JP2002353383A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP2002353383A
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resin
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Chihiro Araki
千博 荒木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放熱専用のヒートシンクを用いることなく直
接基板の導体パターン上にベアチップを半田付けすると
ともに樹脂封止により充分確実に熱応力を発散して半導
体チップに対する熱的ストレスが作用することを抑制し
た半導体装置を提供する。 【解決手段】 金属基板1上に絶縁層2を介して導体パ
ターン3が形成され、該導体パターン3上に半導体ベア
チップ7が直接半田付けされた半導体装置において、前
記導体パターン3の線膨張係数とほぼ等しい線膨張係数
を有する樹脂8により前記半導体ベアチップ7を封止し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体ベアチップを
実装した半導体装置に関し、特にその放熱性を向上させ
るための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】各種電子機器や車両および産業機器等の
制御回路を構成する半導体装置において、配線距離を短
くして抵抗を小さくし半導体素子性能を充分引出すた
め、および製造プロセスの効率化や実装の高密度化のた
めに、半導体素子をベアチップの状態で基板上の電極パ
ターンや回路パターン上に搭載している。このようなベ
アチップは、基板の電極あるいは回路パターン上に半田
接合された後、樹脂で封止される。
【0003】このような半導体装置において、半導体チ
ップ自身からの発熱や周囲使用環境の温度サイクルに起
因して半導体チップと基板との間に熱膨張や収縮量の差
による熱応力が発生する。このような熱応力を軽減する
ために、従来銅板等の熱伝導率の高い部材によりヒート
シンクを形成し、基板上にヒートシンクを介して半導体
チップを半田接合していた。
【0004】しかしながら、このようなヒートシンクを
用いると、部品点数が増加し構造も複雑になり、実装密
度が低下するとともに組立てプロセスも面倒になり、コ
ストも上昇する。
【0005】一方、このようなヒートシンクを用いない
で半導体チップに対する熱応力の軽減を図った半導体装
置が特開平7-249714号公報に開示されている。この公報
記載の半導体装置は、絶縁層を介して導体パターンが形
成されたアルミニウム基板を備え、この導体パターン上
に半導体チップが直接半田付けされるとともに、この半
導体チップが、前記アルミニウム基板の熱膨張率よりも
小さい熱膨張率の樹脂により封止された複合半導体装置
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の樹脂封止による半導体装置においては、半導体
チップを封止する樹脂の熱膨張率をアルミニウム基板を
基準としてこのアルミニウム基板より熱膨張率が小さい
材料を選択して用いていたため、半導体チップの種類や
導体パターンの材料によっては、充分な熱応力軽減の効
果が得られない場合があった。
【0007】本発明は、上記従来技術を考慮したもので
あって、アルミニウム(Al)と銅(Cu)の組合せ基
板の熱膨張率を基準としてその組合せ基板より熱膨張率
が小さい樹脂材料を用いることにより、放熱専用のヒー
トシンクを用いることなく直接基板の導体パターン上に
ベアチップを半田付けするとともに樹脂封止により充分
確実に熱応力を発散して半導体チップに対する熱的スト
レスが作用することを抑制した半導体装置の提供を目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、金属基板上に絶縁層を介して導体パタ
ーンが形成され、該導体パターン上に半導体ベアチップ
が直接半田付けされた半導体装置において、前記導体パ
ターンの線膨張係数とほぼ等しい線膨張係数を有する樹
脂により前記半導体ベアチップを封止したことを特徴と
する半導体装置を提供する。
【0009】この構成によれば、半導体チップを封止す
