JP2002348375A - 新規なエピスルフィド化合物 - Google Patents

新規なエピスルフィド化合物

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JP2002348375A
JP2002348375A JP2001154041A JP2001154041A JP2002348375A JP 2002348375 A JP2002348375 A JP 2002348375A JP 2001154041 A JP2001154041 A JP 2001154041A JP 2001154041 A JP2001154041 A JP 2001154041A JP 2002348375 A JP2002348375 A JP 2002348375A
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epoxy
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episulfide
thermosetting resin
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Koichi Fujishiro
光一 藤城
Hiroshi Ogata
博 緒方
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化性、耐熱性に優れる新規なエピスルフィ
ド化合物を提供する。 【解決手段】 本発明のエピスルフィド化合物は、一般
式(1) 【化1】 (式中、Z1 及びZ2 は硫黄又は酸素を示し、少なくと
も一方は硫黄である)で示される化合物である。本発明
の熱硬化性樹脂組成物又は硬化物は、このエピスルフィ
ド化合物とエポキシ化合物及び硬化剤(触媒)が配合さ
れた樹脂組成物又は硬化物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なエピスルフ
ィド化合物、その製造方法、該化合物を含む熱硬化性樹
脂組成物に関する。本発明によって提供される新規なエ
ピスルフィド化合物、該化合物を含む熱硬化性樹脂及び
それらを含む熱硬化性樹脂組成物は、低温硬化性を有
し、耐熱性に優れた硬化物を与えるので、半導体封止用
樹脂、積層板用樹脂、成形材料及び複合材料、電気絶縁
材料等として有用である。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、成形性、注型性、耐熱
性、接着性、耐水性、機械的強度及び電気特性等に優れ
ていることから、様々の分野で使用されている。特に電
気・電子分野では、絶縁注型、積層材料、封止材料等と
して幅広く使用されている。しかし、近年の電気・電子
部品の小型化、精密化、高性能化、回路基板の高密度実
装の流れに対して、使用されるエポキシ樹脂にも低温硬
化性、プレッシャークッカーテスト(PCT)や恒温恒
湿器で評価されるような高度な耐湿性及び高度の電気特
性、例えば高周波での低誘電率(ε)、低誘電正接(ta
nδ)等が要求されるようになってきた。
【0003】近年のエレクトロニクスの急発展に伴い、
IC、LSI等の半導体素子は種々の分野で用いられ、低コ
スト、高集積化の流れは新しい様々な実装形態を産み出
し、従来の金型を用いたトランスファー成形によるデュ
アルインラインパッケージに換わり、ハイブリッドIC、
チップオンボード、テープキャリアパッケージ、プラス
チックピングリッドアレイ等の金型なしで、ベアーチッ
プのスポット封止によって形成する実装形態へ移行して
いる。そして、これら液状エポキシ樹脂成形材料の硬化
剤としては、ジシアンジアミド、ジヒドラジドアミンイ
ミド化合物等のアミン硬化剤や、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイメッ
ク酸等の液状酸無水物が用いられている。しかしなが
ら、前者については極性が強く、バイアス物性を低下さ
せ、後者についてはPCT試験での加水分解性が大きい
ことや吸湿後の接着性劣化が大きいという欠点があっ
た。
【0004】特開平9-71580号公報及び特開平9-110979
号公報には、新規なアルキルスルフィド型エピスルフィ
ド化合物とその組成物並びに硬化物が提案されている。
アミン触媒を用いたアルキルスルフィド型エピスルフィ
ド化合物の硬化物は、100℃以上の軟化点、1.69
以上の屈折率、35以上のアッベ数を持つ好適な光学材
料となる。硬化剤として1級アミン又は酸無水物を硬化
剤とした組成物の説明はあるが、1級アミンを用いた実
施例では軟化点が100℃以下と低いという課題があ
る。
【0005】また、特開平11-279173号公報にはビフェ
ニル構造の新規なエピスルフィドが提案されているもの
の、融点が100〜120℃と高くハンドリングが困難
であり、ポリアラルキルフェノールとの反応による硬化
