JP2002347024A - 熱可塑性樹脂の造粒方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂の造粒方法

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JP2002347024A JP2001157559A JP2001157559A JP2002347024A JP 2002347024 A JP2002347024 A JP 2002347024A JP 2001157559 A JP2001157559 A JP 2001157559A JP 2001157559 A JP2001157559 A JP 2001157559A JP 2002347024 A JP2002347024 A JP 2002347024A
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Ryuji Furukawa
龍二 古川
Minoru Tada
稔 多田
Hiromitsu Tachibana
博光 立花
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゴム成分の割合が高い場合でも、高温、高剪断
処理による樹脂の熱劣化や色焼けといった品質低下がな
く、安価な設備費で且つエネルギー消費を抑えたゴム成
分を含有する熱可塑性樹脂の造粒方法。 【解決手段】ゴム成分を含有する熱可塑性樹脂粉末10
0重量部に溶剤1〜30重量部を添加し、40〜130
℃の比較的低温で、かつ20〜100kg/平方cmの
比較的低い圧力で加熱圧縮処理することで樹脂粉末基本
粒子の圧密化または溶融化を行い、ハンドリングに便利
な造粒体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はABS樹脂、MBS
樹脂などゴム成分を含有する熱可塑性樹脂粉末からハン
ドリングに便利な造粒体を製造する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来熱可塑性樹脂の造粒については、押
出機を用いた方法が知られている。例えば、特公昭59
−37021号では、重合体スラリーまたは含水重合体
を二軸押出機にて脱水、可塑化、ベント水分蒸発、溶融
させ、ダイスよりストランド状で押し出し、冷却切断し
ペレット状のABS樹脂を製造する方法が開示されてい
る。しかしゴム成分の割合が高い熱可塑性樹脂は、溶融
しにくく、溶融のために温度を上げると、樹脂の品質劣
化や色焼けが生じる。これを避けるため、例えば特許2
978227号のように、二軸圧搾脱水押出機を使用し
且つ押出機先端のダイスを設けず開放系とし、押出温度
ならびに圧力上昇を抑え、溶融状態を経ず、フレーク状
粒体で押し出し造粒品を製造している。この方法は二軸
押出機を使用するため極めて設備費用が高くつくことと
且つ押出用高容量モーターとヒーターの使用によるエネ
ルギーの多大な消費が問題で、また得られる造粒耐の形
状が不揃いとなる。
【0003】また、乾燥粉末樹脂を加圧圧縮することで
圧密ブロック化したのち解砕し粉粒体を得る方法が特開
平6−287311号公報に開示されているが、圧縮圧
力が非常に大きく、この造粒方法も製造設備費用が高
く、エネルギー消費が大きい問題があった。
【0004】一方、熱可塑性樹脂をビカット軟化温度よ
りも10〜40℃高い温度範囲で圧縮処理し造粒体を得
る方法が特開平11−254428号公報に開示されて
いるが、樹脂によってはビカット軟化温度が100℃を
超え、圧縮処理温度も150℃を超える。このような場
合、樹脂の色焼けや熱劣化がおこる問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ゴム
成分を含む熱可塑性樹脂を高温、高剪断条件で造粒する
のではなく、溶剤を添加することで加熱圧縮造粒が低
温、低圧で実施でき、品質低下がなく、エネルギー消費
も少なく、且つ高い設備費用とならない造粒方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため本発
明者らは少量の溶剤を使用することでエネルギーコスト
を削減できる造粒方法を見出した。即ち本発明はゴム成
