JP2002353811A - A/d変換回路 - Google Patents

A/d変換回路

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JP2002353811A
JP2002353811A JP2001159986A JP2001159986A JP2002353811A JP 2002353811 A JP2002353811 A JP 2002353811A JP 2001159986 A JP2001159986 A JP 2001159986A JP 2001159986 A JP2001159986 A JP 2001159986A JP 2002353811 A JP2002353811 A JP 2002353811A
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Shigeharu Kaneko
重治 金子
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】変換精度不良を救済することが可能な逐次比較
形A/D変換回路を提供する。 【解決手段】A/D変換回路は、記憶手段19が第1の
記憶状態に設定されているときには(011)を初期値
としてSARに設定して逐次変換を行い、記憶手段19
が第2の記憶状態に設定されているときには(100)
を初期値としてSARに設定して逐次変換を行う。最初
に記憶手段19を第1の記憶状態としてA/D変換精度
をテストし、不良であった場合には記憶手段19を第2
の記憶状態として再テストする。変換精度不良がスイッ
チS0〜S7の導通不良に起因するものであれば、期待
できる本来の精度に比較して部分的に1LSB程度悪化
した変換精度に改善でき、救済できるので歩留まりが向
上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、A/D変換回路に
関し、特に、変換不良の救済手段を備える逐次比較形の
A/D変換回路に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロコンピュータに組み込まれるA
/D変換回路として、8〜10ビット程度の抵抗ストリ
ングを用いた逐次比較形A/D変換回路が多く使用され
ている。図9は、単純化のために3ビットの構成として
図示した従来の抵抗ストリングを用いた逐次比較形A/
D変換回路のブロック図である。A/D変換回路は、抵
抗ストリング11と、サンプルホールド回路12と、コ
ンパレータ13と、制御回路14と、逐次比較レジスタ
(以下、SARと呼ぶ)15と、デコーダ16と、A/
D変換結果レジスタ(以下、ADCRと呼ぶ)17と、
スイッチS0〜S7とで構成され、A/D変換結果をマ
イクロコンピュータの内部バス18に出力する。
【0003】抵抗ストリング11は、リファレンス電圧
供給端子AVREFとアナログ用接地端子AVSSとの
間に直列に接続された23 =8個の同一抵抗値Rの抵抗
を有し、分圧された電圧がアナログ接地点および各接続
点から基準比較電圧としてタップT0〜T7に出力され
る。サンプルホールド回路12は、アナログ入力AIN
の電圧を取り込みA/D変換の間保持する。コンパレー
タ13は、サンプルホールド回路12が保持するアナロ
グ入力AINの電圧とデコーダ16により選択された抵
抗ストリング11のタップの基準比較電圧とを比較し前
者が後者以上であれば論理値1を出力する。SAR15
は、コンパレータ13で比較が実行される毎に次に比較
するタップを選択するための逐次比較情報を更新して格
納し、最下位ビットまで変換が確定してA/D変換が完
了したのちに保持する逐次比較情報をデジタル出力DO
UTとしてADCR17へ出力する。デコーダ16は、
SAR15内の逐次比較情報を次の変換での基準比較電
圧出力タップを指示する3ビットのタップ選択指示TS
として入力し、デコード結果に基づいてスイッチS0〜
S7の内のひとつを導通させる。通常、スイッチS0〜
S7のそれぞれは、ゲートにデコーダからの信号を入力
されたNチャネルのMOSFETと、ゲートにデコーダ
からの信号の反転信号を入力されてソース、ドレインが
NチャネルMOSFETのソース、ドレインとそれぞれ
接続されたPチャネルのMOSFETとで構成される。
【0004】次に、図10(a)を参照して、図9の従
来例の動作を説明する。まず、A/D変換開始時に、C
PUからのリセット信号(図示せず)により制御回路1
4がSAR15に初期値を設定する。通常は(AVRE
F/2)に近い電圧を出力するタップに対応する値をS
AR15の初期値とし、最上位ビットが1で他のビット
がすべて0を初期値とする(以下、偶数設定方式と称す
ることにする)か、または、最上位ビットが0で他ビッ
トがすべて1を初期値とする(以下、奇数設定方式と称
することとする)かの何れかを用いる。例えばAVRE
F=0.8Vである場合には、偶数設定方式では0.4
Vを出力するタップT4に対応する(100)をSAR
15の初期値とし、奇数設定方式では0.3Vを出力す
るタップT3に対応する(011)をSAR15の初期
値とする。図10(a)では奇数設定方式でSAR15
に(011)が初期値として設定され、アナログ入力A
INが0.05Vである場合を例として説明する。
【0005】次に、SAR15の最上位ビットN2を確
定するために、SAR15内の逐次比較情報(011)
をタップ選択指示TSとしてデコーダ16に送り、デコ
ーダ16はTS=(011)に対応する配線の信号を論
理値1にしてスイッチS3を導通させる。これにより、
コンパレータ13の一方の入力にはタップT3から基準
比較電圧(0.3V)が入力され、サンプルホールド回
路12からのアナログ入力AINの電圧(0.05V)
との比較が行われ、アナログ入力AINはタップT3の
基準比較電圧よりも小さいので、コンパレータ13は比
較結果として論理値0を出力する。比較結果は制御回路
14を介してSAR15の最上位ビットにセットされて
N2が0に確定する。図中で下線は確定したビットを示
