JP2002347009A - 合成木材用組成物 - Google Patents

合成木材用組成物

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JP2002347009A
JP2002347009A JP2001153702A JP2001153702A JP2002347009A JP 2002347009 A JP2002347009 A JP 2002347009A JP 2001153702 A JP2001153702 A JP 2001153702A JP 2001153702 A JP2001153702 A JP 2001153702A JP 2002347009 A JP2002347009 A JP 2002347009A
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wood
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lubricant
polypropylene
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Yasushi Uruji
宇留治  泰
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Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形室を通過する成形用混練物が受ける成形
型内の断面方向の圧力分布を比較的小さくし、流動速度
比を比較的小さくし、成形安定性を向上させ、成形不良
を防止できる合成木材用組成物を提供することにある。 【解決手段】 熱可塑性樹脂7と、木粒1等のセルロー
ズ系破砕物と、熱可塑性樹脂7とセルローズ系破砕物か
らなるコンパウンド(成形用混練物)Cの成形型13に
対する摩擦抵抗を低下させる滑剤9とを有し、熱可塑性
樹脂7とセルローズ系破砕物とをそれぞれ重量比30〜
70:70〜30の割合で混合すると共に滑剤9を添加
して成形したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は天然木材に代えて代
替木材として使用できる合成木材用組成物、特に、熱可
塑性樹脂とセルローズ系破砕物とからなる成形用混練物
を成形型に供給することで成形した合成木材用組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】車両用の煽り板や床材として南洋材が使
用されているが、これに代わり使用可能な代替木材の開
発が進められており、特に、南洋材相当以上の強度を持
ち、比較的軽量化を図れる代替木材が各種提案されてい
る。従来、熱可塑性樹脂とセルローズ系破砕物とからな
る代替木材の成形にあたっては、まず、熱可塑性樹脂と
セルローズ系破砕物を混練し、その成形用混練物である
コンパウンドを冷却した上で破砕処理し、その破砕片を
押出し機に供給している。この押出し機には押出し成形
品の断面形状に相当するスリットを有した押出し型が設
けられ、ここをコンパウンドが通過し冷却されることに
より断面形状が代替木材と同一の生成物が押出し成形さ
れ、その上でこの生成物が適宜切断されることで、代替
木材が成形されている。なお、合成樹脂に対するセルロ
ーズ系破砕物の配合割合を調整して合成木材用組成物の
強度及び寸法安定性を確保するようにした技術が特開平
8―224712号公報に開示される。
【0003】ところで、合成木材は熱可塑性樹脂内に混
合されたセルローズ系破砕物の配向性の相違により強度
を変化させる。特に、木粉含有量が50%前後の代替木
材の成形時には、木粉が一定以上のアスペクト比を持
ち、押出し成形型の断面積が比較的小さい等の場合、成
形時に成形用混練物であるコンパウンドが受けるせん断
力によりコンパウンドの流れ方向、即ち、押出し方向に
