JP2002346785A - 液中レーザ加工装置 - Google Patents

液中レーザ加工装置

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JP2002346785A
JP2002346785A JP2001160829A JP2001160829A JP2002346785A JP 2002346785 A JP2002346785 A JP 2002346785A JP 2001160829 A JP2001160829 A JP 2001160829A JP 2001160829 A JP2001160829 A JP 2001160829A JP 2002346785 A JP2002346785 A JP 2002346785A
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JP2001160829A
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English (en)
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Kazuhiro Kagawa
和宏 香川
Kazuaki Sajiki
一明 桟敷
Yoshiyuki Niwatsukino
義行 庭月野
Aki Tabata
亜紀 田畑
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体中に配置された加工対象物に対する加工
特性を向上させることができる液中レーザ加工装置を提
供すること。 【解決手段】 透明境界板41は、その出射面が水平線
に対し所定の傾斜角θをもって液中で配置される。透明
境界板41の入射面にはプリズム42が密着されてい
る。プリズム42は、チャンバ70内の液体の屈折率の
値と同一又は該値に近傍する屈折率の光学特性を有して
いる。透明境界板41の出射面に到達した気泡は、その
出射面に沿って移動する。しかも、透明境界板41の出
射面側においては、浮揚してくる気泡は、当該透明境界
板41の出射面に付着する以前に、流れ発生装置100
によって発生された流れにより速やかに除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、チャンバに収容
される液体中の所定の位置に配置される加工対象物に対
してレーザ光を照射することにより、当該加工対象物を
レーザ加工する液中レーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置としては、特開平6
−142971号公報に記載された水中加工装置が知ら
れている。
【0003】この水中加工装置は、紫外パルスレーザ光
を発生するレーザ発振器と、紫外パルス光を集光するレ
ンズと、レーザ発振器とレンズとの間の光路を気密に囲
み、内部が不活性ガスで満たされた導入光ダクトと、レ
ンズと被加工物との間を水密に囲む加工ハウジングと、
被加工物とレンズとの間に水を流通させる水流通装置と
から構成されている。なお、上記レンズは、その光軸が
水平線に対し垂直に、かつ液面に接触するように配置さ
れている。
【0004】かかる構成の水中加工装置では、水流通装
置により発生される流れにより、レンズへのダストの付
着とダストによる傷をを防止するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載された水中加工装置では、レンズの光軸が水平
線に対し垂直に配置されているので、被加工物とレンズ
との間で流れが発生しているといえ、レーザ照射された
ことに起因して発生する被加工物からの気泡の一部が、
上昇(浮揚)してレンズに付着し、しかも一度レンズに
付着した気泡を除去するこが困難である。
【0006】このため、気泡が付着したことに起因して
レンズを透過するレーザ光の光学特性は所望の光学特性
よりも低下したものとなり、これに伴って被加工物に対
する加工特性も低下する。
【0007】また、上記公報に記載された水中加工装置
においては、レンズが液面に接触するように配置されて
いるので、レンズから被加工物までの距離が固定された
ものとなり、しかも、その距離が長い場合には、光に対
する吸収率が大きい液体では、この液体によって光のエ
ネルギーが吸収されて、被加工物に対するレーザ加工を
実施(所望の加工特性をもってレーザ加工を実施)する
ことができない可能性がある。
【0008】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、液体中に配置された加工対象物に対する加工特
性を向上させることができ、光に対する吸収率が大きい
液体であっても所望の加工特性をもって加工対象物に対
するレーザ加工を実施することができる液中レーザ加工
装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用および効果】上記目
的を達成するため、請求項1に係る発明は、レーザ光を
発生するレーザ発生手段と、液体を収容するチャンバと
を有し、前記チャンバに収容される液体中の所定の位置
に配置される加工対象物に対して、前記レーザ発生手段
によって発生されたレーザ光を照射することにより、当
