JP2002349831A - 金属含有廃棄物のバーナー吹き込み式燃焼による処理方法及び処理装置 - Google Patents

金属含有廃棄物のバーナー吹き込み式燃焼による処理方法及び処理装置

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JP2002349831A
JP2002349831A JP2001156101A JP2001156101A JP2002349831A JP 2002349831 A JP2002349831 A JP 2002349831A JP 2001156101 A JP2001156101 A JP 2001156101A JP 2001156101 A JP2001156101 A JP 2001156101A JP 2002349831 A JP2002349831 A JP 2002349831A
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combustion
gas
flame
composite
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Ryoji Tsujino
良二 辻野
Minoru Iwata
實 岩田
Masataka Matsuo
正孝 松尾
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Krosaki Harima Corp
World Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Krosaki Harima Corp
World Kogyo Co Ltd
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    • Y02W30/20Waste processing or separation

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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃電線といった、金属及び可燃性有機材料
を含む複合廃棄物4についての燃焼処理及び金属の回収
を容易に行うことができるものを提供する。 【解決手段】バーナー1先端の複数の火口11,12か
ら噴出される酸素及びプロパンガスにより支燃性火炎5
を形成し、これら火口11,12に取り囲まれる中央部
の廃棄物吹き込み口13から、廃電線を粉砕した複合廃
棄物4をキャリアガスにより噴出する。これにより、複
合廃棄物4が支燃性火炎5に包まれて充分な燃焼・熱分
解を受ける。また、反射炉6等の中でこのような燃焼を
行うことにより、金属を容易に回収するとともに、電線
被覆材等の有機材料を燃焼させた熱を金属の溶解等に有
効に利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃電線をはじめと
する、金属材料及び可燃性有機材料からなる複合廃棄物
を燃焼処理する方法に関する。また、このような複合廃
棄物から金属材料を分離・回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、廃プラスチック等の廃棄物の処理
が、埋め立て処分場の絶対的な不足等により問題となっ
ており、とりわけ、廃電線、廃棄家電等の、金属とプラ
スチック材とからなる複合廃棄物の処理が問題となって
いる。
【0003】廃電線を例にとり説明すると、一般の被覆
電線は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金
等の金属線に、絶縁用のためのポリ塩化ビニル、ポリエ
チレン等のプラスチックやゴム材料が被覆されている。
ワニスや油浸紙によってさらに被覆されることも多い。
【0004】廃電線等の複合廃棄物は、金属とプラスチ
ック材とを粉砕等により分離することが困難であり、通
常の焼却炉で燃焼させた場合にプラスチック材の完全燃
焼や金属の分離回収が一般には困難である。そのため、
銅等の有用金属を回収できないだけでなく、焼却灰を増
大させ多量の埋め立て処分を必要とするなどの問題を生
じていた。
