JP2002348567A - 防菌・防黴・防蟻性木材用水系撥水剤及びその製造方法 - Google Patents

防菌・防黴・防蟻性木材用水系撥水剤及びその製造方法

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JP2002348567A JP2001159793A JP2001159793A JP2002348567A JP 2002348567 A JP2002348567 A JP 2002348567A JP 2001159793 A JP2001159793 A JP 2001159793A JP 2001159793 A JP2001159793 A JP 2001159793A JP 2002348567 A JP2002348567 A JP 2002348567A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)(R1a(OR2bSiO
(4-a-b)/2 (R1はアルキル基、R2はアルキル基、aは0.75〜
1.5、bは0.2〜3で、かつ0.9<a+b≦4.
0。)で示される有機ケイ素化合物と、 (B)R34NR5−SiR6 n(OR23-n (R3、R4はH、アルキル基又はアミノアルキル基、R
5は2価炭化水素基、R6はアルキル基、nは0又は
1。)で示されるアミノ基含有アルコキシシラン又はそ
の部分加水分解物と、 (C)[(CH327N(CH23−SiR6 n(O
23-n+- (R7は1価炭化水素基、nは0又は1。)で示される
4級アミノ基含有アルコキシシラン又はその部分加水分
解物と、 (D)ホウ酸化合物を有機酸又は無機酸の存在下で共加
水分解縮合させたものを含むことを特徴とする防菌・防
黴・防蟻性木材用水系撥水剤。 【効果】 本発明で得られる水系撥水剤は、優れた水溶
性と保存安定性を有し、水に希釈するだけで木材に対す
る撥水剤として使用でき、木材に塗布又は含浸して優れ
た撥水性、防菌・防黴性、防蟻性を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材に防菌・防黴
性及び防蟻性を簡単に付与可能であり、更に撥水性をも
付与できる操作性・安全性に優れた水系の処理剤及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
木材などの建築材料に寸法安定性や撥水性を付与する方
法としては、シリコーン系、アクリル系、ウレタン系、
エステル系、油脂系の樹脂或いはモノマーを溶解させた
ものを材料に塗布・含浸させ、乾燥する方法が知られて
いる。これらの中ではシリコーン系のものが多く使われ
ており、特に溶剤希釈型のシリコーン系撥水剤が主流を
占めている。
【0003】しかしながら、溶剤希釈型では火災、爆
発、中毒などの危険性があり、また地球環境の保護や資
源の活用の面からも溶剤を使用しない撥水剤の開発が望
まれており、特に高性能の水系撥水剤の開発が強く望ま
れている。
【0004】最近、水系撥水剤としては、特開平1−2
92089号公報、特開平5−156164号公報、特
開平5−221748号公報にアルキルトリアルコキシ
シランを水中乳化させた長期安定なエマルジョンが開示
されている。しかし、このエマルジョンには加水分解反
応の非常に遅いアルコキシシランが使用されているた
め、材料へ塗布した場合、含浸性はよいものの、材料表
面でのシランの揮散が起り、表面撥水性がなくなり、水
濡れ、汚れの付着、凍害によるポップアップなどが生
じ、耐久性の面で欠点がある上、外観が乳白色であるな
どの問題点もある。
【0005】一方、上記のようなエマルジョンタイプの
ものでない均一水溶液タイプのものが特開昭61−16
2553号公報、特開平4−249588号公報或いは
特許第2740454号公報に開示されている。これら
は水で希釈する際に透明な混合物を生じさせた組成物で
ある。
【0006】しかし、上記特開昭61−162553号
公報の組成物は、水で希釈すると重合反応が速く進行す
るため、保存安定性が悪く、希釈後1日以内に使用しな
ければならず、実使用に耐えない。更に、重合反応が速
いので、分子量が大きくなって材料への含浸性が悪くな
り、ひいては材料表面に濡れ斑を発生するという欠点が
ある。
【0007】また、特開平4−249588号公報の組
成物は、水溶性アミノ基含有カップリング剤と炭素鎖の
短いアルキルトリアルコキシシランからなっており、保
存安定性には優れているが、撥水成分としては低級のア
ルキル基しかないためか、撥水性に劣るという欠点があ
る。更に、アミノ基含有カップリング剤成分がアルキル
アルコキシシラン成分よりも過剰[アルキルアルコキシ
シラン成分/アミノ基含有カップリング剤成分=0.5
〜3/10〜1(モル比)]なため、木材の黄変が著し
い等の問題点も有している。
【0008】特許第2740454号公報には塩基性窒
素含有オルガノポリシロキサンの塩と撥水性作用物質と
水との組成物による撥水剤が開示されているが、撥水性
を付与するため、撥水性作用物質を塩基性窒素含有オル
ガノポリシロキサンの塩100重量部に対して50重量
部以上も添加しなければ撥水性が付与されず、コスト的
