JP2002349430A - 可変容量式圧縮機 - Google Patents

可変容量式圧縮機

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JP2002349430A
JP2002349430A JP2001153094A JP2001153094A JP2002349430A JP 2002349430 A JP2002349430 A JP 2002349430A JP 2001153094 A JP2001153094 A JP 2001153094A JP 2001153094 A JP2001153094 A JP 2001153094A JP 2002349430 A JP2002349430 A JP 2002349430A
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JP
Japan
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shaft
arm
housing
inclined member
center line
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Application number
JP2001153094A
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English (en)
Inventor
Mikio Matsuda
三起夫 松田
Seishu Kimura
成秀 木村
Mitsuo Inagaki
稲垣  光夫
Shigeru Hisanaga
滋 久永
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Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数本のピストンが組み付けられた傾斜部材
をアームに組み付ける際の組み付け作業性を向上させる 【解決手段】 アーム106aと旋回部材(ワッブルプ
レート)とを揺動可能に連結するヒンジ部を構成するリ
ンク溝108bを、連結ピン109の摺動方向一端側に
開口部108cを有するような略U字状(開放形状)と
する。これにより、組み付け時における傾斜部材の移動
自由度が比較的小さくても、リング溝108bの開口部
108cから連結ピン109をリング溝108b内に挿
入するようにして、容易に可動部アッセンブリをフロン
トアッセンブリ(アーム106a)に組み付けることが
できる。したがって、複数本のピストン112が組み付
けられた傾斜部材(旋回部材108及び揺動部材11
0)をアーム106aに組み付ける際の組み付け作業性
を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャフトの中心線
に対して傾いた斜板や揺動板等の傾斜部材の傾斜角を変
化させることにより、往復運動する複数本のピストンの
行程を変化させて理論吐出流量(ストロークとボア径と
で計算される幾何学的な流量)を変化させる可変容量式
圧縮機に関するもので、車両用蒸気圧縮式冷凍サイクル
の圧縮機に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】斜板や揺動板等の傾斜部材の傾斜角を変
化させる可変容量式圧縮機として、例えば特開昭62−
225782号号公報に記載の発明では、シャフトの中
心軸から外径側に延びるアームの先端側に長穴状のリン
ク溝(リンク穴)を設けるとともに、このリンク溝を貫
通する連結ピンにより傾斜部材をアームに対して揺動可
能に連結している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、可変容量式
圧縮機を組み立てるに当たっては、複数本のピストンが
組み付けられた傾斜部材をアームに組み付ける必要があ
るが、ハウジング(特に、傾斜部材を収納するクランク
室)の大きさ(容積)が大きくなると、クランク室内の
圧力を変化させるのに時間を要するため、通常、クラン
ク室(ハウジング)の大きさは、傾斜部材等を収納する
に必要にして十分な程度の大きさ程度である。
【0004】このため、一般的に、組み付け時における
傾斜部材の移動自由度が比較的小さいため、複数本のピ
ストンが組み付けられた傾斜部材をアームに組み付ける
際の作業が悪いと言う問題を有している。
【0005】本発明は、上記点に鑑み、複数本のピスト
ンが組み付けられた傾斜部材をアームに組み付ける際の
組み付け作業性を向上させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1に記載の発明では、シャフト
