JPH0712941A - 放射線測定装置 - Google Patents

放射線測定装置

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JPH0712941A
JPH0712941A JP15842693A JP15842693A JPH0712941A JP H0712941 A JPH0712941 A JP H0712941A JP 15842693 A JP15842693 A JP 15842693A JP 15842693 A JP15842693 A JP 15842693A JP H0712941 A JPH0712941 A JP H0712941A
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JP
Japan
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output
integrator
amplifier
signal
circuit
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JP15842693A
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Inventor
Shunichiro Makino
俊一郎 牧野
Toru Onodera
徹 小野寺
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】放射線検出器に発生した電荷を電圧に変換する
プリアンプ、および波形整形を行うリニアアンプに、フ
ィードバック制御回路とホールド回路を設けて、高精度
で安定作動する放射線測定装置を提供することにある。 【構成】請求項1記載の発明に係る放射線測定装置は、
放射線検出器に発生した電気信号(電荷)を積分する電
荷電圧変換のプリアンプ31と、この出力の波形整形を行
うリニアアンプを備えた放射線測定装置において、前記
プリアンプ31が、放射線検出器1からの電気信号2を積
分する積分器13と、この積分器13の制御回路の応答時定
数が長い時定数と短い時定数が選択できる手段を備え
て、制御回路を一定時間長い時定数でホールドすること
により前記積分器13を積分動作をさせることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放射線のエネルギーを検
出する放射線検出器による放射線測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のゲート付き積分器を使用した放射
線測定装置を図6のブロック構成図に示す。放射線のエ
ネルギーを検出する放射線検出器1からの電気信号(電
荷)2の幅twは、放射線3の入射位置A,Bによって
放射線検出器1内の電極まで移動する時間が異なること
から変化する。
【0003】このために、電気信号(電荷)2を積分し
て電圧に変換する、プリアンプ4の出力信号5の立上り
時間も変化し、特に大容量のGe半導体検出器や、Cd
Te,HgI2 等の化合物半導体検出器においては顕著
である。
【0004】従って、このプリアンプ4の出力信号5を
微分手段と多段の積分手段とで形成するリニアアンプ6
により波形整形を行うと、同じ波高値でも立上り時間に
ばらつきがあるため、出力信号7のピーク波高値がばら
ついて良好なエネルギー分解能が得られない。
【0005】このような場合には、前記リニアアンプ6
の出力信号7を、一定時間だけゲート付き積分器8で積
分することにより、積分された出力信号9の波高値は一
定の値となり、前記プリアンプ4の出力信号5の立上り
に依存しなくなることが知られている。なお、通常この
ゲート付き積分器8からの出力信号9は、アナログディ
ジタル変換器10により処理して放射線量、エネルギーの
測定を行う。
【0006】前記放射線検出器1により放射線3のエネ
ルギーを測定するような場合は、図6で示すように電荷
電圧変換のプリアンプ4が、放射線検出器1のプリアン
プとして使用され、放射線3は放射線検出器1と反応し
てエネルギーを電荷に変換して出力される。
