測定は、上記の抗血清中の抗体価の測定と
同様にして測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製
は、上記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫
グロブリンの分離精製法に従って行なうことができる。
本発明のポリペプチドに対する抗体(以下、「本発明の
抗体」と称することもある。)としては、例えば、SLIP
-longおよびSLIP-shortの部分配列:Glu-Pro-Gly-Ala-G
ly-Pro-Gly-Pro-Pro-Gly(配列番号:31)を認識する
抗体が用いられる。
【0046】以下に、本発明のポリペプチド、本発明の
ポリペプチドをコードするDNA(以下、「本発明のD
NA」と称することもある。)、本発明の抗体の用途を
説明する。
【0047】〔1〕本発明のポリペプチドが関与する各
種疾病の治療・予防剤 (1)本発明のSLIP-longもしくはそのアミド、エステ
ルまたはそれらの塩は、例えば、カスパーゼ(特にカス
パーゼ3、カスパーゼ7などの下位カスパーゼ)阻害活
性、アポトーシス阻害活性、TRAF(Tumor Necrosis Rece
ptor AssociatedFactor)結合活性、RIP(Receptor Inte
racting Protein)結合活性、RPR(apotosis-inducing p
rotein of Drosophia, Reaper)結合活性などの生理活性
を有しているので、本発明のSLIP-longをコードするD
NAに異常がある場合や、欠損している場合あるいは本
発明のSLIP-longの発現量が減少している場合には、ア
ポトーシスに異常をきたす種々の疾病が発症する。した
がって、本発明のSLIP-longおよび本発明のSLIP-longを
コードするDNAは、例えば、アポトーシスに異常をき
たす種々の疾病(例えば、アルツハイマー病気、自己免
疫疾患など)の治療・予防剤などの医薬として使用する
ことができる。例えば、生体内において本発明のSLIP-l
ongが減少あるいは欠損しているために、細胞における
カスパーゼ阻害活性などが十分に、あるいは正常に発揮
されない患者がいる場合に、(イ)本発明のSLIP-long
をコードするDNAを該患者に投与し、生体内で本発明
のSLIP-longを発現させることによって、(ロ)細胞に
本発明のSLIP-longをコードするDNAを挿入し、本発
明のSLIP-longを発現させた後に、該細胞を患者に移植
することによって、または(ハ)本発明のSLIP-longを
該患者に投与することなどによって、該患者における本
発明のSLIP-longの役割を十分に、あるいは正常に発揮
させることができる。 (2)本発明のSLIP-ringもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはそれらの塩は、例えば、エトポシド
刺激によるアポトーシスを促進する活性(より具体的に
は、HEK293細胞に対するエトポシド刺激によるア
ポトーシスを促進する活性)などの生理活性を有してい
るので、本発明のSLIP-ringをコードするDNAに異常
があったり、欠損している場合あるいは本発明のSLIP-r
ingの発現量が減少している場合には、癌などの疾病が
発症する。したがって、本発明のSLIP-ringおよび本発
明のSLIP-ringをコードするDNAは、例えば、各種癌
(例、子宮体癌、子宮内膜腫瘍、乳癌、大腸癌、直腸
癌、前立腺癌、肺癌、胃癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱
癌、黒色腫等)の治療・予防剤などの医薬として使用す
ることができる。例えば、生体内において本発明のSLIP
-ringが減少あるいは欠損しているために、細胞におけ
るSLIP-ringの機能が十分に、あるいは正常に発揮され
ない患者がいる場合に、(イ)本発明のSLIP-ringをコ
ードするDNAを該患者に投与し、生体内で本発明のSL
IP-ringを発現させることによって、(ロ)細胞に本発
明のSLIP-ringをコードするDNAを挿入し、本発明のS
LIP-ringを発現させた後に、該細胞を患者に移植するこ
とによって、または(ハ)本発明のSLIP-ringを該患者
に投与することなどによって、該患者における本発明の
SLIP-ringの役割を十分に、あるいは正常に発揮させる
ことができる。
【0048】本発明のDNA、特にSLIP-longをコード
するDNA、またはSLIP-ringをコードするDNAを上
記の治療・予防剤として使用する場合は、該DNAを単
独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベ
クター、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベク
ターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従
って、ヒトまたは温血動物に投与することができる。本
発明のDNAは、そのままで、あるいは摂取促進のため
の補助剤などの生理学的に認められる担体とともに製剤
化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテ
ーテルによって投与できる。本発明のポリペプチドを上
記の治療・予防剤として使用する場合は、少なくとも9
0%、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以
上、さらに好ましくは99%以上に精製されたものを使
用するのが好ましい。
【0049】本発明のポリペプチド特にSLIP-longまた
はSLIP-ringもしくはそれらのアミドもしくはエステル
またはそれらの塩は、例えば、必要に応じて糖衣を施し
た錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル
剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の
薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤
などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、本
発明のポリペプチドを生理学的に認められる担体、香味
剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などと
ともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量
形態で混和することによって製造することができる。こ
れら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な
用量が得られるようにするものである。錠剤、カプセル
剤などに混和することができる添加剤としては、例え
ば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビア
ゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形
剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのよう
な膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、
ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパー
ミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤など
が用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合に
は、前記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を
含有することができる。注射のための無菌組成物は注射
用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油な
どのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させる
などの通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ
糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビ
トール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)など
が挙げられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール
(例えば、エタノールなど)、ポリアルコール(例え
ば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールな
ど)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート
80TM、HCO−50など)などと併用してもよい。油
性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが挙げら
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、
リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液など)、無痛化
剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインな
ど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチ
レングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアル
コール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合して
もよい。調製された注射液は、通常、適当なアンプルに
充填される。本発明のDNAが挿入されたベクターも上
記と同様に製剤化され、通常、非経口的に使用される。
【0050】このようにして得られる製剤は、安全で低
毒性であるので、例えば、温血動物(例えば、ヒト、ラ
ット、マウス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーな
ど)に対して投与することができる。本発明のポリペプ
チドの投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなど
により差異はあるが、例えば、アポトーシス異常疾患の
治療目的で本発明のSLIP-longを経口投与する場合、一
般的に成人(60kgとして)においては、一日につき
SLIP-longを約0.1mg〜100mg、好ましくは約
1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg
投与する。非経口的に投与する場合は、SLIP-longの1
回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なる
が、例えば、アポトーシス異常疾患の治療目的で本発明
のSLIP-longを注射剤の形で成人(体重60kgとし
て)に投与する場合、一日につきSLIP-longを約0.0
1〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程
度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を患部に注
射することにより投与するのが好都合である。他の動物
の場合も、60kg当たりに換算した量を投与すること
ができる。また、癌の治療目的で本発明のSLIP-ringを
経口投与する場合、一般的に成人(60kgとして)に
おいては、一日につきSLIP-ringを約0.1mg〜100
mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは
約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合
は、SLIP-ringの1回投与量は投与対象、対象疾患など
によっても異なるが、例えば、癌の治療目的で本発明の
SLIP-ringを注射剤の形で成人(体重60kgとして)
に投与する場合、一日につきSLIP-ringを約0.01〜
30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、よ
り好ましくは約0.1〜10mg程度を患部に注射する
ことにより投与するのが好都合である。他の動物の場合
も、60kg当たりに換算した量を投与することができ
る。
【0051】〔2〕疾病に対する医薬候補化合物のスク
リーニング (1)本発明のSLIP-longは、カスパーゼ(特にカスパ
ーゼ3、カスパーゼ7などの下位カスパーゼ)阻害活
性、アポトーシス阻害活性、TRAF(Tumor NecrosisRecep
tor Associated Factor)結合活性、RIP(Receptor Inte
racting Protein)結合活性、RPR(apotosis-inducing p
rotein of Drosophia, Reaper)結合活性などを有するた
め、本発明のSLIP-longの機能(例えば、カスパーゼ
(特にカスパーゼ3、カスパーゼ7などの下位カスパー
ゼ)阻害活性、アポトーシス阻害活性、TRAF(Tumor Nec
rosis Receptor Associated Factor)結合活性、RIP(Re
ceptorInteracting Protein)結合活性、RPR(apotosis-
inducing protein of Drosophia, Reaper)結合活性な
ど)を阻害する化合物またはその塩は、各種癌(例、子
宮体癌、子宮内膜腫瘍、乳癌、大腸癌、直腸癌、前立腺
癌、肺癌、胃癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、黒色腫
等)などの治療・予防剤などの医薬として使用できる。
また、本発明のSLIP-longの機能(例えば、カスパーゼ
(特にカスパーゼ3、カスパーゼ7などの下位カスパー
ゼ)阻害活性、アポトーシス阻害活性、TRAF(Tumor Nec
rosis Receptor Associated Factor)結合活性、RIP(Re
ceptor Interacting Protein)結合活性、RPR(apotosis
-inducing protein of Drosophia, Reaper)結合活性な
ど)を促進する化合物またはその塩は、アポトーシス異
常疾患などの治療・予防剤などの医薬として使用でき
る。 (2)本発明のSLIP-ringは、エトポシド刺激によるア
ポトーシスを促進する活性などを有するため、本発明の
SLIP-ringの機能を促進する化合物またはその塩は、各
種癌(例、子宮体癌、子宮内膜腫瘍、乳癌、大腸癌、直
腸癌、前立腺癌、肺癌、胃癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱
癌、黒色腫等)などの治療・予防剤などの医薬として使
用できる。また、本発明のSLIP-ringの機能を阻害する
化合物またはその塩は、アポトーシス異常疾患などの治
療・予防剤などの医薬として使用できる。
【0052】したがって、本発明のポリペプチド、特に
SLIP-longまたはSLIP-ringもしくはそれらのアミドもし
くはそれらのエステルまたはそれらの塩、または本発明
のDNA、特にSLIP-longをコードするDNAまたはSLI
P-ringをコードするDNAは、本発明のポリペプチドの
機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリ
ーニングのためのプローブとしても有用である。すなわ
ち、本発明は、本発明のポリペプチドを用いることを特
徴とする本発明のポリペプチドの機能を促進または阻害
する活性を有する化合物のスクリーニング方法などを提
供する。具体的には、例えば、 本発明のポリペプチドの遺伝子を発現する能力を有す
る細胞を試験化合物の存在下に培養し、本発明のポリペ
プチドをコードするDNAもしくはその相補DNAまた
はその部分DNAを用いて本発明のポリペプチドをコー
ドするmRNAの量を測定することを特徴とする本発明
のポリペプチドの機能を促進または阻害する活性を有す
る化合物またはその塩のスクリーニング方法、より具体
的には、 (i)本発明のポリペプチドの遺伝子を発現する能力
を有する細胞を培養した場合の本発明のポリペプチドの
mRNAの発現量と、(ii)本発明のポリペプチドの
遺伝子を発現する能力を有する細胞を試験化合物の存在
下に培養した場合の本発明のポリペプチドのmRNAの
量との比較を行うことを特徴とする、本発明のポリペプ
チドの機能を促進または阻害する活性を有する化合物ま
たはその塩のスクリーニング方法を提供する。 本発明のポリペプチドの遺伝子を発現する能力を有する
細胞としては、例えば、前記した公知の温血動物細胞
や、本発明のポリペプチドの遺伝子を導入し形質転換し
た動物細胞などがあげられる。本発明のポリペプチドの
遺伝子を導入し形質転換した動物細胞は上述の方法によ
り製造できる。本発明のポリペプチドの遺伝子を発現す
る能力を有する細胞の培養は、公知の動物細胞培養法と
同様にして行われる。例えば、培地としては、約5〜2
0%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイエンス(Scie
nce),122巻,501(1952)〕,DMEM培地
〔ヴィロロジー(Virology),8巻,396(195
9)〕,RPMI 1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ
・アメリカン・メディカル・アソシエーション(The Jo
urnal of the American Medical Association)199
巻,519(1967)〕,199培地〔プロシージング
・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バイオロジカ
ル・メディスン(Proceeding of the Society for the
Biological Medicine),73巻,1(1950)〕等が
用いられる。pHは約6〜8であるのが好ましい。培養
は通常約30〜40℃で約15〜60時間行ない、必要
に応じて通気や撹拌を加えてもよい。
【0053】mRNAの発現量の比較をハイブリダイゼ
ーション法によって行うには、公知の方法あるいはそれ
に準じる方法、例えば、モレキュラー・クローニング
(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Col
d Spring Harbor Lab. Press,1989)に記載の方法等に
従って行なうことができる。具体的には、本発明のポリ
ペプチドをコードするmRNAの量の測定は、公知の方
法に従って細胞から抽出したRNAと本発明のポリペプ
チドの遺伝子をコードするDNAもしくはその相補DN
Aまたはその部分DNAとを接触させ、本発明のポリペ
プチドの遺伝子DNAまたはその相補DNAに結合した
mRNAの量を測定することによって行われる。本発明
のポリペプチドの遺伝子DNAの相補DNAまたはその
部分DNAを、例えば放射性同位元素、色素などで標識
することによって、本発明のポリペプチドの遺伝子DN
Aの相補DNAに結合したmRNAの量が容易に測定で
きる。放射性同位元素としては、例えば32P、Hな
どが用いられ、色素としては、例えばfluorescein、F
AM(PE Biosystems社製)、JOE(PE Biosystems社
製)、TAMRA(PE Biosystems社製)、ROX(PE
Biosystems社製)、Cy5(Amersham社製)、Cy3
(Amersham社製)などの蛍光色素が用いられる。また、
本発明のポリペプチドのmRNAの量は、細胞から抽出
したRNAを逆転写酵素によってcDNAに変換した
後、本発明のポリペプチドの遺伝子をコードするDNA
もしくはその相補DNAまたはその部分DNAをプライ
マーとして用いるPCRによって、増幅されるcDNA
の量を測定することによって行うことができる。本発明
のポリペプチドのmRNAの量の測定に用いられる本発
明のポリペプチドの遺伝子DNAの相補DNAとして
は、本発明のポリペプチドの遺伝子DNA(上鎖)に相
補的な配列を有するDNA(下鎖)があげられる。本発
明のポリペプチドの遺伝子DNAの部分DNAとして
は、例えば本発明のポリペプチドの遺伝子DNAの塩基
配列中、連続した10〜2200個、好ましくは10〜
300個、さらに好ましくは10〜30個、特に好まし
くは10〜20個の塩基から構成される塩基配列があげ
られる。本発明のポリペプチドの遺伝子DNAの相補的
DNAの部分DNAとしては、例えば前記した本発明の
ポリペプチドをコードするDNAの部分DNAに相補的
な配列を有するDNAがあげられる。即ち、例えば本発
明のポリペプチドの遺伝子DNAの塩基配列中、連続し
た10〜2200個、好ましくは10〜300個、さら
に好ましくは10〜30個特に好ましくは10〜20個
の塩基から構成される塩基配列に相補的な配列を有する
DNAがあげられる。
【0054】さらに詳しくは、本発明のポリペプチドの
mRNA量の測定は、具体的には以下のようにして行な
うことができる。 (i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物(例え
ば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネ
コ、イヌ、サルなど、より具体的には肥満マウス、動脈
硬化マウス、動脈硬化ウサギ、担癌マウスなど)に対し
て、薬剤(例えば、血圧低下薬、抗癌剤、抗肥満薬、抗
高脂血症薬など)あるいは物理的ストレス(例えば、浸
水ストレス、電気ショック、明暗、低温など)などを与
え、一定時間経過した後に、血液、あるいは特定の臓器
(例えば、脳、肝臓、腎臓など)、または臓器から単離
した組織、あるいは細胞を得る。得られた細胞に含まれ
る本発明のポリペプチドのmRNAは、例えば、通常の
方法により細胞等からmRNAを抽出し、例えばTaqMan
PCRなどの手法を用いることにより定量することがで
き、公知の手段によりノザンブロットを行うことにより
解析することもできる。 (ii)本発明のポリペプチドを発現する形質転換体を前
述の方法に従い作製し、該形質転換体に含まれる本発明
のポリペプチドのmRNAを同様にして定量、解析する
ことができる。本発明のポリペプチドのmRNAの量を
増加させる試験化合物を、本発明のポリペプチドの遺伝
子の発現を促進する活性を有する化合物として選択する
ことができる。また、本発明のポリペプチドのmRNA
の量を減少させる試験化合物を、本発明のポリペプチド
の遺伝子の発現を阻害する活性を有する化合物として選
択することができる。
【0055】また、本発明は、 本発明のポリペプチドの公知プロモーターやエンハン
サー領域をゲノムDNAよりクローニングし、適当なレ
ポーター遺伝子の上流に連結させたDNAで形質転換し
た細胞(例えば、脂肪細胞、マクロファージ、骨格筋細
胞など)を試験化合物の存在下で培養し、本発明のポリ
ペプチドの発現に代えてレポーター遺伝子の発現を検出
することを特徴とする、本発明のポリペプチドの機能を
促進または阻害する活性を有する化合物またはその塩の
スクリーニング方法を提供する。レポーター遺伝子とし
ては、例えば、lacZ(β−ガラクトシダーゼ遺伝
子)などの染色マーカー遺伝子等などが用いられる。レ
ポーター遺伝子産物(例、mRNA、ポリペプチド)の
量を公知の方法を用いて測定することによって、レポー
ター遺伝子産物の量を増加させる試験化合物を本発明の
ポリペプチドの遺伝子の発現を促進する活性を有する化
合物として、レポーター遺伝子産物の量を減少させる試
験化合物を、本発明のポリペプチドの遺伝子の発現を阻
害する化合物として選択できる。細胞の培養は、上記し
た公知の動物細胞培養と同様に行うことができる。
【0056】さらに、本発明は (i)本発明のSLIP-longを大腸菌に発現させ、それ
を精製した後、本発明のSLIP-longのカスパーゼ活性と
(ii) 本発明のSLIP-longと一緒に試験化合物を添加し
た場合のカスパーゼ活性を、市販のカスパーゼ活性測定
キット(PharMingen社)等を用いて、添付プロトコールど