(106)の中心線(Lo)に対して傾いた傾斜部材
(108、110)と中心線(Lo)と傾斜部材(10
8、110)との傾斜角(θ)を変化させることによ
り、往復運動する複数本のピストン(112)の行程を
変化させて理論吐出流量を変化させる可変容量式圧縮機
であって、シャフト(106)及び傾斜部材(110)
を収納するとともに、ピストン(112)が収納される
複数本のシリンダボア(103)が設けられたハウジン
グ(101、102、105)と、中心線(Lo)から
外径側にずれた位置にて傾斜部材(108、110)が
揺動可能に連結され、シャフト(106)の回転力を傾
斜部材(108、110)に伝達するアーム(106
a)とを備え、アーム(106a)と傾斜部材(10
8、110)との連結部は、アーム(106a)及び傾
斜部材(108、110)のうちいずれか一方側に設け
られたリンク溝(108b)と、他方側に固定されてリ
ンク溝(108b)内を摺動する連結ピン(109)と
を有して構成されており、さらに、リンク溝(108
b)は、その一部に開口部(108c)が設けられた開
放形状であることを特徴とする。
【0007】これにより、組み付け時における傾斜部材
の移動自由度が比較的小さくても、リング溝(108
b)の開口部(108c)から連結ピン(109)をリ
ング溝(108b)内に挿入するようにして、容易に複
数本のピストン(112)が組み付けられた傾斜部材
(108、110)をアーム(106a)に組み付ける
ことができ、組み付け時の作業性を向上させることがで
きる。
【0008】請求項2に記載の発明では、シャフト(1
06)の中心線(Lo)に対して傾いた傾斜部材(10
8、110)と中心線(Lo)と傾斜部材(108、1
10)との傾斜角(θ)を変化させることにより、往復
運動する複数本のピストン(112)の行程を変化させ
て理論吐出流量を変化させる可変容量式圧縮機であっ
て、シャフト(106)及び傾斜部材(110)を収納
するとともに、ピストン(112)が収納される複数本
のシリンダボア(103)が設けられたハウジング(1
01、102、105)と、中心線(Lo)から外径側
にずれた位置にて傾斜部材(108、110)が揺動可
能に連結され、シャフト(106)の回転力を傾斜部材
(108、110)に伝達するアーム(106a)とを
備え、アーム(106a)と傾斜部材(108、11
0)との連結部は、アーム(106a)及び傾斜部材
(108、110)のうちいずれか一方側に設けられた
リンク溝(108b)と、他方側に固定されてリンク溝
(108b)内を摺動する連結ピン(109)とを有し
て構成されており、さらに、リンク溝(108b)は、
連結ピン(109)の摺動方向一端側に開口部(108
c)が設けられた略U字状であることを特徴とする。
【0009】これにより、組み付け時における傾斜部材
の移動自由度が比較的小さくても、リング溝(108
b)の開口部(108c)から連結ピン(109)をリ
ング溝(108b)内に挿入するようにして、容易に複
数本のピストン(112)が組み付けられた傾斜部材
(108、110)をアーム(106a)に組み付ける
ことができ、組み付け時の作業性を向上させることがで
きる。
【0010】ところで、シャフト(106)が2つのハ
ウジングに支持された両端支持構造であったとすると、
シャフト(106)を両ハウジングに対して芯だし(一
方側の軸受中心と他方側の軸受中心とを一致させる)必
要がある。
【0011】このため、両端支持構造では、両ハウジン
グの軸受中心を一致させた状態を維持したまま、複数本
のピストン(112)が組み付けられた傾斜部材(10
8、110)をアーム(106a)に組み付ける必要性
があるので、複数本のピストン(112)が組み付けら
れた傾斜部材(108、110)をアーム(106a)
に組み付ける際の作業が著しく悪い。
【0012】これに対して、請求項3に記載の発明で
は、シャフト(106)は、第1ハウジング(101)
に装着された軸受(107)のみによってハウジング
(101、102、105)内に回転可能に収納されて
いることを特徴としているので、シャフト(106)と
第1ハウジング(101)との芯だしのみを行えばよ
い。
【0013】したがって、両ハウジングの軸受中心を一
致させるといった行為を行う(注意を払う)必要がない
ので、複数本のピストン(112)が組み付けられた傾
斜部材(108、110)をアーム(106a)に組み
付ける際の作業をさらに向上させることができる。
【0014】因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後
