JP2002348654A - 表面改質材およびその製造方法 - Google Patents

表面改質材およびその製造方法

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JP2002348654A JP2001156047A JP2001156047A JP2002348654A JP 2002348654 A JP2002348654 A JP 2002348654A JP 2001156047 A JP2001156047 A JP 2001156047A JP 2001156047 A JP2001156047 A JP 2001156047A JP 2002348654 A JP2002348654 A JP 2002348654A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面改質部材を基材上に所定距離離間させる
と共に、複数の該表面改質部材も互いに所要間隔離間さ
せるように配置し、これらの隙間に充填材を充填するこ
とで、該表面改質部材を3次元的に該基材に対して接合
させ、熱衝撃等に対して充分な耐久性を発現する高い靱
性を有する表面改質材およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 耐摩耗性等の表面改質が要求される基材
12の改質予定面の所定位置に、互いに所定間隔を保持
して複数の表面改質部材14を配置し、この表面改質部
材14同士の隣接し合う周囲空間に充填材16を充填す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表面改質材およ
びその製造方法に関し、更に詳細には、基材の改質予定
面に表面改質部材を取り付けることで、該基材の耐食性
等の諸物性を向上させ得る表面改質材と、その製造方法
に関するものである。
【0002】例えば高い耐食性を必要とする溶鉱炉内壁
や、高い耐摩耗性を必要とするドリルの先端等には、夫
々基材とする物質表面に所望の耐食・耐摩耗性を発現す
る超硬材等を溶接またはロー付けすることで接合
し、表面改質を行なっていた。
【0003】前述の溶接による方法は、所望の表面改
質材自体を電気溶接またはガス溶接により前記基材表面
に溶接させるものであり、またロー付けによる方法
は、所望の表面改質材をロー部材を介して該基材表面に
接合させるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記溶
接による接合の場合、基材および溶接接合される表面改
質部材の線膨張係数が異なるため、溶接直後または一定
時間経過後に多数のクラックが生じてしまう。この現象
を回避する方法として、基材を溶接される表面改質部材
と同等程度にまで予め加熱(900℃程度)して、該表面
改質部材を溶接接合する方法が知られている。この場
合、前記基材の予熱温度が高くなり、また前記表面改質
部材の溶接速度も低下してしまうため、製造コストが嵩
む他、作業環境の悪化や、要求される作業者の技術水準
が高くなる等の難点が指摘される。
【0005】また、前記表面改質部材を溶接により溶か
して前記基材上に溶着させるため、該基材を構成する元
素成分が該表面改質部材内に不純物として取り込まれて
しまい、結果として必要とされる耐食性、耐摩耗性およ
び強度等の諸物性に悪影響を与えることが考えられる。
【0006】一方前記ロー付けによる接合の場合、該
ロー部材により前記基材と表面改質部材との間の接合強
度が決定される。従って前記ロー部材を流し込む際に、
該ロー部材が前記基材と表面改質部材との間に充分に行
き渡らなければ、必要とされる接合強度は得られず、結
果として該表面改質部材は容易に剥がれ落ちてしまう。
【0007】また例えば油井技術で使用されるドリルス
トリングのスタビライザのように、前記基材の形状が所
定の曲率をもっている場合、該基材の曲率と前記表面改
質部材裏面の曲率とが同一でなければ、接合強度を決定
するロー部材の厚みが均一にならず部分的なパラつきを
生じてしまう欠点が指摘される。更に前述の溶接によ
る接合と同様に、使用中のヒートショック(熱衝撃)を原
因として線膨張係数の違いから発生する熱応力により、
クラックが容易に発生してしまう。
【0008】
【発明の目的】この発明は、従来の表面改質材およびそ
の製造方法に内在している前記問題に鑑み、これを好適
に解決するべく提案されたものであって、表面改質部材
を基材上に所定距離離間させると共に、複数の該表面改
質部材も互いに所要間隔離間させるように配置し、これ