おりに測定し、比較を行うことを特徴とする本発明のSL
IP-longの機能を促進または阻害する活性を有する化合
物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。例え
ば、上記(ii)の場合におけるカスパーゼ阻害活性が上
記(i)の場合に比べて、約20%以上、好ましくは3
0%以上、より好ましくは約50%以上上昇させる試験
化合物を本発明のSLIP-longの機能を促進する化合物と
して選択することができる。また、上記(ii)の場合に
おけるカスパーゼ阻害活性が上記(i)の場合に比べ
て、20%以上、好ましくは30%以上、より好ましく
は50%以上、特に好ましくは70%以上下降させる試
験化合物を本発明のSLIP-longポリペプチドの機能を阻
害する化合物として選択することができる。また、本発
明は、i)SLIP-ringを発現させたHEK細胞に、エトポシ
ド刺激によりアポトーシスを誘導した時のアポトーシス
促進活性とii) 当該SLIP-ring発現HEK細胞に試験化合物
を接触させた時のエトポシド刺激によるアポトーシス促
進活性を測定し、比較を行うことを特徴とする本発明の
SLIP-ringの機能を促進または阻害する活性を有する化
合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。例
えば、上記(ii)の場合におけるアポトーシス促進活性
が上記(i)の場合に比べて、20%以上、好ましくは
30%以上、より好ましくは50%以上、特に好ましく
は70%以上上昇させる試験化合物を本発明のSLIP-rin
gの機能を促進する化合物として選択することができ
る。また、上記(ii)の場合におけるアポトーシス促進
活性が上記(i)の場合に比べて、約20%以上、好ま
しくは30%以上、より好ましくは約50%以上下降さ
せる試験化合物を本発明のSLIP-ringポリペプチドの機
能を阻害する化合物として選択することができる。アポ
トーシス促進活性は、例えば、細胞工学別冊 実験プロ
トコールシリーズ,アポトーシス実験プロトコール(19
94年12月20日発行、秀潤社)などに従って、アポトーシ
スの形態学的解析または生化学的解析を行なうことによ
って測定することができる。アポトーシスの形態学的解
析法としては、例えば、光学顕微鏡によるアポトーシス
観察(例、位相差顕微鏡による観察,色素染色による浮
遊または接着細胞の観察,蛍光染色による観察などの細
胞形態の観察、パラフィン切片の作製,ヘマトキシリン
・エオジン染色標本の作製などの組織形態の観察な
ど)、電子顕微鏡によるアポトーシスの観察(例、薄片
作製および電子染色法など)などが用いられる。アポト
ーシスの生化学的解析法としては、例えば、DNA断片
化の解析(例、アガロースゲル電気泳動法など)、細胞
死の判定法(例、クリスタルバイオレット法、MTT
法、LDH法など)などが用いられる。
【0057】さらに、本発明は、 本発明のポリペプチドの遺伝子を発現する能力を有す
る細胞を試験化合物の存在下に培養し、本発明のポリペ
プチドの抗体を用いて本発明のポリペプチドの発現量を
測定することを特徴とする本発明のポリペプチドの機能
を促進または阻害する活性を有する化合物またはその塩
のスクリーニング方法、より具体的には、 (i)本発明のポリペプチドの遺伝子を発現する能力
を有する細胞を培養した場合の本発明のポリペプチドの
発現量と、(ii)本発明のポリペプチドの遺伝子を発
現する能力を有する細胞を試験化合物の存在下に培養し
た場合の本発明のポリペプチドの発現量とを本発明のポ
リペプチドの抗体を用いて測定し、比較することを特徴
とする、本発明のポリペプチドの機能を促進または阻害
する活性を有する化合物またはその塩のスクリーニング
方法を提供する。本発明のポリペプチドの抗体は前記し
た方法により製造できる。細胞の培養は、上記した公知
の動物細胞培養と同様に行うことができる。また、本発
明のポリペプチドの発現量は、下記〔3〕に示した本発
明のポリペプチドの定量法にしたがって定量することが
できる。
【0058】すなわち、より具体的には (i)本発明のポリペプチドの遺伝子を発現する能力
を有する細胞を培養し、本発明のポリペプチドの抗体
と、該培養液(被検液)および標識化された本発明のポ
リペプチドとを競合的に反応させた場合と、(ii)本
発明のポリペプチドの遺伝子を発現する能力を有する細
胞を試験化合物の存在下に培養し、本発明のポリペプチ
ドの抗体と、該培養液(被検液)および標識化された本
発明のポリペプチドとを競合的に反応させた場合との、
該抗体に結合した標識化された本発明のポリペプチドの
割合を比較を行うことを特徴とする、本発明のポリペプ
チドの機能を促進または阻害する活性を有する化合物ま
たはその塩のスクリーニング方法、 (i)本発明のポリペプチドの遺伝子を発現する能力
を有する細胞を培養し、該培養液(被検液)と担体上に
不溶化した本発明のポリペプチドの抗体および標識化さ
れた本発明の別の抗体とを同時あるいは連続的に反応さ
せた場合と、(ii)本発明のポリペプチドの遺伝子を
発現する能力を有する細胞を試験化合物の存在下に培養
し、該培養液(被検液)と担体上に不溶化した本発明の
ポリペプチドの抗体および標識化された本発明の別の抗
体とを同時あるいは連続的に反応させた場合との不溶化
担体上の標識剤の活性を測定することを特徴とする、本
発明のポリペプチドの機能を促進または阻害する活性を
有する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供
する。上記の方法においては、一方の抗体が本発明の
ポリペプチドのN端部を認識する抗体で、他方の抗体が
本発明のポリペプチドのC端部に反応する抗体であるこ
とが望ましい。上記したスクリーニング方法において、
試験化合物としては、例えば、ペプチド、タンパク、非
ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出
液、植物抽出液、動物組織抽出液などが挙げられ、これ
ら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合
物であってもよい。
【0059】本発明のスクリーニング用キットは、本発
明のポリペプチドの遺伝子を発現する能力を有する細
胞、標識された本発明のポリペプチド、本発明のポリペ
プチドの抗体などを含有するものである。
【0060】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから
選ばれた化合物であり、本発明のポリペプチドの機能を
促進または阻害する活性を有する化合物である。該化合
物の塩としては、前記した本発明のポリペプチドの塩と
同様のものが用いられる。
【0061】本発明のSLIP-longの機能(例えば、カス
パーゼ(特にカスパーゼ3、カスパーゼ7などの下位カ
スパーゼ)阻害活性、アポトーシス阻害活性、TRAF(Tum
or Necrosis Receptor Associated Factor)結合活性、R
IP(Receptor Interacting Protein)結合活性、RPR(ap
otosis-inducing protein of Drosophia, Reaper)結合
活性など)を促進する活性を有する化合物は、例えば、
アポトーシス異常疾患(例えば、アルツハイマー病、自
己免疫疾患)に対する治療・予防剤などの医薬として使
用できる。本発明のSLIP-longの機能を阻害する活性を
有する化合物は、例えば、各種癌(例、子宮体癌、子宮
内膜腫瘍、乳癌、大腸癌、直腸癌、前立腺癌、肺癌、胃
癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、黒色腫等)などの疾病
に対する治療・予防剤などの医薬として使用できる。本
発明のSLIP-ringの機能(例えば、エトポシド刺激によ
るアポトーシスを促進する活性)を促進する活性を有す
る化合物は、例えば、各種癌(例、子宮体癌、子宮内膜
腫瘍、乳癌、大腸癌、直腸癌、前立腺癌、肺癌、胃癌、
腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、黒色腫等)などの疾病に対
する治療・予防剤などの医薬として使用できる。本発明
のSLIP-ringの機能を阻害する活性を有する化合物は、
例えば、アポトーシス異常疾患(例えば、アルツハイマ
ー病、自己免疫疾患)に対する治療・予防剤などの医薬
として使用できる。
【0062】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物を上述の治療
・予防剤として使用する場合、常套手段に従って実施す
ることができる。例えば、前記した本発明のポリペプチ
ドを含有する医薬と同様にして、錠剤、カプセル剤、エ
リキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液
剤などとして、経口的または非経口的に投与することが
できる。このようにして得られる製剤は安全で低毒性で
あるので、例えば、温血動物(例えば、ヒト、マウス、
ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネ
コ、イヌ、サル、チンパンジーなど)に対して投与する
ことができる。該化合物またはその塩の投与量は、その
作用、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異
はあるが、例えば、癌治療の目的で本発明のSLIP-long
の機能を阻害する化合物を経口投与する場合、一般的に
成人(体重60kgとして)においては、一日につき該
化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜
50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与す
る。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量
は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例え
ば、癌治療の目的で本発明のSLIP-longの機能を阻害す
る化合物を注射剤の形で通常成人(60kgとして)に
投与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30
mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好
ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与
するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当
たりに換算した量を投与することができる。
【0063】また、癌治療の目的で本発明のSLIP-ring
の機能を促進する化合物を経口投与する場合、一般的に
成人(体重60kgとして)においては、一日につき該
化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜
50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与す
る。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量
は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例え
ば、癌治療の目的で本発明のSLIP-ringの機能を促進す
る化合物を注射剤の形で通常成人(60kgとして)に
投与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30
mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好
ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与
するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当
たりに換算した量を投与することができる。
【0064】〔3〕本発明のポリペプチドの塩の定量 本発明のポリペプチドに対する抗体(以下、本発明の抗
体と略記する場合がある)は、本発明のポリペプチドを
特異的に認識することができるので、被検液中の本発明
のポリペプチドの定量、特にサンドイッチ免疫測定法に
よる定量などに使用することができる。すなわち、本発
明は、(i)本発明の抗体と、被検液および標識化され
た本発明のポリペプチドとを競合的に反応させ、該抗体
に結合した標識化された本発明のポリペプチドの割合を
測定することを特徴とする被検液中の本発明のポリペプ
チドの定量法、および(ii)被検液と担体上に不溶化し
た本発明の抗体および標識化された本発明の別の抗体と
を同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上
の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の
本発明のポリペプチドの定量法を提供する。上記(ii)
の定量法においては、一方の抗体が本発明のポリペプチ
ドのN端部を認識する抗体で、他方の抗体が本発明のポ
リペプチドのC端部に反応する抗体であることが望まし
い。
【0065】また、本発明のポリペプチドに対するモノ
クローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体と
称する場合がある)を用いて本発明のポリペプチドの定
量を行なえるほか、組織染色等による検出を行なうこと
もできる。これらの目的には、抗体分子そのものを用い
てもよく、また、抗体分子のF(ab')2 、Fab'、あ
るいはFab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用い
る本発明のポリペプチドの定量法は、特に制限されるべ
きものではなく、被測定液中の抗原量(例えば、ポリペ
プチド量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複
合体の量を化学的または物理的手段により検出し、これ
を既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線
より算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いて
もよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメト
リック法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、
感度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用いる
のが特に好ましい。標識物質を用いる測定法に用いられ
る標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍
光物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素と
しては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、
H〕、〔14C〕などが用いられる。上記酵素とし
ては、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、
β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリ
フォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素
酵素などが用いられる。蛍光物質としては、例えば、フ
ルオレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネートな
どが用いられる。発光物質としては、例えば、ルミノー
ル、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなど
が用いられる。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との
結合にビオチン−アビジン系を用いることもできる。
【0066】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常ポリペプチドあるいは
酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を
用いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デキ
ストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレ
ン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、ある
いはガラス等が挙げられる。サンドイッチ法においては
不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応
させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモノ
クローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化
担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の
本発明のポリペプチド量を定量することができる。1次
反応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行
なってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化
剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じることがで
きる。また、サンドイッチ法による免疫測定法におい
て、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は
必ずしも1種類である必要はなく、測定感度を向上させ
る等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよ
い。本発明のサンドイッチ法による本発明のポリペプチ
ドの測定法においては、1次反応と2次反応に用いられ
る本発明のモノクローナル抗体は、本発明のポリペプチ
ドの結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられ
る。すなわち、1次反応および2次反応に用いられる抗
体は、例えば、2次反応で用いられる抗体が、本発明の
ポリペプチドのC端部を認識する場合、1次反応で用い
られる抗体は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を
認識する抗体が用いられる。
【0067】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリーなどに用いることがで
きる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体
に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原
(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B
/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液
中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶
性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、
前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、およ
び、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、
第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗
体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリック
法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識
化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離する
か、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体と
を反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体
を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次
に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を
定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは
溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量
を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈
降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用する
レーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0068】これら個々の免疫学的測定法を本発明の定
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のポリペプチドの測定系を構築すればよい。これらの
一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを
参照することができる。例えば、入江 寛編「ラジオイ
ムノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛
編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」 Vol. 70(Immunoch
emical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunoch
emical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunoch
emical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunoch
emical Techniques(Part D: Selected Immunoassay
s))、 同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part
E: Monoclonal Antibodies and General Immunoassay M
ethods))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques
(Part I: Hybridoma Technology and Monoclonal Antib
odies))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照
することができる。以上のようにして、本発明の抗体を
用いることによって、本発明のポリペプチドを感度良く
定量することができる。
【0069】さらには、本発明のSLIP-long抗体を用い
て本発明のSLIP-longの濃度を定量することによって、
本発明のSLIP-longの濃度の減少が検出された場合、例
えば、アポトーシス異常疾患である、または将来罹患す
る可能性が高いと診断することができる。逆に、本発明
のSLIP-long抗体を用いて本発明のSLIP-longの濃度を定
量することによって、本発明のSLIP-longの濃度の増加
が検出された場合、例えば、各種癌(例、子宮体癌、子
宮内膜腫瘍、乳癌、大腸癌、直腸癌、前立腺癌、肺癌、
胃癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、黒色腫等)などの疾
病である、または将来罹患する可能性が高いと診断する
