JP3602272B2 - 合成木材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は木粉と樹脂からなる合成木材用組成物、特に、成形時に樹脂中の木粉の配向性を調整するようにして樹脂の機械的強度を上げるようにして成る合成木材用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用の煽り板や床材として南洋材が使用されているが、これに代わり使用可能な代替木材の開発が進められている。
この代替木材としては、ガラス繊維により強化されたポリプロピレンの発泡押出し材やウレタンの発泡押出し材、あるいは、熱可塑性樹脂と木粉とを混練して得たコンパウンドを押出し成形した合成木材等が知られており、ガラス繊維強化の各発泡押出し材は、比較的軽加重が加わる小型トラック等に使用されることが多い。
【0003】
また、従来の熱可塑性樹脂と木粉とからなる合成木材の生成に当たっては、まず、熱可塑性樹脂と木粉とを混練機によって低圧混練し含有水分を混練に伴う発生熱を用い、蒸発させて乾燥する。次いで、得られたコンパウンドを空気冷却した上で破砕処理し、その破砕片を押出し機に供給する。押出し機には押出し成形品の断面形状に相当する押出し型が設けられ、これより押出された成形品を適宜切断して合成木材を生成している。
【0004】
この場合、押出し機内のコンパウンドが押出し型外部のローラブレーキ(後述する図2中の符号9参照)により型内に押し込まれることにより、コンパウンドが加圧され、熱可塑性樹脂と木粉との密着を促している。更に、この時、図11に示すように、コンパウンド内部の木粉102は、型内で大きく抵抗を受け、その型を通過するに当たり、押出し方向Xと直行する方向にその長手方向を向ける傾向があり、例えば、図12(a),(b)に示すように、樹脂成分101中に木粉102が分散する。即ち、樹脂成分101中の木粉102は、押出し方向Xと直行する方向である90°方向の断面(A−A線断面)にその長手方向を向け、押出し方向Xである0°方向の断面(B−B線断面)とは直交するように分散する。
このようにして生成された合成木材M(例えば、ポリプロピレン+木粉)の物性を南洋材の物性と比較して、図13や表1にそれぞれ示した。
【0005】
【表1】
【0006】
ここでは、曲げ強度−曲げ弾性率特性に基づき説明すると、この合成木材Mの物性は南洋材であるアピトン合板やラワン合板の物性と比較して機械的強度が比較的低いことが明らかである。
なお、代替木材として、ガラス繊維により強化されたポリプロピレンの発泡押出し材e1や、ウレタンの発泡押出し材e2の物性も併記したが何れも機械的強度は合成木材Mより低いものである。
【0007】
また、特公平4−8202号公報には、熱可塑性樹脂に木粉を多量に混入して肉厚チューブ状の成形生地を生成し、これを板状にカットした上で、加熱押圧して成形板を得るという技術が開示される。ここでの合成木材は、木粉と樹脂との馴染みを良好として良質な成形表面が得られ、この際、木粉表面を尿素系接着剤で加熱硬化処理し、木粉内の含有水分が高められないように、また木粉の滑動性を高めて押出し成形時の摩擦抵抗を低下させるように処理しているが、機械的強度を考慮したものとは成っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の合成木材M(例えば、ポリプロピレン+木粉)は所定の強度を備え、特公平4−8202号公報に開示される合成木材も所定の強度を備えるものと推測されるが、南洋材であるアピトン合板やラワン合板に近い機械的強度を備えたものではなく、車両の煽り板や床板として使用される上で、耐久性に問題があった。
特に、従来の合成木材Mはその曲げ強度が南洋材と比較して小さく、即ち、表1に示したように90°方向(木粉102の押出し方向Xと直行する方向)でも、0°方向でも28〔MPa〕となっている。このため、合成木材Mを板材として成形した場合、この板材の反りが大きく生じ易く、合成木材Mの反りの発生を防止することが望まれている。
【0009】
更に、地球環境の保全を目的として、合成木材Mの使用をより促進することが好ましく、このため、南洋材と同レベル以上の機械的強度を保持した合成木材が望まれている。