【0005】特に、廃電線は、多くの場合、ポリ塩化ビ
ニル等の燃焼処理に困難を伴う有機材料を含むので、ポ
リ塩化ビニル(塩化ビニル樹脂)等による消炎性や難燃
性により燃焼が阻害されるだけでなく、発生する塩化水
素ガスが燃焼炉の腐食や公害の原因となっている。特に
は、近年、完全燃焼が行われない場合に、発生するダイ
オキシン等の有害物質が社会問題となっている。
【0006】廃電線等を処理する方法としては、ロータ
リーキルン炉による方法(特開平10−306329)
や、有機材料をまず熱分解によりガス化燃料とした後に
完全燃焼を行わせる方法(特開2000−15218
等)などが提案されている。
【0007】しかし、これらの方法では、処理装置が大
がかりなものとなるため、各地から排出される廃電線等
の複合廃棄物を大型の処理プラントに集めて処理する必
要がある。そのため、回収及び輸送のコストが処理シス
テムの実現の上で大きな障害となる可能性がある。
【0008】一方、廃プラスチックを単に焼却処理する
だけでなく、灰溶融炉等の燃料として用いることも提案
されている(特開平11−63461,特開平7−19
447)。しかし、この提案された処理方法では、金属
材料を含有する複合廃棄物の処理に適しておらず、特に
は、金属材料を分離回収することができない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】比較的簡易に廃電線を
処理する方法として、廃電線を、溶融炉中にてプロパン
ガス・酸素バーナー等による加熱下に処理することも考
えられる。
【0010】しかし、この場合、溶解した金属を回収し
て鋳造に用いることが可能となるものの、被覆用の有機
材料は、スラグとして分離される。この多量のスラグ
は、冷却して固化した後に埋め立て地等に投棄する以外
に処理が難しいものとなる。
【0011】特に、このような溶融炉により処理では、
以下に挙げるような問題点が生じる。
【0012】(1)すす(煤)が発生しやすく、煙道等
の配管に付着したり、スラグ中に混入して熱伝達を阻害
する。
【0013】(2)一酸化炭素が発生するため、これを
処理するための後工程が必要となる。
【0014】(3)電性被覆材がポリ塩化ビニル等の含
ハロゲン化合物からなるものである場合、塩化水素及び
ダイオキシンを発生させる。塩化水素除去のためには、
排煙を苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)等と反応させる
排ガス洗浄装置が必要である。また、ダイオキシンを除
去するためには、2次燃焼及び急速冷却を行うことので
きる大規模な装置群が必要である。
【0015】(4)投棄されるスラグ中には、未燃焼ま
たは不完全にしか燃焼しなかった被覆材が含まれるた
め、これが塩化水素やダイオキシンを排出するおそれが
ある。また、被覆材が充分に燃焼・分解しない結果、ス
ラグ中に金属材料も含まれることとなり、金属材料の回
収率が低下するだけでなく、スラグを一層、廃棄処理の
難しいものとしている。
【0016】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、廃電線をはじめとする、金属含有複合廃棄物を
燃焼処理する方法及び装置において、複合廃棄物に含ま
れる有機材料を容易に完全燃焼させることができる方法
及び装置を提供するものである。特には、複合廃棄物に
含まれる金属材料を容易に除去回収できるとともに、有
機材料の焼却の際の熱を金属材料の溶解等に用いること
ができる処理方法及び処理装置を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の複合廃棄物の処
理方法においては、燃料ガス及び酸素含有ガスが供給さ
れて形成される支燃性火炎を用いて、可燃性有機材料及
び金属材料からなる複合廃棄物を燃焼処理する方法にお
いて、前記複合廃棄物が、小片または粉体の状態で、キ
ャリアガスにより搬送されて燃焼炉内へと廃棄物吹き込
み口から投入され、前記廃棄物吹き込み口が、前記燃料
ガス及び酸素含有ガスを燃焼炉内に噴出する火口と、同
一であるか、または該火口に近接した位置で略同一方向
を向いて配置され、前記支燃性火炎の根元部分へと小片
または粉体の状態で投入された前記複合廃棄物が、前記
支燃性火炎に包まれたまま該支燃性火炎の先端へと移送