す。続いて、制御回路14の制御の下に第2上位ビット
N1の比較準備を行う。すなわち、次の比較対象ビット
であるN1の論理値を反転して0に変更する。
【0006】次に、N1を確定するために、SAR15
内の逐次比較情報(001)をタップ選択指示TSとし
てデコーダ16へ送る。デコーダ16はTS=(00
1)に対応する配線の信号を論理値1にしてスイッチS
1を導通させるので、コンパレータ13の一方の入力に
はタップT1の電圧(0.1V)が基準比較電圧として
入力される。アナログ入力AINがタップT1の電圧よ
りも小さいので、コンパレータ13は比較結果として論
理値0を出力し、制御回路14を介してSAR15の第
2上位ビットにセットされてN1が0に確定する。続い
て、最下位ビットN0の比較準備が行われ、それまでの
N0の論理値を反転して0に変更する。
【0007】次に、N0を確定するために、SAR15
内の逐次比較情報(000)をタップ選択指示TSとし
てデコーダ16へ送る。デコーダ16はTS=(00
0)に対応する配線の信号を論理値1にしてスイッチS
0を導通させ、コンパレータ13の一方の入力にはタッ
プT0の電圧(0V)が基準比較電圧として入力され
る。アナログ入力AINがタップT0の電圧よりも大き
いので、コンパレータ13は比較結果として論理値1を
出力し、制御回路14を介してSAR15の最下位ビッ
トにセットされてN0が1に確定する。
【0008】このようにしてすべてのビットが確定した
のちに、SAR15に保持された逐次比較情報(00
1)がA/D変換結果のデジタル出力DOUTとしてA
DCR17に送られる。マイクロコンピュータのCPU
は、内部バス18を介してADCRをアクセスすること
によりA/D変換結果を得ることができる。アナログ入
力AINの電圧値0.05Vに対してA/D変換結果D
OUTは(001)すなわち0.1Vとなり、最下位ビ
ット(LSB)の量子化誤差(1LSB=0.1V)以
内の精度でA/D変換が可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9の
従来例の逐次比較形A/D変換回路では、スイッチの不
良またはデコーダ16から各スイッチまでの配線の断線
不良などによりスイッチS0〜S7の内の1個が導通し
ないときには、A/D変換精度の低下につながり、変換
開始時のSAR15の初期値が(011)の奇数設定方
式であれば奇数番目のタップT1,T3,T5をそれぞ
れ選択するスイッチS1,S3,S5が導通不良のとき
に精度の低下が大きく、特にSAR15の初期値(01
1)に対応するS3が導通不良のときには最悪となる。
変換開始時のSAR15の初期値が(100)の偶数設
定方式であれば偶数番目のタップT2,T4,T6をそ
れぞれ選択するスイッチS2,S4,S6が導通不良の
ときに精度の低下が大きく、特にSAR15の初期値
(100)に対応するS4が導通不良のときには最悪と
なる。
【0010】図10(b)にスイッチS3がオープン不
良であるときのA/D変換例を示す。図10(a)と同
様にSAR15の初期値は(011)とし、アナログ入
力AINは0.05Vとする。最上位ビットN2の比較
時にスイッチS3が導通しないためにコンパレータ13
の基準比較電圧は0Vのままなのでコンパレータ13の
出力は論理値1となり、SAR15のN2に1が確定す
る。続いて、次の比較対象ビットであるN1の論理値を
反転して0に変更し、SAR15内の逐次比較情報(1
01)をタップ選択指示TSとしてデコーダ16へ送
る。デコーダ16はスイッチS5を導通させ、タップT
5の電圧(0.5V)がコンパレータ13に入力され、
比較結果として論理値0が出力され、N1に0が確定す
る。続いて、次の比較対象ビットであるN0の論理値を
反転して0に変更し、SAR15内の逐次比較情報(1
00)をタップ選択指示TSとしてデコーダ16へ送
る。デコーダ16はスイッチS4を導通させ、タップT
4の電圧(0.4V)がコンパレータ13に入力され、
比較結果として論理値0が出力され、N0に0が確定す
る。A/D変換結果のデジタル出力DOUTとして(1
00)が得られる。すなわち、アナログ入力AINが
0.05Vであるのに対してA/D変換後のデジタル出
力DOUTは0.4Vを示す(100)となり、変換精
度の大幅な低下が発生するためにこのA/D変換回路は
不良と判定される。図2(b)にスイッチS3が不良で
あるときの変換特性(実線)とスイッチS5が不良であ
るときの変換特性(点線)を例示する。
【0011】A/D変換回路のビット数nが増大すると
スイッチ数およびデコーダから各スイッチへの配線本数
はいずれも2n で急増するために、スイッチ導通不良に
よるA/D変換回路の不良も増大することになるが、A
/D変換回路がマイクロコンピュータチップに搭載され
ているLSIチップではマイクロコンピュータ部分が正
常であってもA/D変換回路が不良である場合には不良
チップとして廃棄を余儀なくされる。その一方では、A
/D変換回路が搭載されたマイクロコンピュータの応用
分野の多くでは、変換のリニアリティがある程度確保で
きれば十分とされ、部分的で且つ1〜2LSB程度の小
幅な精度低下であれば許容可能とされる場合が多い。本
発明の目的は、上記のような状況を鑑み、スイッチの導
通不良によるA/D変換精度の大幅な低下が発生した場
合に、精度の低下が小幅となるように軽減して不良を救
済することが可能な逐次比較形A/D変換回路を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明のA
/D変換回路は、抵抗ストリングを用いた逐次比較形の
A/D変換回路において、第1の記憶状態と第2の記憶
状態とを有する記憶手段と、前記記憶手段が第1の記憶
状態であるときにはA/D変換開始時の逐次比較情報の
最上位ビットが0で他ビットを1とし第2の記憶状態で
あるときにはA/D変換開始時の逐次比較情報の最上位
ビットが1で他ビットを0とする手段と、前記逐次比較
情報に対応する前記抵抗ストリングの基準比較電圧タッ
