JP2002353162A - 半導体装置、半導体装置の製造方法および半導体製造装置 - Google Patents

半導体装置、半導体装置の製造方法および半導体製造装置

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JP2002353162A
JP2002353162A JP2001157483A JP2001157483A JP2002353162A JP 2002353162 A JP2002353162 A JP 2002353162A JP 2001157483 A JP2001157483 A JP 2001157483A JP 2001157483 A JP2001157483 A JP 2001157483A JP 2002353162 A JP2002353162 A JP 2002353162A
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platinum group
group metal
oxygen
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JP2001157483A
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Tomonori Aoyama
知憲 青山
Kazuhiro Eguchi
和弘 江口
Mitsuaki Dewa
光明 出羽
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インキュベーションタイムのないRu膜の成膜
方法を実現すること。 【解決手段】下部キャパシタ電極としてのRu膜13を
Ru原料と活性酸素を用いたCVD法により形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Ru等の白金属金
属等からなる電極を含む半導体装置、白金属金属膜等を
形成する工程を含む半導体装置の製造方法、ならびに白
金属金属膜等を成膜する半導体製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路の高集積化に伴
い、素子の微細化は進む一方であり、例えばキャパシタ
のセル面積は非常に小さくなっている。セル面積が小さ
くなるとキャパシタ容量も小さくなってしまうが、キャ
パシタ容量は感度やソフトエラー等の点からそれほど小
さくできないという要請がある。
【0003】容量を確保する方法としては、キャパシタ
を3次元的に形成してセル面積をできるだけ大きくする
方法と、キャパシタ絶縁膜に誘電率の高い絶縁膜を用い
る方法が検討されている。
【0004】誘電率の高い絶縁膜として代表的なもの
に、Ta2 5 膜、SrTiO3 (ST)膜、(Ba,
Sr)TiO3 (BST)膜等の酸化物誘電体からなる
ものが知られている。
【0005】このような酸化物誘電体からなる絶縁膜を
キャパシタ絶縁膜として使用する場合、キャパシタ電極
とキャパシタ絶縁膜との界面に低誘電率層が形成される
ことを防止する必要がある。
【0006】そのためには、酸化されないか、または酸
化されても金属導電性を示す電極材料からなるキャパシ
タ電極を形成する必要がある。最近、このような性質を
有する電極材料として、Pt、Ir、Ru等の金属につ
いて検討が行われている。
【0007】上述したようなBST膜等の高誘電率絶縁
膜を用いても、実際には、必要なキャパシタ容量を稼ぐ
ために、立体キャパシタを併用する必要がある。図16
に、キャパシタ電極の材料としてRu、キャパシタ絶縁
膜の材料としてBSTを用いた、DRAMメモリセルの
立体キャパシタの工程断面図を示す。
【0008】まず、図16(a)に示すように、p型S
i基板71の表面にSTI(Shallow Trench Isolatio
n)による素子分離領域72を形成する。
【0009】次に同図(a)に示すように、ゲート絶縁
膜73、ゲート電極(ワード線)74、n+ 型ドレイン
拡散層75、n+ 型ソース拡散層76を形成し、続いて
第1層間絶縁膜77を堆積して表面を平坦化した後、第
1層間絶縁膜77にコンタクトホールを開孔してビット
線78を形成する。
【0010】次に同図(a)に示すように、第2層間絶
縁膜79を堆積して表面を平坦化した後、第1および第
2層間絶縁膜77,79にコンタクトホールを開孔し
て、その内部をバリアメタル膜80(例えばTi膜/T
iN膜)を介してWプラグ81で埋め込む。
【0011】次に図16(b)に示すように、全面に第
3層間絶縁膜82を堆積して表面を平坦化した後、第3
層間絶縁膜82にWプラグ81に対してのヴィアホール
を開孔する。
【0012】次に図16(c)に示すように、ヴィアホ
ールの内壁を被覆するように下部キャパシタ電極となる
Ru膜83を、Ru原料とO2 を用いたCVD法により
全面に堆積した後、ヴィアホールの内部を埋め込むよう
にSOG膜84を全面に塗布する。
【0013】ここで、Ru膜83の原料には、Ru(C
5 5 2 (シクロペンタジエニルルテニウム(慣用
名:ルテノセン)、以下、C5 5 をCpと、(C5
5 2を(Cp)2 と略記する)を用いる。
【0014】次に図16(d)に示すように、ヴィアホ
ール外部の余剰なSOG膜84およびRu膜83をCM
P(Chemical Mechanical Polishing)法で除去する。
【0015】次に図16(e)に示すように、希釈した
HF水溶液またはHF蒸気によってSOG膜84を全て
除去する。この工程で、下部キャパシタ電極(Ru膜)
83が完成する。この後、キャパシタ絶縁膜としてのB
ST膜85をCVD法で全面に堆積する。
【0016】次に同図(e)に示すように、上部キャパ
シタ電極86となるRu膜を全面に堆積し、上記Ru膜
を加工し、上部キャパシタ電極86を形成して、DRA
Mメモリセルが完成する。Ru膜86の成膜方法は、R
u膜83のそれと同じである。
【0017】しかしながら、この種の立体キャパシタの
形成方法には以下のような問題がある。その原因はRu
膜にある。Ru膜は、図17に示すように、ある一定の
ガス導入時間(インキュベーションタイム)t1が経過
した後に、Ru成長が起こることが、Ru膜の成長メカ
ニズムの検討結果より得られている(特開平11−34
