JP2002350785A - 眼用レンズの設計方法 - Google Patents

眼用レンズの設計方法

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JP2002350785A
JP2002350785A JP2001159654A JP2001159654A JP2002350785A JP 2002350785 A JP2002350785 A JP 2002350785A JP 2001159654 A JP2001159654 A JP 2001159654A JP 2001159654 A JP2001159654 A JP 2001159654A JP 2002350785 A JP2002350785 A JP 2002350785A
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lens
mtf
ophthalmic lens
shape
designing
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Yukihisa Sakai
幸久 阪井
Yoshihiko Oyama
吉彦 大山
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Menicon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 収差を考慮した上で、光学領域において目的
とする屈折力を高精度に且つ容易に設定することの出来
る、眼用レンズの新規な設計方法を提供すること。 【解決手段】 仮定的にレンズ形状が付与された仮レン
ズ形状の眼用レンズに関して、レンズ面からの距離をパ
ラメータとして把握されるMTFの算出データを利用し
て、MTFの算出値がピークとなる光軸上の位置を、目
的とする眼用レンズの焦点位置に等しくなるように、レ
ンズ形状を変更,調節するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、コンタクトレンズや眼内レン
ズ,眼鏡レンズ等の眼用レンズにおいて、目的とする屈
折力を与えるレンズ形状を高精度に且つ速やかに設定す
ることの出来る、眼用レンズにおける新規な設計方法
と、かかる設計方法によって提供される眼用レンズに関
するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、人間の眼の屈折異常の矯正等の
目的で、コンタクトレンズや眼内レンズ,眼鏡レンズ等
の各種の眼用レンズが提供されているが、それらの何れ
においても重要なことは、装用される眼に応じて要求さ
れる屈折力を高精度に設定することである。
【0003】そこにおいて、眼用レンズにおける屈折力
の設定は、基本的にはスネルの法則に基づく公知の方程
式を利用して、レンズ前後面の形状やレンズ厚さを、レ
ンズ材の屈折率を考慮して決定することによって行うこ
とが可能である。
【0004】ところが、光学レンズにおいては、収差の
影響があり、レンズ上の異なる点を通過する全ての光線
に対して目的とする屈折力を与えることが現実には出来
ないことから、レンズ面上の一点における屈折力をもと
にして計算設定されたレンズ形状では、レンズ光学領域
の広い範囲を全体として考慮した時に、目的とする屈折
力が得られ難いという問題があった。
【0005】具体的には、例えば、近視用や遠視用等の
単焦点の眼用レンズでは、一般にレンズ前後面が何れも
単一の曲率半径の球面形状とされているが、特に高屈折
力の単焦点レンズにおいては球面収差が大きくなって、
目的とする屈折力を高精度に得ることが難しい。また、
老視用等の多焦点の眼用レンズは、複数の焦点を得るた
めに、その光学領域内に例えば同心円上等の複数の細分
化された領域が設定されて、それら各領域のレンズ面に
対して互いに異なる曲率半径の球面形状が与えられた複
雑なレンズ面形状を有している。それ故、光学領域全域
において球面収差が大きくなる傾向にあり、複数の光学
領域を併せて考慮したときに分割光学領域相互間での干
渉から目的とする屈折力を安定して得難い。更に、単焦
点と多焦点の何れにおいても、コンタクトレンズは、一
般に、レンズ後面に対して、装用者の角膜に対応した小
さな曲率が設定されることから、球面収差の影響が一層
大きくなり、光学領域の全体で目的とする屈折力を高精
度に得ることが難しいという問題があったのである。
【0006】なお、このような問題に対処するために、
例えば、光学領域の多数点で、通過光を光線追跡して解
析し、それらの解析結果に基づいて、目的とする屈折力
を高精度に与えるレンズ面形状を設計することも考えら
れるが、光線追跡による多数点での解析は計算作業が煩
雑で多大の時間が必要となることに加えて、複数点での
独立的な解析結果からレンズ面の全体形状を決定するこ
とが難しいことから、必ずしも有効な方策ではない。
【0007】また、スネルの法則に基づく一般的な光学
方程式等に基づいて形状設計した眼用レンズについて、
その収差による影響をMTF(modulation transfer fu
nction)を用いて評価することも提案されているが、か
