JP2002350552A - 放射線検出装置 - Google Patents
放射線検出装置Info
- Publication number
- JP2002350552A JP2002350552A JP2001158915A JP2001158915A JP2002350552A JP 2002350552 A JP2002350552 A JP 2002350552A JP 2001158915 A JP2001158915 A JP 2001158915A JP 2001158915 A JP2001158915 A JP 2001158915A JP 2002350552 A JP2002350552 A JP 2002350552A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- radiation
- electrodes
- pair
- electrons
- detecting element
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Measurement Of Radiation (AREA)
Abstract
体放射線検出素子を用いて、正確に放射線のエネルギー
を測定する。 【解決手段】 一対の電極間に電圧を印可できる電圧印
可手段と、一対の電極間に設けられ、放射線の入射によ
り電子及び正孔を発生しうる材料からなる所定厚みの半
導体放射線検出素子と、放射線の入射により一対の電極
間に発生する電荷を電圧信号に変換して出力し、しかも
減衰時定数を設定可能な電荷型増幅手段で放射線検出装
置を構成する。放射線入射時に半導体放射線検出素子内
に発生する電子および正孔が一対の電極に仮想的に到達
するのに要する時間に基づいて、電荷型増幅手段の減衰
時定数を適合化する。
Description
関し、特に、半導体放射線検出素子を用いて、X線やガ
ンマ線等の放射線のエネルギーを高精度に測定できる放
射線検出装置に関する。
射線を随時モニタする必要があり、検出素子として感度
のよい半導体を用いる事が検討されている。半導体放射
線検出素子を用いる従来の放射線検出装置の構成を図6
に示す。半導体放射線検出素子12bは、直流電源10
bに接続されており、高電圧が印可されている。電荷型
増幅器3bの端子A14に生じる電圧パルスの波高分布
をマルチチャンネルアナライザ(図示せず)で解析する
ことにより放射線のエネルギ分布などを測定できる。
ンマ線等の放射線が入射した際に内部で起こる現象を模
擬的に表している。半導体放射線検出素子12bに、測
定対象となるガンマ線等の放射線31a,b,cが入射
すると、半導体放射線検出素子と放射線は相互作用を起
こして、電子37a,b,cと正孔38a,b,cが生
成する。
10bによって静電界が生じているため、電子37a,
b,cは陽極6aに、正孔38a,b,cは陰極6bに
向かってそれぞれドリフトする。その結果、半導体放射
線検出素子12bの一対の電極(陽極6aと陰極6b)
に誘導電荷が生じる。
に放射線のエネルギー(q)および、電子のドリフト距
離(λe)と正孔のドリフト距離(λh)の和に比例し、
半導体放射線検出素子の厚み(d)に反比例する。誘導
電荷は電荷型増幅器3bで電圧信号に変換される。 Q ∝ q・(λe+λh)/d
では、発生した電子と正孔が、すべて陽極6aと陰極6
bに到達する場合に、正確にエネルギーを測定できる。
そのためには電子や正孔の移動度が大きく、かつその寿
命が長いことが前提条件として必要になる。半導体放射
線検出素子のなかでも、例えばゲルマニウム半導体放射
線検出素子はこの条件をほぼ満足するが、測定する際に
は検出素子を液体窒素温度まで冷却する必要がある。
出素子であるテルル化カドミウム、テルル化亜鉛カドミ
ウム、ヨウ化第2水銀などは、電子や正孔の移動度が小
さく、寿命も短い。また電子の移動度と寿命に比べて正
孔の移動度と寿命が小さいので、電子は陽極6aまで到
達するが正孔は途中で捕獲されてしまい陰極6bまで到
達しないことが起こる。
リフト距離の和は、相互作用を起こす位置により異なる
ことになる。例えば陽極6aに近い部分で発生した電子
37cのドリフト距離と正孔38cのドリフト距離の和
39cは、陰極6bに近い部分で発生した電子37bの
ドリフト距離と正孔38bのドリフト距離の和39bよ
りも短い。
子に同じエネルギーが付与されたとしても、パルス状の
電圧信号の波高は相互作用が起こる位置により異なるこ
とになり、波高欠損を生じる原因となる。電圧パルスの
波高欠損を電気回路的に補正する手段を付加することが
行われているが、エネルギーの分解能は本質的に改善さ
れない上に、補正回路は複雑で、放射線検出装置のコス
トが上昇するのは避けられない。
「放射線計測ハンドブック第2版(日刊工業新聞社)」
の半導体検出器の章に記載されているように、電子や正
