JP2002347066A

JP2002347066A - 射出成形品並びに射出成形方法及び射出成形装置及びその射出成形型

Info

Publication number: JP2002347066A
Application number: JP2001157102A
Authority: JP
Inventors: Kazuhiko Yoshikawa; 一彦吉川; Katsuhiko Isshiki; 勝彦一色
Original assignee: TOYAMA PARTS KK
Current assignee: TOYAMA PARTS KK
Priority date: 2001-05-25
Filing date: 2001-05-25
Publication date: 2002-12-04

Abstract

(57)【要約】【課題】品質向上、保管輸送の便、及び製造・設備コ
ストの面で有利な射出成形品並びに射出成形方法及び射
出成形装置及びその射出成形型の提供。【解決手段】平行ワイヤ対１の一部を成形型に形成さ
れたキャビティ５内に通して装填する型締め工程と、前
記キャビティ５内へ単位成形品２の素材を注入する射出
成形工程と、型抜き、及び当該成形型６が一回の射出成
形工程を以て成形し得る単位成形品２の段数分のワイヤ
送りを行うピッチシフト工程から成る射出成形方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形技術に関
し、特に射出成形品の取り扱い技術の工夫、及びその実
現方法及び装置一般に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の射出成形においては、射出成形完
了後、型開き・離型を経て射出成形品を収集場所へ自然
落下させ、方向性等を何ら考慮することなく収集する方
法が多く採用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法では、
自然落下よって生じるキズ、打痕、或いは金型型締め時
の挟み込み等が生じるという問題がある他、射出成形品
の組み込みに際して、パーツフィーダーによる方向修正
や、マガジン等への方向性をあわせた装填という手間が
必要となる。しかも、昨今では、電子部品をはじめとし
て、小型化により組込作業前の整列及び組込機への供給
が極めて困難な射出成形品が増えてきており、組み込ま
れるべき成形品の供給のとどこおりによって生産効率の
向上を阻害する原因とも成りかねない状況にある。又、
従来、射出成形品の保管や移動の際には、ナイロン袋や
コンテナ等が用いられているが、保管場所の確保や整理
に労力を要し、また、成形品同士が相互に無秩序に接触
している為、保管時や輸送中での傷、打痕が発生すると
いう問題がある。

【０００４】成形品の品質管理の面でも、金型より射出
製品が無秩序に排出されてくるため、例えば画像検査装
置などを使用した品質管理が困難であり、不良発生開始
時を境とした製品の分別も不可能である為に、収集され
た全射出成形品に対しての全数検査等、極めて煩雑な作
業を行わなければならない場合がある。

【０００５】本発明は、上記実情に鑑みて成されたもの
であって、品質向上、保管輸送の便、及び製造・設備コ
ストの面で有利な射出成形品並びに射出成形方法及び射
出成形装置及びその射出成形型の提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明による射出成形品は、平行ワイヤ対
に、単位成形品が、当該平行ワイヤ対のインサート成形
を以て等ピッチ又は一定の規則を持ったピッチで複数階
段状に固定されて成ることを特徴とする。尚、平行ワイ
ヤ対とは、全長に亘って等間隔を保持した状態が単一平
面上で維持された対を構成するワイヤであって、対を構
成する個々のワイヤが他の対を構成するワイヤの一方で
ある場合をも含むものである。一定の規則を持ったピッ
チとは、例えば、１ｍｍ，２ｍｍ，１ｍｍ，２ｍｍ・・
と言ったように、異なる複数のピッチが規則正しく繰り
返されることを意味する。尚、前記ワイヤの種類は、特
に限定するものでは無く、求められる仕様に応じて金属
繊維、有機繊維、無機繊維、モノフィラメント、マルチ
フィラメント等から適宜選択すればよい。

【０００７】従って、全長に亘って等間隔を保持した３
本以上のワイヤが平面的に整列する平行ワイヤ群を具備
し、当該ワイヤ群中に隣接して存在する各平行ワイヤ対
に、各々、単位成形品が、当該平行ワイヤ対のインサー
ト成形を以て、等ピッチ又は一定の規則を持ったピッチ
で複数階段状に固定されて成る単位成形品列として形成
され、隣接する単位成形品列を構成する単位成形品が、
ワイヤの長手方向へ相互にずれた状態で固定されている
態様も可能である。

