JP2002348184A - 陶磁器の釉薬用灰化物及びその製造方法 - Google Patents

陶磁器の釉薬用灰化物及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002348184A
JP2002348184A JP2001161494A JP2001161494A JP2002348184A JP 2002348184 A JP2002348184 A JP 2002348184A JP 2001161494 A JP2001161494 A JP 2001161494A JP 2001161494 A JP2001161494 A JP 2001161494A JP 2002348184 A JP2002348184 A JP 2002348184A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glaze
ash
coffee
ashes
coffee extract
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001161494A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisao Moriwaki
久雄 森脇
Sumiko Moriwaki
澄子 森脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MORIWAKI KOGYO KK
Original Assignee
MORIWAKI KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MORIWAKI KOGYO KK filed Critical MORIWAKI KOGYO KK
Priority to JP2001161494A priority Critical patent/JP2002348184A/ja
Publication of JP2002348184A publication Critical patent/JP2002348184A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 陶磁器の釉薬原料として化学的性質の安定し
た灰を大量に供給することができ、コーヒー粕の有効利
用を図ることができる陶磁器の釉薬用灰化物及びその製
造方法を提供する。 【解決手段】 コーヒー粕1をロータリーキルン炉2を
用い、具体的には600〜750℃、回転炉(釜)8の
回転速度30〜45回転/分で焼成灰化させる(A)。
次いで、焼成灰化したコーヒー抽出粕をドラム缶(鋼製
の筒型缶)3に密封して35時間〜45時間養生させ
(B)、最後に、養生させたコーヒー抽出灰を90μm
〜250μmに粉砕することで本発明の目的物である釉
薬用灰化物5を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陶磁器用釉薬の原
料として使用される灰に関し、とくにコーヒー飲料製造
の際に副生物として大量に産出されるコーヒー成分を抽
出した後の豆殻(残滓物)の有効利用を図ることができ
る陶磁器の釉薬用灰化物及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】コーヒーの果実を焙煎粉砕した後、これ
を水抽出した飲料であるコーヒーは、現在市場で大量に
販売され広く愛飲される飲料である。しかしながら、コ
ーヒーを抽出した後の残滓物(以下、コーヒー粕とい
う)のほとんどは廃棄処分されているのが実状であり、
その再利用方法としては、肥料や燃料あるいは脱臭剤用
の活性炭としての利用が一部行なわれている程度で、環
境汚染に関わる産業廃棄物処理上の大きな問題となって
いる。例えば、インスタントコーヒーやコーヒー缶飲料
を製造している食品製造業者においては、日々、コーヒ
ー粕が莫大な量で発生する。これは、レストラン、ホテ
ル、大手コーヒーショップチェーン等においても同様で
あり、コーヒー粕の発生源は増々拡大する一方である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、コーヒー
粕の廃棄処分量が増加する現状において、諸資源のリサ
イクル問題に関心が高まる中、コーヒー粕の有効利用を
図る必要がある。そこで、本発明者らは陶磁器の釉薬の
原料として使用される灰に着目し、陶磁器用釉薬の原料
としてのコーヒー粕の灰化を鋭意研究の結果、本発明を
するに到った。本発明は、上記のような従来技術の課題
に鑑み、陶磁器の釉薬原料として化学的性質の安定した
灰を大量に供給することができ、コーヒー粕の有効利用
