JP7073944B2 - 立体造形用粉末、立体造形物の製造装置、立体造形物の製造方法及び樹脂粉末 - Google Patents

立体造形用粉末、立体造形物の製造装置、立体造形物の製造方法及び樹脂粉末 Download PDF

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Description

本発明は、立体造形用粉末、立体造形物の製造装置、立体造形物の製造方法及び樹脂粉末に関する。
立体造形物を製造する方式として、粉末床溶融(PBF:powder bed fusion)方式が知られている。この方式は金属、無機物、樹脂等の立体造形用粉末を積層し、各層ごともしくは複数層ごとに、立体造形用粉末粒子を光や熱源により、設定された形状パターンに造形粉末を溶着させ、立体造形物を作製する方法である。
溶着させる手段によりPBF方式は分類され、選択的にレーザーを照射して立体造形物を形成するSLS(selective leser sintering)方式や、マスクを使い平面状にレーザーを当てるSMS(selective mask sintering)方式、熱吸収性を高めるインクを使い熱源を照射するHSS(high speed sintering)、バインダー成分を吐出し造形物を造形した後焼結するBJ(Binder jetting)方式などが知られている。
上記方式は積層した立体造形用粉末粒子を溶融、融着し、造形物を形成するが、立体造形用粉末が溶融した際の樹脂の流動性が重要である。例えば特許文献1には、2種類の樹脂を溶融混合し、樹脂における流動性の特性の指標となるメルトフローレートを0.5~200g/10分にすることが提案されている。また、特許文献2には、重合体の極限粘度[η]を0.1~1.5dl/gにすることが提案されている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2では、樹脂粉末自体の流動性を制御するだけであり、これでは造形物の寸法精度と強度の両立が困難であった。
従って、本発明は、造形物の寸法精度及び強度を両立できる立体造形用粉末を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の立体造形用粉末は、第一の樹脂粒子及び第二の樹脂粒子を含み、前記第一の樹脂粒子と前記第二の樹脂粒子は同種の樹脂であり、前記第一の樹脂粒子のMFR(メルトマスフローレート)をMFR1、前記第二の樹脂粒子のMFRをMFR2としたとき、MFR2>MFR1であり、MFR2/MFR1で表されるMFRの比が2~5であり、前記第一の樹脂粒子の体積平均粒子径及び前記第二の樹脂粒子の体積平均粒子径は、20μm以上100μm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、造形物の寸法精度及び強度を両立できる立体造形用粉末を提供することができる。
立体造形用粉末の一例を示すSEM画像である。 図1の一部を拡大した図である。 円柱状の樹脂を斜め方向に切断することで形成された裁断物の一例を示す模式図である。 本発明に係る立体造形物の製造装置の一例を示す概略図である。 本発明に係る立体造形物の製造方法の一例を説明するための概念図である。 本発明に係る立体造形物の製造方法の一例を説明するための概念図である。 円柱体の一例を示す概略斜視図である。 図7の円柱体の側面図である。 円柱体の端部に頂点を持たない形状の一例を示す側面図である。 円柱体の端部に頂点を持たない形状の他の例を示す側面図である。 円柱体の端部に頂点を持たない形状の他の例を示す側面図である。 円柱体の端部に頂点を持たない形状の他の例を示す側面図である。 円柱体の端部に頂点を持たない形状の他の例を示す側面図である。 円柱体の端部に頂点を持たない形状の他の例を示す側面図である。 円柱体の端部に頂点を持たない形状の他の例を示す側面図である。
以下、本発明に係る立体造形用粉末、立体造形物の製造装置、立体造形物の製造方法及び樹脂粉末について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
(立体造形用粉末及び樹脂粉末)
本発明の立体造形用粉末は、第一の樹脂粒子及び第二の樹脂粒子を含み、前記第一の樹脂粒子と前記第二の樹脂粒子は同種の樹脂であり、前記第一の樹脂粒子のMFR(メルトマスフローレート)をMFR1、前記第二の樹脂粒子のMFRをMFR2としたとき、MFR2>MFR1であり、MFR2/MFR1で表されるMFRの比が2~5であることを特徴とする。
本発明の樹脂粉末は、第一の樹脂粒子及び第二の樹脂粒子を含み、前記第一の樹脂粒子と前記第二の樹脂粒子は同種の樹脂であり、前記第一の樹脂粒子のMFR(メルトマスフローレート)をMFR1、前記第二の樹脂粒子のMFRをMFR2としたとき、MFR2>MFR1であり、MFR2/MFR1で表されるMFRの比が2~5であることを特徴とする。
なお、本発明の立体造形用粉末は本発明の樹脂粉末に包含され、特に明記しない限り、本発明の立体造形用粉末についての説明は本発明の樹脂粉末についてもあてはまる。
<MFR(メルトマスフローレート)>
本発明で定義されるMFR(メルトマスフローレート)の値は、樹脂の溶融時の粘度(流動性)を表す指標であり、MFR測定装置(Dynisco社製、形式D405913)にて設定温度が樹脂融点+15℃、荷重2.16kg条件下で、JIS7210(ISO1133)に準じて測定する。MFR値が大きいと溶融時の粘度が低く(流動しやすい)、小さいと溶融時の粘度が高い(流動しにくい)ことを示す。
MFR値の比率(以下、「MFR比」、「MFRの比」とも称する)は、第一の樹脂粒子のMFR値をMFR1とし、第二の樹脂粒子のMFR値をMFR2としたとき、下記式にてMFR値を計算した値である。
MFR比=MFR2/MFR1
MFR値の比率は、小さいほど第一の樹脂粒子と第二の樹脂粒子の溶融粘度の差異が小さく、大きいほど差異が大きいことを示す。
MFR値が本発明で重要な構成である理由を下記で説明する。
PBF(powder bed fusion)方式は、積層された立体造形粉末に、光や他熱源を特定の印刷パターンに照射し、照射部分の立体造形粉末を溶融、融着することで、造形物を形成していく。そのため、溶融された樹脂の粘度特性の制御は非常に重要である。
従来の方法では、立体造形用粉末に含有する樹脂自体の溶融粘度を制御する方法が主流であった。しかし、造形物強度を上げるためには立体造形粉末粒子同士の空隙を充分なくし粒子間の接着力を高める必要がある。そのためには、樹脂粒子が溶融した際に、空隙を埋める充分な流動性が必要になる。
そのためには樹脂粒子の溶融時の粘度を低くする必要があるが、想定した形状サイズ範囲より、溶融液が染み出し(オーバフロー)、寸法精度が低下してしまう。一方、寸法精度を高めるためには、溶融時の粘度を高くする必要があるが、樹脂粉末粒子間の空隙を充分埋めることができず造形強度が弱くなってしまう。そのため、造形物の寸法精度と強度の両立が困難であった。
すなわち、溶融時に樹脂粉末の空隙を低減するために、溶融時の樹脂流動性を高めると、溶融樹脂液が低粘度のため、想定した形状サイズよりオーバフローし寸法精度が低下してしまう。一方、寸法精度を高めるため、溶融時の樹脂流動性を低くすると、溶融樹脂液が高粘度のため、樹脂粉末粒子間の空隙を充分埋めることができず、造形強度が弱くなってしまう。
本発明者らは、特に第一の樹脂粒子のMFR1と第二の樹脂粒子のMFR2の比(MFR2/MFR1)が所定の値である場合に所期の効果が得られることを見出し本発明に至った。流動性が低い(溶融粘度が高い)樹脂粒子(第一の樹脂粒子)と、流動性が高い(溶融粘度が低い)樹脂粒子(第二の樹脂粒子)を所望の範囲で組み合わせることにより、溶融粘度の異なる粒子が造形内に偏在され、寸法精度と強度を両立させることが可能となる。
更に詳細に説明すると、光又は熱源照射により、第一の樹脂粒子は溶融液となり融着し始めるが、MFR比を上記のようにすることで、流動しすぎることを防ぎ、光又は熱源の書き込み跡(造形端部)をシャープにすることができる。
また、従来の技術では、反面粒子間の空隙まで溶融液が流れこまないため、粒子間に空隙が発生していたが、これに対して本発明では、流動性の良い第二の樹脂粒子が溶融の際に空隙にしみ込むため、粒子間同士の接着力が向上し、造形物の強度を向上させることが可能である。
樹脂自体の溶融粘度は、光又は熱源の出力によっても変動するため、上記効果を発現させるために、最も重要な特性は第二の樹脂粒子に対する第一の樹脂粒子の溶融粘度比である。本発明ではMFR比を2~5としている。MFR比が2未満であると、第一粒子と第二粒子の溶融粘度が近すぎるため、充分に空隙を埋めることができなくなる。MFR比が5より大きいと、第一の粒子が溶融するまでの光又は熱源の出力を高めると第二の粒子の溶融粘度が低くなりすぎてしまい、精度の低下を引き起こしてしまう。また、MFR比としては、3~4が好ましい。
第一の樹脂粒子及び第二の樹脂粒子のMFRは、粒子を構成する樹脂グレードを選択することや可塑剤等の添加材を樹脂に含有させること等により制御可能である。
<第一の樹脂粒子と第二の樹脂粒子の重量比>
本発明の立体造形用粉末は、少なくとも第一の樹脂粒子と第二の樹脂粒子の2種類が含有されることが必要であり、本発明の効果を更に高めるためには、第一の樹脂粒子と第二の樹脂粒子の混合重量比率も重要である。
前記立体造形用粉末に対する第一の樹脂粒子の重量と第二の樹脂粒子の重量の比が、4:6~9.8:0.2であることが好ましく、5:5~9.5:0.5であることがより好ましい。第一の樹脂粒子の重量が上記範囲内であることにより、第一の樹脂粒子で空隙を埋められず強度が低下することを防止することができる。また、第二の樹脂粒子が上記範囲内であることにより、過剰に溶融した樹脂液が染み出して寸法精度を低下させることを防ぐことができる。
