JP2002220653A - コーティング構造及びコーティング方法 - Google Patents

コーティング構造及びコーティング方法

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JP2002220653A JP2001018348A JP2001018348A JP2002220653A JP 2002220653 A JP2002220653 A JP 2002220653A JP 2001018348 A JP2001018348 A JP 2001018348A JP 2001018348 A JP2001018348 A JP 2001018348A JP 2002220653 A JP2002220653 A JP 2002220653A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コーティング層に生じる応力を緩和し、金属
母材からコーティング層が剥がれたりコーティング層が
割れるのを抑制することを目的とする。 【解決手段】 金属母材1をセラミックスのコーティン
グ層2により被覆するコーティング構造であって、コー
ティング層2は、セラミックスの密度が高い密部4とセ
ラミックスの密度が低い粗部5とで構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属母材の表面を
被覆するセラミックスのコーティング構造、及び金属母
材の表面に溶融状態のセラミックスを吹き付けることに
よりコーティング層を形成するコーティング方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、金属部材の耐熱性や耐摩耗性な
どを向上させるために、金属表面にセラミックスのコー
ティングを施すことが行われている。このセラミックス
のコーティングは、母材である金属表面に向けて溶融状
態のセラミックスを吹き付けるといった溶射により実施
され、溶射技術としては融点の高いセラミックスを溶融
させるためにプラズマ溶射等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、セラミ
ックスの溶射によってコーティングを形成する際、溶射
によってコーティング層内には微少な気孔を有してお
り、セラミックスが硬化するに従って収縮し、コーティ
ング層に生じる大きな応力によってついには金属母材か
らコーティング層が剥がれたり、コーティング層が割れ
てしまう場合があるといった問題点を有している。ま
た、金属母材にコーティング層が形成された後であって
も、温度変化の大きい環境下で使用されると、金属母材
よりセラミックスの熱膨張率が小さいことに起因してコ
ーティング層に大きな応力が生じ、前記と同様に金属母
材からコーティング層が剥がれたり、コーティング層が
割れてしまう可能性を有している。特に、コーティング
層を厚く形成したときは、コーティング層の剥がれや割
れの問題が顕著となる。
【0004】本発明は、以上の課題を解決するものであ
り、コーティングの形成時や温度変化の大きい環境下で
の使用に際してコーティング層に生じる応力を緩和し、
金属母材からコーティング層が剥がれたりコーティング
層が割れるのを抑制することができるコーティング構造
及びコーティング方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、請求項1に係る発明は、金属母材をセラミックス
のコーティング層により被覆するコーティング構造であ
って、コーティング層は、セラミックスの密度が高い密
部とセラミックスの密度が低い粗部とで構成されること
を特徴とする。このコーティング構造では、コーティン
グ層が密部と粗部とで構成されるため、コーティング層
に応力が生じた場合、強度が低い粗部が伸縮することで
対応し、コーティング層に生じる応力を緩和する。従っ
て、コーティング層の形成時や温度変化の大きい環境下
で使用した場合であっても、金属母材からコーティング
層が剥がれたりコーティング層が割れるのを抑制するこ
とが可能となる。
【0006】請求項2に係る発明は、請求項1のコーテ
ィング構造において、粗部が、コーティング層の使用環
境に応じて所定間隔で形成されることを特徴とする。こ
のコーティング構造では、粗部がコーティング層の使用
環境に応じて所定間隔で形成されるため、密部によるコ
ーティング層の強度を確保しつつ、コーティング層に生
じる応力を粗部によって効率よく緩和し、コーティング
層が剥がれたり割れるのをより一層抑制することが可能
となる。
【0007】請求項3に係る発明は、金属母材に溶融状
態のセラミックスを吹き付けることによりコーティング