木粉が配向され易い。この場合、生成物がその長手方向
での曲げ剛性、弾性率、線膨張等の機械的物性を要求さ
れるものであればこの特性を積極的に利用でき、押し出
し方向(長手方向)に木粉の配向を促し、長手方向の機
械的物性を容易に向上させることができる。
【0004】他方、木紛の長手方向が押出し方向(長手
方向)と直交する方向に配向されると合成木材の幅方向
での曲げ剛性が強化され、更に、木紛が代替木材内に均
一に分散して混入されると、ほぼ均一の強度を得ること
ができる。更に、熱可塑性樹脂には他物質とつきやすい
性質の極性高分子であるポリ塩化ビニル(PVC)等
や、着きにくい性質の非極性の高分子であるポリプロピ
レン(PP)、ポリエチレン(PE)等が知られてお
り、これらは成形品の用途に応じて、使い分けられてい
る。ここで非極性高分子であるポリプロピレン又はポリ
エチレンにセルローズ系破砕物を混入して合成木材を生
成するとすると、ポリプロピレンやポリエチレンに対し
セルローズ系破砕物は密着しにくく、コンパウンドの流
動がチキソトロピー性を示しやすくなる。このため、押
出し型通過時にコンパウンドがせん断力を受けると、こ
の際、木紛等は押出し方向に比較的容易に配向され、生
成物の長手方向での曲げ剛性を強化できる。
【0005】更に、特開平10―71636号公報に
は、ポリプロピレン又はポリエチレンとセルローズ系破
砕物とを混練するに当たり、両者の密着性を改善すると
共に生成物のチキソトロピーを適性化し、即ち、コンパ
ウンド内のセルローズ系破砕物の分散流動性を変化さ
せ、押出し方向と直交する方向にセルローズ系破砕物を
比較的効率良く配向させ、代替木材の幅方向の曲げ剛性
を強化したものが開示される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、押出し成形
機は、熱可塑性樹脂にセルローズ系破砕物である木紛等
を混入したコンパウンドを押出し成形型に導き、代替木
材と同一の断面形状の生成物を成形している。この際、
押出し成形型の内壁面に対して近傍位置を通過するコン
パウンドは内壁面との間でのせん断応力を比較的大きく
受け、離隔位置を通過するものはせん断応力を比較的小
さく受ける。即ち、押出し成形型内の成形型周縁部に対
して成形型内断面中央部のコンパウンドの流動速度(せ
ん断速度)が比較的大きくなり、成形型断面方向での生
成物の流動速度分布が大きく変化し、成形安定性が損な
われる。特に、複雑な押し出し断面形状の場合、成形が
的確に成されず、成形不良が生じ易い。
【0007】さらに、特開平10―71636号公報で
提案する代替木材用のコンパウンドでは、チキソトロピ
ー性が最大となるように相溶化剤の添加量を設定して、
押出し方向と直交する方向にセルローズ系破砕物を比較
的効率良く配向させているが、この場合においても、押
し出し方向に直交する押出し成形型内の断面方向に比較
的大きな圧力分布が生じると、成形安定性が低下し、成
形不良が生じ易く、複雑な押し出し断面形状のものや幅
広の形状のものでは、成形速度を上げることが難しかっ
た。本発明の目的は、成形型内を通過する成形用混練物
が受ける成形型内の断面方向の圧力分布を比較的小さく
し、流動速度比を比較的小さくし、成形安定性を向上さ
せ、成形不良を防止できる合成木材用組成物を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、熱可塑性樹脂と、木粒等のセ
ルローズ系破砕物と、前記熱可塑性樹脂と前記セルロー
ズ系破砕物からなる成形用混練物の成形型に対する摩擦
抵抗を低下させる滑剤とを有し、前記熱可塑性樹脂と前
記セルローズ系破砕物とをそれぞれ重量比30〜70:
70〜30の割合で混合すると共に前記滑剤を添加して
成形したことを特徴とする。このように熱可塑性樹脂と
セルローズ系破砕物とをそれぞれ重量比28〜68:7
0〜30の割合で混合すると共に滑剤を添加して成形し