らの隙間に充填材を充填することで、該表面改質部材を
3次元的に該基材に対して接合させ、熱衝撃等に対して
充分な耐久性を発現する高い靱性を有する表面改質材お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を達成するため本願の発明に係る表面改質材は、
耐摩耗性等の表面改質が要求される基材の改質予定面の
所定位置に、互いに所定間隔を保持して固定される表面
改質部材と、前記表面改質部材の隣接し合う周囲空間に
充填され、該表面改質部材を前記基材の改質予定面に対
して接合させる充填材とから構成したことを特徴とす
る。
【0010】前記課題を克服し、所期の目的を達成する
ため本願の別の発明に係る表面改質材の製造方法は、複
数の表面改質部材を表面改質が施される基材)の改質予
定面に対して互いに所定間隔だけ離間させる共に、前記
基材からも所定間隔だけ離間させることで隙間が画成さ
れるよう配設・固定し、次いで前記表面改質部材の相互
間を介して前記隙間に充填材を充填して、該表面改質部
材と前記基材の改質予定面とを接合すると共に、隣接し
合う該表面改質部材同士を接合させるようにしたことを
特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る表面改質材お
よびその製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付
図面を参照しながら以下説明する。本願の発明者は、基
材の改質予定面上に所定間隔だけ離間させて、矩形形状
の如き規則的な幾何学的形状の表面改質部材を所要間隔
毎に規則的に配置し、該基材と該表面改質部材との間お
よび該表面改質部材の相互間に、接合物質として作用
し、靱性を発現する充填材を充填することで、耐食性お
よび耐摩耗性等に優れかつ強固な接合力を発現し得る表
面改質材が得られることを知見したものである。
【0012】前記表面改質材10は、図1および図2に
示す如く、基材12となる母材と、この基材12上に規
則的に配置される長方形形状の複数の表面改質部材14
と、この表面改質部材14を該基材12に接合すると共
に、隣接する該表面改質部材14同士も接合する充填材
16とからなる。
【0013】前記表面改質材10の製造方法は、図3に
示す如く、表面改質部材14を基材12上へ配置する配
置段階S1と、該表面改質部材14を基材12上に固定
する固定段階S2と、該表面改質部材14と基材12と
の間および複数の該表面改質部材14間に充填材16を
充填する充填段階S3と、最終仕上げを行なう仕上段階
S4とから基本的になる。
【0014】前記配置段階S1は、前記表面改質部材1
4により表面改質が施される基材12上に、所定間隔を
もって規則的に該表面改質部材14を配置する段階であ
り、後述する固定段階S2を行なうための予備的な段階
である。
【0015】前記表面改質部材14には、基本的に2次
元的に規則的な幾何学形状であり、平面を有するもの、
具体的には、三角形状、四角形状等の幾何学的多角形状
物または楕円、円等の円形状物等が採用されており、本
実施例においては長手方向13.25mm×短手方向5
mm寸法の長方形形状平面物が使用されている(図1参
照)。このような長方形形状の場合、この長手方向およ
び短手方向の寸法比は、100:10〜100:100
の範囲に設定される。前記寸法比がこれ以上となると、
前記表面改質部材14の長手方向の強度が低下し、また
前記基材12表面が曲率をもっている場合等に形状的に
対応が困難となるために採用されない。前記表面改質部
材14の厚さは、そのまま耐食性または耐摩耗性等を発
現し得る有効使用期間に関わるので、前記基材12に対
して充分な接合力を発現する範囲内で最大となるように
設定され、本実施例においては30mmに設定されてい
る。なお規則的な幾何学形状を有しない表面改質部材1
4についても採用は可能であるが、例えば鋭角的な多数
突出を備える等して、形状の重点が該形状外部に位置す
るようなものについては採用し得ない。
【0016】前記表面改質部材14の材質としては、超
硬材や各種セラミック等が採用されるが、耐熱性、耐食
性または耐摩耗性等の要求される諸物性によって適宜選
択される。殊に耐食性および耐摩耗性が要求される場合
には、炭化カーバイト系合金または炭化クロム系合金が
好適である。
【0017】また前記表面改質部材14の底面部四方の
隅部には、図4に示す如く、該表面改質部材14および
基材12の間に0.1〜0.4mm程度の隙間20を画成
し得る突起14aが夫々設けられている。この突起14