ことができる。また、本発明のSLIP-ring抗体を用いて
本発明のSLIP-ringの濃度を定量することによって、本
発明のSLIP-ringの濃度の増加が検出された場合、例え
ば、アポトーシス異常疾患である、または将来罹患する
可能性が高いと診断することができる。逆に、本発明の
SLIP-ring抗体を用いて本発明のSLIP-ringの濃度を定量
することによって、本発明のSLIP-ringの濃度の減少が
検出された場合、例えば、各種癌(例、子宮体癌、子宮
内膜腫瘍、乳癌、大腸癌、直腸癌、前立腺癌、肺癌、胃
癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、黒色腫等)などの疾病
である、または将来罹患する可能性が高いと診断するこ
とができる。さらに、本発明のSLIP-long抗体とSLIP-sh
ort抗体とを用いて本発明のSLIP-longとSLIP-shortの濃
度を定量することによって、本発明のSLIP-shortに対す
るSLIP-longの存在割合の増加が検出された場合、例え
ば、各種癌(例、子宮体癌、子宮内膜腫瘍、乳癌、大腸
癌、直腸癌、前立腺癌、肺癌、胃癌、腎臓癌、神経芽
腫、膀胱癌、黒色腫等)などの疾病である、または将来
罹患する可能性が高いと診断することができる。また、
本発明の抗体は、体液や組織などの被検体中に存在する
本発明のポリペプチドを検出するために使用することが
できる。また、本発明のポリペプチドを精製するために
使用する抗体カラムの作製、精製時の各分画中の本発明
のポリペプチドの検出、被検細胞内における本発明のポ
リペプチドの挙動の分析などのために使用することがで
きる。
【0070】〔4〕遺伝子診断剤 本発明のDNAは、例えば、プローブとして使用するこ
とにより、温血動物(例えば、ヒト、ラット、マウス、
モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウ
マ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)における本
発明のポリペプチドをコードするDNAまたはmRNA
の異常(遺伝子異常)を検出することができるので、例
えば、該DNAまたはmRNAの損傷、突然変異あるい
は発現低下や、該DNAまたはmRNAの増加あるいは
発現過多などの遺伝子診断剤として有用である。本発明
のDNAを用いる上記の遺伝子診断は、例えば、公知の
ノーザンハイブリダイゼーションやPCR−SSCP法
(ゲノミックス(Genomics),第5巻,874〜879
頁(1989年)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナシ
ョナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ユ
ーエスエー(Proceedings of theNational Academy of
Sciences of the United States of America),第86
巻,2766〜2770頁(1989年))などにより
実施することができる。例えば、ノーザンハイブリダイ
ゼーションにより本発明のSLIP-longの発現低下が検出
された場合や、PCR−SSCP法により本発明のSLIP
-longをコードするDNAの突然変異が検出された場合
は、例えば、アポトーシス異常疾患である可能性が高い
と診断することができる。逆に、ノーザンハイブリダイ
ゼーションにより本発明のSLIP-longの発現増加が検出
された場合は、例えば、各種癌(例、子宮体癌、子宮内
膜腫瘍、乳癌、大腸癌、直腸癌、前立腺癌、肺癌、胃
癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、黒色腫等)などの疾病
である可能性が高いと診断することができる。また、ノ
ーザンハイブリダイゼーションにより本発明のSLIP-rin
gの発現低下が検出された場合や、PCR−SSCP法
により本発明のSLIP-ringをコードするDNAの突然変
異が検出された場合は、例えば、各種癌(例、子宮体
癌、子宮内膜腫瘍、乳癌、大腸癌、直腸癌、前立腺癌、
肺癌、胃癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、黒色腫等)な
どの疾病である可能性が高いと診断することができる。
逆に、ノーザンハイブリダイゼーションにより本発明の
SLIP-ringの発現増加が検出された場合は、例えば、ア
ポトーシス異常疾患である可能性が高いと診断すること
ができる。さらに、本発明のSLIP-longをコードするD
NAと本発明のSLIP-shortをコードするDNAとを用い
たノーザンハイブリダイゼーションにより、本発明のSL
IP-longの発現増加が検出された場合は、例えば、各種
癌(例、子宮体癌、子宮内膜腫瘍、乳癌、大腸癌、直腸
癌、前立腺癌、肺癌、胃癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱
癌、黒色腫等)などの疾病である可能性が高いと診断す
ることができる。
【0071】〔5〕アンチセンス・ポリヌクレオチドを
含有する医薬 本発明のポリヌクレオチド(例、DNA)に相補的に結
合し、該ポリヌクレオチド(例、DNA)の発現を抑制
することができる本発明のアンチセンス・ポリヌクレオ
チドは低毒性であり、生体内における本発明のポリペプ
チドまたは本発明のポリヌクレオチド(例、DNA)の
機能を抑制することができるので、例えば、本発明のポ
リペプチドの過剰発現に起因する疾患の予防・治療剤と
して用いることができる。例えば、本発明のSLIP-long
をコードするDNAに対する本発明のアンチセンス・ポ
リヌクレオチドは、例えば、各種癌(例、子宮体癌、子
宮内膜腫瘍、乳癌、大腸癌、直腸癌、前立腺癌、肺癌、
胃癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、黒色腫等)などの疾
病に対する治療・予防剤などの医薬として使用できる。
また、本発明のSLIP-ringをコードするDNAに対する
本発明のアンチセンス・ポリヌクレオチドは、例えば、
アポトーシス異常疾患(例えば、アルツハイマー病、自
己免疫疾患)に対する治療・予防剤などの医薬として使
用できる。上記アンチセンス・ポリヌクレオチドを上記
の治療・予防剤として使用する場合は、該アンチセンス
・ポリヌクレオチドを、上記した本発明のポリヌクレオ
チドの場合と同様にして製剤化することができる。この
ようにして得られる製剤は低毒性であり、ヒトまたは非
ヒト哺乳動物(例、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウ
シ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して経口的または非経
口的に投与することができる。なお、該アンチセンス・
ポリヌクレオチドは、そのままで、あるいは摂取促進用
の補助剤などの生理学的に認められる担体とともに、遺
伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルに
よって投与することもできる。該アンチセンス・ポリヌ
クレオチドの投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルー
トなどにより異なるが、例えば、癌の治療の目的で本発
明のSLIP-longをコードするDNAに対するアンチセン
ス・ヌクレオチドを臓器(例、肝臓、肺、心臓、腎臓な
ど)に局所投与する場合、成人(体重60 kg)に対し
て、一日あたり約0.1〜100 mgであることが好まし
い。さらに、該アンチセンス・ポリヌクレオチドは、組
織や細胞における本発明のDNAの存在やその発現状況
を調べるための診断用オリゴヌクレオチドプローブとし
て使用することもできる。
【0072】本発明は、さらに 本発明のペプチドをコードするRNAの一部とそれに
相補的なRNAとを含有する二重鎖RNA、 前記二重鎖RNAを含有してなる医薬、 本発明のペプチドをコードするRNAの一部を含有す
るリボザイム、 前記リボザイムを含有してなる医薬を提供する。 これらの二重鎖RNA(RNAi;RNA interference法)、
リボザイムなどは、上記アンチセンス・ポリヌクレオチ
ドと同様に、本発明のポリヌクレオチド(例、DNA)
の発現を抑制することができ、生体内における本発明の
ポリペプチドまたは本発明のポリヌクレオチド(例、D
NA)の機能を抑制することができるので、例えば、本
発明のポリペプチドの過剰発現に起因する疾患の予防・
治療剤として用いることができる。二重鎖RNAは、公
知の方法(例、Nature, 411巻, 494頁, 2001年)に準じ
て、本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計して製
造することができる。リボザイムは、公知の方法(例、
TRENDS in Molecular Medicine, 7巻, 221頁, 2001年)
に準じて、本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計
して製造することができる。例えば、本発明のポリペプ
チドをコードするRNAの一部に公知のリボザイムを連
結することによって製造することができる。本発明のポ
リペプチドをコードするRNAの一部としては、公知の
リボザイムによって切断され得る本発明のRNA上の切
断部位に近接した部分(RNA断片)が挙げられる。上
記の二重鎖RNAまたはリボザイムを上記予防・治療剤
として使用する場合、アンチセンス・ポリヌクレオチド
と同様にして製剤化し、投与することができる。
【0073】〔6〕本発明の抗体を含有する医薬 本発明のポリペプチドの活性を中和する作用を有する本
発明の抗体は、例えば、本発明のポリペプチドの過剰発
現に起因する疾患などの予防・治療薬などの医薬として
使用することができる。例えば、本発明のSLIP-longの
活性を中和する作用を有する抗体は、例えば、各種癌
(例、子宮体癌、子宮内膜腫瘍、乳癌、大腸癌、直腸
癌、前立腺癌、肺癌、胃癌、腎臓癌、神経芽腫、膀胱
癌、黒色腫等)などの疾病に対する治療・予防剤などの
医薬として使用できる。また、本発明のSLIP-ringの活
性を中和する作用を有する抗体は、例えば、アポトーシ
ス異常疾患(例えば、アルツハイマー病、自己免疫疾
患)に対する治療・予防剤などの医薬として使用でき
る。本発明の抗体を含有する上記疾患の治療・予防剤
は、そのまま液剤として、または適当な剤型の医薬組成
物として、ヒトまたは非ヒト哺乳動物(例、ラット、ウ
サギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に
対して経口的または非経口的に投与することができる。
投与量は、投与対象、対象疾患、症状、投与ルートなど
によっても異なるが、例えば、成人に使用する場合に
は、本発明の抗体を1回量として、通常0.01〜20
mg/kg体重程度、好ましくは0.1〜10mg/k
g体重程度、さらに好ましくは0.1〜5mg/kg体
重程度を、1日1〜5回程度、好ましくは1日1〜3回
程度、静脈注射により投与するのが好都合である。他の
非経口投与および経口投与の場合もこれに準ずる量を投
与することができる。症状が特に重い場合には、その症
状に応じて増量してもよい。本発明の抗体は、それ自体
または適当な医薬組成物として投与することができる。
上記投与に用いられる医薬組成物は、上記またはその塩
と薬理学的に許容され得る担体、希釈剤もしくは賦形剤
とを含むものである。かかる組成物は、経口または非経
口投与に適する剤形として提供される。すなわち、例え
ば、経口投与のための組成物としては、固体または液体
の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠、フィルムコーティン
グ錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフ
トカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤など
があげられる。かかる組成物は公知の方法によって製造
され、製剤分野において通常用いられる担体、希釈剤も
しくは賦形剤を含有するものである。例えば、錠剤用の
担体、賦形剤としては、乳糖、でんぷん、蔗糖、ステア
リン酸マグネシウムなどが用いられる。
【0074】非経口投与のための組成物としては、例え
ば、注射剤、坐剤などが用いられ、注射剤は静脈注射
剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤
などの剤形を包含する。かかる注射剤は、公知の方法に
従って、例えば、上記抗体またはその塩を通常注射剤に
用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁また
は乳化することによって調製する。注射用の水性液とし
ては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬
を含む等張液などが用いられ、適当な溶解補助剤、例え
ば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール
(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、
HCO−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of
hydrogenated castor oil)〕などと併用してもよい。
油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いら
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどを併用してもよい。調製された注射液は、通
常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられ
る坐剤は、上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に
混合することによって調製される。上記の経口用または
非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するよ
うな投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。
かかる投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル
剤、注射剤(アンプル)、坐剤などが例示され、それぞ
れの投薬単位剤形当たり通常5〜500mg、とりわけ
注射剤では5〜100mg、その他の剤形では10〜2
50mgの上記抗体が含有されていることが好ましい。
なお前記した各組成物は、上記抗体との配合により好ま
しくない相互作用を生じない限り他の活性成分を含有し
てもよい。
【0075】〔7〕DNA転移動物(トランスジェニッ
ク動物) 本発明は、外来性の本発明のポリペプチドをコードする
DNA(以下、本発明の外来性DNAと略記する)また
はその変異DNA(本発明の外来性変異DNAと略記す
る場合がある)を有する非ヒト哺乳動物を提供する。す
なわち、本発明は、(1)本発明の外来性DNAまたは
その変異DNAを有する非ヒト哺乳動物、(2)非ヒト
哺乳動物がゲッ歯動物である第(1)記載の動物、(3)
ゲッ歯動物がマウスまたはラットである第(2)記載の
動物、および(4)本発明の外来性DNAまたはその変
異DNAを含有し、哺乳動物において発現しうる組換え
ベクターを提供するものである。本発明の外来性DNA
またはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物(以下、
「本発明のDNA転移動物」とも称することがある。)
は、未受精卵、受精卵、精子およびその始原細胞を含む
胚芽細胞などに対して、好ましくは、非ヒト哺乳動物の
発生における胚発生の段階(さらに好ましくは、単細胞
または受精卵細胞の段階でかつ一般に8細胞期以前)
に、リン酸カルシウム法、電気パルス法、リポフェクシ
ョン法、凝集法、マイクロインジェクション法、パーテ
ィクルガン法、DEAE−デキストラン法などにより目
的とするDNAを転移することによって作出することが
できる。また、該DNA転移方法により、体細胞、生体
の臓器、組織細胞などに目的とする本発明の外来性DN
Aを転移し、細胞培養、組織培養などに利用することも
でき、さらに、これら細胞を上述の胚芽細胞と公知の細
胞融合法により融合させることにより本発明のDNA転
移動物を作出することもできる。
【0076】非ヒト哺乳動物としては、例えば、ウシ、
ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモッ
ト、ハムスター、マウス、ラットなどが用いられる。な
かでも、病体動物モデル系の作成の面から個体発生およ
び生物サイクルが比較的短く、また、繁殖が容易なゲッ
歯動物、とりわけマウス(例えば、純系として、C57
BL/6系統,DBA2系統など、交雑系として、B6
C3F系統,BDF系統,B6D2F系統,BA
LB/c系統,ICR系統など)またはラット(例え
ば、Wistar,SDなど)などが好ましい。哺乳動
物において発現しうる組換えベクターにおける「哺乳動
物」としては、上記の非ヒト哺乳動物の他にヒトなどが
挙げられる。本発明の外来性DNAとは、非ヒト哺乳動
物が本来有している本発明のDNAではなく、いったん
哺乳動物から単離・抽出された本発明のDNAをいう。
本発明の変異DNAとしては、元の本発明のDNAの塩
基配列に変異(例えば、突然変異など)が生じたもの、
具体的には、塩基の付加、欠損、他の塩基への置換など
が生じたDNAなどが用いられ、また、異常DNAも含
まれる。該異常DNAとしては、異常な本発明のポリペ
プチドを発現させるDNAを意味し、例えば、正常な本
発明のポリペプチドの機能を抑制するポリペプチドを発
現させるDNAなどが用いられる。本発明の外来性DN
Aは、対象とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺
乳動物由来のものであってもよい。本発明のDNAを対
象動物に転移させるにあたっては、該DNAを動物細胞
で発現させうるプロモーターの下流に結合したDNAコ
ンストラクトとして用いるのが一般に有利である。例え
ば、本発明のヒトDNAを転移させる場合、これと相同
性が高い本発明のDNAを有する各種哺乳動物(例え
ば、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラ
ット、マウスなど)由来のDNAを発現させうる各種プ
ロモーターの下流に、本発明のヒトDNAを結合したD
NAコンストラクト(例、ベクターなど)を対象哺乳動
物の受精卵、例えば、マウス受精卵へマイクロインジェ
クションすることによって本発明のDNAを高発現する
DNA転移哺乳動物を作出することができる。
【0077】本発明のポリペプチドの発現ベクターとし
ては、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミ
ド、酵母由来のプラスミド、λファージなどのバクテリ
オファージ、モロニー白血病ウィルスなどのレトロウィ
ルス、ワクシニアウィルスまたはバキュロウィルスなど
の動物ウイルスなどが用いられる。なかでも、大腸菌由
来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミドまたは酵母由
来のプラスミドなどが好ましく用いられる。上記のDN
A発現調節を行なうプロモーターとしては、例えば、
ウイルス(例、シミアンウイルス、サイトメガロウイル
ス、モロニー白血病ウイルス、JCウイルス、乳癌ウイ
ルス、ポリオウイルスなど)に由来するDNAのプロモ
ーター、各種哺乳動物(ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、
モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来の
プロモーター、例えば、アルブミン、インスリンII、
ウロプラキンII、エラスターゼ、エリスロポエチン、
エンドセリン、筋クレアチンキナーゼ、グリア線維性酸
性ポリペプチドク、グルタチオンS−トランスフェラー
ゼ、血小板由来成長因子β、ケラチンK1,K10およ
びK14、コラーゲンI型およびII型、サイクリック
AMP依存ポリペプチドキナーゼβIサブユニット、ジ
ストロフィン、酒石酸抵抗性アルカリフォスファター
ゼ、心房ナトリウム利尿性因子、内皮レセプターチロシ
ンキナーゼ(一般にTie2と略される)、ナトリウム
カリウムアデノシン3リン酸化酵素(Na,K−ATP
ase)、ニューロフィラメント軽鎖、メタロチオネイ
ンIおよびIIA、メタロプロティナーゼ1組織インヒ
ビター、MHCクラスI抗原(H−2L)、H−ra
s、レニン、ドーパミンβ−水酸化酵素、甲状腺ペルオ
キシダーゼ(TPO)、ポリペプチド鎖延長因子1α
(EF−1α)、βアクチン、αおよびβミオシン重
鎖、ミオシン軽鎖1および2、ミエリン基礎ポリペプチ
ド、チログロブリン、Thy−1、免疫グロブリン、H
鎖可変部(VNP)、血清アミロイドPコンポーネン
ト、ミオグロビン、トロポニンC、平滑筋αアクチン、
プレプロエンケファリンA、バソプレシンなどのプロモ
ーターなどが用いられる。なかでも、全身で高発現する
ことが可能なサイトメガロウイルスプロモーター、ヒト
ポリペプチド鎖延長因子1α(EF−1α)のプロモー
ター、ヒトおよびニワトリβアクチンプロモーターなど
が好適である。
【0078】上記ベクターは、DNA転移哺乳動物にお
いて目的とするメッセンジャーRNAの転写を終結する
配列(一般にターミネターと呼ばれる)を有しているこ
とが好ましく、例えば、ウィルス由来および各種哺乳動
物由来の各DNAの配列を用いることができ、好ましく
は、シミアンウィルスのSV40ターミネターなどが用
いられる。その他、目的とする外来性DNAをさらに高
発現させる目的で各DNAのスプライシングシグナル、
エンハンサー領域、真核DNAのイントロンの一部など
をプロモーター領域の5´上流、プロモーター領域と翻
訳領域間あるいは翻訳領域の3´下流 に連結すること
も目的により可能である。正常な本発明のポリペプチド
の翻訳領域は、各種哺乳動物(例えば、ヒト、ウサギ、
イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウス
など)由来の肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細胞由来
DNAおよび市販の各種ゲノムDNAライブラリーより
ゲノムDNAの全てあるいは一部として、または肝臓、
腎臓、甲状腺細胞、線維芽細胞由来RNAより公知の方
法により調製された相補DNAを原料として取得するこ
とが出来る。また、外来性の異常DNAは、上記の細胞
または組織より得られた正常なポリペプチドの翻訳領域
を点突然変異誘発法により変異した翻訳領域を作製する
ことができる。該翻訳領域は転移動物において発現しう
るDNAコンストラクトとして、前記のプロモーターの
下流および所望により転写終結部位の上流に連結させる
通常のDNA工学的手法により作製することができる。
受精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの導入
は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞のすべてに存
在するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚
芽細胞において、本発明の外来性DNAが存在すること
は、作出動物の後代がすべて、その胚芽細胞および体細
胞のすべてに本発明の外来性DNAを保持することを意
味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動
物の子孫はその胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明
の外来性DNAを有する。
【0079】本発明の外来性正常DNAを転移させた非
ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安定に保持
することを確認して、該DNA保有動物として通常の飼
育環境で継代飼育することが出来る。受精卵細胞段階に
おける本発明の外来性DNAの導入は、対象哺乳動物の
胚芽細胞および体細胞の全てに過剰に存在するように確
保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において