孔の捕獲現象ができるだけ起こらないように印加電圧を
大きくしてドリフト距離を大きくすることが提案されて
いる。
リのテルル化カドミウムを用いる場合、約1500Vも
の高電圧を印加する。印加電圧が大きいと数100nA
程度の漏れ電流が流れるので、ノイズが増加してエネル
ギー分解能が悪くなる、また信号がノイズに埋もれて実
質的に測定不可能になるなどの不都合が発生する。しか
も高圧電源を使用するため、機器の絶縁性能を上げる必
要が生じ、検出装置全体が高価なものになる不都合もあ
る。
ために、半導体放射線検出素子の純度を上げたりドーパ
ントを最適化することも試みられている。例えば199
3年発行のMaterial Science Engineering(B16)の
283〜290ページには、テルル化カドミウムに対し
て塩素をドーパントとして用いた例が記載されている
が、常温での動作を想定しているために移動度の向上に
は限界があり、十分な結果は得られていない。
善するために、電子と正孔のドリフト距離を大きくする
ことに努力が払われてきた。本発明者はこのような従来
の発想にとらわれることなく、放射線検出装置のエネル
ギ分解能を高める本質的な方法を探るために、半導体放
射線検出素子内で発生するキャリア(電子と正孔)の動
きをシュミレーションで再現することに努めた。その結
果、電子と正孔のドリフト距離を相対的に小さくすると
いう逆の発想に基づいて、エネルギ分解能に優れた放射
線検出装置を低コストでしかも容易に実現できる方法を
見出し、本発明に到達するに至った。
出装置は、一対の電極間に電圧を印可できる電圧印可手
段と、一対の電極間に設けられ、放射線の入射により電
子及び正孔を発生しうる材料からなる所定厚みの半導体
放射線検出素子と、放射線の入射により一対の電極間に
発生する電荷を電圧信号に変換して出力し、しかも減衰
時定数を設定可能な電荷型増幅手段を備えてなり、放射
線入射時に半導体放射線検出素子内に発生する電子およ
び正孔が一対の電極に仮想的に到達するのに要する時間
に基づいて電荷型増幅手段の減衰時定数が適合化されて
いるものである。
とは、放射線との相互作用によって生じる正孔と電子
が、捕獲中心に捕えらずに各電極に向かって最後まで各
々ドリフトすると仮定して、正孔と電子がともに電極に
到達するのに必要と考えられる時間のことである。
射線入射時に半導体放射線検出素子内に発生する電子お
よび正孔が一対の電極に仮想的に到達するのに要する時
間と同程度またはそれ以下に設定してなるものである。
射線入射時に半導体放射線検出素子内に発生する電子お
よび正孔が一対の電極に仮想的に到達するのに要する時
間の3分の一以下に設定してなるものである。
ドミウム、テルル化亜鉛カドミウム、ヨウ化第2水銀ま
たはシリコンからなるものである。
子内に発生する電子および正孔が、一対の電極に実質的
に到達しないように、電圧及び半導体放射線検出素子の
厚みが適合化されてなるものである。
圧印可手段と、一対の電極間に設けられ、放射線の入射
により電子及び正孔を発生しうる材料からなる所定厚み
の半導体放射線検出素子と、一対の電極間に発生する電
荷を電圧信号に変換して出力する電荷型増幅手段と、電
荷型増幅手段が出力する電圧信号を所定の帯域にわたっ
て通過および増幅し、しかも整形時定数が設定可能な整
形増幅手段を備えてなり、放射線入射時に半導体放射線
検出素子内に発生する電子および正孔が一対の電極に仮
想的に到達するのに要する時間に基づいて、整形増幅器
の整形時定数が適合化されてなるものである。
線入射時に半導体放射線検出素子内に発生する電子およ
び正孔が一対の電極に仮想的に到達するのに要する時間
と同程度またはそれ以下に設定してなるものである。
は、X線やガンマ線、特に半導体放射線検出素子の内部
のあらゆる位置で相互作用を起こすような数100ke
V以上の高エネルギー領域のX線やガンマ線を高精度に
検出することが可能である。
成を示している。半導体放射線検出素子12aは、テル
ル化カドミウム、テルル化亜鉛カドミウム、ヨウ化第2
水銀、シリコンなどで構成され、室温で動作する。半導
体放射線検出素子12aは、直流電源10aに接続され
ており、その出力は電荷型増幅器3aに入力される。
設定可能で、その設定値は抵抗R1とキャパシタC1か
ら求めることが出来る。後出する実施の形態1では、減
衰時定数が、電子および正孔が陽極6aと陰極6bに仮
想的に到達するのに要する時間に基づいて適合化されて
いる。
A14に接続されており、あらかじめ設定された周波数
帯域に応じて整形・増幅・ノイズフィルタリングを行
う、いわゆるバンドパスフィルタとして作用する。整形
増幅器5の端子B15はマルチチャンネルアナライザ
(図示せず)に接続されている。入力された電圧信号を
マルチチャンネルアナライザで解析することによって放
射線のエネルギを測定できる。
可能で、その設定値は抵抗R2,R3およびキャパシタ
C2,C3と関係付けられる。後出する実施の形態2で