該加工対象物をレーザ加工する液中レーザ加工装置にお
いて、前記液体における光路に対応する領域の液体部分
と気体とが分離されるように形成されていると共に、前
記光路に対応する部位が入射面と出射面とが平行に形成
され光の透過性を有する光学部材で形成されている境界
手段を備え、前記境界手段は、前記光学部材が前記加工
対象物とは対向して配置されていると共に水平線に対し
所定の角度をもって液体中に配置されていることを特徴
とする。
【0010】この請求項1に係る発明では、光学部材は
水平線に対し所定の傾斜角θをもって配置される。した
がって、請求項1に係る発明によれば、光学部材に気泡
が到達(付着)したとしても、その気泡は光学部材の傾
斜面に沿って浮揚(移動)することとなり、光学部材に
付着する気泡を除去することができる。よって、光学部
材への気泡の付着によるレーザ光の散乱や屈折が抑制さ
れ、液中加工によるデブリ(ゴミ)、バリのない加工特
性を維持することができる。
【0011】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明において、水平線に対し所定の角度をもって配置され
ている前記光学部材の入射面に密着して配置され、前記
液体の屈折率の値に近傍する屈折率を有するプリズムを
更に備えたことを特徴とする。
【0012】この請求項2に係る発明では、水平線に対
し所定の傾斜角θをもって配置される光学部材の入射面
に、液体の屈折率の値と同一又は該値に近傍する屈折率
を有するプリズムを密着している。したがって、請求項
2に係る発明によれば、液体と気体の屈折率の違いによ
る、光学部材を透過したレーザ光の屈折を抑制すること
ができる。
【0013】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
係る発明において、水平線に対し所定の角度をもって配
置されている前記光学部材の出射面近傍の液体に対し
て、当該出射面全体に亘って一様に流れを発生させる流
れ発生手段を更に備えたことを特徴とする。
【0014】この請求項3に係る発明では、流れ発生手
段によって、光学部材の出射面近傍の液体に対して、当
該出射面全体に亘って一様に流れが発生される。したが
って、請求項3に係る発明によれば、光学部材の出射面
に気泡が到達する以前に、その出射面近傍の気泡を強制
的に除去することができる。よって、光学部材への気泡
の付着によるレーザ光の散乱や屈折が抑制され、液中加
工によるデブリ(ゴミ)、バリのない加工特性を維持す
ることができる。
【0015】請求項4に係る発明は、請求項3に係る発
明において、前記流れ発生手段は、前記レーザ光のビー
ムが、その断面の形状が長手方向の領域を有して形成さ
れているビームであるときは、前記光学部材の出射面近
傍の液体に対して、前記レーザ光のビームの短辺方向に
向かって、かつ当該出射面全体に亘って一様に流れを発
生させることを特徴とする。
【0016】この請求項4に係る発明では、断面の形状
が長手方向の領域を有して形成されているビームである
ときは、光学部材の出射面近傍の液体に対して、ビーム
の短辺方向に向かって、かつ当該出射面全体に亘って一
様に流れが発生される。したがって、請求項4に係る発
明によれば、光学部材の出射面における、たとえばライ
ンビームに対応する領域に気泡が到達する以前に、その
出射面近傍の気泡を強制的に除去することができる。よ
って、光学部材への気泡の付着によるレーザ光の散乱や
屈折が抑制され、液中加工によるデブリ(ゴミ)、バリ
のない加工特性を維持することができる。
【0017】請求項5に係る発明は、レーザ光を発生す
るレーザ発生手段を有し、該レーザ発生手段によって発
生されるレーザ光を液体中の所定の位置に配置される加
工対象物に対して照射することにより、当該加工対象物
をレーザ加工する液中レーザ加工装置において、液体を
収容するチャンバと、前記チャンバとは独立して設けら
れ、前記加工対象物を前記チャンバに収容される液体と
気体との間を移動可能にかつレーザ加工可能に保持する
保持手段とを具備し、前記チャンバの側面における前記
液体で満たされる所定の部位に開口部を形成すると共
に、該開口部に入射面と出射面とが平行に形成され光の
透過性を有する光学部材を鉛直にかつ密着するように設
けると共に、前記保持手段に保持されている加工対象物
を、前記光学部材と対向させて鉛直に配置し、さらに、
前記加工対象物に対して、前記レーザ発生手段によって
発生されるレーザ光を水平線と同一方向に照射すること
を特徴とする。
【0018】この請求項5に係る発明では、チャンバの
側面に鉛直に光学部材が設けられ、また、チャンバとは
独立して設けられる保持手段によって、加工対象物は、
その光学部材と対向して鉛直に保持されると共に、チャ
ンバに収容される液体と気体との間を移動可能にかつレ
ーザ加工可能に保持される。さらに、前記加工対象物に
対して、レーザ発生手段によって発生されるレーザ光が
水平線と同一方向に照射される。したがって、請求項5
に係る発明によれば、保持手段によって加工対象物を液
体と気体間で移動制御するようにしたので、加工対象物
に対する加工処理が終了したときに、次の新規な加工対
象物との交換が容易に実施できると共に、1つの加工対
象物に対して、液体中での加工処理と気体中での加工処
理とを実施することが可能となる。