たため、滑剤が成形用混練物の成形型に対する摩擦抵抗
を低下させると共にセルローズ系破砕物の分散移動を促
進させることに伴ない成形型内壁面に対する近傍位置と
離隔位置とでの成形用混練物の流動速度差が低減し、成
形安定性が向上し、成形不良を防止できる。
【0009】請求項2の発明は、ポリプロピレン又はポ
リエチレンと、木粒等のセルローズ系破砕物と、前記ポ
リプロピレン又はポリエチレンと前記セルローズ系破砕
物との結合性を向上させる相溶化剤と、前記ポリプロピ
レン又はポリエチレンと前記セルローズ系破砕物とから
成る成形用混練物の成形型に対する摩擦抵抗を低下させ
る滑剤とを有し、前記ポリプロピレン又はポリエチレン
と前記セルローズ系破砕物と前記相溶化剤とを重量比2
8〜69.9:70〜30:2〜0.1の割合で混合す
ると共に前記滑剤を添加して成形したことを特徴とす
る。このようにポリプロピレン又はポリエチレンとセル
ローズ系破砕物と相溶化剤とをそれぞれ重量比28〜6
9.9:70〜30:2〜0.1の割合で混合すると共
に滑剤を添加して成形したため、相溶化剤がポリプロピ
レン又はポリエチレンとセルローズ系破砕物との接合を
促進でき、その上で、滑剤が成形用混練物の成形型に対
する摩擦抵抗を低下させると共にセルローズ系破砕物の
分散移動を促進させることに伴ない成形型の成形室内壁
面に対する近傍位置と離隔位置とでの成形用混練物の流
動速度差が低減し、成形安定性が向上し、成形不良を防
止できる。
【0010】好ましくは、前記成形型は前記押出し成形
機に装着されるもので良い。この場合、成形型は成形用
混練物を成形安定性よく合成木材用組成物として押出し
成形できる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1には本発明の適用された合成
木材用組成物の製造に用いられる合成木材製造装置Aを
示し、図2には合成木材用組成物としての合成木材Mを
示した。合成木材製造装置Aはセルローズ系破砕物とし
てのパウダー状の木粒(以後木粉1と記す)を収容し、
同木紛1を調量部m2で調量して供給できる木紛供給器
2と、熱可塑性樹脂7であるポリプロピレン(PP)を
収容し、同ポリプロピレンを調量部m3で調量して供給
できる樹脂供給器3と、ポリプロピレンの木粉1との着
き性を改善する相溶化剤8としてのマレイン酸変性PP
を収容し、同相溶化剤8を調量部m4で調量して供給で
きる相溶化剤供給器4と、ポリプロピレンに適したステ
アリン酸アマノイド系の滑剤9を収容し、同滑剤9を調
量部m5で調量して供給できる滑剤供給器5とを備え、
これらの下方に混練機6を装備する。
【0012】ここで、木粉1はその長手方向の長さlを
短幅方向の長さである粒径で除算した値であるアスペク
ト比が2.5〜10(繊維長方向に長い)の破砕物を2
5%以上含むものが主要紛体として採用され、これによ
り樹脂への木粉混入による曲げ強度や寸法安定性を向上
させ、後述の成形用混練物であるコンパウンドCの流動
特性MFRを調整できるようにしている。熱可塑性樹脂
7であるポリプロピレンは木粉1との境界面での密着性
が低い非極性樹脂であり、両者の密着性を改善でき結合
性を向上させるため相溶化剤8を用いる。相溶化剤8は
ポリプロピレンの木粉との着き性を改善できるマレイン
酸変性PPが採用された。これにより、ポリプロピレン
と木粉1との着き性が改善され、成形された合成木材M
の曲げ強度や寸法安定性を改善することができる。
【0013】なお、相溶化剤8としてのマレイン酸変性
PPは、ポリプロピレンに代えてポリエチレンを熱可塑
性樹脂として用いた場合でも採用できるが、その他の熱
可塑性樹脂を用いる場合には、各熱可塑性樹脂に適した
相溶化剤が選択されることなる。次に、熱可塑性樹脂7
であるポリプロピレンには成形時における成形型内壁面
に対する摩擦抵抗を低下させる滑剤9が混入される。滑
剤9としてはポリプロピレンに適したステアリン酸アマ
ノイド系の滑剤が選択採用された。なお、これに代え