0435)。
【0018】インキュベーションタイムは、基板温度が
高いほど短くなる傾向があることが判明した。このた
め、基板温度の均一性が悪いと、場所によってインキュ
ベーションタイムの長さが異なってしまう。さらに、イ
ンキュベーションタイムは、下地の材料によっても変わ
ることも判明した。このため、下地に複数の材料(膜)
が存在すると、基板温度の均一性が悪い場合と同様に、
場所によってインキュベーションタイムの長さが異なっ
てしまう。
【0019】このようなインキュベーションタイムの不
均一性は、Ruの成長速度の不均一性よりも大きくなる
ことがある。その結果、極端な場合は、Ru膜が成膜す
るところと、成長しないところが生じてしまう。したが
って、基板温度の均一性が悪かったり、下地に複数の材
料(膜)が存在すると、キャパシタ電極となるRu膜の
膜厚を制御することが、非常に困難なものとなってしま
う。
【0020】Ru膜の膜厚を制御できなくなると、Ru
膜の加工も困難になる。Ru膜の加工が困難になると、
キャパシタ電極の表面積にばらつきが生じ、キャパシタ
面積にバラツキが生じるので、必要なキャパシタ容量を
安定して確保することができなくなる。その結果、良好
な特性を有する半導体装置を製造することが困難になっ
てしまう。
【0021】さらに、本発明者等の研究によれば、従来
のRu膜の形成方法で得られた下部キャパシタ電極83
は、表面モフォロジーが良くないことが明らかになっ
た。すなわち、従来のRu膜の形成方法では、平滑なR
u電極の形成が困難であることが明らかになった。その
結果、電界集中によるキャパシタのリーク電流の抑制が
困難であった。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来のR
u膜の形成方法は、基板温度の均一性が悪かったり、下
地に複数の材料が存在すると、インキュベーションタイ
ムが不均になって、Ru膜の膜厚の制御が非常に困難に
なるという問題があった。さらに、従来のRu膜の形成
方法では、表面モフォロジーが良好なRu電極を形成す
ることが困難であるという問題があった。
【0023】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、表面モフォロジーが良
好なRu電極を備えた半導体装置、インキュベーション
タイムの不均一性を防止できる、白金族金属およびその
酸化物の少なくとも一方からなる導電膜の形成工程を有
する半導体装置の製造方法、およびそれを実施するため
の半導体製造装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば下
記の通りである。
【0025】すなわち、上記目的を達成するために、本
発明に係る半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基
板上に形成され、ルテニウムおよびその酸化物の少なく
とも一方の電極材料からなり、かつ表面の平均荒さが2
nm以下の電極とを備えていることを特徴とする。
【0026】また、本発明に係る他の半導体装置は、半
導体基板と、前記半導体基板上に形成され、ルテニウム
およびその酸化物の少なくとも一方の電極材料が柱状の
粒で構成されており、かつ前記柱状の粒の幅が20nm
以下である電極とを備えていることを特徴とする。
【0027】これらの本発明に係る半導体装置は、表面
モフォロジーが良好なRu電極を備えた半導体装置であ
って、以下の本発明に係る半導体装置の製造方法におい
て、白金族金属をRuに限定することにより製造するこ
とが可能なものである。
【0028】また、本発明に係る半導体装置の製造方法
は、白金族金属およびその酸化物の少なくとも一方から
なる導電膜を、前記白金族金属の原料および活性酸素を
用いたCVD法により形成する工程を有することを特徴
とする。上記活性酸素の原料は、例えばO2 、N2 Oで
ある。
【0029】本発明に係る半導体装置の製造方法によっ
て、インキュベーションタイムのばらつきを抑制できる
理由は次のように考えられる。
【0030】従来のRu原料等の白金族金属原料(CV
D原料)とO2 を用いたCVD成膜の場合、成膜開始の
初期段階にある程度の長さを有する初期核形成時間が存
在する。インキュベーションタイムは初期核形成時間に
よって決まる。この初期核形成時間は下地材料・温度に
よって異なる。これがインキュベーションタイムのばら
つきの原因であると考えられる。また、初期核形成時間
中に形成された核は、O2 を分解するための触媒として
働き、O2 が分解するとCVD原料の分解は速やかに生
じ、白金族金属膜の成膜が進む。
【0031】以上の考察から、インキュベーションタイ
ムのばらつきを無くするためには、初期核形成時間を無
くせば良いことが予想される。ただし、初期核形成時間
が無くなることは、O2 を分解する触媒が無くなること
を意味する。
【0032】ここで、O2 の分解やそれに伴って生じる
物質としては、活性酸素(酸素ラジカル、酸素イオン、
オゾン)が発生すると考えられる。
【0033】そこで、本発明者等は、CVD原料と酸素
を用いるのではなく、CVD原料と活性酸素を用いたC
VD法によって、白金族金属膜の成膜を行ってみた。そ
の結果、インキュベーションタイムが実質的に無い白金
族金属膜の成膜を行うことが可能になることが明らかに
なった。さらに、このような方法で得られたRu膜は表
面モフォロジーも良好であることが明らかになった。従
来方法で初期核形成時間が短くなるようにしRu膜の成
膜を行ったところ、初期核密度が低くなり、表面モフォ
ロジが劣化することも明らかになった。
【0034】活性酸素の生成方法としては、マイクロ波
またはECRプラズマを用いて酸素ガスをプラズマ励起
する方法などがあげられる。
【0035】これらの生成方法よりも優れた方法として
は、白金族金属膜またはその酸化膜等の成膜反応の前
に、白金属金属に酸素ガスを接触させ、白金属金属の触
媒作用により活性酸素を効率的に発生させる方法や、紫
外線を用いて酸素ガスを励起する方法などがある。紫外
線を用いる場合、特に160nm以上390nm以下の
範囲の波長を有する紫外線が好ましい。本発明に係る半
導体製造装置はこのような方法を実施するためのもので
ある。
【0036】すなわち、本発明に係る半導体製造装置