プに接続するスイッチを導通させるデコーダとを備えて
いる。
【0013】第2の発明のA/D変換回路は、抵抗スト
リングを用いた逐次比較形のA/D変換回路において、
第1の記憶状態と第2の記憶状態とを有する記憶手段
と、第1の制御回路の制御の下に逐次比較情報を格納し
A/D変換開始時に初期値として最上位ビットが0で他
ビットが1に設定される第1の逐次比較レジスタと、第
2の制御回路の制御の下に逐次比較情報を格納しA/D
変換開始時に初期値として最上位ビットが1で他ビット
が0に設定される第2の逐次比較レジスタと、前記記憶
手段が第1の記憶状態にあるときには前記第1の逐次比
較レジスタを選択し第2の記憶状態にあるときには前記
第2の逐次比較レジスタを選択する逐次比較レジスタ切
換手段と、前記逐次比較レジスタ切換手段により選択さ
れた逐次比較レジスタの逐次比較情報に対応する前記抵
抗ストリングの基準比較電圧タップに接続するスイッチ
を導通させるデコーダとを備えている。
【0014】第3の発明のA/D変換回路は、抵抗スト
リングを用いた逐次比較形のA/D変換回路において、
第1の記憶状態と第2の記憶状態とを有する記憶手段
と、制御回路の制御の下に逐次比較情報を格納する逐次
比較レジスタと、前記記憶手段が第1の記憶状態にある
ときにはA/D変換開始時に前記逐次比較レジスタの初
期値として最上位ビットが0で他ビットが1に設定し第
2の記憶状態にあるときには前記逐次比較レジスタの初
期値として最上位ビットが1で他ビットが0に設定する
初期値切換手段と、前記逐次比較レジスタの逐次比較情
報に対応する前記抵抗ストリングの基準比較電圧タップ
に接続するスイッチを導通させるデコーダとを備えてい
る。
【0015】第4の発明のA/D変換回路は、抵抗スト
リングを用いた逐次比較形のA/D変換回路において、
第1の記憶状態と第2の記憶状態とを有する記憶手段
と、制御回路の制御の下に逐次比較情報を格納する逐次
比較レジスタと、前記記憶手段が第1の記憶状態にある
ときには前記逐次比較レジスタの逐次比較情報をそのま
ま出力し第2の記憶状態にあるときには前記逐次比較レ
ジスタの逐次比較情報のうち未確定ビットをビット反転
して出力するビット反転手段と、前記ビット反転手段か
らの出力情報に対応する前記抵抗ストリングの基準比較
電圧タップに接続するスイッチを導通させるデコーダと
を備えている。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の逐次比較形のA/D変換
回路は、第1の記憶状態と第2の記憶状態とを有する記
憶手段と、記憶手段が第1の記憶状態のときには最初に
最上位ビットのみが0で他がすべて1のデコーダ入力に
対応するスイッチを選択して逐次比較を開始するように
機能し、記憶手段が第2の記憶状態のときには最初に最
上位ビットのみが1で他がすべて0のデコーダ入力に対
応するスイッチを選択して逐次比較を開始するように機
能する手段とを有している。記憶手段が予め設定された
所定の記憶状態においてA/D変換回路の変換精度をテ
ストし、変換精度不良であった場合には記憶手段の記憶
状態を変更したのちに再度A/D変換回路の変換精度を
テストする。スイッチの導通不良による変換精度不良で
あった場合には、変更により選択されるタップが1タッ
プ分だけずれるために最下位ビットの比較時にのみ不良
スイッチが選択されるようになる。導通不良のスイッチ
を選択したときにはコンパレータの基準比較電圧として
最下位から2番目のビットのタップとの比較時の電圧が
残存して入力されるので、不良に起因して付加される変
換誤差は1LSB以下に抑制される。記憶手段の記憶状
態変更後のテストで規定の変換精度を満たす場合には良
品として救済できるため歩留まりが向上する。
【0017】次に、本発明について図面を用いて詳細に
説明する。図1は、本発明の第1実施形態のブロック図
である。図9の従来の抵抗ストリングを用いた逐次比較
形A/D変換回路と同様に単純化のために3ビットの構
成として図示している。A/D変換回路は、抵抗ストリ
ング11と、サンプルホールド回路12と、コンパレー
タ13と、第1の制御回路14aおよび第2の制御回路
14bと、第1のSAR15aおよびと第2のSAR1
5bと、デコーダ16と、ADCR17と、スイッチS
0〜S7と記憶手段19と、SAR切換手段20とで構
成され、A/D変換結果をADCRよりマイクロコンピ
ュータの内部バス18へ出力する。
【0018】図9の従来例と同様に、抵抗ストリング1
1は、リファレンス電圧供給端子AVREFとアナログ
用接地端子AVSSとの間に直列に接続された23 =8
個の抵抗を有し、分圧された電圧がアナログ接地点およ
び各接続点から基準比較電圧としてタップT0〜T7に
出力される。サンプルホールド回路12は、アナログ入
力AINの電圧を取り込みA/D変換の間保持する。コ
ンパレータ13は、サンプルホールド回路12が保持す
るアナログ入力AINの電圧とデコーダ16により選択
された抵抗ストリング11のタップの基準比較電圧とを
比較し前者が後者以上であれば論理値1を出力する。デ
コーダ16は、次の変換での基準比較電圧出力タップを
指示する3ビットのタップ選択指示TSを入力し、デコ
ード結果に基づいてスイッチS0〜S7の内のひとつを
導通させる。
【0019】第1実施形態においては、第1の制御回路
14a、第2の制御回路14b、第1のSAR15a、
第2のSAR15bおよびSAR切換手段が、記憶手段
19が第1の記憶状態のときには最初に最上位ビットの
みが0で他がすべて1のデコーダ入力に対応するスイッ
チを選択して逐次比較を開始するように機能し、記憶手
段19が第2の記憶状態のときには最初に最上位ビット
のみが1で他がすべて0のデコーダ入力に対応するスイ
ッチを選択して逐次比較を開始するように機能する手段
に相当する。第1のSAR15aおよび第2のSAR1
5bは、コンパレータ13で比較が実行される毎に次に
比較するタップを選択するための逐次比較情報を更新し
て格納するが、第1の制御回路14aと第1のSAR1
5aとは奇数設定方式に構成され、第2の制御回路14