て、ステアリン酸モノグリセライト系、あるいは、エス
テル系の滑剤を用いることもできる。ここではいわゆる
外部滑剤を採用するとしたが、これに加え、場合によ
り、コンパウンド自体の内部のせん断方向の滑りを改善
する、いわゆる、内部滑剤を追加供給してもよい。
【0014】混練機6は図示しないすり鉢状容器の中央
底部に縦向き回転軸と一体の羽ブレードを比較的低速で
回転させて、成形用混練物を撹拌する。ここで、成形用
混練物であるコンパウンドCは、混練機6の羽ブレード
(図示せず)による撹拌、混練に伴い発生する摩擦熱で
各物質を十分に溶融させ、しかも、低圧混練して、内部
の水分を放出させて乾燥させ、合成木材M用のコンパウ
ンドCを生成する。混練機6は収容したコンパウンドC
の含有水分が1〜5%程度に低下すると、混練処理を停
止し、同コンパウンドを空気冷却する。これによってコ
ンパウンドCは固まり、その固形物は粉砕機11に供給
される。粉砕機11は固化した合成木材用のコンパウン
ドCを小石状の大きさに粉砕する。次いで、この粉砕物
11は押出し成形機12のホッパー121に供給され
る。
【0015】押出し成形機12はストレートの一軸スク
リュー(図示せず)を回転させ、シリンダ122の内壁
とスクリューの間の樹脂流路で固化したコンパウンドC
を混練し、剪断熱を発生させて溶融し、溶融したコンパ
ウンドCを押出し成形型13を成すダイに導き、同ダイ
より連続生成物M’を押出し方向Xに押し出す。ここ
で、押出し成形型13は合成木材Mの断面形状に相当す
るスリット状の押出し成形室14及びその前部に連続し
て形成された絞り室15を備える。ここで、絞り室15
にはヒータ16が、押出し成形型内14には冷却器17
が対設される。
【0016】合成木材Mの断面形状は、図2に示したよ
うに、板幅方向における肉厚が大きく変化する段付き板
状を成している。このため合成木材Mを押出し成形する
押出し成形型13はその押出し成形型内14の押出し方
向Xと直交する断面方向の形状が、図3に示したよう
に、合成木材Mの肉厚が大きく成形される部位に相当す
る厚板相当部e1と、小さく成形される部位に相当する
薄板相当部e2とを並列状に複数配備した形状を採る。
【0017】押出し成形機12内のコンパウンドCは図
示しないスクリューによって混練されて剪断熱を受ける
が、この剪断熱による加熱により含有水分や木酸ガス等
の発生が過度に促進されることが無いよう、押圧力のみ
が強化されて剪断熱の発生を低レベルに規制できるスク
リュー等が予め選択される。スクリューの駆動で押圧さ
れるコンパウンドCは、ダイの絞り部15から押出し成
形型内14に向かってしぼり込まれ、その際、押圧力を
受けた木粉1とポリプロピレンとの密着性を強化でき
る。押出し成形型13の出口側には連続生成物M’を合
成木材Mとしての長さに裁断するカッター装置18が対
向配備され、その間にはローラブレーキ装置19が配備
される。
【0018】ローラブレーキ装置19は押出し方向Xに
押しだされる連続生成物M’の上下両面を複数のローラ
191でスリップ状態で挟持する。即ち、これらローラ
は連続生成物M’の押出し成形型13の出口位置での押
出し速度より低い引っ張り速度で連続生成物M’を引っ
張ることより、連続生成物M’に対して、押出し方向X
とは逆の押出し成形型13の方向に向かうバックプレッ
シャーPbを加えることができるように構成される。こ
のため、押出し成形型13の出口位置近傍の連続生成物
M’はバックプレッシャーPbを受けることで、内部の
木粉1とポリプロピレンとの密着性をより強化できる。
【0019】次に、このような合成木材製造装置Aを用
い、合成木材Mを製造するにあたり採用される各成形用
物質の配合比について説明する。ここで、ポリプロピレ
ン(PP):木粉:マレイン酸変性PPの配合比は、ポ
リプロピレンが28〜69.9重量%の範囲で、木粉が
70〜30重量%の範囲で、マレイン酸変性PPが2.