述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す
一例である。
【0015】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)本実施形態は、
本発明に係る可変容量式圧縮機(以下、圧縮機と略
す。)を車両用蒸気圧縮式冷凍サイクル(車両用空調装
置)の冷媒圧縮機に適用したものであって、図1は車両
用蒸気圧縮式冷凍サイクル(車両用空調装置)の模式図
である。
【0016】図1中、100は走行用のエンジン(駆動
源)E/Gから動力を得て冷媒を吸入圧縮する圧縮機で
あり、100aはエンジンE/Gが発揮する動力の一部
を圧縮機100に断続可能に伝達する電磁クラッチ又は
連続的に伝達するプーリ等の動力伝達手段である。な
お、100bは、エンジンE/Gから圧縮機100に動
力を伝達するVベルトである。
【0017】200は圧縮機100から吐出した冷媒と
外気とで熱交換して冷媒を凝縮(冷却)する凝縮器(放
熱器)であり、300は凝縮器200から流出した冷媒
を減圧する減圧器であり、400は減圧器300にて減
圧された冷媒と室内に吹き出す空気とを熱交換して冷媒
を蒸発させることにより室内に吹き出す空気を冷却する
蒸発器である。
【0018】なお、本実施形態では、減圧器300とし
て圧縮機100に吸入される冷媒の加熱度が所定値とな
るように開度が調節される温度式膨張弁を採用してい
る。また、冷媒には、潤滑油(冷凍機油)が混合されて
おり、この混合された潤滑油により圧縮機100の可動
部材(摺動部)を潤滑している。
【0019】次に、圧縮機100について述べる。
【0020】図2は圧縮機100の軸方向断面を示して
おり、101はアルミニウム製のフロントハウジング
(第1ハウジング)であり、102は複数本(本実施形
態では、5本)のシリンダボア(円柱状の空間)103
が形成されたミドルハウジング(第2ハウジング)であ
る。104はシリンダボア103の一端側を閉塞するバ
ルブプレートであり、このバルブプレート104はミド
ルハウジング102とリアハウジング(第3ハウジン
グ)105との間に挟まれて固定されている。そして、
本実施形態では、フロントハウジング101、ミドルハ
ウジング102及びリアハウジング105により圧縮機
100のハウジングが構成されている。
【0021】106は車両走行用エンジン(図示せず)
から駆動力を得て回転するシャフトであり、このシャフ
ト106は、ラジアル軸受107にて片持ち状態にてハ
ウジング(フロントハウジング101)内に回転可能に
保持されている。
【0022】そして、シャフト106には、シャフト1
06の中心線Loから外径側に延びるアーム106aが
一体形成されているとともに、その先端側には、シャフ
ト106と一体的に回転する旋回部材(ドライブプレー
ト)108がアーム106aに対して揺動(回転)可能
に連結されている。
【0023】なお、旋回部材108は、シャフト106
に対して傾いた傾斜面108aを有するとともに、後述
する揺動部材(ワッブルプレート)110と共に、シャ
フト106の中心線Loに対して傾いた傾斜部材を構成
している。
【0024】また、109は、旋回部材108をアーム
106aに対して揺動(回転)可能に連結するヒンジ機
構を構成する連結ピンであり、この連結ピン109はア
ーム106bに圧入固定されている。
【0025】一方、旋回部材108には、連結ピン10
9が摺動可能に挿入されたリンク溝108bが設けられ
ており、このリンク溝108bは、連結ピン109の摺
動方向一端側(図2では、上端側)に開口部108cを
有するように略U字状(開放形状)に形成されている。
【0026】そして、後述するように(図6参照)、旋
回部材108の傾斜角θ(傾斜面108aとシャフト1
06の中心線Loとのなす角θ)が変化する際には、連
結ピン109はリンク溝108b内をその長径方向に摺
動(移動)する。
【0027】また、110は傾斜面108aとスラスト
軸受111を介して連結されたリング盤(ドーナツ盤)
状の揺動部材(ワッブルプレート)であり、この揺動部
材110は、旋回部材108の回転と共に、その外周側
が波打つように揺動する。
【0028】なお、スラスト軸受111は、傾斜面10
8aに対して垂直な軸周りに旋回部材108が揺動部材
110に対して回転することができるようにする軸受で
あり、本実施形態では、略円柱のコロを有する転がり軸
受を採用している。
【0029】112はシリンダボア103内で往復運動
するピストンであり、113はピストン112と揺動部
材110とを連結するロッドである。このとき、ロッド
113の一端側は揺動部材110の外周側に揺動可能に
連結され、他端側はピストン112に揺動可能に連結さ