層を形成するコーティング方法であって、コーティング
層に、セラミックスの密度が高い密部とセラミックスの
密度が低い粗部とを形成することを特徴とする。このコ
ーティング方法では、コーティング層に密部と粗部とを
形成するので、コーティング層に応力が生じた場合、強
度が低い粗部が伸縮してコーティング層に生じる応力を
緩和し、コーティング層が剥がれたり割れるのを抑制す
ることが可能となる。
【0008】請求項4に係る発明は、請求項3のコーテ
ィング方法において、密部及び粗部が、セラミックスの
吹き付け角度、前記金属母材までの距離、吹き付け速
度、プラズマの電圧、のうち1つ以上を変更することに
よりそれぞれ形成されることを特徴とする。このコーテ
ィング方法では、密部及び粗部をセラミックスの吹き付
け角度等を変更することによりそれぞれ形成するため、
これら密部及び粗部を確実に形成することが可能とな
る。
【0009】請求項5に係る発明は、請求項3のコーテ
ィング方法において、密部及び粗部が、移動マスクに形
成された移動スリットを介してセラミックスを吹き付け
る場合に、該移動マスクをステップ移動させることによ
りそれぞれ形成されることを特徴とする。このコーティ
ング方法では、スリットを通過して直進するセラミック
スが吹き付けられた密部と、スリットから多少拡がって
セラミックスが吹き付けられた粗部とを形成するため、
これら密部及び粗部を容易に形成することが可能とな
り、さらに、移動マスクのステップ移動距離を調整する
ことにより、密部と粗部との配置を容易に調整すること
が可能となる。
【0010】請求項6に係る発明は、請求項3のコーテ
ィング方法において、密部及び粗部が、固定マスクに形
成された複数の固定スリットを介してセラミックスを吹
き付けることによりそれぞれ形成されることを特徴とす
る。このコーティング方法では、複数のスリットを有す
る固定マスクを用いることで、スリットを通過して直進
するセラミックスが吹き付けられた密部と、スリットか
ら多少拡がってセラミックスが吹き付けられた粗部とが
同時に形成されるため、これら密部及び粗部を容易に形
成することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態につき図面を参
照して説明する。図1は本発明に係るコーティング構造
を示す斜視断面図である。図1に示すように、このコー
ティング構造は、チタン−アルミ合金やチタン−ニッケ
ル合金などの金属母材1の表面にセラミックスのコーテ
ィング層2が施されたものであり、これら金属母材1と
コーティング層2との間には両者を接合するためのボン
ドコーティング層3が設けられている。
【0012】コーティング層2は、図1に示すように、
密部4と粗部5とが所定間隔で交互に配された状態で構
成されている。密部4は、セラミックスが密に吹き付け
られた領域であって比較的高い強度を有し、一方、粗部
5は、セラミックスが粗く吹き付けられた領域であって
ポーラスを多く含むことにより比較的低い強度を有して
いる。これら密部4と粗部5は交互に形成されており、
広い領域を有する密部4に対して粗部5の領域を狭くし
て、強度が高い密部4の領域を広く確保することでコー
ティング層2全体の強度を確保している。
【0013】また、粗部5の間隔は任意であり、コーテ
ィング層2の使用環境によって任意に設定可能である。
例えば、温度変化の大きな環境下で用いるものでは粗部
5の間隔を小さくして粗部5による応力緩和を優先し、
一方、温度変化の小さな環境下で用いるものでは粗部5
の間隔を大きくして密部4による強度確保を優先しても
よい。さらに、粗部5の間隔を部分的に変化させること
も可能であり、例えば、コーティング層2のうち温度変
化が大きな部分で間隔を狭くし、温度変化が小さい部分
で間隔を広くしてもよい。
【0014】なお、コーティング層2は、密部4を粗部
5で囲んだ状態で構成されるのが好ましい。これは、密
部4を粗部5で囲むことにより、コーティング層2のい
ずれの面方向に応力が生じたときでも粗部5の伸縮によ
って対応できるからである。そして、複数の密部4それ
ぞれを粗部5で囲むことにより、コーティング層2全体
としては粗部5が網目状に形成されることになる。な
お、この網目状としては格子状やハニカム状など任意で
ある。
【0015】ボンドコーティング層3は、金属とセラミ
ックスとの中間の性状を持つものが用いられ、金属母材
1とコーティング層2(セラミックス)とを接着させる
とともに、金属母材1の酸化等を防止するために形成さ
れている。なお、ボンドコーティング層3を設けるか否
かは任意である。
【0016】以上のように構成されたコーティング構造
では、コーティング層2が密部4と粗部5とで構成され