【０００８】上記課題を解決するために成された本発明
による射出成形方法は、平行ワイヤ対の一部を成形型に
形成されたキャビティ内に通して装填する型締め工程
と、前記キャビティ内へ単位成形品の素材（以下、素材
と記す。）を注入する射出成形工程と、型抜き及び当該
成形型が一回の射出成形工程を以て成形し得る単位成形
品の段数分に相当する送り量のワイヤ送りを行うピッチ
シフト工程から成ることを特徴とする。

【０００９】また、上記課題を解決するために成された
本発明による射出成形装置は、平行ワイヤ対の一部を成
形型に形成されたキャビティ内の定位置に通して型締め
する金型と、前記平行ワイヤ対の移送軌道を制限する規
制手段と、型締めの際に当該平行ワイヤ対を定位置に収
める誘導手段と、前記キャビティ内へ素材を注入する射
出手段と、成形品の型抜きを促す型抜き補助手段と、前
記成形型が一回の射出成形工程を以て成形し得る単位成
形品の段数分のワイヤ送りを行うピッチシフト手段を具
備したことを特徴とする。

【００１０】また、上記課題を解決するために成された
本発明による射出成形方法及び射出成形装置に用いる射
出成形型は、平行ワイヤ対に、単位成形品が、当該平行
ワイヤ対のインサート成形を以て等ピッチ又は一定の規
則を持ったピッチで複数階段状に固定されて成る射出成
形品が収まるキャビティと、成形後の単位成形品及びワ
イヤ対が収まる逃げ領域と、前記平行ワイヤ対の移送軌
道を制限する規制手段と、型締めの際に当該平行ワイヤ
対を定位置に収める誘導手段とを具備することを特徴と
する。尚、前記規制手段、誘導手段及び型抜き補助手段
は、二つ以上の機能を兼ね備えた一個の装置であっても
良いし、機能の一部ずつを装備した複数の機器であって
も良い他、それぞれが個別の機能を奏しても良い。又、
当該規制手段や誘導手段は、射出成形装置全体で存在す
ればよく、金型に一体化されていても良いし、いずれか
一方、又は双方が金型から別れた個別の機器として存在
していても良い。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明による射出成形品並
びに射出成形方法及び射出成形装置及びその金型の一例
を図面に基づき説明する。

【００１２】図１及び図２は、本発明による射出成形装
置の一例を示したものである。この射出成形装置は、ワ
イヤ供給手段１３と、当該ワイヤ供給手段によって供給
された二本の金属（ステンレス）製ワイヤから成る平行
ワイヤ対１の一部をキャビティ５内の定位置に通して型
締めする成形型たる金型（以下、金型６と記す。）と、
前記平行ワイヤ対１の移送軌道を制限する規制手段と、
型締めの際に当該平行ワイヤ対１を定位置に収める誘導
手段と、前記キャビティ５内へ素材を注入する射出手段
（図示せず）と、単位成形品２の型抜きを促す型抜き補
助手段と、前記成形型６が一回の射出成形工程を以て成
形し得る単位成形品２の段数分に相当する送り量のワイ
ヤ送りを行うピッチシフト手段１１から成るものであ
る。

【００１３】ワイヤ供給手段１３は、ワイヤ３を巻き付
けたドラム等（図示せず）からワイヤ３を解除する等の
手段で、ワイヤ３が大きく不規則に緩まない程度のテン
ションを維持しつつ、生産効率を害しない程度の長さを
一度の補給により継続して供給できる手段を採れば良
い。

【００１４】当該例における金型６は、図３や図４に示
した様に上下割りの金型で、上に位置し射出成形装置の
本体フレームに備えられた昇降手段（図示せず）によっ
て上下する可動側型板１４と、下に位置する固定側型板
１５と、規制手段であり又型抜き補助手段である昇降ピ
ン７及び当該昇降ピン７を保持する上下昇降プレート１
６，１７、並びに誘導手段であり又型抜き補助手段であ
る進退ピン８及び当該進退ピンの付勢手段たるスプリン
グ１８と、前記上下昇降プレート１６，１７の昇降空間
１９を形成するスペーサブロック２０と、前記昇降空間
１９の下方を閉じる閉鎖板２１より構成される。