本発明の目的は、機械的強度がより向上した合成木材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1の発明は、
PP(ポリプロピレン)又はPE(ポリエチレン)と、同PP又はPEの充填材として木粉等セルローズ系破砕物で、粒径0.8〜300μmの破砕物と、上記PP又はPEと上記破砕物との結合性を向上するマレイン酸変性PPとの夫々の重量比を28〜68:70〜30:0.1〜2にしてミキシングしてコンパウンドを生成し、同コンパウンドを押出し機の合成木材の断面形状相当のスリットより板材として押出し成形し、同押出し成形時のスリット通過のコンパウンドの流動特性MFRを1 . 5〔g/10min〕程度に保持して木粉等セルローズ系破砕物の長手方向をスリットの長手方向に沿うようにして通過させ、上記木粉等セルローズ系破砕物は、繊維長方向に長いアスペクト比2.5以上の破砕物を25%以上含むとしたことを特徴とする。
従って、PP又はPEと木粉等セルローズ系破砕物とマレイン酸変性PPとを28〜68:70〜30:0.1〜2の重量比に設定して、これらが混練されたコンパウンドを押出し機により押出し成形すると、マレイン酸変性PPがコンパウンドの揺変性(チキソトロピー)を大きくするよう作用し、これによってその押出し方向と直行する方向であるスリットの長手方向へ木粉等の長手方向が向けられるという特性がより高まり、しかも、相溶化剤がPP又はPEと木粉等セルローズ系破砕物との密着性を強化する。
更に、繊維長が繊維外径より十分大きく成形された破砕物を25%以上含むので、押出し方向と直行する方向へ向けられた場合、合成木材の板状製品として使用された場合、その異方性が顕著となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1には本発明の適用された合成木材用組成物で製造された合成木材M1を示し、図2は同合成木材M1の製造に用いられる合成木材製造装置を示した。
この合成木材製造装置は、パウダー状の木粉が収容された第1収容器1と、熱可塑性樹脂であるPP(ポリプロピレン)が収容された第2収容器2と、更にこれらの側方に配備され、相溶化剤としてのマレイン酸変性PPを計量して添加する添加装置3とを備え、これらの下方に混練機4を配備している。
【0014】
混練機4は図示しないすり鉢状容器の中央底部に縦向き回転軸と一体の羽ブレードを比較的低速で回転させて被混練物を撹拌するよう作動する。ここでの混練機4内にはPP(ポリプロピレン)を30〜70重量%と、木粉を70〜30重量%と、これにマレイン酸変性PPが0.3〜1重量%だけ添加され、これらの混合物が撹拌される。ここでは、混練機4内の羽ブレード(図示せず)による混合物の撹拌に伴い、発生する摩擦熱で素材を十分に溶融させ、しかも、低圧混練して、内部の水分を放出させて乾燥させ、合成木材用のコンパウンドC1を生成する。
【0015】
この混練機4は収容したコンパウンドC1が含む含有水分が1〜5%程度に低下すると、混練処理を停止し、同コンパウンドを空気冷却する。これによってコンパウンドC1は固まり、次いで、粉砕機5に供給される。この粉砕機5は固化した合成木材用のコンパウンドC1を小石状の大きさに粉砕し、隣接する押出し機6に供給する。
押出し機6はストレートの一軸スクリュー(図示せず)を回転させて、固化した小石状のコンパウンドC1を再度溶融してコンパウンドC2に戻し、このコンパウンドC2を押出し成形品としての合成木材M1の断面形状に相当するスリットが設けられたダイ7に導き、同ダイより連続生成物M’を押出し方向Xに押し出す。
【0016】
なお、押出し機6はそのスクリューによる混練によって剪断熱が発生する。ここでは、この剪断熱が木粉を分解し、その内部の含有水分や木酸ガス等の発生が無いように、この剪断熱の発生が低レベルに規制されるよう、押圧力のみが強化されるようスクリュー等の形状が予め設定される。ここでの押出し機6はスクリュー径の大型化が図られる。これに押圧されるコンパウンドC2は、図示しないスリットに向かってしぼり込まれ、押圧力p(図3参照)を受け、この際、木粉mとPP(ポリプロピレン)との密着性が強化される。
