JP2002350544A - レーザドップラ速度計 - Google Patents

レーザドップラ速度計

Info

Publication number
JP2002350544A
JP2002350544A JP2001159959A JP2001159959A JP2002350544A JP 2002350544 A JP2002350544 A JP 2002350544A JP 2001159959 A JP2001159959 A JP 2001159959A JP 2001159959 A JP2001159959 A JP 2001159959A JP 2002350544 A JP2002350544 A JP 2002350544A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
optical waveguide
laser light
doppler velocimeter
laser diode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001159959A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Nishida
直樹 西田
Osamu Mikami
修 三上
Takuji Hatano
卓史 波多野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai University
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Tokai University
Minolta Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai University, Minolta Co Ltd filed Critical Tokai University
Priority to JP2001159959A priority Critical patent/JP2002350544A/ja
Publication of JP2002350544A publication Critical patent/JP2002350544A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 対象物に異なる方向からレーザ光を照射する
自己混合型のレーザドップラ速度計であって、対象物に
対するレーザ光の照射角度の差を厳密に定めることが可
能で、しかも小型化が容易なものを提供する。 【解決手段】 レーザドップラ速度計の光学系を、レー
ザダイオード、フォトダイオード、および分岐部を有す
る光導波路を備えた光導波路素子で構成する。光導波路
は、レーザダイオードが発したレーザ光を分割して対象
物に導き、対象物によって散乱されたレーザ光をレーザ
ダイオードに導く。フォトダイオードはレーザダイオー
ドの後方出射レーザ光の強度を検出する。フォトダイオ
ードによって検出されるレーザ光の強度にはドップラシ
フト周波数で変動する交流成分が含まれ、この周波数と
対象物に対する2つのレーザ光の照射角度の差から、対
象物の速度が求められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ光のドップラ
効果を利用して対象物の速度を計測するレーザドップラ
速度計に関する。
【0002】
【従来の技術】回転運動や往復運動をする対象物にレー
ザ光を照射して、散乱されたレーザ光に現れるドップラ
効果を検出することにより、対象物の回転速度や移動速
度を検出するレーザドップラ速度計が、非接触型の簡便
な速度計として使用されている。レーザドップラ速度計
には、対象物によって散乱されたレーザ光をレーザ光源
に再入射させて光源が発するレーザ光と混合し、混合し
たレーザ光に干渉として現れるドップラシフト周波数か
ら対象物の速度を求める自己混合型のものがある。自己
混合型のドップラ速度計は、光源と検出器とを離して配
置する必要がなく、構成が簡素になり、小型化にも適し
ている。
【0003】しかし、自己混合型のものを含め、従来の
レーザドップラ速度計の原理では、ドップラシフト周波
数と速度とを対応づける式の中に、対象物が移動する方
向と検出する散乱レーザ光の方向との角度が変数として
含まれており、あらかじめこの角度を正確に定めておか
なければ、速度を正しく求めることができない。このた
め、対象物に対して精度よく光学系を配置する必要があ
り、調整が難しい。また、自己混合型では、対象物が移
動する方向と検出する散乱レーザ光の方向との角度が9
0°のときは、ドップラ効果が現れないから、速度を求
めることができない。