【００１５】前記可動側型板１４と固定側型板１６の合
わせ面内には、図１３に示す様に、目的とする射出成形
品のキャビティ５と、成形後の単位成形品２及びワイヤ
対１が型締めで潰されない様に収まる逃げ領域１２と
が、ワイヤ３の送り方向（以下、送り方向と記す。）へ
前後して設けてある。当該キャビティ５は、当該ワイヤ
供給手段１３によって供給された二本のワイヤ３，３か
ら成る平行ワイヤ対１に、同寸同形の単位成形品２が、
一度の射出成形工程を以て複数（当該例では四つ）等ピ
ッチで階段状に固定されて成形されるように加工され、
結果として、単位成形品２が収まる領域（ブロックキャ
ビティ２２）とワイヤ対が収まる領域（ワイヤホルダ２
３）とが、送り方向へ交互に設けられている。尚、前記
キャビティ５は、前記平行ワイヤ対１に、必要に応じて
異種の単位成形品が一度の射出成形工程を持って複数、
必要最小限のピッチ（一定のピッチでも良いし、一定で
は無いが一定の規則を持ったピッチでも良い）で階段状
に固定されて成形される様に加工される場合もある。

【００１６】前記ブロックキャビティ群２２，２２，２
２，２２の前後送り方向手前には、射出成形品９の型抜
きを促す型抜き補助手段としての機能を果たすと共に、
前記平行ワイヤ対１の移送軌道を制限する規制手段とし
ての機能を果たす前記昇降ピン７が、前記ワイヤホルダ
２３，２３上のブロックキャビティ２２の左右に対をな
して配置され、当該昇降ピン７の先端部を収容する穴２
４が、前記可動側型板１４における昇降ピン７，７と対
向する位置に設けられている。当該一対の昇降ピン７，
７は、その基部が金型６の内部において同じ昇降プレー
ト１６，１７に固定され、その中間部は固定側型板１５
に設けられたガイド孔２５で昇降軌道が規制されてい
る。その結果、型締め・成形時においては、射出成形装
置の本体フレームが備えている昇降ヘッド２６の上昇に
より一定の軌道を以て同時に上昇し、型開き・ワイヤ送
り時においては、同昇降ヘッド２６の下降により一定の
軌道を以て同時に下降することとなる。

【００１７】一方、送り方向奥には、型締めの際に当該
平行ワイヤ対１を定位置に収める誘導手段並びに型抜き
補助手段として機能する前記進退ピン８が、前記ワイヤ
ホルダ２３上の逃げ領域１２の左右に対をなして配置さ
れ、型締め時における可動側型板１４の合わせ面に押さ
れて弾性的に固定側型板１５内へ一定の軌道で退き、片
開き時において当該進退ピン８が固定側型板１５の合わ
せ面から一定の軌道で平行ワイヤ対１の支持高まで突出
する様に、前記固定側型板１５に開けられたガイド孔２
７によってその進退軌道がそれぞれ規制され、同固定側
型板１５内に装填されているスプリング１８を以てそれ
ぞれ付勢されている。前記昇降ピン７及び進退ピン８の
先端部には、前記送り方向に深く割れた割溝２８，２９
が各々形成され、当該割り溝２８，２９は前記ワイヤ３
が抵抗なく丁度収まる幅に設定されている。

【００１８】前記可動側型板１４には、図示しないが、
射出ノズルと接合するスプル、及び当該スプルからキャ
ビティへ素材を導く通路たるゲートが形成されている。
射出手段は、例えば、前記素材をキャビティ内へ注入す
る為に前記スプルと接合・離隔し得る射出ノズルと、素
材を供給するためのホッパーと、素材を加熱し溶融させ
るヒーターを具備したシリンダと、シリンダ内で回転し
溶融された素材をストレーナを介して射出ノズルへ送る
スクリューを具備した形態の射出機器をはじめとする既
存の手段を適宜用いれば良い。

【００１９】ピッチシフト手段１１は、送り軌道上にお
ける金型６の前後に設けられた前支持部３０及び後支持
部３１を以て構成される。両支持部３０，３１は、昇降
ガイドによって昇降軌道が規制され、空気圧リフタや油
圧リフタリフター等によって昇降させられるテーブル３
２，３３を基板として形成されている。前支持部３０
は、前記テーブル３２上に、前記送り方向とは反対方向
にワイヤ３を引くことによってワイヤ３に一定の張力を
与えるテンションローラ３４が、前記ワイヤ供給手段１
３の一部として固定され、当該テンションローラ３４に
よって一定のテンションを与えた後に、そのワイヤ３を
前記テンションローラ３４の金型６で把持する張力固定
クランパ３５が固定され、後支持部３１は、前記テーブ
ル３３上に、前記送り軌道上において送り方向へ進退す
る送りクランパ３６と、送った後のワイヤ３の位置を維
持して当該ワイヤ３を把持する位置固定クランパ３７が
固定されている。