aの突出度合いは、前記基材12表面が平面である場合
には前記隙間20の合わせて設定されるが、例えば曲面
である場合には、最も該隙間20の間隔が小さくなる部
位において、少なくとも0.1mmとなるように設定さ
れる(図4参照)。従って、前記突起14aの大きさは、
前記表面改質部材14の大きさによっても変化する。こ
の隙間20の間隔は、前記表面改質部材14と、基材1
2との間の接合強度に大きな影響を与え、0.1mmよ
り小さいと該隙間20に充填材16(後述)が充分に充填
されず、また0.4mmより大きいと該充填材16自体
の強度が前述した表面改質部材14と基材12との間の
接合強度になってしまい、何れの場合においても接合強
度が低下してしまうので注意が必要である。
【0018】更に複数の前記表面改質部材14の配置に
関しては、前記隙間20に対して後述する充填材16が
充分に流し込めるように、互いに所要距離だけ離間して
配置される。この際の離間距離は、幾何学的多角形状物
の場合、該多角形形状物内で最も長い距離を設定可能な
線分長さを100して、0.3〜100とされ、本実施
例に記載の矩形形状の場合、短手方向の長さを100と
して、3〜100の範囲に設定される。
【0019】前述したように所定間隔を保持した状態
で、隣接する表面改質部材14同士を互いに離間させる
ようにしたので、前記基材12を覆うのに必要とされる
該部材14の量は、同面積の該基材12全体を覆う場合
に較べて20%程の減少が可能となった。しかしなが
ら、この被覆面積の低下による耐摩耗性等の表面改質作
用への影響は僅かであり、殊に図1および図7(後述)に
矢印で示す方向に対する影響は殆ど皆無であり、実際使
用において問題はない。
【0020】前記表面改質部材14の基材12上への配
置の具体的な手段としては、図5に示す如く、固定すべ
き基材12の改質予定面に合わせた大きさを有すると共
に、該基材12の表面改質部材14の配置予底面に該表
面改質部材14が位置決め可能な配置部42を有する配
置部材40を使用する方法がある。この場合、まず前記
基材12の改質予底面上に前記配置部材40を載置し
(図5(a)参照)、次いで載置された配置部材40の所定
位置(基材12の表面改質部材14の予定配置位置に対
応)に設けられた前記通孔部42に対して該表面改質部
材14を配置する(図5(b)参照)ものである。この配置
部材40は後述する固定段階S2の後に前記基材12上
から取り外される(図5(c)参照)。このような配置部材
40を使用することで、前述の表面改質部材14間の離
間距離を正確に測り、かつ速やかな配置が可能となる。
なおここで使用される前記配置部材40の厚さとして
は、前記表面改質部材12の半分程度のものが好適であ
る。材質としては、該表面改質部材14を基材12上に
固定する際の温度等の諸条件に耐え得ると共に、後述す
る固定段階S2で使用される固定方法に対応したものが
好適である。
【0021】またより効率的な手段として、図6に示す
如く、前記配置部材40と表面改質部材14とを一体化
させたシート状物44として使用する方法も採用可能で
ある。すなわち前記表面改質部材14を着脱自在とした
前記配置部材40に対して、予め該表面改質部材14を
一体化させてシート状物44とし、このシート状物44
を該基材12の改質予定面に載置し(図6(a)参照)、一
度に複数の該表面改質部材14を該基材12の所定位置
に固定後(図6(b)参照)、該配置部材44を取り去る
(図6(c)参照)方法も考えられる。殊にこの方法は、予
め基材12上への表面改質部材14の配置パターンを持
ったシート状物44が得られているので、該表面改質部
材14の輸送等にも便利であり、また同形状の基材12
から表面改質材10を量産するような場合に好適であ
る。材質としては前述の〔0020〕記載の条件に加え
て、前記表面改質部材14を貼着・仮止めし得るテープ
材等や、該表面改質部材14の着脱を容易になし得る可
撓性を有するシリコーンまたはポリウレタンゴム等の耐
熱性ゴムが好適である。
【0022】なお前述の配置部材40やシート状物44
を前記基材12上に効率よく配置するために、該基材1
2上の表面改質部材14の取り付けの障害とならない、
例えば隅部等に嵌合突起を設け、この嵌合突起に対応し
た嵌合孔を夫々配置部材40およびシート状物44を設
けるようにしてもよい。
【0023】前記固定段階S2は、前述の配置段階S1
で所定位置に配置された前記表面改質部材14を基材1
2上に固定する段階である。この固定には、様々な方法
が採用可能であるが、本実施例では、前記基材12およ