<第一の粒子及び第二の粒子の平均体積粒子径>
本発明における体積平均粒子径Dv(μm)は、樹脂粒子を粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、microtrac MT3300EXII)を用い、条件として、該当する樹脂屈折率、非球形、溶媒をエアーに設定し、測定した値である。
本発明では、第一の樹脂粒子及び第二の樹脂粒子の体積平均粒子径も重要である。第一の樹脂粒子の体積平均粒子径が、第二の樹脂粒子の体積平均粒子径よりも大きいことが好ましい。この場合、より精度及び強度が向上する。
また、第一の樹脂粒子の体積平均粒子径及び第二の樹脂粒子の体積平均粒子径は、5μm以上200μm以下が好ましく、寸法安定性の点から、20μm以上100μm以下がより好ましい。上記の体積平均粒子径の範囲内で、第一の樹脂粒子の体積平均粒子径が第二の樹脂粒子の体積平均粒子径より大きくなる粒子径を設定することが更に好ましい。
また、立体造形用粉末の体積平均粒子径/個数平均粒子径(Mv/Mn)は、造形精度向上の観点で2.00以下が好ましく、1.50以下がより好ましく、1.20以下が特に好ましい。
<第一の樹脂粒子及び第二の樹脂粒子の形状>
本発明では第一の樹脂粒子及び第二の樹脂粒子の形状も重要であり、中でも第一の樹脂粒子の形状が重要である。特に第一の樹脂粒子の形状が立柱形状(「立柱状」とも称する)であることが好ましい。
立柱形状とは、SEM(日本電子社製走査電子顕微鏡JSM-7800FPRIME)を用いて150倍の倍率で写真撮影したSEM画像中の立体造形用粉末において、第一の面と、第二の面と、側面と、を有し、且つSEMで観察される範囲において第一の面、及び第二の面の外周領域の全てが側面に沿って延伸した形状を有するものとする。
立柱形状である場合、3D造形プリンターにより積層した際、粉末の充填密度が高くなり、より強度の高い造形物を得ることができる。
なお、第二の樹脂粒子の形状に関しては、第一の樹脂粒子の形状が立柱形状の場合は非立柱形状であることが好ましい。
第一の樹脂粒子が立柱形状であるとは、例えばSEM画像により、30個程度の粒子を観察し、95個数%以上が立柱形状である場合、第一の樹脂粒子が立柱形状であるといえる。なお、その他の形状についても同様であり、第二の樹脂粒子についても同様である。
立柱形状の形状例を図1及び図2を用いて説明する。図1及び図2は、SEM(走査型電子顕微鏡)観察による写真である。図1では柱体の樹脂粒子である場合の例が示されており、図2は図1における点線の円で囲まれた粒子を拡大したものである。以下、第一の樹脂粒子と第二の樹脂粒子を区別せずに説明する。
図2に示すように、柱体21は、第一の面22と、第二の面23と、側面24とを有する。第一の面22は、第一の対向面22aと、側面24に沿って延伸した形状である第一の面の外周領域22bと、を有する。第一の面の外周領域22bは、曲面を介して第一の対向面22aと連続する面であり、第一の対向面22aと略直交する。
第二の面23は、第一の対向面22aと対向する第二の対向面23aと、側面24に沿って延伸した形状である第二の面の外周領域23bと、を有する。第二の面の外周領域23bは、曲面を介して第二の対向面23aと連続する面であり、第二の対向面23aと略直交する。側面24は、第一の面22、及び第二の面23に隣接する。
また、側面24上に、第一の面の外周領域22b、及び第二の面の外周領域23bが延伸している。第一の面の外周領域22b及び第二の面の外周領域23b(以降、「外周領域」とも称する)の形状は、側面24とSEM画像上で区別可能な形状であればよく、外周領域の一部が側面24と一体化している形状、外周領域が側面24と接している形状、及び外周領域と側面24との間に空間が存在する形状等を含む。
また、第一の面の外周領域22b及び第二の面の外周領域23bは、側面24の面方向と略同一の面方向となるように設けられていることが好ましい。
図2に示すように、本実施形態では、第一の面の外周領域22b及び第二の面の外周領域23bは側面24に沿って延伸してなり、側面24上に位置する。
また、第一の面の外周領域22b及び第二の面の外周領域23bと、側面24との接続領域近辺を覆う第一の面及び第二の面の特徴的な構造は、ボトルキャップ形状とも称する。なお、ボトルキャップ形状も立柱形状の範疇に含まれる。
本発明において、「第一の面の外周領域」及び「第二の面の外周領域」は、SEM(走査型電子顕微鏡)で観察される範囲における柱体の領域を意味する。すなわち、SEMで観察されない範囲における柱体の領域は、「第一の面の外周領域」及び「第二の面の外周領域」に含まれないものとする。
また、本発明において、「第一の面の外周領域が側面に沿って延伸した形状である」とは、第一の面の外周領域の「全て(但し、SEMで観察される範囲に限る)」が側面に沿って延伸した形状である場合を意味し、第一の面の外周領域の一部分のみが側面に沿って延伸した形状である場合は含まれないものとする。
また、本発明において、「第二の面の外周領域が側面に沿って延伸した形状である」とは、第二の面の外周領域の「全て(但し、SEMで観察される範囲に限る)」が側面に沿って延伸した形状である場合を意味し、第二の面の外周領域の一部分のみが側面に沿って延伸した形状である場合は含まれないものとする。
本実施形態では、第一の面の外周領域22b及び第二の面の外周領域23bは、それぞれ第一の面22及び第二の面23が側面に沿って延伸した形状である。そのため、第一の面の外周領域22bと第一の対向面22aとの間、及び第二の面の外周領域23bと第二の対向面23aとの間は、それぞれ曲面を介して滑らかに連続している。
第一の面の外周領域22b及び第二の面の外周領域23bを設け、柱体21が角部を有さないようにすることで、柱体21を含む立体造形用粉末の充填密度を高めることができ、造形物の引張強度を向上させることができる。
また、柱体21が角部を有さないようにすることで、柱体21を含む立体造形用粉末の流動性を向上させることができ、立体造形時における立体造形用粉末の移動不良を抑制することができるため造形物の引張強度を向上させることができる。
ここで、上記の「角部を有さない」について、具体例を示しつつ詳細を説明する。
略円柱体の樹脂粒子において、底面と上面(第一の面22と第二の面23)を有する柱体形状を有するが、嵩密度を高めるため、頂点を持たないことが好ましい。頂点とは、柱体の中に存在する角の部分をいう。
柱体粒子の形状について、図7から図15を用いて説明する。図7は、円柱体の一例を示す概略斜視図である。図8は、図7の円柱体の側面図である。図9は、円柱体の端部に頂点を持たない形状の一例を示す側面図である。図10から図15は、いずれも円柱体の端部に頂点を持たない形状の他の例を模式的に示す側面図である。
図7に示す円柱体を側面から観察すると、図8に示すように長方形の形状を有しており、角の部分、すなわち、頂点が4箇所存在する。この端部に頂点を持たない形状の一例が図9から図15である。
柱体粒子の頂点の有無の確認は、柱体粒子の側面に対する投影像から判別することができる。例えば、柱体粒子の側面に対して走査型電子顕微鏡(装置名:S4200、日立製作所製)等を用いて観察し、二次元像として取得する。この場合、投影像は4辺形となり、各々隣り合う2辺によって構成される部位を端部とすると、隣り合う2つの直線のみで構成される場合は、角が形成され頂点を持つことになり、図9から図15のように端部が円弧によって構成される場合は端部に頂点を持たないことになる。
また、少なくともSEMで観察される範囲における第一の面の外周領域22bの全て、及び第二の面の外周領域23bの全てが側面24に沿って延伸した形状を有する柱体21であることにより、立体造形用として用いる上で必要とされる柱体の充填密度、及び柱体21の流動性を発揮させることができる。
第一の面の外周領域22b及び第二の面の外周領域23bは、柱体21の高さ方向における最も短い部分の長さが1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましく、5μm以上であることが更に好ましい。1μm以上であると、第一の面の外周領域22bと第一の対向面22aとの間、及び第二の面の外周領域23bと第二の対向面23aとの間における曲面がより滑らかになり、柱体21を含む立体造形用粉末の充填密度を高めることができ、造形物の引張強度を向上させることができる。
また、曲面がより滑らかになることで、柱体を含む立体造形用粉末の流動性を向上させることができ、立体造形時における立体造形用粉末の移動不良を抑制することができるため造形物の引張強度を向上させることができる。
第一の面の外周領域22b及び第二の面の外周領域23bは、柱体21の高さ方向における長さであって、最も長い部分の長さが10μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがより好ましい。
なお、上記の長さはいずれもSEMで観察される範囲における長さであるとする。
柱体21の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、略円柱、略角柱などの立体形状が挙げられ、略角柱の形状であることが好ましい。なお、略円柱、略角柱の形状には、上記の第一の面の外周領域22b及び第二の面の外周領域23bを有する立体形状が含まれる。
柱体21の立体形状により、柱体21における第一の対向面22a及び第二の対向面23aの形状が決まる。例えば、柱体21の高さ方向における線(角)が観察できずに滑らかな面が一様に観察できるような場合、柱体21は略円柱であり、第一の対向面22a及び第二の対向面23aの形状は略円形状となる。また、柱体21の高さ方向における線(角)で区分された複数の面が観察できるような場合、柱体21は略角柱であり、第一の対向面22a及び第二の対向面23aの形状は略多角形形状となる。