系であるため、エピスルフィド単独系の特徴である低温
硬化性及び耐熱性の発揮については課題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決した、従来品にない硬化性を有し、屈折率、耐熱
性のバランスに優れた硬化物を与えることができるエピ
スルフィド化合物とその製造方法、及び該エピスルフィ
ド化合物を含む熱硬化性樹脂組成物と硬化物を提供する
ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
【化3】 (式中、Z1 及びZ2 は硫黄原子又は酸素原子を示し、
かつその少なくとも一方は硫黄原子である)で示される
エピスルフィド化合物である。
【0008】また、本発明は、一般式(2)
【化4】 で示されるエポキシ化合物に、該エポキシ化合物のエポ
キシ基1当量に対して硫化剤を0.05〜2当量の範囲
内で反応させることを特徴とする前記エピスルフィド化
合物又はこれを含む組成物の製造方法である。硫化剤と
しては、チオシアン酸塩類又はチオ尿素類が好ましいも
のとして挙げられる。
【0009】更に、本発明は、前記エピスルフィド化合
物とエポキシ化合物とを含有することを特徴とする熱硬
化性樹脂組成物又は硬化物である。この熱硬化性樹脂組
成物に硬化剤又は硬化触媒を添加すること、硬化剤又は
硬化触媒がアミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン
類、ポリメルカプタン類及び酸無水物類、多価フェノー
ル類、ジシアンジアミド類から選ばれる化合物であるこ
と、あるいは硬化剤又は硬化触媒の添加量が前記エピス
ルフィド化合物とエポキシ化合物の合計100重量部に
対して、0.01〜200重量部の割合で配合されてい
ることは、本発明の好ましい態様の一つである。
【0010】
【発明実施の形態】本発明のエピスルフィド化合物は、
上記一般式(1)で示される化合物であり、a) Z1
びZ2 が共にSである化合物、b) Z1がSであり、Z2
がOである化合物及びc) Z1がOであり、Z2 がSで
ある化合物を包含する。本発明のエピスルフィド化合物
は、エポキシ化合物と類似の性質を有し、エポキシ化合
物の硬化剤と同様な硬化剤で硬化することができる。ま
た、室温で液状なので、一般的な固体エポキシやエピス
ルフィドと比較して加熱溶融等の面倒な操作が不要であ
るため、組成物の調製や硬化等のハンドリングが容易で
ある。
【0011】上記一般式(1)で表されるエピスルフィ
ド化合物の製造法は、特に限定されないが、本発明の製
造法が有利である。本発明の製造法は、一般式(2)で
表されるエポキシ化合物に硫化剤を反応させる方法であ
る。一般式(2)で表されるエポキシ化合物は、ジグリ
シジルヘキサヒドロフタレートとして公知の化合物であ
り、市販品をそのまま使用することもできる。
【0012】一般式(2)で示されるエポキシ化合物と
硫化剤を酸触媒下で反応させて、グリシジル基の一部又
は全てを、一旦エポキシ基が開環した反応中間体の塩と
する。そしてアルカリ性条件で再び閉環反応を行い、3
員環の酸素原子を硫黄原子へと変換を行い、一般式
(2)で示されるエピスルフィド化合物を製造する。上
記の硫化剤としては、チオシアン酸塩、チオ尿素、トリ
フェニルフォスフィンスルフィド、3-メチルベンゾチア
ゾール-2-チオン等のチオ化合物が挙げられる。好まし
くは、チオシアン酸塩又はチオ尿素である。これら硫化
剤はエポキシ基に対して理論量の0.05〜2モル倍使
用する。理論量は、エポキシ基1モルに対し、置換可能
な硫黄原子を一つ有するチオ化合物1モルであり、これ
を等当量という。硫化剤としてチオ尿素、酸触媒として
硫酸を用いた場合、一般式(2)で示されるエポキシ化
合物のグリシジル基の全部を、エポキシ基が開環しチオ
尿素と塩を反応形成したチウロニウム硫酸塩中間体、更
に閉環反応によりエピスルフィドに変換する場合は、等
モル以上使用するが、生成物の純度、反応速度から考え
て、幾分の過剰量の使用が好ましい。一方、グリシジル
エステル化合物中のグリシジル基の一部をエピチオプロ
ピル基に変換する目的であれば、等モル以下で差し支え
ない。また、本発明のエピスルフィド化合物を主成分と
して含む組成物を目的とする場合は、エポキシ基からエ
ピスルフィド基への変換は50モル%以上が必要である
ので、1/2モル倍以上のチオ化合物が必要である。本
発明の製造法では、硫化剤の使用量が等モル未満である
場合、a) Z1 及びZ2 が共にSである化合物、b) Z
1がSであり、Z2 がOである化合物及びc)Z1がOであ
り、Z2 がSである化合物が生成する他、Z1 及びZ2
が共にOであるエポキシ化合物が残存した組成物となる
場合がある。これから本発明のエピスルフィド化合物を
分離してもよいし、また、これをそのまま本発明の熱硬
化性樹脂組成物用材料として使用してもよい。更に、Z
1 及びZ2 が共にOであるエポキシ化合物を含む組成物