【0007】このプリアンプ4は、放射線検出器1から
の電気信号(電荷)2を積分して電圧に変換する。従っ
て、プリアンプ4の出力の電圧値を計測すれば、放射線
3のエネルギーを求めることができる。
【0008】このプリアンプ4の構成を図7および図8
のブロック回路図で示す。図7は反転増幅器11と、この
反転増幅器11の入力側と出力側に接続された積分コンデ
ンサ12で構成される積分器13と、前記積分コンデンサ12
に並列に接続して積分コンデンサ12に充電された電荷を
放電する放電抵抗14から構成されている。
【0009】なお、この放電抵抗14と積分コンデンサ12
で得られる放電時定数を、放射線検出器1で発生した電
荷2を積分コンデンサ12で積分する時間より充分長く設
定して使用する。
【0010】図8は図7の変形例で、積分器15の基本構
成は上記図7と同じであるが、積分コンデンサ12に充電
された電荷は、発光ダイオード16を点灯させ、反転増幅
器11の初段に光でONする増幅素子11aを用いること
で、反転増幅器11の出力を逆転させて放電させる構成の
ものである。
【0011】この構成の場合には、積分コンデンサ12と
並列に挿入する放電抵抗14がないため、積分コンデンサ
12に積分された電荷は積分後も減衰することはなく、前
記図7と比べて高精度に放射線のエネルギーを測定する
ことができる。
【0012】従来のゲート付き積分器8は図9のブロッ
ク回路図に示すように、リニアアンプ6の出力信号7を
電流に変換する抵抗17と反転増幅器18、および反転増幅
器18の入力側と出力側に接続された積分コンデンサ12で
積分器19が形成されている。
【0013】なお、プリアンプ4の出力信号5が設定値
を超えたことを検出して、一定時間だけスイッチ20を閉
じ、またスイッチ21,22を開く制御信号23を発生するタ
イミング回路24と、前記制御信号23により閉となり、信
号7を積分器19に接続するスイッチ20と、制御信号23が
無い期間は、積分器19をリセットするスイッチ22、さら
に積分器19の入力をGNDにしておくスイッチ21、およ
び積分器19の出力25の極性を入力する信号7の極性に合
わせるための、ゲイン1の反転バッファ26により構成さ
れている。
【0014】前記タイミング回路24が動作していない時
には、スイッチ20は開、スイッチ21,22は閉となってお
り、積分器19の入力はGNDに接続され、かつリセット
されていて、仮に入力に信号7が入っても積分器19は動
作しない。
【0015】放射線検出器1に放射線3が入射してプリ
アンプ4の出力信号5が設定値を超えると、タイミング
回路24が一定時間だけ、スイッチ20,21,22を開閉する
制御信号23を出力する。この制御信号23が出力されると
スイッチ20は閉、スイッチ21,22は開となり、抵抗17で
電流に変換された入力のリニアアンプ6の出力7が、積
分器19の積分コンデンサ12に充電されて積分される。
【0016】なお、制御信号23が無くなるとスイッチ20
は開、スイッチ21,22は閉となり、積分コンデンサ12は
リセットされて出力25は零となり、これにより反転バッ
ファ26を通過して入力と同じ極性の出力信号9が出力さ
れる。
【0017】放射線測定においては、リニアアンプ6で
波形整形した出力7のパルスは全てが必要なわけでな
く、例えばこの出力7の波高が、ある値以上のパルスの
みを必要としたり、別の検出器の信号とタイミングが同
じ出力のみを必要とすることが多々ある。このような時
はリニアアンプ6の出力7をリニアゲートに入力して必
要な信号のみを出力させる。
【0018】従来のリニアゲートにおいては図10のブロ
ック回路図に示すように、リニアゲート27は、上記図9
で示したゲート付き積分器8における積分コンデンサ12
を、抵抗17と同じ抵抗値の抵抗28に置き換えたもので、
リニアゲート付き増幅器29は抵抗17と反転増幅器18、お
よび反転増幅器18の入力側と出力側に接続された抵抗28
で構成されていて、タイミング回路24の前段には微分回
路30が挿入されている。
【0019】このリニアゲート27では、コンパレータが
動作していない時はスイッチ20は開、スイッチ21,22は
閉となっており、反転増幅器18の入力はGNDに接続さ