柱体21は、上記の通り、向かい合う面である第一の対向面22aと第二の対向面23aとを有する。第一の対向面22aは、第二の対向面23aに対して傾斜を有していてもよいが、傾斜が略ついておらず略平行であることが好ましい。略平行であることにより、柱体21を含む立体造形用粉末の流動性を向上させることができる。
また、柱体の第一の対向面22a又は第二の対向面23aにおいて引ける最長の直線の長さと、柱体における高さの比は、0.5倍以上5.0倍以下であることが好ましく、0.7倍以上2.0倍以下がより好ましく、0.8倍以上1.5倍以下が更に好ましい。
ここで、図3に円柱状の樹脂粒子を斜め方向に切断することで形成された裁断物の一例の模式図を示す。図示されるように、第一の対向面及び第二の対向面の面方向と、側面の面方向は垂直でなくてもよい。このように垂直でない場合であっても立柱形状に含まれる。
<第一の樹脂粒子及び第二の樹脂粒子に使用される樹脂>
本発明における第一の樹脂粒子及び第二の樹脂粒子で使用される樹脂としては、熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、特に制限されるものではないが、結晶性樹脂及び液晶樹脂(LCP)が好ましい。特に、融解開始温度と冷却時の再結晶点間の差が大きな樹脂が好ましい。
結晶性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアセタール、熱可塑性ポリイミド等のポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用しアロイとして使用してもよいが、第一の樹脂粒子と第二の樹脂粒子は同種類の樹脂を使用することが重要である。第一の樹脂粒子と第二の樹脂粒子が同種類の樹脂でない場合、融点が異なる為、一方の樹脂が溶融しないもしくは第一の樹脂粒子と第二の樹脂粒子との相溶性が低い為、強度の向上には繋がらない。
前記ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP、融点:180℃)などが挙げられる。
前記ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド410(PA410)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66、融点:265℃)、ポリアミド610(PA610)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド12(PA12);半芳香族性のポリアミド4T(PA4T)、ポリアミドMXD6(PAMXD6)、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド9T(PA9T、融点:300℃)、ポリアミド10T(PA10T)などが挙げられる。
これらの中でも、PA9Tは、ポリノナメチレンテレフタルアミドとも呼ばれ、炭素が9つのジアミンにテレフタル酸モノマーから構成され、一般的にカルボン酸側が芳香族であるため半芳香族と呼ばれる。さらには、ジアミン側も芳香族である全芳香族としてp-フェニレンジアミンとテレフタル酸モノマーとからできるアラミドと呼ばれるものも本発明のポリアミドに含まれる。
前記ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET、融点:260℃)やポリブタジエンテレフタレート(PBT、融点:218℃)、ポリ乳酸(PLA)などが挙げられる。耐熱性を付与するため一部テレフタル酸やイソフタル酸が入った芳香族を含むポリエステルも本発明に好適に用いることができる。
前記ポリエーテルとしては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK、融点:343℃)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)などが挙げられる。前記ポリエーテル以外にも、結晶性ポリマーであればよく、例えば、ポリアセタール、ポリイミド、ポリエーテルスルフォンなどが挙げられる。PA9Tのように融点ピークが2つあるものを用いてもよい。
本発明において、上記の熱可塑性樹脂とは、熱をかけると可塑化し、溶融するものを意味する。熱可塑性樹脂の中でも、結晶性樹脂が好ましく挙げられる。結晶性樹脂とは、ISO 3146(プラスチック転移温度測定方法、JIS K7121)の測定した場合に、融解ピークを有するものを意味する。
結晶性樹脂としては、結晶制御された結晶性熱可塑性樹脂が好ましく、熱処理、延伸、結晶核剤、超音波処理等、外部刺激の方法により、結晶サイズや結晶配向が制御されている結晶性熱可塑性樹脂がより好ましい。
結晶性熱可塑性樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、樹脂のガラス転移温度以上の温度で加熱し、結晶性を高めるアニーリング処理や、より結晶性を高めるために結晶核剤を添加し、その後アニーリング処理する方法等が挙げられる。
また、超音波を照射して結晶性を高める方法、溶媒に溶解させ、ゆっくりと揮発させることにより結晶性を高める方法、外部電場印加処理による結晶性成長等の工程を経ること、もしくは、延伸することにより高配向、高結晶にしたものを粉砕、裁断等の加工を施す方法などが挙げられる。
アニーリングとしては、樹脂をガラス転移温度から50℃高い温度にて3日間加熱し、その後、室温までゆっくりと冷却することにより行うことができる。
延伸としては、例えば、押し出し加工機を用いて、融点より30℃以上高い温度にて撹拌しながら、繊維状に立体造形用樹脂溶解液を伸ばす。この際、溶融液は1倍以上10倍以下程度に延伸し繊維にすることが好ましい。延伸は、樹脂ごと、溶融粘度ごとに最大の延伸倍率を変えることができる。
超音波としては、グリセリン(東京化成工業社製、試薬グレード)溶媒を樹脂に対して5倍ほど加えた後、融点より20℃高い温度まで加熱し、超音波発生装置(ヒールシャー社製、ultrasonicator UP200S)にて24kHz、振幅60%での超音波を2時間与えることにより行うことができる。その後、室温にてイソプロパノールの溶媒で洗浄後、真空乾燥することが好ましい。
外部電場印加処理としては、樹脂をガラス転移温度以上にて過熱した後に600V/cmの交流電場(500ヘルツ)を1時間印加した後にゆっくりと冷却することにより行うことができる。
PBF方式では、結晶層変化についての温度幅(温度窓)が大きな方が、立体造形物作成時の反り返りを抑制できるために好ましい。結晶層変化は、融解開始温度と冷却時の再結晶点間の差が大きな樹脂粉末の方が、造形性がよくなるため、より差がある方が好ましい。
<その他添加材>
必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で樹脂粒子中、もしくは粒子とは別に、難燃化剤や可塑剤、熱安定性添加剤や結晶核剤等の添加剤、非結晶性樹脂等のポリマー粒子等を含有させてもよい。
<立体造形用粉末の製造方法>
本発明の立体造形用粉末は、上記の第一の樹脂粒子及び第二の樹脂粒子を各々製造した後、混合することで得ることができる。混合は公知の方法、例えばミキサーやシェイカーを利用することが可能である。
第一の樹脂粒子及び第二の樹脂粒子は、市販の樹脂を公知の方法で粉末加工して得ることができる。例えば、樹脂ペレットやパウダーを常温又は凍結温度環境下で粉砕する方法、樹脂を溶融した後噴出するアトマイズ法、懸濁法等が挙げられる。また、得られた粒子を分級し、目的にあった粒度及び粒度分布にするために分級することも可能である。
なお、以下、第一の樹脂粒子を含む粉末を「第一の粒子粉末」、「第一粒子粉末」などと称することがあり、第二の樹脂粒子を含む粉末を「第二の粒子粉末」、「第二粒子粉末」などと称することがある。
立柱形状の粉末を得る方法としては、樹脂繊維を裁断して直接的に略円柱体や直方体形状を得る方法、フィルム形状から直方体や立方体を得る方法、得られた直方体の粒子を作製後に後加工により略円柱体形状の粉末を得る方法等が挙げられる。上記の中で、樹脂繊維を裁断して立柱上形状の粉末を得る方法が好ましい。
樹脂繊維を作製する方法としては、押し出し加工機を用いて、融点より30℃以上高い温度にて撹拌しながら、繊維状に立体造形用樹脂溶解液を伸ばす方法が例示できる。この際、立体造形用樹脂溶解液は、1倍以上10倍以下程度に延伸し繊維にする。このとき、押し出し加工機のノズル口の形状により繊維断面の形状を決めることができる。例えば、断面を円形形状とする場合にはノズル口も円形形状とすることが好ましい。
寸法精度は高ければ高いほどよく、面の部分の円形形状が半径において少なくとも10%以内が好ましい。ノズルの口の数は多ければ多いほど生産性に見合ったものとなる。
前記裁断しては、ギロチン方式といった上刃と下刃が共に刃物になっている切断装置や、押し切り方式と呼ばれる下側は刃物ではなく板にて、上刃で裁断していく装置などを用いることができる。前記装置を用いて、0.005mm以上0.2mm以下に直接カットすることやCOレーザー等を用いて裁断する方法がある。これらの方法により、本発明の粉末を直接得ることができる。
別の好適な条件で得られる立体造形用粉末としては、新たな粉末層をローラ等により引くごとに焼結処理を行うことが好ましい。前記焼結処理では、粉末層を選択的に溶融させる。新たな粉末層を先行して形成した層に施用し、再度選択的に溶融させ、これを繰り返し、所望の立体造形物が製造されるまで前記処理を継続する。
<立体造形用粉末の用途>
本発明の立体造形用粉末は、SLS方式、SMS方式、HSS(High Speed Sintering)方式、又はBJ(Binder Jetting)法などの樹脂粉末を用いた各種立体造形方法において好適に利用される。
<樹脂粉末の用途>