は、整形時定数が、電子および正孔が陽極6aと陰極6
bに仮想的に到達するのに要する時間に基づいて適合化
されている。
する方法について説明する。放射線入射時に半導体放射
線検出素子に発生する電子と正孔が、電極に向かってそ
れぞれドリフトする速度υeおよびυhは次式から求める
ことが出来る。 υe=μeF, υh=μhF ここでμeは電子の移動度、μhは正孔の移動度、Fは
電界強度をそれぞれ表す。
に捕獲中心に捕獲されて消滅するが、ここでは消滅しな
いで最後までυeおよびυhでドリフトし、各電極に到達
すると仮定する。電子と正孔が仮想的に電極に到達する
のに要する時間(仮想到達時間)をτieおよびτih
とすると、τie=d/υeおよびτih=d/υhが
成立する(d:半導体放射線検出素子の厚み)。放射線
入射時に半導体放射線検出素子内に発生する電子および
正孔が電極に仮想的に到達するのに要する時間に基づい
て、減衰時定数(τa)または整形時定数(τb)が適
合化されているとは、速いほうのキャリアの仮想到達時
間(通常はτie)に対して、減衰時定数(τa)また
は整形時定数(τb)が数倍程度かあるいはそれ以下に
なるように構成されていることを指す。
b)を速いほうのキャリアの仮想到達時間τieの数倍
程度から同程度に設定すれば実用的なエネルギ分解能が
得られるが、同程度かまたはそれ以下に設定すればエネ
ルギ分解能がより向上するので望ましい、また3分の1
以下にすればエネルギ分解能はさらに向上するので最適
に望ましい。ただし時定数を小さく設定すると、検出信
号にノイズが増えるので、実装上の制約やノイズとの兼
ね合いを考慮して最適な値を選定する。
電圧の適合化について説明する。放射線が半導体に入射
したさいに発生する電子のドリフト距離(λe)と正孔
のドリフト距離(λh)は一般に次式に従うことが知ら
れている。 λe=μeτeF, λh=μhτhF ここでτeは電子の寿命、τhは正孔の寿命を表す。こ
の式から電子のドリフト距離(λe)と正孔のドリフト
距離(λh)の和(λ)は次式より求めることができ
る。 λ=λe+λh=(μeτe+μhτh)F
適合化するとは、半導体放射線検出素子の厚みが、λよ
りも大きくなるように構成することで、半導体放射線検
出素子の厚みが、λに比して4倍以上大きくなるように
構成されていればさらに好ましい。
距離と正孔のドリフト距離の和が適合化されていると、
ほとんどの電子や正孔はドリフトの途中で捕獲中心に捕
らえられ、電子のドリフト距離と正孔のドリフト距離の
和が相互作用の起こる位置に実質的に依存しなくなる。
2は半導体放射線検出素子12aにガンマ線等の放射線
が入射した際に内部で起こる現象を模擬的に表してい
る。半導体放射線検出素子12aに、測定対象となるガ
ンマ線等の放射線21a,b,cが入射すると、半導体
放射線検出素子と放射線は相互作用を起こして、電子2
7a,b,cと正孔28a,b,cが生成する。
が生じているため、電子27a,b,cは陽極6aに、
正孔28a,b,cは陰極6bに向かってそれぞれドリ
フトする。生成した正孔と電子は、各電極に到達するも
のもあるが、多くのものは捕獲中心(図示せず)に捕獲
される。電子と正孔は半導体放射線検出素子の一対の電
極(6aおよび6b)に誘導電荷を生じる。
る電圧信号のパルス波形を図3に示す。電圧パルスはキ
ャリア(電子と正孔)のドリフトの様子を反映する立ち
上がり部分と、電荷型増幅器3aの回路定数で決まる減
衰時定数に従って減衰する立ち下がり部分に分かれる。
典型的な形状を示している。ここで、高いとは、半導体
放射線検出素子12aが厚さ15ミリのテルル化カドミ
ウムであれば1500V程度の大きさを指しており、生
じた正孔と電子のうち少なからずのものが、捕獲中心に
捕えられずに、電極に到達する。印加電圧を高く設定す
ると、キャリアがドリフトする速度が大きくなることに
よりパルスは急激に立ち上がる。
部で放射線との相互作用によって生じる電子と正孔が、
電極に到達する前に捕獲中心に捕えられるように半導体
放射線検出素子の厚みと印可電圧が適合化されている場
合のものである。例えば15ミリの厚みをもつテルル化
カドミウムであれば300から500Vに設定した場合
を指している。印加電圧を低くすると、キャリアのドリ
フト速度が小さくなることによりパルスの立ち上がり時
間が長くなり、電圧パルスの傾きが小さくなると同時
に、キャリアが捕獲されることにより上に凸状の形とな
る。
荷には自然現象に特有なゆらぎが存在する。図4は波形
Bの電圧パルスの立ち上がり部分を拡大したもので、時
刻t1のときの波高のゆらぎの程度(ΔV1/V1)と
時刻t2のときの波高のゆらぎの程度(ΔV2/V2)
が表されている。時刻(t)は放射線の入射によって、
電圧パルスが発生し始めてからの経過時間を表してお
り、経過時間が大きいほどゆらぎの程度が大きいことが
定性的に示されている。
有感部分(半導体放射線検出素子)に同じエネルギーが
