JP2002347047A - 樹脂成形品の連続製造方法及び製造装置 - Google Patents

樹脂成形品の連続製造方法及び製造装置

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JP2002347047A
JP2002347047A JP2001160772A JP2001160772A JP2002347047A JP 2002347047 A JP2002347047 A JP 2002347047A JP 2001160772 A JP2001160772 A JP 2001160772A JP 2001160772 A JP2001160772 A JP 2001160772A JP 2002347047 A JP2002347047 A JP 2002347047A
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resin molded
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Takeshi Muranaka
健 村中
Takumi Murata
匠 村田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 骨材が高い割合で充填されており、機械的強
度に優れた樹脂成形品を連続的にかつ安定に得ることを
可能とする製造方法を提供する。 【解決手段】 発泡性熱硬化性樹脂組成物A及び骨材B
を混練することにより得られた混練物Cを、成形空間D
に導き、発泡・硬化させて樹脂成形品を連続的に製造す
るにあたり、成形空間Dの入口側に、混練物の高さが、
樹脂成形品の高さをHとしたときに、0.8H〜0.9
9Hの範囲の所定の高さH1まで圧密化する圧密部D1
が設けられており、該圧密部において混練物Cを圧密化
した後、上記所定の高さH1の成形空間を有する保持部
D2で保持することにより、バックフロー現象を抑制
し、拡厚部D3において発泡させ、次に硬化させる、樹
脂成形品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡性熱硬化性樹
脂組成物に骨材が高い割合で充填されている組成物を発
泡・硬化することによって得られる樹脂成形品の連続的
な製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建設資材として木材やコンクリー
トが広く用いられている。しかしながら、木材は腐食や
損傷が生じやすく、吸水により物性が低下する。従っ
て、木材は耐久性が十分でないという問題があった。他
方、コンクリートは、耐久性及び強度において優れてい
るが、重く、かつ振動でひび割れが生じやすいなどの問
題があった。
【0003】そこで、木材やコンクリートに代わる材料
として、繊維強化樹脂発泡体が使用されてきている。こ
の種の繊維強化樹脂発泡体では、曲げ強度、引張強度及
び圧縮強度などの破断強度が十分な大きさとされてお
り、かつ硬度なども十分な大きさとされている。従っ
て、繊維強化樹脂発泡体は様々な用途に使用されてい
る。
【0004】しかしながら、繊維強化樹脂発泡体では、
高価な連続長繊維が強化繊維として用いられているた
め、コストが高くつくという問題があった。他方、用途
によっては、必ずしも高い破断強度が必要でない場合も
ある。
【0005】そこで、特開平5−138797号公報に
は、熱硬化性樹脂発泡体からなる芯材の少なくとも一面
に表面材が積層されており、該表面材が長手方向に沿う
長繊維により補強された繊維強化熱硬化性樹脂発泡体複
合材料により構成されている繊維強化樹脂発泡体が開示
されている。すなわち、表面材にのみ長繊維を用いるこ
とにより、安価な繊維強化樹脂発泡体が構成されてい
る。
【0006】他方、特開昭54−34376号公報に
は、ポリウレタンフォーム用樹脂組成物内に骨材を混合
してなる材料を用いたパネルの製造方法が提案されてい
る。ここでは、安価な骨材を添加することにより、パネ
ルのコストの低減が図られている。
【0007】上記のように、発泡性熱硬化性樹脂組成物
に、骨材を添加することにより、コストをさほど高める