本実施形態の樹脂粉末は、粒度、粒度分布、熱移動特性、溶融粘度、嵩密度、流動性、溶融温度、及び再結晶温度のようなパラメータについて適切なバランスを有し、SLS方式、SMS方式、MJF(Multi Jet Fusion)方式、又はBJ(Binder Jetting)法などの樹脂粉末を用いた各種立体造形方法において好適に利用される。本実施形態の樹脂粉末は、表面収縮剤、スペーサー、滑剤、塗料、砥石、添加剤、二次電池セパレーター、食品、化粧品、衣服等において好適に利用される。このほか、自動車、精密機器、半導体、航空宇宙、医療等の分野において用いられる材料や金属代替材料として用いてもよい。
(立体造形物の製造装置)
本発明の立体造形物の製造装置は、上記の立体造形用粉末が貯蔵されている供給槽と、上記の立体造形用粉末を含む層を形成する層形成手段と、前記層の少なくとも一部を溶融させる溶融手段とを有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
層形成手段としては、例えば、ローラ、ブレード、ブラシ等、又はこれらの組合せなどが挙げられる。
溶融手段としては、例えば電磁照射を行い溶融させる。電磁照射源としては、例えば、COレーザー、赤外照射源、マイクロウエーブ発生器、放射加熱器、LEDランプ等、又はこれらの組合せなどが挙げられる。
ここで、図4を用いて、上記の立体造形用粉末を用いる立体造形物の製造装置について説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る立体造形物の製造装置を示す概略図である。
図4に示すように、造形装置1は、造形用の樹脂粉末Pを収容する収容手段の一例としての供給槽11、供給槽11に収容されている樹脂粉末Pを供給するローラ12、ローラ12によって供給された樹脂粉末Pが配され、レーザーLが走査されるレーザー走査スペース13、電磁線としてのレーザーLの照射源である電磁照射源18、及び電磁照射源18によって照射されたレーザーLをレーザー走査スペース13の所定位置へ反射させる反射鏡19を有する。また、造形装置1は、供給槽11、及びレーザー走査スペース13に収容される樹脂粉末Pをそれぞれ加熱するヒータ11H,13Hを有する。
反射鏡19の反射面は、電磁照射源18がレーザーLを照射している間、3D(three-dimensional)モデルの2次元データに基づいて、移動する。3Dモデルの2次元データは、3Dモデルを所定間隔でスライスしたときの各断面形状を示す。これにより、レーザーLの反射角度が変わることで、レーザー走査スペース13のうち、2次元データによって示される部分に、選択的にレーザーLが照射される。レーザーL照射位置の樹脂粉末は溶融し、溶着する。すなわち、電磁照射源18は樹脂粉末Pを溶融させる溶融手段として機能する。
また、造形装置1の供給槽11、及びレーザー走査スペース13には、ピストン11P,13Pが設けられている。ピストン11P,13Pは、層の造形が完了すると、供給槽11、及びレーザー走査スペース13を、造形物の積層方向に対し上、又は下方向に移動させる。これにより、供給槽11からレーザー走査スペース13へ、新たな層の造形に用いられる新たな樹脂粉末Pを供給することが可能になる。
造形装置1は、反射鏡19によってレーザーの照射位置を変えることにより、樹脂粉末Pを選択的に溶融させるが、本発明はこのような実施形態に限定されない。本発明の樹脂粉末は、選択的マスク焼結(SMS:Selective Mask Sintering)方式の造形装置においても好適に用いられる。SMS方式では、例えば、樹脂粉末の一部を遮蔽マスクによりマスクし、電磁線が照射され、マスクされていない部分に赤外線などの電磁線を照射し、選択的に樹脂粉末を溶融することにより造形する。
SMSプロセスを用いる場合、樹脂粉末Pは、赤外吸収特性を増強させる熱吸収剤、又は暗色物質などを1種以上含有することが好ましい。熱吸収剤、又は暗色物質としては、カーボンファイバー、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、及びセルロースナノファイバーなどが例示される。
SMSプロセスについては、例えば、米国特許第6,531,086号明細書に記載されているものを好適に用いることができる。
(立体造形物の製造方法)
本発明の立体造形物の製造方法は、上記の立体造形用粉末を含む層を形成する層形成工程と、前記層の少なくとも一部を溶融させる溶融工程とを有し、適宜、層形成工程と溶融工程を繰り返し、更に必要に応じてその他の工程を含む。
層形成工程としては、例えば、ローラ、ブレード、ブラシ等、又はこれらの組合せなどで層形成する工程が挙げられる。
溶融工程としては、例えば、COレーザー、赤外照射源、マイクロウエーブ発生器、放射加熱器、LEDランプ等、又はこれらの組合せなどである電磁照射源を用いて溶融する工程が挙げられる。
図5及び図6は、本発明の立体造形物の製造方法の一実施形態を説明するための概念図である。図5及び図6を用いて、造形装置1を用いた立体造形物の製造方法について説明する。
供給槽11に収容された樹脂粉末Pは、ヒータ11Hによって加熱される。供給槽5の温度としては、樹脂粒子Pをレーザー照射により溶融するときに反り返りを抑制する点では、樹脂粒子Pの融点以下のなるべく高い温度が好ましいが、供給槽11での樹脂粉末Pの溶融を防ぐ点では、樹脂粉末Pの融点より10℃以上低いことが好ましい。
図5(A)に示すように、造形装置1のエンジンは、供給工程の一例として、ローラ12を駆動して、供給槽5の樹脂粉末Pをレーザー走査スペース13へ供給して整地することで、1層分の厚さTの粉末層を形成する。レーザー走査スペース13へ供給された樹脂粉末Pは、ヒータ13Hによって加熱される。レーザー走査スペース13の温度としては、樹脂粒子Pをレーザー照射により溶融するときに反り返りを抑制する点では、なるべく高い方が好ましいが、レーザー走査スペース13での樹脂粉末Pの溶融を防ぐ点では、樹脂粉末Pの融点より5℃以上低いことが好ましい。
造形装置1のエンジンは、3Dモデルから生成される複数の二次元データの入力を受け付ける。図5(B)に示すように、造形装置1のエンジンは、複数の二次元データのうち最も底面側の二次元データに基づいて、反射鏡19の反射面を移動させつつ、電磁照射源18にレーザーを照射させる。レーザーの出力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、10ワット以上150ワット以下が好ましい。
レーザーの照射により、粉末層のうち、最も底面側の二次元データによって示される画素に対応する位置の樹脂粉末Pが溶融する。レーザーの照射が完了すると、溶融した樹脂は硬化して、最も底面側の二次元データが示す形状の焼結層が形成される。
焼結層の厚みTとしては、特に限定されないが、平均値として、10μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましく、100μm以上が更に好ましい。また、焼結層の厚みTとしては、特に限定されないが、平均値として、200μm未満が好ましく、150μm未満がより好ましく、120μm未満が更に好ましい。
図6(A)に示すように、最も底面側の焼結層が形成されると、造形装置1のエンジンは、レーザー走査スペース13に1層分の厚さTの造形スペースが形成されるように、ピストン13Pによりレーザー走査スペース13を1層分の厚さT分降下させる。また、造形装置1のエンジンは、新たな樹脂粉末Pを供給可能とするため、ピストン11Pを上昇させる。続いて、造形装置1のエンジンは、ローラ12を駆動して、供給槽5の樹脂粉末Pをレーザー走査スペース13へ供給して整地することで、1層分の厚さTの粉末層を形成する。
図6(B)に示すように、造形装置1のエンジンは、複数の二次元データのうち最も底面側から2層目の二次元データに基づいて、反射鏡19の反射面を移動させつつ、電磁照射源18にレーザーを照射させる。これにより、粉末層のうち、最も底面側から2層目の二次元データによって示される画素に対応する位置の樹脂粉末Pが溶融する。レーザーの照射が完了すると、溶融した樹脂は硬化して、最も底面側から2層目の二次元データが示す形状の焼結層が、最も底面側の焼結層に積層された状態で形成される。
造形装置1は、上記の供給工程と、層形成工程と、を繰り返すことで、焼結層を積層させる。複数の二次元データのすべてに基づく造形が完了すると、3Dモデルと同形状の立体物が得られる。
(立体造形物)
本発明における立体造形物は、本発明の立体造形物の製造方法により好適に製造される。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<第一粒子粉末1の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5020、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を融点より30℃高い温度にて撹拌後、立体造形用樹脂溶解液とし、ノズル口が円形形状である押し出し加工機(日本製鋼所社製)を用いて繊維状に立体造形用樹脂溶解液を伸ばした。繊維は4倍延伸させることで繊維径(直径)が55μmとなるように調整した。
その後、形成した繊維を同方向に並べて配置し、融点より50℃低い温度で加熱しながら10MPaの圧力を付加することでシート状に一体化させた。なお、シート状に一体化した各繊維の断面形状は略多角形であった。
更に、シート状に一体化させた繊維を、押し切り方式の裁断装置(荻野精機製作所社製、NJシリーズ1200型)を用い、カット幅50μm、カット速度280spm(shots per minute)となるように調整して裁断した。
その後、機械摩擦により表面溶融させるため、マルチパーパスミキサ(日本コークス工業社製)を用いて、得られた裁断物を、回転数9000rpmで20分間処理し、[第一粒子粉末1]を得た。体積平均粒子径80μm、MFR値10g/10分であった。