れているので、シャフト106が回転して揺動部材11
0が揺動すると、ピストン112がシリンダボア103
内を往復運動する。
【0030】114は揺動部材110の略中央部に位置
して揺動部材110を揺動可能に支持する自在継ぎ手
(オルダム継ぎ手)状の揺動支持機構であり、以下、図
3〜5を用いて揺動支持機構114について述べる。
【0031】図3は揺動支持機構114をシャフト10
6側から見た図であり、図4は図3のA−A断面図であ
り、図5は図3のB−B断面図である。115はシャフ
ト106の中心線Loと直交する第1軸線L1周りに回
転可能な略環状の第1回転部材であり、116は第1回
転部材115に連結されて第1回転部材115が中心線
Lo周りに回転することを規制する拘束部材である。
【0032】拘束部材116は、図4に示すように、第
1回転部材115の内周面に位置する頭部116aと略
円柱状の支持部116bとを有して構成されている。そ
して、支持部116bの外周面には、その軸方向に延び
る多数本の溝部からなるスプライン(JIS B 16
01等参照)116cが設けられてその断面形状が歯車
状に形成され、一方、ミドルハウジング102の略中央
部には、図2に示すように、拘束部材116の断面形状
と相似形状の断面形状を有する穴部102aが形成され
ている。
【0033】そして、拘束部材116が穴部102aに
摺動可能に挿入されることにより、拘束部材116は、
ミドルハウジング102に対して回転不可とした状態
で、かつ、中心線Lo方向に摺動することができるよう
にミドルハウジング102に係合される。
【0034】また、図3中、117は、第1回転部材1
15の径方向外側に位置して、中心線Loと直交し、か
つ、第1軸線L1に対して交差する第2軸線L2周りに
回転可能に第1回転部材115に連結された略環状の第
2回転部材であり、揺動部材110及び旋回部材108
は、サークリップ108c(図2参照)により位置決め
された状態で第2回転部材117に圧入された状態で連
結されている。
【0035】なお、第1回転部材115は、円柱状の第
1ピン部材118を介して拘束部材116の頭部116
aに連結され、第2回転部材117は、円柱状に形成さ
れた2本の第2ピン部材119を介して第1回転部材1
15に連結されている。また、拘束部材116(支持部
116b)内には、図2に示すように、揺動支持部材1
14をシャフト106側に押圧する弾性力を発揮するコ
イルバネ(弾性部材)120が配設されている。
【0036】以上に述べた構成により、揺動支持機構1
14は、フックの継ぎ手(オルダム継ぎ手)状の自在継
ぎ手を構成するので、揺動部材110を揺動可能に支持
することできる。
【0037】ところで、図2中、121は、シリンダボ
ア103、バルブプレート104及びピストン112に
よって形成される複数個の作動室Vに冷媒を分配供給す
る吸入室であり、バルブプレート104には、吸入室1
21と作動室Vとを連通させる吸入ポート123、及び
作動室Vと吐出室122とを連通させる吐出ポート12
4が形成されている。
【0038】そして、吸入ポート123には、冷媒が作
動室Vから吸入室121へ逆流することを防止するリー
ド弁状の吸入弁125が設けられ、吐出ポート124に
は、冷媒が吐出室122から作動室Vへ逆流することを
防止するリード弁状の吐出弁126が設けられている。
【0039】なお、吸入弁125及び吐出弁126は、
吐出弁126の最大開度を規制する弁止板(ストッパ)
127と共にミドルハウジング102及びリアハウジン
グ105間に挟まれて固定されている。129は、クラ
ンク室(揺動部材110が収納された空間128)内の
冷媒が、フロントハウジング101とシャフト106と
の隙間からハウジング外に漏れ出すことを防止するシャ
フトシールである。
【0040】また、130は穴部102aと吸入室12
1及び吐出室122との連通状態を調節することにより
クランク室128に導入する圧力を制御する制御弁であ
り、クランク室128は、所定の圧力損失(通路抵抗)
を有する連通路(図示せず。)を介して吸入側(吸入室
121)に連通している。
【0041】次に、本実施形態に係る圧縮機100の作
動を述べる。
【0042】1.最大容量運転時(図2参照) 圧力制御弁128を調節してクランク室128内の圧力
を吐出圧(作動室V内圧力)より低くする。このとき、
5本のピストン112のうち圧縮工程中にあるピストン
112に着目すると、作動室V内の圧力がクランク室1
28内の圧力より大きいため、揺動部材110(旋回部
材108)には、作動室Vの体積を拡大する向きの力
(以下、この力を圧縮反力と呼ぶ。)が作用する。
【0043】一方、揺動部材110は、揺動支持部材1