【0019】請求項6に係る発明は、請求項5に係る発
明において、前記チャンバを鉛直方向に移動させる移動
手段を更に備えると共に、前記保持手段による前記加工
対象物に対する液体と気体との間の移動を禁止すること
を特徴とする。
【0020】この請求項6に係る発明によれば、移動手
段によってチャンバを鉛直方向に移動させるようにして
いるので、加工対象物を液体と気体間で移動させること
が可能となり、加工対象物に対する加工処理が終了した
ときに、次の新規な加工対象物との交換が容易に実施で
きると共に、1つの加工対象物に対して、液体中での加
工処理と気体中での加工処理とを実施することが可能と
なる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明の第1の実施形態に係る液
中レーザ加工装置1を示す断面構成図を示している。
【0023】同図1において、液中レーザ加工装置1
は、レーザ光Lを発生するレーザ発振器10と、該レー
ザ発振器10によって発生されたレーザ光Lを所定の方
向に反射させるミラー20と、入射したレーザ光Lを集
光する集光レンズ30と、詳細は後述する境界手段40
と、台50に載置された加工対象物60と、液体を収容
すると共に、加工対象物60が載置される台50を保持
するチャンバ70と、チャンバ70をX方向、Y方向及
びZ方向(図中上下方向)に移動するためのXYZステ
ージ80と、チャンバ70内の液体を循環させるための
循環ポンプ90と、境界手段40における加工対象物6
0と対向する面近傍に該面全体に一様に流れを発生させ
る流れ発生装置100とから構成されている。
【0024】境界手段40は、光の透過性を有する光学
部材としての透明境界板41と、気体と液体の屈折率の
違いによるレーザ光の屈折を補正するプリズム42と、
これら透明境界板41及びプリズム42を保持するホル
ダ43とから構成されている。
【0025】透明境界板41は、入射面(一方の面)と
出射面(他方の面)とが平行に形成された平行平板で形
成されており、その入射面にはプリズム42が密着され
ている。
【0026】プリズム42は、チャンバ70内の液体の
屈折率の値と同一又は該値に近傍する屈折率の光学特性
を有している。
【0027】ホルダ43の加工対象物60と対向する側
にはレーザ光Lのビーム断面積以上の大きさの開口部4
3aが形成されている。ホルダ43内に液体が侵入しな
いように、開口部43aを覆うように透明境界板41の
出射面を密着している。また、ホルダ43の集光レンズ
30と対向する側には、レーザ光Lのビーム断面積以上
の大きさの開口部43bが形成されている。
【0028】透明境界板41は、その出射面(又は入射
面)が、図2に示すように水平線に対し所定の傾斜角θ
をもって液中で配置されるようになっている。
【0029】例えば、ホルダ43を鉛直に移動させたと
きに、透明境界板41の出射面(又は入射面)と水平線
との成す角が所定の傾斜角θとなるように、透明境界板
41をホルダ43の開口部43aに設置するようにす
る。
【0030】あるいは、透明境界板41の出射面(又は
入射面)と水平線との成す角が略傾斜角θとなるよう
に、透明境界板41をホルダ43の開口部43aに設置
し、さらに、ホルダ43を気体から液体へ移動させると
きに、透明境界板41の出射面(又は入射面)と水平線
との成す角が所定の傾斜角θとなるように微調整するよ
うにしても良い。
【0031】かかる境界手段40は、液体における光路
の断面積に対応する領域の液体部分と気体とを分離する
機能を有しており、特に、透明境界板41は液体部分と
気体とを分離する機能を担っている。ここでは、液体は
水であるものとし、また気体は空気(外気雰囲気)であ
るものとする。
【0032】なお、境界手段40においては、ホルダ4
3は、透明境界板41の出射面を液中の所定位置に配置
したとき、浮揚力により浮揚しないように図示しない外
部に固定されている。また、透明境界板41の出射面
は、チャンバ70内の液体表面が界面不安定となった場
合であっても、その界面不安定性によるレーザ光L(レ
ーザビーム)の乱反射や屈折が発生しない程度の液体中
の深さの位置(液体表面から所定の距離だけ離れた位
置)に配置される。
【0033】台50は、チャンバ70の底面の所定の位
置に配置され、加工対処物60を交換(新規に加工する
ものと加工済みのものとを交換)できるように、加工対
象物60を着脱自在に保持する。
【0034】XYZステージ80は、図示しない制御手
段(例えばコンピュータなどのデータ処理装置)による
加工パターンに基づいた制御に従って、チャンバ70を
X方向及びY方向に移動するように設定されている。こ
れにより、台50に載置されている加工対象物60は、
上記加工パターンに基づいてレーザ加工処理が施される
こととなる。また、チャンバ70をZ方向(図中上下方
向)に移動することで、レーザ光Lの焦点位置に対する
調整が可能であり、加工面上のビーム断面積を変更でき
る。
【0035】循環ポンプ90は、チャンバ70内に液体
を供給するための吐出口91、および加工対象物60の
加工部分を通過した水をチャンバ70の外に排出するた
めの排出口92と配管により接続され、水を排出口92
から吐出口91まで循環させる。また、循環ポンプ90
は、流れ発生装置100と配管により接続され、流れ発
生装置100へ水を供給する。