bと第2のSAR15bとは偶数設定方式に構成され
る。記憶手段19が第1の記憶状態であるときには記憶
手段19の出力MEMが論理1(デジタル回路部用電源
VDDの電圧レベル)となり、SAR切換回路20がタ
ップ選択指示TSとしてSAR15aの逐次比較情報出
力を選択してデコーダ16へ出力し、全ビットが確定し
てA/D変換が完了したのちにSAR15aの逐次比較
情報出力を選択しデジタル出力DOUTとしてADCR
17へ出力する。記憶手段19が第2の記憶状態である
ときには記憶手段19の出力MEMが論理0(デジタル
回路用接地電位レベル)となり、SAR切換回路20が
タップ選択指示TSとしてSAR15bの逐次比較情報
出力を選択してデコーダ16へ出力し、A/D変換の完
了したのちにSAR15bの逐次比較情報出力を選択し
デジタル出力DOUTとしてADCR17へ出力する。
記憶手段19は、例えば図1のようにデジタル回路用電
源VDDと出力端との間に設けられたヒューズと出力端
とデジタル回路用接地との間に設けられた高抵抗素子と
で構成される。ヒューズが接続されている第1の記憶状
態では出力端からの出力MEMが論理値1であり、ヒュ
ーズが切断された第2の記憶状態では出力MEMは論理
値0となる。第1実施形態はこのように構成されている
ので、記憶手段19の記憶状態を変更することにより奇
数設定方式から偶数設定方式(または偶数設定方式から
奇数設定方式)への変更が可能である。
【0020】図2は、第1実施形態の動作を説明する図
である。図2(a)は、A/D変換時のSARの状態を
示し、SAR15aは奇数設定方式であるため(01
1)が初期設定され、SAR15bは偶数設定方式であ
るため(100)が初期設定される。予め記憶手段19
が第1の記憶状態に設定されている場合には図9の従来
例で説明したと同様に奇数設定方式のA/D変換回路と
して動作する。スイッチS3が不良であるときには、図
9の従来例で既に説明したと同様に図2(b)の変換特
性(実線)となり、アナログ入力AINが0.05Vの
ときにデジタル出力DOUTが0.4Vを示す(10
0)となるため、このA/D変換回路は変換精度不良で
あると判定される。
【0021】不良と判定されたA/D変換回路を含むL
SIチップの救済のために記憶手段19を第2の記憶状
態に設定変更することにより、記憶手段19の出力ME
Mが論理1から論理0になってSAR切換手段20がS
AR15bの方を選択し、偶数設定方式のA/D変換回
路に変更される。
【0022】SAR15bには、マイクロコンピュータ
のCPUからのリセット信号(図示せず)により初期値
(100)が設定される。次に、SAR15bの最上位
ビットN2を確定するために、SAR15b内の逐次比
較情報(100)をタップ選択指示TSとしてデコーダ
16に送り、デコーダ16はスイッチS4を導通させ
る。これにより、コンパレータ13の一方の入力にはタ
ップT4の電圧(0.4V)が基準比較電圧として入力
され、サンプルホールド回路からのアナログ入力AIN
の電圧(0.05V)との比較が行われ、アナログ入力
AINはタップT4の電圧よりも小さいので、コンパレ
ータ13は比較結果として論理値0を出力する。比較結
果は制御回路14bを介してSAR15bの最上位ビッ
トにセットされてN2が0に確定する。図中で下線は確
定したビットを示す。続いて、制御回路14の制御の下
に第2上位ビットN1の比較準備を行う。すなわち、次
の比較対象ビットであるN1の論理値を反転して1に変
更する。
【0023】次に、N1を確定するために、SAR15
b内の逐次比較情報(010)をタップ選択指示TSと
してデコーダ16へ送る。デコーダ16はTS=(01
0)に対応する配線の信号を論理値1にしてスイッチS
2を導通させるのでコンパレータ13の一方の入力には
タップT2の電圧(0.2V)が基準比較電圧として入
力される。アナログ入力AINがタップT2の電圧より
も小さいので、コンパレータ13は比較結果として論理
値0を出力し、制御回路14bを介してSAR15bの
第2上位ビットにセットされてN1が0に確定する。続
いて、最下位ビットN0の比較準備が行われ、それまで
のN0の論理値を反転して1に変更する。
【0024】次に、N0を確定するために、SAR15
b内の逐次比較情報(001)をタップ選択指示TSと
してデコーダ16へ送る。デコーダ16はTS=(00
1)に対応する配線の信号を論理値1にしてスイッチS
1を導通させ、コンパレータ13の一方の入力にはタッ
プT1の電圧(0.1V)が基準比較電圧として入力さ
れる。アナログ入力AINがタップT1の電圧よりも小
さいので、コンパレータ13は比較結果として論理値0
を出力し、制御回路14bを介してSAR15bの最下
位ビットにセットされてN0が0に確定する。
【0025】全てのビットが確定したのちに、SAR1
5bの保持する逐次比較情報(000)がSAR切換手
段20を介してA/D変換結果のデジタル出力DOUT
としてADCR17に送られる。マイクロコンピュータ
のCPUは、内部バス18を介してADCR17をアク
セスすることによりA/D変換結果を得ることができる
ことは従来例と同様である。この場合には、アナログ入
力AINの電圧値0.05Vに対しては、A/D変換結
果DOUTは(000)すなわち0Vとなり、この場合
には量子化誤差(1LSB=0.1V)以内の精度で変
換されたことになる。
【0026】図2(c)は、第1実施形態で救済された
A/D変換回路の変換特性であり、スイッチS3が不良
であったときの救済後の変換特性を実線で示し、スイッ
チS5が不良であったときの救済後の変換特性を点線で
示す。SAR15aからSAR15bに変更して奇数設
定方式から偶数設定方式に切り換えることにより1タッ
プ分だけ選択するタップがずれるので、スイッチS3が
不良である場合にはアナログ入力AINが0.3Vの付
近で不良スイッチS3が最下位ビットの比較時に選択さ
れるようになる。スイッチS3が選択されたときには、
コンパレータの基準比較電圧としては(010)に対応