は、CVD成膜を行う成膜室と、この成膜室内に設けら
れた白金族金属を含む部材と、前記白金族金属を含む部
材に酸素ガスを吹き付ける手段とを備えていることを特
徴とする。
【0037】また、本発明に係る他の半導体製造装置
は、内壁が白金族金属で被覆され、酸素を含むガスが通
る配管と、この配管を通った前記酸素を含むガスが導入
される、CVD成膜を行う成膜室とを備えていることを
特徴とする。
【0038】また、本発明に係る他の半導体製造装置
は、白金族金属からなり、酸素を含むガスを通すフィル
タと、このフィルタを通った前記酸素を含むガスが導入
される、CVD成膜を行う成膜室とを備えていることを
特徴とする。
【0039】配管の内壁を白金族金属で被覆したり、白
金族金属からなるフィルタを用いることにより、酸素と
白金族金属との接触面積が大きくなり、活性酸素を効果
的に発生することができるようになる。
【0040】また、本発明に係る他の半導体製造装置
は、CVD成膜を行う成膜室、およびこの成膜室にガス
を導入するためのガス配管の少なくとも一箇所以上に紫
外線を照射できる光源とを備えていることを特徴とす
る。また、ガスを混合するガス混合部をさらに備えた半
導体製造装置の場合、前記光源は、前記成膜室、前記ガ
ス配管および前記ガス混合部の少なくとも一箇所以上に
紫外線を照射できるものとなる。前記ガス混合部は、成
膜室内または成膜室外に設けられている。
【0041】本発明の上記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記載および添付図面によって明ら
かになるであろう。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態(以下、実施形態という)を説明する。
【0043】(第1の実施形態)図1および図2は、本
発明の第1の実施形態に係るDRAMメモリセルのキャ
パシタの製造方法を示す工程断面図である。
【0044】まず、図1(a)に示すように、p型Si
基板1の表面にSTIによる素子分離領域2を形成し、
次にゲート絶縁膜3、ゲート電極(ワード線)4、n+
型ドレイン拡散層5およびn+ 型ソース拡散層6を形成
してMOSトランジスタを作成し、次に第1層間絶縁膜
7を堆積して表面を平坦化し、第1層間絶縁膜7にコン
タクトホールを開孔してビット線8を形成し、次に第2
層間絶縁膜9を堆積して表面を平坦化した後、第1およ
び第2層間絶縁膜7,9にコンタクトホールを開孔し
て、その内部をバリアメタル膜10(例えばTi膜/T
iN膜)を介してWプラグ11で埋め込む。ここまでの
工程は従来と同じである。
【0045】次に図1(b)に示すように、第3層間絶
縁膜12を全面に堆積して表面を平坦化し、次に第3層
間絶縁膜12にWプラグ11に対してのヴィアホールを
開孔し、次にヴィアホールの内壁を被覆するように下部
キャパシタ電極となるRu膜その酸化膜またはこれらが
混在した膜(以下、単にRu膜という)13をRuCp
2 とO3 (活性酸素)を用いたCVD法で全面に堆積す
る。
【0046】このようにRu膜13の成膜をCVD法に
より行う際に、原料にRu(Cp) 2 とO3 を用いるこ
とによって、Ru膜13を膜厚制御性良く成膜すること
ができる。
【0047】すなわち、基板温度の不均一性や、下地に
複数種の材料(第2層間絶縁膜9、バリアメタル膜1
0、Wプラグ11)が存在しても、一様な膜厚のRu膜
13を容易に形成することができる。その理由は、課題
を解決するための手段の項で説明したように、Ru原料
とO3 を用いた本発明のCVD法によれば、インキュベ
ーションタイムが実質的に無い成膜が可能となるからで
ある。さらに、Ru膜13の表面は従来に比べて平滑で
あることが確認された。これらの点について第4の実施
形態の後でさらに詳説する。
【0048】また、O3 の発生方法としては、オゾナイ
ザーやキセノンランプを用いる方法が有効である。な
お、O3 を用いる代わりに、活性酸素のもとになる原料
としてN2 Oを用いることによっても、活性酸素を生成
できるため、同様にRu膜13を膜厚制御性良く成膜で
きる。
【0049】次に図1(c)に示すように、ヴィアホー
ルの内部を埋め込むようにSOG膜14を全面に堆積す
る。
【0050】次に図1(d)に示すように、ヴィアホー
ル外部の余剰なSOG膜14およびRu膜13をCMP
法で除去するとともに、表面を平坦化する。
【0051】ここでは、Ru膜13のCMP加工時の保
護膜としてSOG膜14を用いたが、SOG膜14の代
わりにレジスト膜でも良い。この場合、レジスト膜の剥
離は現像液あるいはアッシングを用いると良い。
【0052】次に図2(e)に示すように、希釈したH
F水溶液またはHF蒸気によってSOG膜14を全て除
去して下部キャパシタ電極(Ru膜)13を形成する。
次にキャパシタ絶縁膜としての(Ba,Sr)TiO3
(BST)膜15をCVD法で全面に堆積する。
【0053】ここでは、キャパシタ絶縁膜としてBST
膜15を用いたが、SrTiO2 膜、Ta2 5 膜、
(Pb、La)(Zr、Ti)O3 膜、SrBi2 (N
b、Ta)2 9 膜等の金属酸化物誘電体膜を用いても
良い。
【0054】次に図2(f)に示すように、上部キャパ
シタ電極16となるRu膜を全面に堆積し、上記Ru膜
を加工し、上部キャパシタ電極16を形成して、DRA
Mメモリセルが完成する。Ru膜16の堆積方法は、R
u膜13のそれと同じである。したがって、上部キャパ
シタ電極16もRu膜13の場合と同様に膜厚制御性良
く成膜することができる。
【0055】ここでは、本発明をコンケイブ型キャパシ
タの電極に適用した場合について説明したが、本発明は
図3に示す柱状型キャパシタの電極、図4に示すシリン
ダ型キャパシタの電極に適用できる。
【0056】(第2の実施形態)図5は、本発明の第2
の実施形態に係るCVD装置を示す模式図である。この
CVD装置は、第1の実施形態で説明したキャパシタ電
極等に用いられるRu膜等の白金族金属膜を成膜するた
めのものである。
【0057】図中、21はCVD成膜を行うところの成
膜室(反応室)を示しており、この成膜室21の壁に
は、その内部にRu原料等のCVD原料を導入するため
の第1の配管22、O2 を導入するための第2の配管2
3がそれぞれ設けられている。また、成膜室21の底部