14によって拘束されているので、揺動部材110(旋
回部材108)には、連結ピン109を中心とする圧縮
反力により傾斜角θを小さくする向きのモーメント(以
下、このモーメントを傾斜モーメントと呼ぶ。)が作用
する。このため、揺動部材110(旋回部材108)の
傾斜角度θが小さくなり、ピストン112の行程(スト
ローク)が増大するので、吐出容量が増大する。
【0044】ここで、(圧縮機)の吐出容量とは、シャ
フト106が1回転する際に吐出される理論体積流量
(ストロークとボア径とで計算される幾何学的な流用)
を言う。
【0045】2.可変容量運転時(図6参照) 圧力制御弁を調節してクランク室128内の圧力を最大
容量運転時に比べて大きくする。このため、最大容量運
転時とは逆に圧縮反力(傾斜モーメント)が小さくなる
ので、傾斜角度θが拡大して吐出容量が減少していく。
【0046】次に、旋回部材108や揺動部材110等
の可動部材の組み付け手順(組み付け方法)について述
べる。
【0047】図7はフロントハウジング101にシャフ
ト106を組み付けた状態(以下、この状態のものをフ
ロントアッセンブリと呼ぶ。)を示す断面図であり、図
8は図7のA−A断面図であり、図9、10は旋回部材
108、揺動部材110及びロッド113等の可動部材
をミドルハウジング102(シリンダボア103)に組
み付けたもの(以下、このものを可動部アッセンブリと
呼ぶ。)をフロントアッセンブリに組み付ける様子を示
す説明図であり、図11は図9に示す状態におけるシャ
フト106及び旋回部材108の状態を示す図であり、
図12は図10に示す状態におけるシャフト106及び
旋回部材108の状態を示す図であり、図13は可動部
アッセンブリをフロントハウジング101側から見た正
面図である。
【0048】そして、図9、10に示すように、リング
溝108bの開口部108cから連結ピン109をリン
グ溝108b内に挿入するようにして可動部アッセンブ
リをフロントアッセンブリ(アーム106a)に組み付
ける。
【0049】次に、本実施形態の特徴(作用効果)を述
べる。
【0050】本実施形態では、リンク溝108bは、そ
の一部に開口部108cが設けられた開放形状であるの
で、組み付け時における傾斜部材の移動自由度が比較的
小さくても、図9、10に示すように、リング溝108
bの開口部108cから連結ピン109をリング溝10
8b内に挿入するようにして、容易に可動部アッセンブ
リをフロントアッセンブリ(アーム106a)に組み付
けることができる。したがって、複数本のピストン11
2が組み付けられた傾斜部材(旋回部材108及び揺動
部材110)をアーム106aに組み付ける際の組み付
け作業性を向上させることができる。
【0051】ところで、シャフト106がフロントハウ
ジング101とミドルハウジング102とに支持された
両端支持構造であったとすると、シャフト106を両ハ
ウジング101、102に対して芯だし(フロントハウ
ジング101側の軸受中心とミドルハウジング側の軸受
中心とを一致させる)必要がある。
【0052】このため、両端支持構造では、フロントハ
ウジング101側の軸受中心とミドルハウジング側の軸
受中心とを一致させた状態を維持したまま、複数本のピ
ストン112が組み付けられた傾斜部材(旋回部材10
8及び揺動部材110)をアーム106aに組み付ける
必要性があるので、複数本のピストン112が組み付け
られた傾斜部材(旋回部材108及び揺動部材110)
をアーム106aに組み付ける際の作業が著しく悪い。
【0053】これに対して、本実施形態では、シャフト
106は、フロントハウジング101に装着された軸受
107のみによって回転可能に支持(片持ち構造)され
ているので、シャフト106とフロントハウジング10
1との芯だしのみを行えばよい。
【0054】したがって、本実施形態のごとく、フロン
トアッセンブリに可動部アッセンブリを組み付ける際
に、フロントハウジング101側の軸受中心とミドルハ
ウジング側の軸受中心とを一致させるといった行為を行
う(注意を払う)必要がないので、複数本のピストン1
12が組み付けられた傾斜部材(旋回部材108及び揺
動部材110)をアーム106aに組み付ける際の作業
をさらに向上させることができる。
【0055】(第2実施形態)第1実施形態では、図1
1、12に示すように、アーム106aを2本として連
結ピン109を両アーム106a間を渡すよう配置する
とともに、リンク溝108bを1本としたが、本実施形
態は、第1実施形態とは逆に、図14、15にすよう
に、アーム106aを1本として連結ピン109をアー
ム106aから突出するように配置するとともに、リン
ク溝108bを2本として1本のアーム106aを挟み