する最下位から2番目のビットのタップT2との比較時
の電圧(0.2V)が残存して入力されるので、コンパ
レータの出力は論理1となり、変換結果のデジタル出力
DOUTは(011)となる。なお、スイッチS5の不
良救済で見られるように、故障したスイッチを選択する
電圧値付近で変換のリニアリティが量子化誤差を含む本
来の変換特性に対してさらに最大1LSB分悪化するこ
とがあるが、A/D変換回路が搭載されたマイクロコン
ピュータが使用される応用分野では部分的で且つ小幅な
精度低下であれば許容可能とされるものが多いので、図
1の第1実施形態のA/D変換回路を搭載したLSIチ
ップでは多くの場合に不良救済が可能となる。
【0027】なお、記憶手段19は、フリップフロップ
等の揮発性の記憶手段でもよいが、ヒューズ素子や電気
的書き込み可能なPROM素子を用いて不揮発性の記憶
手段として構成すれば電源切断後の再投入時にも再書き
込みの必要がないので一層好ましい。また、記憶手段1
9が第1の記憶状態(MEM=1)にあるときに奇数設
定方式のSAR15aを選択し記憶手段19が第2の記
憶状態(MEM=0)にあるときに偶数設定方式のSA
R15bを選択するように構成されているとして説明し
たが、第1の記憶状態でMEM=0とし第2の記憶状態
でMEM=1として、第1の記憶状態で偶数設定方式の
SAR15bを選択し、第2の記憶状態で奇数設定方式
のSAR15aを選択するように構成してもよいことは
勿論である。
【0028】次に、本発明の別の実施形態について説明
する。図3は、本発明の第2実施形態のブロック図であ
る。本実施形態では、SARを単一のままとし、制御回
路のうちSARの初期設定の回路部分を分離し、記憶手
段の記憶状態に基づいてSARの初期値を切り換えるこ
とができるように構成されている。すなわち、A/D変
換回路は、抵抗ストリング11と、サンプルホールド回
路12と、コンパレータ13と、制御回路21と、SA
R15と、デコーダ16と、ADCR17と、記憶手段
19と、初期値切換手段22と、スイッチS0〜S7と
で構成される。初期値切換手段22は、記憶手段19が
第1の記憶状態でその出力MEMが所定の論理値(例え
ば論理値1)のときにはSAR15の初期値を奇数設定
方式にしたがって設定し、記憶手段19が第2の記憶状
態でその出力MEMが反対の論理値(例えば論理値0)
のときにはSAR15の初期値を偶数設定方式にしたが
って設定する。
【0029】図4(a)は、初期値切換手段22の回路
図であり、3ビットの場合の構成例である。SAR15
は、3個のセットリセット付フリップフロップを備えコ
ンパレータ13の比較出力を制御回路21を介してN
2,N1,N0として入力する。記憶手段19の出力M
EMが論理値1のときにCPUからのリセット信号RE
Sが入力すると、初期値切換手段22では、第2の内部
リセット信号R2がハイレベルに変化し且つ制御回路2
1からの最上位ビットの比較ビット指定N2Cが初期値
設定時には論理値1のハイレベルとなるのでSAR15
の最上位ビットのフリップフロップF/F2をリセット
するとともに、他のフリップフロップF/F1,F/F
0をセットする。この結果、図4(b)に示すようにS
AR15には初期値として(011)が設定される。こ
れに対して、記憶手段19の出力MEMが論理値0のと
きにCPUからのリセット信号RESが入力すると、初
期値切換手段22では、第1の内部リセット信号R1が
ハイレベルに変化し且つ制御回路21からの最上位ビッ
トの比較ビット指定N2Cが初期値設定時には論理値1
のハイレベルとなるのでSAR15の最上位ビットのフ
リップフロップF/F2をセットするとともに、他のフ
リップフロップF/F1,F/F0をリセットする。こ
の結果、図4(b)に示すようにSAR15には初期値
として(100)が設定される。制御回路21からの比
較ビット指定N2C,N1C,N0Cにより比較対象ビ
ットが指定され比較準備が行われる。
【0030】第2実施形態では、記憶手段19が予め第
1の記憶状態に設定されている場合に奇数設定方式のA
/D変換回路として動作するが、奇数番のスイッチに導
通しない不良であって規定の変換精度が得られないとき
には、記憶手段19を第2の記憶状態に設定変更するこ
とにより偶数設定方式のA/D変換回路に動作を変更し
て再度変換精度をテストする。SAR15を偶数設定方
式に変更後の動作は第1実施形態のSAR15bの動作
と同様であり、また、偶数設定方式への変更による変換
精度の改善効果も図2(c)に示した効果と同様であり
重複するので説明を省略する。なお、記憶手段19は、
第1実施形態と同様に、ヒューズ素子や電気的書き込み
可能なPROM素子を用いた不揮発性の記憶手段である
ことがより好ましい。また、記憶手段19が第1の記憶
状態(MEM=1)にあるときに奇数設定方式とし、第
2の記憶状態(MEM=0)にあるときに偶数設定方式
となるように構成されているとして説明したが、第1の
記憶状態をMEM=0とし第2の記憶状態をMEM=1
として、第1の記憶状態で偶数設定方式となり、第2の
記憶状態で奇数設定方式となるように構成してもよいこ
とは勿論である。
【0031】次に、本発明のさらに別の実施形態につい
て説明する。図5は、本発明の第3実施形態のブロック
図である。A/D変換回路は、抵抗ストリング11と、
サンプルホールド回路12と、コンパレータ13と、制
御回路14と、SAR15と、デコーダ16と、ADC
R17と、記憶手段19と、ビット反転手段31と、ス
イッチS0〜S7とで構成される。図9の従来例に対し
てSAR15とデコーダ16の間にビット反転手段31
が挿入されるとともに、ビット反転手段31でビット反
転するか否かの設定を記憶する記憶手段19とが追加さ
れており、他の部分は従来例と同一である。本実施形態
では第1実施形態および第2実施形態のようにA/D変
換精度不良のときにSARの初期値を変更するのではな
く、SAR15内の逐次比較情報のうち比較対象ビット
を含む未確定ビットのみをビット反転手段31によりビ
ット反転し、タップ選択指示TSとしてデコーダ16に