かる従来の手法は、MTFを単なる収差の評価手段とし
て用いているに過ぎず、それ故、目的とする屈折力を実
現し得る眼用レンズの提供に関して、有効な設計方法を
提供し得るものではなかったのである。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、収差を考慮した上で、光学領域において目
的とする屈折力を高精度に且つ容易に設定することの出
来る、眼用レンズの新規な設計方法を提供することにあ
る。
【0009】また、本発明は、光学領域において目的と
する屈折力が高精度に設定された眼用レンズを提供する
ことも、目的とする。
【0010】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の
組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至
は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることな
く、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの
記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づ
いて認識されるものであることが理解されるべきであ
る。
【0011】すなわち、眼用レンズの設計方法に関する
本発明の第一の態様は、眼用レンズの形状を仮決定して
仮レンズ形状を設定し、該仮レンズ形状を変更すること
によって、該眼用レンズにおける像面距離に対するMT
Fのピーク位置を調節し、該MTFのピーク位置を目的
とする眼用レンズの焦点距離と等しくする眼用レンズの
設計方法を、特徴とする。
【0012】このような本発明方法に従えば、従来では
単なる収差の評価手段として用いられていたに過ぎなか
ったMTFを、レンズの形状を設計するに際しての実際
の屈折力の指標として利用し、得られたMTFの値に従
ってレンズ形状を変更することによって、目的とする屈
折力を決定するようにされる。即ち、本態様において
は、所定の像面距離範囲に亘るMTFの算出データを用
いて、MTFのピーク位置と目的とする眼用レンズの焦
点位置との距離の差に着目し、この距離の差の方向と値
を指標としてレンズ形状を変更することによって、目的
とする屈折力を高精度に設定することが出来るという新
たな技術思想に基づくものであって、最終的にMTFの
ピーク位置を、目的とする眼用レンズの焦点位置に合わ
せることにより、得られる眼用レンズの実際の屈折力を
高精度に保証し得るようにしたのである。なお、MTF
は、従来から公知の如く、等間隔条線からなる像のレン
ズ通過に伴うコントラストの低下を空間周波数の関数と
して表示したものであって、一般に、空間周波数を横軸
としたグラフで表されるものであるが、本発明において
は、かかるMTFを予め固定的に周波数設定された空間
周波数で、屈折力を横軸とする関数として把握されるデ
ータが好適に採用されることとなる。
【0013】従って、本態様の眼用レンズの設計方法に
よれば、従来の光線追跡法によるレンズ形状の設計方法
ほどに多くの点での光線追跡等の演算処理を必要とする
ことなく、また従来の単にMTFを収差の評価手段とし
たレンズ形状の設計方法ほどに多数回のレンズ形状の変
更作業も必要とすることなく、目的とする屈折力を与え
る眼用レンズの形状を、より速やかに且つ高精度に設計
することが可能となるのである。
【0014】また、本態様において、好適には、前記像
面距離に対するMTFのピーク位置を求める際に、
(a)前記仮レンズ形状の眼用レンズにおける光学領域
内で設計対象領域を決定する工程と、(b)該設計対象
領域に関して、設計用空間周波数を設定する工程と、
(c)該設計対象領域に関して、目的とする眼用レンズ
の焦点位置を含んだ予め設定された像面距離の範囲内の
複数位置を設定する工程と、(d)該設計用空間周波数
を用いて、該複数位置におけるMTFを算出する工程と
を、含むようにされる。
【0015】なお、本態様において仮レンズ形状を仮定
するに際しては、従来から公知の光学方程式を用いるこ
とが可能であり、例えば片方のレンズ面の曲率半径と光
軸上のレンズ中心厚さおよびレンズ材の屈折率に基づい
て、近軸領域での厚肉レンズの一般式に目的とする屈折
力を代入して、他方のレンズ面の曲率半径を算出するこ
と等によって行うことが可能である。また、本態様にお
いて光学領域とは、目的とする眼屈折力の矯正機能を発
揮し得る領域であって、かかる光学領域内の全体若しく
はそれよりも小さな領域が設計対象領域として決定され
ることとなる。また、本態様において像面距離は、眼用
レンズの透過光による眼用レンズの光軸上での像位置を
いい、例えば眼用レンズの中心軸上において眼用レンズ
からの距離をもって表される。そして、像面距離の範囲
は、眼用レンズの焦点位置を中心として、仮レンズ形状
での焦点位置が光軸上の何れの側に偏倚しても対処し得
るように、目的とする眼用レンズの焦点位置を中心とし
て両側に所定範囲で設定されることが望ましい。また、
かかる像面距離の範囲内におけるMTFの算出位置とし
ては、MTFのピークの位置を特定乃至は推定し得るよ