付与されたときに出力される波高のばらつきのことであ
る。エネルギー分解能を向上させるということは波高の
ゆらぎの程度(ΔV/V)を小さくすることにほかなら
ない。
イミングの波高が最もばらつきの程度が小さいかをモン
テカルロ法によるシュミレーションによって検証した。
キャリアが生成してから捕獲されるまでの時間は、捕獲
中心が放射線検出素子の内部に一様に分布していること
を仮定して、乱数により決定しているため、このシュミ
レーションは波高分布のゆらぎの程度についても表現で
きる。
線(γ線)が半導体放射線検出素子に入射してからの経
過時間と電圧パルスの半値幅(FWHM: Full-Width at Ha
lf-Maximum)との関係を図5に示す。入射したγ線のエ
ネルギーは662keV、印加電圧は500V、半導体
放射線検出素子の材質はテルル化カドミウム、寸法は1
5×15×15mmであると仮定した。キャリアの移動
度と寿命には、以下の典型的な物性値を用いた。 電子:μe=1E+3(cm2/V・s),τe=1E−
6(s) 正孔:μh=1E+2(cm2/V・s),τh=5E−
7(s)
ほど、すなわち電圧信号が立ち上がりはじめてからの経
過時間が短ければ短いほど半値幅が小さく、波高値のば
らつきの程度が小さいことがわかる。換言すれば、放射
線が入射してからの経過時間が短いほどエネルギー分解
能が優れている。
経過すると、急に大きくなることもわかる。このこと
も、エネルギ分解能を高める上で、放射線が入射してか
らの経過時間が短い段階で測定することの重要性を示し
ている。ここで、半値幅が緩やかに増加する領域Aと半
値幅が急に増加する領域Bとに分け、この境目となる経
過時間を臨界経過時間(τc)と呼ぶことにする。
時定数(τb)の適合化を、仮想到達時間(τi)を基
準にする方法を説明してきたが、臨界経過時間(τc)
を基準にすることも可能である。臨界経過時間(τc)
を基準にする場合は、減衰時定数(τa)または整形時
定数(τb)を臨界経過時間(τc)と同程度かまたは
それ以下に設定する。
i)を基準にする方法で実用上問題ないが、より精度よ
く時定数を求める必要がある場合には臨界経過時間(τ
c)を基準にする方法を用いれば良い。
時間が短い状態を見ることは、キャリアがドリフトし始
めたごく初期の段階を見ているのと同じである。初期の
段階では、キャリアの実質的なドリフト距離は短いた
め、電子のドリフト距離と正孔のドリフト距離の和29
a、b、cは、放射線との相互作用位置によらず一定に
なる(図2参照)。すなわち、放射線が入射してからの
経過時間が短い段階を測定すれば、高いエネルギー分解
能が得られる。
測定するには、図3に示した波形Bのように、直流電源
10の電圧を低く設定して、放射線との相互作用によっ
て生じる正孔と電子が、電極に到達する前に捕獲中心に
捕えられるように半導体放射線検出素子の厚みと印可電
圧が適合化されていることがノイズのレベルを下げてエ
ネルギ分解能を高めるために望ましい。
短い段階の波高を測定するための具体例を、図1に示し
た放射線検出装置を使い、実施の形態に基づいて説明す
る。実施の形態1および2では、半導体放射線検出素子
12aの材質はテルル化カドミウムで、その寸法は15
×15×15mmである。印加電圧は半導体放射線検出
素子の厚みと適合化させるために300Vとしており、
仮想到達時間(τc)は7μ秒になる。
が入射してからの経過時間が短い段階の波高を検出する
ために、電荷型増幅器3aの減衰時定数を、キャリアが
半導体放射線検出素子の厚みに相当する距離を仮想的に
ドリフトする時間(仮想到達時間)よりも十分に短くし
ている。通常のエネルギースペクトルを測定する放射線
検出装置では、電荷型増幅器の減衰時定数は、約50μ
秒から200μ秒程度と比較的長い値に設定されている
が、これを1μ秒程度にまで短くする。整形増幅器28
の整形時定数はノイズの特性に応じて適宜設定する。
3aからの電圧信号は、放射線が入射してからの経過時
間が短い段階の波高を反映しており、半値幅が小さい。
この電圧信号を整形増幅器28により整形・増幅・ノイ
ズフィルタリングを行ってマルチチャンネルアナライザ
(図示せず)に入力することにより、放射線の波高分布
を高エネルギー分解能で測定できる。整形増幅器28は
マルチチャンネルアナライザとのマッチングをとる役目
があり、ノイズが極端に少ない場合には省くことができ
る。
時定数を短く設定することにより実現できるため、電圧
パルスの波高補正回路などの高価な回路を全く必要とせ
ず、エネルギースペクトル改善のためのコストを低く抑
えて、エネルギー分解能の優れた放射線検出装置を提供
できる。
電圧を適合化するために、印加電圧を低く設定してある
ため、漏れ電流が減少し、ノイズが少なくなることによ
り分解能がより高くなる。また、ノイズが少ないので高
温状態でも使用可能となり、使用可能温度範囲が広が
る。また、高圧電源が不要のため、放射線検出装置の絶