れ、さらに抵抗28は短絡されているためにリニアゲート
増幅器29にリニアアンプ6の出力7が入力されても増幅
されない。
【0020】なお、リニアゲート27を通過させたい時
は、入力信号であるプリアンプ4の出力信号5とタイミ
ングを取った信号をタイミング回路24に入力する。これ
によりタイミング回路24は一定時間だけ、スイッチ20,
21,22を開閉する制御信号23を出力する。
【0021】従って、制御信号23が出力されている期間
は、スイッチ20が閉、スイッチ21,22は開となり、リニ
アアンプ6の出力7が反転増幅器18と反転バッファ26を
通過して入力と同じ極性、波形の出力信号9が出力され
る。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上記図7に示したプリ
アンプ4は、積分コンデンサ12と並列に放電抵抗14が挿
入されており、積分コンデンサ12に積分された電荷は、
積分中および積分後も放電されるため高精度な積分が行
えない。
【0023】また、放電抵抗14の値を大きくすると、放
電が遅くなり高精度な積分が行えるが、高計数になると
出力がパイルアップをし、プリアンプ4が飽和して計測
できなくなる。
【0024】なお、本方式のプリアンプ4は、一般に出
力の放電時定数が長いために出力はパイルアップを起こ
し易く、従って、図6に示すようなリニアアンプ6で多
段の波形整形を行い、1つのパルスとして取り出す必要
があり、装置が複雑になる欠点があった。
【0025】上記図8のプリアンプ4では、積分コンデ
ンサ12の放電については、反転増幅器11の初段増幅器
(光でONする増幅素子11a)を強制的にONさせて反
転増幅器11の出力を逆転させて放電しているため、放電
の時間が比較的長く、測定がその間できなくなる欠点が
ある。
【0026】また放電時のベースラインの変化を後段の
リニアアンプ6が増幅しないよう適切な保護を行う必要
があり、さらに本方式では放射線検出器1にリーク電流
があると、その電流をも積分してしまうため、放射線3
により生じる電荷のみを積分することができなくなる。
なお、出力はパイルアップをしているため、後段に多段
の波形整形を行うリニアアンプが必要となる問題があっ
た。
【0027】上記図9に示すゲート付き積分器8は、ス
イッチ20を開閉することによりリニアアンプ6の出力信
号7を積分器19に入力している。しかし、ここで採用し
ているスイッチ20は、他のスイッチ21,22を含めて、応
答性と信頼性および回路設計上等から機械的に開閉する
リレーのようなものではなく、FETやトランジスタ、
あるいはダイオード等の半導体を用いたスイッチを使用
している。
【0028】従ってスイッチ20がON時とOFF時にお
ける内部抵抗は必ずしも零、または無限大ではなく、こ
のためにスイッチ20がOFFで、スイッチ22がONで
も、リニアアンプ6から出力信号7は僅かではあるがア
ナログディジタル変換器10に出力されてしまう。
【0029】なお、積分期間においてはスイッチ20がO
N抵抗を有するためと、このON抵抗の温度ドリフトも
大きいために、抵抗17で電流に変換する精度が悪くな
る。また、スイッチ22のOFF抵抗が有限なために、積
分コンデンサ12に積分された電荷が僅かではあるが放電
してしまう欠点があった。
【0030】さらに、積分器18の入力であるリニアアン
プ6の出力段のベースラインや、積分器19の反転増幅器
18の入力オフセット電圧、電流があると、その分が積分
されて精度を悪くするため調整を行う必要があった。
【0031】また、それらが経年変化や温度によりドリ
フトすると、ドリフト分が積分されるため定期的な調整
も必要であり、かつ、各スイッチ20,21,22自身が持つ
浮遊容量があるため開閉時に制御信号23が信号ラインに
漏れて、積分器19の出力にスパイク状のノイズや、ノイ
ズが積分されて精度を悪くする等の支障があった。
【0032】上記図10に示したリニアゲート27について
は、上記ゲート付き積分器8と同様に各スイッチ20,2
1,22においては、ON時とOFF時の内部抵抗は零、
あるいは無限大ではない。このためにスイッチ20がOF
Fで、スイッチ22がONでもリニアアンプ6からの出力
信号7が僅かではあるがアナログディジタル変換器10に