【0036】流れ発生装置100は、供給された水を吐
出部100Aから吐出する。この吐出された水は、透明
境界板41の出射面近傍に該面全体に一様に流れる。
【0037】ところで、加工対象物60に対するレーザ
加工処理のための照射位置の位置決めは、XYZステー
ジ80によるチャンバ70に対するXY移動制御により
実施されるので、透明境界板41におけるレーザ光Lの
入射する入射位置は固定のままで良いこととなり、この
ため、透明境界板41の大きさは、加工対象物60の加
工領域と同等の大きさである必要はなく、たとえば、レ
ーザ発振器10によって発生されたレーザ光Lのビーム
断面積より少し大きい程度の大きさであれば良い。
【0038】そのため、流れ発生装置100の吐出部1
00Aから吐出された水は、透明境界板41の出射面近
傍に該面全体に一様に流れるようになる。
【0039】次に、液中レーザ加工装置1による加工処
理について説明する。
【0040】レーザ発振器10から出射されたレーザ光
L(レーザビーム)は、ミラー20に反射して集光レン
ズ30に入射され、ここで、集光される。
【0041】集光レンズ30により集光されたレーザ光
Lは、ホルダ43の開口部43b、プリズム42、透明
境界板41およびチャンバ70内の液体を通過して加工
対象物60に照射される。このようにして照射されるレ
ーザ光Lにより、加工対象物60は、孔あけ等の加工処
理されることとなる。
【0042】なお、レーザ光L(レーザビーム)のビー
ム形状は任意である。たとえば、マスクによるパターン
転写光でも良いし、単なるビームの集光でも良い。
【0043】ところで、透明境界板41の出射面がチャ
ンバ70内の液体表面が界面不安定となった場合であっ
ても、その界面不安定性によるレーザ光の乱反射や屈折
が発生しない程度の液体中の深さの位置に配置されてい
るので、液体表面の界面不安定性による上記レーザ光L
の乱反射、屈折を抑制することができる。
【0044】また、透明境界板41の入射面に、チャン
バ70内の液体の屈折率の値と同一又は該値に近傍する
屈折率の光学特性を持つプリズム42が密着さているの
で、液体と気体の屈折率の違いによる上記レーザ光Lの
屈折を抑制することができる。
【0045】レーザ光Lが加工対象物60の加工位置
(照射位置)に照射されると、その加工位置の部位近傍
より気泡が液中に発生する。この気泡は、たとえば、レ
ーザ光Lが集光することにより液体中に溶け込んでいる
空気などが気化することにより発生する。
【0046】上述したようにして発生した気泡の一部
は、吐出口91から排出口92へと流れる液体(図1中
符号Aで示される点線矢印の方向へ流れる液体)と一緒
に流れて行き、他の気泡は液体上部に向かって浮揚す
る。
【0047】しかし、境界手段40、特に透明境界板4
1の出射面側においては、浮揚してくる気泡は、当該透
明境界板41の出射面に付着する以前に、流れ発生装置
100によって発生された流れ(図1中符号Bで示され
る点線矢印の方向への流れ)により速やかに除去され
る。
【0048】したがって、透明境界板41への気泡の付
着によるレーザ光Lの散乱や屈折が抑制され、液中加工
によるデブリ(ゴミ)、バリのない加工特性を維持する
ことができる。
【0049】なお、上記実施形態では、流れ発生装置1
00によって発生された流れにより、透明境界板41の
出射面近傍まで浮揚してくる気泡を強制的に除去するよ
うにしているが、本発明は、これに限定されることな
く、流れ発生装置100を設けなくとも、従来の場合と
比較して、透明境界板41の出射面への気泡の付着を抑
制することができる。
【0050】すなわち、上述したように透明境界板41
は、その出射面(又は入射面)が、水平線に対し所定の
傾斜角θをもって(図2参照)液中で配置されるように
なっているので、仮に、透明境界板41の出射面に気泡
が付着したとしても、その気泡が、浮揚力により傾斜し
ている出射面に沿って上昇(移動)する。これにより、
透明境界板41の出射面に付着する気泡を除去すること
が可能となる。
【0051】しかし、この場合は、気泡の浮揚力を利用
しているので、一部の気泡が透明境界板41の出射面に
留まって付着する場合も考えられる。また、レーザ光L
が照射したことによる加工対象物60からのレーザ加工
時に発生する加工対象物60の一部、すなわちダスト
も、殆どは吐出口91から排出口92への流れにより除
去されるものの、一部は浮揚して透明境界板41の出射
面に付着する可能性がある。
【0052】このように、透明境界板41に気泡やダス
ト(ゴミ)が付着すると、その付着した位置でレーザ光
Lの屈折率が変化する。このため、加工対象物60が、
XYZステージ80により規定の位置(つまり所望の加
工位置)に移動された場合であっても、屈折率が変化し
たことによりレーザ光Lは、所定の方向とは異なった方
向に進行し、上記所望の加工位置には照射されないこと
になる。
【0053】また、透明境界板41に付着したゴミがレ
ーザ光Lの熱を吸収する(レーザ光Lのエネルギーを低
下させる)ので、このゴミの熱吸収によるレーザ光Lの
ダメージ(エネルギーの低下)が発生する。このため、
加工対象物60に照射されたレーザ光Lのエネルギー
が、所望のエネルギー(加工するのに必要な必要最低限
のエネルギー)以下の値となっていた場合には、加工対