ことなく、得られる成形品の硬度及び自己保持性を高め
る方法が従来より知られている。
【0008】しかしながら、連続的に製造した場合に
は、成形時に熱硬化性樹脂の発泡により、充填されてい
た骨材が製造ラインの上流方向に逆流し、骨材の充填量
を十分な大きさとすることが困難であった。すなわち、
発泡性熱硬化性樹脂組成物に骨材を高い割合で混合して
なる成形材料を、連続的に移動する成形路に供給し、発
泡・硬化させた場合、骨材間の間隙に存在する樹脂組成
物において、発泡ガスの発生と粘度上昇が同時に進行
し、セルが形成される。上記間隙が埋めつくされた段階
で、発泡域の上流側の骨材間の間隙において発泡が進行
しようとするが、間隙における流路抵抗により発泡力が
発生する。この発泡力が上流側の骨材をさらに上流に移
動させ、いわゆるバックフロー現象が生じる。そのた
め、成形材料の骨材充填率が低下し、十分な物性の製品
を得ることができなかった。特に、骨材を高い割合で充
填することにより物性を高める必要がある製品では、骨
材の充填率が十分な大きさに確保できなければ、目的と
する物性を実現することはできない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術の欠点を解消し、発泡性熱硬化性樹脂組成物に骨
材を高い割合で混合してなる混練物を用い、上記バック
フロー現象を抑制でき、骨材が確実に高い割合で充填さ
れている樹脂成形品を安定にかつ連続的に製造すること
を可能とする、樹脂成形品の連続製造方法及び製造装置
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る樹脂成形品
の製造方法は、発泡性熱硬化性樹脂組成物と骨材とを混
練することにより混練物を得る工程と、前記混練物を第
1の無端搬送金型上に連続的に供給する工程と、前記第
1の無端搬送金型と、該第1の無端搬送金型と対向する
ように第1の無端搬送金型の上方に配置された第2の無
端搬送金型とにより構成された成形空間に前記混練物を
搬送し、樹脂成形品を成形する工程とを備え、前記成形
空間が、最終的に得られる樹脂成形品の高さをHとした
ときに、入口側から成形空間の高さが0.8H〜0.9
9Hの範囲にある所定の高さまで徐々に混練物を高さ方
向に圧密する圧密部と、該圧密部の後段に連ねられてお
り、成形空間の高さが前記所定の高さとされている保持
部と、該保持部の後段に連ねられており、成形空間の高
さがHに向かって徐々に大きくなる拡厚部とを有し、該
成形空間内において、上記混練物の圧密及び発泡・硬化
が行なわれることを特徴とする。
【0011】本発明に係る樹脂成形品の製造装置は、第
1の無端搬送金型と、第1の無端搬送金型の上方に配置
された第2の無端搬送金型とを備える成形型を有し、前
記成形型において、第1,第2の無端搬送金型間に成形
空間が構成されており、最終的に得られる樹脂成形品の
高さをHとしたときに、前記成形空間の入口の高さがH
よりも大きく、入口側から進行方向に向かって成形空間
の高さが0.8H〜0.99Hの範囲の所定の高さまで
徐々に低くなる圧密部が構成されており、該圧密部に連
ねられて、成形空間の高さが前記所定の高さである保持
部が構成されており、保持部の後段に、成形空間の高さ
がHまで連続的に大きくなる拡厚部が設けられているこ
とを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
を説明することにより、本発明をより詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂成
形品の製造装置の概略構成図である。本実施形態の製造
装置1では、混練機2に、発泡性熱硬化性樹脂組成物A
及び骨材Bが供給され、混練される。上記混練機2とし
ては特に限定されないが、例えば、土練機などの連続式
混練機、ミキサーもしくはニーダーなどのバッチ式混練
機を用いることができる。土練機を用いる場合には、二
軸タイプの土練機が自己洗浄性を有するため、連続操業
に際しての安定性に優れているため、好ましい。また、
バッチ式混練機を用いる場合には、混練物を連続供給す
るためのフィーダー、あるいは必要に応じて混練物を一
時貯蔵する容器が必要である。