特に、ここではダイ7と後述のカッター装置8との間にローラブレーキ装置9が配備される。
【0017】
ローラブレーキ装置9は押出し方向Xに押しだされる連続生成物M’の両面を複数のローラ901でスリップ状態で挟持する。即ち、これらローラ901は連続生成物M’に押出し方向Xとは逆のダイ7の方向に向かうバックプレッシャーPbを加えることができるよう、各ローラ901に対してその回転を規制する適度の逆回転力が付与されるように構成される。このため、押出し機6内の図示しないスクリューとダイ7のスリット部分の間のコンパウンドC2には押圧力pがより大きく加わり、結果として、連続生成物M’内の木粉mとPP(ポリプロピレン)との密着性をより強化できる。
【0018】
なお、図3には木粉mとその回りのPP(ポリプロピレン)を主成分とする樹脂層aとの境界面fを模式的に示したが、この境界面fは押圧力pがアップされるに伴い木粉mの表面に沿って侵入し、密着性が強化される。
しかも、この際、式1のように、マレイン酸変性PPとPP(ポリプロピレン)とが架橋し、同マレイン酸変性PPの水素と木粉m側(例えばカーボンC側)の陽イオンとが置換され、木粉mとカーボンCとが結合され、この点でも密着性が強化される。
【0019】
【数1】
【0020】
押出し機6のダイ7に形成された図示しないスリットは図2に示した合成木材M1の断面形状に形成されている。このため、ダイ7のスリットより押出された連続生成物M’は、合成木材の基材となり、同基材Cは上述のローラブレーキ装置9を通過後にカッター装置8に達し、ここで適宜の寸法で切断され、合成木材M1として製造される。
【0021】
【実施例】
本発明の合成木材用組成物は、PP(ポリプロピレン)と、同PPの充填材としての木粉mの破砕物と、PPと破砕物との結合性を向上させる相溶化剤とを主成分とする。
ここで、PP(ポリプロピレン)は44.5重量%供給される。
木粉mは55重量%供給される。
相溶化剤はマレイン酸変性PPが0.5重量%供給される。
【0022】
即ち、ここでのPP:木粉:マレイン酸変性PPの配合比は44.5:55:0.5の重量比に設定される。
この配分比を設定するに当たっては、前以て図4〜図7に示したデータが採用された。
ここで、図4の曲げ強度−MFR特性線は、流動特性MFRが低いほど曲げ強度〔MPa〕が大きくなることを示し、MFR=1.5程度では、押出し成形可能な流動体としての特性も十分に保持でき、曲げ強度も十分に大きくなる。
【0023】
この流動特性MFR〔g/10min〕は、例えば、図7(a)、(b)に示すように計測される。即ち、規定のシリンダS内に、被試験流体であるコンパウンドC1を充填し、これを規定のウエイトW1で加圧する。シリンダSの底部には規定のスリットrが形成される。ここで、スリットrよりコンパウンドC1が流下し、その部分dcの流動量が計測され、MFR〔g/10min〕として設定される。なお、このスリットr通過時にコンパウンドC1は加圧されて絞られ、内部の木粉mはその長手方向をスリットrの長手方向に沿うように変位した上で通過する。このため、木粉の形状(アスペクト比)、配合量によって流動特性MFRが変化することがあきらかである。
【0024】
図5の曲げ強度−木粉配合量特性線は、MFR=1.5〔g/10min〕の場合、木粉配合量が55〜65重量%で特に大きくなり、60重量%で最大となることを示している。
図6の曲げ強度−相溶化剤(マレイン酸変性PP)添加量特性線は木粉配合量55重量%(ほぼ、PP(ポリプロピレン)44.5重量%前後)の場合において、相溶化剤(マレイン酸変性PP)添加量が0.5〔重量%〕の場合に曲げ強度〔MPa〕が最大と成ることを示す。
【0025】
ここで、相溶化剤(マレイン酸変性PP)添加量が0.5〔重量%〕の場合に曲げ強度〔MPa〕が最大と成り、これを上回ると徐々に曲げ強度〔MPa〕が低下しているのは、下記するチキソトロピーTiの特性に基づき推測される。
【0026】
即ち、図10にPP及びPVC(ポリ塩化ビニル)のチキソトロピーの特性を示したが、このチキソトロピーTiはコンパウンドC1の流動特性(=流動量→せん断速度〔γl/s〕)が加重F(=ウエイトW1の加重→せん断応力τ〔pa〕)に対して比例関係(直線特性)よりずれる程度を示す。