び表面改質部材14が導電性物質であるので、該表面改
質部材14の表面に電極棒を接触させることで、前記突
起14aと基材12との接触部に該電極棒からの電気を
集中させて溶接を施す、所謂電気溶接による固定方法が
採用されている。また前記表面改質部材14として、セ
ラミック等の無機材料が採用される場合には、所要の耐
熱性を有する接着剤等が好適に使用される。
【0024】前述の電気溶接は、標準的な条件として、
例えば約75ボルトの電圧および約5000アンペアの
電流を流すことで実施される。
【0025】前記充填段階S3は、前述の固定段階S2
で所定位置に固定の完了した複数の前記表面改質部材1
4の間に、前記充填材16を流し込んで前記基材12上
に該表面改質部材14を3次元的に覆い、マクロ的に高
い靱性を確保しつつ接合させる段階である。
【0026】前記充填材16としては、各種ロー付け組
成物または例えばエポキシ樹脂等の有機系接着剤若しく
は無機系接着剤等が好適に使用される。これら充填材1
6は、前記表面改質部材14に要求される物性(殊に耐
熱性)に合わせて適宜選択される。前記ロー付け組成物
としては、殊にNi-Bronds系またはNi-Cr系合金の
如きニッケル、クロムまたはホウ素系合金が好適であ
る。
【0027】前記充填材16が接着剤である場合には、
所要の溶媒で溶解させた後に複数の前記表面改質部材1
4,14の間から流し込めばよく、注意すべきは該溶解
済み接着剤の粘度の調整により、充分な流動性を確保す
ることだけである。また前記充填材16がロー付け組成
物の場合には、該ロー付け組成物を溶融温度以上として
溶融させ、しかる後に注湯すればよい。複数の前記表面
改質部材14間および隙間20には、前記ロー付け組成
物としての充填材16が充分に注湯されるに足る間隔が
設けられているので、複数の該表面改質部材14間と該
表面改質部材14および基材12との間を充分な強度を
もって接合し得る。この際のロー付け組成物の充填方法
としては、殊にパウダー溶射法が好適である。
【0028】通常、前記充填材16は、前記基材12上
に固定された表面改質部材14が覆い隠される程度にま
で充填される。従って前記表面改質部材14は、充填材
16により、前記基材12側、すなわち裏面側だけでな
く、側方側も全方位に亘り充填されることになる。この
結果、前記充填材16により発現する接合強度自体は変
わらなくても、その接合面積が大きく取られることにな
るので、トータルした接合力は従来のものに較べて飛躍
的に向上する。
【0029】更に前記充填材16は、前記表面改質部材
14とは違い高い充分な靱性を発現し得るものであるの
で、該充填材16に3次元的に覆われた形となる表面改
質部材14も、表面改質材10全体で捉えれば夫々靱性
が向上することになる。すなわち、前記表面改質部材1
4および基材12の線膨張係数の違いから発生する熱衝
撃等による、例えばクラックまたは該表面改質部材14
の剥離といった様々な現象が回避されることになる。
【0030】前記最終段階S4は、得られた表面改質材
10の最終仕上げおよび検査等を施す段階である。本最
終段階S4を経ることで前記表面改質材10は製品とし
て完成する。前述の最終仕上げとして研磨を施し、前記
表面改質部材14上を覆っている充填材16を研磨によ
り取り除き、該表面改質部材14を完全に露出させるよ
うにしてもよい。この作業は、得られた表面改質材10
が耐食性や耐摩耗性に重点をおく場合には必要ないが、
該表面改質材10に精密な寸法精度が要求される場合に
行なわれる。
【0031】
【別の実施例】前述の実施例では、表面改質部材として
表面改質が施される基材が要求する物性を満足する新品
の場合を説明したが、本発明はこれに限らず、該表面改
質部材として、例えば旋盤等の如き、超硬材が好適に使
用されている超硬チップ等の廃棄品を使用してもよい。
この場合、廃棄品をリサイクルして表面改質部材54と
して再利用するので、表面改質材50の製造コストの大
きな低減が可能である。また前記超硬チップは、極微小
のカケが生じても使用不可能となり、かつ再利用分野お
よびルートが殆ど確立されていないので、省資源および
資源の再利用の観点からも極めて有効である。
【0032】前記超硬チップを表面改質部材54として
使用した表面改質材50は、図7および図8に示す如
く、基材52の改質予定面上に夫々所要間隔だけ離間し
た該表面改質部材54を配設したものである。前記表面
改質部材54の形状は、超硬チップの一般的形状である
略正三角形形状であり、前記基材52上への通常の配置