されつつ燃焼されることを特徴とする。
【0018】上記構成により、複合廃棄物に含まれる有
機材料を容易に完全燃焼させることができる。
【0019】本発明の処理方法の好ましい態様において
は、前記燃焼炉が金属の溶解炉または精錬炉であり、前
記複合廃棄物に含まれる金属材料が、前記支燃性火炎を
通った後、該溶解炉または精錬炉の下部に溜まった溶融
金属中に回収され、前記支燃性火炎を通った後に残存す
る有機材料が前記溶融金属中でさらに熱分解を受けて処
理される。
【0020】このような構成であると、複合廃棄物中に
含まれていた金属材料を容易に回収・利用することがで
きる。
【0021】本発明の処理方法の他の好ましい態様にお
いては、前記複合廃棄物がハロゲン含有化合物からなる
有機材料を含む場合に、無機塩化合物からなるハロゲン
化水素捕捉剤の粉体または粒体が、キャリアガスにより
搬送されて、前記廃棄物吹き込み口またはこれに近接し
て配置される粉粒体吹き込み口から、前記支燃性火炎中
へと供給される。
【0022】本発明の処理方法の特に好ましい態様にお
いては、前記廃棄物吹き込み口が、前記火口により取り
囲まれて配置されることを特徴とする。
【0023】このような構成であると、有機材料の完全
燃焼を容易に行うことができ、有害物質の発生を防止す
ることができる。特に、有機材料がハロゲン含有化合物
からなる場合に、燃焼により発生するハロゲン化水素を
確実に捕捉し無害化することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の処理方法においては、燃
料ガス及び酸素含有ガスがそれぞれの供給配管から火口
に供給され、火口から燃焼炉の内部へと向かう火炎が形
成される。この燃料ガスの燃焼による火炎は、複合廃棄
物の小片または粉体を包み込んで複合廃棄物の燃焼を支
援する支燃性火炎である。
【0025】燃料ガスは、プロパンガスその他の石油系
ガス、各種天然ガスのいずれでもあっても良い。場合に
よっては、プラスチック廃棄物を熱分解して得られる分
解ガスであっても良い。
【0026】酸素含有ガスとしては、酸素ガス、また
は、酸素ガスと空気とを混合した酸素富化ガスが完全燃
焼の上で好ましいが、単に空気を用いることもできる。
【0027】本発明の処理方法においては、複合廃棄物
の破砕小片または粉体がキャリアガスにより搬送され、
上記の火口から燃焼炉内へと吹き込まれるか、または、
上記火口に近接して配置される廃棄物吹き込み口から吹
き込まれる。廃棄物吹き込み口と火口とが近接して配置
される場合、燃焼炉内に吹き込まれた複合廃棄物が充分
に支燃性火炎により包まれるように、廃棄物吹き込み口
と火口とがほぼ同一の方向に向かって配置される。
【0028】好ましい一実施形態では、支燃性火炎を形
成するための一つまたは複数の火口が、廃棄物吹き込み
口を取り囲むように設けられる。
【0029】火口及び廃棄物吹き込み口は、一般には、
燃焼炉に壁から少し内側へ突き出す位置に設けられる。
【0030】複合廃棄物の小片または粉体の寸法は、一
般に、0.1mm〜20mmの範囲内であり、好ましく
は約0.5〜10mmである。寸法を過度に小さくする
場合には、破砕または切断のコストが上昇する他、ダス
トが発生するなどして粉体の取り扱いが困難となる。一
方、破砕小片の寸法が過度に大きい場合には、支燃性火
炎中または炉内での完全燃焼が困難となる他、キャリア
ガスによる搬送にも支障が生じる。破砕または切断した
小片は、複合廃棄物の種類により、サイコロ状または扁
平な板状となり得る。
【0031】複合廃棄物の小片または粉体を搬送するキ
ャリアガスは、例えば空気である。しかし、場合によっ
ては、酸素富化ガスでも良い。複合廃棄物の小片または
粉体を搬送する配管は、上記の支燃性ガス形成ための燃
料ガス及び酸素含有ガスを搬送する配管とは、好ましく
は別個に設けられる。
【0032】支燃性火炎の中心軸部分、すなわち複合廃
棄物が燃焼される個所の温度は、好ましくは2000℃
以上であり、さらに好ましくは2300℃以上、最も好
ましくは2500〜3000℃である。支燃性火炎の温
度が低い場合には、有機材料を完全燃焼させて有害物質
の発生を防止することが困難となる。また、場合によっ
ては、金属材料の溶融による回収を行うことが困難とな