には真空ポンプ(不図示)に繋がった排気管24が設け
られ、成膜室21内を所望の圧力に維持できるようにな
っている。
【0058】成膜室21の内部にはRu膜等の白金族金
属膜が形成される基板25を載置する第1のサセプタ2
6、表面に白金族金属膜が成膜された白金族金属付き基
板27を載置する第2のサセプタ28が設けられてい
る。白金族金属付き基板27の白金族金属膜は、O2
分解して活性酸素(例えば酸素ラジカル、酸素イオ
ン、)を効率的に生成するための触媒金属として用いら
れる。
【0059】白金族金属付き基板27の具体的な構成を
図5(b)〜図5(d)に示す。図5(b)はSi基板
あるいはSiO2 基板等の基板271 の表面全面に白金
族金属膜272 が形成されている例、図5(c)および
図5(d)はSi基板あるいはSiO2 基板等の基板2
1 の表面の一部分に白金族金属膜272 が形成されて
いる例をそれぞれ示している。
【0060】ここでは、活性酸素を生成するための触媒
金属としてはRuを用いた場合について説明するが、P
t、Au、Ir、Rh等の8族あるいは1B族の元素を
含む単体または化合物を用いても良い。さらに、白金族
金属付き基板27のように表面に触媒金属膜が成膜され
た基板の代わりに、触媒金属を主成分とする板を用いて
も良い。
【0061】第2のサセプタ28は第1のサセプタ26
よりも第2の配管23に近い側に設けられている。すな
わち、第2のサセプタ28は第1のサセプタ26よりも
2ガス流の上流側になるように設けられている。これ
らのサセプタ26,28はそれぞれ基板25、白金族金
属付き基板27を加熱するためのヒーター29を備えて
いる。
【0062】次に上記の如き構成されたCVD装置を用
いたRu膜の形成方法について説明する。
【0063】まず、第1および第2のサセプタ26,2
8上に基板25および白金族金属付き基板27をそれぞ
れ載置する。ここでは、白金族金属付き基板27の白金
族金属膜の材料(触媒金属)として上述したようにRu
を用いる。基板25は、例えば、成膜するべきRu膜が
第1の実施形態のキャパシタ電極の場合、図1(b)の
ヴィアホールが開孔された第3層間絶縁膜12までが形
成されたSi基板1である。
【0064】次にRu原料としてのRu(C2 5 5
4 2 (エチルシクロペンタジエニルルテニウム、以
下Ru(EtCp)2 と略記する)ガスを第1の配管2
2から成膜室21内に導入するとともに、O2 ガスを第
2の配管23から成膜室21内に導入し、O2 ガスを白
金族金属付き基板27に吹き付けることで、Ru膜の成
膜を行う。このとき、基板25、白金族金属付き基板2
7はヒーター29により加熱される。白金族金属付き基
板27の加熱温度は150−600℃である。
【0065】このような成膜方法によれば、加熱された
白金族金属付き基板27にO2 ガスが吹き付けられ、R
uの触媒作用によりO2 ガスから活性酸素を効率的に生
成することができるようになる。
【0066】そして、基板25は白金族金属付き基板2
7よりも下流側に設けられているので、活性酸素は基板
25に供給される。その結果、膜厚制御性良くRu膜を
成膜することができるようになる。
【0067】また、このようなRuの触媒作用を利用し
た活性酸素の生成方法は、白金族金属付き基板27を収
容できるスペースを確保するだけ実施できる。したがっ
て、コンパクトで安価な活性酸素生成装置を実現できる
ようになる。
【0068】白金族金属付き基板27の白金族金属とし
てRuを用い、成膜室21の内壁およびサセプター2
6,28に付着したRu膜をクリーニングする方法とし
ては、O2 または活性な酸素を用いた方法があげられ
る。
【0069】具体的には、O2 をクリーニングに用いる
場合、炉内温度700℃、圧力0.1Torr以上でO
2 を炉内に供給する。クリーニング温度は、クリーニン
グ速度の点から800℃以上、炉のスループットの点
(降温時間の点)から1100℃以下が望ましい。例え
ば、900℃、100Torrの条件でO2 を炉内に供
給すると、100nmのRu膜を15以下で完全に除去
できる。
【0070】一方、活性な酸素をクリーニングに用いる
場合、炉内温度200℃以上、圧力0.1Torr以上
でO3 を炉内に供給する。クリーニング温度が500℃
以下でも十分なクリーニング速度が得られる。例えば、
3 (オゾン)を含む酸素ガスを400℃、100To
rrの条件で炉内に供給すると、100nmのRu膜を
10以下で完全に除去できる。酸素ラジカルを含む酸素
ガスを用いた場合もオゾンを用いた場合と同様の効果が
得られる。
【0071】酸素でクリーニングする場合でも、活性な
酸素でクリーニングする場合でも、炉内に供給する際
に、各々の供給配管だけではなく、Ru原料の供給配管
からも酸素や活性な酸素を供給することにより、配管の
内壁に堆積したRu膜も完全に除去することができる。
【0072】しかし、白金族金属付き基板27の白金族
金属としてRu以外の8族や1B族の金属を用いた場
合、これらの金属は酸素ではエッチングされないので、
白金族金属付き基板27は成膜室21内に入れたままで
Ru膜のクリーニングを行うことができる。
【0073】ここでは、本発明を横型のCVD装置に適
用した場合について説明したが、本発明は縦型のCVD
装置にも適用できる。この場合、図6に示すように、R
u膜を成膜する基板25の上流側に例えば触媒金属とし
てPtを用いた白金族金属付き基板27を1枚以上設置
し、この白金族金属付き基板27の白金族金属が成膜さ
れた面上にOガスを吹き付けることにより、基板25
に活性な酸素を供給することができ、横型のCVD装置
の場合と同様に、膜厚制御性良くRu膜を成膜すること
ができる。
【0074】なお、白金族金属付き基板27の白金族金
属としてRuを用い、成膜室21の内壁およびサセプタ
ー26,28に付着したRu膜のクリーニングを600
℃以上1000℃以下、代表的には900℃の酸素(O
2 、O3 )雰囲気で行う場合、白金族金属付き基板27
はクリーニング時に成膜室21から外に出す必要があ
る。また、横型のCVD装置の場合と同様に、種々の変
形が可能である。
【0075】(第3の実施形態)図7は、本発明の第3
の実施形態に係るCVD装置を示す模式図である。図7
において、図5と対応する部分には図5と同一符号を付