形態は、隣接する該表面改質部材54,54が互いに逆
向きとなるよう、すなわちより多くの該表面改質部材5
4が同一面積内に最も効率よくなるように配置される。
このとき前記表面改質部材54と基材52との間に画成
される隙間58は、前述の実施例と同様に0.1〜0.4
mmに設定され、また該表面改質部材54,54間は、
この表面改質部材54の一辺を100とした場合で、3
〜100の範囲の間隔が設けられる。
【0033】
【更に別の実施例】更に前記基材12と表面改質部材1
4との接合強度を高める構成および方法として、図9お
よび図10に示す如く、前記固定段階S2に先立ち、接
触状態となる該基材12および/または表面改質部材1
4表面にコーティングまたは溶射等公知の手段で可融性
金属層60を付与してもよい。前記可融性金属層60
は、前記基材12および表面改質部材14の溶接接着性
を改善させる効果を奏し、また該基材12にも可融性金
属層60を形成した場合には、該基材12の酸化を回避
して接合強度の低下を抑える効果を奏する。前記可融性
金属層60としては、0.1〜10mmの厚みが好適で
あり、また材質としては、銅系、ニッケル系または鉄系
の合金が好適である。なおこの構成および方法は、前記
表面改質部材14が、金属等の導電性物質であり、電気
溶接によって前記基材12上に固定される場合にだけ採
用可能である。
【0034】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係る表面
改質材およびその製造方法によれば、耐食性または耐摩
耗性等の表面改質作用を発現する表面改質部材同士を互
いに所定間隔離間させると共に、接合させる基材からも
所定間隔離間させ、これにより画成される隙間に充填材
を充填することで、該表面改質部材を3次元的に覆うよ
うにして該基材に対して接合するようにしたので、必要
とされる表面改質作用および高い靱性を併せて発現し得
る効果を奏する。また特定方向からの耐摩耗性等の表面
改質作用に影響を与えることなく、前記表面改質部材で
覆う基材の改質予定面の割合を約80%程度としたの
で、必要とされる該表面改質部材の総量を低減させ得
る。
【0035】更に超硬材が使用され、その廃棄後の再利
用分野が殆ど確立されていない、例えば超硬チップ等の
再使用によっても、同様の効果を発現させ得る。この場
合、表面改質材の製造コストの低減と、再利用した部材
の省資源等とを両立し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る表面改質材を示す
平面図である。
【図2】本発明の好適な実施例に係る表面改質材を一部
切り欠いて示す斜視図である。
【図3】本発明の好適な実施例に係る表面改質材の製造
方法を示す工程図である。
【図4】基材が曲面である場合の該基材と、表面改質部
材との間に画成される隙間を示す断面図である。
【図5】表面改質部材の基材への配置・固定において、
配置板を使用した場合を示す状態図である。
【図6】表面改質部材の基材への配置・固定において、
シート状物を使用した場合を示す状態図である。
【図7】別の実施例に係る表面改質材の平面図である。
【図8】図7に係る表面改質材のA−A断面図である。
【図9】更に別の実施例に係る表面改質材の断面図であ
る。
【図10】図9に係る表面改質材の製造方法を示す工程
図である。
【符号の説明】
12 基材 14 表面改質部材 14a 突起 52 基材 16 充填材 20 隙間 44 シート状物 54 表面改質部材 56 充填材 60 可融性金属層 58 隙間

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐摩耗性等の表面改質が要求される基材
    (12,52)の改質予定面の所定位置に、互いに所定間隔を
    保持して固定される表面改質部材(14,54)と、 前記表面改質部材(14,54)の隣接し合う周囲空間に充填
    され、該表面改質部材(14,54)を前記基材(12,52)の改質
    予定面に対して接合させる充填材(16,56)とから構成し
    たことを特徴とする表面改質材。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記表面改質部材(14,54)に
    おける前記基材(12,52)側の裏側面および全側面が、前
    記充填材(16,56)により接触的に覆われている請求項1
    記載の表面改質材。
  3. 【請求項3】 前記表面改質部材(14,54)および/また
    は基材(12,52)の表面に、可融性金属層(60)が0.1〜1