であっても、本発明の熱硬化性樹脂組成物として有用で
ある。
【0013】エポキシ化合物と硫化剤の反応は、無溶媒
あるいは溶媒中のいずれでもよいが、溶媒を使用すると
きは、チオ化合物あるいはグリシジルエステル化合物を
溶媒中に細かく分散して行うか、又はいずれかが可溶の
ものを使用することが目的物の収率向上に望ましい。具
体例としては、水、メタノール、エタノール、イソプロ
パノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジオキ
サン、ジグライム等のエーテル類、エチルセルソルブ、
ブチルセルソルブ等のヒドロキシエーテル類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロ
ホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類等が
挙げられ、これらの併用、例えば水とハロゲン化炭化水
素類とを組み合わせて2相で行うことも可能である。ま
た、反応液中に酸を反応促進剤として添加することが好
ましい。酸の具体例としては、硝酸、硫酸、塩酸、燐
酸、酢酸、プロピオン酸等があげられ、これらを併用し
てもよい。添加量は、反応総液量に対して0.1〜20
wt%程度である。反応温度は、通常20〜100℃で
行われ、反応時間は通常20時間以下である。
【0014】ここで得られるチウロニウム硫酸塩中間体
は、通常は水中に均一に分散しているため、硫酸塩から
エピスルフィドへの閉環反応に対し、過剰の炭酸ナトリ
ウム水溶液又は炭酸カリウム水溶液中で、20〜70℃
の範囲で2〜20時間反応させる。得られた反応溶液を
水洗、乾燥後、不溶の未反応塩を濾別などして、目的の
エピスルフィド化合物溶液を得る。この溶液から溶剤を
除去して目標エピスルフィド化合物を得ることができ
る。
【0015】本発明のエピスルフィド化合物は、他の化
合物を添加せず単独で使用することができるが、一般の
エポキシ化合物、特に液状エポキシを配合して熱硬化性
樹脂組成物とすることもできる。使用できる工ポキシ化
合物は、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエー
テル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル等のビ
スフェノール型エポキシ、ビフェノール型のエポキシ、
ナフタレン型のエポキシ、フェノールノボラックエポキ
シ、クレゾールノボラックエポキシ、アミノフェノール
やジアミノジフェニルメタン等から得られるグリシジル
アミン化合物、フタル酸から得られるグリシジルエステ
ル化合物、1,4‐ブタンジオ一ルや1,6‐ヘキサン
ジオ一ル等より得られる脂肪族グリシジルエーテル、水
添ビスフェノールA及び2重結合の過酢酸酸化により得
られるエポキシ樹脂等の脂環式エポキシ樹脂、ブロム化
ビスフェノールAやブロムフェノール等から得られるブ
ロム化エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン
等から得られる多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0016】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、硬化剤
を配合することが有利である。硬化剤としては、公知の
酸無水物が使用でき、具体例としてはメチルテトラヒド
ロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無
水メチルハイミック酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘ
キサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカル
ボン酸無水物などの脂環式酸無水物類、無水フタル酸、
無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビ
ストリメリテート無水物、グリセロールトリストリメリ
テート無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物な
どの芳香族酸無水物類、無水ヘット酸、テトラブロモ無
水フタル酸などのハロゲン系酸無水物類などを例示でき
る。
【0017】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、硬化触
媒を配合することが有利である。硬化触媒としては、3
級アミン類、ホスフィン類、4級アンモニウム塩類、ル
イス酸類等が使用される。具体例としては、トリエチル
アミン、トリフェニルアミン、トリ-n-ブチルアミン、
N,N-ジメチルアニリン、ピリジンなどの3級アミン類、
イミダゾール、N-メチルイミダゾール、2-メチルイミ