込むようにしたものである。
【0056】(第3実施形態)上述の実施形態では、リ
ンク溝108bを旋回部材(傾斜部材)108に設けた
が、本実施形態は、図16、17に示すように、アーム
106aの先端側にリンク溝108bを設け、連結ピン
109を旋回部材(傾斜部材)108に固定したもので
ある。
【0057】なお、本実施形態では、リンク溝108b
の開口部108cは、上述の実施形態とは逆に、シャフ
ト106側に向けて開口している。
【0058】因みに、図16は最大容量運転状態を示
し、図17は可変容量運転時(最小容量運転時)を示し
ている。
【0059】(その他の実施形態)また、上述の実施形
態では、フックの継ぎ手状の自在継ぎ手を構成すること
により揺動支持機構114を構成したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、例えば等速玉継ぎ手のごと
く転動体を介した継ぎ手や図18に示すように、拘束部
材116の頭部116aを球面摺動シューとして揺動部
材110を支持してもよい。なお、図18中、140は
揺動部材110がシャフト106と共に回転してしまう
ことを防止する回り止め部であり、141は回り止め部
140の揺動を案内する案内溝である。
【0060】また、上述の実施形態では、蒸気圧縮式冷
凍サイクル用の圧縮機に本発明に係るワッブル式ポンプ
を適用したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、その他の流体ポンプや圧縮機等にも適用することが
できる。
【0061】また、上述の実施形態では、クランク室1
28内の圧力を制御することにより揺動部材110(旋
回部材108)の傾斜角θを制御したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、穴部102a内の圧力を制
御することにより傾斜角θを制御してもよい。
【0062】上述の実施形態では、揺動部材110とピ
ストン112とをロッド113を介して連結していた
が、本発明はこれに限定されるものではなく、図19に
示すように、シュー113aを介して揺動部材110と
ピストン112とを連結してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る圧縮機を用いた蒸
気圧縮式冷凍サイクルの模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る圧縮機の最大容量
時における断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る圧縮機の揺動支持
機構の断面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】図3のB−B断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る圧縮機の最小容量
時における断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る圧縮機におけるフ
ロントアッセンブリを示す断面図である。
【図8】図7のA−A断面図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る圧縮機における可
動部アッセンブリをフロントアッセンブリに組み付ける
様子を示す説明図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る圧縮機における
可動部アッセンブリをフロントアッセンブリに組み付け
る様子を示す説明図である。
【図11】図9に示す状態におけるシャフト及び旋回部
材の状態を示す図である。
【図12】図10に示す状態におけるシャフト及び旋回
部材の状態を示す図である。
【図13】本発明の第1実施形態に係る圧縮機における
可動部アッセンブリをフロントハウジング側から見た正
面図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る圧縮機における
シャフト及び旋回部材の状態を示す図である。
【図15】本発明の第2実施形態に係る圧縮機における
シャフト及び旋回部材の状態を示す図である。
【図16】本発明の第3実施形態に係る圧縮機の最大容
量時における断面図である。
【図17】本発明の第3実施形態に係る圧縮機の最小容
量時における断面図である。
【図18】本発明のその他の実施形態に係る圧縮機の断
面図である。
【図19】本発明のその他の実施形態に係る圧縮機の断
面図である。
【符号の説明】
101…フロントハウジング、102…ミドルハウジン
グ、103…シリンダボア、104…バルブプレート、