うに適当な数箇所に設定される。更にまた、MTFを算
出するための設計用空間周波数は、眼用レンズに要求さ
れる光学特性等を考慮して設定されることが望ましい
が、かかる設計用空間周波数として、例えば、眼用レン
ズの製造後の品質検査に用いられる検査用の測定用空間
周波数と同じものを採用することが、作業や得られたデ
ータの把握の容易化等に有効である。また、得られたM
TFのピーク置を調節するに際しての仮レンズ形状の変
更は、例えば、算出されたMTFのピーク位置と目的と
する眼用レンズの焦点位置の差を補正し得るだけの屈折
力を与えるディオプター分のレンズ度数を仮レンズ形状
に付加することによって行うことも可能であり、或い
は、予め蓄積された多数のデータに基づいて求められた
経験式等を採用することも可能である。
【0016】なお、本態様において、仮レンズの形状の
変更に対応するMTFのピーク位置の変化量が十分に既
知であれば、変更後の仮レンズ形状に基づいて再度MT
Fを算出し、その値のピーク位置と目的とする眼用レン
ズの焦点位置との関係を再度検討することは、必ずしも
必要ではないが、かかる変更後の仮レンズ形状に基づい
てMTFのピーク位置を目的とする眼用レンズのピーク
位置に等しくなるように、MTFの算出と仮レンズ形状
の調節を適数回だけ繰り返すようにしても良い。
【0017】また、本発明の第二の態様は、前記第一の
態様に従う眼用レンズの設計方法であって、前記仮レン
ズ形状において、レンズ前面形状,レンズ後面形状,レ
ンズ厚さの少なくとも一つを変更することによって、前
記MTFの算出値のピーク位置を調節するようにしたこ
とを、特徴とする。このような本態様に係る眼用レンズ
の設計方法に従えば、MTFのピーク位置と目的とする
眼用レンズの焦点位置との空間的な方向および距離の差
に基づいて仮レンズ形状を変更するに際して、各種デー
タや個人情報等を考慮して、レンズ形状をトータル的に
考慮したり、或いは特定部分のレンズ形状だけを考慮す
ることによって、効率的にMTFデータに基づくレンズ
形状の再設定が可能となるのである。
【0018】なお、特定部分のレンズ形状だけを考慮し
てMTFの算出値のピーク位置を調節するに際しては、
例えば、前記仮レンズ形状において、レンズに要求され
る強度や耐久性等に応じて設定されるレンズ厚さを、光
学中心等の所定位置で規定寸法とすると共に、レンズ前
面およびレンズ後面の何れか一方の面形状を規定形状と
して他方の面形状だけを変更することも可能であり、そ
れによって、変更に際しての仮レンズ形状の変更を、一
層簡略に且つ速やかに行うことが可能となる。特に、コ
ンタクトレンズでは、レンズ後面側を、装用者の角膜表
面形状に対応して固定的に決定することが有効であるこ
とから、レンズ前面側の形状とレンズの所定位置の厚さ
寸法を規定値として、レンズ前面形状を変更設定するこ
とによって、MTFの算出値のピーク位置調節が有利に
為され得る。
【0019】また、本発明の第三の態様は、前記第一又
は第二の態様に従う眼用レンズの設計方法であって、前
記仮レンズ形状を調節するに際して、レンズ前面および
レンズ後面の少なくとも一方における曲率半径と非球面
係数の少なくとも一方を変更するようにしたことを、特
徴とする。このような本態様に係る眼用レンズの設計方
法に従えば、必要に応じてレンズ面の曲率半径を変更す
ることによってMTFのピーク位置をレンズの光軸上で
調節することが出来ると共に、必要に応じて非球面係数
を変更することによって、収差等も調節することが出来
るのであり、レンズ屈折力や光学特性をより高度に調節
することが可能となる。
【0020】また、本発明の第四の態様は、前記第一乃
至第三の何れかの態様に従う眼用レンズの設計方法であ
って、前記光学領域が、互いに焦点距離の異なる複数の
分割光学領域によって構成された多焦点眼用レンズを設
定するに際して、目的とする複数の焦点位置毎に複数の
前記像面距離の範囲を設定して前記MTFを算出し、そ
れら各像面距離の範囲に対応する各MTFの算出値のピ
ーク位置が、各像面距離の範囲においてそれぞれ目的と
するレンズの焦点位置に等しくなるように、各分割光学
領域毎に前記仮レンズを調節するようにしたことを、特
徴とする。このような本態様に係る眼用レンズの設計方
法に従えば、マルチフォーカルレンズやバイフォーカル
レンズの設計に際して、本発明を有利に適用することが
可能であり、互いに異なる屈折力を与える複数の分割光
学領域を併せて考慮してMTFを算出し、複数の分割光
学領域相互間での干渉を考慮して、目的とする複数の屈
折力を高精度に得るレンズ形状の設計が可能になるので
ある。なお、各領域毎に光線追跡を行って得られた分割
光学領域毎のMTFの算出値から各分割光学領域の形状
を各別に設計することも可能であるが、複数の分割光学
領域を併せて考慮してMTFを算出し、得られた複数の
ピーク位置に基づいて複数の分割光学領域を併せて設計
することも可能であり、それによって計算を容易且つ速
やかに行うことが可能となると共に、複数の分割光学領
域相互間での干渉をも考慮したことにより高精度なレン
ズ形状の設計が可能となる。
【0021】また、本発明の第五の態様は、前記第一乃
至第四の何れかの態様に従う眼用レンズの設計方法であ