<第二粒子粉末1の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5010、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を低温粉砕システム(装置名:リンレックスミルLX1、ホソカワミクロン社製)を用いて、-200℃にて凍結粉砕し、立体造形用樹脂粉末を得た。得られた立体造形用樹脂粉末は、5μm以上100μm以下の幅になるように粉砕し、[第二粒子粉末1]を得た。体積平均粒子径40μm、MFR値20g/10分であった。
<立体造形用粉末1の作製>
[第一粒子粉末1]8kgと[第二粒子粉末1]2kgをターブラミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて30分間混合し、[立体造形用粉末1]を得た。
(実施例2)
<第一粒子粉末2の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5020、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を融点より30℃高い温度にて撹拌後、立体造形用樹脂溶解液とし、ノズル口が円形形状である押し出し加工機(日本製鋼所社製)を用いて繊維状に立体造形用樹脂溶解液を伸ばした。繊維は4倍延伸させることで繊維径(直径)が55μmとなるように調整した。
その後、形成した繊維を同方向に並べて配置し、融点より50℃低い温度で加熱しながら10MPaの圧力を付加することでシート状に一体化させた。なお、シート状に一体化した各繊維の断面形状は略多角形であった。
更に、シート状に一体化させた繊維を、押し切り方式の裁断装置(荻野精機製作所社製、NJシリーズ1200型)を用い、カット幅50μm、カット速度280spm(shots per minute)となるように調整して裁断した。
その後、機械摩擦により表面溶融させるため、マルチパーパスミキサ(日本コークス工業社製)を用いて、得られた裁断物を、回転数9000rpmで20分間処理し、[第一粒子粉末2]を得た。体積平均粒子径80μm、MFR値10g/10分であった。
<第二粒子粉末2の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5010、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5008、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を5:5の比率でターブラミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて30分間混合した。その後、卓上型混練押出マイクロペレット作成装置1AEC(井元製作所製)を用いて融点より30℃高い温度にて溶融、混練、ペレタイジングを行い、PBTペレットを作製した。作製したペレットを低温粉砕システム(装置名:リンレックスミルLX1、ホソカワミクロン社製)を用いて、-200℃にて凍結粉砕し、立体造形用樹脂粉末を得た。得られた立体造形用樹脂粉末を5μm以上100μm以下の幅になるように粉砕し、[第二粒子粉末2]を得た。体積平均粒子径40μm、MFR値30g/10分であった。
<立体造形用粉末2の作製>
[第一粒子粉末2]8kgと[第二粒子粉末2]2kgをターブラミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて30分間混合し、[立体造形用粉末2]を得た。
(実施例3)
<第一粒子粉末3の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5020、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を融点より30℃高い温度にて撹拌後、立体造形用樹脂溶解液とし、ノズル口が円形形状である押し出し加工機(日本製鋼所社製)を用いて繊維状に立体造形用樹脂溶解液を伸ばした。繊維は4倍延伸させることで繊維径(直径)が55μmとなるように調整した。
その後、形成した繊維を同方向に並べて配置し、融点より50℃低い温度で加熱しながら10MPaの圧力を付加することでシート状に一体化させた。なお、シート状に一体化した各繊維の断面形状は略多角形であった。
更に、シート状に一体化させた繊維を、押し切り方式の裁断装置(荻野精機製作所社製、NJシリーズ1200型)を用い、カット幅50μm、カット速度280spm(shots per minute)となるように調整して裁断した。
その後、機械摩擦により表面溶融させるため、マルチパーパスミキサ(日本コークス工業社製)を用いて、得られた裁断物を、回転数9000rpmで20分間処理し、[第一粒子粉末3]を得た。体積平均粒子径80μm、MFR値10g/10分であった。
<第二粒子粉末3の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5008、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を低温粉砕システム(装置名:リンレックスミルLX1、ホソカワミクロン社製)を用いて、-200℃にて凍結粉砕し、立体造形用樹脂粉末を得た。得られた立体造形用樹脂粉末を5μm以上100μm以下の幅になるように粉砕し、[第二粒子粉末3]を得た。体積平均粒子径40μm、MFR値38g/10分であった。
<立体造形用粉末3の作製>
[第一粒子粉末3]8kgと[第二粒子粉末3]2kgをターブラミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて30分間混合し、[立体造形用粉末3]を得た。
(実施例4)
<第一粒子粉末4の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5026、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を融点より30℃高い温度にて撹拌後、立体造形用樹脂溶解液とし、ノズル口が円形形状である押し出し加工機(日本製鋼所社製)を用いて繊維状に立体造形用樹脂溶解液を伸ばした。繊維は4倍延伸させることで繊維径(直径)が55μmとなるように調整した。
その後、形成した繊維を同方向に並べて配置し、融点より50℃低い温度で加熱しながら10MPaの圧力を付加することでシート状に一体化させた。なお、シート状に一体化した各繊維の断面形状は略多角形であった。
更に、シート状に一体化させた繊維を、押し切り方式の裁断装置(荻野精機製作所社製、NJシリーズ1200型)を用い、カット幅50μm、カット速度280spm(shots per minute)となるように調整して裁断した。
その後、機械摩擦により表面溶融させるため、マルチパーパスミキサ(日本コークス工業社製)を用いて、得られた裁断物を、回転数9000rpmで20分間処理し、[第一粒子粉末4]を得た。体積平均粒子径80μm、MFR値7g/10分であった。
<第二粒子粉末4の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5010、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5008、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を5:5の比率でターブラミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて30分間混合した。その後、卓上型混練押出マイクロペレット作成装置1AEC(井元製作所製)を用いて融点より30℃高い温度にて溶融、混練、ペレタイジングを行い、PBTペレットを作製した。作製したペレットを低温粉砕システム(装置名:リンレックスミルLX1、ホソカワミクロン社製)を用いて、-200℃にて凍結粉砕し、立体造形用樹脂粉末を得た。得られた立体造形用樹脂粉末を5μm以上100μm以下の幅になるように粉砕し、[第二粒子粉末4]を得た。体積平均粒子径40μm、MFR値30g/10分であった。
<立体造形用粉末4の作製>
[第一粒子粉末4]8kgと[第二粒子粉末4]2kgをターブラミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて30分間混合し、[立体造形用粉末4]を得た。
(実施例5)
<第一粒子粉末5の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5020、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)とポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5026、三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を5:5の比率でターブラミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて30分間混合した。その後、融点より30℃高い温度にて撹拌後、立体造形用樹脂溶解液とし、ノズル口が円形形状である押し出し加工機(日本製鋼所社製)を用いて繊維状に立体造形用樹脂溶解液を伸ばした。繊維は4倍延伸させることで繊維径(直径)が55μmとなるように調整した。
その後、形成した繊維を同方向に並べて配置し、融点より50℃低い温度で加熱しながら10MPaの圧力を付加することでシート状に一体化させた。なお、シート状に一体化した各繊維の断面形状は略多角形であった。
更に、シート状に一体化させた繊維を、押し切り方式の裁断装置(荻野精機製作所社製、NJシリーズ1200型)を用い、カット幅50μm、カット速度280spm(shots per minute)となるように調整して裁断した。