にも有利ではない。また単に両成分を混合しているだけ
なので、撥水性成分が中性基材である木材などのセルロ
ースのOH基と反応しづらいためか、あまり撥水性能が
よくないという欠点があった。更に撥水性作用物質が水
中で安定でないため、保存安定性が悪く、実使用に耐え
ない。
【0009】また、本発明者らは、上記問題点を解決す
べく、特開平9−77780号公報において、炭素数7
〜18のアルキルアルコキシシランとアルコキシ基含有
シロキサンとアミノ基含有アルコキシシランとの共加水
分解物からなるものを提案したが、特に木材に対して長
鎖のアルキルシランを使用しているにも拘らず、撥水性
は弱く、また紙や繊維製品又は木材等に処理した場合、
黄変がやや激しいなどの問題があった。
【0010】従って、上記撥水剤は、特に木材に対して
はいずれも満足な性能を有するとは言い難いものであっ
た。
【0011】また、木材用として現在使用されている防
腐(防菌・防黴性)処理の中で、古くから用いられてい
るものの一つにクレオソート油がある。これの主成分は
芳香族炭化水素であり、無数の化合物を含む混合物であ
る。クレオソート油防腐処理木材の用途は枕木や電柱な
どであり、木材防腐剤としては安価で浸透性がよく、防
腐効力に優れているなどの長所を有する反面、悪臭や
眼、皮膚への刺激などの問題があった。また、溶脱して
周辺の土壌などを汚染したり、河川等への流出による魚
類などへの魚毒性の問題など、環境に与える負荷は避け
難い。
【0012】現在最も多く使用されているエクステリア
ウッドは、CCA加圧注入処理木材であり、CCAは基
剤として銅(Cu)、クロム(Cr)、ヒ素(As)を
含む水溶性の薬剤で、処理木材の性能は大変優れてお
り、世界中で広く使用されている。しかしながら、クロ
ム、ヒ素といった元素が含まれているため、処理剤の安
全性について懸念され、既に使用を制限している国もあ
る。また、CCA処理木材が公園や校庭の遊具に多く使
用され、皮膚接触による生体への影響も危惧されてい
る。更に経口毒性に関しては、乳幼児用の屋外遊具とし
ての使用を考えると、十分にその毒性を考慮する必要が
ある。一方、近年酸性雨が世界的な環境破壊の原因とし
て問題となっているが、CCA処理木材の成分が酸性雨
によって溶出することが予想される。更に、CCA処理
木材が廃棄で焼却される際には、CCA成分からヒ素化
合物が三酸化二ヒ素として昇華し、大気中に放出される
と同時に、微粒子として銅やクロムの酸化物が放出され
る。従って、安全上の立場からEPA(米国環境保護
庁)は廃棄した処理材を焚火や暖炉に用いてはならない
とし、また英国では処理材を野外裸火する場合には、人
家より100m以上離れることが要求されている。
【0013】このようにクレオソート油とCCAは環境
への負荷が大きく、地球環境の諸問題がクローズアップ
されてきた昨今、これらの使用には十分な配慮が必要で
ある。そこで、注入用保存薬剤として急激にそのシェア
を伸ばしているのがDDAC(ジデシルジメチルアンモ
ニウムクロリド)である。これは金属塩を含んだもの
で、CCAにおいて懸念されている廃棄の問題がクリア
されることで、その需要が増大しているものとみられ
る。しかしながら、その効力の持続性には問題があり、
半永久的な木材中への固定は実現していない。このほ
か、表面処理用防腐剤としてのナフテン酸金属塩は加圧
注入用薬剤として多く用いられており、安全性の高い薬
品として知られているが、ここでも効力の持続性に問題
があり、主に土台処理用として使用されている(木材科
学講座5,環境,海青社,1995)。一方、昨夏の病
原性大腸菌O−157による集団食中毒の発生でみられ
るように、防菌・防黴性、殺菌性などに対する社会的要
求は著しく高く、その半永久的な効果の持続と安全性を
保持した材料や処理剤の開発が急務である。
【0014】そのため、本発明者らは、特開平11−7
0507号公報において防菌・防黴性に優れた無機質複
合化木材を提案したが、これは防蟻性等が十分満足する
ものではなかった。
【0015】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あり、木材への含浸性、寸法安定性及び撥水性付与効果
に優れ、水系撥水剤として好適に利用することができ、
同時に防菌・防黴性及び防蟻性をも簡単に付与可能であ
り、安全性にも優れた水系撥水剤及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた
結果、(A)下記一般式(1) (R1a(OR2bSiO(4-a-b)/2 (1) (但し、式中R1は炭素原子数1〜6のアルキル基、R2
は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、aは0.75
〜1.5、bは0.2〜3で、かつ0.9<a+b≦
4.0を満足する正数である。)で示される有機ケイ素
化合物100重量部と、(B)下記一般式(2) R34NR5−SiR6 n(OR23-n (2) (但し、式中R2は上記と同様であり、R3、R4はそれ
ぞれ水素原子、同一もしくは異種の炭素原子数1〜15
のアルキル基又はアミノアルキル基、R5は炭素原子数
1〜18の2価炭化水素基、R6は炭素原子数1〜4の