って、前記光学領域が、球面レンズ度数と円柱レンズ度
数を併せて有するトーリックレンズ領域を含んでおり、
該トーリックレンズ領域において前記仮レンズ形状を調
節するに際して、前記MTFに現れる二つのピーク位置
が、該トーリックレンズ領域において目的とする球面レ
ンズ度数と円柱レンズ度数の各焦点位置に等しくするよ
うにしたことを、特徴とする。このような本態様に係る
眼用レンズの設計方法に従えば、球面レンズ度数と円柱
レンズ度数を、それらの相互作用も考慮して設計するこ
とが出来るのであり、それによって、目的とする球面レ
ンズと円柱レンズの各屈折力を高精度に設計することが
出来るのである。
【0022】また、本発明の第六の態様は、前記第一乃
至第五の何れかの態様に従う眼用レンズの設計方法であ
って、前記仮レンズ形状を得た後、該仮レンズ形状を有
する眼用レンズのレンズ面に対して、予め設定された一
定のパワーを有する無収差レンズを密着させたものと仮
定し、該無収差レンズを備えた該仮レンズ形状の眼用レ
ンズに関して、前記MTFを算出するようにしたこと
を、特徴とする。このような本態様に係る眼用レンズの
設計方法に従えば、例えば、目的とする仮レンズ形状に
おける屈折力が0に近い場合でも、像面距離範囲を仮レ
ンズの近くに小さく設定することが可能となり、それに
よって、屈折力の設定精度を確保しつつ、MTFの算出
点の必要数を抑えて演算処理を容易化することが可能と
なる。なお、無収差レンズは、例えば、前記第二の態様
に従い、一方のレンズ面を規定形状とする場合には、か
かる規定形状とされた側のレンズ面に密着させたものと
仮定して行うことが望ましく、それによって理論にかな
い、演算も容易となる。
【0023】また、本発明の第七の態様は、前記第一乃
至第六の何れかの態様に従う眼用レンズの設計方法であ
って、前記像面距離の範囲内における前記MTFの算出
値の重心像面位置を算出し、該重心像面位置を該MTF
のピーク位置と見做して、該重心像面位置を前記目的と
する眼用レンズの焦点位置に等しくするようにしたこと
を、特徴とする。このような本態様に係る眼用レンズの
設計方法に従えば、MTFのピーク位置を、容易に特定
することが出来ると共に、位置の誤差のばらつきを抑え
ることも可能となって、設計値の信頼性が向上される。
また、MTFの算出位置が少なくても精度を効率的に得
ることが出来ることから、演算量の軽減による作業性の
向上も図られ得る。また、MTFの重心像面位置をピー
ク位置と見做すことにより、突発的なエラー信号による
悪影響を回避することも可能となる。なお、MTFの重
心像面位置は、例えば、目的とする重心像面位置を中心
とする両側に等しい像面位置範囲を設定し、かかる像面
位置範囲で等間隔に設定された複数の像面位置における
MTFの算出値によって重量平均することによって、或
いは積分を用いて重心を求めることによって特定するこ
とが可能である。
【0024】また、本発明の第八の態様は、前記第一乃
至第七の何れかの態様に従う眼用レンズの設計方法であ
って、前記設計対象領域での目的とするレンズ屈折力:
Dを用いた換算式:U=V×(1000/D)×(π/
180)によって、前記設計用空間周波数:Vを長さ単
位から角度単位に換算した角度換算空間周波数:Uを用
いて、前記MTFを算出するようにしたことを、特徴と
する。このような本態様に係る眼用レンズの設計方法に
従えば、仮レンズ形状における屈折力の差異に起因する
演算上の誤差が軽減乃至は回避されて、設計値の信頼性
が向上され得る。
【0025】また、本発明の第九の態様は、前記第一乃
至第八の何れかの態様に従う眼用レンズの設計方法であ
って、前記MTFを算出する像面距離の範囲を、目的と
する眼用レンズの屈折力:Dに対して、D±1ディオプ
タの範囲以下とするようにしたことを、特徴とする。こ
のような本発明に係る眼用レンズの設計方法に従えば、
MTFの算出範囲が有利に特定されて、少ない計算量を
もって眼用レンズ形状を有利に設計することが出来るの
である。なお、一般的な形状の眼用レンズにおいては、
通常の発生誤差を考慮すれば、MTFを算出する像面距
離の範囲が、好ましくはD±0.5ディオプタの範囲と
されることとなり、それによって、MTFの計算に際し
ての労力が一層軽減され得る。
【0026】また、本発明の第十の態様は、前記第一乃
至第九の何れかの態様に従う眼用レンズの設計方法であ
って、前記MTFを算出するに際して、前記設計対象領
域を等面積に区画した各区画域の略中心を通る、0.0
01〜1mmピッチの複数本の光線を用いた光線追跡を行
うことを、特徴とする。このような本発明に係る眼用レ
ンズの設計方法に従えば、精度を確保しつつ、各点にお
けるMTFの計算量が軽減されて、演算労力の軽減が図
られ得る。なお、光線のピッチの具体的な間隔は、レン
ズ形状や曲率半径およびレンズの径寸法を考慮して適宜
に設定されるが、一般的なレンズにおいてより好ましく
は、0.05〜0.1mmピッチとされることとなり、そ
れによって、設計精度の確保と演算労力の軽減が一層有
利に両立して達成され得る。
【0027】また、本発明の第十一の態様は、前記第一
乃至第十の何れかの態様に従う眼用レンズの設計方法で
あって、前記設計対象領域に対して、2〜10mmの直径