出力されてしまったり、スイッチ21がONでもリニアゲ
ート27の出力にオフセット電圧が発生する。
【0033】また、ON抵抗の温度ドリフトも大きいた
め、抵抗17で電流に変換する精度が悪くなり利得の変動
が生じる。このように各スイッチ20,21,22自身が持つ
浮遊容量があるため、開閉時に制御信号23が信号ライン
に漏れて、出力にスパイク状のノイズが発しする等の支
障があった。
【0034】本発明の目的とするところは、放射線検出
器に発生した電荷を電圧に変換するプリアンプ、および
波形整形を行うリニアアンプに、フィードバック制御回
路とホールド回路を設けて、高精度で安定作動する放射
線測定装置を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明に係る放射線測定装置は、放射線の
検出器に発生した電気信号(電荷)を積分する電荷電圧
変換のプリアンプとこの出力の波形整形を行うリニアア
ンプを備えた放射線測定装置において、前記プリアンプ
が放射線検出器からの電気信号を積分する積分器と、こ
の積分器の制御回路の応答時定数が長い時定数と短い時
定数が選択できる手段を備えて、制御回路を一定時間長
い時定数でホールドすることにより前記積分器を積分動
作させることを特徴とする。
【0036】また、請求項2記載の放射線測定装置は、
放射線の検出器に発生した電気信号(電荷)を積分する
電荷電圧変換のプリアンプとこの出力の波形整形を行う
リニアアンプを備えた放射線測定装置において、前記リ
ニアアンプの出力を一定時間積分して出力するゲート付
き積分器を組合わせると共にこのゲート付き積分器の出
力変動を検出して変動をキャンセルするように前記ゲー
ト付き積分器の入力にフィードバックする制御回路と、
この制御回路の動作を一定期間ホールドする回路を設け
て、制御回路のホールド時に前記ゲート付き積分器を積
分動作させることを特徴とする。
【0037】さらに、請求項3記載の放射線測定装置
は、放射線の検出器に発生した電気信号(電荷)を積分
する電荷電圧変換のプリアンプとこの出力の波形整形を
行うリニアアンプを備えた放射線測定装置において、前
記リニアアンプの出力を選択的に通過させる増幅率が一
対一のリニアゲート増幅器を組合わせると共にこのリニ
アゲート増幅器の出力変動を検出して変動をキャンセル
するようにリニアゲート増幅器の入力にフィードバック
する制御回路と、この制御回路の動作を一定期間ホール
ドする回路を設けて、制御回路のホールド時に前記リニ
アゲート増幅器に信号通過動作をさせることを特徴とす
る。
【0038】
【作用】請求項1記載の発明では、入力した電荷を積分
して電圧変換する際に、積分器の出力変化を誤差増幅器
で検出し、変化分をキャンセルするように積分器にフィ
ードバックすると共に積分時はこの機能をホールド回路
でホールドし、かつフィードバックの時定数を可変にし
て積分器の放電をなくして精度を向上する。
【0039】また、請求項2記載の発明は、入力した信
号を波形整形する際に、ゲート付き積分器の出力変化を
誤差増幅器で検出し、変化分をキャンセルするように積
分器にフィードバックすると共に、積分時はこの機能を
ホールド回路でホールドして、積分器の放電がなくすこ
とにより精度が向上する。
【0040】さらに、請求項3記載の発明は、入力した
信号を波形整形する際に、リニアゲート付き増幅器の出
力変化を誤差増幅器で検出し、変化分をキャンセルする
ようにリニアゲート付き増幅器にフィードバックするの
で精度が向上する。
【0041】
【実施例】本発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。なお、上記した従来技術と同じ構成部分については
同一符号を付して詳細な説明を省略する。第1実施例に
おいては、図1のブロック回路図に示すように電荷電圧
変換のプリアンプ31は、反転増幅器11と、この反転増幅
器11の入力側と出力側に接続された積分コンデンサ12で
積分器13を形成する。
【0042】また、この積分器13の出力信号5のレベル
を増幅する誤差増幅器32と、放射線検出器1に発生した
放射線3による電気信号(電荷)2が設定値を超えたこ