【0027】
この図10で、木粉配合量55重量%(ほぼ、PP44.5重量%前後)の場合において、樹脂成分がPPではチキソトロピーTiが発現しやすく(比例関係にない)、異方性が強い。一方、樹脂成分がPVC(ポリ塩化ビニル)ではチキソトロピーTiが発現しにくく(比例関係に近い)異方性が弱い。このため、樹脂成分がPPで異方性が強い場合、後述する表2に示したように、生成された合成木材M1の曲げ強度の内、90°方向(押出し方向Xと直行する方向)で曲げ強度が特に大きくなる。
なお、チキソトロピーTiの値はMFR(F2)/MFR(F1)×nとして算出される。ここで、n=F2/F1、(F2>F1)で、例えば、ウエイトW1の値であるF2を100kgに設定し、F1を25、50,75kgと順次設定して各nを求め、その時のチキソトロピーTiを順次算出することとなる。
【0028】
ここで、例えば、木粉配合量55重量%(ほぼ、PP44.5重量%前後)の場合において、相溶化剤添加量(重量%)を変化させた場合、その時のチキソトロピーTiの値を求めると、図9に示すように変化する。更に、木粉配合量55重量%(ほぼ、PP44.5重量%前後)の場合に、チキソトロピーTiを順次変化させ、その時の曲げ強度〔MPa〕を算出すると、図8に示すようにチキソトロピーTiの大きいほど曲げ強度〔MPa〕が大きいことが明らかである。
【0029】
この両特性より、木粉配合量55重量%(PP44.5重量%前後)で、相溶化剤添加量(重量%)が0.5〔重量%〕の場合に曲げ強度〔MPa〕が最大と成り、その前後で低下することがあきらかであり、この特性は図6の特性と適合する。
【0030】
このように、PPと木粉とマレイン酸変性PPからなる合成木材M1では、PP:木粉:マレイン酸変性PPの配合率が44.5:55:0.5の重量比の場合にその曲げ強度が最も強化されることが明らかである。
本実施例で用いた木粉は、粒径dが0.8〜300μmの範囲のもので、その長さlと粒径dの比であるアスペクト比l/dが2.5〜10(繊維長方向に長い)の破砕物を25%以上含むものである。ここでは、木粉の粒径dやアスペクト比l/dを適宜選択し、PPと木粉mの混合物の流動特性MFRを1,5〔g/10min〕に調整した。
【0031】
次いで、木粉mの配合率が55重量%に、PPが44.5重量%に、相溶化剤が0.5重量%に調整された。
このような配合比の合成木材用組成物からなる合成木材M1は表2に示す機械的強度特性を示した。
【0032】
【表2】
【0033】
ここで明らかなように、マレイン酸変性PPの添加により木粉mとPPとの結合力を強化されたこの合成木材M1は、90°方向(押出し方向Xと直行する方向)で曲げ強度が65〔MPa〕となり、0°方向でも38〔MPa〕となっている。なお、図13中でも明らかなように、この合成木材M1の物性は従来の合成木材Mより十分強化され、ラワン合板と同等以上の物性を示した。このため、合成木材M1を板材として成形した場合、従来の合成木材Mの90°方向(押出し方向Xと直行する方向)での曲げ強度が28〔MPa〕(表1中に表示)であったのと比較し、十分に強化されていることが明らかで、この合成木材M1の反りを十分規制出来る。このように樹脂成分がPPの合成木材M1では異方性が強いため、トラックの煽り板のような長尺物に採用した場合特に有効である。
【0034】
なお、表2には樹脂成分としてPPに代えてPVCを用い、その配合率を44.5重量%、木粉mの配合率を55重量%、相溶化剤添加量(重量%)を0.5〔重量%〕に設定した場合の合成木材(M2)の機械的強度特性を併記した。
この場合、上述のように樹脂成分としてのPVCの異方性が弱いため、90°方向(押出し方向Xと直行する方向)も0°方向でも曲げ強度が36〔MPa〕となっている。このように樹脂成分がPVCの合成木材の場合、バス床板のような幅広物に採用した場合特に有効である。
【0035】
上述の処において、木粉等セルローズ系破砕物は木粉として説明したが、これに代えて、グラスファイバ等のセルローズ系以外の一定アスペクト比を持つ破砕物を用いても良い。