るため、コーティング層2に対して面方向の応力が生じ
た場合、強度が低い粗部5が伸縮して(例えば粗部5に
亀裂が生じるだけで)コーティング層2に生じる応力を
緩和することになる。従って、コーティングの形成時や
温度変化の大きい環境下で使用することで金属母材1と
コーティング層2との熱膨張率の差からコーティング層
2に応力が生じたときでも、金属母材1から(ボンドコ
ーティング層3から)コーティング層2が剥がれたりコ
ーティング層2が割れるのを抑制することができる。
【0017】次に、このようなコーティング構造を形成
するためのコーティング方法について説明する。その方
法の1つとして、セラミックスを吹き付ける条件を変更
することにより密部4と粗部5とを形成する方法があ
る。例えば、セラミックスを溶射するときに溶射角度を
変更する方法や、溶射元となる溶射ガンと金属母材1と
の相対距離を変更する方法、溶射速度を変更する方法、
プラズマ溶射を用いる場合のプラズマ電圧を変更する方
法、などがある。また、これらの方法を組み合わせても
よい。
【0018】このうち、溶射角度を変更する方法では、
密部4の形成時に溶射角度を金属母材1に対してほぼ垂
直に向け、また粗部5の形成時に傾けるようにする。こ
れにより、金属母材1に対してほぼ垂直に当てられたセ
ラミックスは密状態となって密部4を形成し、また傾け
て当てられたセラミックスはポーラスを多く含んだ粗状
態となって粗部5を形成する。なお、傾ける角度によっ
てポーラス含有比率が変化するため、粗部5の強度を溶
射角度によって容易に制御可能となる。
【0019】溶射ガンと金属母材1との距離を変更する
方法では、密部4の形成時に相対距離を短くして両者を
近づけ、また粗部5の形成時に相対距離を長くして両者
を離すようにする。これにより、相対距離が短いときは
セラミックスが拡がる前に勢いよく金属母材1にぶつか
ることで密状態となって密部4を形成し、また相対距離
が長いときはセラミックスが若干拡がりつつ勢いがやや
失われて金属母材1にぶつかることでポーラスを多く含
んだ粗状態となって粗部5を形成する。なお、密部4及
び粗部5のそれぞれに必要な強度は相対距離を調節する
ことで任意に設定できる。
【0020】溶射速度を変更する方法では、密部4の形
成時にセラミックスの溶射速度(吹き付け速度)を速く
し、また粗部5の形成時に溶射速度を遅くするようにす
る。これにより、溶射速度が速いときはセラミックスが
勢いよく金属母材1にぶつかることで密状態となって密
部4を形成し、また溶射速度が遅いときは金属母材1に
セラミックスが弱くぶつかることでポーラスを多く含ん
だ粗状態となって粗部5を形成する。なお、密部4及び
粗部5のそれぞれに必要な強度は溶射速度を調節するこ
とで任意に設定できる。
【0021】プラズマ溶射を用いる場合のプラズマ電圧
を変更する方法では、密部4の形成時にプラズマ電圧を
高くし、また粗部5の形成時にプラズマ電圧を低くする
ようにする。これにより、プラズマ電圧が高いときは多
くのプラズマガスがプラズマ化することによりセラミッ
クスの溶融状態を向上させ、この溶融セラミックスが金
属母材1にぶつかることで密状態となって密部4を形成
し、またプラズマ電圧が低いときはプラズマガスのプラ
ズマ化が低減され、セラミックスの溶融状態が悪化する
ことでポーラスを多く含んだ粗状態となって粗部5を形
成する。なお、密部4及び粗部5のそれぞれに必要な強
度はプラズマ電圧を調節することで任意に設定できる。
【0022】図2及び図3は、図1に示すようなコーテ
ィング構造を容易かつ確実に形成するためのコーティン
グ方法を示す工程図である。先ず、図示しないが金属母
材1の表面にボンドコーティング層3を溶射等により形
成する。ただし、前記のとおり、ボンドコーティング層
3を設けるか否かは任意である。次に、図3(a)に示
すように、金属母材1(ボンドコーティング層3)に対
峙して溶射装置7が配置されるとともに、両者間には矩
形状の移動スリット7aを備えた移動マスク7が設置さ
れる。移動マスク7としては、金属製や樹脂製の板材が
用いられる。
【0023】そして、図3(a)に示すように、移動ス
リット7aを金属母材1の所定箇所に対応させた状態で
移動マスク7をセットするとともに、溶射装置6を駆動
してセラミックスを溶射する。このとき、移動スリット
7aに対応する中心領域4aにはセラミックスが溶射装
置6から勢いよく吹き付けられるため密度の高い状態と
なり、後に密部4となる。一方、中心領域4aの周りの
周辺領域5aは移動スリット7aから外れて位置してお
り、この周辺領域5aには移動スリット7aの縁部を通
過したセラミックスが若干拡がって吹き付けられるにす
ぎないため、ポーラスを多く含み、後に粗部5となる。