縁性能を上げる必要が無くなり、放射線検出装置全体の
コスト低減や保守の容易化が期待できる。
イズで測定できるので、優れたエネルギー分解能を実現
しつつ、高エネルギー領域の放射線を感度よく検出でき
るようになる。
増幅器3aの減衰時定数を通常の放射線検出装置で用い
られるような約50μ秒から200μ秒程度と比較的長
い値に設定する一方で、整形増幅器5の整形時定数を1
μ秒以下と短くする。実施の形態2は放射線が入射して
からの経過時間が短い段階の波高を出力させるという点
で、実施の形態1と考え方は同じであるが、その出力方
法が異なる。実施の形態2では、整形増幅器5の整形時
定数を短くすることにより、電圧パルスが発生してから
の経過時間が短い段階の波高を反映させる「弾道欠損の
原理」を用いている。
を短く設定することにより実現できるので、実施の形態
1と同様、電圧パルスの波高補正回路などの高価な回路
を全く必要とせずに、エネルギースペクトル改善のため
のコストを低く抑えて、エネルギー分解能の優れた放射
線検出装置を提供できる。
の電極間に電圧を印可できる電圧印可手段と、一対の電
極間に設けられ、放射線の入射により電子及び正孔を発
生しうる材料からなる所定厚みの半導体放射線検出素子
と、放射線の入射により一対の電極間に発生する電荷を
電圧信号に変換して出力し、しかも減衰時定数を設定可
能な電荷型増幅手段を備えてなり、放射線入射時に半導
体放射線検出素子内に発生する電子および正孔が一対の
電極に仮想的に到達するのに要する時間に基づいて、電
荷型増幅手段の減衰時定数が適合化されていることによ
り、エネルギ分解能の優れたスペクトル測定を行うこと
ができる。
射線入射時に半導体放射線検出素子内に発生する電子お
よび正孔が一対の電極に仮想的に到達するのに要する時
間と同程度またはそれ以下に設定することにより、エネ
ルギ分解能の優れたスペクトル測定を行うことができ
る。
射線入射時に半導体放射線検出素子内に発生する電子お
よび正孔が一対の電極に仮想的に到達するのに要する時
間の3分の一以下に設定することにより、エネルギ分解
能の優れたスペクトル測定を行うことができる。
ドミウム、テルル化亜鉛カドミウム、ヨウ化第2水銀ま
たはシリコンからなることにより、室温で動作させるこ
とができる。
子内に発生する電子および正孔が、一対の電極に実質的
に到達しないように、電圧及び半導体放射線検出素子の
厚みが適合化されていることにより、エネルギ分解能の
優れたスペクトル測定を行うことができる。
圧印可手段と、一対の電極間に設けられ、放射線の入射
により電子及び正孔を発生しうる材料からなる所定厚み
の半導体放射線検出素子と、一対の電極間に発生する電
荷を電圧信号に変換して出力する電荷型増幅手段と、電
荷型増幅手段が出力する電圧信号を所定の帯域にわたっ
て通過および増幅し、しかも整形時定数が設定可能な整
形増幅手段を備えてなり、放射線入射時に半導体放射線
検出素子内に発生する電子および正孔が一対の電極に仮
想的に到達するのに要する時間に基づいて、整形増幅手
段の整形時定数が適合化されてなることにより、エネル
ギ分解能の優れたスペクトル測定を行うことができる。
線入射時に半導体放射線検出素子内に発生する電子およ
び正孔が一対の電極に仮想的に到達するのに要する時間
と同程度またはそれ以下に設定することにより、エネル
ギ分解能の優れたスペクトル測定を行うことができる。
説明するための構成図である。
で発生するキャリアの動作を模擬的に説明するための図
である。
射線検出素子に印可する電圧と関係付けて説明した図で
ある。
大きさと放射線が検出素子に入射してからの経過時間と
の関係を定性的に説明した図である。
で、放射線が検出素子に入射してからの経過時間とパル
ス信号の半値幅の関係を示した図である。
の図である。
線検出素子の内部で発生するキャリアの動作を模擬的に
説明するための図である。
陽極、 6b 陰極 10a,b 直流電源、 12a,b 半導体放射線検
出素子 14 端子A、 15 端子B、 21a〜c,31a
〜c 放射線 27a〜c,37a〜c 電子、 28a〜c,38a
〜c 正孔 29a〜c,39a〜c 電子のドリフト距離と正孔の
ドリフト距離の和
Claims (7)
- 【請求項1】 一対の電極間に電圧を印可できる電圧印
可手段と、前記一対の電極間に設けられ、放射線の入射
により電子及び正孔を発生しうる材料からなる所定厚み
の半導体放射線検出素子と、前記放射線の入射により前
記一対の電極間に発生する電荷を電圧信号に変換して出
力し、しかも減衰時定数を設定可能な電荷型増幅手段を
備えてなり、放射線入射時に前記半導体放射線検出素子
内に発生する電子および正孔が前記一対の電極に仮想的
に到達するのに要する時間に基づいて、前記電荷型増幅
手段の減衰時定数が適合化されてなる放射線検出装置。 - 【請求項2】 電荷型増幅手段の減衰時定数を、放射線
入射時に半導体放射線検出素子内に発生する電子および