その後、機械摩擦により表面溶融させるため、マルチパーパスミキサ(日本コークス工業社製)を用いて、得られた裁断物を、回転数9000rpmで20分間処理し、[第一粒子粉末5]を得た。体積平均粒子径80μm、MFR値8.5g/10分であった。
<第二粒子粉末5の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5008、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を低温粉砕システム(装置名:リンレックスミルLX1、ホソカワミクロン社製)を用いて、-200℃にて凍結粉砕し、立体造形用樹脂粉末を得た。得られた立体造形用樹脂粉末を5μm以上100μm以下の幅になるように粉砕し、[第二粒子粉末5]を得た。体積平均粒子径40μm、MFR値38g/10分であった。
<立体造形用粉末5の作製>
[第一粒子粉末5]8kgと[第二粒子粉末5]2kgをターブラミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて30分間混合し、[立体造形用粉末5]を得た。
(実施例6)
<第一粒子粉末6の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5020、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を融点より30℃高い温度にて撹拌後、立体造形用樹脂溶解液とし、ノズル口が円形形状である押し出し加工機(日本製鋼所社製)を用いて繊維状に立体造形用樹脂溶解液を伸ばした。繊維は4倍延伸させることで繊維径(直径)が55μmとなるように調整した。
その後、形成した繊維を同方向に並べて配置し、融点より50℃低い温度で加熱しながら10MPaの圧力を付加することでシート状に一体化させた。なお、シート状に一体化した各繊維の断面形状は略多角形であった。
更に、シート状に一体化させた繊維を、押し切り方式の裁断装置(荻野精機製作所社製、NJシリーズ1200型)を用い、カット幅50μm、カット速度280spm(shots per minute)となるように調整して裁断した。
その後、機械摩擦により表面溶融させるため、マルチパーパスミキサ(日本コークス工業社製)を用いて、得られた裁断物を、回転数9000rpmで20分間処理し、[第一粒子粉末6]を得た。体積平均粒子径80μm、MFR値10g/10分であった。
<第二粒子粉末6の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5008、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を低温粉砕システム(装置名:リンレックスミルLX1、ホソカワミクロン社製)を用いて、-200℃にて凍結粉砕し、立体造形用樹脂粉末を得た。得られた立体造形用樹脂粉末を5μm以上100μm以下の幅になるように粉砕し、[第二粒子粉末6]を得た。体積平均粒子径40μm、MFR値38g/10分であった。
<立体造形用粉末6の作製>
[第一粒子粉末6]5kgと[第二粒子粉末6]5kgをターブラミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて30分間混合し、[立体造形用粉末6]を得た。
(実施例7)
<第一粒子粉末7の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5020、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を融点より30℃高い温度にて撹拌後、立体造形用樹脂溶解液とし、ノズル口が円形形状である押し出し加工機(日本製鋼所社製)を用いて繊維状に立体造形用樹脂溶解液を伸ばした。繊維は4倍延伸させることで繊維径(直径)が55μmとなるように調整した。
その後、形成した繊維を同方向に並べて配置し、融点より50℃低い温度で加熱しながら10MPaの圧力を付加することでシート状に一体化させた。なお、シート状に一体化した各繊維の断面形状は略多角形であった。
更に、シート状に一体化させた繊維を、押し切り方式の裁断装置(荻野精機製作所社製、NJシリーズ1200型)を用い、カット幅50μm、カット速度280spm(shots per minute)となるように調整して裁断した。
その後、機械摩擦により表面溶融させるため、マルチパーパスミキサ(日本コークス工業社製)を用いて、得られた裁断物を、回転数9000rpmで20分間処理し、[第一粒子粉末7]を得た。体積平均粒子径80μm、MFR値10g/10分であった。
<第二粒子粉末7の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5008、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を低温粉砕システム(装置名:リンレックスミルLX1、ホソカワミクロン社製)を用いて、-200℃にて凍結粉砕し、立体造形用樹脂粉末を得た。得られた立体造形用樹脂粉末を5μm以上100μm以下の幅になるように粉砕し、[第二粒子粉末7]を得た。体積平均粒子径40μm、MFR値38g/10分であった。
<立体造形用粉末7の作製>
[第一粒子粉末7]9.5kgと[第二粒子粉末7]0.5kgをターブラミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて30分間混合し、[立体造形用粉末7]を得た。
(実施例8)
<第一粒子粉末8の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5020、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を融点より30℃高い温度にて撹拌後、立体造形用樹脂溶解液とし、ノズル口が円形形状である押し出し加工機(日本製鋼所社製)を用いて繊維状に立体造形用樹脂溶解液を伸ばした。繊維は4倍延伸させることで繊維径(直径)が55μmとなるように調整した。
その後、形成した繊維を同方向に並べて配置し、融点より50℃低い温度で加熱しながら10MPaの圧力を付加することでシート状に一体化させた。なお、シート状に一体化した各繊維の断面形状は略多角形であった。
更に、シート状に一体化させた繊維を、押し切り方式の裁断装置(荻野精機製作所社製、NJシリーズ1200型)を用い、カット幅50μm、カット速度280spm(shots per minute)となるように調整して裁断した。
その後、機械摩擦により表面溶融させるため、マルチパーパスミキサ(日本コークス工業社製)を用いて、得られた裁断物を、回転数9000rpmで20分間処理し、[第一粒子粉末8]を得た。体積平均粒子径80μm、MFR値10g/10分であった。
<第二粒子粉末8の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5008、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を低温粉砕システム(装置名:リンレックスミルLX1、ホソカワミクロン社製)を用いて、-200℃にて凍結粉砕し、立体造形用樹脂粉末を得た。得られた立体造形用樹脂粉末を5μm以上100μm以下の幅になるように粉砕し、[第二粒子粉末8]を得た。体積平均粒子径40μm、MFR値38g/10分であった。
<立体造形用粉末8の作製>
[第一粒子粉末8]4kgと[第二粒子粉末8]6kgをターブラミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて30分間混合し、[立体造形用粉末8]を得た。
(実施例9)
<第一粒子粉末9の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5020、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を融点より30℃高い温度にて撹拌後、立体造形用樹脂溶解液とし、ノズル口が円形形状である押し出し加工機(日本製鋼所社製)を用いて繊維状に立体造形用樹脂溶解液を伸ばした。繊維は4倍延伸させることで繊維径(直径)が55μmとなるように調整した。
その後、形成した繊維を同方向に並べて配置し、融点より50℃低い温度で加熱しながら10MPaの圧力を付加することでシート状に一体化させた。なお、シート状に一体化した各繊維の断面形状は略多角形であった。
更に、シート状に一体化させた繊維を、押し切り方式の裁断装置(荻野精機製作所社製、NJシリーズ1200型)を用い、カット幅50μm、カット速度280spm(shots per minute)となるように調整して裁断した。
その後、機械摩擦により表面溶融させるため、マルチパーパスミキサ(日本コークス工業社製)を用いて、得られた裁断物を、回転数9000rpmで20分間処理し、[第一粒子粉末9]を得た。体積平均粒子径80μm、MFR値10g/10分であった。
<第二粒子粉末9の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5008、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を低温粉砕システム(装置名:リンレックスミルLX1、ホソカワミクロン社製)を用いて、-200℃にて凍結粉砕し、立体造形用樹脂粉末を得た。得られた立体造形用樹脂粉末を5μm以上100μm以下の幅になるように粉砕し、[第二粒子粉末9]を得た。体積平均粒子径40μm、MFR値38g/10分であった。
<立体造形用粉末9の作製>