る。特に、後述するようにハロゲン化水素捕捉剤を用い
る場合に、充分な高温とするのが有利である。一方、3
000℃を越える加熱では、熱効率が悪くなる他、金属
の揮散や炉の耐久性等の問題がある。
【0033】しかし、廃棄物吹き込み口が支燃性火炎を
形成するための火口に囲まれるように配置し、適当に小
径の廃棄物粉体が支燃性火炎の中心軸部分に充分に滞留
するようにするならば、支燃性火炎の中心軸部分の温度
を800〜1000℃とした場合にも、ダイオキシン等
の有害ガスの発生をほとんど防止することができる。
【0034】燃料ガス及び酸素含有ガスの供給流量を調
整することにより、または酸素含有ガスの酸素濃度を空
気の値からほぼ100%の酸素ガスとの間で適宜調整す
ることにより、支燃性火炎の温度について、燃焼無害化
と経済性との両方の要求を満たすように最適化すること
ができる。
【0035】複合廃棄物の小片または粉体が支燃性火炎
に包まれて燃焼することにより、複合廃棄物に含まれる
有機材料は、急速に熱分解及び酸化を受けて、二酸化炭
素及び水蒸気等の無害ガスとなる。燃焼後に残留する金
属材料は、例えば、部分的に溶融した後に凝固して球状
となったものと、溶融しないまま、線状を保つものとが
混在した状態で完全に捕集することができる。
【0036】本発明の好ましい態様においては、燃焼炉
が、金属の溶解炉または精錬炉であり、複合廃棄物中の
金属が、炉の下部に溶融して回収される。また、この場
合、溶融金属中にて、未だ分解が完了しなかった有機材
料をさらに分解・燃焼させることができる。また、この
場合、複合廃棄物中の有機材料の燃焼熱を、金属の溶解
や精錬に用いることができる。すなわち、金属の溶解炉
または精錬炉は、典型的には、反射炉または転炉であ
る。
【0037】燃焼炉が金属の溶解炉等である場合、支燃
性火炎の中心部を通って噴出・移送される複合廃棄物の
小片または粉体を、充分に高温に保たれた溶融金属中に
吹き付けるのが好ましい。支燃性火炎中にて充分に分解
されていない可燃性有機材料が残留していたとしても、
このような有機材料が急速に昇温を受けて分解するた
め、ダイオキシン等の有害物質の発生を充分に抑えるこ
とができる。溶融金属が銅といった揮発性の低い金属で
ある場合、炉の下部に滞留する溶融金属の温度を例えば
1500℃以上の温度に保つことにより、溶融金属中で
の有機材料の分解を充分に行わせることができる。
【0038】本発明のさらなる好ましい態様において
は、複合廃棄物がハロゲン含有化合物からなる有機材料
を含む場合に、無機塩化合物からなるハロゲン化水素捕
捉剤の粉体または粒体が、キャリアガスにより搬送され
て、燃焼炉内に供給される。
【0039】ハロゲン含有化合物としては、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、臭素
化ブチルゴム、または、他の樹脂中に含まれるハロゲン
系難燃化成分が挙げられる。
【0040】好ましいハロゲン化水素捕捉剤としては、
消石灰、ドロマイト(苦灰石、炭酸マグネシウムカルシ
ウム鉱物)、炭酸カルシウム、重炭酸ソーダ(重曹、炭
酸水素ナトリウム)などが挙げられる。
【0041】以下には、これらと塩化水素との反応式に
ついて示す。
【0042】 Ca(OH)+2HCl=CaCl+HO (消石灰) CaMg(C0)+4HCl =CaCl+MgCl+2HO+2C0 (ドロマイト) CaC0+2HCl=CaCl+HO+C0 (炭酸カルシウム ) NaHC0+HCl=NaCl+HO+C0 (重曹) ハロゲン化水素捕捉剤は、好ましくは、ハロゲン含有化
合物を含む複合廃棄物が比較的小径の小片または粉体で
ある場合、予め均一に混合されてから、キャリアガスに
より搬送される。例えば、ホッパーの下端の排出口を出
た複合廃棄物の粉体と、ハロゲン化水素捕捉剤の粉体と
が、混合器中で定量的に混合された後、キャリアガスに
より搬送される。しかし、別個にキャリアガスにより搬
送されてから、廃棄物吹き込み口の直前に位置する混合
室にて充分に混合されて吹き出されるものであっても良
い。
【0043】なお、高温の火炎中に上記のようなハロゲ
ン化水素捕捉剤を噴射するならば、ハロゲン化水素との
反応をさらに促進することができる。特に、融点以上に
加熱するならば、気液反応を行わせることができ、反応