正孔が一対の電極に仮想的に到達するのに要する時間と
同程度またはそれ以下に設定してなる請求項1記載の放
射線検出装置。 - 【請求項3】 電荷型増幅手段の減衰時定数を、放射線
入射時に半導体放射線検出素子内に発生する電子および
正孔が一対の電極に仮想的に到達するのに要する時間の
3分の1以下に設定してなる請求項1記載の放射線検出
装置。 - 【請求項4】 半導体放射線検出素子がテルル化カドミ
ウム、テルル化亜鉛カドミウム、ヨウ化第2水銀または
シリコンからなる請求項1記載の放射線検出装置。 - 【請求項5】 放射線入射時に半導体放射線検出素子内
に発生する電子および正孔が、一対の電極に実質的に到
達しないように、電圧及び半導体放射線検出素子の厚み
が適合化されてなる請求項1記載の放射線検出装置。 - 【請求項6】 一対の電極間に電圧を印可できる電圧印
可手段と、前記一対の電極間に設けられ、放射線の入射
により電子及び正孔を発生しうる材料からなる所定厚み
の半導体放射線検出素子と、前記一対の電極間に発生す
る電荷を電圧信号に変換して出力する電荷型増幅手段
と、前記電荷型増幅手段が出力する電圧信号を所定の帯
域にわたって通過および増幅し、しかも整形時定数が設
定可能な整形増幅手段を備えてなり、放射線入射時に前
記半導体放射線検出素子内に発生する電子および正孔が
前記一対の電極に仮想的に到達するのに要する時間に基
づいて、前記整形増幅手段の整形時定数が適合化されて
なる放射線検出装置。 - 【請求項7】 整形増幅手段の整形時定数を、放射線入
射時に半導体放射線検出素子内に発生する電子および正
孔が一対の電極に仮想的に到達するのに要する時間と同
程度またはそれ以下に設定してなる請求項6記載の放射
線検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001158915A JP2002350552A (ja) | 2001-05-28 | 2001-05-28 | 放射線検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001158915A JP2002350552A (ja) | 2001-05-28 | 2001-05-28 | 放射線検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002350552A true JP2002350552A (ja) | 2002-12-04 |
Family
ID=19002571
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001158915A Pending JP2002350552A (ja) | 2001-05-28 | 2001-05-28 | 放射線検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002350552A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005049144A (ja) * | 2003-07-30 | 2005-02-24 | Toshiba Corp | 放射線計測方法 |
JP2012510148A (ja) * | 2008-11-24 | 2012-04-26 | セーエスウーエム、サントル、スイス、デレクトロニック、エ、ド、ミクロテクニック、ソシエテ、アノニム、ルシェルシュ、エ、デブロプマン | 電荷パルス検出回路 |
WO2017163437A1 (ja) * | 2016-03-25 | 2017-09-28 | 三菱電機プラントエンジニアリング株式会社 | 放射能汚染検査装置 |
Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6114590A (ja) * | 1984-06-30 | 1986-01-22 | Shimadzu Corp | 半導体放射線検出装置 |
JPS62137578A (ja) * | 1985-12-11 | 1987-06-20 | Nippon Atom Ind Group Co Ltd | 波形整形方法 |
JPS6330779A (ja) * | 1986-07-24 | 1988-02-09 | Toshiba Corp | ガンマカメラ |
JPS6431085A (en) * | 1987-07-28 | 1989-02-01 | Nippon Mining Co | Radiation detecting element |
JPH03197893A (ja) * | 1989-12-26 | 1991-08-29 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 放射線測定装置 |