アルキル基である。nは0又は1である。)で示される
アミノ基含有アルコキシシラン又はその部分加水分解物
0.5〜49重量部と、(C)下記一般式(3) [(CH327N(CH23−SiR6 n(OR23-n+- (3) (但し、式中R2、R6は上記と同様であり、R7は炭素
原子数11〜22の1価炭化水素基である。nは0又は
1である。)で示される4級アミノ基含有アルコキシシ
ラン又はその部分加水分解物0.1〜10重量部と、
(D)ホウ酸化合物0.1〜10重量部を有機酸又は無
機酸の存在下で共加水分解縮合させることにより得られ
る成分を含む水系撥水剤、特に更に系からアルコール含
有量が30重量%以下になるようにアルコールを除去す
ることにより得られる水系撥水剤は、驚くべきことにア
ミノ基含有アルコキシシラン成分が短鎖アルキルトリア
ルコキシシラン或いはアルコキシ基含有シロキサンに対
して少ないにも拘らず、それ自体が水溶性で水溶解時の
均一性に優れ、単に使用時に水で希釈するだけで利用で
き、しかも水で希釈後の保存安定性もよい上、木材への
浸透性がよく、撥水耐久性、寸法安定性を向上し得、か
つ木材に処理した場合もアミノ基含有アルコキシシラン
成分が少ないため黄変が低く抑えられること、また従来
撥水性付与のため必要であった長鎖アルキルシラン成分
が不必要なため、これにかかるコストを抑えることが可
能なため、経済的にも有利であり、更に4級アミノ基も
同時に固定化されるため、防菌・防黴性を付与でき、ま
た防蟻性のあるホウ酸化合物もシリコーンマトリックス
によりしっかり抑え込まれることにより、安定した防蟻
性も付与可能であることを見出した。
【0017】つまり、この水系撥水剤は、木材への含浸
性が良好でかつ寸法安定性及び撥水性、撥水耐久性付与
効果に優れ、低コストで製造可能であり、防菌・防黴性
及び防蟻性付与効果にも優れることを知見し、本発明を
なすに至った。
【0018】従って、本発明は、上記(A)〜(D)成
分を有機酸又は無機酸の存在下で共加水分解縮合させた
ものを含むことを特徴とする防菌・防黴・防蟻性木材用
水系撥水剤、及び、(A)成分と(C)成分を有機酸又
は無機酸及びアルコールの存在下で加水分解させ、次に
(B)成分と反応させ、その後(D)成分を加えて溶解
させてから、系内のアルコールを系外に除去することを
特徴とする上記撥水剤を提供する。
【0019】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の水系撥水剤を得るための(A)成分は、下
記一般式(1) (R1a(OR2bSiO(4-a-b)/2 (1) (但し、式中R1は炭素原子数1〜6のアルキル基、R2
は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、aは0.75
〜1.5、bは0.2〜3で、かつ0.9<a+b≦
4.0を満足する正数である。)で示されるアルキルト
リアルコキシシラン或いはアルコキシ基含有シロキサン
である。
【0020】上記式(1)のR1は炭素原子数1〜6、
好ましくは1〜3の1価飽和炭化水素基、好ましくはア
ルキル基である。具体的にはメチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられ、
特にメチル基が好ましい。
【0021】R2は炭素原子数1〜4のアルキル基であ
り、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられ、メチ
ル基、エチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
【0022】このような式(1)の有機ケイ素化合物の
具体例としては、下記化合物を挙げることができる。 CH3Si(OCH33,CH3Si(OC253,C
3Si(OCH(CH323,CH3CH2Si(OC
33,CH3CH2Si(OC253,CH3CH2
i(OCH(CH323,C36Si(OCH33
36Si(OC253,C36Si(OCH(C
323,C49Si(OCH33,C49Si(O
253,C49Si(OCH(CH323,C5
11Si(OCH33,C511Si(OC253,C5
11Si(OCH(CH323,C613Si(OCH
33,C613Si(OC253,C613Si(OC
H(CH3 23
【0023】このように示される各種シランを単独で使
用しても2種類以上の混合物を使用してもよいし、混合
シランの部分加水分解物を使用してもよい。即ち、
(A)成分として当該技術分野において周知であるよう
に、上記シランを部分加水分解縮合したアルコキシ基含
有シロキサンを用いることができる(この場合の部分加
水分解物のケイ素原子数は2〜10、特に2〜4である
ことが好ましい)。また、もう一つの作り方として、水
中で炭素原子数1〜6のアルキルトリクロロシラン単独
又はこれと炭素原子数1〜6のジアルキルジクロロシラ
ン、トリアルキルクロロシランとの混合物と、メタノー
ル又はエタノールとの反応により得られるものであるも
のでもよい(この場合もケイ素原子数が2〜6、特に2
〜4であることが好ましく、また、25℃で300mm
2/S以下の粘度を有しているものが好ましく、特に1