【0004】そこで、本発明者の一人は、光源からのレ
ーザ光を分割し、分割したレーザ光を異なる方向から対
象物に照射する自己混合型のレーザドップラ速度計を提
案した(Proceedings of 20th Meeting on Lightwave S
ensing Technology,pp143-148,1997)。この速度計の
構成を図14に模式的に示す。速度計5は、光源である
レーザダイオード(LD)51、検出器であるフォトダ
イオード(PD)52のほか、ハーフミラー53、2つ
のミラー54、55、増幅器56、およびスペクトルア
ナライザ57を備えている。
【0005】レーザダイオード51が前方に射出したレ
ーザ光は、ハーフミラー53によって一部反射されて2
分割される。ハーフミラー53によって反射されたレー
ザ光およびこれを透過したレーザ光は、それぞれミラー
54およびミラー55によって反射されて、異なる方向
から対象物Mに導かれる。レーザ光は対象物Mによって
散乱され、一部は、光路を逆に辿り、ミラー54または
55、およびハーフミラー53を経て、レーザダイオー
ド51に入射する。レーザダイオード51に入射した対
象物Mからのレーザ光は、レーザダイオード51が発す
るレーザ光と混合し、干渉し合う。
【0006】フォトダイオード52はレーザダイオード
51の後方に配置されており、レーザダイオード51が
後方に射出するレーザ光を受けて、レーザ光の強度を表
す信号を出力する。フォトダイオード52の出力信号は
増幅器56によって増幅されて、スペクトルアナライザ
57に与えられる。対象物Mによって散乱されたレーザ
光は、ドップラ効果によって対象物の速度と散乱の方向
に応じた周波数シフトを受けており、これと干渉したレ
ーザ光を受けるフォトダイオード52の出力信号には、
その影響が現れる。スペクトルアナライザ57は、与え
られた信号からドップラシフト周波数を検出する。
【0007】対象物Mには異なる方向からレーザ光が照
射されており、したがって、ドップラシフト周波数は2
つ検出される。各々のドップラシフト周波数は、対象物
Mの移動方向と散乱されたレーザ光の方向の角度すなわ
ち対象物Mに対するレーザ光の照射角度に依存するが、
対象物Mの速度は、個々のレーザ光の照射角度に関わり
なく、式1より求められる。 V=(f12+f22−2・f1・f2・cosΔθ)1/2 ・λ/(2・sinΔθ) … 式1 ここで、Vは対象物Mの速度、f1、f2は2つのドップ
ラシフト周波数、Δθは対象物Mに照射される2つのレ
ーザ光の成す角(照射角度の差)、λはレーザダイオー
ド51が発するレーザ光の波長である。
【0008】レーザドップラ速度計5では、対象物Mに
対する向きを調整する必要がなく、また、一方のレーザ
光の照射の方向と対象物Mの移動方向の成す角が90°
であっても、速度Vを計測することができる。したがっ
て、利用が容易であり、用途も広い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、レーザ
ドップラ速度計5においては、レーザ光の照射角度の差
Δθの精度が計測した速度Vの精度に影響する。照射角
度の差は2つのミラー54、55の相対角度で定まる
が、ミラー54、55の相対角度の設定に誤差があれ
ば、その誤差がそのまま速度Vの誤差となって現れる。
この誤差の発生は、全ての構成要素を固定した後に照射
角度の差を実測しておくことで避けることができるが、
照射角度の測定に際しても誤差が発生する可能性があ
り、測定に時間を要する。しかも、測定後に外部からの
衝撃等によって構成要素の相対位置や相対角度が変化し
て、照射角度の差が変化するおそれもある。
【0010】また、レーザダイオード51が発したレー
ザ光を分割して対象物に導き、対象物からのレーザ光を
レーザダイオード51に導く手段として、ハーフミラー
53およびミラー54、55という3つの光学部材を用
いているため、構成が複雑であり、小型化にも限界があ
る。特に、ハーフミラー53とミラー54、55に対す
るレーザダイオード51の配設位置に大きな制約があ
り、設計の自由度が小さい。
【0011】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、対象物に対するレーザ光の照射角度の差を
厳密に定めることが可能で、しかも小型化が容易なレー
ザドップラ速度計を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、レーザ光を発する光源と、光源が発し
たレーザ光を分割する分割手段と、分割手段によって分
割されたレーザ光を異なる方向から対象物に導いて対象
物に照射するとともに、対象物によって散乱されたレー