寸法を有する円形のレンズ面に相当するレンズ面積を設
定するようにしたことを、特徴とする。このような本態
様においては、精度を確保しつつ、演算労力を軽減する
ことが出来る。なお、同様な理由から、かかる設計対象
領域として、レンズにおける光学領域全体の5%〜95
%の面積範囲を設定することが望ましい。
【0028】また、本発明の第十二の態様は、上述の如
き第一乃至第十一の何れかの態様に係る眼用レンズの設
計方法に従ってレンズ形状が決定された眼用レンズを、
特徴とする。このような本発明に従う構造とされた眼用
レンズにおいては、収差の影響が考慮されて屈折力が設
定され得るのであり、従って、目的とする屈折力を高精
度に設定されていることから、必要とされる眼屈折力の
矯正が高精度に実現可能となる。
【0029】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の実施形態について、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
【0030】先ず、図1には、眼用レンズの形状を本発
明に従って設計するに際しての一実施形態としての処理
手順が、フローチャートによって示されている。以下、
かかるフローチャートに従って、眼用レンズとしてのコ
ンタクトレンズの形状を設計する場合について説明す
る。
【0031】すなわち、レンズ形状の設計が開始される
と、先ずステップS1において、仮レンズ形状のデータ
を設定すると共に、かかるデータに基づいて仮レンズ形
状を決定する。この仮レンズ形状のデータは、少なくと
も光学領域、即ち装用者の屈折異常に光学的な矯正を与
え得るレンズ領域の形状を、仮定的に且つ具体的に決定
し得るデータとされる。具体的には、かかる仮レンズ形
状のデータは、必要とされる屈折力と、角膜形状に応じ
たベースカーブ(後面曲率半径)、使用条件を考慮した
光学領域の位置と大きさ、単焦点と多焦点の選択、円柱
度数の大きさ等として設定されることとなる。そして、
この仮レンズ形状のデータによって、具体的な仮レンズ
形状を仮定的に決定する。なお、コンタクトレンズで
は、一般に、上述の如き仮レンズ形状のデータを指定す
ることによって、例えば公知の近軸領域での厚肉レンズ
の一般式を用いて仮レンズ形状を、一義的に決定するこ
とが出来る。
【0032】次いで、ステップS2において、ステップ
S1で決定された仮レンズ形状のコンタクトレンズにつ
いて、MTFを算出するための条件設定を行う。
【0033】この条件設定は、仮レンズ形状のコンタク
トレンズにおいて、その光学領域の範囲内で、MTFの
算出対象となる設計対象領域を指定する作業を含む。即
ち、MTFを算出する設計対象領域としてコンタクトレ
ンズの光学領域の全部を指定することも可能であるが、
光学領域の全部を設計対象領域とするとMTF算出のた
めの演算が煩雑となることから、光学領域の中の適当な
部分の領域だけを選択して設計対象とすることが望まし
い。具体的には、例えば単焦点レンズであれば、光軸上
で直径が2〜10mmの円形領域を設計対象領域として指
定することが有効である。なお、MTFは、公知の如
く、レンズを透過する前後での明暗のコントラストの低
下を、レンズに入射される設計光線における1mm当りの
明暗周期の数(本/mm)で表される空間周波数の関数と
して表すものであって、「(レンズ透過前の明度の最大
値−レンズ透過前の明度の最小値)/(レンズ透過後の
明度の最大値−レンズ透過後の明度の最小値)」として
理解される。
【0034】また、ステップS2における条件設定は、
設計対象領域に投射されて設計対象領域を透過せしめら
れる、MTF算出に際して光線追跡を行うための算出光
線のピッチを指定する作業を含む。かかる算出光線とし
ては、図2に示されているように、仮レンズ10の光軸
12に平行な多数本の光線14が、好適に採用される。
また、図3に示されているようにこれら多数本の算出光
線14は、設計対象領域16を適当なメッシュ18で複
数の等面積分割領域に分割したものと仮定し、それら各
等面積分割領域の中央部分(例えば、重心位置)を通る
ように、各算出光線14の仮レンズ10への投射位置
が、設計対象領域16内で等ピッチ:Pで設定される。
なお、算出光線14のピッチは、計算精度を確保しつつ
演算の煩雑性を軽減するために、P=0.001〜1mm
の範囲で固定的に設定することが望ましい。
【0035】更にまた、ステップS2における条件設定
は、MTFを算出するに際して採用する空間周波数を指
定する作業を含む。なお、空間周波数とは、上述の如
く、1mm当りの明暗の周期の数(本/mm)で表されるも
のであって、MTFのパラメータとなるものである。な
お、空間周波数としては、例えば、製品の品質検査等に
採用される検査装置の空間周波数に合わせることが、設
計と検査のデータを一元化して管理や処理を容易とする
上で望ましい。また、仮レンズ10の屈折力の違いに起
因する演算精度のばらつきの軽減等のために、空間周波
数:Vの値は、下式を利用して、角度換算空間周波数:
Uの値に変換されたものを採用することが望ましい。な
お、下式中、Dは、設計対象領域16において目的とす