送ることにより、SAR15内の逐次比較情報に対応す
るタップと隣接したタップに接続されるスイッチが選択
され導通する。
【0032】図6は、第3実施形態のA/D変換動作の
説明図である。A/D変換回路は奇数設定方式で、スイ
ッチS3が導通不良であるとし、記憶手段19が第1の
記憶状態すなわち出力MEMが論理値1のときにはビッ
ト反転手段31は動作しないものとする。したがって、
記憶手段19の出力MEMが論理値1の状態では、図9
の従来例と実質的に同一であり、アナログ入力AINを
0.05Vとして入力したときには、図10(b)のよ
うに誤変換してA/D変換デジタル出力が0.4Vを示
す(100)となり変換精度不良となる。
【0033】不良救済のために記憶手段19を第2の記
憶状態にすると、出力MEMが論理値0となってビット
反転手段31が動作状態となる。A/D変換が開始され
ると、記憶手段19の出力MEMが論理値1のときと同
じく、SAR15には逐次比較情報の初期値として(0
11)が設定される。次に、最上位ビットN2の比較が
行われる。ビット反転手段31により変換対象ビットN
2を含む未確定ビットN2,N1,N0がビット反転さ
れ、タップ選択指示TSとして(100)がデコーダ1
6に入力されるために、デコーダ16の出力はスイッチ
S4を導通させてタップT4の電圧(0.4V)を基準
比較電圧としてコンパレータ13に入力し、0.05V
のアナログ入力AINがこれより小さいのでコンパレー
タ出力が論理値0となる。この結果、最上位ビットN2
が0に確定する。
【0034】続いて、制御回路14の制御の下に第2上
位ビットN1の比較準備を行う。すなわち、次の比較対
象ビットであるN1の論理値を反転して0に変更してS
AR15内の逐次比較情報を(001)とする。次に、
N1の比較が行われる。ビット反転手段31により確定
済みのN2はそのままで変換対象ビットN1を含む未確
定ビットN1,N0がビット反転され、タップ選択指示
TSとして(010)がデコーダ16に入力され、デコ
ーダ16の出力はスイッチS2を導通させてタップT2
の電圧(0.2V)を基準比較電圧としてコンパレータ
13に入力し、0.05Vのアナログ入力AINがこれ
より小さいのでコンパレータ出力が論理値0となる。こ
の結果、N1が0に確定する。
【0035】続いて、制御回路14の制御の下に最下位
ビットN0の比較準備を行う。すなわち、次の比較対象
ビットであるN0の論理値を反転して0に変更してSA
R15内の逐次比較情報を(000)とする。次に、N
0の比較が行われる。ビット反転手段31により確定済
みのN2およびN1はそのままで変換対象ビットN0が
ビット反転され、タップ選択指示TSとして(001)
がデコーダ16に入力され、デコーダ16の出力はスイ
ッチS1を導通させてタップT2の電圧(0.1V)を
基準比較電圧としてコンパレータ13に入力し、0.0
5Vのアナログ入力AINがこれより小さいのでコンパ
レータ出力が論理値0となる。この結果、N1が0に確
定し、A/D変換結果のデジタル出力DOUTは(00
0)となる。
【0036】A/D変換回路が偶数設定方式であっても
同様である。SAR15に(100)が初期設定され、
スイッチS4が導通不良である場合には、記憶手段19
を第2の記憶状態にすることによりN2の比較時にビッ
ト反転手段31の出力であるタップ選択指示TSは(0
11)となり、デコーダ16がスイッチS3を導通させ
てタップT3の電圧(0.3V)を基準比較電圧として
コンパレータ13に入力し、0.05Vのアナログ入力
AINと比較してN2が0に確定する。同様に、N1の
比較では、SAR15内の逐次比較情報(010)のN
1以下のビットをビット反転してタップ選択指示TSを
(001)としてデコーダ16に送りスイッチS1を導
通させてタップT1の電圧(0.1V)を基準比較電圧
としてコンパレータ13に入力し、0.05Vのアナロ
グ入力AINと比較してN1が0に確定する。同様に、
N0の比較では、SAR15内の逐次比較情報(00
1)のN0をビット反転してタップ選択指示TSを(0
00)としてデコーダ16に送りスイッチS0を導通さ
せてタップT1の電圧(0V)を基準比較電圧としてコ
ンパレータ13に入力し、0.05Vのアナログ入力A
INと比較してN0が1に確定する。この結果、A/D
変換結果のデジタル出力DOUTは(001)となる。
【0037】このように、第3実施形態においても、第
1実施形態および第2実施形態と同様に、スイッチが導
通しない不良であるために規定の変換精度が得られない
ときに、記憶手段19を第2の記憶状態に変更すること
により選択するスイッチをして再度変換精度をテストす
る。変更後のタップ選択指示TSおよびこれを入力する
デコーダ16の動作は第1実施形態および第2実施形態
と同様となり、変換精度の改善効果も図2(c)に示し
た効果と同様となるので、部分的で且つ小幅な変換精度
低下であれば許容可能な応用分野に使用するA/D変換
回路内蔵マイクロコンピュータチップの不良を救済する
ことができる。
【0038】図7および図8は、第3実施形態における
ビット反転手段31の実施例の図である。図7(a)
は、第1実施例の回路図であり、図7(b)は、ビット
反転手段の動作を示す図である。第1実施例のビット反
転手段31aは、SAR15の初期値として最上位ビッ
トのみが0で他がすべて1に設定される奇数設定方式の
逐次比較形A/D変換回路に適用する。ビット反転手段
31aは、記憶手段19が第1の記憶状態のときに全ビ
ットが0であり、記憶手段19が第2の記憶状態のとき
に最下位ビットのみが1となるレジスタ41と、SAR
15に格納された値とレジスタ41に格納された値とを
加算してタップ選択指示TSとして出力する全加算器4
2とを備えている。図7(b)に示すように、記憶手段
19が第1の記憶状態(MEM=1)のときにはタップ
選択指示TSはSAR15内の逐次比較情報と同じであ
り、記憶手段19が第2の記憶状態(MEM=0)のと
きにはタップ選択指示TSはSAR15内の逐次比較情
報に1だけ加算して得られる値となる。図7(b)にお