ザ光を分割手段を介して光源に導く導光手段とを備え、
光源が発するレーザ光と対象物からのレーザ光の干渉に
基づいて対象物の速度を計測する自己混合型のレーザド
ップラ速度計において、分割手段および導光手段とし
て、光導波路の途中に分岐部を有する光導波路素子を備
える。
【0013】光導波路素子の光導波路は半導体技術によ
り精度よく形成することができるから、レーザ光の照射
角度の差を精度よく設定することができる。しかも、外
部からの衝撃が加わったときでも、光導波路に位置や向
きの変化が生じることがなく、照射角度の差が変動する
おそれが皆無である。また、光導波路素子は単一の光学
部材であり、小型化が容易である。分岐していること以
外に、光導波路の形状には制約がなく、光源からのレー
ザ光を入射させる端部と対象物にレーザ光を導く端部と
の位置関係は、任意に定めること可能である。したがっ
て、光源の配設位置の自由度も高い。
【0014】光導波路の分岐部は、Y分岐型とすること
もできるし、方向性結合器型とすることもできる。
【0015】光導波路の対象物側の端面が光導波路の導
波方向に対して傾斜した反射面とするとよい。この構成
では、レーザ光を光導波路の端面で反射して対象物に導
くことになる。このようにすると、速度計と対象物の間
に障害物が存在する等により、端面を透過したレーザ光
が対象物に向かう配置とすることができないときでも、
対象物にレーザ光を導くことが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のレーザドップラ速
度計の実施形態について図面を参照しながら説明する。
第1の実施形態のレーザドップラ速度計1の光学系の構
成を図1の斜視図に模式的に示す。レーザドップラ速度
計1は、レーザダイオード(LD)11、フォトダイオ
ード(PD)12および光導波路素子13を備えてい
る。レーザダイオード11およびフォトダイオード12
は、光導波路素子13の基板16上に固定されている。
【0017】光導波路素子13の光導波路14はY字状
の分岐部14dを有し、3つの端面14a、14b、1
4cにおいて外部に面している。分岐部14dから端面
14b、14cに至る2本の枝は途中で離間距離が最大
になり、離間距離が最大の部位から端面14b、14c
に近づくにつれて離間距離が減少するように設定されて
いる。したがって、光導波路14のうち端面14b、1
4cに近い部分は、平行ではなく、延長すれば交差する
形状となっている。
【0018】光導波路14の具体的1例における分岐部
14d付近の形状および寸法を図2に示す。図2におい
て、分岐部14dよりも左方の1本の枝が端面14a
に、右方の2本の枝が端面14b、14cに達する。光
導波路14のうち、端面14aから分岐部14dに至る
までの枝は直線状であり、分岐部14d近傍で幅が増大
するように形成されている。分岐部14dから端面14
b、14cに至る2本の枝は、分岐部14dから離間距
離が最大になる部位まで、緩やかな曲線状とされてい
る。また、図には示していないが、最大離間距離の部位
から円弧部を経て端面14b、14cまでは、離間距離
が減少する直線とされている。
【0019】レーザドップラ速度計1の側面図を図3に
示す。レーザダイオード11およびフォトダイオード1
2は、光導波路14の分岐部14dから端面14aまで
枝の延長上に位置する。レーザダイオード11は、その
発振領域の一端が端面14aに対向し、かつ、近接する
ように配置されており、フォトダイオード12は、その
受光面がレーザダイオード11の発振領域の他端に対向
するように配置されている。
【0020】光導波路素子13は、シリコン製の基板1
6上に、下部クラッド層15aを設け、光導波路14の
形状に一致する溝をフォトリソグラフィによって下部ク
ラッド層15aに形成し、その溝に光導波路となるコア
層14を充填し、コア層14および下部クラッド層15
aの上に上部クラッド層15bを設けることによって作
製されている。光導波路であるコア層14ならびにコア
層14を包囲する下部クラッド層15aおよび上部クラ
ッド層15bの材料は石英またはポリマーであり、コア
層14とクラッド層15a、15bとの比屈折率差は
0.26%である。コア層14およびクラッド層15
a、15bは化学蒸着(CVD)法、スピンコート法等
の周知の成膜方法で形成されている。
【0021】フォトリソグラフィは半導体技術において
確立された手法であり、コア層すなわち光導波路14を
精度よく形成することができる。したがって、分岐部1
4dの形状や分岐部14dから端面14b、14cまで
の2本の枝の成す角度の精度は高い。また、光導波路1
4はクラッド層15a、15bによって包囲されて完全
に固定されており、衝撃等が加わったとしても変形する