〜100mm2/Sの粘度を有するものが好適であ
る)。
【0024】本発明の(B)成分は、下記一般式(2) R34NR5−SiR6 n(OR23-n (2) (但し、式中R2は上記と同様であり、R3、R4はそれ
ぞれ水素原子、同一もしくは異種の炭素原子数1〜15
のアルキル基又はアミノアルキル基、R5は炭素原子数
1〜18の2価炭化水素基、R6は炭素原子数1〜4の
アルキル基である。nは0又は1である。)で示される
アミノ基含有アルコキシシラン又はその部分加水分解物
である。
【0025】上記式(2)中のR3、R4としては、例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミノ
メチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アミノ
ブチル基等が挙げられる。R5としては、例えばメチレ
ン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアル
キレン基が挙げられる。R6としては、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
【0026】このような上記式(2)のアミノ基含有ア
ルコキシシランの具体例としては、H2N(CH22
i(OCH33,H2N(CH22Si(OCH2
33,H2N(CH23Si(OCH33,H2N(C
23Si(OCH2CH33,CH3NH(CH23
i(OCH33,CH3NH(CH23Si(OCH2
33,CH3NH(CH25Si(OCH33,CH3
NH(CH25Si(OCH2CH33,H2N(C
22NH(CH23Si(OCH33、H2N(C
22NH(CH23Si(OCH2CH33,CH3
H(CH22NH(CH 23Si(OCH33,CH3
NH(CH22NH(CH23Si(OCH2
33,C49NH(CH22NH(CH23Si(O
CH33,C49NH(CH22NH(CH23Si
(OCH2CH33,H2N(CH22SiCH3(OC
32,H2N(CH22SiCH3(OCH2
32,H2N(CH23SiCH3(OCH32,H2
N(CH23SiCH3(OCH2CH32,CH3NH
(CH23SiCH3(OCH32,CH3NH(C
23SiCH3(OCH2CH32,CH3NH(C
25SiCH3(OCH32,CH3NH(CH25
iCH3(OCH2CH32,H2N(CH22NH(C
23SiCH3(OCH 32,H2N(CH22NH
(CH23SiCH3(OCH2CH32,CH3NH
(CH22NH(CH23SiCH3(OCH32,C
3NH(CH22NH(CH23SiCH3(OCH2
CH32,C49NH(CH22NH(CH23SiC
3(OCH32,C49NH(CH22NH(CH2
3SiCH3(OCH 2CH32等が挙げられる。
【0027】これらの中で、特に、N−(2−アミノエ
チル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシ
シランなどが好適に用いられる。
【0028】本発明の(C)成分は、下記一般式(3) [(CH327N(CH23−SiR6 n(OR23-n+- (3) (但し、式中R2、R6は上記と同様であり、R7は炭素
原子数11〜22の1価炭化水素基、特にアルキル基、
アルケニル基などである。nは0又は1である。)で示
される4級アミノ基含有アルコキシシラン又はその部分
加水分解物である。これは木材に処理した場合、木材に
防菌性・防黴性を付与させる成分である。
【0029】上記式(3)のR7は−C1123基、−C
1225基、−C1631基、−C163 3基、−C18
37基、−C2041基、−C2245基等が挙げられる。
【0030】このような上記式(3)の4級アミノ基含
有アルコキシシランの具体例としては、[C1633(C
32N(CH23Si(OCH33+Cl-、[C16
33(CH32N(CH23Si(OCH2CH33+
Cl-、[C1633(CH32N(CH23SiCH
3(OCH32+Cl-、[C1633(CH32N(C
23SiCH3(OCH2CH33+Cl-、[C18
37(CH32N(CH23Si(OCH33+Cl-
[C1837(CH32N(CH23Si(OCH2
33+Cl-、[C1837(CH32N(CH23
iCH3(OCH32+Cl-、[C1837(CH32
N(CH23SiCH3(OCH2CH33+Cl-など
が好適に用いられる。
【0031】本発明の(D)成分のホウ酸化合物は、木
材に処理した場合に、木材に防蟻性を付与するための重
要な成分である。ホウ酸化合物としては、オルトホウ酸
(H 3BO3)、メタホウ酸(HBO2)、四ホウ酸(H2
47)等が例示され、オルトホウ酸(H3BO3)が好
ましい。
【0032】上記(A)及び(B)成分の使用割合は、
(A)成分100部(重量部、以下同じ)に対して
(B)成分0.5〜49部、好ましくは5〜20部であ
る。(B)成分が0.5部未満であると水溶性が弱くな
り、水溶液にした時の安定性が悪くなる。また、(B)
成分が49部を超えると撥水性、長期吸水防止性が悪く