[第一粒子粉末9]9.8kgと[第二粒子粉末9]0.2kgをターブラミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて30分間混合し、[立体造形用粉末9]を得た。
(実施例10)
<第一粒子粉末10の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5020、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を融点より30℃高い温度にて撹拌後、立体造形用樹脂溶解液とし、ノズル口が円形形状である押し出し加工機(日本製鋼所社製)を用いて繊維状に立体造形用樹脂溶解液を伸ばした。繊維は4倍延伸させることで繊維径(直径)が55μmとなるように調整した。
その後、形成した繊維を同方向に並べて配置し、融点より50℃低い温度で加熱しながら10MPaの圧力を付加することでシート状に一体化させた。なお、シート状に一体化した各繊維の断面形状は略多角形であった。
更に、シート状に一体化させた繊維を、押し切り方式の裁断装置(荻野精機製作所社製、NJシリーズ1200型)を用い、カット幅50μm、カット速度280spm(shots per minute)となるように調整して裁断した。
その後、機械摩擦により表面溶融させるため、マルチパーパスミキサ(日本コークス工業社製)を用いて、得られた裁断物を、回転数9000rpmで20分間処理し、[第一粒子粉末10]を得た。体積平均粒子径80μm、MFR値10g/10分であった。
<第二粒子粉末10の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5008、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を低温粉砕システム(装置名:リンレックスミルLX1、ホソカワミクロン社製)を用いて、-200℃にて凍結粉砕し、立体造形用樹脂粉末を得た。得られた立体造形用樹脂粉末を5μm以上200μm以下の幅になるように粉砕し、[第二粒子粉末10]を得た。体積平均粒子径80μm、MFR値38g/10分であった。
<立体造形用粉末10の作製>
[第一粒子粉末10]8.0kgと[第二粒子粉末10]2.0kgをターブラミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて30分間混合し、[立体造形用粉末10]を得た。
(実施例11)
<第一粒子粉末11の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5020、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を融点より30℃高い温度にて撹拌後、立体造形用樹脂溶解液とし、ノズル口が円形形状である押し出し加工機(日本製鋼所社製)を用いて繊維状に立体造形用樹脂溶解液を伸ばした。繊維は4倍延伸させることで繊維径(直径)が55μmとなるように調整した。
その後、形成した繊維を同方向に並べて配置し、融点より50℃低い温度で加熱しながら10MPaの圧力を付加することでシート状に一体化させた。なお、シート状に一体化した各繊維の断面形状は略多角形であった。
更に、シート状に一体化させた繊維を、押し切り方式の裁断装置(荻野精機製作所社製、NJシリーズ1200型)を用い、カット幅50μm、カット速度280spm(shots per minute)となるように調整して裁断した。
その後、機械摩擦により表面溶融させるため、マルチパーパスミキサ(日本コークス工業社製)を用いて、得られた裁断物を、回転数9000rpmで50分間処理し、[第一粒子粉末11]を得た。体積平均粒子径40μm、MFR値10g/10分であった。
<第二粒子粉末11の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5008、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を低温粉砕システム(装置名:リンレックスミルLX1、ホソカワミクロン社製)を用いて、-200℃にて凍結粉砕し、立体造形用樹脂粉末を得た。得られた立体造形用樹脂粉末を5μm以上200μm以下の幅になるように粉砕し、[第二粒子粉末11]を得た。体積平均粒子径80μm、MFR値38g/10分であった。
<立体造形用粉末11の作製>
[第一粒子粉末11]8.0kgと[第二粒子粉末11]2.0kgをターブラミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて30分間混合し、[立体造形用粉末11]を得た。
(実施例12)
<第一粒子粉末12の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5020、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を低温粉砕システム(装置名:リンレックスミルLX1、ホソカワミクロン社製)を用いて、-200℃にて凍結粉砕し、立体造形用樹脂粉末を得た。得られた立体造形用樹脂粉末を5μm以上200μm以下の幅になるように粉砕し、[第一粒子粉末12]を得た。体積平均粒子径80μm、MFR値10g/10分であった。
<第二粒子粉末12の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5008、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を低温粉砕システム(装置名:リンレックスミルLX1、ホソカワミクロン社製)を用いて、-200℃にて凍結粉砕し、立体造形用樹脂粉末を得た。得られた立体造形用樹脂粉末を5μm以上100μm以下の幅になるように粉砕し、[第二粒子粉末12]を得た。体積平均粒子径40μm、MFR値38g/10分であった。
<立体造形用粉末12の作製>
[第一粒子粉末12]8.0kgと[第二粒子粉末12]2.0kgをターブラミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて30分間混合し、[立体造形用粉末12]を得た。
(実施例13)
<第一粒子粉末13の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5020、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を融点より30℃高い温度にて撹拌後、立体造形用樹脂溶解液とし、ノズル口が円形形状である押し出し加工機(日本製鋼所社製)を用いて繊維状に立体造形用樹脂溶解液を伸ばした。繊維は4倍延伸させることで繊維径(直径)が55μmとなるように調整した。
その後、形成した繊維を同方向に並べて配置し、融点より50℃低い温度で加熱しながら10MPaの圧力を付加することでシート状に一体化させた。なお、シート状に一体化した各繊維の断面形状は略多角形であった。
更に、シート状に一体化させた繊維を、押し切り方式の裁断装置(荻野精機製作所社製、NJシリーズ1200型)を用い、カット幅50μm、カット速度280spm(shots per minute)となるように調整して裁断した。
その後、機械摩擦により表面溶融させるため、マルチパーパスミキサ(日本コークス工業社製)を用いて、得られた裁断物を、回転数9000rpmで20分間処理し、[第一粒子粉末13]を得た。体積平均粒子径80μm、MFR値10g/10分であった。
<第二粒子粉末13の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5008、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を融点より30℃高い温度にて撹拌後、立体造形用樹脂溶解液とし、ノズル口が円形形状である押し出し加工機(日本製鋼所社製)を用いて繊維状に立体造形用樹脂溶解液を伸ばした。繊維は4倍延伸させることで繊維径(直径)が55μmとなるように調整した。
その後、形成した繊維を同方向に並べて配置し、融点より50℃低い温度で加熱しながら10MPaの圧力を付加することでシート状に一体化させた。なお、シート状に一体化した各繊維の断面形状は略多角形であった。
更に、シート状に一体化させた繊維を、押し切り方式の裁断装置(荻野精機製作所社製、NJシリーズ1200型)を用い、カット幅30μm、カット速度280spm(shots per minute)となるように調整して裁断した。
その後、機械摩擦により表面溶融させるため、マルチパーパスミキサ(日本コークス工業社製)を用いて、得られた裁断物を、回転数9000rpmで20分間処理し、[第一粒子粉末13]を得た。体積平均粒子径40μm、MFR値38g/10分であった
<立体造形用粉末13の作製>
[第一粒子粉末13]9.5kgと[第二粒子粉末13]0.5kgをターブラミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて30分間混合し、[立体造形用粉末13]を得た。
(比較例1)
<第一粒子粉末14の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5026、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を低温粉砕システム(装置名:リンレックスミルLX1、ホソカワミクロン社製)を用いて、-200℃にて凍結粉砕し、立体造形用樹脂粉末を得た。得られた立体造形用樹脂粉末を5μm以上200μm以下の幅になるように粉砕し、[第一粒子粉末14]を得た。体積平均粒子径80μm、MFR値7g/10分であった。