ことがないから、高い精度を確実に維持することができ
る。
【0022】基板16の上面には光導波路14およびク
ラッド層15a、15bが設けられていない領域があ
り、ここにはレーザダイオード11およびフォトダイオ
ード12のための電極17a、17bが設けられてい
る。電極17a、17bは金製であり、それらとシリコ
ン製の基板16との間には、密着性を高めるために、ク
ロム製のバッファ層が設けられている。レーザダイオー
ド11およびフォトダイオード12はそれぞれ、金と錫
より成る半田層18a、18bによって電極17a及び
17bに固定されている。
【0023】レーザダイオード11は、シングル縦モー
ドで、例えば780nmのレーザ光を発する。レーザダ
イオード11が前方に射出したレーザ光は、端面14a
より光導波路14に入射し、分岐部14dにて2分割さ
れ、端面14b、14cより出射して対象物Mに達す
る。光導波路14のうち端面14b、14cに近い部分
は、上述のように、端面14b、14cに近づくほど離
間距離が減少するように設定されているため、端面14
bから出射したレーザ光と端面14cから出射したレー
ザ光は、互いに異なる方向から対象物Mに照射される。
【0024】対象物Mに達したレーザ光は対象物Mによ
って散乱され、一部は、端面14b、14cから対象物
Mに至る光路を逆方向に進む。これらのレーザ光は、端
面14b、14cより光導波路14に再入射し、分岐部
14dにて合成され、端面14aから出射する。端面1
4aから出射したレーザ光は、レーザダイオード11に
再入射し、レーザダイオード11が発するレーザ光と混
合される。
【0025】レーザダイオード11は後方にもレーザ光
を射出するが、レーザダイオード11が後方に射出した
レーザ光は、フォトダイオード12に入射する。フォト
ダイオード12は入射したレーザ光の強度を表す信号を
出力する。
【0026】レーザダイオード11に再入射するレーザ
光は、対象物Mによって散乱された時に、ドップラ効果
によって対象物Mの速度と散乱の方向に応じた周波数シ
フトを受けており、レーザダイオード11が発するレー
ザ光と干渉する。したがって、レーザダイオード11が
後方に射出するレーザ光の強度は変動し、その強度を表
すフォトダイオード12の出力信号も変動する。フォト
ダイオード12の出力信号の例を図4に示す。縦軸はフ
ォトダイオード12の出力信号の強度を表しており、フ
ォトダイオード12の構成により電圧または電流であ
る。
【0027】フォトダイオード12の出力信号は、レー
ザダイオード12が発するレーザ光の強度に対応した直
流成分に、干渉に起因する変動に対応した交流成分が重
畳されたものとなる。この交流成分の周波数がドップラ
シフト周波数である。対象物Mには異なる方向からレー
ザ光が照射されることから、2つのドップラシフト周波
数f1、f2が存在するが、図4では一方のみを表してい
る。
【0028】レーザドップラ速度計1の回路構成を図5
に模式的に示す。レーザドップラ速度計1は、LDドラ
イバ21、増幅器22、周波数カウンタ23、演算部2
4および表示部25を備えている。LDドライバ21は
レーザダイオード11に電圧を印加してレーザ光を発光
させる。ここで、LDドライバ21は、レーザダイオー
ド11が定電流モードで発光するように、電圧を印加す
る。増幅器22はフォトダイオード12の出力信号から
直流成分を除去して交流成分を増幅して出力する。周波
数カウンタ23は増幅器22が出力した交流成分の周波
数、すなわち2つのドップラシフト周波数f1、f2を検
出する。
【0029】演算部24はマイクロコンピュータより成
り、周波数カウンタ23が検出したドップラシフト周波
数f1、f2から、前述の式1に従って、対象物Mの速度
Vを算出する。演算部24は、光導波路14の端面14
b、14cから出射する2つのレーザ光の成す角(対象
物Mに対する照射角度の差)Δθと、レーザダイオード
11が発するレーザ光の波長λとをあらかじめ記憶して
おり、周波数カウンタ23からドップラシフト周波数f
1、f2を与えられるだけで、式1の演算を行うことがで
きる。レーザ光の照射角度の差Δθとしては、実測した
ものを用いてもよいが、光導波路14の設計時の値を用
いることができる。前述のようにして作製される光導波
路14は精度が高く、設計値と実測値に差が生じないか
らである。
【0030】表示部25は、演算部24が算出した対象
物Mの速度Vを数値として表示するとともに、速度Vの
経時変化をグラフとして表示する。なお、対象物Mの速
度を制御するために、演算部24が算出した速度Vまた
は速度Vの変化量を出力する出力部を備えるようにして
もよい。
【0031】レーザドップラ速度計1における対象物M
の速度Vを計測するための処理の流れを図6に示す。ま