【0014】混練機2から、上記のようにして得られた
混練物Cが第1の無端搬送金型3上に供給されるように
構成されている。また、第1の無端搬送金型3の上方に
は、第2の無端搬送金型4が配置されている。また、図
2に横断面図で示すように、第1,第2の無端搬送金型
3,4で挟まれた空間の側方に第3,第4の無端搬送金
型5,6が配置されている。無端搬送金型3〜6によ
り、横断面が矩形の成形空間Dが構成されている。
【0015】なお、第1の無端搬送金型3は、第2〜第
4の無端搬送金型4〜6よりも、上流側に延ばされてい
る。これは、第1の無端搬送金型3上に混練物Cを供給
し、第1の無端搬送金型3により成形空間Dに混練物を
搬送するためである。
【0016】第1〜第4の無端搬送金型3〜6は、図示
しないモーターなどの駆動源により駆動され、混練物C
を図1の矢印X方向に搬送する。他方、上記成形空間D
においては、入口Daから所定の長さにわたり、圧密部
D1が形成されている。圧密部D1では、成形空間Dの
高さが、入口Daから圧密部D1の後端Dbに至るにつ
れて、成形空間Dの高さが、徐々に小さくなるように構
成されている。すなわち、このように成形空間Dの高さ
を徐々に下流側にいくにつれて低くなるように、第2の
無端搬送金型4に傾斜面4aが形成されている。
【0017】他方、最終的に得られる樹脂成形品の高さ
をHとしたときに、上記圧密部の後端Dbでは、その高
さは0.8H〜0.99Hの範囲の所定の高さH1とさ
れている。
【0018】また、上記圧密部D1の後段には、保持部
D2が連ねられている。保持部D2では、成形空間Dは
上記所定の高さH1とされている。この保持部D1が一
定の長さを有し、該保持部D2の後段には拡厚部D3が
構成されている。拡厚部D3の保持部D2に連なってい
る部分から、拡厚部D3の後端Dcに至るにつれて、成
形空間Dの高さが大きくなるように構成されている。そ
して、拡厚部D3の後端Dcにおいて成形空間Dの高さ
はHとされている。
【0019】また、本実施形態では、拡厚部D3の後段
に、第2の保持部D4が構成されている。第2の保持部
D4では、成形空間の高さはHとされている。もっと
も、第2の保持部D4は本発明のおいて必ずしも必須で
はない。
【0020】次に、上記製造装置1を用いた樹脂成形品
の製造方法を説明する。まず、混練機2に発泡性熱硬化
性樹脂組成物Aと骨材Bとを供給する。上記発泡性熱硬
化性樹脂組成物Aは、熱硬化性樹脂と、発泡剤とを含
む。
【0021】上記熱硬化性樹脂としては、特に限定され
ず、例えば、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、不飽
和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられ
る。これらの熱硬化性樹脂は単独で用いられてもよく、
2種以上併用されてもよい。
【0022】なかでも、発泡体を構成した場合比較的高
い機械的強度を有するため、及び発泡時に独立気泡を形
成するので非吸水性に優れているため、ウレタン系樹脂
が好適に用いられる。
【0023】上記発泡剤としては、例えば、炭酸ガス、
フロン、ペンタンなどの物理型発泡剤、アゾ化合物、重
曹などの熱分解型発泡剤、または熱硬化性樹脂の硬化反
応の際に発生する分解ガスなどの副生物などからなる反
応型発泡剤などが挙げられる。
【0024】熱硬化性樹脂としてウレタン系樹脂を用い
る場合には、反応型発泡剤として水を用いることがで
き、イソシアネートと水との反応で発生する炭酸ガスが
発泡に用いられる。
【0025】近年、フロンはオゾン層を破壊する恐れが
あるため、使用が規制されている。従って、ウレタン系
樹脂を用いた発泡性熱硬化性樹脂組成物では、発泡剤と
して水を用いることが望ましい。なお、上記発泡剤は、
あらかじめ発泡性熱硬化性樹脂組成物を構成する熱硬化
性樹脂などの他の成分と混合しておくことが好ましく、
それによって発泡が均一に行われやすくなる。
【0026】上記発泡性熱硬化性樹脂組成物には、必要
に応じて、触媒、整泡剤、発泡助剤、着色剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、架橋剤、安定剤、可塑剤、難燃剤な