0〜0.1重量%の範囲で混入される。更に、これら混
合物に対してステアリン酸アマノイド系の滑剤が0.0
1〜0.15重量%の範囲で添加される。これらの配合
比を設定するにあたっては、前以て図6〜図8に示した
データが採用された。
【0020】ここでは、例えば、図4に示す計測器21
を用い、成形用混練物であるコンパウンドCの流動特性
MFRが計測された。即ち、規定のシリンダS内に、被
試験流体であるコンパウンドCを充填し、これを規定の
ウエイトW1で加圧する。シリンダSの底部にはほぼ矩
形のスリットrが形成され、スリットrより流下するコ
ンパウンドの流下部分dcの流動量が計測され、MFR
〔g/10min〕として計測された。なお、コンパウ
ンドC内の木粉1は矩形のスリットr通過時にその長手
方向を流動方向に沿うように変えるため、木粉1の形状
(アスペクト比)、配合量によって流動特性MFRが変
化する。図6では、木粉配合量60重量%の場合におい
て、流動特性MFRが低いほど曲げ強度〔MPa〕が大
きくなることを示している。
【0021】次に、ポリプロピレン(PP)のチキソト
ロピーTiの特性を説明する。図5に示すように、図4
で計測したコンパウンドCの流動特性(=流動量MFR
〔g/10min〕→せん断速度vs〔mm/s〕)線
L1は、荷重F(=ウエイトW1の荷重→せん断応力σ
〔pa〕)に対して比例関係(直線特性L)になく、直
線特性Lよりずれ、すなわち、荷重Fが大きくなると急
激に流動化しやすくなるという程度をチキソトロピーT
iとして求めた。このチキソトロピーTiの算出にあた
っては、例えば、ウエイトW1の値であるF2を100
kgに設定し、F1を25、50、75kgとして各n
を、n=F 2/F1、(F2>F1)として求める。その上
で、チキソトロピーTiの値はMFR(F2)/MFR
(F1)×nとして算出された。
【0022】ここで、例えば、木粉配合量55重量%
(ほぼ、PP44.5重量%前後)の場合において、相
溶化剤添加量(重量%)を変化させた場合、その時のチ
キソトロピーTiの値を求めると、図7に示すように変
化した。更に、木粉配合量55重量%(ほぼ、PP4
4.5重量%前後)の場合に、チキソトロピーTiを順
次変化させ、その時の曲げ強度〔MPa〕を算出する
と、図8に示すようにチキソトロピーTiの大きいほど
曲げ強度〔MPa〕が大きいことが明らかとなった。こ
のように、矩形断面のスリットrを通過して成形された
比較的単純な断面矩形の成形品であれば、ポリプロピレ
ンが44.5重量%前後、木粉配合量55重量%で、相
溶化剤添加量が0.5〔重量%〕の配合比のコンパウン
ドCを用いた場合に、その曲げ強度が最も強化されるこ
とが明らかである。
【0023】次に、図2に示すような、板幅方向におけ
る肉厚が大きく変化した段付き板状の断面を成し、木粉
含有量が50%を上回る木粉高充填の合成木材Mの一例
及びその製造方法を説明する。この合成木材Mを製造す
るにあたり、採用された成形用物質は、ポリプロピレン
が43.5重量%、木粉が55重量%、マレイン酸変性
PPが1.5重量%の配合比であった。しかも、これら
に対して0.1重量%のステアリン酸アマノイド系の滑
剤が添加された。これら成形用物質は合成木材製造装置
Aの混練機6で攪拌され、冷却固化したものが、粉砕機
11で粉砕され、それら粉砕粒が押出し成形機12に供
給される。押出し成形機12内で攪拌により溶融した成
形用混練物であるコンパウンドCは押出し成形型13の
押出し成形型内14に供給され、連続生成物に成形さ
れ、連続生成物M’はカッター装置18で所定長に裁断
され、合成木材M1として製造される。
【0024】この合成木材Mの成形時において,相溶化
剤(マレイン酸変性PP)添加量が1.5重量%の配合
比のコンパウンドCを採用したことより、図7に示すよ
うに、チキソトロピーTiはその最大値と成る相溶化剤
添加量0.5重量%の領域を外れ、比較的低い領域に保
持された。このような配合比のコンパウンドCを採用し
たことで、木粉の配向は抑えられ、木紛1が合成木材M
内に均一に分散して混入され、合成木材Mはその方向性
に関係なく機械的物性がほぼ均一に保持された状態で成
形されたと見做される。
【0025】ここで押出し成形型13の押出し成形型内
14は、図3に示すように、合成木材Mの肉厚が大きく
成形される部位に相当する厚板相当部e1と小さく成形