分を含有する粉末状熱可塑性樹脂に溶剤を該樹脂100
重量部あたり1〜30重量部添加し、温度範囲40〜1
30℃、圧力範囲20〜100kg/cm 2で加温圧縮
し粉末状樹脂を圧密化状態または溶融固化状態にして造
粒体を得ることを特徴とするゴム成分を含有する熱可塑
性樹脂の造粒方法(請求項1)及び請求項1記載の造粒
方法により得られるゴム成分含有熱可塑性樹脂粒状体
(請求項2)に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明におけるゴム成分を含有す
る熱可塑性樹脂は、ゴム成分にスチレン、メチルメタク
リレート、ブチルアクリレート、メチルアクリレート等
のビニルモノマーをグラフト重合させた熱可塑性樹脂で
ある。代表的な例としてABS樹脂、MBS樹脂、アク
リル系モディフアイヤーなどがあげられる。一般にはゴ
ム成分20〜80%、ビニルモノマー成分80〜20%
のものが本発明に有利に適用できる。
【0008】これらの熱可塑性樹脂は粉状でも取り扱わ
れているが、特にゴム成分の割合が高く、改質その他の
目的で他の樹脂に混合して使用するような熱可塑性樹脂
の場合、粒径が大きくて粉塵が発生せず、ハンドリング
性が良好なペレット、グラニュール、タブレット等粒状
体として需要が増加する傾向にある。本発明はこれら粒
状体を製造する方法に関するものである。これらのゴム
成分の割合が高い熱可塑性樹脂はゴム成分の割合が低い
ものに比較して溶融しにくいだけでなく、熱による品質
劣化や色焼けが生じやすいという特徴がある。したがっ
て、通常の熱可塑性樹脂に用いられるような押出機で溶
融してペレット化しようと試みると、溶融すると同時に
熱による品質劣化や色焼けが生じる。品質劣化や色焼け
なく溶融させることは非常に難しく、特許297822
7号では水分を含む樹脂を圧搾脱水機構を有した二軸押
出機を使用し且つ押出機先端のダイスを設けず開放形と
し、押出温度ならびに圧力の上昇を抑え、溶融状態を経
ず、フレーク状粒体で押し出し造粒品を製造する方法を
示している。あるいは熱による品質劣化を防ぐために温
度のかからない高圧での圧縮による造粒方法が特開平6
−287311号公報で示されている。これら二軸押出
機や高圧圧縮を用いた方法は、その造粒に要するエネル
ギー消費が大きく(乾燥樹脂1kgあたり0.2〜0.
3kWh/kg)設備費用も高価である。また、熱可塑
性樹脂をビカット軟化温度よりも10〜40℃高い温度
範囲で圧縮処理し造粒体を得る方法が特開平11−25
4428号公報に開示されているが、樹脂によってはビ
カット軟化温度が100℃を超え、圧縮処理温度も15
0℃を超える。このような場合、樹脂の色焼けや熱劣化
がおこる問題があった。本発明者はこういった熱可塑性
樹脂造粒に際しての品質劣化やコストアップを解決すべ
く、熱可塑性樹脂造粒に関する基本条件を検討した結
果、熱可塑性樹脂粉末を圧縮造粒するに際し、溶剤を添
加することにより、より低温条件、低圧条件で造粒体を
得ることができることを見出した。すなわち、ゴム成分
を含有する熱可塑性樹脂粉末に溶剤を添加することによ
り、熱劣化を生じさせず且つエネルギー消費の少ない低
温、低圧条件下で樹脂粉末基本粒子の圧密化または溶融
化を促進し、強固な造粒体を製造する方法を見出した。
【0009】このことによって押出機での処理条件より
極めて低く、熱劣化には全く影響しない温度条件下で
も、また室温での高圧圧縮よりも極めて低い圧力条件下
でも造粒体を製造することができるようになった。
【0010】本発明に適する溶剤は、ゴム成分を含有す
る熱可塑性樹脂を溶解または膨潤させる溶剤があげられ
る。例えば、アセトン、テトラヒドロフラン、トルエ
ン、酢酸エチル、エポキシ化大豆油、ジ−2−エチルヘ
キシルフタレート、アジピン酸エステル、メチルメタア
クリレート、ブチルアクリレート等の公知の溶剤が該当
する。これらは、ゴム成分を含有する熱可塑性樹脂10
0部(重量部、以下同様)あたり1〜30部使用すれば
よい。1部を下まわると溶剤の効果が発現しにくく、3
0部を超えると粉体のハンドリングが難しくなる。
【0011】溶剤の熱可塑性樹脂への添加は圧縮造粒処
理の前に実施する。公知の連続式や回分式のミキサーが
使用できる。