る樹脂の線膨張係数を、金属基板上に形成された導体パ
ターンの熱膨張係数に合わせることにより、熱応力を軽
減し温度サイクルが作用したときの機械ストレスを低減
して耐久性を高め劣化の防止を図ることができる。この
ことは実験的に確認されている。
【0010】好ましい構成例では、前記金属基板はアル
ミニウム基板であり、前記導体パターンは銅膜からなる
ことを特徴としている。
【0011】この構成によれば、アルミニウム基板上に
銅(Cu)からなる導体パターンを形成し、この導体パ
ターン上にベアチップを直接半田付けした後、銅の線膨
張係数とほぼ同じ線膨張係数の樹脂によりベアチップを
封止することにより、熱応力による機械ストレスを確実
に軽減することが可能になる。
【0012】さらに好ましい構成例では、前記半導体ベ
アチップは、パワー素子ベアチップであることを特徴と
している。
【0013】この構成によれば、電力用ダイオードやパ
ワートランジスタ等の大電流が流れるとともに発熱量も
大きくなるパワー素子ベアチップに対し本発明を適用す
ることにより、確実な放熱効果による顕著な機械ストレ
ス低減の効果が得られる。
【0014】好ましい適用例では、前記半導体ベアチッ
プは、回転機器制御ユニット内に組込まれた電力制御用
のパワーデバイスであることを特徴としている。
【0015】この構成によれば、例えば電動車両駆動モ
ータやその他のモータあるいは発電機等の回転機器のイ
ンバータ制御を行ったりあるいはチョッパーとして用い
るFETその他のダイオード等の電力制御用パワーデバ
イスを実装した金属基板に対し本発明を適用することに
より、放熱効果が大きく作動および機械的強度等の信頼
性の高いコンパクトな制御ユニットが得られ、電動車両
等における駆動制御の信頼性が向上する。
【0016】好ましい構成例では、前記回転機器制御ユ
ニットは、両端面が開放した筒状ケース本体からなり、
該ケース本体の表面に並列して突出する複数のリブが形
成され、該ケース本体の内部に前記半導体ベアチップお
よびモータ駆動回路を搭載した金属基板が樹脂封止され
たことを特徴としている。
【0017】この構成によれば、熱伝導性の高い金属材
料の押出し成形等により、両端が開放し且つ表面に複数
の並列するリブが突出するケース本体を形成し、このケ
ース本体の内部にFET等を含むモータ駆動回路が樹脂
封止される。このリブにより、放熱性が高く強度も大き
いケース本体が形成され、コンパクトで信頼性の高いモ
ータ制御ユニットが得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。図1は、本発明に係る半導体
装置の一例を示す断面構成図である。
【0019】この例では、厚さ2〜3mm程度のアルミ
ニウム(Al)基板1上に例えばエポキシ樹脂からなる
厚さ75〜100μm程度の絶縁層2が形成され、この
絶縁層2上に銅(Cu)膜をパターニングして導体パタ
ーン3が形成される。この導体パターン3上にソルダー
レジスト4がコーティングされ、このソルダーレジスト
4をパターニングして半導体チップ搭載位置にランドパ
ターン5が開口するように形成する。このランドパター
ン5に露出する導体パターン3上に直接(ヒートシンク
を介することなく)半田(共晶半田又は鉛フリー半田)
6を介して半導体ベアチップ7が接合される。この半導
体ベアチップ7は、例えば電力変換用の大電流が流れる
電力ダイオードやパワートランジスタ等のパワー素子の
ベアチップである。この場合、導体パターン3に大電流
が流れるため、パターン断面積を大きくする必要があ
り、例えばその厚さを大きくして300〜500μm程
度としている(通常のベアチップでは75〜105μm
程度)。
【0020】半導体ベアチップ7を半田付けした後、エ
ポキシ等の樹脂8によりこのベアチップ7を封止する。
この樹脂8の線膨張係数は、導体パターン3(銅)の線
膨張係数(16.7×10-6/℃)とほぼ等しい。このように
エポキシ樹脂8の線膨張係数を導体パターン3の線膨張
係数に合わせることにより、ベアチップ7の種類や半田
の種類等に応じて半導体ベアチップ7に作用する温度サ
イクルに基づく熱応力を有効に軽減させることができ
る。このことは実験的に確認されている。なお、アルミ
ニウムの線膨張係数は23×10-6/℃である。また、アル
ミニウム基板に代えてセラミック基板(線膨張係数:2.