される部位に相当する薄板相当部e2とを並列状に複数
配備した形状を採る。しかも、押出し成形型内14はそ
の周縁部に対して大きく離隔した離隔位置Bが厚板相当
部e1のほぼ中央部に存在し、内壁面に対する距離が接
近する近傍位置Aが厚板相当部e1の周縁部及び薄板相
当部e2のほぼ全域に存在する。この内、近傍位置Aを
流動するコンパウンドCは押出し成形型内14の内壁面
に対する摩擦抵抗を比較的大きく受け、離隔位置Bを流
動するコンパウンドCは摩擦抵抗を比較的受けない。
【0026】このため、本来、比較的複雑な断面形状の
押出し成形型内14を流動するコンパウンドCは近傍位
置Aと離隔位置Bとでの摩擦抵抗差の影響を受け、コン
パウンドCのせん断方向である成形室断面方向における
圧力分布が大きく、流動速度差が生じやすい。しかし、
ここではコンパウンドCのチキソトロピーを規制し、滑
剤9を混入し、図5に示した、せん断速度(vs)−せ
ん断応力σ〔pa〕からなる流動特性を修正した。
【0027】即ち、図5に示したように、チキソトロピ
ーの大きなコンパウンドを採用した場合、せん断速度
(vs)−せん断応力σ〔pa〕からなる流動特性線L
1は直線特性Lよりずれる。しかし、ここではせん断応
力σ〔pa〕がσbからσaと変化するのに対し、チキ
ソトロピーの比較的小さなコンパウンドを採用すること
で、せん断速度(vs)差がα0(=vb0−va0)
よりα(=vb−va)と低減される流動特性線L2の
特性を選択した。しかも、ここでは成形型内内壁面に対
する摩擦抵抗を低下させる滑剤9をコンパウンドCに混
入したため、押出し成形型内14の内壁面に対する近傍
位置Aと離隔位置Bとの間の摩擦抵抗差を低減させ、圧
力分布を小さくできた。即ち、成形型断面方向における
コンパウンドCのせん断応力がσaからσa’と変化
し、せん断速度(vs)差α1(=vb−va’)をよ
り低減し、成形安定性を向上させることができた。
【0028】しかも、ここでは上述のように木粉の配向
が抑えられ、木紛1が比較的複雑な断面形状の合成木材
M内に均一に分散して混入されたことも加わり、この点
でも成形安定性を向上させることができた。このよう
に、合成木材Mがその肉厚を大きく変動し、厚板相当部
e1と薄板相当部e2が並列状に複数成形されるという
ように複雑な断面形状であっても、滑剤がコンパウンド
Cの成形型に対する摩擦抵抗を低下させると共に木粉1
の分散移動を促進させることに伴ない成形型内壁面に対
する近傍位置Aと離隔位置BとでのコンパウンドCの圧
力分布を小さくし、流動速度差を低減したので、今まで
成形時の圧力分布が大きく成形が困難であった複雑な断
面形状、あるいは薄い幅広の成型品である合成木材Mの
成形が容易になり、成形安定性が向上し、成形不良を防
止でき、成形速度を上げることも可能となった。
【0029】なお、ここでの滑剤の配分比(0.01〜
0.15重量%)はポリプロピレンの配分比100重量
%に対して適性と見做されている標準添加量0.1〜
0.5重量%に基づき設定されたが、断面形状や押出し
速度等に応じ、これを増減調整しても良い。上述の処に
おいて、セルローズ系破砕物は木粉1として説明した
が、これに代えて、グラスファイバ等のセルローズ系以
外の一定アスペクト比を持つ破砕物を用いても良い。上
述の処において、熱可塑性樹脂7はポリプロピレンとし
て説明したが、ポリエチレンやその他の熱可塑性樹脂を
採用した場合も同様の作用効果が得られる。
【0030】上述のところに於いて、合成木材は車両用
として説明したが、その他の構造物に採用される合成木
材であっても良く、それらの場合も、図2の合成木材と
同様の作用効果が得られる。
【0031】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、熱可塑性
樹脂とセルローズ系破砕物とをそれぞれ重量比28〜6
8:70〜30の割合で混合すると共に滑剤を添加して
成形したため、滑剤が成形用混練物の成形型に対する摩
擦抵抗を低下させると共にセルローズ系破砕物の分散移
動を促進させることに伴ない成形型の成形型内壁面に対
する近傍位置と離隔位置とでの成形用混練物の流動速度
差が低減し、成形安定性が向上し、成形不良を防止でき
る。
【0032】請求項2の発明によれば、ポリプロピレン
又はポリエチレンとセルローズ系破砕物と相溶化剤とを
それぞれ重量比28〜69.9:70〜30:2〜0.