<第二粒子粉末14の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5020、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を低温粉砕システム(装置名:リンレックスミルLX1、ホソカワミクロン社製)を用いて、-200℃にて凍結粉砕し、立体造形用樹脂粉末を得た。得られた立体造形用樹脂粉末を5μm以上100μm以下の幅になるように粉砕し、[第二粒子粉末14]を得た。体積平均粒子径40μm、MFR値10g/10分であった。
<立体造形用粉末14の作製>
[第一粒子粉末14]8.0kgと[第二粒子粉末14]2.0kgをターブラミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて30分間混合し、[立体造形用粉末14]を得た。
(比較例2)
<第一粒子粉末15の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5026、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を低温粉砕システム(装置名:リンレックスミルLX1、ホソカワミクロン社製)を用いて、-200℃にて凍結粉砕し、立体造形用樹脂粉末を得た。得られた立体造形用樹脂粉末を5μm以上200μm以下の幅になるように粉砕し、[第一粒子粉末15]を得た。体積平均粒子径80μm、MFR値7g/10分であった。
<第二粒子粉末15の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5008、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を低温粉砕システム(装置名:リンレックスミルLX1、ホソカワミクロン社製)を用いて、-200℃にて凍結粉砕し、立体造形用樹脂粉末を得た。得られた立体造形用樹脂粉末を5μm以上100μm以下の幅になるように粉砕し、[第二粒子粉末15]を得た。体積平均粒子径40μm、MFR値38g/10分であった。
<立体造形用粉末15の作製>
[第一粒子粉末15]8.0kgと[第二粒子粉末15]2.0kgをターブラミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて30分間混合し、[立体造形用粉末15]を得た。
(比較例3)
<立体造形用粉末16の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5026、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を低温粉砕システム(装置名:リンレックスミルLX1、ホソカワミクロン社製)を用いて、-200℃にて凍結粉砕し、立体造形用樹脂粉末を得た。得られた立体造形用樹脂粉末を5μm以上200μm以下の幅になるように粉砕し、[立体造形用粉末16]を得た。体積平均粒子径80μm、MFR値7g/10分であった。
(比較例4)
<立体造形用粉末17の作製>
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5008、三菱エンジニアリングプラスチック社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を低温粉砕システム(装置名:リンレックスミルLX1、ホソカワミクロン社製)を用いて、-200℃にて凍結粉砕し、立体造形用樹脂粉末を得た。得られた立体造形用樹脂粉末を5μm以上200μm以下の幅になるように粉砕し、[立体造形用粉末17]を得た。体積平均粒子径80μm、MFR値38g/10分であった。
(測定及び評価)
各実施例及び比較例で得られた立体造形用粉末について、以下のようにして、樹脂粒子特性の測定及び造形品質の評価を実施した。結果を下記表1に示す。
<樹脂粒子特性>
[MFR(メルトマスフローレート)比]
JIS7210(ISO1133)に準じて、メルトマスフローレート測定装置(Dynisco社製、形式D405913)を用いて、2.16kgの荷重にて、MFR(メルトマスフローレート)を測定した。融点+15℃に設定した。樹脂粉末を充填した後に2分以上加温し樹脂を十分に溶融させた後に測定を実施した。得られた第一の樹脂粒子(第一粒子粉末)のMFR値をMFR1、第二の樹脂粒子(第二粒子粉末)のMFR値をMFR2とし、下記式にてMFR比を計算した。
MFR比=MFR2/MFR1
[体積平均粒子径Dv]
立体造形用粉末について粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、microtrac MT3300EXII)を用いて体積平均粒子径Dv(μm)を測定した。その際、樹脂粉末ごとの粒子屈折率を使用し、溶媒は使用せず乾式(大気)法にて測定した。
[粉末の形状]
得られた立体造形用粉末についてSEM(日本電子社製走査電子顕微鏡JSM-7800FPRIME)を用いて150倍の倍率で写真撮影した。撮影して得たSEM画像中の立体造形用樹脂粉末において、第一の面と、第二の面と、側面と、を有し、且つSEMで観察される範囲において第一の面、及び第二の面の外周領域の全てが側面に沿って延伸した形状を有するものを立柱体であると判断した。
<造形品質>
[試験標本(造形物)の作製]
SLS方式造形装置(リコー社製、AM S5500P)の供給床中に得られた立体造形用樹脂粉末を加え、立体造形物の製造を行った。設定条件は、0.1mmの層平均厚み、10ワット以上150ワット以下のレーザー出力を設定し、0.1mmのレーザー走査スペース、融点より-3℃の温度を部品床温度に使用した。SLS方式造形装置にて、レーザー走査スペース13の中心部に、XY平面方向(図4におけるローラ12が進行する平面方向)に長辺が向いた5個の試験標本(XY造形物)を造形した。各々の造形物の間隔は5mm以上である。試験標本は、ISO(国際標準化機構)3167 Type1A 多目的犬骨様試験標本(標本は、80mm長さ、4mm厚さ、10mm巾の中心部分を有する)である。造形時間は、50時間に設定した。
[精度]
得られた5本の試験標本の各々、デジタルノギスにて巾方向長を5点測定し、巾長さ平均値を算出後、狙いの巾長さとのズレを精度として下記式で計算した。
精度(mm)=巾平均値mm-10mm
評価基準は以下の通りである。
極めて良好:0.1mm以下
良好:0.1mmより大きく、0.2mm以下
劣る:0.2mmより大きい
[強度]
得られた5本の試験標本をISO 527に準じた引張試験機(島津製作所製、AGS-5kN)を使用して、引張強度(MPa)を測定し、平均値を「強度」とした。なお、引張試験速度は、50mm/分とした。
評価基準は以下の通りである。
極めて良好:80MPa以上
良好:55MPa以上80MPa未満
劣る:55MPa未満
Figure 0007073944000001
1 造形装置
11 供給槽
11H ヒータ
11P ピストン
12 ローラ
13 レーザー走査スペース
13H ヒータ
13P ピストン
18 電磁照射源
19 反射鏡
21 柱体
22 第一の面
22a 第一の対向面
22b 第一の面の外周領域
23 第二の面
23a 第二の対向面
23b 第二の面の外周領域
24 側面
特開2009-40870号公報 特開2011-99023号公報

Claims (8)

  1. 第一の樹脂粒子及び第二の樹脂粒子を含み、
    前記第一の樹脂粒子と前記第二の樹脂粒子は同種の樹脂であり、
    前記第一の樹脂粒子のMFR(メルトマスフローレート)をMFR1、前記第二の樹脂粒子のMFRをMFR2としたとき、MFR2>MFR1であり、MFR2/MFR1で表されるMFRの比が2~5であり、
    前記第一の樹脂粒子の体積平均粒子径及び前記第二の樹脂粒子の体積平均粒子径は、20μm以上100μm以下であることを特徴とする立体造形用粉末。
  2. 前記立体造形用粉末に対する前記第一の樹脂粒子の重量と前記第二の樹脂粒子の重量の比が5:5~9.5:0.5であることを特徴とする請求項1に記載の立体造形用粉末。
  3. 前記第一の樹脂粒子の体積平均粒子径が、前記第二の樹脂粒子の体積平均粒子径よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の立体造形用粉末。
  4. 前記第一の樹脂粒子が立柱形状であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の立体造形用粉末。
  5. 前記MFR(メルトマスフローレート)は、JIS7210に準じて測定されることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の立体造形用粉末。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の立体造形用粉末が貯蔵されている供給槽と、請求項1~5のいずれかに記載の立体造形用粉末を含む層を形成する層形成手段と、前記層の少なくとも一部を溶融させる溶融手段とを有することを特徴とする立体造形物の製造装置。
  7. 請求項1~5のいずれかに記載の立体造形用粉末を含む層を形成する層形成工程と、前記層の少なくとも一部を溶融させる溶融工程とを有することを特徴とする立体造形物の製造方法。
  8. 第一の樹脂粒子及び第二の樹脂粒子を含み、
    前記第一の樹脂粒子と前記第二の樹脂粒子は同種の樹脂であり、
    前記第一の樹脂粒子のMFR(メルトマスフローレート)をMFR1、前記第二の樹脂粒子のMFRをMFR2としたとき、MFR2>MFR1であり、MFR2/MFR1で表されるMFRの比が2~5であり、
    前記第一の樹脂粒子の体積平均粒子径及び前記第二の樹脂粒子の体積平均粒子径は、20μm以上100μm以下であることを特徴とする樹脂粉末。
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