とを検出し、一定時間だけサンプルホールド回路33をホ
ールドする制御信号34を発生するタイミング回路35と、
前記誤差増幅器32の出力36をホールドする前記サンプル
ホールド回路33を設ける。
【0043】さらに、このサンプルホールド回路33の出
力電圧37を電流に変換する電圧電流変換素子38と、前記
誤差増幅器32に時定数を持たせる抵抗39、および時定数
を切り換えるスイッチ40と、前記制御信号34を受けて前
記スイッチ40を一定期間だけ閉じる信号41を出力するタ
イミング回路42から構成されている。なお、前記サンプ
ルホールド回路33はホールド時に誤差増幅器32の出力を
切り放すためのスイッチ43と、電圧レベルをホールドす
るホールドコンデンサ44、およびバッファ45で形成され
ている。
【0044】次に上記構成による作用について説明す
る。図1の電荷電圧変換のプリアンプ31は、放射線検出
器1からの電気信号2がない時、すなわちタイミング回
路35からスイッチ40,43を駆動する制御信号34が出てい
ない時は、サンプルホールド回路33のスイッチ43は閉じ
ている。また、スイッチ40は開いている。
【0045】誤差増幅器32は積分器13の出力5のレベル
と、GNDレベルとの差を増幅して、仮に出力5のレベ
ルが+であれば+の誤差の出力36を発生し、その値はサ
ンプルホールド回路33の出力電圧37となる。この出力電
圧37は電圧電流変換素子38により電流に変換され、積分
器の入力にフィードバックされて積分コンデンサ12に流
れ込み、積分器13の出力5のレベルを下げてGNDに近
づける。
【0046】なお、出力5のレベルが−であれば、これ
を上げてGNDに近づける。さらに、積分器13の反転増
幅器11の入力ドリフトが発生して積分器13の出力が変化
しても、上述したような作用でこれをキャンセルし、積
分器13の出力はGNDレベルとなり変動はない。
【0047】この結果、誤差増幅器32の作用により、積
分器13の出力5のレベルがGNDレベルになるようにフ
ィードバックがかかり、放射線検出器1にリーク電流が
あっても、これがキャンセルされて積分されない。但
し、誤差増幅器32の出力は、抵抗39とホールドコンデン
サ44で形成されるローパスフィルタを通しているため、
積分器13の出力の早い応答には追従しない。
【0048】すなわち、このフィードバックは、積分時
の誤差となる経年変化や温度ドリフト、リークといった
緩やかな変化分をキャンセルするように働き、速い放射
線検出器1の電気信号2に関しては積分できるように応
答しない。なお、ローパスフィルタの時定数は予め、そ
のように選んでおく。
【0049】このプリアンプ31における作用は図4のタ
イミング特性図に示すように、放射線検出器1で発生し
た電荷の電気信号2はプリアンプ31に入力されるが、上
述したように誤差増幅器32の応答が遅いため、反転増幅
器11と積分コンデンサ12による積分器13で積分されて出
力信号5として出力される。
【0050】ここでタイミング回路35では、出力信号5
が設定値を超えたことを検出し、一定時間だけサンプル
ホールド回路33をホールドする制御信号34を発生する。
この時にサンプルホールド回路33は、制御信号34の直前
の誤差増幅器32の出力36のレベルをホールドする。
【0051】この結果、制御信号34が出力されている間
は、積分器13の入力に変化があって誤差増幅器32がこれ
を検出して、キャンセルするような信号(出力36のT1
の期間)が出ても(誤差増幅器32の応答が遅くても積分
期間中には応答してくる)、サンプルホールド回路33の
出力電圧37は変化せず、積分器13の入力の変化分、すな
わち放射線検出器1の電気信号2を積分して出力信号5
を出力する。
【0052】次に制御信号34がなくなると、サンプルホ
ールド回路33はスイッチ43を閉じて誤差増幅器32の出力
36のレベルを出力する。同時にタイミング回路35はスイ
ッチ40を一定期間だけ閉じる制御信号34を出力する。こ
れによりスイッチ40が閉じるとローパスフィルタがなく
なり、積分器13の出力を制御する応答が速くなる。
【0053】積分器13における積分コンデンサ12に充電
された電荷は、急速に電圧電流変換素子38により放電さ