1の割合で混合すると共に滑剤を添加して成形したた
め、相溶化剤がポリプロピレン又はポリエチレンとセル
ローズ系破砕物との接合を促進でき、その上で、滑剤が
成形用混練物の成形型に対する摩擦抵抗を低下させると
共にセルローズ系破砕物の分散移動を促進させることに
伴ない成形型の成形型内壁面に対する近傍位置と離隔位
置とでの成形用混練物の流動速度差が低減し、成形安定
性が向上し、成形不良を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成木材用組成物を製造する合成木材
製造装置の概略図である。
【図2】本発明の合成木材用組成物を成す合成木材の部
分斜視図である。
【図3】図1の合成木材製造装置で用いる押出し成形型
の部分切欠断面図である。
【図4】合成木材用組成物のMFRを計測する計測器の
断面図である。
【図5】図2の合成木材と比較生成物のせん断速度−せ
ん断応力特性線図である。
【図6】合成木材用組成物の曲げ強度−MFR特性線図
である。
【図7】合成木材用組成物のチキソトロピ−相溶化剤添
加量特性線図である。
【図8】合成木材用組成物の曲げ強度−チキソトロピ−
特性線図である。
【符号の説明】
1 木粉(セルローズ系破砕物) 7 熱可塑性樹脂(ポリプロピレン) 8 相溶化剤 9 滑剤 13 押出し成形型 A 合成木材製造装置 C コンパウンド(成形用混練物) M 合成木材 M’ 連続生成物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 97/02 C08L 97/02 101/00 101/00 Fターム(参考) 2B260 AA12 BA01 BA15 BA18 CB01 CD02 DA07 DA18 DB21 EA11 EA13 EB06 EB08 EB19 EB21 EC18 4J002 AA01W AB01X BB03W BB12W BB213 EH006 EH056 EP016 FD176 GL00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂と、 木粒等のセルローズ系破砕物と、 前記熱可塑性樹脂と前記セルローズ系破砕物からなる成
    形用混練物の成形型に対する摩擦抵抗を低下させる滑剤
    とを有し、 前記熱可塑性樹脂と前記セルローズ系破砕物とをそれぞ
    れ重量比30〜70:70〜30の割合で混合すると共
    に前記滑剤を添加して成形したことを特徴とする合成木
    材用組成物。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン又はポリエチレンと、 木粒等のセルローズ系破砕物と、 前記ポリプロピレン又はポリエチレンと前記セルローズ
    系破砕物との結合性を向上させる相溶化剤と、 前記ポリプロピレン又はポリエチレンと前記セルローズ
    系破砕物とから成る成形用混練物の成形型に対する摩擦
    抵抗を低下させる滑剤とを有し、 前記ポリプロピレン又はポリエチレンと前記セルローズ
    系破砕物と前記相溶化剤とを重量比28〜69.9:7
    0〜30:2〜0.1の割合で混合すると共に前記滑剤
    を添加して成形したことを特徴とする合成木材用組成
    物。
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