なったり、木材に処理したときに黄変が激しくなる。
【0033】また、モル換算の場合、(A)成分と
(C)成分のSi総量1モルに対して(B)成分0.0
1〜0.3モル、好ましくは0.05〜0.2モルであ
る。(B)成分が0.01モル未満であると水溶性が弱
くなり、水溶液にした時の安定性が悪くなることがあ
る。また、(B)成分が0.3モルを超えると撥水性、
長期吸水防止性が悪くなったり、中性基材に処理したと
きに黄変が激しくなる場合がある。
【0034】また、(C)成分は、(A)成分100部
に対して(C)成分0.1〜10部、好ましくは2〜8
部である。(C)成分が0.1部未満であると防菌性・
防黴性が弱くなり、好ましくない。また、(C)成分が
10部を超えると水溶液安定性が悪くなったり、コスト
的に不利な場合がある。
【0035】更に、(D)成分は、(A)成分100部
に対して(D)成分0.1〜10部、好ましくは2〜8
部である。(D)成分が0.1部未満であると防蟻性が
弱くなる。また、(D)成分が10部を超えると水溶液
安定性や原液安定性が悪くなったりする。
【0036】これら(A)、(B)、(C)及び(D)
成分を用いて水系撥水剤を製造するには、有機酸又は無
機酸の存在下で共加水分解させればよい。この場合、最
初に(A)成分と(C)成分を有機酸或いは無機酸の存
在下で加水分解し、この(A)成分と(C)成分の加水
分解物と(B)成分とを混合し、有機酸或いは無機酸の
存在下、更に加水分解させるのが好ましい。
【0037】まず、(A)成分と(C)成分を加水分解
する際に使用される有機酸及び無機酸としては、例えば
塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、プロピオ
ン酸、クエン酸、シュウ酸及びマレイン酸などから選ば
れる少なくとも1種の酸が用いられるが、特に好適なの
ものは酢酸、プロピオン酸である。この酸の使用量は、
(A)成分100部に対して2〜40部、特に3〜15
部が好適である。
【0038】加水分解の際は適度に溶剤で希釈した状態
で行うのが好ましい。溶剤としては、アルコール系溶剤
が好適であり、特にメタノール、エタノール、イソプロ
ピルアルコール、第三ブチルアルコールが好適である。
この溶剤の使用量は、(A)成分100部に対して50
〜300部、特に70〜200部が好ましい。溶剤の使
用量が50部より少ないと縮合が進んでしまう場合があ
り、また300部を超えると加水分解に時間がかかる場
合がある。
【0039】また、(A)成分と(C)成分を加水分解
させるために加える水量は、(A)成分と(C)成分の
合計1モルに対して0.5〜4モル量、特に1〜3モル
量が好適である。加える水量が0.5モル量より少ない
とアルコキシ基が多く残存してしまう場合があり、4モ
ル量を超えると縮合が進行しすぎる場合がある。
【0040】(A)成分と(C)成分を加水分解させる
際の反応条件は、反応温度10〜40℃、特に20〜3
0℃がよく、反応時間は1〜3時間で加水分解反応させ
るのがよい。
【0041】以上で得られた(A)成分と(C)成分の
加水分解物と(B)成分とを反応させる。なお、反応条
件は、反応温度60〜100℃、反応時間1〜3時間が
好ましい。この反応終了後に(D)成分を系内に添加す
る。
【0042】仮に、(D)成分を(A)成分と(C)成
分の加水分解時に添加して反応させてしまうと、(B)
成分を反応中或いは系内からメタノールを除去中にゲル
化してしまうことがある。また、(D)成分を(B)成
分と共に添加しても、やはり反応中或いは系内からメタ
ノールを除去中にゲル化してしまうことがある。
【0043】そして、(D)成分を混合溶解させた後、
系内のアルコール含有量を30重量%以下となるように
溜去させる。特に好ましくはアルコール含有量を10重
量%以下にするのが好ましい。この時アルコール含有量
が30重量%より多いと、水で希釈した場合、白濁した
り、ゲル化が起こったり、保存安定性が悪くなる場合が
ある。アルコール除去方法は、反応後、溶剤の沸点以上
まで温度を上げ、アルコール溶剤を溜去させたり、減圧
下で溜去させる。極力長い時間熱をかけず、短時間でア
ルコールを溜去するのが好ましい。あまり長い時間熱を
かけると撥水剤の粘度が上昇し、作業性が悪くなった
り、撥水剤自体の保存安定性が悪くなる場合がある。
【0044】上記方法で製造できる反応生成物は、25
℃の粘度が5〜2,000mm2/S、好ましくは50
〜500mm2/Sが好ましい。この粘度が2,000
mm2/Sを超えると作業性が悪くなったり、撥水剤自
体の保存安定性が悪くなったり、水希釈時、溶解しづら
くなることがある。また、撥水剤の重量平均分子量が5
00〜5,000、特に1,000〜2,000の範囲
であることが望ましい。
【0045】本発明の水系撥水剤は、上述した方法で得
られる(A)、(B)、(C)及び(D)成分の共加水
分解縮合反応生成物からなるものであり、水溶液中でう
まく親水部(アミノ基、シラノール基)と疎水部(アル
キルシリル基)が配向し、溶解或いはミセル状になるた
めか、(B)成分が少量でも水溶性が発現する。そのた
め長鎖アルキルシラン成分がなくても撥水性が良好であ
り、また浸透性もよくなり、かつ基材に対する配向性の