【0012】圧縮処理の温度条件は40〜130℃であ
る。130℃を超えると熱による品質劣化や樹脂の色焼
けが生じ、40℃を下まわると樹脂粉末の圧密化や溶融
固化が促進されないので、40〜130℃の範囲で設定
するが、この温度範囲は、溶剤を添加せずに圧縮処理を
行った場合よりも20〜50℃低い。圧力については、
低ければ樹脂粉末の圧密化や溶融固化が促進されないの
で下限を20kg/cm2とし、また設備費用やエネル
ギー消費を考慮して上限を100kg/cm2として2
0〜100kg/cm2の範囲で設定するが、この圧力
範囲は、室温での圧縮条件100〜1000kg/cm
2に比較して極めて低い。圧密化状態とは熱可塑性樹脂
の粉末を加熱圧縮したときなどその粉末が粉末の形態を
ある程度保持しながら融着あるいは粒状化した状態を意
味する。
【0013】加熱については、予め粉末樹脂を加熱させ
ておくこと、圧縮面を設定温度に加熱保持することが望
ましい。使用する装置によっては樹脂の圧縮で発熱する
場合もあるので、熱バランスを考慮する。
【0014】圧縮については、面圧をかける方式や線圧
をかける方式などいづれでもよい。
【0015】加熱圧縮処理は、造粒体ができればそのま
まあるいは切断処理後製品となるような形状の型枠の中
で実施することが望ましいが、たとえばシート状で成形
後、解砕機で粒状化してもよい。
【0016】装置型式は回分式、連続式いづれの型式で
もよく、具体的な装置としては、次のようなものが適用
できる。 圧縮ロール:上下または左右1対のロールで圧縮し、帯
状に固めてこれを解砕する機構の装置。また、ロールに
あけられた穴によって小片状に固める機構の装置によっ
ても造粒できる。 ペレットミル(1):水平固定多孔板ダイス上のロール
が回転して、ダイス上に落下する原料をダイスを通して
下部に押し出し、回転するカッターで切断する機構の装
置。 ペレットミル(2):回転する円筒状多孔ダイスと摩擦
により駆動される2個の内部ロールとの間で材料を押し
出し、ダイス外側面のカッターで切断する機構の装置。 打錠機:臼と杵の間に原料を充填し、上下の杵を移動さ
せて圧縮成形させる機構の装置。成型体を解砕する方法
もある。 単軸押出機:粉末樹脂を可塑化、溶融、ダイスよりスト
ランドとして押し出して適当な大きさに切断しペレット
を得る装置。
【0017】このように、本発明では、熱可塑性樹脂に
溶剤を添加し、温度条件、圧力条件を適切に設定すれ
ば、連続式、回分式のいづれの形式の装置でも強固な造
粒体を得ることが可能である。
【0018】本発明で得られた造粒体は他の熱可塑性樹
脂であるポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリメチルメタクリレートなどと混合して射出成形
機で成形させる用途に好適に使用できる。
【0019】
【実施例】以下に、実施例に基づき本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるも
のではない。なお、実施例および比較例の操作条件と結
果については、表1および表2に示した。
【0020】(実施例1)ブタジエンゴム成分70%、
平均粒径約220μmである乾燥MBS樹脂(鐘淵化学
工業株式会社製カネエースM511)約0.4gに溶剤
としてエポキシ化大豆油を3部(対樹脂乾燥重量)を添
加した後、内径約10mmの圧縮シリンダーに充填後、
熱風ヒーターによりシリンダーおよび樹脂を55℃まで
昇温し、ピストンをシリンダー内に封入した。さらに、
油圧圧縮装置により50kg/cm 2の面圧で加圧圧縮
した。製品は、直径約10mm、長さ約8mm、溶融固
化状態の強固な状態である円柱状の造粒体であった。装
置に固着しておらず容易に取り出すことができ、樹脂の
色焼けはみられなかった。エネルギー消費のめやすであ
る比エネルギーは0.044(kWh/kg乾燥樹脂)
であった。
【0021】(実施例2)実施例1と同じ乾燥MBS樹
脂100部に予めアセトン15部を添加し45℃まで昇
温した。この樹脂を約5kg/hrの割合で圧縮ロール
方式(ターボ工業製ローラーコンパクタ、型式WP−9
0:ロール径90mm、幅30mm)の造粒装置に供給
した。ロール間の圧縮力は線圧約65kg/cmとし
た。造粒体は25mm幅、2mm厚みのシート状で溶融