象物60に対するレーザ加工を実施することができな
い。
【0054】そこで、本実施形態では、上述したように
水平線に対し所定の傾斜角θをもって透明境界板41を
配置した場合には、透明境界板41の出射面に付着する
気泡を除去することが可能であるものの、透明境界板4
1に気泡やダスト(ゴミ)が付着する可能性もあり得る
ということを認識したうえで、流れ発生装置100によ
って発生された流れにより、透明境界板41の出射面近
傍に該面全体に一様に液体が流れるようにして、その出
射面近傍に浮揚してくる気泡やダストを強制的に除去す
るようにしている。
【0055】次に、上記液中レーザ加工装置1におい
て、レーザ発振器10からのレーザ光Lのビームがライ
ンビーム(あるいは楕円ビーム)であった場合のレーザ
加工について説明する。
【0056】この場合の液中レーザ加工装置は、基本的
には、上記図1及び図2を用いて説明した作用と同様に
作用する。しかし、透明境界板41の出射面に対する流
れの方向が異なっているので、その異なる点について説
明する。
【0057】ここに、図3(a)に示すように、ライン
ビームであるレーザ光Lがプリズム42及び透明境界板
41を通過する場合を想定する。
【0058】ラインビーム以外のビームのときは、図3
(a)中符号で示される点線矢印の方向に液体が流れ
るように設定されている。すなわち、透明境界板41の
端部41Aから端部41Bへと液体が流れる。
【0059】しかし、透明境界板41を通過するビーム
がラインビームのときは、図3(b)に示すように、液
体が透明境界板41の端部41Aから端部41Bへ(図
3(a)中符号で示される点線矢印の方向)流れるも
のとした場合には、当然、ラインビームにおける上記端
部41A近傍の部位LAから上記端部41b近傍の部位
LBへ液体が流れるので、気泡は部位LAから部位LB
へ移動する。このため、部位LA近傍では気泡が除去さ
れるものの、部位LB近傍では気泡が存在することにな
るので、この気泡によりレーザ光L(ラインビーム)の
散乱や屈折が発生する。
【0060】そこで、このような問題に対処するため
に、透明境界板41の出射面近傍における水の流れる方
向を、図3(b)に示すように、図中符号で示される
点線矢印の方向とする。
【0061】すなわち、ラインビームの短辺方向と同一
の方向に流れが発生するように、流れ発生装置100に
よって液体を供給(吐出)する。この場合も透明境界板
41の出射面近傍に該出射面に一様に液体が流れるよう
に供給することは言うまでもない。これによって、透明
境界板41におけるラインビームの部位LA近傍に対応
する部位、およびラインビームの部位LB近傍に対応す
る部位に、気泡が付着するのを防止することができる。
【0062】なお、上記実施形態において、プリズム4
2を用いることなく、透明境界板41を、その出射面
(又は入射面)と水平線とが成す角が所定の傾斜角θと
なるように液中で配置し、また、加工対象物60を、そ
の加工領域面が水平線と平行となるように配置した場合
には、レーザ発振器10によって発生されたレーザ光L
を、加工対象物60に対する入射角が90度になるよう
な所定の入射角をもって透明境界板41の入射面へ入射
させるようにしても良い。この場合は、たとえば、ミラ
ー20の設置角度を調整するこで、透明境界板41への
レーザ光Lの入射角を調整することが可能である。
【0063】また、上記実施形態において、プリズム4
2を用いることなく、透明境界板41を、その出射面
(又は入射面)と水平線とが成す角が所定の傾斜角θと
なるように液中で配置し、また、鉛直方向と同一方向に
進行するレーザ光Lを透明境界板41に入射させるもの
とした場合に、当該透明境界41から出射したレーザ光
Lが加工対象物60に入射するときの入射角が90度に
なるように、当該加工対象物60を、水平線から所定の
角度をもって傾斜させるようにしても良い。
【0064】この場合は、透明境界板41及び透明境界
板41に入射するレーザ光Lの方向は一定(固定)であ
るので、加工対象物60を徐々に傾斜させて、入射する
レーザ光の入射角が90度になるような加工対象物60
の傾斜角を実験等により求め、この求めた傾斜角をもっ
て加工対象物60が着脱自在に載置されるように台50
を形成して配置するようにする。
【0065】また、上記実施形態においては、液中レー
ザ加工装置1における透明境界板41の出射面側に、気
泡除去手段として図示しない気泡除去用ワイパーを設置
することもできる。これにより、液中レーザ加工装置1
の場合と比較して、気泡除去効果がより一層確実にな
る。
【0066】また、上記実施形態においては、液中レー
ザ加工装置1における透明境界板41の出射面側に、気
泡除去手段として図示しないピエゾ素子を設置すること
もできる。このピエゾ素子の伸縮作用により透明境界板
41を振動させることにより、当該透明境界板41に付
着する気泡を除去することができ、液中レーザ加工装置
1の場合と比較して、気泡除去効果がより一層効果的に
なる。
【0067】さらに、上記実施形態においては、液中レ
ーザ加工装置1のチャンバ70内に入れる液体として、
脱泡処理(減圧処理)された液体を使用することもでき
る。この脱泡処理を施すことにより液体から気泡が発生
し難くなり、気泡除去効果が一層効果的になる。
【0068】以上説明したように本実施形態によれば、