し、詳細な説明は省略する。また、第4の実施形態以降
の図において、前出した図と同一符号(添字が異なるも
のを含む)は同一符号または相当部分を示し、詳細な説
明は省略する。
【0076】本実施形態のCVD装置が第2の実施形態
のそれと異なる点は、ECRプラズマを利用して、活性
酸素を生成することにある。図中、30はプラズマの密
度を高めるための磁気コイル、31はRu原料および酸
素を導入するための配管をそれぞれ示している。
【0077】図7のCVD装置を用いたRu膜の形成方
法は、例えば以下の通りである。すなわち、Ru原料と
してのRu(CH3 5 4 2 (メチルシクロペンタ
ジエニルルテニウム、以下Ru(MeCp)2 と略記す
る)ガス、O2 ガスを配管31から成膜室21内に導入
するとともに、ECRプラズマにより酸素プラズマを発
生させる。
【0078】この結果、基板25の表面に(MeCp)
2 ガスおよび酸素プラズマ中の活性酸素(酸素ラジカ
ル、酸素イオン)が供給され、膜厚制御性良くRu膜を
成膜することができるようになる。
【0079】なお、マイクロ波やECRプラズマを用い
ず、例えば2.45GHzのマイクロ波を用いること、
あるいはO2 に紫外線を照射することによっても、活性
酸素(酸素ラジカル、酸素イオン)を生成することも可
能で、同様に、膜厚制御性良くRu膜を成膜することが
できるようになる。
【0080】(第4の実施形態)次に本発明の第4の実
施形態に係るRu膜の成膜方法および活性酸素生成機構
について説明する。
【0081】本実施形態のRu膜の成膜方法が第1の実
施形態のそれと異なる点は、図1(b)のRu膜13の
成膜工程において、活性酸素としてO3 を用いる代わり
に酸素ラジカルを用いることにある。このような成膜方
法でも、第1の実施形態と同様に膜厚制御性良くRu膜
13を堆積することができるようになる。
【0082】一般的に、ラジカルを発生させる方法とし
ては第3の実施例で説明したようなマイクロ波を用いた
方法が多く用いられている。特に、マイクロ波により酸
素プラズマを発生さ、その後酸素プラズマを成膜室内に
導入するタイプ(ダウンフロータイプ)の方法の場合、
寿命の長い酸素ラジカルを基板まで供給することができ
る。この方法でも本実施形態を実現することができる。
以下、酸素ラジカルをもっと簡便に生成する方法につい
て以下に説明する。
【0083】図8は、O2 ガスを導入する配管23と、
この配管23の内面をコーティングする白金族金属膜3
2とから構成された活性酸素生成機構を示している。O
2 ガスは配管23を通して、CVD装置の成膜室内の基
板表面に供給されるようになっている。
【0084】配管23はCVD装置の外側、内側のいず
に設置しても良い。CVD装置の内側に設置した場合、
特にホットウォール型のCVD炉の場合、成膜室の加熱
時に配管23の温度も同時に上昇するため、配管23を
加熱するためのヒーター29を設置しなくても良いとい
う利点がある。
【0085】白金族金属膜32としてRu膜を用いた場
合、ヒーター29により150−600℃の温度に配管
23を加熱すると、酸素ラジカルを効率的に生成するこ
とができる。
【0086】なお、Ru膜を用いた場合、配管23を6
00℃以上の温度まで加熱すると、Ru膜が酸化されて
RuO4 膜が形成され、揮発してしまう。このような場
合、白金族金属膜32として、Pt膜のように酸化され
て揮発しないものを使用することにより、配管23を6
00℃以上の高温の温度まで加熱することが可能とな
る。
【0087】また、配管の材料として石英等を用いれ
ば、配管を1000℃以上の温度まで加熱することがで
きる。
【0088】さらに、白金族金属膜32はRu膜やPt
膜の他に、8族あるいは1B族の元素を含む単体または
化合物の膜を用いても良い。
【0089】図9は、O2 ガスを導入する配管23と、
この配管23の途中に挿設され、表面が白金族金属膜
(不図示)でコーティングされた多孔質フィルタ33と
から構成された活性酸素生成機構を示している。
【0090】このような構成の活性酸素生成機構によれ
ば、多孔質フィルタ33中にO2 ガスを通すことによっ
て、酸素ラジカルを含んだO2 ガスを効率的に生成する
ことができるようになる。
【0091】例えば、白金族金属膜としてRu膜を用い
た場合、ヒーター29により150−600℃の温度ま
で配管23を加熱すると、酸素ラジカルを効率的に生成
することができる。白金族金属膜は、Ru膜以外にも図
8の説明であげた種々の膜が使用可能である。さらに、
多孔質フィルタ33の代わりに、表面が白金族金属膜
(不図示)でコーティングされたメッシュ状フィルタを
用いても良い。さらにまた、多孔質状またはメッシュ状
の白金族金属からなるフィルタを用いても良い。
【0092】図10は、O2 ガスを導入する配管23
と、この配管23の途中に挿設され、繊維状の白金族金
属からなる繊維状フィルタ34とから構成された活性酸
素生成機構を示している。
【0093】このように構成された活性酸素生成機構に
よれば、繊維状フィルタ34中にO 2 ガスを通すことに
よって、酸素ラジカルを含んだO2 ガスを効率的に生成
することができるようになる。
【0094】例えば、白金族金属としてRuを用いた場
合、ヒーター29により150−600℃の温度に配管
23を加熱すると、酸素ラジカルを効率的に生成するこ
とができる。白金族金属は、Ru膜以外にも図8の説明
であげた種々の膜が使用可能である。さらに、繊維状フ
ィルタ34の代わりに、繊維状の材料の表面をRu等の
白金族金属でコーティングしたものを用いても良い。
【0095】図11は、白金族金属膜でコーティングさ
れた複数の薄板35からなるディスクフィルタ36と、
ディスクフィルタ36を収容する収容管37と、ディス
クフィルタ36に接続され、収容管37内にO2 ガスを
導入するための配管231 と、収容管37内のガスをC
VD装置の成膜室内に導くための配管232 とから構成
された活性酸素生成機構を示している。
【0096】このように構成された活性酸素生成機構に
よれば、配管231 から導入されたOガスが、ヒータ
ー29で加熱されたディスクフィルタ36の薄板35間
を通ることによって、酸素ラジカルを効率的に生成する
ことができるようになる。
【0097】例えば、白金族金属としてRuを用いた場