ためか、撥水耐久性も向上する。また、水に希釈した際
も、水中での重合反応が抑えられ、保存安定性も向上す
る。更に4級アミノ基が固定化されるために、防菌性・
防黴性が付与され、更にホウ酸化合物もシリコーンマト
リックス中に固定されるため、白蟻などに対して防蟻性
を付与できる。
【0046】本発明の水系撥水剤は、木材、合成木材や
パーチクルボード等の建築材料などの基材に好適に塗布
することができ、また種々の塗料や仕上材のプライマー
としても好適である。
【0047】本発明の水系撥水剤を上記木材に処理する
際は、水にて0.5〜50重量%、好ましくは1〜10
重量%に希釈して使用される。0.5重量%より薄く希
釈されると本来の性能が発揮されないだけでなく、多量
に塗布しなければならないので乾燥に時間を要する場合
があり、また50重量%よりも濃度が高い場合は、希釈
が十分に行われず、粘性が高くなって中性基材への含浸
性が悪くなり、塗り斑や変色が生じる場合がある。
【0048】本発明の水系撥水剤を水で希釈する際に
は、香料、着色剤、UV吸収剤、タンニン、抗菌剤、調
味料、防炎剤或いはカルボキシメチルセルロース、ポリ
ビニルアルコール(PVA)、水溶性アクリル樹脂、S
BRラテックス、コロイダルシリカなどを副次的に添加
してもよい。なお、これら任意成分の添加量は、本発明
の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0049】本発明の水系撥水剤の水希釈液を木材に塗
布するには、ローラー、刷毛、スプレー等を用い、場合
によっては浸漬法によってもよいし、常圧下又は減圧下
で処理してもよい。また乾燥方法としては、室温下に放
置してもよいし、天日乾燥、加熱乾燥によってもよい。
【0050】このようにして木材に含浸された本発明の
水系撥水剤は、加水分解反応、縮合反応により、強固に
かつ優れた撥水、防菌・防黴、防蟻層を形成する。その
ため建築材料に塗布した場合、膨れ、腐食、黴など水に
起因する種々の問題点の解決に役立つばかりでなく、種
々の塗料や仕上材の下地防水プライマーとしても優れて
いる。
【0051】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0052】[実施例1]冷却管、温度計及び滴下漏斗
を備えた500mlの四つ口フラスコにメチルトリメト
キシシランのオリゴマー85g(ダイマー換算で0.3
7モル)、3−(トリメトキシシリル)プロピルオクタ
デシルジメチルアンモニウムクロリド1.3g(0.0
026モル)、メタノール50g及び酢酸5.1gを入
れ、撹拌しているところに水6.8g(0.37モル)
を投入し、25℃で2時間撹拌した。そこにN−(2−
アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン8.4g(0.038モル)を滴下した。その後、メ
タノールの還流温度まで加熱して1時間反応後、一旦室
温まで冷却した。そこにオルトホウ酸1.15g(0.
0190モル)を加え、室温下撹拌混合し、溶解させ
た。次にエステルアダプターにて内温が110℃になる
までメタノールを溜去し、粘度80mm2/Sの薄黄色
透明溶液85gを得た(重量平均分子量1,300)。
このものの残存メタノール量は5%以下であった(撥水
剤1)。
【0053】[実施例2]N−(2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルトリメトキシシランを17.8g
(0.08モル)とした以外は実施例1と同様に反応を
行い、粘度116mm2/Sの薄黄色透明溶液90gを
得た(重量平均分子量1,500)。このものの残存メ
タノール量は5%以下であった(撥水剤2)。
【0054】[実施例3]実施例1のメチルトリメトキ
シシランのオリゴマー85g(ダイマー換算で0.37
モル)をメチルトリメトキシシラン50.3g(0.3
7モル)とした以外は、実施例1と同様に処理し、粘度
75mm2/Sの薄黄色透明溶液51gを得た(重量平
均分子量1,100)。このものの残存メタノール量は
6%以下であった(撥水剤3)。
【0055】[実施例4]実施例1のメチルトリメトキ
シシランのオリゴマー85g(ダイマー換算で0.37
モル)をプロピルトリメトキシシラン60.6g(0.
37モル)とした以外は、実施例1と同様に処理し、粘
度75mm2/Sの薄黄色透明溶液54gを得た(重量
平均分子量1,000)。このものの残存メタノール量
は7%以下であった(撥水剤4)。
【0056】[比較例1]冷却管、温度計及び滴下漏斗
を備えた500mlの四つ口フラスコにメチルトリメト
キシシランのオリゴマー85g(ダイマー換算で0.3
7モル)、3−(トリメトキシシリル)プロピルオクタ
デシルジメチルアンモニウムクロリド1.3g(0.0
026モル)、オルトホウ酸1.15g(0.0190
モル)、メタノール50g及び酢酸5.1gを入れ、撹
拌しているところに水6.8g(0.37モル)を投入
し、25℃で2時間撹拌した。そこにN−(2−アミノ
エチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン8.