【００２０】前記送りクランパ３６は、前記金型６が一
回の射出成形工程を以て成形し得る単位成形品２の四段
分に相当する送り量のワイヤ送りを行えるストロークが
確保されたガイドレール３８に摺動可能に取り付けら
れ、空気圧やサーボモータの駆動力で進退するように構
成されている。

【００２１】以下、上記射出成形装置を使用した例に基
づき一連の射出成形工程を順に説明する。先ず、図７の
如く、型開きの状態で前記ピッチシフト手段１１の前リ
フタ３９及び後リフタ４０を上昇させると共に、型抜き
動作として、射出成形装置の本体フレームが備えている
昇降ヘッド２６を上昇させ、一対の昇降ピン７，７を上
昇させる。それが完了すると、予め、可動側型板１４と
固定側型板１５のキャビティ間に通しておいたワイヤ
３，３を位置固定クランパ３７と復帰位置の送りクラン
パ３６にて把持し、テンションローラ３４を、狭持した
ワイヤ３を送り方向とは反対の方向へ引き込む方向へ回
転させてテンションを十分にかけた後、張力固定クラン
パ３５でワイヤ３を把持する。張力固定クランパ３５で
ワイヤ３を把持した時点で、テンションローラ３４を停
止させワイヤピッチシフト工程が完了する。

【００２２】次に、図８の如く、前記ピッチシフト手段
１１の前リフタ３９及び後リフタ４０並びに一対の昇降
ピン７，７を下降させることによって、張力固定クラン
パ３５、位置固定クランパ３７及び送りクランパ３６で
把持されたワイヤ３，３を固定側型板１５の合わせ面に
設けられた前記ワイヤホルダ２３に装填し、可動側型板
１４を昇降手段の稼働により図６の如く下降させること
によって型締め工程が完了し、図９の如く射出成形が行
われる。

【００２３】射出成形終了後、図１０の如く、可動側型
板１４を昇降手段の稼働により上昇させることによって
型開きを行い、可動側型板１４が上昇するに伴って固定
側型板１５の表面から弾性的に突出する一対の進退ピン
８，８の上昇と、射出成形装置の本体フレームが備えて
いる昇降ヘッド２６を上昇させての、一対の昇降ピン
７，７の上昇による型抜き工程を行う。当該型抜き工程
によって、ワイヤ３，３が固定側型板１５のワイヤホル
ダ２３からさし上げられるのと連動して単位成形品２も
固定側型板１５の前記ブロックキャビティ２２から離脱
して、一定の高さまでさし上げられることとなる。

【００２４】最後に、図１１の如く、張力固定クランパ
３５及び位置固定クランパ３７による把持を解除して、
ピッチシフト手段１１の稼働により、ワイヤ３を把持し
た送りクランパ３６を、前記単位成形品２の四段分に相
当する送り量（ブロックキャビティ間ピッチ×金型に設
けられたブロックキャビティ数）を、ワイヤ送り方向へ
移動させると共に、位置固定クランパ３７でワイヤ３，
３を把持し、図１２の如く、ワイヤの把持が解かれてい
る前記送りクランパ３６を復帰位置へ移動させて同ワイ
ヤ３，３を把持させることによりピッチシフト工程を終
える。以降、当該ピッチシフト工程及び前記型締め工
程、射出成形及び型抜き工程から一連の射出成形工程を
繰り返すことによって、ワイヤ３，３に対して単位成形
品２がインサート成形品として等ピッチで連結成形され
ていく形態による射出成形品の生産が継続されることに
なる。