ず、定電流モードでレーザダイオード11を発光させ
(ステップ#05)、レーザ光を光導波路14に入射さ
せて(#10)、対象物Mに照射する(#15)。レー
ザ光は対象物Mによって散乱され、一部が、光導波路1
4に再入射し(#20)、レーザダイオード11に入射
する(#25)。レーザダイオード11の発光と同時
に、レーザダイオード11から後方に射出されたレーザ
光の強度をフォトダイオード12によって検出し(#3
0)、その交流成分を増幅器22によって増幅して(#
35)、ドップラシフト周波数f1、f2を周波数カウン
タ23によって検出する(#40)。次いで、演算部4
4によってドップラシフト周波数f1、f2を速度Vに換
算し(#45)、最後に、得られた速度Vを表示部50
に表示する。
【0032】本実施形態のレーザドップラ速度計1で
は、レーザダイオード11を光導波路14の端面14a
に近接して配置し、レーザダイオード11が発するレー
ザ光を光導波路14に直接入射させるようにしている
が、レーザダイオード11を光導波路14の端面14a
から離間させ、両者の間に結合用のカップリングレンズ
を配置するようにしてもよい。そのような構成の例を図
7に示す。この構成は、カップリングレンズ19を備え
て、レーザダイオード11からの発散するレーザ光をカ
ップリングレンズ19によって収束させて光導波路14
に入射させるとともに、レーザダイオード11とフォト
ダイオード12をまとめて単一の光学部材20としたも
のである。光学部材20は、レーザダイオード11また
はフォトダイオード12に接続された端子20aを有し
ており、光導波路素子13の基板16上に配置する必要
はない。
【0033】また、ここでは、光導波路14の分岐部1
4dを3本の枝が互いに連続するY分岐型としている
が、枝が僅かな間隔を介して互いに離間した方向性結合
器型とすることもできる。方向性結合器型の分岐部の例
を図8に示す。この光導波路14は、端面14aから端
面14bに至る枝と、分岐部14dから端面14cに至
る枝より成る。これら2本の枝は、幅が一定であり、分
岐部14dにおいて平行に並んでいる。分岐部14dに
おいては枝間の間隔が狭いため、一方の枝の内部を通る
レーザ光は漏れ出して他方の枝に移行する。移行するレ
ーザ光の割合は、平行な部分の長さによって設定するこ
とが可能であり、異なる方向から対象物Mに照射するレ
ーザ光の強度を等しくするのが好ましいレーザドップラ
速度計1では、端面14aから一方の枝に入射したレー
ザ光の50%が他方の枝に移行するように設定する。
【0034】なお、端面14aから分岐部14dに至る
1本の枝と、分岐部14dから端面14b、14cに至
る2本の枝を有する構成とすることもできる。その場
合、端面14aから分岐部14dに至る枝を、他の2本
の枝の間に配置するとよい。
【0035】第2の実施形態のレーザドップラ速度計に
ついて説明する。本実施形態のレーザドップラ速度計2
の光学系の構成を図9の斜視図に模式的に示し、回路構
成を図10に模式的に示す。レーザドップラ速度計2の
光学系は、レーザドップラ速度計1の光学系からフォト
ダイオード12を省略した構成である。
【0036】レーザドップラ速度計2では、定電流モー
ドで発光させるレーザダイオードの印加電圧が、発する
レーザ光と対象物Mによって散乱されたレーザ光との干
渉によって変動し、ドップラシフト周波数を表すことを
利用する。このため、増幅器22はLDドライバ21に
接続されており、レーザダイオード11への印加電圧の
変動を増幅する。周波数カウンタ23は、2つのドップ
ラシフト周波数f1、f2を、印加電圧の変動の周波数と
して検出することになる。演算部24が、これらのドッ
プラシフト周波数f1、f2から式1に従って対象物Mの
速度Vを算出することは、レーザドップラ速度計1と同
じである。
【0037】レーザドップラ速度計2における対象物M
の速度Vを計測するための処理の流れを図11に示す。
この処理は、図6に示した処理のステップ#30および
#35を、ステップ#30Aおよび#35Aで置き換え
たものである。ステップ#30Aでは、LDドライバ2
1がレーザダイオード11に印加する電圧を検出し、ス
テップ#35Aでは、印加電圧の交流成分を増幅器22
によって増幅する。他のステップは前述のとおりであ
り、重複する説明は省略する。
【0038】第3の実施形態のレーザドップラ速度計に
ついて説明する。本実施形態のレーザドップラ速度計3
の光学系の構成を図12に模式的に示す。図12におい
て、(a)は斜視図、(b)は側面図である。レーザド
ップラ速度計3の光学系は、レーザドップラ速度計1の
光学系の光導波路素子13の対象物M側の端部を変形し
たものである。
【0039】光導波路素子13の対象物M側の端面は、