合成木材M1の配合率は、PP:木粉:マレイン酸変性PPの配合率が44.5:55:0.5の重量比であったが、これに限定されるものではなく、PP:木粉:マレイン酸変性PPの配合率は28〜68:70〜30:0.1〜2の範囲に設定されても良く、これらの配合率の場合も合成木材の曲げ強度を強化できる。
【0036】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、PP又はPEと木粉等セルローズ系破砕物とマレイン酸変性PPとを28〜68:70〜30:0.1〜2の重量比に設定して、これらを混練し、押出し成形し、同押出し成形時のスリット通過のコンパウンドの流動特性MFRを1 . 5〔g/10min〕程度に保持して木粉等セルローズ系破砕物の長手方向をスリットの長手方向に沿うようにして通過させ、更に、マレイン酸変性PPにより押出し方向と直行する方向であるスリットの長手方向へ木粉等の長手方向が向けられるという特性がより高まり、マレイン酸変性PPがPP又はPEと木粉等セルローズ系破砕物との密着性を強化するので合成木材の曲げ強度を強化する。
このため、このような合成木材用組成物を使用して合成木材を板状の製品としたような場合、反りを抑え、その曲げ強度が高まるので、製品の耐久性が向上する。更に、木粉等セルローズ系破砕物は、繊維長が繊維外径より十分大きく成形された破砕物を25%以上含むので、押出し方向と直行する方向へ配向された場合に、その異方性が顕著となり、同方向の曲げ強度の強化を図りやすくなる。
【0037】
請求項2の発明は、
請求項1記載の合成木材において、相溶化剤としてマレイン酸変性PPを用いた場合、特に、マレイン酸変性PPがPP(ポリプロピレン)又はPE(ポリエチレン)と木粉等セルローズ系破砕物との密着性を強化する。
このため、このような合成木材用組成物を使用して合成木材を板状の製品としたような場合、その曲げ強度がより確実に高まるので、製品の耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成木材用組成物で成形された合成木材の斜視図である。
【図2】図1の合成木材を製造する合成木材製造装置の概略図である。
【図3】図1の合成木材用組成物の部分拡大断面図である。
【図4】図1の合成木材用組成物の曲げ強度−MFR特性線図である。
【図5】図1の合成木材用組成物の曲げ強度−木粉配合量特性線図である。
【図6】図1の合成木材用組成物の曲げ強度−相溶化剤添加量特性線図である。
【図7】図1の合成木材用組成物のMFR計測器を示し、(a)はその概略断面図、(b)は(a)のY−Y線断面図である。
【図8】図1の合成木材用組成物の曲げ強度−チキソトロピ−特性線図である。
【図9】図1の合成木材用組成物のチキソトロピ−−相溶化剤添加量特性線図である。
【図10】図1の合成木材用組成物のせん断速度−せん断応力特性線図である。
【図11】従来の合成木材の概略斜視図である。
【図12】従来の合成木材の断面拡大図であり、(a)は90°方向(押出し方向Xと直行する方向)の断面、(b)は0°方向の断面を示す。
【図13】南洋材の曲げ強度−曲げ弾性率特性説明線図である。
【符号の説明】
4 混練機
6 押出し機
7 ダイ
m 木粉
C1 コンパウンド
C2 コンパウンド
M1 合成木材
Claims (1)
- PP(ポリプロピレン)又はPE(ポリエチレン)と、同PP又はPEの充填材として木粉等セルローズ系破砕物で、粒径0.8〜300μmの破砕物と、上記PP又はPEと上記破砕物との結合性を向上するマレイン酸変性PPとの夫々の重量比を28〜68:70〜30:0.1〜2にしてミキシングしてコンパウンドを生成し、同コンパウンドを押出し機の合成木材の断面形状相当のスリットより板材として押出し成形し、同押出し成形時のスリット通過のコンパウンドの流動特性MFRを1 . 5〔g/10min〕程度に保持して木粉等セルローズ系破砕物の長手方向をスリットの長手方向に沿うようにして通過させ、上記木粉等セルローズ系破砕物は、繊維長方向に長いアスペクト比2.5以上の破砕物を25%以上含むとしたことを特徴とする合成木材。
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