4g(0.038モル)を滴下した。その後、メタノー
ルの還流温度まで加熱して1時間反応させた後、エステ
ルアダプターにてメタノールを溜去させたところ、溜去
中に系内がゲル化した。
【0057】[比較例2]冷却管、温度計及び滴下漏斗
を備えた500mlの四つ口フラスコにメチルトリメト
キシシランのオリゴマー85g(ダイマー換算で0.3
7モル)、3−(トリメトキシシリル)プロピルオクタ
デシルジメチルアンモニウムクロリド1.3g(0.0
026モル)、メタノール50g及び酢酸5.1gを入
れ、撹拌しているところに水6.8g(0.37モル)
を投入し、25℃で2時間撹拌した。そこにオルトホウ
酸1.15g(0.0190モル)を投入し、撹拌溶解
させた。次にN−(2−アミノエチル)−3−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン8.4g(0.038モル)
を滴下した。その後、メタノールの還流温度まで加熱し
て1時間反応させた後、エステルアダプターにてメタノ
ールを溜去させたところ、溜去中に系内がゲル化した。
【0058】[比較例3]冷却管、温度計及び滴下漏斗
を備えた500mlの四つ口フラスコにメチルトリメト
キシシランのオリゴマー85g(ダイマー換算で0.3
7モル)、メタノール154g及び酢酸5.1gを入
れ、撹拌しているところに水6.8g(0.37モル)
を投入し、25℃で2時間撹拌した。そこにN−(2−
アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン8.9g(0.04モル)を滴下した。その後、メタ
ノールの還流温度まで加熱して1時間反応後、エステル
アダプターにて内温が110℃になるまでメタノールを
溜去し、粘度71mm2/Sの薄黄色透明溶液81gを
得た(重量平均分子量1,100)。このものの残存メ
タノール量は5%以下であった(撥水剤5)。
【0059】[比較例4]アスピレーター、温度計を備
えた500mlの四つ口フラスコにメチルトリメトキシ
シラン136g(1.0モル)、N−(2−アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン222.
0g(1.0モル)及び水43.2g(2.4モル)を
入れ、加熱撹拌しながらアスピレーターでストリップし
て60℃にし、薄黄色透明溶液を得た(重量平均分子量
900)。このものの残存メタノール量は1%以下であ
った(撥水剤6)。
【0060】[比較例5]デシルトリメトキシシラン1
0.5g(0.04モル)、メタノール8.8g、酢酸
0.8g及び水2.2g(0.12モル)を混合し、2
5℃で1時間撹拌し、透明溶液を得た。冷却管、温度計
及び滴下漏斗を備えた500mlの四つ口フラスコにメ
チルトリメトキシシランのオリゴマー85g(ダイマー
換算で0.37モル)及びメタノール170gを入れ、
撹拌しているところに上記デシルトリメトキシシラン加
水分解物を滴下し、25℃で1時間撹拌した。その後、
酢酸5.1g及び水6.7g(0.37モル)を投入
し、25℃で1時間更に撹拌した。そこにN−(2−ア
ミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
17.8g(0.08モル)を滴下した。その後、メタ
ノールの還流温度まで加熱して1時間反応後、エステル
アダプターにて内温が110℃になるまでメタノールを
溜去し、薄黄色透明溶液を得た(重量平均分子量1,3
00)。このものの残存メタノール量は8%以下であっ
た(撥水剤7)。
【0061】[比較例6]冷却管、温度計及び滴下漏斗
を備えた500mlの四つ口フラスコにメチルトリメト
キシシランのオリゴマー85g(ダイマー換算で0.3
7モル)、メタノール154g及び酢酸5.1gを入
れ、撹拌しているところに水6.8g(0.37モル)
を投入し、25℃で2時間撹拌した。そこにN−(2−
アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン8.9g(0.04モル)を滴下した。その後、メタ
ノールの還流温度まで加熱して1時間反応後、冷却し、
メタノールを溜去せずに粘度8mm2/Sの薄黄色透明
溶液274gを得た(重量平均分子量500)。このも
のの残存メタノール量は59%であった(撥水剤8)。
【0062】[保存安定性評価]実施例、比較例で合成
した撥水剤1〜8各20部を水80部で希釈したものを
プラスチック容器に入れ、室温下及び40℃下での保存
安定性を評価した。その結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】[使用例]実施例、比較例で得られた撥水
剤1〜8各2.5部を水97.5部で希釈し、木材に浸
漬養生後、室温で1週間風乾し、評価用サンプルを作製
した。このサンプルについての表面変色性、吸水防止性
についての試験を下記方法で行った。結果を表2に示
す。 (a)表面変色性、吸水防止性試験 スギ材(21×50×50mm)及ラワン材(21×5
0×50mm)の全面に処理液を常温常圧で24時間浸
漬処理し、その後室温で7日間養生後、目視にて表面の
変色(黄変)を観察した。評価基準は下記の通りであ
る。引き続き、この供試体を水道水中に24時間全面浸
漬させ、次式にて吸水率を算出した。表面変色性 ○:変色なし △:やや変色あり ×:変色吸水率 吸水率(重量%)=[{(吸水後の木片重量)−(吸水
前の木片重量)}/(吸水前の木片重量)]×100
【0065】
【表2】
【0066】(b)白色腐朽菌及び褐色腐朽菌による木
材腐朽試験 防菌・防黴性能の評価のため、日本木材保存協会(JW
PA)規格第3号−1992「木質材料の耐久性試験方
法」に準拠して無機質複合化木材の腐朽試験を行った。
60℃で48時間の乾燥、滅菌の後、ガラス瓶中の培養
器で十分生育させた白色腐朽菌カワラタケ[Corio