以下のような作用効果を奏する。
【0069】(1)すなわち、水平線に対し所定の傾斜
角θをもって透明境界板41を配置するようにしたの
で、透明境界板41の出射面に到達した気泡は、傾斜さ
れている透明境界板41の出射面に沿って浮揚(移動)
することとなり、透明境界板41への気泡の付着を抑制
することができ、よって、透明境界板41への気泡の付
着によるレーザ光Lの散乱や屈折が抑制され、液中加工
によるデブリ(ゴミ)、バリのない加工特性を維持する
ことができる。
【0070】(2)また、流れ発生装置100によって
発生された流れにより、透明境界板41の出射面近傍に
該面全体に一様に液体が流れるようにして、その出射面
近傍に浮揚してくる気泡やダストを強制的に除去するよ
うにしているので、上記(1)の場合と比較して、より
一層、透明境界板41への気泡の付着によるレーザ光L
の散乱や屈折が抑制され、液中加工によるデブリ(ゴ
ミ)、バリのない加工特性を維持することができる。
【0071】(3)また、透明境界板41に入射するレ
ーザ光L(レーザ発振器10により発生されるレーザ
光)のビームがラインビームのときは、ラインビームの
短辺方向と同一の方向に流れが発生するように、流れ発
生装置100によって液体を供給(吐出)するようにし
ているので、透明境界板41におけるラインビームに対
応する部位に、気泡が付着するのを防止することがで
き、透明境界板41への気泡付着によるレーザ光Lの散
乱や屈折が抑制され、液中加工によるデブリ(ゴミ)、
バリのない加工特性を維持することができる。
【0072】(4)さらに、気泡除去手段として、傾斜
された透明境界板41及び流れ発生装置100に加え
て、透明境界板41の出射面側に、気泡除去用ワイパー
又はピエゾ素子を設けるようにして、透明境界板41の
出射面に到達した気泡を強制的に除去するようにしてい
るので、より一層、透明境界板41への気泡の付着によ
るレーザ光Lの散乱や屈折が抑制され、液中加工による
デブリ(ゴミ)、バリのない加工特性を維持することが
できる。
【0073】[第2の実施の形態]図4は、第2の実施
形態に係る液中レーザ加工装置2の断面構成図を示して
いる。
【0074】同図4において、液中レーザ加工装置2
は、レーザ光を発生するレーザ発振器110と、入射し
たレーザ光を所定の方向に反射させるミラー121、1
22と、入射したレーザ光を集光する集光レンズ130
と、光の透過性を有する光学部材で形成されている透明
境界板140と、保持部150に着脱自在に保持されて
いる加工対象物160と、液体を収容するチャンバ70
と、保持部150をX方向、Y方向及びZ方向に移動す
るためのXYZステージ180と、チャンバ170内の
液体を循環させるための循環ポンプ190と、透明境界
板140における加工対象物160と対向する面近傍に
対して、該面全体に一様に流れを発生させる流れ発生装
置200とから構成されている。
【0075】透明境界板140は、チャンバ170内に
収容される液体が漏れない状態で、チャンバ170の側
面の所定の位置に鉛直方向と平行に設置されている。
【0076】XYZステージ180は、加工対象物16
0の加工領域面が鉛直の状態で配置されるように保持部
150を保持している。XYZステージ180は、保持
部150を、透明境界板140と対向して配置された状
態の加工対象物160の加工領域面におけるX方向(左
右方向つまり紙面に垂直方向)及びZ方向(鉛直方向)
に移動制御することで、加工対象物160を、透明境界
板140と対向する位置まで移動する。また、Y方向
(前後方向つまり図中左右方向)に移動することで、レ
ーザ光Lの焦点位置に対する調整が可能であり、加工面
上のビーム断面積を変更できる。
【0077】流れ発生装置200は、透明境界板140
の出射面(加工対象物と対向する面)全体に、チャンバ
170の底面から上面に向かって(鉛直方向に)一様に
液体が流れるように、チャンバ170の所定の位置に配
置されている。
【0078】チャンバ170には、液体を提供(吐出)
するための吐出口191と、この吐出口191と対向す
る位置に配置され、加工対象物160の加工領域面近傍
を通過する液体を排出するための排出口192とが設け
られている。
【0079】かかる液中レーザ加工装置2の作用につい
て説明する。
【0080】ここで、加工対象物160は透明境界板1
40と対向する位置まで移動されているものとする。
【0081】さて、レーザ発振器110から出射された
レーザ光Lは、ミラー121、122を介して集光レン
ズ130に入射し、ここで集光される。集光レンズ13
0で集光されたレーザ光Lは、透明境界板140を通過
して、加工対象物160に照射される。レーザ光Lが照
射されることで加工対象物160は照射位置(加工位
置)においてレーザ加工されることとなる。
【0082】そして、XYZステージ180が、図示し
ない制御手段(例えばコンピュータなどのデータ処理装
置)の所定の加工パターンに基づく制御に従って、保持
部150をX方向及びZ方向に移動制御することで、加
工対象物160に対して、所定の加工パターンが施され
る。
【0083】ところで、レーザ光Lが照射された加工対
象物160の照射位置(加工位置)から加工対象物の一
部(ダスト)が発生すると共に、その照射位置近傍の液
体から気泡が発生することとなる。