る屈折力であり、πは円周率である。 U=V×(1000/D)×(π/180) ここにおいて、特に好適には、上式で得られる角度換算
空間周波数:Uの値が、50〜5cyc/deg とされ、より
好ましくは30〜15cyc/deg とされる。また、例え
ば、製品の品質検査等に採用される検査装置の空間周波
数の角度換算空間周波数の値が30cyc/deg であれば、
角度換算空間周波数:Uとして30cyc/degを採用する
ことが望ましい。
【0036】更にまた、ステップS2における条件設定
は、MTFを算出する像面位置の範囲:Aを指定する作
業を含む。即ち、本実施形態では、MTFに基づいて眼
用レンズの収差を評価するものでなく、眼用レンズの屈
折力を設計するものであることから、従来のように空間
周波数をパラメータとしてMTFの変化をとらえること
は有効でなく、MTFの値を、空間上で仮レンズ10の
位置を基準として、例えばレンズ光軸上での仮レンズ1
0に対する相対距離をパラメータとしてMTFの変化を
とらえることが有効である。そこにおいて、仮レンズ1
0に対する相対位置(距離)に応じたMTFの変化をと
らえるべき空間上の範囲を、像面位置範囲として特定す
る。ここにおいて、かかる像面位置範囲は、収差等によ
る屈折力の+側と−側の両側への偏倚可能性を考慮し
て、目的とする眼用レンズの屈折力(焦点距離)と等し
い点:Cを中心として、光軸上で両側に略同一距離をと
って設定することが望ましい。なお、眼用レンズの屈折
力(ディオプタ):P(D)から焦点距離(mm):Fへ
の変換は、下式に基づいて行うことが出来る。 P(D) = 1/(F/1000)
【0037】そして、上述の如くして、MTFの設計に
際しての条件の設定が完了した後、ステップS3におい
て、像面位置範囲:Aの範囲内に位置する複数の算出点
で、それぞれ、算出光線14の光線追跡を行い、各算出
光線14の各像面位置で光軸に直交する平面上での座標
位置を算出する。なお、かかる光線追跡は、スネルの法
則に基づいて、仮レンズ10の表裏のレンズ面形状と材
質(屈折率)等を考慮した方程式によって演算実行する
ことが可能である。
【0038】.なお、像面位置の設定は、例えば、図2
に示されているように、像面位置範囲:Aの光軸方向一
方の端部から、予め設定された一定の算出間隔:Bを隔
てて複数箇所に、予め設定される。なお、この算出間
隔:Bは、像面位置範囲Aを考慮して、後述するMTF
の値がピークとなる位置を十分な精度で把握することが
出来るように、経験等に基づいて決定される。
【0039】さらに、続くステップ:S4において、ス
テップS3によって得られた図4に示されている如き各
像面位置の平面上での分布状態に基づいて、仮レンズ1
0における各像面位置でのMTFを算出する。具体的に
は、例えば下式に従って、MTFを算出することが可能
である。なお、下式において、uは空間周波数であり、
Nは算出光線14の数であり、yは像面位置の平面上に
おける各算出光線の座標値である。
【0040】
【数1】
【0041】そして、上述の如き手法に従って、各像面
位置におけるMTFを算出したら、続くステップS5に
おいて、得られたデータに基づいて、MTF値がピーク
となる像面位置を検索する。この像面位置の検索は、例
えば、屈折力を座標軸としてMTFの値を示したグラフ
や、図5に示されているように、焦点距離を座標軸とし
てMTFの値を示したグラフを用いれば、容易に行うこ
とが可能となり、例えば積分処理等を利用してグラフの
重心位置等に基づいて、MTFの値がピークとなる位置
を決定することも可能である。
【0042】その後、ステップS6において、上記ステ
ップS5で求めたMTFの値がピークとなる像面位置
を、目的とする眼用レンズにおける焦点位置と比較し、
それら両者が等しいか否かを判断する。なお、かかる判
断に際しては、等しいと見做し得る許容範囲を予め定め
ておいて、MTFがピークとなる像面位置と目的とする
眼用レンズの焦点位置の差の値が、その許容範囲に属す
るか否かで、両者が等しいか否かを判断するようにして
も良い。
【0043】そして、ステップS6における判断の結
果、MTFがピークとなる像面位置と目的とする眼用レ
ンズの焦点位置が互いに等しいと判断されたならば、眼
用レンズ形状の設計を終了する。これにより、設定され
た仮レンズ形状が、目的とする屈折力を備えた眼用レン
ズの形状を与えるものとして、設定されることとなる。
【0044】一方、ステップS6における判断の結果、
MTFがピークとなる像面位置が目的とする眼用レンズ
の焦点位置から外れていたと判断された場合には、ステ
ップS7を実行し、仮レンズ形状に必要な変更を施した
のち、再びステップS3に戻り、上述の如きステップS
3,S4,S5に従うMTF値の算出を実行し、ステッ
プS6に従う変更後の仮レンズ形状の適否判断を実行す
る。そして、このような仮レンズ形状の変更から仮レン
ズ形状の適否判断を、ステップS6における判断を満足
し得るMTF値が得られるまで繰り返すことによって、
目的とする屈折力を備えた眼用レンズの形状を得るよう
にされる。
【0045】ここにおいて、ステップS7における仮レ
ンズ形状の変更作業は、ステップS3〜5によって求め
られたMTFがピークとなる像面位置に対して目的とす