どが添加されていてもよい。
【0027】上記骨材Bとしては、上記熱硬化性樹脂に
溶融せず、熱硬化性樹脂に分散された際に、熱硬化性樹
脂を介して互いに接着され得るものであれば、適宜の充
填材を用いることができる。また、充填される目的に応
じて、マトリックスに所望の性質を付与するために骨材
が用いられる。従って、圧縮強度や剛性を高めるため、
硬度を高めるため、増量材として原料コストを低減する
ため、制振作用を付与するため、あるいは防音・吸音作
用を付与するためなどの各種用途に応じて、適宜の骨材
を用いることができる。
【0028】このような骨材としては、例えば、岩石粉
粒体、ガラス粉粒体、珪酸カルシウム、セメントコンク
リート粉砕物、珪砂、炭酸カルシウム、フライアッシュ
などの無定型粉粒体;セリサイト、ウォラストナイトな
どの無機質短繊維状体;バーミキュライト、パーライ
ト、膨張頁岩、フライアッシュなどの中空粉体などの無
機質中空粉粒体;塩化ビニル系樹脂製パイプ、ポリエチ
レンテレフタレート製ボトルなどのプラスチック製品の
粉砕物;汚泥処理場から発生する汚泥乾燥粉粒体;ガラ
ス繊維などの無機質繊維;有機繊維;金属繊維;繊維強
化プラスチック粉砕物、繊維強化硬質発泡ウレタン粉砕
物などの繊維強化樹脂粉砕物;ゴム;発泡体粉砕物など
が挙げられる。これらの骨材は、単独で用いられてもよ
く、2種以上併用されてもよい。
【0029】好ましくは、上記骨材は、得られた成形品
中45体積%以上を占めるように高い割合で充填され
る。すなわち、骨材同士が互いに接触した状態で高い割
合で充填されることにより、例えば、圧縮強度に代表さ
れる物性の向上効果、あるいは安価な充填材の高充填に
よるコストの低減効果などをより一層効果的に発現させ
ることができる。
【0030】上記骨材の成形品における充填率は、使用
される骨材の形状、粒径、粒径分布などにより異なる
が、例えば、珪砂のような無定型粉粒体を用いる場合、
45〜70体積%が好ましく、球体の場合には50〜7
5体積%が好ましい。
【0031】骨材充填率の算出方法は特に限定されない
が、例えば、珪砂などの中実の骨材を用いる場合には、
真比重により、あるいは、フライアッシュバルーンなど
の中空体や膨張頁岩などの発泡体を骨材として用いる場
合には、見かけ比重すなわち骨材に内在する空隙をも含
めたトータルの比重で求めればよい。
【0032】さらに、FRP粉砕物などを骨材として用
いる場合には、比重が部分的に異なるため、マクロにみ
て複合体としての比重を代表値として用いて骨材充填率
を算出すればよい。
【0033】上記混練機2において、発泡性熱硬化性樹
脂組成物Aと骨材Bとが混練される。得られた混練物C
では、発泡性熱硬化性樹脂組成物、骨材及び空隙部を有
し、連続的に下方に配置された無端搬送金型3に供給さ
れる。目的とする樹脂成形品が幅広形状の場合には、前
述した第3,第4の無端搬送金型は必要ではないが、通
常、上記実施形態のように、第1,第2の無端搬送金型
3,4と、成形空間Dの両側面を規定する第3,第4の
無端搬送金型5,6が用いられ、このような成形空間D
の圧密部D1に上記混練物Cが供給される。
【0034】圧密部D1においては発泡性熱硬化性樹脂
組成物、骨材及び空隙部からなる混練物Cが、所定の骨
材充填率となるように、空隙部が連続的に減らされ、す
なわち成形空間の高さが進行方向に徐々に低くなり、か
つ成形空間Dの断面積が小さくされる。この場合、本実
施形態では、目的となる成形品の高さHよりもさらに低
くなるように、成形空間Dの高さが圧密部D1の後端D
bにおいて低められており、すなわち0.8H〜0.9
9Hの範囲の所定の高さH1まで圧密が行われる。
【0035】上記圧密により、混練物中の骨材に搬送方
向と直交する方向、すなわち上下方向に荷重が加えら
れ、骨材同士が確実に相互接触され、空隙が減少され
る。また、骨材間に力を発生させることにより、骨材−
成形空間壁面間及び骨材相互間の搬送方向に対する抵抗
力が発現する。従って、下流の発泡域からの発泡現象に
起因するバックフロー現象を抑制することが可能とされ
ている。
【0036】なお、圧密部D1の後端Dbの成形空間の
高さが0.8Hより小さい場合には、骨材間に過大な接