いてXは確定済みのビットを表すので、記憶手段19が
第2の記憶状態(MEM=0)のときのタップ選択指示
TSの値は、SAR15内の逐次比較情報のうち(確定
済みのビットはそのままで)比較対象ビットを含む未確
定ビットだけをビット反転した値であることが示されて
いる。
【0039】図7(c)は、第3実施形態におけるビッ
ト反転手段31の第2実施例の回路図であり、図7
(d)は、ビット反転手段の動作を示す図である。第2
実施例のビット反転手段31bは、SAR15の初期値
として最上位ビットのみが1で他がすべて0に設定され
る偶数設定方式の逐次比較形A/D変換回路に適用す
る。ビット反転手段31bは、記憶手段19が第1の記
憶状態のときに全ビットが0であり、記憶手段19が第
2の記憶状態のときに全ビットが1となるレジスタ43
と、SAR15に格納された値とレジスタ43に格納さ
れた値とを加算してタップ選択指示TSとして出力する
全加算器44とを備えている。図7(d)に示すよう
に、記憶手段19が第1の記憶状態(MEM=1)のと
きにはタップ選択指示TSはSAR15内の逐次比較情
報と同じであり、記憶手段19が第2の記憶状態(ME
M=0)のときにはタップ選択指示TSはSAR15内
の逐次比較情報から1だけ減算して得られる値となる。
すなわち、図7(c)のビット反転手段31bは、実質
的にはSAR15内の逐次比較情報から1だけ減算する
減算回路として動作する。図7(d)においてもXは確
定済みのビットとし、記憶手段19が第2の記憶状態
(MEM=0)のときのタップ選択指示TSの値は、S
AR15内の逐次比較情報のうち(確定済みのビットは
そのままで)比較対象ビットを含む未確定ビットだけを
ビット反転した値であることが示されている。
【0040】図8(a)は、第3実施形態におけるビッ
ト反転手段31の第3実施例の回路図であり、図8
(b)は、ビット反転手段の動作を示す図である。ビッ
ト反転手段31cは、記憶手段19の出力MEMの状態
と制御回路14からの確定済ビット通知FN1,FN2
の状態とに基づいてSAR15からの入力の各ビットの
反転/非反転を行い、タップ選択指示TSを出力する。
図8(b)に示すように、記憶手段19が第1の記憶状
態(MEM=1)のときには、確定済ビット通知FN
1,FN2の状態に関係なく選択信号S1,S2ともに
論理値1となって各セレクタはSARからの直接の入力
をそのまま出力するので、結果としてSAR15の値を
ビット反転を加えずにそのままタップ選択指示TSとし
て出力する。これに対して記憶手段19が第2の記憶状
態(MEM=0)のときには、確定済ビット通知FN
1,FN2のうち論理値1の確定済ビット通知FNiに
関係する選択信号Siは論理値1となり、それ以外の選
択信号Sj(i≠j)は論理値0となる。これによりS
AR15の確定済ビットはビット反転を加えずにそのま
まセレクタから出力し、SAR15の未確定ビットに対
してはセレクタが反転信号側を選択するので、結果とし
て比較対象ビット以下の桁の各ビットのみがビット反転
されてタップ選択指示TSとして出力する。図8(b)
で示したように、第3実施例のビット反転手段31c
は、奇数設定方式および偶数設定方式のいずれの逐次比
較形A/D変換回路にも共通に適用可能である。
【0041】なお、第1実施形態、第2実施形態、第3
実施形態のいずれについても、単純化のために3ビット
A/D変換回路を用いて説明したが、本発明は、3ビッ
トに限定されるものではなく抵抗ストリングを用いたn
(nは自然数)ビットの逐次比較形A/D変換回路に容
易に拡張して適用できるものである。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明の逐次比較形A/
D変換回路では、A/D変換回路の変換精度をテストし
て変換精度不良であった場合には、記憶手段の記憶状態
を変更することにより、最初に最上位ビットのみが0で
他がすべて1のデコーダ入力に対応するスイッチを選択
して逐次比較を行うA/D変換回路を、最初に最上位ビ
ットのみが1で他がすべて0のデコーダ入力に対応する
スイッチを選択して逐次比較を行うA/D変換回路に変
更でき、または、最初に最上位ビットのみが1で他がす
べて0のデコーダ入力に対応するスイッチを選択して逐
次比較を行うA/D変換回路を、最初に最上位ビットの
みが0で他がすべて1のデコーダ入力に対応するスイッ
チを選択して逐次比較を行うA/D変換回路に変更でき
るので、不良がスイッチの導通不良によるものである場
合には救済することが可能となる。10ビット程度でス
イッチ用MOSFETの個数が多くデコーダからスイッ
チまで配線本数も多いA/D変換回路ではMOSFET
の故障や配線の断線等に起因するスイッチの導通不良の
頻度が増大するため、本発明をマイクロコンピュータチ
ップ等に内蔵されるA/D変換回路に適用することによ
りチップの歩留まり向上に効果が大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のブロック図である。
【図2】第1実施形態の動作を説明する図である。
【図3】本発明の第2実施形態のブロック図である。
【図4】第2実施形態における初期値切換手段の回路図
である。
【図5】本発明の第3実施形態のブロック図である。
【図6】第3実施形態のA/D変換動作の説明図であ
る。
【図7】第3実施形態におけるビット反転手段の実施例
の図である。
【図8】第3実施形態におけるビット反転手段の実施例
の図である。
【図9】従来の逐次比較形A/D変換回路のブロック図
である。
【図10】従来例の動作を説明する図である。
【符号の説明】
11 抵抗ストリング 12 サンプルホールド回路 13 コンパレータ 14,14a,14b,21 制御回路 15,15a,15b SAR(逐次比較レジスタ) 16 デコーダ 17 ADCR(A/D変換結果レジスタ) 18 内部バス 19 記憶手段 20 SAR切換手段 22 初期値切換手段 31,31a,31b,31c ビット反転手段