本発明の外来性DNAが過剰に存在することは、作出動
物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発
明の外来性DNAを過剰に有することを意味する。本発
明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫はそ
の胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性DNA
を過剰に有する。導入DNAを相同染色体の両方に持つ
ホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配す
ることによりすべての子孫が該DNAを過剰に有するよ
うに繁殖継代することができる。本発明の正常DNAを
有する非ヒト哺乳動物は、本発明の正常DNAが高発現
させられており、内在性の正常DNAの機能を促進する
ことにより最終的に本発明のポリペプチドの機能亢進症
を発症することがあり、その病態モデル動物として利用
することができる。例えば、本発明の正常DNA転移動
物を用いて、本発明のポリペプチドの機能亢進症や、本
発明のポリペプチドが関連する疾患の病態機序の解明お
よびこれらの疾患の治療方法の検討を行なうことが可能
である。また、本発明の外来性正常DNAを転移させた
哺乳動物は、遊離した本発明のポリペプチドの増加症状
を有することから、本発明のポリペプチドに関連する疾
患に対する治療薬のスクリーニング試験にも利用可能で
ある。
【0080】一方、本発明の外来性異常DNAを有する
非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安定に保
持することを確認して該DNA保有動物として通常の飼
育環境で継代飼育することが出来る。さらに、目的とす
る外来DNAを前述のプラスミドに組み込んで原科とし
て用いることができる。プロモーターとのDNAコンス
トラク卜は、通常のDNA工学的手法によって作製する
ことができる。受精卵細胞段階における本発明の異常D
NAの導入は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の
全てに存在するように確保される。DNA転移後の作出
動物の胚芽細胞において本発明の異常DNAが存在する
ことは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細
胞の全てに本発明の異常DNAを有することを意味す
る。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の
子孫は、その胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異
常DNAを有する。導入DNAを相同染色体の両方に持
つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配
することによりすべての子孫が該DNAを有するように
繁殖継代することができる。本発明の異常DNAを有す
る非ヒト哺乳動物は、本発明の異常DNAが高発現させ
られており、内在性の正常DNAの機能を阻害すること
により最終的に本発明のポリペプチドの機能不活性型不
応症となることがあり、その病態モデル動物として利用
することができる。例えば、本発明の異常DNA転移動
物を用いて、本発明のポリペプチドの機能不活性型不応
症の病態機序の解明およびこの疾患を治療方法の検討を
行なうことが可能である。また、具体的な利用可能性と
しては、本発明の異常DNA高発現動物は、本発明のポ
リペプチドの機能不活性型不応症における本発明の異常
ポリペプチドによる正常ポリペプチドの機能阻害(domi
nant negative作用)を解明するモデルとなる。また、
本発明の外来異常DNAを転移させた哺乳動物は、遊離
した本発明のポリペプチドの増加症状を有することか
ら、本発明のポリペプチドの機能不活性型不応症に対す
る治療薬スクリーニング試験にも利用可能である。
【0081】また、上記2種類の本発明のDNA転移動
物のその他の利用可能性として、例えば、 組織培養のための細胞源としての使用、 本発明のDNA転移動物の組織中のDNAもしくはR
NAを直接分析するか、またはDNAにより発現された
ポリペプチド組織を分析することによる、本発明のポリ
ペプチドにより特異的に発現あるいは活性化するポリペ
プチドとの関連性についての解析、 DNAを有する組織の細胞を標準組織培養技術により
培養し、これらを使用して、一般に培養困難な組織から
の細胞の機能の研究、 上記記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高
めるような薬剤のスクリーニング、および 本発明の変異ポリペプチドを単離精製およびその抗体
作製などが考えられる。 さらに、本発明のDNA転移動物を用いて、本発明のポ
リペプチドの機能不活性型不応症などを含む、本発明の
ポリペプチドに関連する疾患の臨床症状を調べることが
でき、また、本発明のポリペプチドに関連する疾患モデ
ルの各臓器におけるより詳細な病理学的所見が得られ、
新しい治療方法の開発、さらには、該疾患による二次的
疾患の研究および治療に貢献することができる。また、
本発明のDNA転移動物から各臓器を取り出し、細切
後、トリプシンなどのポリペプチド分解酵素により、遊
離したDNA転移細胞の取得、その培養またはその培養
細胞の系統化を行なうことが可能である。さらに、本発
明のポリペプチド産生細胞の特定化、アポトーシス、分
化あるいは増殖との関連性、またはそれらにおけるシグ
ナル伝達機構を調べ、それらの異常を調べることなどが
でき、本発明のポリペプチドおよびその作用解明のため
の有効な研究材料となる。さらに、本発明のDNA転移
動物を用いて、本発明のポリペプチドの機能不活性型不
応症を含む、本発明のポリペプチドに関連する疾患の治
療薬の開発を行なうために、上述の検査法および定量法
などを用いて、有効で迅速な該疾患治療薬のスクリーニ
ング法を提供することが可能となる。また、本発明のD
NA転移動物または本発明の外来性DNA発現ベクター
を用いて、本発明のポリペプチドが関連する疾患のDN
A治療法を検討、開発することが可能である。
【0082】〔8〕ノックアウト動物 本発明は、本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳
動物胚幹細胞および本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳
動物を提供する。すなわち、本発明は、(1)本発明の
DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
(2)該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来の
β−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不
活性化された第(1)項記載の胚幹細胞、(3)ネオマ
イシン耐性である第(1)項記載の胚幹細胞、(4)非
ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(1)項記載の胚幹
細胞、(5)ゲッ歯動物がマウスである第(4)項記載
の胚幹細胞、(6)本発明のDNAが不活性化された該
DNA発現不全非ヒト哺乳動物、(7)該DNAがレポ
ーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ
遺伝子)を導入することにより不活性化され、該レポー
ター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの制
御下で発現しうる第(6)項記載の非ヒト哺乳動物、
(8)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(6)項記
載の非ヒト哺乳動物、(9)ゲッ歯動物がマウスである
第(8)項記載の非ヒト哺乳動物、および(10)第
(7)項記載の動物に、試験化合物を投与し、レポータ
ー遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明のD
NAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化
合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
【0083】本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺
乳動物胚幹細胞とは、該非ヒト哺乳動物が有する本発明
のDNAに人為的に変異を加えることにより、DNAの
発現能を抑制するか、もしくは該DNAがコードしてい
る本発明のポリペプチドの活性を実質的に喪失させるこ
とにより、DNAが実質的に本発明のポリペプチドの発
現能を有さない(以下、本発明のノックアウトDNAと
称することがある)非ヒト哺乳動物の胚幹細胞(以下、
ES細胞と略記する)をいう。非ヒト哺乳動物として
は、前記と同様のものが用いられる。本発明のDNAに
人為的に変異を加える方法としては、例えば、遺伝子工
学的手法により該DNA配列の一部又は全部の削除、他
DNAを挿入または置換させることによって行なうこと
ができる。これらの変異により、例えば、コドンの読み
取り枠をずらしたり、プロモーターあるいはエキソンの
機能を破壊することにより本発明のノックアウトDNA
を作製すればよい。本発明のDNAが不活性化された非
ヒト哺乳動物胚幹細胞(以下、本発明のDNA不活性化
ES細胞または本発明のノックアウトES細胞と略記す
る)の具体例としては、例えば、目的とする非ヒト哺乳
動物が有する本発明のDNAを単離し、そのエキソン部
分にネオマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺
伝子を代表とする薬剤耐性遺伝子、あるいはlacZ
(β−ガラクトシダーゼ遺伝子)、cat(クロラムフ
ェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子)を代表
とするレポーター遺伝子等を挿入することによりエキソ
ンの機能を破壊するか、あるいはエキソン間のイントロ
ン部分に遺伝子の転写を終結させるDNA配列(例え
ば、polyA付加シグナルなど)を挿入し、完全なメッセ
ンジャーRNAを合成できなくすることによって、結果
的に遺伝子を破壊するように構築したDNA配列を有す
るDNA鎖(以下、ターゲッティングベクターと略記す
る)を、例えば相同組換え法により該動物の染色体に導
入し、得られたES細胞について本発明のDNA上ある
いはその近傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイ
ブリダイゼーション解析あるいはターゲッティングベク
ター上のDNA配列とターゲッティングベクター作製に
使用した本発明のDNA以外の近傍領域のDNA配列を
プライマーとしたPCR法により解析し、本発明のノッ
クアウトES細胞を選別することにより得ることができ
る。
【0084】また、相同組換え法等により本発明のDN
Aを不活化させる元のES細胞としては、例えば、前述
のような既に樹立されたものを用いてもよく、また公知
EvansとKaufmaの方法に準じて新しく樹立したものでも
よい。例えば、マウスのES細胞の場合、現在、一般的
には129系のES細胞が使用されているが、免疫学的
背景がはっきりしていないので、これに代わる純系で免
疫学的に遺伝的背景が明らかなES細胞を取得するなど
の目的で例えば、C57BL/6マウスやC57BL/
6の採卵数の少なさをDBA/2との交雑により改善し
たBDFマウス(C57BL/6とDBA/2とのF
)を用いて樹立したものなども良好に用いうる。BD
マウスは、採卵数が多く、かつ、卵が丈夫であると
いう利点に加えて、C57BL/6マウスを背景に持つ
ので、これを用いて得られたES細胞は病態モデルマウ
スを作出したとき、C57BL/6マウスとバッククロ
スすることでその遺伝的背景をC57BL/6マウスに
代えることが可能である点で有利に用い得る。また、E
S細胞を樹立する場合、一般には受精後3.5日目の胚
盤胞を使用するが、これ以外に8細胞期胚を採卵し胚盤
胞まで培養して用いることにより効率よく多数の初期胚
を取得することができる。また、雌雄いずれのES細胞
を用いてもよいが、通常雄のES細胞の方が生殖系列キ
メラを作出するのに都合が良い。また、煩雑な培養の手
間を削減するためにもできるだけ早く雌雄の判別を行な
うことが望ましい。ES細胞の雌雄の判定方法として
は、例えば、PCR法によりY染色体上の性決定領域の
遺伝子を増幅、検出する方法が、その1例として挙げる
ことができる。この方法を使用すれば、従来、核型分析
をするのに約10個の細胞数を要していたのに対し
て、1コロニー程度のES細胞数(約50個)で済むの
で、培養初期におけるES細胞の第一次セレクションを
雌雄の判別で行なうことが可能であり、早期に雄細胞の
選定を可能にしたことにより培養初期の手間は大幅に削
減できる。
【0085】また、第二次セレクションとしては、例え
ば、G−バンディング法による染色体数の確認等により
行うことができる。得られるES細胞の染色体数は正常
数の100%が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の
関係上困難な場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウト
した後、正常細胞(例えば、マウスでは染色体数が2n
=40である細胞)に再びクローニングすることが望ま
しい。このようにして得られた胚幹細胞株は、通常その
増殖性は大変良いが、個体発生できる能力を失いやすい
ので、注意深く継代培養することが必要である。例え
ば、STO繊維芽細胞のような適当なフィーダー細胞上
でLIF(1−10000U/ml)存在下に炭酸ガス培養
器内(好ましくは、5%炭酸ガス、95%空気または5
%酸素、5%炭酸ガス、90%空気)で約37℃で培養
するなどの方法で培養し、継代時には、例えば、トリプ
シン/EDTA溶液(通常0.001−0.5%トリプシ
ン/0.1−5mM EDTA、好ましくは約0.1%ト
リプシン/1mM EDTA)処理により単細胞化し、
新たに用意したフィーダー細胞上に播種する方法などが
とられる。このような継代は、通常1−3日毎に行なう
が、この際に細胞の観察を行い、形態的に異常な細胞が
見受けられた場合はその培養細胞は放棄することが望ま
れる。ES細胞は、適当な条件により、高密度に至るま
で単層培養するか、または細胞集塊を形成するまで浮遊
培養することにより、頭頂筋、内臓筋、心筋などの種々
のタイプの細胞に分化させることが可能であり〔M. J.
Evans及びM. H. Kaufman, ネイチャー(Nature)第292
巻、154頁、1981年;G. R. Martin プロシーディング
ス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス
・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)第7
8巻、7634頁、1981年;T. C. Doetschmanら、ジャーナ
ル・オブ・エンブリオロジー・アンド・エクスペリメン
タル・モルフォロジー、第87巻、27頁、1985年〕、本発
明のES細胞を分化させて得られる本発明のDNA発現
不全細胞は、インビトロにおける本発明のポリペプチド
の細胞生物学的検討において有用である。本発明のDN
A発現不全非ヒト哺乳動物は、該動物のmRNA量を公
知方法を用いて測定して間接的にその発現量を比較する
ことにより、正常動物と区別することが可能である。該
非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが用いられ
る。
【0086】本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
は、例えば、前述のようにして作製したターゲッティン
グベクターをマウス胚幹細胞またはマウス卵細胞に導入
し、導入によりターゲッティングベクターの本発明のD
NAが不活性化されたDNA配列が遺伝子相同組換えに
より、マウス胚幹細胞またはマウス卵細胞の染色体上の
本発明のDNAと入れ換わる相同組換えをさせることに
より、本発明のDNAをノックアウトさせることができ
る。本発明のDNAがノックアウトされた細胞は、本発
明のDNA上またはその近傍のDNA配列をプローブと
したサザンハイブリダイゼーション解析またはターゲッ
ティングベクター上のDNA配列と、ターゲッティング
ベクターに使用したマウス由来の本発明のDNA以外の
近傍領域のDNA配列とをプライマーとしたPCR法に
よる解析で判定することができる。非ヒト哺乳動物胚幹
細胞を用いた場合は、遺伝子相同組換えにより、本発明
のDNAが不活性化された細胞株をクローニングし、そ
の細胞を適当な時期、例えば、8細胞期の非ヒト哺乳動
物胚または胚盤胞に注入し、作製したキメラ胚を偽妊娠
させた該非ヒト哺乳動物の子宮に移植する。作出された
動物は正常な本発明のDNA座をもつ細胞と人為的に変
異した本発明のDNA座をもつ細胞との両者から構成さ
れるキメラ動物である。該キメラ動物の生殖細胞の一部
が変異した本発明のDNA座をもつ場合、このようなキ
メラ個体と正常個体を交配することにより得られた個体
群より、全ての組織が人為的に変異を加えた本発明のD
NA座をもつ細胞で構成された個体を、例えば、コート
カラーの判定等により選別することにより得られる。こ
のようにして得られた個体は、通常、本発明のポリペプ
チドのヘテロ発現不全個体であり、本発明のポリペプチ
ドのヘテロ発現不全個体同志を交配し、それらの産仔か
ら本発明のポリペプチドのホモ発現不全個体を得ること
ができる。卵細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞核
内にマイクロインジェクション法でDNA溶液を注入す
ることによりターゲッティングベクターを染色体内に導
入したトランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ることが
でき、これらのトランスジェニック非ヒト哺乳動物に比
べて、遺伝子相同組換えにより本発明のDNA座に変異
のあるものを選択することにより得られる。
【0087】このようにして本発明のDNAがノックア
ウトされている個体は、交配により得られた動物個体も
該DNAがノックアウトされていることを確認して通常
の飼育環境で飼育継代を行なうことができる。さらに、
生殖系列の取得および保持についても常法に従えばよ
い。すなわち、該不活化DNAの保有する雌雄の動物を
交配することにより、該不活化DNAを相同染色体の両
方に持つホモザイゴート動物を取得しうる。得られたホ
モザイゴート動物は、母親動物に対して、正常個体1,
ホモザイゴート複数になるような状態で飼育することに
より効率的に得ることができる。ヘテロザイゴート動物
の雌雄を交配することにより、該不活化DNAを有する
ホモザイゴートおよびヘテロザイゴート動物を繁殖継代
する。本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物
胚幹細胞は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を
作出する上で、非常に有用である。また、本発明のDN
A発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のポリペプチドに
より誘導され得る種々の生物活性を欠失するため、本発
明のポリペプチドの生物活性の不活性化を原因とする疾
病のモデルとなり得るので、これらの疾病の原因究明及
び治療法の検討に有用である。
【0088】〔8a〕本発明のDNAの欠損や損傷など
に起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物
のスクリーニング方法 本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のD
NAの欠損や損傷などに起因する疾病(例、アポトーシ
ス異常疾患など)に対して治療・予防効果を有する化合
物のスクリーニングに用いることができる。すなわち、
本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に試
験化合物を投与し、該動物の変化を観察・測定すること
を特徴とする、本発明のDNAの欠損や損傷などに起因
する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物または
その塩のスクリーニング方法を提供する。該スクリーニ
ング方法において用いられる本発明のDNA発現不全非
ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが挙げられ
る。試験化合物としては、例えば、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などが挙
げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよい
し、公知の化合物であってもよい。具体的には、本発明
のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を、試験化合物で処理
し、無処理の対照動物と比較し、該動物の各器官、組
織、疾病の症状などの変化を指標として試験化合物の治
療・予防効果を試験することができる。試験動物を試験
化合物で処理する方法としては、例えば、経口投与、静
脈注射などが用いられ、試験動物の症状、試験化合物の
性質などにあわせて適宜選択することができる。また、
試験化合物の投与量は、投与方法、試験化合物の性質な
どにあわせて適宜選択することができる。
【0089】本発明のスクリーニング方法を用いて得ら
れる化合物は、上記した試験化合物から選ばれた化合物
であり、(1)本発明のSLIP-longの欠損や損傷などに
よって引き起こされる疾患(例、アポトーシス異常疾患
など)に対して治療・予防効果を有する化合物は、該疾
患に対する安全で低毒性な治療・予防剤などの医薬とし
て、また(2)本発明のSLIP-ringの欠損や損傷などに
よって引き起こされる各種癌に対して治療・予防効果を
有する化合物は、各種癌に対する安全で低毒性な治療・
予防剤などの医薬として使用することができる。さら
に、上記スクリーニングで得られた化合物から誘導され
る化合物も同様に用いることができる。該スクリーニン
グ方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、該
化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無
機酸、有機酸)や塩基(例アルカリ金属)などとの塩が
用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好
ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例え
ば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるい
は有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル
酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ
酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸)との塩などが用いられる。該スクリーニング方
法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、前
記した本発明のポリペプチドを含有する医薬と同様にし
て製造することができる。このようにして得られる製剤
は、安全で低毒性であるので、例えば、哺乳動物(例え
ば、ヒト、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツ
ジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対し
て投与することができる。該化合物またはその塩の投与
量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異
はあるが、例えば、アポトーシス異常疾患の治療目的で
該化合物を経口投与する場合、一般的に成人(体重60
kgとして)においては、一日につき該化合物を約0.