【0024】続いて、図3(b)に示すように、移動マ
スク7を移動スリット7aの幅とほぼ同一の距離までス
テップ移動させて(ずらして)その位置に保持するとと
もに、溶射装置6を駆動してセラミックスを溶射する。
前回の溶射時と同様、移動スリット7aに対応する中心
領域4aにはセラミックスが溶射装置6から勢いよく吹
き付けられ、一方、周辺領域5aには移動スリット7a
の縁部を通過したセラミックスが若干拡がって吹き付け
られる。このとき、周辺領域5aでは、隣り合う周辺領
域5aに重なった状態でセラミックスが吹き付けられ
る。
【0025】以上のような、移動マスク7のステップ移
動と、セラミックスの溶射とを繰り返すことにより、図
2に示すように、金属母材1表面にセラミックスのコー
ティング層2が形成される。そして、このコーティング
層2は、広い密部4と、狭い粗部5とが交互に形成され
た状態となる。このように、移動マスク7のステップ移
動及びセラミックスの溶射といった手順によりコーティ
ング層2を形成するので、密部4及び粗部5を容易かつ
確実に形成することができる。
【0026】なお、図2及び図3では、溶射装置6から
のセラミックスの吹き付け径が比較的大きい場合であっ
て、セラミックスが移動スリット7aの幅いっぱいに吹
き付けられる形態が図示されている。これに代えてセラ
ミックスの吹き付け径が小さい場合は、溶射装置6を移
動マスク7及び金属母材1に対して相対的に移動させて
溶射することで対応可能である。この場合でも、移動ス
リット7aに対応する中心領域4a及び周辺領域5aは
同様である。
【0027】なお、移動スリット7aの形状及び大きさ
は任意であり、さらに移動スリット7aの開口大きさを
変更できるような絞り機能を付加してもよい。また、密
部4の幅は移動スリット7aの幅を変えることで調節で
き、また粗部5の幅は移動マスク7のステップ移動距離
を変更することにより調節できる。
【0028】図4及び図5は、他のコーティング方法を
示す工程図である。なお、金属母材1の表面にボンドコ
ーティング層3を溶射等により形成する点、ボンドコー
ティング層3を設けるか否かは任意である点は前記と同
様である。次に、図5に示すように、金属母材1(ボン
ドコーティング層3)に対峙して溶射装置7が配置され
るとともに、両者間には矩形状の複数の固定スリット8
a,8b,8cを備えた固定マスク8が設置される。固
定マスク8としては、金属製や樹脂製の板材が用いら
れ、また複数の固定スリット8a等は、後述する周辺領
域5aの幅を考慮した間隔で配列されている。
【0029】そして、図5に示すように、セットされた
固定マスク8の上方で溶射装置6を駆動し、セラミック
スを溶射するとともに、複数の固定スリット8a〜8c
にわたって溶射装置6を固定マスク8及び金属母材1に
対して相対的に移動させる。このとき、固定スリット8
a等に対応する中心領域4aにはセラミックスが溶射装
置6から勢いよく吹き付けられるため密度の高い状態と
なり、後に密部4となる。一方、中心領域4aの周りの
(すなわち固定スリット8aと8bとの間等に対応する
箇所)周辺領域5aは固定スリット8a等から外れて位
置しており、この周辺領域5aには固定スリット8a等
の縁部を通過したセラミックスが若干拡がって吹き付け
られることによりポーラスを多く含み、後に粗部5とな
る。なお、周辺領域5aでは、隣り合う固定スリット8
a等の縁部を通過したセラミックスが重なった状態で吹
き付けられるが、いずれもポーラスを多く含むため後に
粗部5となることに変わりない。
【0030】以上のような、固定マスク8上方での溶射
装置6の相対的な移動により、図4に示すように、金属
母材1表面にセラミックスのコーティング層2が形成さ
れる。そして、このコーティング層2は、広い密部4
と、狭い粗部5とが交互に形成された状態となる。この
ように、固定マスク8上方での溶射装置6の移動といっ
た手順によりコーティング層2を形成するので、密部4
及び粗部5を容易かつ確実に形成することができる。
【0031】なお、固定スリット8a等の形状及び大き
さは任意であり、また、各固定スリット8a等の形状及
び大きさが同一であることに限定されない。さらに各固
定スリット8a等の開口大きさを変更できるような絞り
機能を付加してもよい。また、密部4の幅や粗部5の幅
は、各固定スリット8a等の幅、隣り合う固定スリット
8a等の間隔の幅を変えることで調節できる。
【0032】なお、前記実施の形態において示した各構
成部分の諸形状や組み合わせ、並びに手法等は一例であ
って、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要