触力が作用し、骨材の破壊が生じがちとなり、0.99
Hより大きいと骨材相互間に十分な接触力が生じず、搬
送方向に対する抵抗力が不足し、バックフロー現象を抑
制することが不可能となる。
【0037】本実施形態では、第2の無端搬送金型4の
成形空間Dに臨む面が、成形空間Dの入口から圧密部D
1の後端Dbに向かって進行するにつれて、下方に位置
するように、すなわち第1の無端搬送金型3側に近接す
る傾斜面4aを有し、それによって圧密部D1が構成さ
れている。このような無端搬送金型4としては、無端搬
送ベルトあるいはスラットコンベアなどを用いることが
できる。スラットコンベアは断続的な挙動を示すが、搬
送方向へのスラット長を短くすることにより、連続的な
圧密状態を実現することができる。
【0038】連続的に成形空間の断面積を減少させるに
は、圧密部D1の入口Daにおける第2の無端搬送金型
4の成形空間側の面が混練物Cの高さよりも高いことが
必要である。従って、本実施形態では、成形空間Dの入
口Daから、圧密部D1の後端Dbに向かって、第2の
無端搬送金型4の成形空間Dに臨む部分が進行方向前方
にいくにつれて下方に位置するように傾斜されている。
【0039】なお、圧密部D1において、第2の無端搬
送金型4の成形空間Dに臨む面を単一の傾斜面4aでは
なく、向きの異なる複数の傾斜面により構成してもよ
い。例えば、圧密部の前方部分に比べて後方部分におい
て傾斜角度を緩めることにより、圧密部の長さを短くす
ることができる。
【0040】なお、上記傾斜面4aの水平面に対する傾
斜角度は、様々な混練物に対応可能なように可変され得
ることが望ましい。上記無端搬送金型3〜6を構成する
材料は特に限定されないが、高強度のスチール、ステン
レスまたはアルミなどの金属製ベルトもしくはスラット
を用いたものが望ましい。
【0041】圧密部D1において、混練物Cが圧密さ
れ、しかる後保持部D2に搬送される。保持部D2にお
いては、上記混練物Cが圧密された状態が保持される。
保持部D2は、前述した骨材−成形空間壁面間及び骨材
相互間の搬送方向に対する抵抗力が発生している区間で
あり、この保持部D2は前述したバックフロー現象を抑
制する効果を発揮する部分である。保持部D2の長さ
は、上記抵抗力がバックフロー力(=混練物の発泡圧力
×発泡域での断面積)よりも大きいように決定される。
保持部においては、混練物Cは発泡することは許され
ず、従って、発泡性熱硬化性樹脂組成物の反応性を十分
に考慮して上記のように保持部の長さを選択することが
必要である。
【0042】また、反応性を設備的に制御するために、
加熱装置や冷却装置などの温度調節装置が保持部D2に
おいて組み合わされていてもよく、さらに様々な混練物
に対応可能なようにこのような温度調節装置と併せて、
保持部D2の長さを変化し得る構造を有することがより
一層望ましい。
【0043】圧密化され、次に保持部D2でその成形空
間Dの高さに保持されていた混練物Cが、拡厚部D3で
最終的な成形品の高さHまで徐々に拡厚される。また、
拡厚部D3において、混練物の発泡が行われる。本実施
形態では、拡厚部D3では、第2の無端搬送金型4の成
形空間Dに臨む面が、徐々に高くなるように傾斜された
傾斜面4bを有する。この傾斜面4bの傾斜角度は、特
に限定されないが、混練物の発泡速度すなわち混練物の
体積膨張速度と同等もしくはそれより若干小さい断面積
増加速度となるような傾斜角度であることが望ましい。
【0044】発泡速度よりも傾斜角度すなわち断面積増
加速度が大きい場合には、混練物と成形空間を規定する
無端搬送金型3〜6の壁面との間に空間が生じ、最終的
に得られた樹脂成形品表面にボイドが発生しやすくな
る。ボイドが発生すると、樹脂成形品の物性が低下す
る。従って、上記傾斜角度が可変され得るように構成さ
れていることが望ましい。また、反応性を設備的に制御
するためには、保持部D2と同様に、加熱装置や冷却装
置のような温度調節装置が設けられていることが望まし
い。また、拡厚部D3では、発泡が行われるため、発泡
圧力に対する耐圧性を有するように拡厚部D3が構成さ
れることが望ましい。
【0045】次に、拡厚部D3で発泡が行われるととも
に、混練物の硬化反応が進行し、必要に応じて第2の保