1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より
好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投
与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象
疾患などによっても異なるが、例えば、アポトーシス異
常疾患の治療目的で該化合物を注射剤の形で通常成人
(60kgとして)に投与する場合、一日につき該化合
物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜
20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度
を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物
の場合も、60kg当たりに換算した量を投与すること
ができる。
【0090】〔8b〕本発明のDNAに対するプロモー
ターの活性を促進する化合物をスクリーニング方法 本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に、
試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出す
ることを特徴とする本発明のDNAに対するプロモータ
ーの活性を促進する化合物またはその塩のスクリーニン
グ方法を提供する。上記スクリーニング方法において、
本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物としては、前記
した本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物の中でも、
本発明のDNAがレポーター遺伝子を導入することによ
り不活性化され、該レポーター遺伝子が本発明のDNA
に対するプロモーターの制御下で発現しうるものが用い
られる。試験化合物としては、前記と同様のものが挙げ
られる。レポーター遺伝子としては、前記と同様のもの
が用いられ、β−ガラクトシダーゼ遺伝子(lac
Z)、可溶性アルカリフォスファターゼ遺伝子またはル
シフェラーゼ遺伝子などが好適である。本発明のDNA
をレポーター遺伝子で置換された本発明のDNA発現不
全非ヒト哺乳動物では、レポーター遺伝子が本発明のD
NAに対するプロモーターの支配下に存在するので、レ
ポーター遺伝子がコードする物質の発現をトレースする
ことにより、プロモーターの活性を検出することができ
る。
【0091】例えば、本発明のポリペプチドをコードす
るDNA領域の一部を大腸菌由来のβ−ガラクトシダー
ゼ遺伝子(lacZ)で置換している場合、本来、本発
明のポリペプチドの発現する組織で、本発明のポリペプ
チドの代わりにβ−ガラクトシダーゼが発現する。従っ
て、例えば、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル
−β−ガラクトピラノシド(X−gal)のようなβ−
ガラクトシダーゼの基質となる試薬を用いて染色するこ
とにより、簡便に本発明のポリペプチドの動物生体内に
おける発現状態を観察することができる。具体的には、
本発明のポリペプチド欠損マウスまたはその組織切片を
グルタルアルデヒドなどで固定し、リン酸緩衝生理食塩
液(PBS)で洗浄後、X−galを含む染色液で、室
温または37℃付近で、約30分ないし1時間反応させ
た後、組織標本を1mM EDTA/PBS溶液で洗浄
することによって、β−ガラクトシダーゼ反応を停止さ
せ、呈色を観察すればよい。また、常法に従い、lac
ZをコードするmRNAを検出してもよい。
【0092】上記スクリーニング方法を用いて得られる
化合物またはその塩は、上記した試験化合物から選ばれ
た化合物であり、本発明のDNAに対するプロモーター
活性を促進または阻害する化合物である。該スクリーニ
ング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、
該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、
無機酸)や塩基(例、有機酸)などとの塩が用いられ、
とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。こ
の様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リ
ン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例
えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン
酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安
息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との
塩などが用いられる。本発明のSLIP-longをコードする
DNAに対するプロモーター活性を促進する化合物また
はその塩は、本発明のSLIP-longの発現を促進し、SLIP-
longの機能を促進することができるので、例えば、アポ
トーシス異常疾患に対する安全で低毒性な治療・予防剤
などの医薬として有用である。本発明のSLIP-longをコ
ードするDNAに対するプロモーター活性を阻害する化
合物またはその塩は、本発明のSLIP-longの発現を阻害
し、SLIP-longの機能を阻害することができるので、例
えば、各種癌(例、子宮体癌、子宮内膜腫瘍、乳癌、大
腸癌、直腸癌、前立腺癌、肺癌、胃癌、腎臓癌、神経芽
腫、膀胱癌、黒色腫等)などの疾病に対する安全で低毒
性な治療・予防剤などの医薬として有用である。本発明
のSLIP-ringをコードするDNAに対するプロモーター
活性を促進する化合物またはその塩は、本発明のSLIP-r
ingの発現を促進し、SLIP-ringの機能を促進することが
できるので、例えば、各種癌(例、子宮体癌、子宮内膜
腫瘍、乳癌、大腸癌、直腸癌、前立腺癌、肺癌、胃癌、
腎臓癌、神経芽腫、膀胱癌、黒色腫等)などの疾病に対
する安全で低毒性な治療・予防剤などの医薬として有用
である。また、本発明のSLIP-ringをコードするDNA
に対するプロモーター活性を阻害する化合物またはその
塩は、本発明のSLIP-ringの発現を阻害し、SLIP-ringの
機能を阻害することができるので、例えば、アポトーシ
ス異常疾患に対する安全で低毒性な治療・予防剤などの
医薬として有用である。
【0093】該スクリーニング方法で得られた化合物ま
たはその塩を含有する医薬は、前記した本発明のポリペ
プチドまたはその塩を含有する医薬と同様にして製造す
ることができる。このようにして得られる製剤は、安全
で低毒性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、ヒ
ト、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与
することができる。該化合物またはその塩の投与量は、
対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はある
が、例えば、癌の治療目的で本発明のSLIP-longをコー
ドするDNAに対するプロモーター活性を阻害する化合
物を経口投与する場合、一般的に成人(体重60kgと
して)においては、一日につき該化合物を約0.1〜1
00mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好まし
くは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する
場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患な
どによっても異なるが、例えば、癌の治療目的で本発明
のSLIP-longをコードするDNAに対するプロモーター
活性を阻害する化合物を注射剤の形で通常成人(60k
gとして)に投与する場合、一日につき該化合物を約
0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20m
g程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈
注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合
も、60kg当たりに換算した量を投与することができ
る。このように、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動
物は、本発明のDNAに対するプロモーターの活性を促
進する化合物またはその塩をスクリーニングする上で極
めて有用であり、本発明のDNA発現不全に起因する各
種疾患の原因究明または予防・治療薬の開発に大きく貢
献することができる。また、本発明のポリペプチドのプ
ロモーター領域を含有するDNAを使って、その下流に
種々のタンパクをコードする遺伝子を連結し、これを動
物の卵細胞に注入していわゆるトランスジェニック動物
(遺伝子移入動物)を作成すれば、特異的にそのタンパ
クを合成させ、その生体での作用を検討することも可能
となる。さらに上記プロモーター部分に適当なレポータ
ー遺伝子を結合させ、これが発現するような細胞株を樹
立すれば、 本発明のポリペプチドそのものの体内での
産生能力を特異的に促進もしくは抑制する作用を持つ低
分子化合物の探索系として使用できる。また該プロモー
ター部分を解析することにより新たなシスエレメントや
それに結合する転写因子を見つけることも可能である。
【0094】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclature による略号
あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
り、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体
があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すもの
とする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
【0095】Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸
【0096】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル ClBzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェニル Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0097】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕本発明のポリペプチドのBIRドメイ
ンのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:2〕本発明のポリペプチドのBIRドメイ
ンの塩基配列を示す。 〔配列番号:3〕本発明のポリペプチドのRING−F
ingerドメインのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:4〕本発明のポリペプチドのRING−F
ingerドメインの塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕本発明のSLIP-longのアミノ酸配列を
示す。 〔配列番号:6〕本発明のSLIP-longをコードするDN
Aの塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕本発明のSLIP-shortのアミノ酸配列を
示す。 〔配列番号:8〕本発明のSLIP-shortをコードするDN
Aの塩基配列を示す。 〔配列番号:9〕本発明のSLIP-ringのアミノ酸配列を
示す。 〔配列番号:10〕本発明のSLIP-ringをコードするD
NAの塩基配列を示す。 〔配列番号:11〕Survivinのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:12〕SurvivinをコードするDNAの塩基
配列を示す。 〔配列番号:13〕実施例1で用いられたPrimer 1の塩
基配列を示す。 〔配列番号:14〕実施例1で用いられたPrimer 2の塩
基配列を示す。 〔配列番号:15〕実施例1(2)で用いられたPrimer
3の塩基配列を示す。 〔配列番号:16〕実施例1(2)で用いられたPrimer
4の塩基配列を示す。 〔配列番号:17〕実施例1(2)で用いられたPrimer
5の塩基配列を示す。 〔配列番号:18〕実施例1(2)で用いられたPrimer
6の塩基配列を示す。 〔配列番号:19〕実施例1(2)で用いられたPrimer
7の塩基配列を示す。 〔配列番号:20〕実施例1(2)で用いられたPrimer
8の塩基配列を示す。 〔配列番号:21〕実施例1(2)で用いられたPrimer
9の塩基配列を示す。 〔配列番号:22〕実施例1(2)で用いられたPrimer
10の塩基配列を示す。 〔配列番号:23〕実施例1(3)で用いられたPrimer
11の塩基配列を示す。 〔配列番号:24〕実施例1(3)で用いられたPrimer
12の塩基配列を示す。 〔配列番号:25〕実施例1(6)で用いられたPrimer
13の塩基配列を示す。 〔配列番号:26〕実施例1(6)で用いられたPrimer
14の塩基配列を示す。 〔配列番号:27〕実施例1(6)で用いられたPrimer
15の塩基配列を示す。 〔配列番号:28〕実施例1(6)で用いられたPrimer
16の塩基配列を示す。 〔配列番号:29〕実施例2で用いられたPrimer 17の
塩基配列を示す。 〔配列番号:30〕実施例2で用いられたPrimer 18の
塩基配列を示す。 〔配列番号:31〕SLIP-longおよびSLIP-shortの部分
ペプチドのアミノ酸配列を示す。
【0098】後述の実施例1(2)で得られたSLIP
−longをコードするDNAで形質転換された形質転
換体エシェリヒア コリ(Escherichia coli)TOP1
0/pTB2163は、平成12年12月14日から茨
城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6 (郵便番号
305−8566)独立行政法人産業技術総合研究所特
許生物寄託センター(旧 通商産業省工業技術院生命工
学工業技術研究所(NIBH))に寄託番号FERM
BP−7398として、また平成12年11月14日か
ら財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO
16500として寄託されている。後述の実施例1
(2)で得られたSLIP−shortをコードするD
NAで形質転換された形質転換体エシェリヒア コリ
(Escherichia coli)TOP10/pTB2164は、
平成12年12月14日から茨城県つくば市東1丁目1
番地1 中央第6 (郵便番号305−8566)独立
行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
(旧 通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所
(NIBH))に寄託番号FERM BP−7397と
して、また平成12年11月14日から財団法人・発酵
研究所(IFO)に寄託番号IFO 16499として
寄託されている。後述の実施例1(2)で得られたSL
IP−ringをコードするDNAで形質転換された形
質転換体エシェリヒア コリ(Escherichia coli)TO
P10/pTB2178は、平成12年12月14日か
ら茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6 (郵便
番号305−8566)独立行政法人産業技術総合研究
所特許生物寄託センター(旧 通商産業省工業技術院生
命工学工業技術研究所(NIBH))に寄託番号FER
M BP−7396として、また平成12年11月14
日から財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IF
O 16498として寄託されている。
【0099】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものでは
ない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法は、モレキ
ュラー・クローニング(Molecular Cloning)に記載さ
れている方法に従った。
【0100】実施例1(1) ヒト遺伝子情報データベ
ースを用いたSLIP遺伝子断片の探索 非公開のヒト遺伝子情報データベース(セレラ社)上で
Survivinのアミノ酸配列と相同性のある配列を検索した
結果、そのBIRドメインで約60%の相同性を持つアミ
ノ酸配列およびcDNA配列を得た。その配列をもとにPrim
er 1(5’-ATGGGACCTAAAGACAGTGCCAAGTG-3’;配列番
号:13), Primer 2(5’-CTAGGACAGGAAGGTGCGCACG-
3’;配列番号:14)を作製し、Multiple Tissue cDN
A panel Hunan I, Human II,Human Immune System, H
uman Fetal, Human Tumor (CLONTECH社)をtemplateに用
いて、PCR法にて発現の有無を確認した。その結果Colon
Adenocarcinoma (CX-1)で強い発現が認められた。この
cDNA断片をpT7 Blue T vector(Novagen社)と連結し、得
られたプラスミドDNAを公知の方法により大腸菌JM109株
に導入し、形質転換体(クローン)を得た。この形質転換
体からランダムに5個のクローンを選択しプラスミドを
精製後シークエンサー(Applied Biosystem社;ABI377)を
用いて挿入部分(insert部分)の塩基配列を決定した。
【0101】実施例1(2) 全長SLIP遺伝子(SLIP-lo
ng, SLIP-short, SLIP-ring)の単離 実施例1(1)で得られた配列をもとにPrimer 3(5’-
TCAGCAGTCAGCGGCCAGTCATAG-3’;配列番号:15), Pr
imer 4(5’-GCCCCGGCGCCCTCCTCCTCTTC-3’;配列番号:
16), Primer 5(5’-GCGGCGGCTGCAGGAGGAGAGGAC-
3’;配列番号:17), Primer 6(5’-AGGAGAGGACGTG
CAAGGTGTGCCTG-3’;配列番号:18)を作製し、5’-
および3’-RACEを施行し全長SLIP遺伝子(SLIP-long, SL
IP-short, SLIP-ring)を単離した。該伸長反応はMarath
on-ready human cololectal adenocarcinoma (CX-1) cD
NA(CLONTECH社)をtemplateとして行った。5’-RACE
ではPrimer 3とPrimer AP1 (前記のMarathon cDNA temp
late に付属)を用いて一次 PCRを行い、Primer 4とPrim
er AP2 (前記のMarathon cDNA template に付属)を用い
て二次 PCRを行った。3’-RACEではPrimer 5とPrimer A
P1を用いて一次 PCRを行い、Primer 6とPrimer AP2を用
いて二次 PCRを行った。その結果合計1439bp, 1260bpの
塩基配列を有するcDNA断片が得られた。この1439bpのcD
NA配列中には241個のアミノ酸をコードする723bpのORF
(OpenReading Frame)が見出された。またSLIPには多型
(以下「polymorphism」とも称する。)と考えられる塩
基置換が存在し、開始コドンのAから数えて6番目の塩基
がGではなくAのタイプ、528番目の塩基がTではなくCの
タイプのcDNAも認められた。これらはいずれもアミノ酸
置換は伴わなかった。さらに673番目のGが欠失し、かつ
699番目の塩基がGからAに置換したタイプのcDNAが存在
することも確認した。この場合フレームシフトが起こり
224個のアミノ酸をコードする672bpのORFが見出され
た。このため、723bpのORFをSLIP-long、672bpのORFをS
LIP-shortとした。一方、1260bpの塩基配列を有するcDN
A断片は280個のアミノ酸をコードする840bpのORF が見
出された。これはSLIP-long、SLIP-shortとは異なり翻
訳される蛋白質はRING-fingerドメインを持つためSLIP-
ringとした。またSLIP-ringにもpolymorphismと考えら
れる塩基置換が存在し、開始コドンのAから数えて6番目
の塩基がGではなくAのもの、528番目の塩基がTではなく
CのcDNAも認められた。これらはいずれもアミノ酸置換
は伴わなかった。SLIP-long, SLIP-short, およびSLIP-
ringのアミノ酸配列の既知蛋白質との相同性検索を行っ
たところ、該アミノ酸配列はヒト由来のHIAP3と約90.9%
(SLIP-long), 96.9% (SLIP-short), 98.9% (SLIP-rin
g)の相同性が認められた。得られた1439bpの塩基配列の
うち、723bpのORFを有するcDNA断片を以下の手順で大腸
菌にクローニングし、形質転換体Escherichia coli JM1
09/pcDNA3.1(+)-SLIP-longを得た。同様の手法で、672b
p, 840bpのORFを有するcDNA断片をもつ形質転換体Esche
richia coli JM109/pcDNA3.1(+)-SLIP-short, Escheric
hia coliJM109/pcDNA3.1(+)-SLIP-ringを得た。
【0102】まず、前述の672bp, 723bp, 840bpの塩基
配列に相補的で、各々異なる制限酵素認識部位(Eco RI
とXho I)を持つ2種のPrimer (SLIP-longにはPrimer 7
(5’-CCGGAATTCCAGACCGTGCATCATGGGGCCTAAAGACAGTGCCA
AG-3’;配列番号:19)とPrimer 8(5’-CCGCTCGAGC
TATGGGCCATGGAAGGTCGGG-3’;配列番号:20)、SLIP-
shortにはPrimer 7とPrimer 9(5’-CCGCTCGAGTCACCCAG
GGGGTCCCGGGC-3’;配列番号:21)、SLIP-ringにはP
rimer 7とPrimer 10(5’-CCGCTCGAGCTAGGACAGGAAGGTGC
GCACG-3’;配列番号:22)を使用しColon Adenocarci
noma (CX-1) cDNA(CLONTECH社)をtemplateとし、PCR
反応を行いPCR増幅断片を得た。これをEcoRIとXho Iでd
igestionした後、プラスミドベクターpcDNA3.1(+)を同
制限酵素でdigestionした部位に挿入し、プラスミドpcD
NA3.1(+)-SLIP-longまたはpcDNA3.1(+)-SLIP-shortまた
はpcDNA3.1(+)-SLIP-ringを得た。こうして得られた各
々のプラスミドを大腸菌JM109に導入し、各々の形質転
換体を得た。SLIP−longをコードするDNAで
形質転換された形質転換体をエシェリヒア コリ(Esch
erichia coli)TOP10/pTB2163と命名し
た。SLIP−shortをコードするDNAで形質転
換された形質転換体をエシェリヒア コリ(Escherichi
a coli)TOP10/pTB2164と命名した。SL
IP−ringをコードするDNAで形質転換された形
質転換体をエシェリヒア コリ(Escherichia coli)T
OP10/pTB2178と命名した。
【0103】実施例1(3) SLIP遺伝子(SLIP-long,
SLIP-short, SLIP-ring)の発現組織分布 Megaprime DNA Labelling System (Amersham Pharmacia
Biotech社)を用いて実施例1(1)で得られたcDNA断
片を32P-dCTPでラベルしプローブとした。MTNHuman, Hu
man II, Hunan Cancer Cell Line (CLONTECH社)を用い
てノーザンブロッティングを行った結果を図1に示す。
【0104】図1中、Normalは正常組織での発現、Tumo
rは癌組織での発現を示す。レーン1は心臓(Heart)、
レーン2は脳(Brain)、レーン3は胎盤(Placent
a)、レーン4は肺(Lung)、レーン5は肝臓(Live
r)、レーン6は骨格筋(Skeletalmuscle)、レーン7
は腎臓(Kidney)、レーン8は膵臓(Pancreas)、レー
ン9は脾臓(Spleen)、レーン10は胸腺(Thymus)、
レーン11は前立腺(Prostate)、レーン12は睾丸
(Testis)、レーン13は子宮(Ovary)、レーン14
は小腸(Small intestine)、レーン15は結腸(Colo
n)、レーン16は白血球(Leukocyte)、レーン17は
HL-60細胞(Leukemia(HL-60))、レーン18はHeLa S3
細胞(Uterine cervical carcinoma (HeLa S3))、レー
ン19はL-562細胞(Leukemia(K-562))、レーン20は
MOLT-4細胞(Lymphoma(MOLT-4))、レーン21はRaji細
胞(Lymphoma(Raji))、レーン22はSW480細胞(Color
ectal adenocarcinoma(SW480))、レーン23はA549細
胞(Lung carcinoma(A549))、レーン24はG-361細胞
(Melanoma(G-361))を示す。図1の左側にある矢印
は、上から2.4kb、1.35kb、0.24kbの
位置を表す。図1から、melanoma由来細胞株G-361で強
い発現が、胎盤(placenta)で弱い発現が認められるこ
とがわかる。
【0105】またSurvivinの発現をMultiple Tissue cD
NA panel Hunan I, Human II,Human Immune System,
Human Fetal (CLONTECH 社)をtemplateに用いたPCR法(P
rimer 11(5’-TTTGAATCGCGGGACCCGTTGGC-3’;配列番
号:23), Primer 12(5’-TGTCCTCTGAGGAGGCACAGGTG
-3’;配列番号:24)を使用)で調べた。その結果を図
2に示す。図2(a)は、Survivinの発現を表し、図2
(b)は、SLIP遺伝子(SLIP-long, SLIP-short, SLIP-r
ing)の発現を表す。図2(a)および図2(b)中、1
は、心臓(Heart)を表し、2は、脳(Brain)を表し、3
は、胎盤(Placenta)を表し、4は、肺(Lung)を表
し、5は、肝臓(Liver)を表し、6は、骨格筋(Skeleta
l Muscle)を表し、7は、腎臓(Kidney)を表し、8は、
膵臓(Pancreas)を表し、9は、脾臓(Spleen)を表
し、10は、胸腺(Thymus)を表し、11は、前立腺(Pros
tate)を表し、12は、睾丸(Testis)を表し、13は、卵
巣(Ovary)を表し、14は、小腸(Small Intestine)を
表し、15は、結腸(Colon)を表し、16は、白血球(Leu
kocyte)を表し、17は、脾臓(Spleen)を表し、18は、
リンパ腺(Lymph Node)を表し、19は、胸腺(Thymus)
を表し、20は、扁桃腺(Tonsil)を表し、21は、骨髄
(Bone Marrow)を表し、22は、胎児肝臓(Fetal Live
r)を表し、23は、白血球(Leukocyte)を表し、24は、
胎児脳(Fetal Brain)を表し、25は、胎児肺(Fetal L
ung)を表し、26は、胎児肝臓(Fetal Liver)を表し、
27は、胎児腎臓(Fetal Kidney)を表し、28は、胎児心
臓(Fetal Heart)を表し、29は、胎児脾臓(Fetal Spl
een)を表し、30は、胎児胸腺(FetalThymus)を表し、
31は、胎児骨格筋(Fetal Skeletal Muscle)を表し、M
は、マーカー(Marker)を表す。図2(a)から、Surv
ivinは、胎盤(placenta),膵臓(pancreas),睾丸(te
stis),結腸(colon),骨髄(bone marrow), 胎児肝臓
(fetal liver),胎児脾臓(fetal spleen), 胎児胸腺
(fetal thymus)等で発現することがわかった。これに
対し図2(b)から、SLIP遺伝子は、胎盤(placent
a), 肺(lung), 腎臓(kidney),脾臓(spleen), リ
ンパ腺(lymph node)等にわずかに発現することがわか
った。以上から、SLIP遺伝子(SLIP-long, SLIP-short,
SLIP-ring)はSurvivinに比べ、正常組織では発現組織分
布が少なく、発現量も低い事が確認された。
【0106】実施例1(4) SLIPの安定発現細胞株を
用いたアポトーシス抑制実験 10cmシャーレに1×106個のヒト胎児腎臓由来HEK293細胞
にFugene6(Roche社製)を用いて添付プロトコールに従
い、実施例1(2)で得られたpcDNA3.1(+)-SLIP-long,
pcDNA3.1(+)-SLIP-short, pcDNA3.1(+)-SLIP-ringおよ
びpcDNA3.1(+)-LacZを導入し、ジェネティシン(GIBCO B
RL社製)によりそれぞれの遺伝子の導入細胞株を選択し
た。これらの細胞株をエトポシド処理した後、Cell Dea
th Detection ELISA plus (Roche社製)を用い、添付プロ
トコールに従ってアポトーシスの指標であるDNAの断片
化の割合を調べた。なお、本実施例において、LacZ(β
−ガラクトシダーゼ遺伝子)は、陰性コントロール遺伝
子として用いられている。
【0107】その結果を図3に示す。図3は、pcDNA3.1
(+)-SLIP-long, pcDNA3.1(+)-SLIP-short, pcDNA3.1(+)
-SLIP-ringおよびpcDNA3.1(+)-LacZを導入した細胞株に
エトポシドをそれぞれ0μM、0.5μM、1μM、2
μM、4μM、8μM添加した際のDNA断片化の割合
を表す。また、それぞれの添加量における棒グラフは、
それぞれ左から順にpcDNA3.1(+)-SLIP-long, pcDNA3.1
(+)-SLIP-short, pcDNA3.1(+)-SLIP-ringおよびpcDNA3.