速度を飛躍的に高めることができる。
【0044】消石灰の場合、580℃で分解して生石灰
を生成し、さらに2540℃(融点)で溶融する。ま
た、ドロマイトは、540〜580℃で分解し生石灰及
びマグネシア(MgO:融点2800℃)を生成する。
重曹の場合は、300℃で分解して炭酸ナトリウム(N
aC0:融点850℃)を生成する。
【0045】したがって、前述のように、支燃性火炎の
温度を2000℃以上、特には2500〜3000℃と
するならば、ハロゲン含量の高い複合廃棄物についても
効率的に処理を行うことができる。
【0046】なお、廃棄物処理速度を上げる場合等にお
いて、排ガスを処理するための活性炭フィルター等を用
いることもできる。
【0047】以下に、本発明の実施例について、表1及
び図1〜2を用いて説明する。
【0048】まず、実施例に係るバーナー式吹き込み燃
焼装置について図1〜2を用いて説明する。
【0049】図1は、特にバーナー1の構成について説
明するための模式的な縦断面図である。また、図2は、
燃焼炉をなす反射炉6について説明するための模式的な
縦断面図である。
【0050】略円筒形または略円錐台形のバーナー1の
先端には、外周部に20個の燃料ガス噴射用火口(burne
r tip)11が配置されており、その内側には16個の酸
素含有ガス噴射用火口12が配置されている。そして、
バーナー1の先端の略中央部には、一つの廃棄物吹き込
み口13が設けられている。
【0051】各燃料ガス噴射用火口(burner tip)11
は、一つの燃料ガス供給管21に通じており、燃料ガス
供給管21に接続するバーナー1中の分岐配管の先端に
形成されている。同様に、各酸素含有ガス噴射用火口1
2も、一つの酸素含有ガス供給管22に通じており、酸
素含有ガス供給管22に接続するバーナー1中の分岐配
管の先端に形成されている。火口11,12から噴出す
る燃料ガス及び酸素含有ガスが廃棄物を充分に加熱して
分解または燃焼させるための支燃性火炎5をなす。
【0052】また、廃棄物吹き込み口13は、1本の廃
棄物搬送管23の先端をなしている。廃棄物搬送管23
の他方の端部23aは、複合廃棄物4を貯留する廃棄物
ホッパー3の下端部31と、定量供給装置32を介して
接続しており、また、圧縮空気、圧縮酸素ガス等のキャ
リアガスを供給するキャリアガス配管24と接続してい
る。廃棄物ホッパー3から定量供給装置32を通じて排
出された複合廃棄物4は、キャリアガスにより搬送され
て、廃棄物吹き込み口13から噴出する。
【0053】廃棄物吹き込み口13から噴出した小片状
または粉体状の廃棄物4は、上記の支燃性火炎5の略中
央部を通って、その先端へと搬送されつつ、熱分解を受
ける。
【0054】バーナー1の周面部1bは水冷ジャケット
部となっており、供給側及び排出側の冷却水配管25,
26を通じて冷却水が循環して、バーナー1の過熱を防
ぐ。これにより、複合廃棄物4が、バーナー1中または
廃棄物吹き込み口13の個所で、溶着することが防止さ
れている。
【0055】なお、複合廃棄物4が、ハロゲン含有化合
物からなる有機材料を含む場合には、ハロゲン化水素捕
捉剤45が複合廃棄物4とともに定量的に供給される。
複合廃棄物4が粉体である場合、粉状のハロゲン化水素
捕捉剤を一定比率で予め混合してからホッパー3に供給
することができる。しかし、複合廃棄物4がチップ状で
ある場合など、ホッパー3中で分離や分布の不均一化が
起きる可能性のある場合には、別個の定量供給装置を用
いてハロゲン化水素捕捉剤を供給して複合廃棄物4と定
量的に混合した後、廃棄物搬送管23を通じて搬送され
るようにすることもできる。
【0056】複合廃棄物4の燃焼処理を行う炉は、実施
例において、銅の溶解を行うため反射炉6である。図2
に示す例において、バーナー1は、反射炉6の一方の垂
直壁6aを貫くように配置されており、先端部が炉内に
わずかに突き出している。図示の例で、バーナー1から
放射される支燃性火炎5は、反射炉6下部に滞留する溶
融銅61の表面に達している。
【0057】反射炉の対向側垂直壁6bには、スラグ抜
き出し口62が設けられており、これに近い個所の天井
部からは煙道63が接続している。煙道63の途中に
は、活性炭フィルターが脱着可能となっている。
【0058】以下に、このような処理装置を用いて行っ