105…リアハウジング、106…シャフト、106a
…アーム、108…旋回部材、108b…リンク溝、1
08c…開口部、110…揺動部材、112…ピスト
ン、114…揺動支持部材、115…第1回転部材、1
16…拘束部材、117…第2回転部材、120…コイ
ルバネ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 成秀 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 稲垣 光夫 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 久永 滋 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3H076 AA06 BB40 CC18 CC83

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフト(106)の中心線(Lo)に
    対して傾いた傾斜部材(108、110)と前記中心線
    (Lo)と前記傾斜部材(108、110)との傾斜角
    (θ)を変化させることにより、往復運動する複数本の
    ピストン(112)の行程を変化させて理論吐出流量を
    変化させる可変容量式圧縮機であって、 前記シャフト(106)及び前記傾斜部材(110)を
    収納するとともに、前記ピストン(112)が収納され
    る複数本のシリンダボア(103)が設けられたハウジ
    ング(101、102、105)と、 前記中心線(Lo)から外径側にずれた位置にて前記傾
    斜部材(108、110)が揺動可能に連結され、前記
    シャフト(106)の回転力を前記傾斜部材(108、
    110)に伝達するアーム(106a)とを備え、 前記アーム(106a)と前記傾斜部材(108、11
    0)との連結部は、前記アーム(106a)及び前記傾
    斜部材(108、110)のうちいずれか一方側に設け
    られたリンク溝(108b)と、他方側に固定されて前
    記リンク溝(108b)内を摺動する連結ピン(10
    9)とを有して構成されており、 さらに、前記リンク溝(108b)は、その一部に開口
    部(108c)が設けられた開放形状であることを特徴
    とする可変容量式圧縮機。
  2. 【請求項2】 シャフト(106)の中心線(Lo)に
    対して傾いた傾斜部材(108、110)と前記中心線
    (Lo)と前記傾斜部材(108、110)との傾斜角
    (θ)を変化させることにより、往復運動する複数本の
    ピストン(112)の行程を変化させて理論吐出流量を
    変化させる可変容量式圧縮機であって、 前記シャフト(106)及び前記傾斜部材(110)を
    収納するとともに、前記ピストン(112)が収納され
    る複数本のシリンダボア(103)が設けられたハウジ
    ング(101、102、105)と、 前記中心線(Lo)から外径側にずれた位置にて前記傾
    斜部材(108、110)が揺動可能に連結され、前記
    シャフト(106)の回転力を前記傾斜部材(108、
    110)に伝達するアーム(106a)とを備え、 前記アーム(106a)と前記傾斜部材(108、11
    0)との連結部は、前記アーム(106a)及び前記傾
    斜部材(108、110)のうちいずれか一方側に設け
    られたリンク溝(108b)と、他方側に固定されて前
    記リンク溝(108b)内を摺動する連結ピン(10
    9)とを有して構成されており、 さらに、前記リンク溝(108b)は、前記連結ピン
    (109)の摺動方向一端側に開口部(108c)が設
    けられた略U字状であることを特徴とする可変容量式圧
    縮機。
  3. 【請求項3】 前記ハウジング(101、102、10
    5)は、少なくとも前記シャフト(106)を回転可能
    に支持する軸受(107)が装着された第1ハウジング
    (101)、及び前記シリンダボア(103)が設けら
    れた第2ハウジング(102)を有して構成されてお
    り、 さらに、前記シャフト(106)は、前記第1ハウジン
    グ(101)に装着された前記軸受(107)のみによ
    って前記ハウジング(101、102、105)内に回
    転可能に収納されていることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の可変容量式圧縮機。
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