基板16に対して垂直ではなく、基板16の上面と45
゜の角度で交差する傾斜面とされている。光導波路14
の端面14b、14cも傾斜面となっており、これらの
端面14b、14cは、レーザダイオード11が発する
レーザ光を全て反射する反射面とされている。したがっ
て、レーザドップラ速度計3では、レーザダイオード1
1から光導波路14に入射したレーザ光は、端面14
b、14cを透過して出射するのではなく、端面14
b、14cによって反射され、上部クラッド層15bを
透過して出射する。
【0040】このような構成のレーザドップラ速度計3
は、光導波路14の延長が対象物Mを通る向きに光導波
路板13を配置することができないときに有用である。
レーザドップラ速度計3の利用形態の1例を図13に示
す。これは、回転体を対象物Mとし、その回転速度を計
測する場合である。対象物Mの周辺に位置する諸部材が
速度計の配置に大きな制約をもたらす障害物Xとなって
おり、光導波路素子13を配置し得る空間は対象物Mの
近傍に存在するものの、その空間に光導波路素子13を
配置しても光導波路14の延長は対象物Mを通らない。
しかし、レーザドップラ速度計3では、光導波路14の
端面14b、14cでレーザ光を反射して対象物Mに照
射することができるため、速度の計測が可能である。
【0041】なお、光導波路14の端面14bと端面1
4cは同一平面上に位置するが、端面14b、14cに
レーザ光を導く光導波路14の2本の枝は平行ではない
から、端面14bによって反射されたレーザ光と端面1
4cによって反射されたレーザ光は平行にはならない。
したがって、異なる方向から対象物Mにレーザ光を照射
することができる。
【0042】光導波路素子13の端面を傾斜面とするこ
とは、端面が垂直な光導波路素子を作製した後、ダイシ
ングソーで端部を斜めに切断することにより、容易に実
現することができる。光導波路14の端面14b、14
cを反射面とすることも、アルミニウム等の金属を蒸着
することや、誘電体を蒸着して反射性の誘電体多層膜を
設けることにより、容易に実現することができる。ま
た、光導波路素子13の端面の傾斜角は45゜に限られ
るものではなく、使用形態を考慮して定めればよい。さ
らに、基板16に沿う方向にレーザ光を反射するよう
に、光導波路14の端面14b、14cの向きを設定し
てもかまわない。
【0043】
【発明の効果】分割手段および導光手段として、光導波
路の途中に分岐部を有する光導波路素子を備える本発明
のレーザドップラ速度計では、レーザ光の照射角度の差
を精度よく設定することができて、対象物の速度を精度
よく計測することが可能である。長期間使用した後で
も、照射角度の差に変化が生じることがなく、計測精度
が低下するおそれもない。また、光導波路素子は単一の
光学部材であって小型でもあるから、速度計全体として
も小型化が容易になる。光源の配設位置の自由度も高
い。
【0044】光導波路の対象物側の端面を光導波路の導
波方向に対して傾斜した反射面とした構成では、障害物
の存在等により、端面を透過したレーザ光が対象物に向
かう配置とすることができないときでも、対象物にレー
ザ光を導くことが可能である。したがって、レーザドッ
プラ速度計を適用できる用途が広くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態のレーザドップラ速度計の光
学系の構成を模式的に示す透視斜視図。
【図2】 第1の実施形態のレーザドップラ速度計の光
学系を成す光導波路の分岐部付近の形状および寸法の具
体例を示す平面図。
【図3】 第1の実施形態のレーザドップラ速度計の構
成を模式的に示す透視側面図。
【図4】 第1の実施形態のレーザドップラ速度計のフ
ォトダイオードの出力信号の例を示す図。
【図5】 第1の実施形態のレーザドップラ速度計の回
路構成を模式的に示すブロック図。
【図6】 第1の実施形態のレーザドップラ速度計にお
ける対象物の速度を計測するための処理の流れを示すフ
ローチャート。
【図7】 第1のレーザドップラ速度計の変形例の構成
を模式的に示す透視側面図。
【図8】 第1の実施形態のレーザドップラ速度計の光
学系を成す光導波路の変形例の分岐部付近を模式的に示
す平面図。
【図9】 第2の実施形態のレーザドップラ速度計の光
学系の構成を模式的に示す透視斜視図。
【図10】 第2の実施形態のレーザドップラ速度計の
回路構成を模式的に示すブロック図。
【図11】 第2の実施形態のレーザドップラ速度計に
おける対象物の速度を計測するための処理の流れを示す
フローチャート。
【図12】 第3の実施形態のレーザドップラ速度計の
光学系の構成を模式的に示す透視斜視図(a)および透
視側面図(b)。