れるが、この時に積分器13の出力は+レベルになってお
り、これをGNDレベルになるまで誤差増幅器32が働
く。
【0054】この結果によりプリアンプ31で積分された
出力信号5の波形は、従来のような長い時定数でGND
に戻る波形ではなく、短い(信号41のT2 の期間)立下
りの波形となる。
【0055】この第1実施例である電荷電圧変換のプリ
アンプ31によれば、次の効果が得られる。 (1) 誤差増幅器32により積分回路の出力5のレベルの変
動を検出し、変動をキャンセルするように積分回路の入
力にフィードバックすることにより、積分回路のドリフ
ト、および放射線検出器1のリークを自動的にキャンセ
ルできる。
【0056】(2) 積分する時にホールド回路が働くこと
で積分を精度よく行える。 (3) 積分終了時にフィードバックの応答を速めることで
積分器13をリセットし、パイルアップしないプリアンプ
31からの出力信号5が得られる。
【0057】第2実施例においては、図2のブロック回
路図に示すようにゲート付き積分器46は、リニアアンプ
6の出力信号7を電流に変換する抵抗17と反転増幅器18
および、この反転増幅器18の入力側と出力側に接続され
た積分コンデンサ12で形成された積分器19と、この積分
器19の出力25のレベルを増幅する誤差増幅器32を備えて
いる。
【0058】また、放射線検出器1に発生した放射線3
による電気信号(電荷)2が設定値を越えたことを検出
し、一定時間だけサンプルホールド回路33をホールドす
る制御信号23を発生するタイミング回路24と、前記誤差
増幅器32の出力39をホールドするサンプルホールド回路
33を設ける。
【0059】さらに、このサンプルホールド回路33の出
力電圧37を電流に変換する電圧電流変換素子38、および
積分器19の出力の極性を入力信号7の極性に合わせるた
めのゲイン1の反転バッファ26から構成されている。な
お、前記サンプルホールド回路33は、ホールド時に誤差
増幅器32の出力39を切り放すためのスイッチ43と、出力
39の電圧レベルをホールドするホールドコンデンサ44と
反転バッファ45で形成されている。
【0060】上記構成による作用は、プリアンプ4の出
力信号5がタイミング回路24に入力されていない時、す
なわち、スイッチ43を駆動する制御信号23が出ていない
時にはスイッチ43は閉じている。
【0061】誤差増幅器32は積分器19の出力25のレベル
とGNDレベルとの差を増幅して、仮に出力25のレベル
が+であれば+の誤差の出力39を発生し、その値はサン
プルホールド回路33の出力電圧37となる。この出力電圧
37は電圧電流変換素子38により電流に変換され、積分器
19の入力にフィードバックされて積分コンデンサ12に流
れ込み、積分器19の出力25のレベルを下げてGNDに近
づける。
【0062】なお、出力25のレベルが−であれば、これ
を上げてGNDに近づける。さらに、リニアアンプ6の
出力段のベースラインや、積分器19の反転増幅器18の入
力ドリフトが発生して積分器19の出力が変化しても、上
述したような作用でこれをキャンセルし、積分器19の出
力25はGNDレベルとなり変動はない。
【0063】さらに、リニアアンプ6の出力信号7が積
分器19に入力されても、上述したフィードバックがかか
り、出力信号7により積分器19が僅かでも積分を開始す
れば、それを打ち消して出力は出ない。もちろん誤差増
幅器32は速い信号に追随する充分な応答を有する素子を
選択しておくことはいうまでもない。
【0064】次にリニアアンプ6の出力信号7を積分す
る場合について、図5のタイミング特性図により説明す
る。放射線検出器1で発生した電荷である電気信号2は
プリアンプ4で積分されて出力信号5となり、リニアア
ンプ6の入力信号と、ゲート付き積分器8に対するタイ
ミング信号となる。
【0065】すなわち、リニアアンプ6に入力された信
号5は波形整形され、比較的ゆっくりとした立上りの波
形の出力信号7となり、ゲート付き積分器8に出力され
て積分入力信号となる。従って、タイミングの信号とし
てゲート付き積分器8に伝達された出力信号5の方が、
出力信号7より早くゲート付き積分器8のタイミング回
路24に入力される。
【0066】タイミング回路24では、前記プリアンプ4