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抵抗ストリングを用いた逐次比較形のA
    /D変換回路において、 第1の記憶状態と第2の記憶状態とを有する記憶手段
    と、 前記記憶手段が第1の記憶状態であるときにはA/D変
    換開始時の逐次比較情報の最上位ビットが0で他ビット
    を1とし第2の記憶状態であるときにはA/D変換開始
    時の逐次比較情報の最上位ビットが1で他ビットを0と
    する手段と、 前記逐次比較情報に対応する前記抵抗ストリングの基準
    比較電圧タップに接続するスイッチを導通させるデコー
    ダとを備えることを特徴とするA/D変換回路。
  2. 【請求項2】 抵抗ストリングを用いた逐次比較形のA
    /D変換回路において、 第1の記憶状態と第2の記憶状態とを有する記憶手段
    と、 第1の制御回路の制御の下に逐次比較情報を格納しA/
    D変換開始時に初期値として最上位ビットが0で他ビッ
    トが1に設定される第1の逐次比較レジスタと、 第2の制御回路の制御の下に逐次比較情報を格納しA/
    D変換開始時に初期値として最上位ビットが1で他ビッ
    トが0に設定される第2の逐次比較レジスタと、 前記記憶手段が第1の記憶状態にあるときには前記第1
    の逐次比較レジスタを選択し第2の記憶状態にあるとき
    には前記第2の逐次比較レジスタを選択する逐次比較レ
    ジスタ切換手段と、 前記逐次比較レジスタ切換手段により選択された逐次比
    較レジスタの逐次比較情報に対応する前記抵抗ストリン
    グの基準比較電圧タップに接続するスイッチを導通させ
    るデコーダとを備えることを特徴とするA/D変換回
    路。
  3. 【請求項3】 前記記憶手段が、不揮発性記憶素子によ
    り記憶するものであることを特徴とする請求項2記載の
    A/D変換回路。
  4. 【請求項4】 抵抗ストリングを用いた逐次比較形のA
    /D変換回路において、 第1の記憶状態と第2の記憶状態とを有する記憶手段
    と、 制御回路の制御の下に逐次比較情報を格納する逐次比較
    レジスタと、 前記記憶手段が第1の記憶状態にあるときにはA/D変
    換開始時に前記逐次比較レジスタの初期値として最上位
    ビットが0で他ビットが1に設定し第2の記憶状態にあ
    るときには前記逐次比較レジスタの初期値として最上位
    ビットが1で他ビットが0に設定する初期値切換手段
    と、 前記逐次比較レジスタの逐次比較情報に対応する前記抵
    抗ストリングの基準比較電圧タップに接続するスイッチ
    を導通させるデコーダとを備えることを特徴とするA/
    D変換回路。
  5. 【請求項5】 前記記憶手段が、不揮発性記憶素子によ
    り記憶するものであることを特徴とする請求項4記載の
    A/D変換回路。
  6. 【請求項6】 抵抗ストリングを用いた逐次比較形のA
    /D変換回路において、 第1の記憶状態と第2の記憶状態とを有する記憶手段
    と、 制御回路の制御の下に逐次比較情報を格納する逐次比較
    レジスタと、 前記記憶手段が第1の記憶状態にあるときには前記逐次
    比較レジスタの逐次比較情報をそのまま出力し第2の記
    憶状態にあるときには前記逐次比較レジスタの逐次比較
    情報のうち未確定ビットをビット反転して出力するビッ
    ト反転手段と、 前記ビット反転手段からの出力情報に対応する前記抵抗
    ストリングの基準比較電圧タップに接続するスイッチを
    導通させるデコーダとを備えることを特徴とするA/D
    変換回路。
  7. 【請求項7】 前記記憶手段が、不揮発性記憶素子によ
    り記憶するものであることを特徴とする請求項6記載の
    A/D変換回路。
  8. 【請求項8】 前記ビット反転手段は、前記記憶手段が
    第1の記憶状態にあるときには逐次比較レジスタの逐次
    比較情報に0を加算して出力し第2の記憶状態にあると
    きには前記逐次比較レジスタの逐次比較情報に1を加算
    して出力する加算回路を備えることを特徴とする請求項
    6または7記載のA/D変換回路。
  9. 【請求項9】 前記ビット反転手段は、前記記憶手段が
    第1の記憶状態にあるときには逐次比較レジスタの逐次
    比較情報から0を減算して出力し第2の記憶状態にある
    ときには前記逐次比較レジスタの逐次比較情報から1を
    実質的に減算して出力する減算回路を備えることを特徴
    とする請求項6または7記載のA/D変換回路。
  10. 【請求項10】 前記ビット反転手段は、逐次比較レジ
    スタの逐次比較情報と記憶手段の記憶状態を示す記憶状
    態信号と前記逐次比較情報の各ビットに対応して変換確
    定済であればアクティブレベルとなる確定済ビット通知
    とを入力し、前記記憶手段が第1の記憶状態にあるとき
    には前記逐次比較情報をそのまま出力し第2の記憶状態
    にあるときにはアクティブレベルである確定済ビット通
    知に対応する前記逐次比較情報のビットはそのままでイ
    ンアクティブレベルである確定済ビット通知に対応する
    前記逐次比較情報のビットはビット反転して出力する機
    能を有することを特徴とする請求項6または7記載のA
    /D変換回路。
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US7604177B2 (en) 2004-05-14 2009-10-20 Oki Electric Industry Co., Ltd. Contactless data carrier, interrogator, contactless data carrier system, and method of acquiring data

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