ダゾール、4-メチルイミダゾール、1‐ベンジル‐2
‐メチルイミダゾール等の各種イミダゾール類、1,8-ジ
アザビシクロ(5、4、0)ウンデセン-7、1,5-ジアザビ
シクロ(4、3、0)ノネン-5,6-ジブチルアミノ-1,8-ジ
アザビシクロ(5、4、0)ウンデセン-7等のアミジン
類、あるいはこれらに代表される3級アミン系化合物並
びにこれらと有機酸等との付加物、前記アミン類とハロ
ゲン、ルイス酸、有機酸、鉱酸、四フッ化ホウ素酸等と
の4級アンモニウム塩、トリエチルホスフィン、トリフ
ェニルホスフィン、トリ-n-ブチルホスフィン等のホス
フィン類、3フッ化ホウ素、3フッ化ホウ素のエーテラ
ート等に代表されるルイス酸類等である。これらの中で
半導体装置の信頼性の観点からは、イミダゾール類、ホ
スフィン類の使用が好ましく、ポットライフの点からこ
れらのマイクロカプセル型潜在性硬化剤がより好まし
い。また、光学材料とする場合は、硬化物の着色が少な
いことから、イミダゾール類、4級アンモニウム塩類の
使用が好ましい。
【0018】本発明の熱硬化性樹脂組成物の好ましい配
合組成は次のとおりである。本発明のエピスルフィド化
合物の配合量をA、エポキシ化合物の配合量をB、硬化
剤の配合量をC及び硬化触媒の配合量をDとする。な
お、エポキシ化合物と、硬化剤及び硬化触媒のいずれか
一方の配合は、好ましい組成物とするために必須ではな
い。 A/(A+B)=1〜100wt%、好ましくは10〜9
0wt%、より好ましくは25〜75wt% (C+D)/(A+B)=0.01〜200wt%、好まし
くは0.1〜100wt%、 ここで、本発明の製造方法で得られたエピスルフィド化
合物中に、未反応の一般式(2)で表されるエポキシ化
合物が少量、好ましくは40wt%未満、より好ましくは
20wt%未満含まれる場合は、このエポキシ化合物の量
は、エポキシ化合物の配合量Bに加算する。
【0019】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。なお、部は重量部を示す。 実施例1 撹拌機、冷却器及び温度計を備えた反応容器にて以下の
2段階反応を行った。
【0020】a.チウロニウム硫酸塩中間体合成 純水2500mlに機械攪拌しながら発熱に注意しつつ3
54g(7.08eq)の特級硫酸、次にチオ尿素538g
(7.08eq)を加えた。次に、攪拌しながらジグリシ
ジルヘキサヒドロフタレート(チバガイギー社製エポキ
シCY184)の1.00kg(5.88eq、エポキシ当
量170g/eq)を少しづつ加え終わると、30分室温に
て攪拌を継続し、次に50℃にて6時間反応を行った。
反応初期では水層で油が分離した状態が観察できるが、
反応の進行により塩(水溶性)の生成で溶液は白色の残
存チオ尿素を除き無色均一透明になった。
【0021】b.エピスルフィド合成 放冷後の上記反応水溶液にまず純水2000ml、CHC
35000mlを加え、攪拌しながら発泡に注意しつつ
Na2CO3750g(7.08eq、1価のアルカリとし
て算出)を少しずつ加えた。発泡がおさまった後に、6
0℃にて6時間反応を行った。反応溶液を水層とCHC
3層に分液し、水層は2回CHCl3で抽出し、合わせ
たCHCl3層を純水にて3回洗浄した。MgSO4でC
HCl3層の脱水を行い、5C濾紙でMgSO4濾過を行
い、シリカゲルフラッシュカラムにて残留塩分を除いた
後に、CHCl3を減圧除去した。微量の未反応塩を除
くためシリカゲルフラッシュカラムで精製濾過して溶媒
は減圧除去し、淡黄色透明液状のエピスルフィド化合物
850gを得た。得られたエピスルフィド化合物が目的
化合物であるかは、赤外吸収スペクトル(IR)、核磁
気共鳴スペクトル(NMR)により確認した。
【0022】赤外吸収スペクトルを図1に示す。図1か
ら908cm-1のエポキシ基が消失し、615cm-1のエ
ピスルフィド基由来による吸収の増大を確認した。核磁
気共鳴スペクトル(プロトン、CDCl3溶媒、TMS
基準)からエポキシ環のメチレンプロトン2.62〜
2.66ppm及び2.81〜2.84ppm、メチンプロト
ン3.18〜3.22ppmが消失し、チイラン環由来の
メチレンプロトン2.24〜2.27ppm及び2.50
〜2.53ppm、メチンプロトン3.06〜3.16ppm
の増大を確認した。
【0023】実施例2 実施例1によって得られたエピスルフィド化合物100
部を、100℃にて溶融した1,2ジメチルイミダゾー
ルを3部に添加し、撹拌混合して熱硬化性樹脂組成物と
した。つぎに、上記組成物を型枠に流し込み、120℃
で2時間、オーブン中で硬化を行って硬化物を得た。こ
の硬化物の物性値を表1に示す。このエピスルフィドは
低温での単独硬化性が良好である。
【0024】実施例3 実施例1によって得られたエピスルフィド化合物50部
を、エピコート828(油化シェルエポキシ社製)50
部と室温で混合し、100℃にて溶融した1,2-ジメ
チルイミダゾールを10部に添加し、撹拌混合して熱硬