JPH0712941A (ja) * | 1993-06-29 | 1995-01-17 | Toshiba Corp | 放射線測定装置 |
JPH0875862A (ja) * | 1994-09-02 | 1996-03-22 | Toshiba Corp | 放射線測定装置 |
WO1999009432A1 (fr) * | 1997-08-14 | 1999-02-25 | Commissariat A L'energie Atomique | DISPOSITIF POUR LA MESURE SPECTROMETRIQUE DANS LE DOMAINE DE LA DETECTION DE PHOTONS $g(g) |
JPH11344567A (ja) * | 1998-06-02 | 1999-12-14 | Toshiba Corp | X線検出器及び放射線検出方法 |
JP2000241555A (ja) * | 1999-02-18 | 2000-09-08 | Hitachi Medical Corp | 半導体放射線検出器 |
-
2001
- 2001-05-28 JP JP2001158915A patent/JP2002350552A/ja active Pending
Patent Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6114590A (ja) * | 1984-06-30 | 1986-01-22 | Shimadzu Corp | 半導体放射線検出装置 |
JPS62137578A (ja) * | 1985-12-11 | 1987-06-20 | Nippon Atom Ind Group Co Ltd | 波形整形方法 |
JPS6330779A (ja) * | 1986-07-24 | 1988-02-09 | Toshiba Corp | ガンマカメラ |
JPS6431085A (en) * | 1987-07-28 | 1989-02-01 | Nippon Mining Co | Radiation detecting element |
JPH03197893A (ja) * | 1989-12-26 | 1991-08-29 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 放射線測定装置 |
JPH0712941A (ja) * | 1993-06-29 | 1995-01-17 | Toshiba Corp | 放射線測定装置 |
JPH0875862A (ja) * | 1994-09-02 | 1996-03-22 | Toshiba Corp | 放射線測定装置 |
WO1999009432A1 (fr) * | 1997-08-14 | 1999-02-25 | Commissariat A L'energie Atomique | DISPOSITIF POUR LA MESURE SPECTROMETRIQUE DANS LE DOMAINE DE LA DETECTION DE PHOTONS $g(g) |
JPH11344567A (ja) * | 1998-06-02 | 1999-12-14 | Toshiba Corp | X線検出器及び放射線検出方法 |
JP2000241555A (ja) * | 1999-02-18 | 2000-09-08 | Hitachi Medical Corp | 半導体放射線検出器 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005049144A (ja) * | 2003-07-30 | 2005-02-24 | Toshiba Corp | 放射線計測方法 |
JP2012510148A (ja) * | 2008-11-24 | 2012-04-26 | セーエスウーエム、サントル、スイス、デレクトロニック、エ、ド、ミクロテクニック、ソシエテ、アノニム、ルシェルシュ、エ、デブロプマン | 電荷パルス検出回路 |
US8760147B2 (en) | 2008-11-24 | 2014-06-24 | Csem Centre Suisse D'electronique Et De Microtechnique Sa—Recherche Et Developpement | Charge pulse detecting circuit |
WO2017163437A1 (ja) * | 2016-03-25 | 2017-09-28 | 三菱電機プラントエンジニアリング株式会社 | 放射能汚染検査装置 |
JP2017173239A (ja) * | 2016-03-25 | 2017-09-28 | 三菱電機プラントエンジニアリング株式会社 | 放射能汚染検査装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5860590B2 (ja) | 放射線監視デバイス | |