持部D4において冷却され、高さHの樹脂成形品7が取
り出される。第2の保持部D4では、前述したように、
その成形空間Dの高さはHとされている。
【0046】なお、第2の保持部D4においては、冷却
装置のほか、硬化反応を促進させるための加熱機構がそ
の前段に用いられていてもよい。加熱装置や冷却装置は
特に限定されず、ベルトやスラットに熱風、温風もしく
は冷風を吹き付ける構造のもの、あるいはスラットコン
ベアの場合にはジャケット方式の温度調節装置を用いて
もよい。
【0047】上記のように、本実施形態の製造方法で
は、発泡性熱硬化性樹脂組成物と骨材からなる混練物C
が、成形空間Dの圧密部D1で0.8H〜0.99Hの
範囲にある所定の高さH1まで圧密され、それによって
骨材−成形空間壁面間及び骨材相互間の搬送方向に対向
する抵抗力が高められる。また、保持部D2が圧密部D
1に連ねられているため、上記圧密化及び保持部D2の
存在により、前述した下流の発泡域からの発泡現象に起
因するバックフロー現象を確実に防止することができ
る。そして、拡厚部D3において、バックフロー現象を
生じさせることなく、発泡・硬化が進行し、所望とする
製品高さHの樹脂成形品を確実に得ることができる。
【0048】すなわち、上記圧密部D1及び保持部D2
が設けられているため、骨材を高い割合で充填した場合
であっても、バックフロー現象を抑制することができ、
高品質であり、目的とする機械的強度を有する樹脂成形
品を確実にかつ連続的に製造することができる。
【0049】なお、得られた樹脂成形品7は、図示しな
い引取機により引き取られてもよく、それによって長尺
状の樹脂成形品7を効率よく成形空間Dから取り出すこ
とができる。
【0050】次に、具体的な実施例につき説明する。 (実施例1)発泡性熱硬化性樹脂組成物として、ポリエ
ーテルポリオール(住友バイエル社製、品番:スミフェ
ン1703、水酸基価390)100重量部に対して、
ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(住友バ
イエル社製、品番:スミジュール44V10)110重
量部、整泡用シリコンオイル剤0.5重量部、水0.3
重量部、反応触媒としてジブチル錫ラウレート0.05
重量部を、図1に示した製造装置の混練機2に供給する
とともに、骨材として7号珪砂を、体積充填率が55%
となるように、混練機2に供給し、混練して、混練物C
を得た。
【0051】得られた混練物Cを製造装置の第1の無端
搬送金型3上に供給し、搬送速度0.5m/分で無端搬
送金型3を移動させながら、水平面に対する傾斜角度が
5°の傾斜面を有する第2の無端搬送金型4とにより構
成される成形空間の圧密部D1で高さ97mmまで圧密
した。続いて、発泡力に対してより大きな抵抗力を有す
る保持部D2(長さが1000mm)、50℃の温度に
設定された拡厚部D3(傾斜角度=5°)、80℃の温
度の硬化域と室温の冷却域とを有する第2の保持部D4
を通過させ、切断機で切断し、長さ2000mm、幅2
00mm及び高さ100mmの樹脂成形体を得た。
【0052】(実施例2)骨材として5号珪砂、及びア
ルミノシリケートからなる中空粒子(粒径は5〜300
μmに分布)を用い、骨材の成形体における体積充填率
70%(内、3号珪砂30%、中空粒子40%)とした
こと、圧密部D1で高さH1を95mmとしたこと以外
は、実施例1と同様にして、樹脂成形体を得た。
【0053】(比較例)圧密部D1で高さH1を100
mmとし、保持部D2を設けなかったこと以外は、実施
例1と同様にして、樹脂成形体を得た。
【0054】(樹脂発泡体評価)実施例1,2、比較例
で得られた樹脂成形体を、以下の要領で評価した。結果
を下記の表1に示す。
【0055】骨材の充填率 得られた成形体を、マッフル炉で、750℃で120分
間焼き、有機成分を取り除いた後、残存する無機物、す
なわち骨材成分の重量を測定し、該重量と骨材成分の比
重と、成形体の重量及び体積から骨材の体積充填率を算
出した。
【0056】圧縮強度 得られた樹脂成形体の圧縮強度を、JIS K6911
に準拠して、測定した。 成形材料の逆流 上記樹脂成形体を連続して30分程度製造し、この間、