化性樹脂組成物とした。次に、上記組成物を型枠に流し
込み、160℃2時間、オーブン中で硬化を行って良好
な硬化物を得た。この硬化物の物性値を表1に示す。
【0025】実施例4 実施例1によって得られたエピスルフィド化合物50部
を、エピコート82850部と室温で混合した。次に、
4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸50部と、100℃
にて溶融した1,2-ジメチルイミダゾール2部とに添加
し、撹拌混合して熱硬化性樹脂組成物とした。つぎに、
上記組成物を型枠に流し込み、160℃で2時間、オー
ブン中で硬化を行って良好な硬化物を得た。この硬化物
の物性値を表1に示す。なお、良好な硬化物とは、均質
にむらなく固まり、Tgが高い硬化物をいう。
【0026】比較例1 前記エポキシCY184の100部をテトラブチルアン
モニムクロライド(4級アンモニウム塩触媒)5部と、
攪拌混合し熱硬化性樹脂組成物とした。160℃2時
間、オーブン中で加熱したが、Tgが100℃以下のも
のしか得られず良好な硬化物が得られなかった。
【0027】比較例2 前記エポキシCY184の100部を100℃にて溶融
した1,2-ジメチルイミダゾールを5部に添加し、攪拌混
合し熱硬化性樹脂組成物とした。160℃2時間、オー
ブン中で加熱したが、液状のままで硬化が十分に進行せ
ず良好な硬化物が得られなかった。
【0028】比較例3 前記エピコート828の100部を100℃にて溶融し
た1,2-ジメチルイミダゾールを5部に添加し、攪拌混合
し熱硬化性樹脂組成物とした。120℃2時間、オーブ
ン中で加熱したが、液状のままで硬化が十分に進行せず
良好な硬化物が得られなかった。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明の実施により、新規なグリシジル
エステル型構造を有するエピスルフィドが得られ、この
樹脂は常温において液状で、良好な低温硬化性を示す。
また、硬化物は、光学特性及び耐熱性のバランスが良
く、ICチップをはじめとした半導体の封止や、銅張積
層板材料及び電気絶縁材や複合材料等の電気電子材料分
野をはじめとした幅広い用途において利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エピスルフィド化合物の赤外吸収スペクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C063 AA01 BB08 CC91 DD71 EE05 EE10 4J030 BA19 BA44 BB03 BF13 BF19 BG03 BG04 4J036 AD01 AD07 AF15 AG03 AH04 CC01 DA01 DA02 DB15 JA07 JA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Z1 及びZ2 は硫黄又は酸素を示すが、少なく
    とも一方は硫黄である)で示されるエピスルフィド化合
    物。
  2. 【請求項2】 一般式(2) 【化2】 で示されるエポキシ化合物と硫化剤を、エポキシ基1当
    量に対し硫化剤を0.05〜2当量の範囲で反応させる
    ことを特徴とするエピスルフィド化合物の製造法。
  3. 【請求項3】 硫化剤がチオシアン酸塩類又はチオ尿素
    類である請求項2記載のエピスルフィド化合物の製造
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のエピスルフィド化合物
    とエポキシ化合物を含有することを特徴とする熱硬化性
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の熱硬化性樹脂組成物
    が、更に硬化剤又は硬化触媒を含有することを特徴とす
    る熱硬化性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 硬化剤又は硬化触媒がアミン類、イミダ
    ゾール類、有機ホスフィン類、ポリメルカプタン類、酸
    無水物類、多価フェノール類及びジシアンジアミド類か
    ら選ばれる化合物である請求項5に記載の熱硬化性樹脂
    組成物。
  7. 【請求項7】 硬化剤又は硬化触媒を、エピスルフィド
    化合物及びエポキシ化合物の合計100重量部に対し
    て、0.01〜200重量部の割合で含有する請求項5
    又は請求項6に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項4〜8のいずれか1に記載の熱硬
    化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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