た具体的な処理試験について説明する。処理試験の条件
及び結果を、表1にまとめて示す。
【0059】処理試験1〜5においては、各種のポリ塩
化ビニル被覆電線を処理した。これら被覆電線におい
て、銅の含量は1〜40重量%、油浸紙の含量は1〜2
0重量%、また、ポリ塩化ビニルの含量は50〜90重
量%であった。
【0060】一方、処理試験6においては、ポリエチレ
ン被覆電線を粉砕してから燃焼処理した。この被覆電線
は、銅の含量が10重量%、油浸紙の含量が2重量%、
また、ポリエチレンの含量が88重量%であった。
【0061】煙道63から排出される排煙中のダイオキ
シン類の測定のための試料の採取は、JIS Z 880
8に準拠してサンプリングすることにより行なわれた。
また、濃度の測定は、厚生省生活衛生局水道環境部整備
課の「廃棄物処理におけるダイオキシン類標準測定分析
マニュアル」(平成9年2月)に準拠してガスクロマト
グラフィー質量分析法により行なわれた。一方、塩化水
素(HCl)の濃度の測定は一般的なガスクロマトグラフ
ィー分析法により行った。
【0062】
【表1】燃焼処理の具体例 表1中に示すように、複合廃棄物4である廃電線の処理
量を1トン/日とした処理例1及び3〜6においては、
燃料ガス噴射用火口11に10m3/hrのプロパンガスを
供給するとともに、酸素含有ガス噴射用火口12に50
m3/hrの酸素を供給した。また、廃電線の処理量を10
トン/日とした処理例2においては、火口11に100m
3/hrのプロパンガスを供給するとともに、火口12に5
00m3/hrの酸素を供給した。このようにして形成され
る支燃性火炎5の温度は、複合廃棄物4が移送される中
心部で2000℃以上となっており、例えば2500〜
3000℃となっている。
【0063】廃棄物粉体を搬送するキャリアガスとして
は酸素ガスを用いた。廃電線の処理量を1トン/日とし
た処理例1及び3〜6においては、10〜15m3/hrの
範囲で適宜変化させた。廃棄物搬送管23として直径1
6mmの配管を用い、搬送の際の単位重量の複合廃棄物
4あたりのキャリアガスの使用重量は5〜10であっ
た。
【0064】ポリ塩化ビニル被覆電線を処理するために
は、処理例1を除き、塩化水素捕捉剤を用いた(処理例
2〜5)。この際、複合廃棄物4の全重量がポリ塩化ビ
ニルであると仮定した場合の発生塩化水素を吸収するだ
けの化学当量の塩化水素捕捉剤を添加した。すなわち、
塩化ビニルモノマー単位から1個の塩化水素が発生する
ので、複合廃棄物4の重量を塩化ビニルモノマー単位で
割った化学当量の塩化水素捕捉剤を添加した。このよう
に過剰量の塩化水素捕捉剤を用いることにより発生する
塩化水素を確実に捕捉するようにしたのである。
【0065】なお、塩化水素捕捉剤の添加は、ホッパー
3中で複合廃棄物4の粉体に混合して置くことにより行
った。
【0066】表1の右端に示すように、いずれの処理例
においても、ダイオキシン濃度測定値は、0.1ng/T
EQ以下と、実質上、検出されなかった。また、塩化水
素も全く検出されなかった。また、銅の溶融液及びスラ
グの様子について調べたところ、炭化物等の残滓は見ら
れず、電線被覆材が完全燃焼したことが確認できた。排
煙中の炭化水素成分についても、処理例1を除き、検出
されなかった。
【0067】このような実施例により、廃電線中の銅
は、全て、反射炉6中で回収することができ、また、電
線被覆材も反射炉6用の熱エネルギーとして回収(サー
マルリサイクル)することができた。なお、排気物投入
速度及び燃焼熱から計算される電線被覆材による時間あ
たりの発熱量は、処理例1及び3〜5において約10万
kcalであり、処理例2では200万kcal、ま
た、処理例6では63万kcalであった。
【0068】
【発明の効果】金属及び可燃性有機材料からなる複合廃
棄物についての燃焼処理を容易に行うことができる。特
には、金属を容易に回収することが可能であるばかりで
なく、可燃性有機材料を燃焼した燃焼熱を、金属の溶解
や精錬のための熱として利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の処理装置に係るバーナーの構成につい
て説明するための模式的な縦断面図である。
【図2】実施例の処理装置に係る炉について説明するた
めの模式的な縦断面図である。