【図13】 第3の実施計のレーザドップラ速度計の利
用形態の1例を模式的に示す図。
【図14】 従来のレーザドップラ速度計の構成を模式
的に示す図。
【符号の説明】
1、2、3 レーザドップラ速度計 11 レーザダイオード 12 フォトダイオード 13 光導波路素子 14 光導波路 14a、14b、14c 端面 14d 分岐部 15a 下部クラッド層 15b 上部クラッド層 16 基板 17a、17b 電極 18a、18b 半田層 19 カップリングレンズ 20 光学部材 21 LDドライバ 22 増幅器 23 周波数カウンタ 24 演算部 25 表示部
フロントページの続き (72)発明者 三上 修 神奈川県横浜市瀬谷区東野67番8号 (72)発明者 波多野 卓史 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA04 KB04 LA12 MA03 MA07 PA21 PA24 QA02 QA04 QA05 RA01 TA05 5J084 AA07 AD04 BA04 BA36 BB01 BB24 BB31 EA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を発する光源と、光源が発した
    レーザ光を分割する分割手段と、分割手段によって分割
    されたレーザ光を異なる方向から対象物に導いて対象物
    に照射するとともに、対象物によって散乱されたレーザ
    光を分割手段を介して光源に導く導光手段とを備え、光
    源が発するレーザ光と対象物からのレーザ光の干渉に基
    づいて対象物の速度を計測する自己混合型のレーザドッ
    プラ速度計において、 分割手段および導光手段として、光導波路の途中に分岐
    部を有する光導波路素子を備えることを特徴とするレー
    ザドップラ速度計。
  2. 【請求項2】 光導波路の分岐部がY分岐型であること
    を特徴とする請求項1に記載のレーザドップラ速度計。
  3. 【請求項3】 光導波路の分岐部が方向性結合器型であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のレーザドップラ速
    度計。
  4. 【請求項4】 光導波路の対象物側の端面が光導波路の
    導波方向に対して傾斜した反射面であることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のレー
    ザドップラ速度計。
JP2001159959A 2001-05-29 2001-05-29 レーザドップラ速度計 Pending JP2002350544A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001159959A JP2002350544A (ja) 2001-05-29 2001-05-29 レーザドップラ速度計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001159959A JP2002350544A (ja) 2001-05-29 2001-05-29 レーザドップラ速度計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002350544A true JP2002350544A (ja) 2002-12-04

Family

ID=19003451

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001159959A Pending JP2002350544A (ja) 2001-05-29 2001-05-29 レーザドップラ速度計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002350544A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006220466A (ja) * 2005-02-09 2006-08-24 Tokai Univ 自己混合型のレーザドップラ速度計
WO2010058322A1 (en) * 2008-11-19 2010-05-27 Philips Intellectual Property & Standards Gmbh Laser self-mixing differential doppler velocimetry and vibrometry
JP2010160117A (ja) * 2009-01-09 2010-07-22 Fuji Xerox Co Ltd 計測装置