合、ヒーター29により150−600℃の温度にディ
スクフィルタ36を加熱すると、酸素ラジカルを効率的
にに生成することができる。白金族金属膜は、Ru膜以
外にも図8の説明であげた種々の物質が使用可能であ
る。さらに、白金族金属膜でコーティングされた複数の
薄板35からなるディスクフィルタ36の代わりに、R
u等の白金族金属を主成分とする複数の薄板からなるデ
ィスクフィルタを用いても良い。さらにまた、Ru膜等
の白金族金属膜でコーティングされた薄板またはRu等
の白金族金属を主成分とする薄板の数は一つでも良い。
【0098】図12は、複数の基板25の上方にそれぞ
れ白金族金属付き基板27が設けられてなるホットウォ
ール型のバッチ式CVD装置を示している。白金族金属
付き基板27の白金族金属膜が成膜された面と、基板2
5の白金族金属膜が形成される面とは対向している。
【0099】このように構成されたバッチ式CVD装置
によれば、基板25の白金族金属膜が形成される面と対
向した、白金族金属付き基板27の白金族金属膜が成膜
された面で酸素ラジカルが発生するため、基板25の白
金族金属膜が形成される面に酸素ラジカルを効率的に供
給できるようになる。
【0100】白金族金属付き基板27の代わりに、白金
族金属(Ru等の8族や1B族の金属)を主成分とする
板または膜(白金族金属部材)を用いても良い。この場
合、白金族金属部材の基板25の白金族金属膜が形成さ
れる面と反対側の面(裏面)を被服部材で覆っておくと
良い。
【0101】図13に被服部材の具体例を示す。図13
(a)は、被服部材としてはSi基板(ダミーウェハ)
38を用いた例を示しており、白金族金属部材27’は
例えばSiO2 膜40が表面に形成されたSi基板38
上にスパッタ形成されたものである。図12(b)は、
被服部材として石英基板39を用いた例を示しており、
白金族金属部材27’は例えば石英基板39上にスパッ
タ形成されたものである。基板25とSi基板38(ま
たは石英基板39)との間の間隔L1は、代表的には2
cmであるが、間隔L1は狭ければ狭い程良い。
【0102】このように白金族金属部材27’の裏面を
被服部材で覆うことで、間隔L1が短くなっても、白金
族金属部材27’の裏面と対向する基板25の面に白金
族金属膜が成膜されることを確実に防止することができ
る。
【0103】また、基板25と白金族金属付き基板27
との位置関係を上下逆にして、白金族金属付き基板27
上の基板25の表面に白金族金属膜を成膜する構成にし
ても良い。
【0104】第1−第4の実施形態に示した活性酸素を
用いたCVD法で成膜したRu膜13を調べた結果、図
14に示すように、Ru膜13は柱状(カラム状)に成
長していることが明らかになった。Ruからなる柱状粒
13’の幅L2は20nm以下と小さいことが判明し
た。一方、活性酸素を用いない従来のCVD法で成膜し
たRu膜を調べた結果、最も小さい柱状粒13’の幅で
も20nmよりも広いことが判明した。すなわち、本発
明によれば、Ruの核密度を高くできることが確認され
た。
【0105】さらに、活性酸素を用いた本発明のCVD
法で成膜したRu膜の表面荒さをAFMで測定した結
果、平均荒さは2nm以下であることが判明した。さら
に、このRu膜を窒素雰囲気中、600℃で30分熱処
理したところ、柱状粒15’の幅は50nmに増加した
が、平均荒さはこの場合でも、2nm以下と非常に平滑
であることが判明した。従来のCVD法で成膜した場合
の平均荒さは最も小さい場合でも5nmであったため、
本発明のCVD法が表面平滑化に非常に有効であること
がわかる。したがって、電極に起因したキャパシタのリ
ーク電流を十分に低減できるようになる。
【0106】また、本発明および従来の方法で成膜した
それぞれのRu膜について、膜厚の成膜時間依存性を調
べたところ、230℃から450℃の範囲内で、図15
に示すように、本発明の場合、インキュベーションタイ
ムを無視できる程度に短くすることができ、Ru膜の膜
厚を容易に制御できることが明らかになった。
【0107】また、ホットウォールタイプのCVD装置
で、W膜、TiN膜、Si膜、SiO2 膜、Ta2 5
膜、SrTiO3 膜、(Ba、Sr)TiO3 膜の各種
膜が成膜されたSi基板上に、本発明の方法によりRu
膜を成膜したところ、どのSi基板上でも、インキュベ
ーションタイムは観測されず、同じ成膜速度でRu膜が
成膜されていることが判明した。すなわち、本発明によ
れば、インキュベーションタイムの下地依存性が実質的
に無いRu膜の成膜方法を実現できることが判明した。
【0108】このような結果となった理由は次のように
推測される。CVD法によるRu膜の成膜時に活性酸素
を用いない場合(従来方法)、表1に示すように、炭素
の3重結合をもつ基が形成される分解反応が生じ、これ
がRuと結合してルテニウムアセチリド誘導体を形成し
て蒸発するため、Ruの成膜速度は非常に遅くなる。
【0109】
【表1】
【0110】しかし、ある程度初期核が形成されるとこ
れを触媒として酸素が分解され、Ru原料の分解が速や
かに生じる(表1)。このため、図17に示したよう
に、初期核形成中と成長中とではRu膜の成膜速度が大
きく異なり、初期核形成中の成膜速度は成長中の成膜速
度に比べて無視できる。この場合、Ru膜の膜厚制御は
非常に困難である。
【0111】これに対して、CVD法によるRu膜の成
膜膜時に活性酸素を用いる場合(本発明)、活性酸素が
Ru錯体の有機配位子(シクロペンタジエニル基やメチ
ルシクロペンタジエニル基やエチルシクロペンタジエニ
ル基)を攻撃して、Ru錯体の分解反応が促進するた
め、従来方法とは異なり、成膜初期段階の初期核成膜時
間が実質的に無くなり、速やかにRu膜の成膜が起こ
る。その結果、Ru膜の膜厚制御は非常に容易になる。
また、Ruの核密度も増加させることができるため、平
滑なRu膜を成膜することができる。
【0112】(第5の実施形態)次に本発明の第5の実
施形態に係るキャパシタの製造方法について説明する。
【0113】なお、本実施形態のキャパシタの製造方法
は、Ru膜の成膜工程を除いて、第1の実施形態のそれ
と同じなので、ここではRu膜の成膜についてのみ説明
する。
【0114】本実施形態のRu膜の成膜方法が第1の実
施形態のそれと異なる点は、Ru膜の堆積を行う工程