【符号の説明】
1 バーナー 1a バーナーの先端 11,12 火口 13 廃棄物吹き込み口 21 燃料ガス供給管 22 酸素含有ガス供給管 23 廃棄物搬送管 25,26 冷却水配管 3 廃棄物ホッパー 4 複合廃棄物(廃電線) 5 支燃性火炎 6 反射炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F27D 13/00 B09B 3/00 303F 303A (72)発明者 松尾 正孝 福岡県北九州市八幡西区東浜町1番1号 黒崎播磨株式会社内 Fターム(参考) 3K065 AA18 AB03 AC15 BA05 EA06 EA15 EA31 QB12 RA01 SA03 4D004 AA21 AA46 AC04 BA03 BA05 CA04 CA28 CB31 4K063 AA03 AA04 CA02 GA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料ガス及び酸素含有ガスが供給されて形
    成される支燃性火炎を用いて、可燃性有機材料及び金属
    材料からなる複合廃棄物を燃焼処理する方法において、 前記複合廃棄物が、小片または粉体の状態で、キャリア
    ガスにより搬送されて燃焼炉内へと廃棄物吹き込み口か
    ら投入され、 前記廃棄物吹き込み口が、前記燃料ガス及び酸素含有ガ
    スを燃焼炉内に噴出する火口と、同一であるか、または
    該火口に近接した位置で略同一方向を向いて配置され、 前記支燃性火炎の根元部分へと小片または粉体の状態で
    投入された前記複合廃棄物が、前記支燃性火炎に包まれ
    たまま該支燃性火炎の先端へと移送されつつ燃焼される
    ことを特徴とする複合廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】前記燃焼炉が金属の溶解炉または精錬炉で
    あり、 前記複合廃棄物に含まれる金属材料が、前記支燃性火炎
    を通った後、該溶解炉または精錬炉の下部に溜まった溶
    融金属中に回収され、 前記支燃性火炎を通った後に残存する有機材料が前記溶
    融金属中でさらに熱分解を受けて処理されることを特徴
    とする請求項1記載の複合廃棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】前記複合廃棄物がハロゲン含有化合物から
    なる有機材料を含む場合に、 無機塩化合物からなるハロゲン化水素捕捉剤の粉体また
    は粒体が、キャリアガスにより搬送されて、前記廃棄物
    吹き込み口またはこれに近接して配置される粉粒体吹き
    込み口から、前記支燃性火炎中へと供給されることを特
    徴とする請求項1または2記載の複合廃棄物の処理方
    法。
  4. 【請求項4】前記廃棄物吹き込み口が、前記火口により
    取り囲まれて配置されることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の複合廃棄物の処理方法。
  5. 【請求項5】燃料ガス及び酸素含有ガスが供給されて形
    成される支燃性火炎を用いて、可燃性有機材料及び金属
    材料からなる複合廃棄物を燃焼処理する装置において、 前記複合廃棄物を、小片または粉体の状態で、キャリア
    ガスにより搬送して燃焼炉内に位置する廃棄物吹き込み
    口へと導く廃棄物搬送手段を備え、 前記廃棄物吹き込み口が、前記燃料ガス及び酸素含有ガ
    スを燃焼炉内に噴出する複数の火口に挟まれる位置に、
    略同一方向を向いて配置されることを特徴とする複合廃
    棄物の処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112871969A (zh) * 2021-01-11 2021-06-01 徐苏平 一种房建废料处理装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112871969A (zh) * 2021-01-11 2021-06-01 徐苏平 一种房建废料处理装置

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