を図ることができる陶磁器の釉薬用灰化物及びその製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の陶磁器の釉薬用灰化物はコーヒーの抽出粕
を主原料として燃焼させて生成することを第1の特徴
し、副原料として茶殻を用いることを第2の特徴とす
る。その製造方法は、コーヒー抽出粕及び/又は茶殻
を、ロータリーキルン炉を用いて燃焼温度600℃〜7
00℃、釜の回転速度30〜45回転/分で焼成灰化
し、焼成灰化したコーヒー抽出粕をドラム缶(鋼製の筒
型缶)に密封し、35時間〜45時間養生させ、養生さ
せたコーヒー抽出灰を90μm〜250μmに粉砕する
ことを特徴とする。
【0005】陶磁器の釉薬は、陶磁器の表面に施し焼成
することによりガラス質の薄層(乳濁状態の薄層)を形
成するが、燐酸分に起因する乳濁層を形成する陶磁器用
釉薬の原料として、鉱物質原料(陶石、長石、粘土、珪
石、石灰石等)に加えて、一般的には草木灰(植物の焼
却灰)が配合される。この中で例えば、藁灰や籾灰は珪
酸分を主成分とし、その他、アルミナ、マグネシウム、
アルカリ等の微量成分を含んでいる。しかし、草木の種
類、あるいは同一の草木においてもその部位により成分
組成に大きな差異がある場合がある。したがって、釉薬
の原料として化学的性質の安定した草木灰を大量に供給
することは困難であった。
【0006】すなわち、草木灰を釉薬の原料成分とする
場合、釉薬に骨灰あるいは燐酸カルシウム等を人工的に
更に添加したり、水簸(水中で揺すって不純物を除去)
及び灰汁の除去を行なう必要がある。とくに、灰のアル
カリ度を8〜10度に保つことが重要である。この点、
コーヒー粕は、コーヒー抽出時に水煎状態となってお
り、水簸作業が不用なばかりでなく、燃焼時に不純物が
飛散してアルカリのみが残った安定したベースの灰が得
られる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者らは、食品製造業者のコ
ーヒー飲料製造の際に副生物として大量に産出されるコ
ーヒー成分を抽出した後の豆殻(焙煎粉砕後コーヒー抽
出濾過行程の残滓物)を燃焼灰化させた灰を釉薬成分と
して用いることにより上記目的を達成し得ることを見い
出した。すなわち、本発明に係る陶磁器の釉薬用灰化物
は、コーヒー飲料製造の際に副生するコーヒー粕を燃焼
灰化させたものである。
【0008】本発明によれば、コーヒー飲料製造の際に
大量に副生するコーヒー抽出粕の灰を配合成分として用
いるので、コーヒー抽出粕の有効利用を図ることができ
ると共に、化学的性質の安定した陶磁器の釉薬用灰化物
を大量に得ることができる。また、コーヒー抽出粕の灰
化物は、従来の草木灰と比較して特異な化学組成を有し
ており、これを配合した釉薬は、陶磁器焼成後に独特の
乳濁状、さらに他の釉薬には見られない新規の天目状、
点々状あるいは斑紋状などの特徴のある釉を生成するこ
とができる。
【0009】以下、本発明の実施の形態を図面に示す実
施例に基いて説明する。図1は、本発明に係る陶磁器の
釉薬用灰化物を製造するためのロータリーキルン炉の構
造図、図2は本発明に係る陶磁器の釉薬用灰化物の製造
工程図である。
【0010】
【実施例1】本発明におけるコーヒー抽出粕灰化物、す
なわち、コーヒー粕灰は、コーヒー抽出粕1を灰化装
置、例えば、流動床式燃焼装置、電気炉、ガス炉を用い
て適当な温度で焼成して得られるが、好ましくは、図1
及び図2に示すように、ロータリーキルン炉2を用い、
具体的には600〜750℃、釜(回転炉)の回転速度
30〜45回転/分で焼成灰化させる(A)。ここで、
ロータリーキルン炉2は、コーヒー抽出粕1を投入する
ホッパー6と、このホッパー6からコーヒー抽出粕1を
順次送り出して回転炉8内に搬送するスクリューコンベ
ア7が設けられ、重油を燃料とするバーナー9によりコ
ーヒー抽出粕1を焼成できるようにされている。そし
て、焼成灰化したコーヒー粕灰は灰受箱10に集積され
る。尚、図中11は、集塵用の遠心式サイクロンであ
る。次いで、焼成灰化したコーヒー抽出粕をドラム缶
(鋼製の筒型缶)3に密封して35時間〜45時間養生
させ(B)、最後に、養生させたコーヒー抽出灰を粉砕
機4でもって90μm〜250μmに粉砕することで釉
薬用灰化物5が得られる。得られた釉薬用灰化物5は、
アルカリ度が8〜10度と安定していた。尚、燃焼させ
る際には、コーヒー粕は必要に応じて適当な精製手段、
例えば、振動篩などによって精製し、また、適当な水分
含量、好ましくはある程度まで予め脱水しておくことが
望ましい。下記の表1にコーヒー粕灰の化学組成例を従
来の草木灰と比較して示す。表1から明らかなように、
本発明コーヒー粕灰の組成は土灰に近いことが判る。
【0011】
【表1】
【0012】
【実施例2】以下は、本発明のコーヒー粕灰化物を使用
した陶磁器用釉薬の実施例を示すものであるが、本発明