で、O2 をCVD原料とともに導入する際に、これらに
紫外光を照射することにある。実際には、Si基板(R
u堆積領域)に紫外光を照射することにより、Si基板
上のO2 およびCVD原料に紫外線を照射することにな
る。この場合も、第1の実施形態と同様に膜厚制御性良
くRu膜を堆積することができる。
【0115】Si基板に紫外光を照射することによっ
て、基板表面でOラジカルやO3 のような活性酸素を効
率よく生成することができ、Ruの成膜を促進すること
ができる。
【0116】紫外光の波長としては390nmから16
0nmのものが適当だが、特に、200nm以下の波長
の真空紫外光が有効である。例えば、172nmの波長
のエキシマランプを用いてRu膜の成膜を行うと、図1
8に示すように、Ru成膜初期におけるインキュベーシ
ョンタイムがなく、さらに表面荒さが平均で1nm以下
と非常に平滑なRu膜が得られることを確認した。この
場合、第1−4の実施形態(図15)とは異なり、成膜
速度度は遅くなったが、インキュベーションタイムは無
くなることが判明した。このRu膜はXRD測定の結
果、C軸に配向していることがわかり、成膜速度が遅く
なった原因は(001)面の成膜速度が他の面よりも遅
いためと考えられる。
【0117】紫外光の照射で活性な酸素を効率良く生成
することにより、初期核密度が高まるとともに、CVD
原料に含まれる炭素や水素等の不純物を十分に除去する
ことができ、これらの不純物の含有量が極めて少ないR
u膜を得ることができる。
【0118】また、上記のように紫外光を照射して成膜
したRu膜の比抵抗を調べた結果、10μΩcm以下の
抵抗が得られ、キャパシタ電極として十分利用可能な高
品質なRu膜が得られることを確認した。
【0119】なお,紫外光の照射をSi基板(成膜室
内)に対して行ったが、Si基板以外の場所で紫外光の
照射を行っても良い。例えば、酸素ガスを導入する場所
(配管)や、酸素ガスと原料とを混合させる場所(混合
部)で紫外線を照射しても同様の効果を得ることができ
る。あるいは以上述べた紫外線を照射できる複数の箇所
の2つ以上の箇所に紫外線を照射しても良い。
【0120】また、紫外光の照射はRuを成膜している
間中ずっと行う必要はなく、例えば成膜の初期のみ照射
し、Ruの成長が始まってからは照射を停止しても、R
u成膜初期におけるインキュベーションタイムは観測さ
れないことを確認した。
【0121】また、CVD原料ガスの導入前に酸素ガス
を導入し、この時に紫外光を酸素ガスに照射すると、基
板表面に活性な酸素が吸着する。原料ガス供給前から紫
外光の照射を行うことによって、Ru初期核の密度を向
上させることができ、インキュベーションタイムがな
く、しかも、紫外光照射をRu成膜前に行わない方法よ
りもさらに平滑なRu膜を得ることができる。
【0122】以上、本発明の第1−第5の実施形態につ
いて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定され
るものではない。例えば、上記実施形態では、本発明を
キャパシタの電極に適用した場合について説明したが、
本発明はダマシンゲート型MOSトランジスタのゲート
電極やコンタクトプラグにも適用できる。
【0123】さらに上記実施形態には種々の段階の発明
が含まれており、開示される複数の構成要件における適
宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例え
ば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要
件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で
述べた課題を解決できる場合には、この構成要件が削除
された構成が発明として抽出され得る。その他、本発明
の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施できる。
【0124】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、表
面モフォロジーが良好なRu電極を備えた半導体装置、
インキュベーションタイムの不均一性を防止できる、白
金族金属およびその酸化物の少なくとも一方からなる導
電膜の形成工程を有する半導体装置の製造方法およびそ
れを実施するための半導体製造装置を実現できるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るDRAMメモリ
セルのキャパシタの製造方法を示す工程断面図
【図2】図1に続く同DRAMメモリセルのキャパシタ
の製造方法を示す工程断面図
【図3】第1の実施形態のキャパシタの変形例を示す断
面図
【図4】第1の実施形態のキャパシタの他の変形例を示
す断面図
【図5】本発明の第2の実施形態に係るCVD装置を示
す模式図
【図6】第2の実施例のCVD装置の変形例を示す模式
【図7】本発明の第3の実施形態に係るCVD装置を示
す模式図
【図8】第3の実施例のCVD装置の変形例を示す模式
【図9】第3の実施例のCVD装置の他の変形例を示す
模式図
【図10】第3の実施例のCVD装置の他の変形例を示
す模式図
【図11】第3の実施例のCVD装置の他の変形例を示
す模式図
【図12】第3の実施例のCVD装置の他の変形例を示
す模式図
【図13】被服部材の具体例を示す図
【図14】本発明のRu膜の構造を示す模式図
【図15】本発明および従来の方法で成膜したRu膜の
膜厚の成膜時間依存性を示す図
【図16】従来のDRAMメモリセルのキャパシタの製
造方法を示す工程断面図
【図17】従来の方法でRu膜を成膜した場合の初期核
形成中およびRu成長中におけるRu膜厚の成膜時間依
存性を示す図
【図18】本発明および従来の方法で成膜したRu膜の
膜厚の成膜時間依存性を示す図
【符号の説明】
1…Si基板 2…素子分離領域 3…ゲート絶縁膜 4…ゲート電極 5…ドレイン拡散層 6…ソース拡散層 7…層間絶縁膜 8…ビット線 9…層間絶縁膜 10…バリアメタル膜 11…Wプラグ 12…層間絶縁膜 13…下部キャパシタ電極(Ru膜) 13’…Ruからなる柱状粒 14…SOG膜 15…BST膜 16…上部キャパシタ電極(Ru膜) 21…成膜室 22…第1の配管 23…第2の配管 231 ,232 …配管 24…排気管 25…基板 26…第1のサセプタ 27…白金族金属付き基板 271 …基板 272 …白金族金属膜 27’…白金族金属部材 28…第2のサセプタ 29…ヒーター 31…配管 32…白金族金属膜 33…多孔質フィルタ 34…繊維状フィルタ 35…薄板 36…ディスクフィルタ 37…収容管 38…基板 39…石英基板 40…SiO2