1(+)-LacZのDNA断片量を表す。DNA断片量の相対
値が大きいほどアポトーシス促進作用が強いことを意味
する。図3から、SLIP-longを強発現した細胞ではエト
ポシドに対する感受性の低下が認められ、SLIP-longは
アポトーシス抑制作用を持つことが分かった。また、SL
IP-ringを強発現した細胞ではエトポシドに対する感受
性の増加が認められ、SLIP-ringはアポトーシス促進作用
を持つことが分かった。SLIP-shortを強発現した細胞で
は明らかな変化は認められないことがわかる。
【0108】実施例1(5) 全長アンチセンスSLIP-r
ingを用いてSLIPの発現量を抑制した場合のアポトーシ
ス実験 実施例1(2)で得られたpcDNA3.1(+)-SLIP-ringを制
限酵素EcoR IとXho Iで消化(以下、「digestion」とも
称する。)し、組み込まれていたSLIP-ringを精製し
た。これを同酵素で予めdigestionしておいたpcDNA3.1
(-)(Invitrogen社製)に挿入し、pcDNA3.1(-)-SLIP-ring
を得た。このプラスミドから発現される遺伝子はアンチ
センスSLIP-ringである。メラローマ(以下、「melanom
a」とも称する。)由来のG361細胞はRNAレベルではSLIP
-long(short), SLIP-ring, を発現している。この細胞4
×105個に実施例1(4)と同様にして、上記で作製し
たpcDNA3.1(-)-SLIP-ring、あるいはpcDNA3.1(+)-LacZ
プラスミドを導入した。導入後、各々の細胞株に紫外線
による刺激(強度;0, 20, 40J/m2)を与えアポトーシス
を誘導し、Cell Death DetectionELISA plus (Roche社
製)を用い、添付プロトコールに従ってアポトーシスの指
標であるDNAの断片化の割合を調べた。その結果を図4
に示す。図4は紫外線の強度が、0J/m2、20J/m2、40J/m
2におけるpcDNA3.1(-)-SLIP-ring、およびpcDNA3.1(+)-
LacZプラスミドを導入した細胞株のDNA断片化量を表
す。それぞれの紫外線強度における棒グラフは、左から
順にpcDNA3.1(-)-SLIP-ring、およびpcDNA3.1(+)-LacZ
プラスミドを導入した細胞株のDNA断片化量を表して
いる。図4から、pcDNA3.1(-)-SLIP-ringを導入した細
胞株ではDNAの断片化の割合の低下を認め、内因性のSLI
Pの発現を抑制するとアポトーシスが抑制されることが
確認できる図4。このことよりG361細胞のようにSLIP-l
ong(short)かつSLIP-ringを発現している場合ではアポ
トーシス抑制に働くSLIP-longよりも促進に働くSLIP-ri
ngの方がアポトーシスに寄与する割合が大きい、あるい
はSLIP-longは分解されにくい為、SLIP-ringのみが減少
したことに起因する結果であると考えられた。
【0109】実施例1(6) 強制発現におけるSLIP-l
ong、SLIP-short、 SLIP-ringの細胞内局在の検証 実施例1(2)で得られたプラスミドpcDNA3.1(+)-SLIP
-longをテンプレート(template)とし、myc-tagの組み
込まれたprimer 13:(5’-CCGGAATTCCAGACCGTGCATCATGG
AACAAAAACTTATTTCTGAAGAAGATCTGATGGGGCCTAAAGACAGTGCC
AAG-3’;配列番号:25)、およびprimer 14:(5’-CCGCTC
GAGCTATGGGCCATGGAAGGTCGGG-3’;配列番号:26)を用いて
PCR反応を行った。該PCR増幅産物をEcoR I, Xho Iでdig
estionし、同酵素でdigestionしたプラスミドベクターpc
DNA3.1(+)(Invitrogen社製)へ挿入し、プラスミドベ
クターpcDNA3.1 myc-SLIP-longを得た。これを大腸菌JM
109に導入し、形質転換体を得た。同様の方法でpcDNA3.
1 myc-SLIP-short (primer 13とprimer 15:(5’-CCGCT
CGAGTCACCCAGGGGGTCCCGGGC-3’;配列番号:27)を使用)お
よびpcDNA3.1 myc-SLIP-ring (primer 13とprimer 16:
(5’-CCGCTCGAGCTAGGACAGGAAGGTGCGCACG-3’;配列番号:
28)を使用)を得た。pcDNA3.1 myc-SLIP-long, pcDNA3.1
myc-SLIP-short, pcDNA3.1 myc-SLIP-ringを実施例1
(4)と同様に1×106個のCOS細胞に導入後、Poly-D-Ly
sine Cellware 2-Well Culture Slide(BECTON DICKINS
ON社製)にまきなおし一日培養した。翌日培地を抜き取
り10%中性緩衝ホルマリン液(wako社製)で固定した
後、PBSで洗浄し、次に0.1% Triton X-100/PBSで処理し
た。PBSで洗浄した後、3%ウシ血清アルブミン/PBS
(ブロッキング溶液)で室温30分のブロッキング操作を
行った。次にブロッキング溶液で希釈した抗myc-tag抗
体(SIGMA社製)で室温、2時間インキュベートした後、PBS
で洗浄した。最後にブロッキング溶液で希釈したFITC標
識抗マウスIgG抗体(SIGMA社製)で室温、1時間インキュ
ベートし、PBSで洗浄後、蛍光顕微鏡で観察した。その
結果を図5に示す。図5(a)、図5(b)、図5(c)は、そ
れぞれpcDNA3.1 myc-SLIP-long, pcDNA3.1 myc-SLIP-sh
ortおよび pcDNA3.1 myc-SLIP-ring導入細胞の蛍光顕微
鏡による検鏡結果を表す。図5から、pcDNA3.1 myc-SLI
P-long, pcDNA3.1 myc-SLIP-shortおよび pcDNA3.1 myc
-SLIP-ring導入細胞において核および細胞質、特に核が
強く染まる細胞像が認められ、図5SLIP-long, SLIP-sh
ort,SLIP-ringタンパク質は核および細胞質に存在する
ことが示唆された。
【0110】実施例1(7) ヒト大腸がん、乳がんお
よび肺がん組織におけるSLIP遺伝子発現量の検討 ヒト大腸がん、乳がんおよび肺がん組織由来のcDNA(Bio
chain社製)および健常人大腸、乳腺および肺組織由来f
irst- strand cDNA(Clontech社製)をテンプレートと
して用い、SLIP遺伝子発現量の検討を行った。primer 1
とprimer 2を用いてPCR反応を行うことにより、がん組
織と正常組織でのSLIP遺伝子の発現量比較を行った。そ
の結果を図6に示す。図6(a)は、ヒト大腸がんのSL
IP遺伝子発現量を表す。図6(b)は、乳がんのSLIP遺
伝子発現量を表す。図6(c)は、肺がん組織における
SLIP遺伝子発現量を表す。図の数字は、患者番号を表
し、Mは、マーカーを表し、Nは正常組織を表す。な
お、これらのサンプルは事前にβ-アクチン遺伝子発現
量で補正した。図6から、SLIP遺伝子はヒト大腸がん、
乳がんおよび肺がん組織でそれぞれの正常組織に比較
し、顕著に発現が亢進している患者が認められた。
【0111】実施例2(1) SLIP-ringの大腸菌での
発現と精製 実施例1(2)で得られたプラスミドpcDNA3.1(+)-SLIP
-ringをtemplateとし、primer 17:(5’-CCGCCATGGGGCC
TAAAGACAGTGCCAAG-3’;配列番号:29)およびprimer 18:
(5’-CCGCTCGAGGGACAGGAAGGTGCGCACGCGG-3’;配列番号:
30)を用いてPCR反応を行った。該PCR増幅産物をEcoR I,
Xho Iでdigestionし、同酵素でdigestionしたプラスミ
ドベクターPET 21a(Novagen社製)へ挿入し、プラスミ
ドベクターPET 21a-SLIP-ringを得た。これを大腸菌JM1
09に導入し、形質転換体を得た。このJM109形質転換体
を培養しプラスミドベクターPET 21(a)-SLIP-ringを回
収した後、大腸菌BL21(DE3) pLys Sに導入し、形質転換
体を得た。発現誘導は1mMのイソプロピル ベーターD―
チオガラクトピラノシドで行い、組み換えSLIP-ringタ
ンパク質の精製はXpress purification system(Invitr
ogen社製)を用いて添付のマニュアルに従った。
【0112】実施例3(1) ウサギポリクローナル抗
体の作製 実施例2で調製した組み換えSLIP-ringタンパク質を用
いてウサギポリクローナル抗体を作製した。免疫動物は
雄性ウサギKBL:JW(10週令、オリエンタル酵母)一羽を
用い、感作は背部に皮下注射により行い14日毎に3回
繰り返した。一回の感作に用いた組み換えタンパク質の
量は0.5mgとし、完全フロインドアジュバンド(Difco
社)懸濁液を用いた。初回感作後38日目に麻酔下頚動
脈採血を行い、血清を得た。このようにして得られた血
清全量を硫酸アンモニウム塩析法により濃縮し、得られ
た粗IgG画分を全量プロテインAアフィニティーカラム
(Amersham-Pharmacia社製)により精製し、精製IgG画
分をポリクローナル抗体画分とした。
【0113】実施例3(2) ウサギポリクローナル抗
体を用いたウエスタンブロッティング 配列番号:5、配列番号:7および配列番号:9で表わ
されるアミノ酸配列を有するタンパク質、すなわち、SLI
P-long, SLIP-short, SLIP-ringの検出は、実施例3
(1)で作製したウサギポリクローナル抗体を用いて行
った。実施例1(4)で作製したSLIP-long, SLIP-shor
t, SLIP-ring安定発現細胞株を10cm dishに1×106個ま
き、一晩培養した。翌日、細胞をはがし、常法に従いSD
S-PAGE続いてウエスタンブロッティングを施行した。そ
の結果を図7に示す。なお、ウエスタンブロッティング
に際しては、一次抗体として実施例3(1)で作製した
ウサギポリクローナル抗体を用い、二次抗体には抗ウサ
ギIgG-HRPコンジュゲイト(Juckson ImmunoResearch社
製)を用いた。また、検出はECL plus(Amersham-Pharm
acia社製)を用いて添付のマニュアルに従って行った。
図7(a)、図7(b)、図7(c)は、それぞれSLIP
-long, SLIP-short, SLIP-ringを検出したウエスタンブ
ロッティングの結果を表す。図7から、ウサギポリクロ
ーナル抗体はSLIP-long, SLIP-short, SLIP-ring全ての
タンパク質を認識することが確認された。
【0114】実施例4(1) ペプチド抗体の作製 配列番号:5または7で表わされるアミノ酸配列、すな
わちSLIP-longおよびSLIP-shortに基づき、10アミノ酸
からなる部分ペプチド(Glu-Pro-Gly-Ala-Gly-Pro-Gly-P
ro-Pro-Gly ;配列番号:31)を合成した。このペプチド
にキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)をキャリ
アータンパク質として結合させ抗原とした。抗原感作
は、前述の実施例3(1)の方法に従った。1回の感作
には抗原0.5mgを用い、初回感作後52日目に全採血を行
い血清を得た。全量を実施例3(1)と同様の操作に従
い精製IgG画分を取得した。このうち一部をペプチドの
固定化カラムでの精製に供した。固定化にはペプチドの
カルボキシル基末端のシステインを利用しホウ酸緩衝液
を用いてセファロースカラム(Amersham-Pharmacia社
製)にカップリングした。カラムからの溶出には8M尿
素/リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)を用いた。溶出液
をPBSに対して透析して尿素を除いた後、限外濃縮、フ
ィルターろ過滅菌することによりアフィニティー精製抗
体を取得した。
【0115】実施例4(2) ペプチド抗体を用いたウ
エスタンブロッティング 配列番号:5または配列番号:7で表わされるアミノ酸
配列を有するタンパク質、すなわちSLIP-long, SLIP-sh
ortの検出は、実施例4(1)で作製したペプチド抗体
を用いて行った。実施例3(2)と同様に、実施例1
(4)で作製したSLIP-long, SLIP-short安定発現細胞
株を10cm dishに1×106個まき、一晩培養した。翌日、
細胞をはがし、常法に従いSDS-PAGE続いてウエスタンブ
ロッティングを施行した。その結果を図8に示す。なお
ウエスタンブロッティングに際しては、一次抗体として
実施例4(1)で作製したペプチド抗体を用い、二次抗
体には抗ウサギIgG-HRPコンジュゲイト(Juckson Immun
oResearch社製)を用いた。また、検出はECL plus(Ame
rsham-Pharmacia社製)を用いて添付のマニュアルに従
って行った。図8(a)、図8(b)、図8(c)は、
それぞれSLIP-long, SLIP-short, SLIP-ringを検出した
ウエスタンブロッティングの結果を表す。図8からペプ
チド抗体はSLIP-long, SLIP-shortのみを認識すること
が確認された。
【0116】
【発明の効果】本発明のSLIP-longおよびそれをコード
するDNAは、例えば、アポトーシス異常疾患の治療・
予防剤として使用することができる。また、本発明のSL
IP-longまたは本発明のSLIP-longの遺伝子を発現する能
力を有する細胞は、本発明のSLIP-longの機能(例え
ば、カスパーゼ阻害活性、アポトーシス阻害活性、TRAF
結合活性、RIP結合活性、RPR結合活性など)を促進また
は阻害する化合物またはその塩のスクリーニングのため
の試薬として有用である。
【0117】SLIP-ringは、例えば、癌の治療・予防剤
として使用することができる。また、本発明のSLIP-rin
gまたは本発明のSLIP-ringの遺伝子を発現する能力を有
する細胞は、本発明のSLIP-longの機能(例えば、エト
ポシド刺激によるアポトーシスを促進する活性など)を
促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニン
グのための試薬として有用である。
【0118】さらに、本発明のポリペプチドに対する抗
体は、本発明のポリペプチドを特異的に認識することが
できるので、被検液中の本発明のポリペプチドの定量な
どに使用することができる。例えば、本発明のSLIP-lon
gに対する抗体およびSLIP-shortに対する抗体を組み合
わせたり、本発明のSLIP-longをコードするDNAおよ
びSLIP-shortをコードするDNAを組み合わせることに
より、癌の診断を効率良く行うことができる。
【0119】
【配列表】 [SEQUENCE LISTING] <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Survivin-like Polypeptide and its DNA <130> P2001-231 <150> JP 2000-316721 <151> 2000-10-17 <150> JP 2000-386809 <151> 2000-12-20 <160> 22 <210> 1 <211> 68 <212> PRT <213> Human <400> 1 Glu Leu Arg Leu Ala Ser Phe Tyr Asp Trp Pro Leu Thr Ala Glu Val 1 5 10 15 Pro Pro Glu Leu Leu Ala Ala Ala Gly Phe Phe His Thr Gly His Gln 20 25 30 Asp Lys Val Arg Cys Phe Phe Cys Tyr Gly Gly Leu Gln Ser Trp Lys 35 40 45 Arg Gly Asp Asp Pro Trp Thr Glu His Ala Lys Trp Phe Pro Ser Cys 50 55 50 Gln Phe Leu Leu 65 68 <210> 2 <211> 204 <212> DNA <213> Human <400> 2 gagttgcgtc tggcctcctt ctatgactgg ccgctgactg ctgaggtgcc acccgagctg 60 ctggctgctg ccggcttctt ccacacaggc catcaggaca aggtgaggtg cttcttctgc 120 tatgggggcc tgcagagctg gaagcgcggg gacgacccct ggacggagca tgccaagtgg 180 ttccccagct gtcagttcct gctc 204 <210> 3 <211> 47 <212> PRT <213> Human <400> 3 Glu Ala Gln Leu Arg Arg Leu Gln Glu Glu Arg Thr Cys Lys Val Cys 1 5 10 15 Leu Asp Arg Ala Val Ser Ile Val Phe Val Pro Cys Gly His Leu Val 20 25 30 Cys Ala Glu Cys Ala Pro Gly Leu Gln Leu Cys Pro Ile Cys Arg 35 40 45 47 <210> 4 <211> 141 <212> DNA <213> Human <400> 4 gaggcgcagc tgcggcggct gcaggaggag aggacgtgca aggtgtgcct ggaccgcgcc 60 gtgtccatcg tctttgtgcc gtgcggccac ctggtctgtg ctgagtgtgc ccccggcctg 120 cagctgtgcc ccatctgcag a 141 <210> 5 <211> 241 <212> PRT <213> Human <400> 5 Met Gly Pro Lys Asp Ser Ala Lys Cys Leu His Arg Gly Pro Gln Pro 5 10 15 Ser His Trp Ala Ala Gly Asp Gly Pro Thr Gln Glu Arg Cys Gly Pro 20 25 30 Arg Ser Leu Gly Ser Pro Val Leu Gly Leu Asp Thr Cys Arg Ala Trp 35 40 45 Asp His Val Asp Gly Gln Ile Leu Gly Gln Leu Arg Pro Leu Thr Glu 50 55 60 Glu Glu Glu Glu Glu Gly Ala Gly Ala Thr Leu Ser Arg Gly Pro Ala 65 70 75 80 Phe Pro Gly Met Gly Ser Glu Glu Leu Arg Leu Ala Ser Phe Tyr Asp 85 90 95 Trp Pro Leu Thr Ala Glu Val Pro Pro Glu Leu Leu Ala Ala Ala Gly 100 105 110 Phe Phe His Thr Gly His Gln Asp Lys Val Arg Cys Phe Phe Cys Tyr 115 120 125 Gly Gly Leu Gln Ser Trp Lys Arg Gly Asp Asp Pro Trp Thr Glu His 130 135 140 Ala Lys Trp Phe Pro Ser Cys Gln Phe Leu Leu Arg Ser Lys Gly Arg 145 150 155 160 Asp Phe Val His Ser Val Gln Glu Thr His Ser Gln Leu Leu Gly Ser 165 170 175 Trp Asp Pro Trp Glu Glu Pro Glu Asp Ala Ala Pro Val Ala Pro Ser 180 185 190 Val Pro Ala Ser Gly Tyr Pro Glu Leu Pro Thr Pro Arg Arg Glu Val 195 200 205 Gln Ser Glu Ser Ala Gln Glu Pro Gly Ala Gly Pro Gly Pro Pro Gly 210 215 220 Val Arg Ala Gly Ala Gly Glu Gly Trp Gly Thr Pro Thr Phe His Gly 225 230 23 240 Pro 241 <210> 6 <211> 723 <212> DNA <213> Human <400> 6 atggggccta aagacagtgc caagtgcctg caccgtggac cacagccgag ccactgggca 60 gccggtgatg gtcccacgca ggagcgctgt ggaccccgct ctctgggcag ccctgtccta 120 ggcctggaca cctgcagagc ctgggaccac gtggatgggc agatcctggg ccagctgcgg 180 cccctgacag aggaggaaga ggaggagggc gccggggcca ccttgtccag ggggcctgcc 240 ttccccggca tgggctctga ggagttgcgt ctggcctcct tctatgactg gccgctgact 300 gctgaggtgc cacccgagct gctggctgct gccggcttct tccacacagg ccatcaggac 360 aaggtgaggt gcttcttctg ctatgggggc ctgcagagct ggaagcgcgg ggacgacccc 420 tggacggagc atgccaagtg gttccccagc tgtcagttcc tgctccggtc aaaaggaaga 480 gactttgtcc acagtgtgca ggagactcac tcccagctgc tgggctcytg ggacccgtgg 540 gaagaaccgg aagacgcagc ccctgtggcc ccctccgtcc ctgcctctgg gtaccctgag 600 ctgcccacac ccaggagaga ggtccagtct gaaagtgccc aggagccagg tgcaggcccg 660 ggaccccctg gggtgagggc tggggcaggg gagggctggg ggaccccgac cttccatggc 720 cca 723 <210> 7 <211> 224 <212> PRT <213> Human <400> 7 Met Gly Pro Lys Asp Ser Ala Lys Cys Leu His Arg Gly Pro Gln Pro 5 10 15 Ser His Trp Ala Ala Gly Asp Gly Pro Thr Gln Glu Arg Cys Gly Pro 20 25 30 Arg Ser Leu Gly Ser Pro Val Leu Gly Leu Asp Thr Cys Arg Ala Trp 35 40 45 Asp His Val Asp Gly Gln Ile Leu Gly Gln Leu Arg Pro Leu Thr Glu 50 55 60 Glu Glu Glu Glu Glu Gly Ala Gly Ala Thr Leu Ser Arg Gly Pro Ala 65 70 75 80 Phe Pro Gly Met Gly Ser Glu Glu Leu Arg Leu Ala Ser Phe Tyr Asp 85 90 95 Trp Pro Leu Thr Ala Glu Val Pro Pro Glu Leu Leu Ala Ala Ala Gly 100 105 110 Phe Phe His Thr Gly His Gln Asp Lys Val Arg Cys Phe Phe Cys Tyr 115 120 125 Gly Gly Leu Gln Ser Trp Lys Arg Gly Asp Asp Pro Trp Thr Glu His 130 135 140 Ala Lys Trp Phe Pro Ser Cys Gln Phe Leu Leu Arg Ser Lys Gly Arg 145 150 155 160 Asp Phe Val His Ser Val Gln Glu Thr His Ser Gln Leu Leu Gly Ser 165 170 175 Trp Asp Pro Trp Glu Glu Pro Glu Asp Ala Ala Pro Val Ala Pro Ser 180 185 190 Val Pro Ala Ser Gly Tyr Pro Glu Leu Pro Thr Pro Arg Arg Glu Val 195 200 205 Gln Ser Glu Ser Ala Gln Glu Pro Gly Ala Gly Pro Gly Pro Pro Gly 210 215 220 224 <210> 8 <211> 672 <212> DNA <213> Human <400> 8 atggggccta aagacagtgc caagtgcctg caccgtggac cacagccgag ccactgggca 60 gccggtgatg gtcccacgca ggagcgctgt ggaccccgct ctctgggcag ccctgtccta 120 ggcctggaca cctgcagagc ctgggaccac