lus versicolor(L.ex Fr.)Q
uel](IFO 30340)及び褐色腐朽菌オオウ
ズラタケ[Tyromyces palustris
(Berk.et Curk.Murr.)](IFO
303390)の菌叢上に調製した試験片を置いた。
8週間、室温26℃,相対湿度55〜65%の恒湿室で
培養後、試験片を取り出し、試験片表面についた菌を取
り除き、試験片の絶乾重量を求めた。予め計っておいた
処理前の絶乾重量から腐朽菌による重量減少率(%)を
求めた。その結果を表3に示す。 (c)埋没試験による腐朽試験 アセトン及び水により、それぞれ24時間ソックスレー
抽出した未処理の木材試験片及び撥水剤処理した木材試
験片について、無殺菌土壌中(地上より17cm)での
9ケ月の埋没試験を行い、試験前の絶乾重量と試験後の
絶乾重量から重量減少率を算出して、腐朽の度合いの進
行を推定した。その結果を表3に示す。 (d)イエシロアリ死虫率試験 イエシロアリ200匹を未処理木材片、撥水剤処理木材
片を入れた容器に入れ、20日間放置後のイエシロアリ
の死虫率を測定した。その結果を表3に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
【発明の効果】本発明で得られる水系撥水剤は、優れた
水溶性と保存安定性を有し、水に希釈するだけで木材に
対する撥水剤として使用でき、木材に塗布又は含浸して
優れた撥水性、防菌・防黴性、防蟻性を与える。また、
本発明の製造方法によれば、かかる水系撥水剤を確実に
製造し得る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H011 AA01 AA03 AC03 BA01 BB16 BC18 DA12 DE14 DF03 4H020 BA32 BA34 4H049 VN01 VP01 VQ02 VQ35 VR22 VR23 VR41 VR42 VU01 VU28 4J035 CA18M HA04 LB07 4J038 DL031 DL082 HA476 JA36 MA08 NA05 NA07 PB05 PC06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式(1) (R1a(OR2bSiO(4-a-b)/2 (1) (但し、式中R1は炭素原子数1〜6のアルキル基、R2
    は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、aは0.75
    〜1.5、bは0.2〜3で、かつ0.9<a+b≦
    4.0を満足する正数である。)で示される有機ケイ素
    化合物100重量部と、(B)下記一般式(2) R34NR5−SiR6 n(OR23-n (2) (但し、式中R2は上記と同様であり、R3、R4はそれ
    ぞれ水素原子、同一もしくは異種の炭素原子数1〜15
    のアルキル基又はアミノアルキル基、R5は炭素原子数
    1〜18の2価炭化水素基、R6は炭素原子数1〜4の
    アルキル基である。nは0又は1である。)で示される
    アミノ基含有アルコキシシラン又はその部分加水分解物
    0.5〜49重量部と、(C)下記一般式(3) [(CH327N(CH23−SiR6 n(OR23-n+- (3) (但し、式中R2、R6は上記と同様であり、R7は炭素
    原子数11〜22の1価炭化水素基である。nは0又は
    1である。)で示される4級アミノ基含有アルコキシシ
    ラン又はその部分加水分解物0.1〜10重量部と、
    (D)ホウ酸化合物0.1〜10重量部を有機酸又は無
    機酸の存在下で共加水分解縮合させたものを含むことを
    特徴とする防菌・防黴・防蟻性木材用水系撥水剤。
  2. 【請求項2】 (A)成分のR1がメチル基であること
    を特徴とする請求項1記載の防菌・防黴・防蟻性木材用
    水系撥水剤。
  3. 【請求項3】 (B)成分のアミノ基含有アルコキシシ
    ランが、 【化1】 であることを特徴とする請求項1又は2記載の防菌・防
    黴・防蟻性木材用水系撥水剤。
  4. 【請求項4】 撥水剤の25℃の粘度が5〜2,000
    mm2/Sであることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれか1項記載の防菌・防黴・防蟻性木材用水系撥水
    剤。
  5. 【請求項5】 [(A)成分+(C)成分]/(B)成
    分のモル比が、(A)成分と(C)成分のSi総量1モ
    ルに対し、(B)成分のアミノ基含有アルコキシシラン
    が0.01〜0.3モルの比率であることを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれか1項記載の防菌・防黴・防蟻
    性木材用水系撥水剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 (A)成分と(C)成分を有機酸又は無
    機酸及びアルコールの存在下で加水分解させ、次に
    (B)成分と反応させ、その後(D)成分を加えて溶解
    させてから、系内のアルコールを系外に除去することを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の防菌・
    防黴・防蟻性木材用水系撥水剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 撥水剤中のアルコール含有量が30重量
    %以下になるようにアルコールを除去することを特徴と
    する請求項6記載の防菌・防黴・防蟻性木材用水系撥水
    剤の製造方法。
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