4×10-6/℃)あるいは鉄基板(線膨張係数:約12×10
-6/℃)を用いることもできる。いずれの場合にも、樹
脂8の線膨張係数は導体パターン3を構成する銅の線膨
張係数にほぼ等しくなるように調整する。
【0021】図2は本発明が適用される電動車両駆動用
のモータ制御ユニットを構成する回路基板の平面図であ
る。アルミニウム基板9上に銅による導体パターン(不
図示)が形成されその上にレジスト10がコーティング
される。このレジスト10をパターニングすることによ
りモータ制御回路を構成するダイオード用のランドパタ
ーン11およびFET用のランドパターン12が形成さ
れる。アルミニウム基板9上の3ヵ所に制御回路の出力
取出端子部13a.13b,13cが形成され、それぞ
れ2本の出力端子取付け用の孔14が形成される。アル
ミニウム基板9の4隅には後述のケース本体に固定する
ための取付け孔15が設けられる。基板上にはさらに、
駆動回路を構成するゲート抵抗16が備わる。
【0022】図3(A)(B)は、図2のアルミニウム
基板9のチップ実装状態の平面図および正面図である。
ダイオード用の各ランドパターン11にダイオード17
が半田接合され、FET用の各ランドパターン12にF
ET18が半田接合される。各ダイオード17は樹脂1
9でそれぞれ封止される。各FET18は、コネクタ2
1とともに樹脂20で封止される。このようなダイオー
ド17およびFET18を封止する樹脂材料としては、
一般に市販されている線膨張係数15〜30×10-6
℃の液状封止材料を選択して用いることができる(例え
ば銅に近似する線膨張係数15×10-6/℃やアルミニウ
ムに近似する線膨張係数22×10-6/℃等の封止材料が
市販され容易に入手可能である)
【0023】図4(A)(B)(C)は、それぞれ図3
のアルミニウム基板9を組込んだモータ制御ユニットの
平面透視図、正面透視図および側面図である。このモー
タ制御ユニット22は、アルミニウム基板9等により構
成された駆動制御回路をケース本体23内に収容したも
のである。このケース本体23は、アルミニウムまたは
その合金からなる金属材料を押出し成形により形成した
ものである。ケース本体23は、両端が開放した筒状体
であり、外周面に複数の並列するリブ24が突出して形
成される。このリブ24により、ケース本体23の表面
積が大きくなって放熱性が高まるとともに、ケース本体
23の剛性や強度が高まる。アルミニウム基板9上に
は、電解コンデンサ25等の駆動制御回路(図6参照)
を構成する素子が搭載される。26a,26b,26c
は、前述の出力端子取出し部13a,13b,13c
(図2、図3参照)に接続する端子取出板である。制御
回路の各信号線は電気ケーブル30およびカプラ27を
介して車両側のスイッチその他の駆動または制御部品に
接続される。アルミニウム基板9の下面側には、前述の
出力端子用の孔14(図2、図3参照)を挿通して設け
た出力端子28が突出する。このようなアルミニウム基
板9およびこれに搭載された電子部品はケース本体23
内に収容され樹脂(不図示)により封止される。
【0024】図5は、上記モータ制御ユニット22の外
観構成図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、
(C)は側面図である。前述のように表面にリブ24が
形成されたケース本体23の一方の側面から端子取出板
26a,26b,26cおよびカプラ27に接続する電
気ケーブル30が取出される。ケース本体29内は樹脂
29で封止される。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、半導
体チップを封止する樹脂の線膨張係数を、金属基板上に
形成された導体パターンの熱膨張係数に合わせることに
より、ヒートシンクを用いることなく、簡単な構成で熱
応力を軽減し温度サイクルが作用したときの機械ストレ
スを低減して耐久性を高め劣化の防止を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の断面構成図。
【図2】 本発明が適用されるアルミニウム基板の平面
図。
【図3】 図2のアルミニウム基板のチップ実装状態の
平面図。
【図4】 図3のアルミニウム基板を組込んだ電動車両
のモータ制御ユニットの構成説明図。
【図5】 図4のモータ制御ユニットの外観構成説明
図。
【符号の説明】
1:アルミニウム基板、2:絶縁層、3:導体パター
ン、4:ソルダーレジスト、5:ランドパターン、6:
半田、7:半導体ベアチップ、8:樹脂、9:アルミニ
ウム基板、10:レジスト、11:ダイオード用のラン
ドパターン、12:FET用のランドパターン、13
a,13b,13c:出力取出端子部、14:出力端子
取付け用の孔、15:取付け孔、16:ゲート抵抗、1
7:ダイオード、18:FET、19,20:樹脂、2
1:コネクタ、22:モータ制御ユニット、23:ケー
ス本体、24:リブ、25:電解コンデンサ、26a,
26b,26c:端子取出板、27:カプラ、28:端
子、29:樹脂、30:電気ケーブル。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属基板上に絶縁層を介して導体パターン
    が形成され、該導体パターン上に半導体ベアチップが直
    接半田付けされた半導体装置において、 前記導体パターンの線膨張係数とほぼ等しい線膨張係数
    を有する樹脂により前記半導体ベアチップを封止したこ
    とを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】前記金属基板はアルミニウム基板であり、
    前記導体パターンは銅膜からなることを特徴とする請求
    項1に記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】前記半導体ベアチップは、パワー素子ベア
    チップであることを特徴とする請求項1または2に記載
    の半導体装置。
  4. 【請求項4】前記半導体ベアチップは、回転機器制御ユ
    ニット内に組込まれた電力制御用のパワーデバイスであ
    ることを特徴とする請求項1、2または3に記載の半導
    体装置。
  5. 【請求項5】前記回転機器制御ユニットは、両端面が開
    放した筒状ケース本体からなり、該ケース本体の表面に
    並列して突出する複数のリブが形成され、該ケース本体
    の内部に前記半導体ベアチップおよびモータ駆動回路を
    搭載した金属基板が樹脂封止されたことを特徴とする請
    求項4に記載の半導体装置。
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