圧密部D1の入口Da付近で、成形材料の逆流、すなわ
ち溢れだしの有無を目視で観察し、併せて得られた樹脂
成形体の断面を観察した。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】上記のように、本発明に係る樹脂成形品
の連続製造方法及び製造装置では、発泡性熱硬化性樹脂
組成物及び骨材を混練することにより得られた混練物
が、成形空間に導かれ、成形空間に上記圧密部及び保持
部が設けられており、圧密部において、混練物の高さが
0.8H〜0.99Hの範囲にある所定の高さH1とな
るように圧密され、かつ保持部においては該所定の高さ
H1に保持されるため、保持部の後段に設けられた拡厚
部において発泡・硬化が進行したとしても、バックフロ
ー現象を確実に抑制することができる。従って、骨材を
高い割合で充填した混練物を用いた場合であっても、安
定にかつ連続的に所望とする樹脂成形品を得ることがで
き、骨材の充填率の高い機械的強度に優れた樹脂成形品
を連続的に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る樹脂成形品の製造装
置の概略構成図。
【図2】本発明の一実施形態に係る樹脂成形品の製造装
置の成形空間部分の略図的横断面図。
【符号の説明】
1…製造装置 2…混練機 3…第1の無端搬送金型 4…第2の無端搬送金型 5,6…第3,第4の無端搬送金型 7…樹脂成形品 A…発泡性熱硬化性樹脂組成物 B…骨材 C…混練物 D…成形空間 D1…圧密部 D2…保持部 D3…拡厚部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 31:10 B29L 31:10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡性熱硬化性樹脂組成物と骨材とを混
    練することにより混練物を得る工程と、 前記混練物を第1の無端搬送金型上に連続的に供給する
    工程と、 前記第1の無端搬送金型と、該第1の無端搬送金型と対
    向するように第1の無端搬送金型の上方に配置された第
    2の無端搬送金型とにより構成された成形空間に前記混
    練物を搬送し、樹脂成形品を成形する工程とを備え、 前記成形空間が、最終的に得られる樹脂成形品の高さを
    Hとしたときに、入口側から成形空間の高さが0.8H
    〜0.99Hの範囲にある所定の高さまで徐々に混練物
    を高さ方向に圧密する圧密部と、該圧密部の後段に連ね
    られており、成形空間の高さが前記所定の高さとされて
    いる保持部と、該保持部の後段に連ねられており、成形
    空間の高さがHに向かって徐々に大きくなる拡厚部とを
    有し、該成形空間内において、上記混練物の圧密及び発
    泡・硬化が行なわれる、樹脂成形品の連続製造方法。
  2. 【請求項2】 第1の無端搬送金型と、第1の無端搬送
    金型の上方に配置された第2の無端搬送金型とを備える
    成形型を有し、 前記成形型において、第1,第2の無端搬送金型間に成
    形空間が構成されており、 最終的に得られる樹脂成形品の高さをHとしたときに、
    前記成形空間の入口の高さがHよりも大きく、入口側か
    ら進行方向に向かって成形空間の高さが0.8H〜0.
    99Hの範囲の所定の高さまで徐々に低くなる圧密部が
    構成されており、該圧密部に連ねられて、成形空間の高
    さが前記所定の高さである保持部が構成されており、保
    持部の後段に、成形空間の高さがHまで連続的に大きく
    なる拡厚部が設けられている、樹脂成形品の製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019155780A (ja) * 2018-03-14 2019-09-19 株式会社荒川製作所 成形装置
WO2023189777A1 (ja) * 2022-03-29 2023-10-05 日東電工株式会社 複合材料シートの製造方法及び複合材料シート用製造装置

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