gtggatgggc agatcctggg ccagctgcgg 180 cccctgacag aggaggaaga ggaggagggc gccggggcca ccttgtccag ggggcctgcc 240 ttccccggca tgggctctga ggagttgcgt ctggcctcct tctatgactg gccgctgact 300 gctgaggtgc cacccgagct gctggctgct gccggcttct tccacacagg ccatcaggac 360 aaggtgaggt gcttcttctg ctatgggggc ctgcagagct ggaagcgcgg ggacgacccc 420 tggacggagc atgccaagtg gttccccagc tgtcagttcc tgctccggtc aaaaggaaga 480 gactttgtcc acagtgtgca ggagactcac tcccagctgc tgggctcytg ggacccgtgg 540 gaagaaccgg aagacgcagc ccctgtggcc ccctccgtcc ctgcctctgg gtaccctgag 600 ctgcccacac ccaggagaga ggtccagtct gaaagtgccc aggagccagg tgcaggcccg 660 ggaccccctg gg 672 <210> 9 <211> 280 <212> PRT <213> Human <400> 9 Met Gly Pro Lys Asp Ser Ala Lys Cys Leu His Arg Gly Pro Gln Pro 5 10 15 Ser His Trp Ala Ala Gly Asp Gly Pro Thr Gln Glu Arg Cys Gly Pro 20 25 30 Arg Ser Leu Gly Ser Pro Val Leu Gly Leu Asp Thr Cys Arg Ala Trp 35 40 45 Asp His Val Asp Gly Gln Ile Leu Gly Gln Leu Arg Pro Leu Thr Glu 50 55 60 Glu Glu Glu Glu Glu Gly Ala Gly Ala Thr Leu Ser Arg Gly Pro Ala 65 70 75 80 Phe Pro Gly Met Gly Ser Glu Glu Leu Arg Leu Ala Ser Phe Tyr Asp 85 90 95 Trp Pro Leu Thr Ala Glu Val Pro Pro Glu Leu Leu Ala Ala Ala Gly 100 105 110 Phe Phe His Thr Gly His Gln Asp Lys Val Arg Cys Phe Phe Cys Tyr 115 120 125 Gly Gly Leu Gln Ser Trp Lys Arg Gly Asp Asp Pro Trp Thr Glu His 130 135 140 Ala Lys Trp Phe Pro Ser Cys Gln Phe Leu Leu Arg Ser Lys Gly Arg 145 150 155 160 Asp Phe Val His Ser Val Gln Glu Thr His Ser Gln Leu Leu Gly Ser 165 170 175 Trp Asp Pro Trp Glu Glu Pro Glu Asp Ala Ala Pro Val Ala Pro Ser 180 185 190 Val Pro Ala Ser Gly Tyr Pro Glu Leu Pro Thr Pro Arg Arg Glu Val 195 200 205 Gln Ser Glu Ser Ala Gln Glu Pro Gly Ala Arg Asp Val Glu Ala Gln 210 215 220 Leu Arg Arg Leu Gln Glu Glu Arg Thr Cys Lys Val Cys Leu Asp Arg 225 230 235 240 Ala Val Ser Ile Val Phe Val Pro Cys Gly His Leu Val Cys Ala Glu 245 250 255 Cys Ala Pro Gly Leu Gln Leu Cys Pro Ile Cys Arg Ala Pro Val Arg 260 265 270 Ser Arg Val Arg Thr Phe Leu Ser 275 280 <210> 10 <211> 840 <212> DNA <213> Human <400> 10 atggggccta aagacagtgc caagtgcctg caccgtggac cacagccgag ccactgggca 60 gccggtgatg gtcccacgca ggagcgctgt ggaccccgct ctctgggcag ccctgtccta 120 ggcctggaca cctgcagagc ctgggaccac gtggatgggc agatcctggg ccagctgcgg 180 cccctgacag aggaggaaga ggaggagggc gccggggcca ccttgtccag ggggcctgcc 240 ttccccggca tgggctctga ggagttgcgt ctggcctcct tctatgactg gccgctgact 300 gctgaggtgc cacccgagct gctggctgct gccggcttct tccacacagg ccatcaggac 360 aaggtgaggt gcttcttctg ctatgggggc ctgcagagct ggaagcgcgg ggacgacccc 420 tggacggagc atgccaagtg gttccccagc tgtcagttcc tgctccggtc aaaaggaaga 480 gactttgtcc acagtgtgca ggagactcac tcccagctgc tgggctcytg ggacccgtgg 540 gaagaaccgg aagacgcagc ccctgtggcc ccctccgtcc ctgcctctgg gtaccctgag 600 ctgcccacac ccaggagaga ggtccagtct gaaagtgccc aggagccagg agccagggat 660 gtggaggcgc agctgcggcg gctgcaggag gagaggacgt gcaaggtgtg cctggaccgc 720 gccgtgtcca tcgtctttgt gccgtgcggc cacctggtct gtgctgagtg tgcccccggc 780 ctgcagctgt gccccatctg cagagccccc gtccgcagcc gcgtgcgcac cttcctgtcc 840 <210> 11 <211> 142 <212> PRT <213> Human <400> 11 Met Gly Ala Pro Thr Leu Pro Pro Ala Trp Gln Pro Phe Leu Lys Asp 5 10 15 His Arg Ile Ser Thr Phe Lys Asn Trp Pro Phe Leu Glu Gly Cys Ala 20 25 30 Cys Thr Pro Glu Arg Met Ala Glu Ala Gly Phe Ile His Cys Pro Thr 35 40 45 Glu Asn Glu Pro Asp Leu Ala Gln Cys Phe Phe Cys Phe Lys Glu Leu 50 55 60 Glu Gly Trp Glu Pro Asp Asp Asp Pro Ile Glu Glu His Lys Lys His 65 70 75 80 Ser Ser Gly Cys Ala Phe Leu Ser Val Lys Lys Gln Phe Glu Glu Leu 85 90 95 Thr Leu Gly Glu Phe Leu Lys Leu Asp Arg Glu Arg Ala Lys Asn Lys 100 105 110 Ile Ala Lys Glu Thr Asn Asn Lys Lys Lys Glu Phe Glu Glu Thr Ala 115 120 125 Lys Lys Val Arg Arg Ala Ile Glu Gln Leu Ala Ala Met Asp 130 135 140 142 <210> 12 <211> 426 <212> DNA <213> Human <400> 12 atgggtgccc cgacgttgcc ccctgcctgg cagccctttc tcaaggacca ccgcatctct 60 acattcaaga actggccctt cttggagggc tgcgcctgca ccccggagcg gatggccgag 120 gctggcttca tccactgccc cactgagaac gagccagact tggcccagtg tttcttctgc 180 ttcaaggagc tggaaggctg ggagccagat gacgacccca tagaggaaca taaaaagcat 240 tcgtccggtt gcgctttcct ttctgtcaag aagcagtttg aagaattaac ccttggtgaa 300 tttttgaaac tggacagaga aagagccaag aacaaaattg caaaggaaac caacaataag 360 aagaaagaat ttgaggaaac tgcgaagaaa gtgcgccgtg ccatcgagca gctggctgcc 420 atggat 426 <210> 13 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 13 atgggaccta aagacagtgc caagtg 26 <210> 14 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 14 ctaggacagg aaggtgcgca cg 22 <210> 15 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 15 tcagcagtca gcggccagtc atag 24 <210> 16 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 16 gccccggcgc cctcctcctc ttc 23 <210> 17 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 17 gcggcggctg caggaggaga ggac 24 <210> 18 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 18 aggagaggac gtgcaaggtg tgcctg 26 <210> 19 <211> 46 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 19 ccggaattcc agaccgtgca tcatggggcc taaagacagt gccaag 46 <210> 20 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 20 ccgctcgagc tatgggccat ggaaggtcgg g 31 <210> 21 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 21 ccgctcgagt cacccagggg gtcccgggc 29 <210> 22 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 22 ccgctcgagc taggacagga aggtgcgcac g 31 <210> 23 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 23 tttgaatcgc gggacccgtt ggc 23 <210> 24 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 24 tgtcctctga ggaggcacag gtg 23 <210> 25 <211> 79 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 25 ccggaattcc agaccgtgca tcatggaaca aaaacttatt tctgaagaag atctgatggg 60 gcctaaagac agtgccaag 79 <210> 26 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 26 ccgctcgagc tatgggccat ggaaggtcgg g 31 <210> 27 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 27 ccgctcgagt cacccagggg gtcccgggc 29 <210> 28 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 28 ccgctcgagc taggacagga aggtgcgcac g 31 <210> 29 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 29 ccgccatggg gcctaaagac agtgccaag 29 <210> 30 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 30 ccgctcgagg gacaggaagg tgcgcacgcg g 31 <210> 31 <211> 10 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 31 Glu Pro Gly Ala Gly Pro Gly Pro Pro Gly 1 5 10
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ヒト組織におけるSLIPの発現分
布の結果を示す。
【図2】 図2は、SurvivinおよびSLIP遺伝子の発現分
布の結果を表す。
【図3】 図3は、細胞株にエトポシドを添加した際の
DNA断片化量を表す。
【図4】 図4は、細胞株に紫外線を照射した際のDN
A断片化量を表す。
【図5】 図5は、pcDNA3.1 myc-SLIP-long, pcDNA3.1
myc-SLIP-shortおよびpcDNA3.1 myc-SLIP-ring導入細
胞の蛍光顕微鏡による測定結果を表す。
【図6】 図6は、がん組織と正常組織とのSLIP遺伝子
の発現量を表す。
【図7】 図7は、ウサギポリクローナル抗体を用いた
ウエスタンブロッティングの結果を表す。
【図8】 図8は、ペプチド抗体を用いたウエスタンブ
ロッティングの結果を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61P 43/00 105 4C084 A61P 35/00 111 4C085 43/00 105 C07K 14/82 4C086 111 16/32 4H045 C07K 14/82 C12N 1/15 16/32 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/02 5/10 1/68 A C12P 21/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/02 33/50 Z 1/68 33/53 D G01N 33/15 M 33/50 33/566 33/53 33/574 A C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A 33/574 A61K 37/64 Fターム(参考) 2G045 AA25 AA40 BA11 BB50 DA12 DA13 DA14 DA36 FB02 4B024 AA01 AA12 BA80 CA04 DA02 DA06 EA04 GA11 HA01 HA12 HA15 4B063 QA01 QA18 QQ20 QQ53 QR32 QR40 QR55 QR60 QR62 QR69 QR77 QR80 QS24 QS34 4B064 AG01 CA10 CA19 CC24 DA05 DA14 4B065 AA26X AA93Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA01 AA02 AA06 AA07 AA13 BA01 BA22 CA53 DC32 ZB212 ZB262 ZC202 4C085 AA13 BB22 DD88 4C086 AA01 AA02 EA16 MA01 MA04 ZB21 ZB26 ZC20 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA41 DA76 DA86 EA28 EA51 FA74

Claims (101)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポ
    リペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルま
    たはそれらの塩。
  2. 【請求項2】配列番号:5で表されるアミノ酸配列を含
    有する請求項1記載のポリペプチドもしくはそのアミド
    もしくはそのエステルまたはそれらの塩。
  3. 【請求項3】請求項1記載のポリペプチドをコードする
    ポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】DNAである請求項3記載のポリヌクレオ
    チド。
  5. 【請求項5】配列番号:6で表わされる塩基配列を含有
    する請求項4記載のDNA。
  6. 【請求項6】請求項3記載のポリヌクレオチドを含有す
    る組換えベクター。
  7. 【請求項7】請求項6記載の組換えベクターで形質転換
    された形質転換体。
  8. 【請求項8】請求項7記載の形質転換体を培養し、請求
    項1記載のポリペプチドを生成、蓄積せしめ、これを採
    取することを特徴とする請求項1記載のポリペプチドも
    しくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそれらの
    塩の製造法。
  9. 【請求項9】請求項1記載のポリペプチドもしくはその
    アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩を含有し
    てなる医薬。
  10. 【請求項10】請求項3記載のポリヌクレオチドを含有
    してなる医薬。
  11. 【請求項11】カスパーゼ阻害剤である請求項9または
    10記載の医薬。
  12. 【請求項12】アポトーシス阻害剤である請求項9また
    は10記載の医薬。
  13. 【請求項13】アポトーシス異常疾患の予防・治療剤で
    ある請求項9または10記載の医薬。
  14. 【請求項14】請求項1記載のポリペプチドもしくはそ
    のアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩に対す
    る抗体。
  15. 【請求項15】請求項1記載のポリペプチドもしくはそ
    のアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩の活性
    を不活性化する中和抗体である請求項14記載の抗体。
  16. 【請求項16】請求項14記載の抗体を含有してなる医
    薬。
  17. 【請求項17】癌の予防・治療剤である請求項16記載
    の医薬。
  18. 【請求項18】請求項14記載の抗体を含有してなる診
    断剤。
  19. 【請求項19】癌の診断剤である請求項18記載の診断
    剤。
  20. 【請求項20】請求項3記載のポリヌクレオチドを含有
    してなる診断剤。
  21. 【請求項21】癌の診断剤である請求項20記載の診断
    剤。
  22. 【請求項22】請求項1記載のポリペプチドをコードす
    るDNAに相補的または実質的に相補的な塩基配列また
    はその一部を有し、該DNAの発現を抑制し得る作用を
    有するアンチセンスDNA。
  23. 【請求項23】請求項22記載のアンチセンスDNAを
    含有してなる医薬。
  24. 【請求項24】癌の予防・治療剤である請求項23記載
    の医薬。
  25. 【請求項25】請求項1記載のポリペプチドもしくはそ
    のアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩を用い
    ることを特徴とする請求項1記載のポリペプチドもしく
    はそのアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩の
    機能を促進または阻害する活性を有する化合物またはそ
    れらの塩のスクリーニング方法。
  26. 【請求項26】機能がカスパーゼ阻害活性、アポトーシ
    ス阻害活性、腫瘍壊死受容体関連因子、結合活性、受容
    体相互作用蛋白質結合活性またはドロソフィアアポトー
    シス誘導蛋白質、リーパー結合活性である請求項25記
    載のスクリーニング方法。
  27. 【請求項27】請求項1記載のポリペプチドのカスパー
    ゼ阻害活性を試験化合物の存在下および非存在下に測定
    し、比較することを特徴とする請求項25記載のスクリ
    ーニング方法。
  28. 【請求項28】請求項1記載のポリペプチドの遺伝子を
    発現する能力を有する細胞を試験化合物の存在下および
    非存在下に培養し、それぞれの場合における当該ポリペ
    プチドのmRNAの発現量を測定し、比較することを特
    徴とする請求項25記載のスクリーニング方法。
  29. 【請求項29】請求項1記載のポリペプチドのプロモー
    ター領域およびエンハンサー領域、または請求項1記載
    のポリペプチドのプロモーター領域をレポーター遺伝子
    の上流に連結させたDNAで形質転換した細胞を試験化
    合物の存在下および非存在下に培養し、それぞれの場合
    におけるレポーター遺伝子の発現量を測定することを特
    徴とする請求項25記載のスクリーニング方法。
  30. 【請求項30】(i)請求項1記載のポリペプチドの遺
    伝子を発現する能力を有する細胞を培養し、当該ポリペ
    プチドに対する抗体と細胞培養液(被検液)および標識
    化された当該ポリペプチドとを競合的に反応させた場合
    における該抗体に結合した標識化された当該ポリペプチ
    ド量の割合と、(ii)当該ポリペプチドの遺伝子を発現
    する能力を有する細胞を試験化合物の存在下に培養し、
    当該ポリペプチドに対する抗体と細胞培養液(被検液)
    および標識化された当該ポリペプチドとを競合的に反応
    させた場合における該抗体に結合した標識化された当該
    ポリペプチド量の割合とを比較することを特徴とする請
    求項25記載のスクリーニング方法。
  31. 【請求項31】(i)請求項1記載のポリペプチドの遺
    伝子を発現する能力を有する細胞を培養し、細胞培養液
    (被検液)と担体上に不溶化した当該ポリペプチドに対
    する抗体および標識化された別の当該ポリペプチドに対
    する抗体とを同時あるいは連続的に反応させた場合の不
    溶化担体上の標識剤の活性と、(ii)当該ポリペプチド
    の遺伝子を発現する能力を有する細胞を試験化合物の存
    在下に培養し、細胞培養液(被検液)と担体上に不溶化
    した当該ポリペプチドの抗体および標識化された別の当
    該ポリペプチドに対する抗体とを同時あるいは連続的に
    反応させた場合における不溶化担体上の標識剤の活性と
    を比較することを特徴とする請求項25記載のスクリー
    ニング方法。
  32. 【請求項32】請求項1記載のポリペプチドもしくはそ
    のアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩を含有
    してなる請求項1記載のポリペプチドもしくはそのアミ
    ドもしくはそのエステルまたはそれらの塩の機能を促進
    または阻害する活性を有する化合物またはその塩のスク
    リーニング用キット。
  33. 【請求項33】請求項25記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項32記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られうる、請求項1記載のポリペプチドもしくはその
    アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩の機能を
    促進または阻害する活性を有する化合物またはその塩。
  34. 【請求項34】請求項25記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項32記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られうる、請求項1記載のポリペプチドもしくはその
    アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩の機能を
    促進または阻害する活性を有する化合物またはその塩を
    含有してなる医薬。
  35. 【請求項35】請求項25記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項32記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られうる、請求項1記載のポリペプチドもしくはその
    アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩の機能を
    阻害する活性を有する化合物またはその塩を含有してな
    る癌の予防・治療剤。
  36. 【請求項36】請求項25記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項32記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られうる、請求項1記載のポリペプチドもしくはその
    アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩の機能を
    促進する活性を有する化合物またはその塩を含有してな
    るアポトーシス異常疾患の予防・治療剤。
  37. 【請求項37】哺乳動物に対して請求項1記載のポリペ
    プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
    それらの塩の有効量を投与することを特徴とするアポト
    ーシス異常疾患の予防・治療方法。
  38. 【請求項38】哺乳動物に対して請求項3記載のポリヌ
    クレオチドの有効量を投与することを特徴とするアポト
    ーシス異常疾患の予防・治療方法。
  39. 【請求項39】哺乳動物に対して請求項14記載の抗体
    の有効量を投与することを特徴とする癌の予防・治療方
    法。
  40. 【請求項40】哺乳動物に対して請求項22記載のアン
    チセンスDNAの有効量を投与することを特徴とする癌
    の予防・治療方法。
  41. 【請求項41】哺乳動物に対して、請求項25記載のス
    クリーニング方法または請求項32記載のスクリーニン
    グ用キットを用いて得られうる請求項1記載のポリペプ
    チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
    れらの塩の機能を阻害する活性を有する化合物またはそ
    の塩の有効量を投与することを特徴とする癌の予防・治
    療方法。
  42. 【請求項42】哺乳動物に対して、請求項25記載のス
    クリーニング方法または請求項32記載のスクリーニン
    グ用キットを用いて得られうる請求項1記載のポリペプ
    チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
    れらの塩の機能を促進する活性を有する化合物またはそ
    の塩の有効量を投与することを特徴とするアポトーシス
    異常疾患の予防・治療方法。
  43. 【請求項43】アポトーシス異常疾患の予防・治療剤を
    製造するための請求項1記載のポリペプチドもしくはそ
    のアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩の使
    用。
  44. 【請求項44】アポトーシス異常疾患の予防・治療剤を
    製造するための請求項3記載のポリヌクレオチドの使
    用。
  45. 【請求項45】癌の予防・治療剤を製造するための請求
    項14記載の抗体の使用。
  46. 【請求項46】癌の予防・治療剤を製造するための請求
    項22記載のアンチセンスDNAの使用。
  47. 【請求項47】癌の予防・治療剤を製造するための、請
    求項25記載のスクリーニング方法または請求項32記
    載のスクリーニング用キットを用いて得られうる請求項
    1記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはその
    エステルまたはそれらの塩の機能を阻害する活性を有す
    る化合物またはその塩の使用。
  48. 【請求項48】アポトーシス異常疾患の予防・治療剤を
    製造するための、請求項25記載のスクリーニング方法
    または請求項32記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られうる請求項1記載のポリペプチドもしくはその
    アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩の機能を
    促進する活性を有する化合物またはその塩の使用。
  49. 【請求項49】配列番号:9で表わされるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、
    アポトーシス促進作用を有するポリペプチドもしくはそ
    のアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩。
  50. 【請求項50】配列番号:9で表されるアミノ酸配列を
    含有し、アポトーシス促進作用を有する請求項49記載
    のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ
    ルまたはそれらの塩。
  51. 【請求項51】請求項49記載のポリペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩を含
    有してなるアポトーシス促進剤。
  52. 【請求項52】請求項49記載のポリペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩を含
    有してなる癌の予防・治療剤。
  53. 【請求項53】請求項49記載のポリペプチドをコード
    するポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含
    有してなるアポトーシス促進剤。
  54. 【請求項54】請求項49記載のポリペプチドをコード
    するポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含
    有してなる癌の予防・治療剤。
  55. 【請求項55】請求項49記載のポリペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩に対
    する抗体を含有してなるアポトーシス異常疾患の予防・
    治療剤。
  56. 【請求項56】請求項49記載のポリペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩に対
    する抗体を含有してなる癌の診断剤。
  57. 【請求項57】請求項49記載のポリペプチドをコード
    するポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含
    有してなる癌の診断剤。
  58. 【請求項58】請求項49記載のポリペプチドをコード
    するDNAに相補的または実質的に相補的な塩基配列ま
    たはその一部を有し、該DNAの発現を抑制し得る作用
    を有するアンチセンスDNAを含有してなるアポトーシ
    ス異常疾患の予防・治療剤。
  59. 【請求項59】請求項49記載のポリペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩を用
    いることを特徴とする請求項49記載のポリペプチドも
    しくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそれらの
    塩のアポトーシス促進活性を促進または阻害する活性を
    有する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  60. 【請求項60】アポトーシス促進活性がエトポシド刺激
    によるアポトーシスを促進する活性である請求項59記
    載のスクリーニング方法。
  61. 【請求項61】請求項49記載のポリペプチドのアポト
    ーシス促進活性を試験化合物の存在下および非存在下に
    測定し、比較することを特徴とする請求項59記載のス
    クリーニング方法。
  62. 【請求項62】請求項49記載のポリペプチドの遺伝子
    を発現する能力を有する細胞を試験化合物の存在下およ
    び非存在下に培養し、それぞれの場合における当該ポリ
    ペプチドのmRNAの発現量を測定し、比較することを
    特徴とする請求項59記載のスクリーニング方法。
  63. 【請求項63】請求項49記載のポリペプチドのプロモ
    ーター領域または(および)エンハンサー領域をレポー
    ター遺伝子の上流に連結させたDNAで形質転換した細
    胞を試験化合物の存在下および非存在下に培養し、それ
    ぞれの場合におけるレポーター遺伝子の発現量を測定す
    ることを特徴とする請求項59記載のスクリーニング方
    法。
  64. 【請求項64】(i)請求項49記載のポリペプチドの
    遺伝子を発現する能力を有する細胞を培養し、当該ポリ
    ペプチドに対する抗体と細胞培養液(被検液)および標
    識化された当該ポリペプチドとを競合的に反応させた場
    合における該抗体に結合した標識化された当該ポリペプ
    チド量の割合と、(ii)当該ポリペプチドの遺伝子を発
    現する能力を有する細胞を試験化合物の存在下に培養
    し、当該ポリペプチドに対する抗体と細胞培養液(被検
    液)および標識化された当該ポリペプチドとを競合的に
    反応させた場合における該抗体に結合した標識化された
    当該ポリペプチド量の割合とを比較することを特徴とす
    る請求項59記載のスクリーニング方法。
  65. 【請求項65】(i)請求項49記載のポリペプチドの
    遺伝子を発現する能力を有する細胞を培養し、細胞培養
    液(被検液)と担体上に不溶化した当該ポリペプチドに
    対する抗体および標識化された別の当該ポリペプチドに
    対する抗体とを同時あるいは連続的に反応させた場合の
    不溶化担体上の標識剤の活性と、(ii)当該ポリペプチ
    ドの遺伝子を発現する能力を有する細胞を試験化合物の
    存在下に培養し、細胞培養液(被検液)と担体上に不溶
    化した当該ポリペプチドの抗体および標識化された別の
    当該ポリペプチドに対する抗体とを同時あるいは連続的
    に反応させた場合における不溶化担体上の標識剤の活性
    とを比較することを特徴とする請求項59記載のスクリ
    ーニング方法。
  66. 【請求項66】請求項49記載のポリペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩を含
    有してなる請求項49記載のポリペプチドもしくはその
    アミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩のアポト
    ーシス促進活性を促進または阻害する活性を有する化合
    物またはその塩のスクリーニング用キット。
  67. 【請求項67】請求項59記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項66記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られうる、請求項49記載のポリペプチドもしくはそ
    のアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩のアポ
    トーシス促進活性を促進または阻害する活性を有する化
    合物またはその塩。
  68. 【請求項68】請求項59記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項66記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られうる、請求項49記載のポリペプチドもしくはそ
    のアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩のアポ
    トーシス促進活性を促進または阻害する活性を有する化
    合物またはその塩を含有してなる医薬。
  69. 【請求項69】請求項59記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項66記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られうる、請求項49記載のポリペプチドもしくはそ
    のアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩のアポ
    トーシス促進活性を促進する活性を有する化合物または
    その塩を含有してなる癌の予防・治療剤。
  70. 【請求項70】請求項59記載のスクリーニング方法ま
    たは請求項66記載のスクリーニング用キットを用いて
    得られうる、請求項49記載のポリペプチドもしくはそ
    のアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩のアポ
    トーシス促進活性を阻害する活性を有する化合物または
    その塩を含有してなるアポトーシス異常疾患の予防・治
    療剤。
  71. 【請求項71】哺乳動物に対して請求項49記載のポリ
    ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまた
    はそれらの塩の有効量を投与することを特徴とする癌の
    予防・治療方法。
  72. 【請求項72】哺乳動物に対して請求項49記載のポリ
    ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリ
    ヌクレオチドの有効量を投与することを特徴とする癌の
    予防・治療方法。
  73. 【請求項73】哺乳動物に対して請求項49記載のポリ
    ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまた
    はそれらの塩に対する抗体の有効量を投与することを特
    徴とするアポトーシス異常疾患の予防・治療方法。
  74. 【請求項74】哺乳動物に対して、請求項49記載のポ
    リペプチドをコードするDNAに相補的または実質的に
    相補的な塩基配列またはその一部を有し、該DNAの発
    現を抑制し得る作用を有するアンチセンスDNAの有効
    量を投与することを特徴とするアポトーシス異常疾患の
    予防・治療方法。
  75. 【請求項75】癌の予防・治療剤を製造するための請求
    項49記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくは
    そのエステルまたはそれらの塩の使用。
  76. 【請求項76】癌の予防・治療剤を製造するための請求
    項49記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチ
    ドを含有するポリヌクレオチドの使用。
  77. 【請求項77】アポトーシス異常疾患の予防・治療剤を
    製造するための請求項49記載のポリペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩に対
    する抗体の使用。
  78. 【請求項78】アポトーシス異常疾患の予防・治療剤を
    製造するための請求項49記載のポリペプチドをコード
    するDNAに相補的または実質的に相補的な塩基配列ま
    たはその一部を有し、該DNAの発現を抑制し得る作用
    を有するアンチセンスDNAの使用。
  79. 【請求項79】癌の予防・治療剤を製造するための、請
    求項59記載のスクリーニング方法または請求項66記
    載のスクリーニング用キットを用いて得られうる請求項
    49記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそ
    のエステルまたはそれらの塩のアポトーシス促進活性を
    促進する活性を有する化合物またはその塩の使用。
  80. 【請求項80】アポトーシス異常疾患の予防・治療剤を
    製造するための、請求項59記載のスクリーニング方法
    または請求項66記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られうる請求項49記載のポリペプチドもしくはそ
    のアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩の機能
    を阻害する活性を有する化合物またはその塩の使用。
  81. 【請求項81】配列番号:7で表わされるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
    ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル
    またはそれらの塩。
  82. 【請求項82】配列番号:7で表されるアミノ酸配列を
    含有する請求項81記載のポリペプチドもしくはそのア
    ミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩。
  83. 【請求項83】請求項81記載のポリペプチドをコード
    するポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド。
  84. 【請求項84】DNAである請求項83記載のポリヌク
    レオチド。
  85. 【請求項85】配列番号:8で表わされる塩基配列を含
    有する請求項84記載のDNA。
  86. 【請求項86】請求項83記載のポリヌクレオチドを含
    有する組換えベクター。
  87. 【請求項87】請求項86記載の組換えベクターで形質
    転換された形質転換体。
  88. 【請求項88】請求項87記載の形質転換体を培養し、
    請求項81記載のポリペプチドを生成、蓄積せしめ、こ
    れを採取することを特徴とする請求項81記載のポリペ
    プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
    それらの塩の製造法。
  89. 【請求項89】請求項81記載のポリペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩に対
    する抗体。
  90. 【請求項90】請求項89記載の抗体を含有してなる診
    断剤。
  91. 【請求項91】さらに請求項14記載の抗体を含有する
    請求項90記載の診断剤。
  92. 【請求項92】癌の診断剤である請求項90または91
    記載の診断剤。
  93. 【請求項93】請求項83記載のポリヌクレオチドを含
    有してなる診断剤。
  94. 【請求項94】さらに請求項3記載のポリヌクレオチド
    を含有する請求項93記載の診断剤。
  95. 【請求項95】癌の診断剤である請求項93または94
    記載の診断剤。
  96. 【請求項96】請求項89記載の抗体および請求項14
    記載の抗体を用いることを特徴とする癌の診断方法。
  97. 【請求項97】被検液中の請求項1記載のポリペプチド
    もしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそれら
    の塩と請求項81記載のポリペプチドもしくはそのアミ
    ドもしくはそのエステルまたはそれらの塩との存在割合
    を測定する請求項96記載の診断方法。
  98. 【請求項98】被検体中の請求項81記載のポリペプチ
    ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそれ
    らの塩に対する請求項1記載のポリペプチドもしくはそ
    のアミドもしくはそのエステルまたはそれらの塩の存在
    割合が高い場合に癌に罹患している、または罹患する可
    能性が高いと判断する請求項96記載の診断方法。
  99. 【請求項99】請求項83記載のポリヌクレオチドおよ
    び請求項3記載のポリヌクレオチドを用いることを特徴
    とする癌の診断方法。
  100. 【請求項100】被検体中の請求項83記載のポリヌク
    レオチドと請求項3記載のポリヌクレオチドとの存在割
    合を測定する請求項99記載の診断方法。
  101. 【請求項101】被検体中の請求項3記載のポリヌクレ
    オチドに対する請求項83記載のポリヌクレオチドの存
    在割合が高い場合に癌に罹患している、または罹患する
    可能性が高いと判断する請求項99記載の診断方法。
JP2001318533A 2000-10-17 2001-10-16 サバイビン類似ポリペプチドおよびそのdna Withdrawn JP2002355062A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001318533A JP2002355062A (ja) 2000-10-17 2001-10-16 サバイビン類似ポリペプチドおよびそのdna

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000316721 2000-10-17
JP2000-316721 2000-12-20
JP2000-386809 2000-12-20
JP2000386809 2000-12-20
JP2001318533A JP2002355062A (ja) 2000-10-17 2001-10-16 サバイビン類似ポリペプチドおよびそのdna

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002355062A true JP2002355062A (ja) 2002-12-10

Family

ID=27344956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001318533A Withdrawn JP2002355062A (ja) 2000-10-17 2001-10-16 サバイビン類似ポリペプチドおよびそのdna

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002355062A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7247705B2 (en) Proteins having glucose transporter activity
US20040014947A1 (en) Novel human ependymin-like protein
JP2004073182A (ja) インスリン抵抗性改善剤
JP4530631B2 (ja) 新規タンパク質および癌の予防・治療剤
JP4353697B2 (ja) がんの予防・治療剤
WO2002033071A1 (fr) Polypeptides analogues a la survivine et leurs adn
JP4445291B2 (ja) 新規タンパク質およびそのdna
JP2002355062A (ja) サバイビン類似ポリペプチドおよびそのdna
JP4579378B2 (ja) 新規ポリペプチドおよびそのdna
JP4320151B2 (ja) 新規ポリペプチドおよびその用途
JP2004217634A (ja) がんの予防・治療剤
JP4300008B2 (ja) 新規タンパク質およびそのdna
JP2004089182A (ja) がんの予防・治療剤
JP2005015460A (ja) Sgltホモログ用途
JP2003189873A (ja) がんの予防・治療剤
EP1331269A1 (en) Novel protein, process for producing the same and use thereof
JP2004026692A (ja) Mepeの新規用途
JP2001299363A (ja) 新規タンパク質およびそのdna
JP2004075675A (ja) 骨・関節疾患の予防・治療剤
JP2005151826A (ja) C1qtnf5の用途
JP2002355060A (ja) 新規タンパク質、その製造法及び用途
JP2004121246A (ja) 神経変性疾患の予防・治療剤
JP2004059502A (ja) ホルモン非依存性癌の予防・治療剤
JP2004313173A (ja) 新規タンパク質およびそのdna
JP2004173677A (ja) 新規タンパク質およびそのdna

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050104