る眼用レンズの焦点位置が相対的にずれている方向とそ
のずれ量に基づいて、MTFがピークとなる像面位置が
目的とする眼用レンズの焦点位置と等しくなる位置まで
変更され得るように、仮レンズ形状を変更することによ
って行う。例えば、図5に示されているように、求めら
れたMTFがピークとなる像面位置が、目的とする眼用
レンズの焦点位置に対して、マイナス方向にαディオプ
タだけずれていたとしたならば、仮レンズに対して焦点
位置をプラス方向にαmmだけ変位させ得るレンズ度数が
付加されるように仮レンズ形状を調節する。なお、かか
る仮レンズ形状の調節は、例えば、レンズ後面が規定形
状とされた、球面状のレンズ前面を備えた単焦点のコン
タクトレンズであれば、レンズ前面の曲率半径を変更し
て球面レンズ度数を調節することによって行うことが可
能である。また、そのようなレンズ度数の調節と共に、
MTFの計算値を観察して、そのピーク値を調節するこ
とにより収差等を改善することも可能であり、かかる作
業は、例えばレンズ面を円錐曲線の光軸回りの回転体か
らなる非球面形状として設計した際の非球面係数(コニ
ック係数)の値を変更すること等によって行われ得る。
【0046】なお、上述の如き仮レンズ形状の変更に際
しての具体的な処理は、スネルの法則に基づく理論式
や、実験等に基づく経験式などを、予め処理式として選
択して設定しておくことにより、自動的に処理せしめる
ようにすることも可能である。
【0047】従って、上述の如き手法に従って決定され
たレンズ形状においては、収差等の影響を考慮した実際
の屈折力が、目的とするレンズ度数を与え得るのであ
り、装用者に応じて要求される光学特性を高度に達成し
得ることとなるのである。
【0048】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、本発明は、上述の解決手段や実施形態の欄にお
ける好適例の説明や具体例の説明によって、何等、限定
的に解釈されるものでない。
【0049】例えば、図1に示されたフローチャート中
のステップS1での仮レンズ形状データ設定の後、ステ
ップS2におけるMTF算出条件設定を実行する前に、
無収差レンズの必要性の有無を判断する工程を設け、必
要に応じて、一方のレンズ面に対して、好適には規定レ
ンズ面となるレンズ後面に対して、一定のパワーを有す
る無収差レンズを仮定的に密着させることも可能であ
る。即ち、目的とする眼用レンズの屈折力が小さい場合
には、光軸上に収束するレンズ透過光の傾斜角度も小さ
くなってMTFの算出に際しての像面位置範囲:Aが大
きくなり、MTFの算出点も多くなって演算等が煩雑化
する傾向にあるが、そのような場合には、例えば+50
ディオプタ等の固定的に定められた所定の屈折力を有す
る無収差レンズを仮定的にレンズ面に密着させたものと
して、MTFの算出等を行うことが望ましく、それによ
って、MTFの算出に際しての演算の容易化や処理の迅
速化が図られ得るのである。
【0050】また、本発明は、例えば特開昭60−91
327号公報等に記載されているような同心円環レンズ
形状のマルチフォーカルレンズや特開平5−18109
6号公報等に記載されているような非球面レンズ形状の
マルチフォーカルレンズを含む各種の多焦点レンズの
他、円柱レンズ度数を有するトーリックレンズや光学領
域をレンズ幾何中心に対して偏心させたセグメントタイ
プなどの各種のレンズ面形状を有するコンタクトレンズ
に対して、何れも適用可能であり、また、そのようなコ
ンタクトレンズには、必要に応じて、プリズムバラスト
等を付加することも可能である。
【0051】加えて、本発明は、上述の如きコンタクト
レンズの他、眼内レンズや眼鏡レンズ等にも適用可能で
あることは、言うまでもなく、また、それら各種レンズ
の材質等によっても、本発明は、何等の適用制限を受け
るものでない。
【0052】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもない。
【0053】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
方法に従えば、レンズ面からの距離をパラメータとして
把握されるMTFの算出データを利用することにより、
要求される屈折力が実現されるレンズ形状を、収差の影
響も考慮して容易に且つ高精度に設計することが可能と
なるのである。
【0054】また、本発明に従う構造とされた眼用レン
ズにおいては、装用者に応じて必要な屈折力が高精度に
設定された眼用レンズを有利に提供することが可能とな
るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての眼用レンズの設計
工程を示すフローチャートである。
【図2】本発明に従う眼用レンズの設計に際してのMT
Fの算出処理を説明するための説明図である。
【図3】図2に例示されたMTFの算出処理に際して、
レンズに入射される算出光線のピッチ等の設定を説明す
るための説明図である。
【図4】図2に例示されたMTFの算出処理に際して、
レンズを透過した算出光線の光線追跡結果を座標上に例
示的に示す説明図である。
【図5】図2に例示されたMTFの算出処理に従って得