【００２５】尚、金型のキャビティ５に装填されるワイ
ヤ３は平行に二本以上存在するわけであるが、何本存在
したとしても各ワイヤ３について同様の扱い方を同時若
しくは同一の時間内に行えば良く、例えば、上記射出成
形装置では、二本の昇降ピン７，７を同じ昇降プレート
１６，１７で保持し当該昇降プレート１６，１７に対す
る働きかけを単一の昇降ヘッド２６で行うことにより、
二本の昇降ピン７，７を介して二本のワイヤ３，３に対
し同様の扱いを同時に行っている。又、各ワイヤ３，３
を把持し、或いは送る為の張力固定クランパ３５、位置
固定クランパ３７或いは送りクランパ３６を、同種複数
のクランパについて、機械的に連結したり同期制御をし
たり等、同時又は同時期に同じ態様で働くような連動処
理を施すことによって、前記各種クランパを介して二本
のワイヤ３，３に対し同様の扱いを同時に行うことがで
きる。

【００２６】上記一連の射出成形工程を経て、平行ワイ
ヤ対１に、同寸同形の単位成形品２が、当該平行ワイヤ
対１のインサート成形を以て複数等ピッチで階段状に固
定されて成る射出成形品９が完成する。また、金型６の
ブロックキャビティ２２やワイヤホルダ２３、規制手段
と、誘導手段と、射出手段、型抜き補助手段、或いはピ
ッチシフト手段１１を、列方向に増設することによっ
て、前記成形品を一回の射出成形工程を以て複数成形す
ることが可能となる他、図５の如く、全長に亘って等間
隔を保持した３本以上のワイヤ３が平面的に整列する平
行ワイヤ群を具備し、当該ワイヤ群中に隣接して存在す
る各平行ワイヤ対１に、各々、同寸同形の単位成形品２
が、当該平行ワイヤ対１のインサート成形を以て、複数
等ピッチで階段状に固定されて成る単位成形品列４を成
形することができる。尚、当該射出成形品９は、隣接す
る単位成形品列４を構成する単位成形品２が、ワイヤ３
の長手方向に、所定量（例えば１／２ピッチ）ずれた状
態で固定されることとなる。

【００２７】

【発明の効果】以上の如く、本発明による射出成形方法
及び射出成形装置及びその金型を用いて成形された本発
明による射出成形品は、成形後、無作為に自然落下させ
る事なくワイヤを介して連結しているので、落下による
キズ、打痕、金型型締め時の挟み込み等の問題が解消さ
れる。また、成形後の型抜きの際は、成形品のワイヤ部
に働きかけて型抜きを行うことができるので、従来の射
出成形品において発生していたエジェクタピンによる押
圧痕の無い単位成形品が成形でき、外観的に見栄え良く
品質の高い製品の提供が可能となる。

【００２８】又、金型より等ピッチ又は一定の規則を持
ったピッチにて精度良く連結されて排出されてくるた
め、例えば画像検査装置などを使用した品質管理機器
を、成形直後の行程にインラインで設置し管理する事が
できる。仮に４キャビティの成形品を成形直後の行程で
インライン検査し、例えばその中の１キャビティの製品
だけが不良であった場合にも、自動連続運転を停止する
事なく、不良判定された１キャビティの成形品だけをワ
イヤから自動切断し、残りの３キャビティの成形品につ
いては通常生産するといった、キャビティ毎での品質管
理を容易に行う事ができる。当該特徴は、不良発生時の
ロスを最小限に抑えることに大きく寄与することとな
る。

【００２９】更に、本発明による射出成形品によれば、
成形品の形状に関係無くワイヤを搬送する事で成形品を
自動組立機等へ確実に供給でき、しかも等ピッチ又は一
定の規則を持ったピッチにて精度良く整列しているた
め、組立て時の位置決め作業も容易で確実なものとな
る。そして、その結果、自動組立て機の構造の簡素化
と、生産時の稼働率向上に寄与することとなる。

【００３０】射出成形品の保管に際しても、ナイロン袋
やコンテナ等に成形品を不規則に入れて保管することな
く、成形品をダンボールやプラスチック製のリールに、
緩衝材を介在させつつ巻き取り保管する事が可能になる
ため、保管場所のスペースを削減でき、又、整理・管理
に要する工数を低減することができる。また、リールに
巻き取りした場合成形品同士の直接的な接触を緩衝材に
よって回避できる為、保管時や輸送中での傷、打痕の発
生が防止できることとなる。

【００３１】単位成形品の連結に用いられたワイヤは、
材質、構造或いは線径等が成形品や金型の仕様により選
定されており、例えば、金属製ワイヤ等の再利用可能な
素材を用いたものであれば、一度使用したワイヤを回収
し使用することができる。その結果として、ワイヤ材の
コストを抑える事ができ、製品の製造コストが低減でき
るばかりか、資源の節約、ひいては環境保全を助けると
言う効果をも奏することとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による射出成形装置の一例を示す要部平
面図である。