    0mmの範囲で積層されている請求項1または2記載の
    表面改質材。
  4. 【請求項4】 前記表面改質部材(14,54)は、幾何学的
    形状をなす多角形であって、その多角形の最大長さ方向
    の最大長さと、この方向に交差する方向の最大長さとの
    比が100:10〜100:100の範囲内にある請求
    項1〜3の何れかに記載の表面改質材。
  5. 【請求項5】 前記表面改質部材(14,54)における相互
    間の距離は、前記最大長さ方向の最大長さを100とし
    た場合に、0.3〜100の範囲にある請求項4記載の
    表面改質材。
  6. 【請求項6】 前記表面改質部材(14)は、矩形をなすと
    共に規則的に配列され、長手方向の長さと短手方向の長
    さとの比が100:10〜100:100の範囲内にあ
    る請求項1〜3の何れかに記載の表面改質材。
  7. 【請求項7】 前記表面改質部材(14)における相互間の
    距離は、前記短手方向の長さを100とした場合に、3
    〜100の範囲にある請求項6記載の表面改質材。
  8. 【請求項8】 前記表面改質部材(14,54)と前記基材(1
    2)との間に設けられる隙間(20,58)の間隔は、0.1〜
    0.4mmの範囲に設定される請求項1〜7の何れかに
    記載の表面改質材。
  9. 【請求項9】 前記隙間(20)は、前記表面改質部材(14)
    における基材(12)改質予定面側の所定位置に設けた複数
    の突起(14a)により画成される請求項8記載の表面改質
    材。
  10. 【請求項10】 前記表面改質部材(14,54)は、炭化タ
    ングステン系合金または炭化クロム系合金からなる請求
    項1〜9の何れかに記載の表面改質材。
  11. 【請求項11】 前記充填材(16,56)は、Ni-Bronds系
    またはNi-Cr系合金からなる請求項1〜10の何れ
    かに記載の表面改質材。
  12. 【請求項12】 前記表面改質部材(54)は、必要とされ
    る物性を有する、例えば超硬チップ等の再生品からなる
    請求項1〜11の何れかに記載の表面改質材。
  13. 【請求項13】 複数の表面改質部材(14,54)を表面改
    質が施される基材(12,52)の改質予定面に対して互いに
    所定間隔だけ離間させる共に、前記基材(12,52)からも
    所定間隔だけ離間させることで隙間(20,58)が画成され
    るよう配設・固定し、 次いで前記表面改質部材(14,54)の相互間を介して前記
    隙間(20,58)に充填材(16,56)を充填して、該表面改質部
    材(14,54)と前記基材(12,52)の改質予定面とを接合する
    と共に、隣接し合う該表面改質部材(14,54)同士を接合
    させるようにしたことを特徴とする表面改質材の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 前記表面改質部材(14,54)の配設・固
    定に先立ち、該表面改質部材(14,54)および/または基
    材(12,52)の表面に、0.1〜10mmの範囲で可融性金
    属層(60)を積層させる請求項13記載の表面改質材の製
    造方法。
  15. 【請求項15】 前記充填材(16,56)の充填は、温度7
    20〜850℃、真空度10-4〜10-6mbarの条件
    で行なわれる請求項13または14記載の表面改質材の
    製造方法。
  16. 【請求項16】 前記充填材(16,56)は、パウダー溶射
    により充填される請求項13〜15の何れかに記載の表
    面改質材の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記表面改質部材(14,54)の前記基材
    (12,52)表面への固定は、電気溶接で行なわれる請求項
    13〜16の何れかに記載の表面改質材の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記表面改質部材(14)は、前記基材(1
    2)における改質予定面の取り付け位置に対応可能なシー
    ト状物(44)に貼着されている請求項13〜17の何れか
    に記載の表面改質材の製造方法。
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