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 27/108 H01L 27/10 651 29/78 29/78 301G 301P (72)発明者 出羽 光明 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 4K030 AA11 AA14 BA01 CA04 EA01 FA10 LA15 4M104 BB04 CC01 CC05 DD44 DD45 DD48 GG09 GG16 5F083 AD24 AD48 JA06 JA14 JA15 JA17 JA38 JA39 JA40 JA43 MA06 MA17 NA01 NA08 5F140 AA00 BF01 BF05 BG28 BG36 BJ27 CE05

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板と、 前記半導体基板上に形成され、ルテニウムおよびその酸
    化物の少なくとも一方の電極材料からなり、かつ表面の
    平均荒さが2nm以下の電極とを具備してなることを特
    徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】半導体基板と、 前記半導体基板上に形成され、ルテニウムおよびその酸
    化物の少なくとも一方の電極材料が柱状の粒で構成され
    ており、かつ前記柱状の粒の幅が20nm以下である電
    極とを具備してなることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】前記電極は、立体キャパシタの上部電極お
    よび下部電極の少なくとも一方の電極、またはダマシン
    ゲート型MOSトランジスタのゲート電極であることを
    特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】白金族金属およびその酸化物の少なくとも
    一方からなる導電膜を、前記白金族金属の原料および活
    性酸素を用いたCVD法により形成する工程を有するこ
    とを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】前記活性酸素は、オゾン、酸素ラジカルま
    たは酸素イオンであることを特徴とする請求項4に記載
    の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】前記導電膜の成膜反応の前に、白金属金属
    に酸素ガスを接触させることにより、前記活性酸素を発
    生させることを特徴とする請求項4または5に記載の半
    導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】前記白金族金属を加熱し、この加熱された
    前記白金族金属に前記酸素ガスを接触させることを特徴
    とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】前記白金族金属は、8族または1B族の元
    素を含むものであることを特徴とする請求項4ないし7
    のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】CVD成膜を行う成膜室と、 この成膜室内に設けられた白金族金属を含む部材と、 前記白金族金属を含む部材に酸素ガスを吹き付ける手段
    とを具備してなることを特徴とする半導体製造装置。
  10. 【請求項10】内壁が白金族金属で被覆され、酸素を含
    むガスが通る配管と、 この配管を通った前記酸素を含むガスが導入される、C
    VD成膜を行う成膜室とを具備してなることを特徴とす
    る半導体製造装置。
  11. 【請求項11】白金族金属からなり、酸素を含むガスを
    通すフィルタと、 このフィルタを通った前記酸素を含むガスが導入され
    る、CVD成膜を行う成膜室とを具備してなることを特
    徴とする半導体製造装置。
  12. 【請求項12】前記フィルタは、多孔質状、メッシュ
    状、ディスク状もしくは繊維状の白金族金属、または多
    孔質材、メッシュ状、ディスク状もしくは繊維状の部材
    の表面を白金族金属で被覆したものであることを特徴と
    する請求項11に記載の半導体製造装置。
  13. 【請求項13】前記白金族金属を加熱する加熱手段をさ
    らに備えていることを特徴とする請求項9ないし12の
    いずれか1項に記載の半導体製造装置。
  14. 【請求項14】前記白金族金属は、8族または1B族の
    元素を含むものであることを特徴とする請求項9ないし
    13のいずれか1項に記載の半導体製造装置。
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WO2004077501A2 (ja) * 2003-02-27 2004-09-10 Nat Inst Of Advanced Ind Scien 電界効果トランジスタおよび電界効果トランジスタの製造方法
JP2014027322A (ja) * 2007-03-05 2014-02-06 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 配線の作製方法、記憶素子の作製方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004077501A3 (ja) * 2003-02-27 2004-11-11 Nat Inst Of Advanced Ind Scien 電界効果トランジスタおよび電界効果トランジスタの製造方法
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