【図２】本発明による射出成形装置の一例を示す要部側
面図である。

【図３】（イ）（ロ）本発明による射出成形型の一例を
示す図２における送り時及び成形時のＡ−Ａ矢視断面図
である。

【図４】（イ）（ロ）本発明による射出成形型の一例を
示す図２における送り時及び成形時のＢ−Ｂ矢視断面図
である。

【図５】（イ）（ロ）（ハ）本発明による射出成形品の
一例を示す平面図である。

【図６】本発明による射出成形型におけるワイヤーホル
ダーの一態様を示す拡大断面図である。

【図７】本発明による射出成形方法における主な工程の
作業状況を示す要部側面図である。

【図８】本発明による射出成形方法における主な工程の
作業状況を示す要部側面図である。

【図９】本発明による射出成形方法における主な工程の
作業状況を示す要部側面図である。

【図１０】本発明による射出成形方法における主な工程
の作業状況を示す要部側面図である。

【図１１】本発明による射出成形方法における主な工程
の作業状況を示す要部側面図である。

【図１２】本発明による射出成形方法における主な工程
の作業状況を示す要部側面図である。

【図１３】本発明による射出成形型に加工されたキャビ
ティの一例を示す概略平面図である。

【符号の説明】

１平行ワイヤ対２単位成形品３ワイヤ４単位成形品列５キャビティ６成形型９射出成形品１１ピッチシフト手段１２逃げ領域１３ワイヤ供給手段

フロントページの続きＦターム(参考） 4F202 AD15 AM02 CA11 CB01 CB12 CK13 CK25 CK89 CK90 CM01 CM21 CM90 CQ05 4F206 AD15 AM02 JA07 JB12 JL02 JP30 JQ81 JW50

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】平行ワイヤ対（１）に、単位成形品
（２）が、当該平行ワイヤ対（１）のインサート成形を
以て等ピッチ又は一定の規則を持ったピッチで複数階段
状に固定されて成る射出成形品。
【請求項２】全長に亘って等間隔を保持した３本以上
のワイヤ（３）が平面的に整列する平行ワイヤ群を具備
し、当該ワイヤ群中に隣接して存在する各平行ワイヤ対
（１）に、各々、単位成形品（２）が、当該平行ワイヤ
対（１）のインサート成形を以て、等ピッチ又は一定の
規則を持ったピッチで複数階段状に固定されて成る単位
成形品列（４）として形成され、隣接する単位成形品列
（４）を構成する単位成形品（２）が、ワイヤ（３）の
長手方向へ相互にずれた状態で固定されている射出成形
品。
【請求項３】平行ワイヤ対（１）の一部を成形型に形
成されたキャビティ（５）内に通して装填する型締め工
程と、前記キャビティ（５）内へ単位成形品（２）の素
材を注入する射出成形工程と、型抜き、及び当該成形型
（６）が一回の射出成形工程を以て成形し得る単位成形
品（２）の段数分のワイヤ送りを行うピッチシフト工程
から成る射出成形方法。
【請求項４】平行ワイヤ対（１）の一部をキャビティ
（５）内の定位置に通して型締めする成形型（６）と、
前記平行ワイヤ対（１）の移送軌道を制限する規制手段
と、型締めの際に当該平行ワイヤ対（１）を定位置に収
める誘導手段と、前記キャビティ（５）内へ単位成形品
（２）の素材を注入する射出手段と、射出成形品（９）
の型抜きを促す型抜き補助手段と、前記成形型（６）が
一回の射出成形工程を以て成形し得る単位成形品（２）
の段数分に相当する送り量のワイヤ送りを行うピッチシ
フト手段（１１）を具備した射出成形装置。
【請求項５】平行ワイヤ対（１）に、単位成形品
（２）が、当該平行ワイヤ対（１）のインサート成形を
以て等ピッチ又は一定の規則を持ったピッチで複数階段
状に固定されて成る射出成形品（９）が収まるキャビテ
ィ（５）と、成形後の単位成形品（２）及びワイヤ対
（１）が収まる逃げ領域（１２）と、前記平行ワイヤ対
の移送軌道を制限する規制手段と、型締めの際に当該平
行ワイヤ対（１）を定位置に収める誘導手段とを具備す
る射出成形型。