【0084】しかし、循環ポンプ190を作動させて、
吐出口191から排出口192へチャンバ170内の液
体を循環させることで、レーザ加工時に発生する当該加
工対象物160からの加工対象物の一部(ダスト)や気
泡を強制的に除去するようにしている。
【0085】また、透明境界板140が鉛直方向に平行
に設置され、しかも流れ発生装置200によって、透明
境界板140の出射面(加工対象物と対向する面)全体
に鉛直方向に液体が流れるようにしている。これによ
り、気泡は鉛直方向に移動するので、透明境界板140
の出射面に気泡やダストが付着し難くなり、よって透明
境界板140に付着する気泡の除去効果は一層効果的に
なる。
【0086】ところで、第2の実施形態では、XYZス
テージ180が保持部150をZ方向に移動制御するこ
とで、加工対象物160を液体と気体との間で移動させ
ることができる。これにより、加工対象物160に対す
る加工処理が終了したときに、次の新規な加工対象物と
交換する場合や、1つの加工対象物160に対して、液
体中での加工処理と気体中での加工処理とを実施するこ
とが可能となる。
【0087】また、第2の実施形態では、XYZステー
ジ180は、加工対象物160に対する加工処理のため
のX方向及びZ方向の移動制御に留め、加工対象物16
0の液体と気体間の移動は、チャンバ170を鉛直方向
に移動制御する図示しない移動制御手段によって実施す
ることもできる。なお、この移動制御手段として、チャ
ンバ170をZ方向(鉛直方向)に移動するステージを
用いれば良い。
【0088】この場合も、加工対象物160に対する加
工処理が終了したときに、次の新規な加工対象物と交換
する場合や、1つの加工対象物160に対して、液体中
での加工処理と気体中での加工処理とを実施することが
可能となる。
【0089】以上説明したように第2の実施形態によれ
ば、以下の作用効果を奏する。
【0090】(1)すなわち、加工対象物160及び透
明境界板140は鉛直に配置されているので、加工対象
物160及び透明境界板140への気泡、ダストの付着
を抑制することができ、透明境界板140への気泡付着
によるレーザ光Lの散乱や屈折が抑制され、液中加工に
よるデブリ(ゴミ)を抑制することができる。
【0091】(2)また、XYZステージ180による
保持部150に対するZ方向の移動制御、あるいは図示
しない移動制御手段によるチャンバ170に対する鉛直
方向の移動制御により、加工対象物160に対する加工
処理が終了したときに、次の新規な加工対象物との交換
が容易に実施できると共に、1つの加工対象物160に
対して、液体中での加工処理と気体中での加工処理とを
実施することが可能となる。
【0092】(3)さらに、図示しない移動制御手段に
よるチャンバ170に対する鉛直方向の移動制御によ
り、加工対象物160の液体と気体間の移動を実施する
ようにした場合は、精密機器であるXZステージ180
をロングストロークで移動する必要がない分、XZステ
ージ180の寿命を向上させることができる。
【0093】[第3の実施の形態]図5は、第3の実施
形態に係る液中レーザ加工装置3の断面構成図を示して
いる。
【0094】同図5に示す液中レーザ加工装置3は、図
4に示した第2の実施形態の構成において、保持部15
0及びXYZステージ180を削除し、台210及びX
YZステージ220を追加し、排出口192の配置位置
を変更した構成になっている。なお、同図において、図
4に示した構成要素と同一の機能を果たす部分には同一
の符号を付すものとする。
【0095】この第3の実施形態は、基本的には上記第
2の実施形態の作用と同様に作用する。しかし、加工対
象物160を移動させる点が異なっている。次に、その
異なっている点について説明する。
【0096】すなわち、加工対象物160を着脱自在に
保持する台210が載置されるXYZステージ220が
チャンバ170の側面に設置されている。XYZステー
ジ220は、加工対象物160が透明境界板140と対
向するように設置される。
【0097】XYZステージ220は、図示しない制御
手段(たとえばコンピュータなどのデータ処理手段)の
加工パターンに基づく制御に従って、台210を加工対
象物160の加工領域面におけるX方向(左右方向つま
り紙面に垂直の方向)及びZ方向(鉛直方向)に移動制
御する。
【0098】以上説明したように第3の実施形態によれ
ば、加工対象物160及び透明境界板140は鉛直に配
置されているので、加工対象物160及び透明境界板1
40への気泡、ダストの付着を抑制することができ、透
明境界板140への気泡の付着によるレーザ光Lの散乱
や屈折が抑制され、液中加工によるデブリ(ゴミ)を抑
制することができる。
【0099】なお、上述した各実施形態では、液体は水
であるとしたが、これに限定されることなく、例えばレ
ーザ光L及び加工対象物60、160と何らかの反応を
起こさないものであれば、その液体を使用可能である。
また、気体についても、空気であるとしたが、これに限
定されることなく、例えば、レーザ光Lと何らかの反応
を起こさないものであれば、その気体を使用可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る液中レーザ加工
装置の構成を示す断面構成図である。
【図2】第1の実施形態における透明境界板の傾斜につ