がこれに限定されるものでないことは言うまでもない。
コーヒー豆殻100%から生成したコーヒー粕を焼成温
度650℃、釜の回転速度35回転/分で完全に灰化す
るまで焼成し、ドラム缶に投入して蓋を施して密封状態
にし、そのまま24時間放置して冷却した後、粉砕機に
より250μmの粉砕して釉薬用灰化物を調整した。こ
うして得られた釉薬用灰化物80%(重量)、長石20
%(重量)を配合して釉薬を調合した。
【0013】上記のようにして得られる釉薬の形態は粉
体状であり、施薬は水に懸濁した状態で行なう。この釉
薬を、懸濁状で陶磁器素地の表面に施した後に、120
0℃〜1300℃程度の温度で焼成することにより、土
灰釉に近い若干色の付いた独特の外観状態の釉が形成さ
れた。この場合、本実施例釉薬は高温にも充分耐え、図
柄も流れなかった。
【0014】尚、本発明に係る釉薬用灰化物は、コーヒ
ー粕を主原料とするが、副原料として茶殻を混合するも
のでも良い。すなわち、茶殻も食品製造業者における茶
飲料製造の際に副生物として大量に産出されるため、そ
の有効利用を図ることができるばかりでなく、安定した
原料供給が可能であるからである。また、本発明によっ
て得られる陶磁器用釉薬は、上記のようなコーヒー灰を
他の原料成分に配合して成るもので、他の原料成分は、
鉱物質原料である。例えば、陶石、長石、粘土、珪石、
石灰石などが挙げられ、これら成分から1種又は複数種
選んで用いることができる。
【0015】
【発明の効果】以上、本発明によれば、コーヒー飲料製
造の際に大量に副生するコーヒー抽出粕の灰を配合成分
として用いるので、コーヒー抽出粕の有効利用を図るこ
とができると共に、化学的性質の安定した陶磁器の釉薬
用灰化物を大量に得ることができるという優れた効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る陶磁器の釉薬用灰化物を製造する
ためのロータリーキルン炉の構造図である。
【図2】本発明に係る陶磁器の釉薬用灰化物の製造工程
図である。
【符号の説明】
1 コーヒー粕又は茶殻 2 ロータリーキルン炉 3 ドラム缶 4 粉砕機 5 陶磁器の釉薬用灰化物 6 ロータリーキルン炉のホッパー 7 スクリューコンベア 8 回転炉(釜) 9 バーナー 10 灰塵箱 11 集塵用サイクロン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コーヒーの抽出粕を主原料とし、これを燃
    焼させて生成することを特徴とする陶磁器の釉薬用灰化
    物。
  2. 【請求項2】副原料として茶殻を用いることを特徴とす
    る請求項1記載の陶磁器の釉薬用灰化物。
  3. 【請求項3】次の工程からなることを特徴とする陶磁器
    の釉薬用灰化物の製造方法。 (A)コーヒー抽出粕及び/又は茶殻を、ロータリーキ
    ルン炉を用いて燃焼温度600℃〜700℃、釜の回転
    速度30〜45回転/分で焼成灰化する工程。 (B)焼成灰化したコーヒー抽出粕をドラム缶(鋼製の
    筒型缶)に密封し、35時間〜45時間養生する工程。 (C)養生させたコーヒー抽出灰を90μm〜250μ
    mに粉砕する工程。
JP2001161494A 2001-05-29 2001-05-29 陶磁器の釉薬用灰化物及びその製造方法 Pending JP2002348184A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001161494A JP2002348184A (ja) 2001-05-29 2001-05-29 陶磁器の釉薬用灰化物及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001161494A JP2002348184A (ja) 2001-05-29 2001-05-29 陶磁器の釉薬用灰化物及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002348184A true JP2002348184A (ja) 2002-12-04

Family

ID=19004760

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001161494A Pending JP2002348184A (ja) 2001-05-29 2001-05-29 陶磁器の釉薬用灰化物及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002348184A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008010534A1 (fr) * 2006-07-20 2008-01-24 Yazaki Corporation rÉgÉnÉrateur À haute tempÉrature D'UNE MACHINE DE CHAUFFAGE ET DE REFROIDISSEMENT FONCTIONNANT PAR ABSORPTION ET BRÛLANT DIRECTEMENT COMME COMBUSTIBLE DES GRANULÉS DE BOIS