の出力信号5が設定値を超えたことを検出して、一定時
間だけサンプルホールド回路33をホールドする信号23を
発生するので、サンプルホールド回路33においては制御
信号23の直前の誤差増幅器32の出力39のレベルをホール
ドする。
【0067】この結果、制御信号23が出ている間は、積
分回路19の入力に変化があっても誤差増幅器32がこれを
検出し、キャンセルするような信号(出力39のT1 の期
間)が出てもサンプルホールド回路33の出力37は変化せ
ず、積分回路19の入力の変化分であるリニアアンプ6の
出力信号7を積分し、反転バッファ26からは出力信号9
が出力される。
【0068】また、制御信号23がなくなると(T2 の期
間)、サンプルホールド回路33はスイッチ43を閉じて、
誤差増幅器32における出力39のレベルを出力する。ここ
で積分器19の出力は−レベルになっており、これをGN
Dレベルになるまで誤差増幅器32が働く。この結果、積
分器19の積分コンデンサ12に充電された電荷はリセット
される(出力信号9)。
【0069】これにより、第2実施例のゲート付き積分
器46では、次の効果が得られる。 (1) リニアアンプ6の出力信号7が直接通過する抵抗1
7、積分コンデンサ12、反転増幅器18、および反転バッ
ファ26には、スイッチ20,21,22が設けられてない。こ
のため、従来スイッチ20,21,22において生じていたゲ
イン変動、積分時のリーク、制御信号23の漏れがなくな
る。
【0070】(2) 誤差増幅器32により積分回路19の出力
レベルの変動を検出し、この変動をキャンセルするよう
に積分回路19の入力にフィードバックすることで、積分
回路、およびその入力回路(リニアアンプ6)における
ドリフトを自動的にキャンセルできる。また、フィード
バックの応答を速めることで信号を通過させない(ゲー
ト)機能がある。 (3) 積分する時にホールド回路が働くことで積分の精度
が向上する。
【0071】第3実施例においては、図3のブロック回
路図に示すようにリニアゲート47は、上記図2に示す第
2実施例における積分器19の積分コンデンサ12を、抵抗
17と同じ抵抗値の抵抗28に置き換えたリニアゲート増幅
器29を形成し、他は同一の構成としている。
【0072】このために、抵抗28におけるリニアゲート
増幅器29の作用については、上記第2実施例のゲート付
き積分器46の作用のうち、リニアアンプ6の出力信号7
を積分することを除き基本的に同じである。従って、図
5のタイミング特性図において、リニアゲート増幅器29
の出力25aはリニアアンプ6と同じ波形となり、誤差増
幅器32の出力39aのレベルはタイミング回路24からの制
御信号23が完了する時点では元に戻っている以外は同じ
に作用する。
【0073】この第3実施例のリニアゲート47において
は、次の効果がある。 (1) リニアアンプ6の出力信号7が直接通過する抵抗1
7、積分コンデンサ12、反転増幅器18、および反転バッ
ファ26の経路には、スイッチ20,21,22が設けられてい
ない。このため、従来はスイッチ20,21,22において生
じていたゲイン変動、積分時のリーク、制御信号23の漏
れがなくなる。
【0074】(2) 誤差増幅器32によりリニアゲート増幅
器29の出力25aのレベルの変動を検出し、この変動をキ
ャンセルするようにリニアゲート増幅器29の入力にフィ
ードバックすることで、リニアゲート増幅器29および、
その入力回路(リニアアンプ6)のドリフトを自動的に
キャンセルできる。また、フィードバックの応答を速め
ることで信号を通過させない(ゲート)機能がある。 (3) リニアアンプ6の出力信号7を通過させる時に、ホ
ールド回路が働くことで、精度よく信号を通過させるこ
とができる。
【0075】
【発明の効果】請求項1記載のプリアンプによれば、電
荷の積分が高精度で、かつ放射線検出器等のリーク電流
の影響を受けず、また放射線検出器の積分信号をパイル
アップせずに出力して、後段での多段の波形整形を行う
リニアアンプが不要で長期間にわたり安定した機能が維
持できる効果がある。
【0076】請求項2記載のゲート付き積分器では、リ
ニアアンプの回路にスイッチを不要とし、出力の導通漏