いて説明するための図である。
【図3】第1の実施形態で用いるレーザ光のビームがラ
インビームのときの透明境界板への水の流れ方向を説明
するための図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る液中レーザ加工
装置の構成を示す断面構成図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る液中レーザ加工
装置の構成を示す断面構成図である。
【符号の説明】
10、110 レーザ発振器 30、130 集光レンズ 40 境界手段 41、140 透明境界板 42 プリズム 50、210 台 60、160 加工対象物 70、170 チャンバ 80、180、220 XYZステージ 90、190 循環ポンプ 100、200 流れ発生装置 150 保持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 庭月野 義行 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内 (72)発明者 田畑 亜紀 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究所内 Fターム(参考) 4E068 CD08 CD09 CE11 CH08 CJ07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を発生するレーザ発生手段と、
    液体を収容するチャンバとを有し、前記チャンバに収容
    される液体中の所定の位置に配置される加工対象物に対
    して、前記レーザ発生手段によって発生されたレーザ光
    を照射することにより、当該加工対象物をレーザ加工す
    る液中レーザ加工装置において、 前記液体における光路に対応する領域の液体部分と気体
    とが分離されるように形成されていると共に、前記光路
    に対応する部位が入射面と出射面とが平行に形成され光
    の透過性を有する光学部材で形成されている境界手段を
    備え、 前記境界手段は、前記光学部材が前記加工対象物とは対
    向して配置されていると共に水平線に対し所定の角度を
    もって液体中に配置されていることを特徴とする液中レ
    ーザ加工装置。
  2. 【請求項2】 水平線に対し所定の角度をもって配置さ
    れている前記光学部材の入射面に密着して配置され、前
    記液体の屈折率の値と同一又は該値に近傍する屈折率を
    有するプリズムを更に備えたことを特徴とする請求項1
    記載の液中レーザ加工装置。
  3. 【請求項3】 水平線に対し所定の角度をもって配置さ
    れている前記光学部材の出射面近傍の液体に対して、当
    該出射面全体に亘って一様に流れを発生させる流れ発生
    手段を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2記載
    の液中レーザ加工装置。
  4. 【請求項4】 前記流れ発生手段は、 前記レーザ光のビームが、その断面の形状が長手方向の
    領域を有して形成されているビームであるときは、前記
    光学部材の出射面近傍の液体に対して、前記レーザ光の
    ビームの短辺方向に向かって、かつ当該出射面全体に亘
    って一様に流れを発生させることを特徴とする請求項3
    記載の液中レーザ加工装置。
  5. 【請求項5】 レーザ光を発生するレーザ発生手段を有
    し、該レーザ発生手段によって発生されるレーザ光を液
    体中の所定の位置に配置される加工対象物に対して照射
    することにより、当該加工対象物をレーザ加工する液中
    レーザ加工装置において、 液体を収容するチャンバと、 前記チャンバとは独立して設けられ、前記加工対象物を
    前記チャンバに収容される液体と気体との間を移動可能
    にかつレーザ加工可能に保持する保持手段とを具備し、 前記チャンバの側面における前記液体で満たされる所定
    の部位に開口部を形成すると共に、該開口部に入射面と
    出射面とが平行に形成され光の透過性を有する光学部材
    を鉛直にかつ密着するように設けると共に、 前記保持手段に保持されている加工対象物を、前記光学
    部材と対向させて鉛直に配置し、 さらに、前記加工対象物に対して、前記レーザ発生手段
    によって発生されるレーザ光を水平線と同一方向に照射
    することを特徴とする液中レーザ加工装置。
  6. 【請求項6】 前記チャンバを鉛直方向に移動させる移
    動手段を更に備えると共に、 前記保持手段による前記加工対象物に対する液体と気体
    との間の移動を禁止することを特徴とする請求項5記載
    の液中レーザ加工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008290119A (ja) * 2007-05-25 2008-12-04 Toyota Central R&D Labs Inc 液相レーザーアブレーション装置及びそれを用いた液相レーザーアブレーション方法
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