固化状態であった。装置への固着はなく、樹脂の色焼け
はみられなかった。これを解砕機に投入した後乾燥し、
不定形の粒状造粒体を得た。比エネルギーは0.052
(kWh/kg乾燥樹脂)であった。得られた造粒体と
ポリブチレンテレフタレートとを混合し、射出成型機を
用い230℃で押出射出成形し、色やけ、アイゾット衝
撃強度(50kJ/m2の強度になる温度;℃)、MF
R(メルトフロー値、JISK7210、g/10分)
を測定した。結果を表1に示す。
【0022】(実施例3)実施例1と同じ乾燥MBS樹
脂100部に予めDOP(ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート)3部を添加し、60℃に加熱しておいたMBS
樹脂を約20kg/hrの割合でペレットミル(千代田
技研製プレスペレッター、型式F−180:ダイス直径
180mm、ダイス孔径3mm、ダイス孔上部テーパ付
き)に供給した。ロールの圧縮力は面圧約65kg/c
2とした。ダイスから押し出た原料をロールと同心回
転するカッターで切断し円柱状で溶融固化状態の造粒体
を得た。装置への固着はなく、樹脂の色焼けはみられな
かった。比エネルギーは0.042(kWh/kg乾燥
樹脂)であった。得られた造粒体をポリブチレンテレフ
タレートと混合し、230℃で押出射出成形し、色や
け、アイゾット衝撃強度、MFRを測定した。結果を表
1に示す。
【0023】(実施例4)予めアセトン5部を添加した
実施例1と同じMBS樹脂を50kg/hrの割合で単
軸押出機(大阪精機工作製単軸押出機、型式120VS
E−6536V*径35mm、シリンダー長L/軸径D
=15)に供給した。回転数120rpm、樹脂温度1
05℃、ダイス部押し出し圧力16kg/cm2でダイ
スより押し出し、ホットカットし、造粒体を得た。比エ
ネルギーは0.12(kWh/kg乾燥樹脂)であっ
た。得られた造粒体をポリブチレンテレフタレートと混
合し、230℃で押出射出成形し、色やけ、アイゾット
衝撃強度、MFRを測定した。結果を表1に示す。
【0024】(実施例5)ブチルアクリレートゴム成分
70%、平均粒径約250μmである乾燥アクリル系モ
ディファイヤー(鐘淵化学工業株式会社製カネースM−
210)約0.4gに溶剤としてエポキシ化大豆油を3
部(対乾燥樹脂100部)を添加した後、実施例1と同
じ圧縮シリンダーに充填後、熱風ヒーターによりシリン
ダーおよび樹脂を65℃まで昇温し、ピストンをシリン
ダー内に封入した。さらに、油圧圧縮装置により60k
g/cm2の面圧で加圧圧縮した。製品は、直径約10
mm、長さ約8mmの円柱状の造粒体であり、造粒状態
は実施例1と同様であった。比エネルギーは0.044
(kWh/kg乾燥樹脂)であった。
【0025】(実施例6)実施例5と同じアクリル系モ
ディファイヤーに予めアセトン15部を添加し55℃ま
で昇温した。この樹脂を約5kg/hrの割合で実施例
2と同じ圧縮ロールに供給した。ロール間の圧縮力は線
圧約70kg/cmであった。造粒体は25mm幅、2
mm厚みのシート状で溶融固化状態であった。装置への
固着はなく、樹脂の色焼けはみられなかった。これを解
砕機に投入した後乾燥し、不定形の粒状造粒体を得た。
比エネルギーは0.048(kWh/kg乾燥樹脂)で
あった。得られた造粒体をポリメチルメタクリレートと
混合し、240℃で押出射出成形し、色やけ、透明度、
色調を評価した。結果を表2に示した。
【0026】(実施例7)予めDOP3部を添加し、6
2℃に加熱しておいた実施例5と同じ乾燥アクリル系モ
ディファイヤーを約20kg/hrの割合でペレットミ
ル(新田ゼラチン製ペレットミル、型式BS−30:円
柱ダイス直径267mm、ダイス孔径3mm)に供給し
た。ロールの圧縮力は面圧約72kg/cm2とした。
ダイスから押し出た原料をダイス外周に設置したカッタ
ーで切断し円柱状で粒子圧密化状態の造粒体を得た。装
置への固着はなく、樹脂の色焼けはみられなかった。比
エネルギーは0.04(kWh/kg乾燥樹脂)であっ
た。得られた造粒体をポリメチルメタクリレートと混合
し、240℃で押出射出成形し、色やけ、透明度、色調
を評価した。結果を表2に示す。
【0027】(比較例1)実施例2においてMBS樹脂