れや開閉時のスパイクノイズの除去と共に、反転増幅器
の入力ドリフトによる積分精度の悪化を除いて、長期に
安定して高精度な機能維持ができる効果がある。
【0077】請求項3記載のリニアゲートによれば、リ
ニアアンプの回路にスイッチを不要とし、出力の導通漏
れや開閉時のスパイクノイズ、および出力のオフセッ
ト、変換利得変動を除き長期にわたり安定で高精度動作
を維持できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の電荷電圧変換プリア
ンプのブロック回路図。
【図2】本発明に係る第2実施例のゲート付き積分器の
ブロック回路図。
【図3】本発明に係る第3実施例のリニアゲートのブロ
ック回路図。
【図4】本発明に係る第1実施例のタイムチャート特性
図。
【図5】本発明に係る第2実施例および第3実施例のタ
イムチャート特性図。
【図6】放射線測定装置のブロック構成図。
【図7】従来の電荷電圧変換プリアンプのブロック回路
図。
【図8】従来の他の電荷電圧変換プリアンプのブロック
回路図。
【図9】従来のゲート付き積分器のブロック回路図。
【図10】従来のリニアゲートのブロック回路図。
【符号の説明】
1…放射線検出器、2…電気信号(電荷)、3…放射
線、4,31…プリアンプ、5,7,9,25,25a,36,
36a…出力信号(出力)、6…リニアアンプ、8,46…
ゲート付き積分器、10…アナログディジタル変換器、1
1,18…反転増幅器、11a…増幅素子、12…積分コンデ
ンサ、13,15,19…積分器、14…放電抵抗、16…発光ダ
イオード、17,28,39…抵抗、20,21,22,40,43…ス
イッチ、23,34…制御信号、24,35,42…タイミング回
路、26,45…反転バッファ、27,47…リニアゲート、29
…リニアゲート増幅器、30…微分回路、32…誤差増幅
器、33…サンプルホールド回路、37…出力電圧、38…電
圧電流変換素子、41…信号、44…ホールドコンデンサ、
45…バッファ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線の検出器に発生した電気信号(電
    荷)を積分する電荷電圧変換のプリアンプとこの出力の
    波形整形を行うリニアアンプを備えた放射線測定装置に
    おいて、前記プリアンプが放射線検出器からの電気信号
    を積分する積分器と、この積分器の制御回路の応答時定
    数が長い時定数と短い時定数が選択できる手段を備え
    て、制御回路を一定時間長い時定数でホールドすること
    により前記積分器を積分動作させることを特徴とする放
    射線測定装置。
  2. 【請求項2】 放射線の検出器に発生した電気信号(電
    荷)を積分する電荷電圧変換のプリアンプとこの出力の
    波形整形を行うリニアアンプを備えた放射線測定装置に
    おいて、前記リニアアンプの出力を一定時間積分して出
    力するゲート付き積分器を組合わせると共にこのゲート
    付き積分器の出力変動を検出して変動をキャンセルする
    ように前記ゲート付き積分器の入力にフィードバックす
    る制御回路と、この制御回路の動作を一定期間ホールド
    する回路を設けて、制御回路のホールド時に前記ゲート
    付き積分器を積分動作させることを特徴とする放射線測
    定装置。
  3. 【請求項3】 放射線の検出器に発生した電気信号(電
    荷)を積分する電荷電圧変換のプリアンプとこの出力の
    波形整形を行うリニアアンプを備えた放射線測定装置に
    おいて、前記リニアアンプの出力を選択的に通過させる
    増幅率が一対一のリニアゲート増幅器を組合わせると共
    にこのリニアゲート増幅器の出力変動を検出して変動を
    キャンセルするようにリニアゲート増幅器の入力にフィ
    ードバックする制御回路と、この制御回路の動作を一定
    期間ホールドする回路を設けて、制御回路のホールド時
    に前記リニアゲート増幅器に信号通過動作をさせること
    を特徴とする放射線測定装置。
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