US9513175B2 (en) | Apparatus and method for detecting high-energy radiation | |
US7266178B2 (en) | Calibration source for X-ray detectors | |
Tarr et al. | A sensitive, temperature-compensated, zero-bias floating gate MOSFET dosimeter | |
US7271395B2 (en) | Device and method for the measurement of depth of interaction using co-planar electrodes | |
US6420710B1 (en) | Device for spectrometric measurement in the field of gamma photon detection | |
Vespucci et al. | Robust energy calibration technique for photon counting spectral detectors | |
US4937452A (en) | Charge trapping correction in photon detector systems | |
JP2002350552A (ja) | 放射線検出装置 | |
WO2007144589A2 (en) | Apparatus and method for operating a pixelated high-energy radiation detector | |
US20060012250A1 (en) | Enhanced processing circuit for spectrometry system and spectrometry system using same | |
US4489236A (en) | Method for calibrating scintillation crystal | |
JP3740315B2 (ja) | X線センサ信号処理回路及びそれを用いたx線ct装置並びにx線センサ信号処理方法 | |
US4655994A (en) | Method for determining the operability of a source range detector | |
JP2000329855A (ja) | 放射線分布検出装置 | |
JP3585356B2 (ja) | 放射線検出装置 | |
JP3728220B2 (ja) | 比例計数管型中性子検出器のγ線感度試験方法 | |
Pieroni et al. | Measurement of time-dependent fast neutron spectra with an NE 213 scintillator | |
JP2005049144A (ja) | 放射線計測方法 | |
Anderson et al. | A large-area gas scintillation proportional counter for X-ray astronomy | |
JPH03195992A (ja) | 放射線検出装置 | |
Akyurek et al. | Department of Mining and Nuclear Engineering, Missouri University of Science & Technology, Rolla, MO, 65401, USA | |
Vignali et al. | Characterization of irradiated APDs for picosecond time measurements | |
JPH03185386A (ja) | 放射線検出器を用いた放射線量の測定方法 | |
Ciarlo | MOSFET detector evaluation |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
Effective date: 20040708 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 |
|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20071226 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100223 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20100406 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100824 |