JP4855423B2 (ja) * 2005-02-10 2012-01-18 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 血流センサ
JP2013508717A (ja) * 2009-10-23 2013-03-07 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 導波路構造を有する自己混合干渉デバイス

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006220466A (ja) * 2005-02-09 2006-08-24 Tokai Univ 自己混合型のレーザドップラ速度計
JP4855423B2 (ja) * 2005-02-10 2012-01-18 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 血流センサ
WO2010058322A1 (en) * 2008-11-19 2010-05-27 Philips Intellectual Property & Standards Gmbh Laser self-mixing differential doppler velocimetry and vibrometry
JP2010160117A (ja) * 2009-01-09 2010-07-22 Fuji Xerox Co Ltd 計測装置
US7995193B2 (en) 2009-01-09 2011-08-09 Fuji Xerox Co., Ltd. Measuring device
JP2013508717A (ja) * 2009-10-23 2013-03-07 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 導波路構造を有する自己混合干渉デバイス
US9091747B2 (en) 2009-10-23 2015-07-28 Koninklijke Philips N.V. Self-mixing interference device with wave guide structure

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2021526637A (ja) Lidar出力信号のステアリングにおける位相の制御
US20170167868A1 (en) Laser device
US11383237B2 (en) Microfluidic device, driving method and microfluidic detection system
JP2002350544A (ja) レーザドップラ速度計
JP2006220466A (ja) 自己混合型のレーザドップラ速度計
US6340448B1 (en) Surface plasmon sensor
JPH09304036A (ja) 立体部品の角度測定装置
KR20040088355A (ko) 통과하는 물체의 검지 장치 및 통과한 물체의 속도 계측장치
JP2924301B2 (ja) 速度計
US6233370B1 (en) Interference measurement apparatus and probe used for interference measurement apparatus
US8665444B2 (en) Optical member and surface plasmon resonance measuring apparatus
JP3044865B2 (ja) 変位情報検出装置及び速度計
JP3844688B2 (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP3390355B2 (ja) 表面プラズモンセンサー
CN113614632A (zh) 光设备及光检测系统
JP2990891B2 (ja) 変位情報検出装置及び速度計
JP4316991B2 (ja) 屈折率測定装置および濃度測定装置
JP3393049B2 (ja) 速度測定装置およびその製造方法
JP2000346615A (ja) 光学式変位センサ
JP3954947B2 (ja) レーザ速度計の照射ヘッド及び該照射ヘッドを用いたレーザ速度計
EP3825678A1 (en) Apparatus and method for detecting objects
JP3315231B2 (ja) 位置検出装置
JPH0560527B2 (ja)
JP2014123669A (ja) 光源装置、制御方法および形状計測装置
JPH0545895B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20050613