られるMTFデータの一例を示すグラフである。
【符号の説明】
10 仮レンズ 12 光軸 14 算出光線 16 設計対象領域 18 メッシュ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 眼用レンズの形状を仮決定して仮レンズ
    形状を設定し、該仮レンズ形状を変更することによっ
    て、該眼用レンズにおける像面距離に対するMTFのピ
    ーク位置を調節し、該MTFのピーク位置を目的とする
    眼用レンズの焦点距離と等しくすることを特徴とする眼
    用レンズの設計方法。
  2. 【請求項2】 前記像面距離に対するMTFのピーク位
    置を求める際に、 前記仮レンズ形状の眼用レンズにおける光学領域内で設
    計対象領域を決定する工程と、 該設計対象領域に関して、設計用空間周波数を設定する
    工程と、該設計対象領域に関して、目的とする眼用レン
    ズの焦点位置を含んだ予め設定された像面距離の範囲内
    の複数位置を設定する工程と、 該設計用空間周波数を用いて、該複数位置におけるMT
    Fを算出する工程とを、含むことを特徴とする請求項1
    に記載の眼用レンズの設計方法。
  3. 【請求項3】 前記仮レンズ形状において、レンズ前面
    形状,レンズ後面形状,レンズ厚みの少なくとも一つを
    変更することによって、前記MTFのピーク位置を調節
    する請求項1又は2に記載の眼用レンズの設計方法。
  4. 【請求項4】 前記仮レンズ形状を変更するに際して、
    レンズ前面及びレンズ後面の少なくとも一方における曲
    率半径と非球面係数の少なくとも一方を変更する請求項
    1乃至3の何れかに記載の眼用レンズの設計方法。
  5. 【請求項5】 前記光学領域が互いに焦点距離の異なる
    複数の分割光学領域によって構成された多焦点眼用レン
    ズを設計するに際して、目的の焦点距離を含んだ複数の
    前記像面距離の範囲を設定して前記MTFを算出し、そ
    れら各分割光学領域に対応する各MTFのピーク位置
    が、目的の焦点距離を含んだ複数の前記像面距離の範囲
    において、それぞれ目的とするレンズの焦点位置に等し
    くなるように、前記仮レンズ形状を変更する請求項1乃
    至4の何れかに記載の眼用レンズの設計方法。
  6. 【請求項6】 前記光学領域が、球面レンズ度数と円柱
    レンズ度数を併せて有するトーリックレンズ領域を含ん
    でおり、該トーリックレンズ領域において前記仮レンズ
    形状を変更するに際して、前記MTFに現れる二つのピ
    ーク位置が、該トーリックレンズ領域において目的とす
    る球面レンズ度数と円柱レンズ度数の各焦点位置に等し
    くなるようにする請求項1乃至5の何れかに記載の眼用
    レンズの設計方法。
  7. 【請求項7】 前記仮レンズ形状を得た後、該仮レンズ
    形状を有する眼用レンズのレンズ面に対して、予め設定
    された一定のパワーを有する無収差レンズを密着させた
    ものと仮定し、該無収差レンズを備えた該仮レンズ形状
    の眼用レンズに関して、前記MTFを算出する請求項1
    乃至6の何れかに記載の眼用レンズの設計方法。
  8. 【請求項8】 前記像面距離の範囲内における前記MT
    Fの算出値の重心像面位置を算出し、該重心像面位置を
    該MTFのピーク位置と見做して、該重心像面位置を前
    記目的とする眼用レンズの焦点位置に等しくする請求項
    1乃至7の何れかに記載の眼用レンズの設計方法。
  9. 【請求項9】 前記設計対象領域での目的とするレンズ
    屈折力:Dを用いた換算式:U=V×(1000/D)
    ×(π/180)によって、前記設計用空間周波数:V
    を長さ単位から角度単位に換算した角度換算空間周波
    数:Uを用いて、前記MTFを算出する請求項1乃至8
    の何れかに記載の眼用レンズの設計方法。
  10. 【請求項10】 前記MTFを算出する像面距離の範囲
    を、目的とする眼用レンズの屈折力:Dに対して、D±
    1ディオプタの範囲以下とする請求項1乃至9の何れか
    に記載の眼用レンズの設計方法。
  11. 【請求項11】 前記MTFを算出するに際して、前記
    設計対象領域を等面積に区画した各区画域の略中心を通
    る、0.001〜1mmピッチの複数本の光線を用いた光
    線追跡を行う請求項1乃至10の何れかに記載の眼用レ
    ンズの設計方法。
  12. 【請求項12】 前記設計対象領域に対して、2〜10
    mmの直径寸法を有する円形のレンズ面に相当するレンズ
    面積を設定した請求項1乃至11の何れかに記載の眼用
    レンズの設計方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12の何れかに記載の眼
    用レンズの設計方法に従ってレンズ形状が決定されてい
    ることを特徴とする眼用レンズ。
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