CN103467138A (zh) * 2013-09-17 2013-12-25 广东摩德娜科技股份有限公司 抓取式西瓦淋釉装置
KR101917133B1 (ko) * 2017-03-17 2018-11-09 남순덕 커피 슬러지를 이용한 유약
KR20200097958A (ko) * 2019-02-11 2020-08-20 유태근 커피재를 이용한 도자기 유약 제조방법 및 이를 이용한 도자기 제조방법

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008010534A1 (fr) * 2006-07-20 2008-01-24 Yazaki Corporation rÉgÉnÉrateur À haute tempÉrature D'UNE MACHINE DE CHAUFFAGE ET DE REFROIDISSEMENT FONCTIONNANT PAR ABSORPTION ET BRÛLANT DIRECTEMENT COMME COMBUSTIBLE DES GRANULÉS DE BOIS
CN103467138A (zh) * 2013-09-17 2013-12-25 广东摩德娜科技股份有限公司 抓取式西瓦淋釉装置
KR101917133B1 (ko) * 2017-03-17 2018-11-09 남순덕 커피 슬러지를 이용한 유약
KR20200097958A (ko) * 2019-02-11 2020-08-20 유태근 커피재를 이용한 도자기 유약 제조방법 및 이를 이용한 도자기 제조방법
KR102218230B1 (ko) 2019-02-11 2021-02-19 유태근 커피재를 이용한 도자기 유약 제조방법 및 이를 이용한 도자기 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101805209B (zh) 利用废瓷制得的亚光瓷釉及其生产方法
FR2498957A1 (fr) Procede et appareil pour regenerer du sable de fonderie use
JP7165576B2 (ja) Al4SiC4の製造方法
CN88101233A (zh) 生产水泥的方法
CN101125766A (zh) 利用花岗石废料制备陶瓷釉料的方法
KR101542368B1 (ko) 현무암을 이용하여 제조된 옹기 및 유약, 그리고 그 제조방법
JP2002348184A (ja) 陶磁器の釉薬用灰化物及びその製造方法
CN108483911A (zh) 一种利用石墨烯铜化金属釉水及其制备方法
KR101571356B1 (ko) 모려분을 함유한 세라믹 제조방법
KR20010066711A (ko) 맥반석을 이용한 죽염 및 그 제조방법
CN112341146A (zh) 乌金釉建盏烧制方法
JP3960007B2 (ja) 繊維類を含有する廃棄物の処理方法
JP2005104792A (ja) 石炭灰を使用したセメントの製造方法
KR101403872B1 (ko) 고투명성을 발현하는 백자 유약 조성물의 제조방법
JP2003327466A (ja) 来待石陶土及び陶器の製造方法
JP2005279501A (ja) 有機性廃棄物の処理方法及びその装置
JP2012236730A (ja) 貝殻の有効利用方法
CN108727005A (zh) 一种无油烟健康陶瓷锅的制备方法
RU2167125C2 (ru) Сырьевая смесь для изготовления стеновых керамических изделий
EP0905213A3 (en) A method of producing a clean gas from biodegradable waste material
CN107746247A (zh) 一种高强度瓷器及其制备方法
KR101027043B1 (ko) 슬러지를 이용한 인공토의 제조방법
CN102180651A (zh) 凹凸棒多孔陶瓷空心注浆法的生产方法
Faizul et al. Effect of acetic acid leaching process on rice husk
JPH07258666A (ja) 成形炭及び該成形炭を用いたコーヒー豆焙煎方法