に溶剤を添加せず圧縮ロールに供給した。圧縮された樹
脂は圧密化不足で実施例2のようなシート状の強固な造
粒体ではなく、指先でほぐすと崩壊するような凝集体で
あった。
【0028】(比較例2)実施例2で使用した圧縮ロー
ル式装置を用い、予め170℃に予熱したMBS樹脂に
溶剤を添加せず圧縮ロールに供給した。ロール間の圧縮
力は線圧約220kg/cmに設定した。圧縮された樹
脂は実施例2のようなシート状の強固な造粒体であった
が、樹脂に色焼けが生じた。比エネルギーは0.27
(kWh/kg乾燥樹脂)であった。得られた造粒体と
ポリブチレンテレフタレートを混合し、230℃で押出
射出成形し、色やけ、アイゾット衝撃強度およびMFR
を測定した。結果を表1に示す。
【0029】(比較例3)実施例3においてMBS樹脂
に溶剤を添加せずペレットミルに供給した。ダイスから
押し出た樹脂は圧密化不足で実施例3のような円柱状の
強固な造粒体ではなく、指先でほぐすと崩壊するような
凝集体であった。
【0030】(比較例4)実施例4において、MBS樹
脂に溶剤を添加せず単軸押出機に供給した。実施例4の
押し出し条件ではダイスより溶融体として押し出すこと
ができなかった。
【0031】(比較例5)実施例4の単軸押出機を用
い、溶剤を添加しないMBS樹脂を50kg/hrの割
合で供給、樹脂温度を190℃として溶融させダイスよ
り押し出し、ホットカットしペレットを得た。ペレット
は色焼けしており、これをポリブチレンテレフタレート
と混合し、230℃で押出射出成形したところ、IZO
D強度およびMFRが設定する規格品質範囲外であっ
た。比エネルギーは0.23(kWh/kg乾燥樹脂)
であった。
【0032】(比較例6)実施例6においてアクリル樹
脂に溶剤を添加せず圧縮ロールに供給した。圧縮された
樹脂は圧密化不足で実施例6のようなシート状の強固な
造粒体ではなく、指先でほぐすと崩壊するような凝集体
であった。
【0033】(比較例7)実施例2で使用した圧縮ロー
ル式装置を用い、予め140℃に予熱した実施例5と同
じアクリル系モディフアイヤーに溶剤を添加せず圧縮ロ
ールに供給した。ロール間の圧縮力は線圧約300kg
/cmに設定した。圧縮された樹脂は実施例6のような
シート状の強固な造粒体であったが、樹脂に色焼けが生
じた。比エネルギーは0.31(kWh/kg乾燥樹
脂)であった。得られた造粒体をポリメチルメタクリレ
ートと混合し、240℃で押出射出成形し、色やけ、透
明度、色調を評価した。結果を表2に示す。
【0034】(比較例8)実施例7においてアクリル樹
脂に溶剤を添加せずペレットミルに供給した。ダイスか
ら押し出た樹脂は圧密化不足で実施例7のような円柱状
の強固な造粒体ではなく、指先でほぐすと崩壊するよう
な凝集体であった。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明により、高温、高剪断条件での処
理を行う必要がないため、安価な設備費用で且つ少ない
エネルギー消費で品質低下、色焼けのない造粒体が得ら
れる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 55:02 C08L 55:02 Fターム(参考) 4F070 AA06 AA18 AA32 AA34 AB08 DA08 DA11 4F201 AA45 AR02 AR06 BA02 BC01 BC20 BC37 BK43 BL03 BN15 BN44

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム成分を含有する粉末状熱可塑性樹脂
    に溶剤を該樹脂100重量部あたり1〜30重量部添加
    し、温度範囲40〜130℃、圧力範囲20〜100k
    g/cm2で加温圧縮し粉末状樹脂を圧密化状態または
    溶融固化状態にして造粒体を得ることを特徴とするゴム
    成分を含有する熱可塑性樹脂の造粒方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の造粒方法により得られる
    ゴム成分含有熱可塑性樹脂粒状体。
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