求等に基づき種々変更可能である。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係るコ
ーティング構造は、コーティング層が密部と粗部とで構
成されるため、コーティング層に応力が生じた場合、強
度が低い粗部が伸縮することで対応し、コーティング層
に生じる応力を緩和する。従って、コーティング層の形
成時や温度変化の大きい環境下で使用した場合であって
も、金属母材からコーティング層が剥がれたりコーティ
ング層が割れるのを抑制することができる。請求項2に
係るコーティング構造は、粗部がコーティング層の使用
環境に応じて所定間隔で形成されるため、密部によるコ
ーティング層の強度を確保しつつ、コーティング層に生
じる応力を粗部によって効率よく緩和し、コーティング
層が剥がれたり割れるのをより一層抑制することができ
る。
【0034】請求項3に係るコーティング方法は、コー
ティング層に密部と粗部とを形成するので、コーティン
グ層に応力が生じた場合、強度が低い粗部が伸縮してコ
ーティング層に生じる応力を緩和し、コーティング層が
剥がれたり割れるのを抑制することができる。請求項4
に係るコーティング方法は、密部及び粗部をセラミック
スの吹き付け角度等を変更することによりそれぞれ形成
するため、これら密部及び粗部を確実に形成することが
できる。請求項5に係るコーティング方法は、スリット
を通過して直進するセラミックスが吹き付けられた密部
と、スリットから多少拡がってセラミックスが吹き付け
られた粗部とを形成するため、これら密部及び粗部を容
易に形成することが可能となり、さらに、移動マスクの
ステップ移動距離を調整することにより、密部と粗部と
の配置を容易に調整することができる。請求項6に係る
コーティング方法は、複数のスリットを有する固定マス
クを用いることで、スリットを通過して直進するセラミ
ックスが吹き付けられた密部と、スリットから多少拡が
ってセラミックスが吹き付けられた粗部とが同時に形成
されるため、これら密部及び粗部を容易に形成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るコーティング構造の実施形態を
示す斜視断面図である。
【図2】 本発明に係るコーティング方法を示す斜視図
である。
【図3】 図2のコーティング方法を示す工程図であっ
て、(a)はステップ移動前の溶射時、(b)はステッ
プ移動後の溶射時である。
【図4】 本発明に係る他のコーティング方法を示す
斜視図である。本発明に係るコーティング構造の実施形
態を示す斜視断面図である。
【図5】 図4のコーティング方法を示す工程図であ
る。
【符号の説明】
1 金属母材 2 コーティング層 3 ボンドコーティング層 4 密部 5 粗部 6 溶射装置 7 移動マスク 7a 移動スリット 8 固定マスク 8a,8b,8c 固定スリット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属母材をセラミックスのコーティング
    層により被覆するコーティング構造であって、 前記コーティング層は、セラミックスの密度が高い密部
    とセラミックスの密度が低い粗部とで構成されることを
    特徴とするコーティング構造。
  2. 【請求項2】 前記粗部は、前記コーティング層の使用
    環境に応じて所定間隔で形成されることを特徴とする請
    求項1記載のコーティング構造。
  3. 【請求項3】 金属母材に溶融状態のセラミックスを吹
    き付けることによりコーティング層を形成するコーティ
    ング方法であって、 前記コーティング層に、セラミックスの密度が高い密部
    とセラミックスの密度が低い粗部とを形成することを特
    徴とするコーティング方法。
  4. 【請求項4】 前記密部及び前記粗部は、セラミックス
    の吹き付け角度、前記金属母材までの距離、吹き付け速
    度、プラズマの電圧、のうち1つ以上を変更することに
    よりそれぞれ形成されることを特徴とする請求項3記載
    のコーティング方法。
  5. 【請求項5】 前記密部及び前記粗部は、移動マスクに
    形成された移動スリットを介してセラミックスを吹き付
    ける場合に、該移動マスクをステップ移動させることに
    よりそれぞれ形成されることを特徴とする請求項3記載
    のコーティング方法。
  6. 【請求項6】 前記密部及び前記粗部は、固定マスクに
    形成された複数の固定スリットを介してセラミックスを
    吹き付けることによりそれぞれ形成されることを特徴と
    する請求項3記載のコーティング方法。
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