JPH07256479A - レーザ加工装置およびレーザ加工方法 - Google Patents

レーザ加工装置およびレーザ加工方法

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JPH07256479A
JPH07256479A JP6051483A JP5148394A JPH07256479A JP H07256479 A JPH07256479 A JP H07256479A JP 6051483 A JP6051483 A JP 6051483A JP 5148394 A JP5148394 A JP 5148394A JP H07256479 A JPH07256479 A JP H07256479A
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JP
Japan
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cooling liquid
liquid
laser light
laser beam
workpiece
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Application number
JP6051483A
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English (en)
Inventor
Sumitomo Inomata
純朋 猪俣
Masao Yokoi
政雄 横井
Shigeru Oyanagi
茂 大柳
Ichiro Hashimoto
市郎 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/12Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring in a special atmosphere, e.g. in an enclosure
    • B23K26/1224Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring in a special atmosphere, e.g. in an enclosure in vacuum

Abstract

(57)【要約】 【目的】レーザ光が乱反射するのを防止し、密封容器の
構造を廃止することができて、使用勝手が増すレーザ加
工装置およびレーザ加工方法を提供する。 【構成】上面を開放したタンク1に冷却用液4およびこ
の冷却用液中に浸漬された被加工物3を収容し、この被
加工物にレーザ光を照射するレーザ光照射ヘッド10
に、このレーザ光を透過し、上記冷却用液に接触してこ
の冷却用液と大気とを隔離する境界壁をなす境界透過板
16を設けたことを特徴とする。 【作用】レーザ光は境界透過板を通じて冷却用液中に入
射するから波動する液面を通過しなくてすみ、冷却用液
に入射する場合に乱反射を起こすことがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光を透過し被加
工物を冷却する作用を奏する液中に上記被加工物を浸漬
し、この被加工物にレーザ光を照射してこの被加工物を
加工するレーザ光による液中加工装置および加工方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】アルミナやフェライトまたはサファイア
等のセラミックス、もしくはシリコンウエハー、PZT
等の焼結体は、高硬度であるが非常に脆い性質があるた
め、孔開けや切断、スクライビング等の加工をする場合
は通常の工作機械を用いた機械加工が困難であり、レー
ザ加工を採用することが多い。
【0003】しかし、この種の脆性材料に大気中でレー
ザ光を照射すると、加工部分に変質層が形成されたり、
クラックが発生するなどの欠陥が生じることがある。こ
れを防止するために、例えば特開昭61−206558
7号公報には、被加工物をレーザ光を透過し被加工物を
冷却する作用を奏する液、例えば水などの液中に浸漬
し、この冷却用の液中の被加工物にレーザ光を照射する
方法が提案されている。このようなレーザ光液中加工に
よれば、加工位置が冷却用の液で冷却されるから加工部
分の温度上昇が抑制され、よって加工位置の変質やクラ
ックの発生が防止される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、被加工
物を冷却用の液中に浸漬してレーザ加工をする場合、液
面が変動するとこの液面から液中に入射しようとするレ
ーザ光が乱反射し、レーザ光の直進性が損なわれ、加工
位置に所定のパワーのレーザ光が届かなくなり、正確な
加工ができなくなるという問題がある。
【0005】上記公報に記載された技術は、密封容器に
被加工物を収容するとともに、この密封容器の底部に水
などの冷却用液を供給し、この冷却用液を密封容器の天
井部分から排出するように構成してあり、かつ液面が密
封容器の天井面に接するようにしてある。そして、この
密封容器の天井面にレーザ光を導くガラス窓を設置して
ある。したがって、この密封容器に冷却用液を満たすと
液面が導入ガラス窓に接し、すなわち液面と大気との境
界面が導入ガラス窓によって構成されるから液面が安定
化され、よって乱反射を防止することができると期待さ
れる。
【0006】しかしながら、このような従来構造の場
合、密封容器を用いるために、封止構造が複雑になり、
被加工物の挿入および取り出し構造も複雑になり、その
挿入および取り出し作業が煩雑になる心配がある。
【0007】また、従来の場合、加工領域が導入ガラス
窓の近傍に限られることから、複数箇所、または複数の
被加工物を加工する場合には不適当である。さらに、冷
却用液中の被加工物の側面や傾斜面を加工するために、
レーザ光を斜め方向に照射しようとすると、導入ガラス
窓を通過する際に屈折率が変化し、加工点の位置がずれ
る等の不具合が生じる。
【0008】したがって、本発明の目的は、レーザ光が
乱反射するのを防止し、しかも密封容器の構造を廃止す
ることができて、使用勝手が増すレーザ加工装置および
レーザ加工方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、レー
ザ光を透過し被加工物を冷却する作用を奏する液、およ
びこの冷却用液に浸漬された上記被加工物を収容し、上
面が開放されたタンクと、レーザ光照射ヘッドを有し、
このレーザ光照射ヘッドを通じて上記冷却用液中の被加
工物にレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、上記レ
ーザ光照射ヘッドに取り付けられてレーザ光を透過し、
上記冷却用液に接触してこの冷却用液と大気とを隔離す
る境界壁をなす境界透過板と、を具備したことを特徴と
する。
【0010】請求項2の発明は、上記タンクに、ポンプ
によりこのタンク内の冷却用液を導き出すとともにこの
冷却用液をタンクに戻す循環経路を設けたことを特徴と
する。
【0011】請求項3の発明は、上記循環経路は、タン
クから導き出された冷却用液をタンク内の被加工物の加
工位置またはその近傍に噴射することによりタンクに戻
す噴射ノズルを備えたことを特徴とする。
【0012】請求項4の発明は、レーザ光を透過し被加
工物を冷却する作用を奏する液、およびこの冷却用液に
浸漬された上記被加工物を収容し、上面が開放されたタ
ンクと、レーザ光照射ヘッドを有し、このレーザ光照射
ヘッドを通じて上記冷却用液中の被加工物にレーザ光を
照射するレーザ光照射手段と、上記レーザ光照射ヘッド
に取り付けられたホルダーと、このホルダーに設けられ
てレーザ光を透過し、このホルダー内を仕切ってこのホ
ルダー内に冷却用液が導入される液室を形成し、この液
室の冷却用液に接触してこの冷却用液と大気とを隔離す
る境界壁をなす境界透過板と、ポンプにより上記タンク
内の冷却用液を導き出すとともにこの冷却用液を上記液
室に供給する循環経路と、上記ホルダーに設けられ、上
記液室に導入された冷却用液および上記境界透過板を透
過したレーザ光をタンク内の被加工物に向けて出射する
噴射ノズルと、を備えたことを特徴とする。
【0013】請求項5の発明は、レーザ光を透過し被加
工物を冷却する作用を奏する冷却用液中に浸漬された被
加工物に、レーザ光照射手段よりレーザ光を照射するレ
ーザ加工方法において、上記レーザ光照射手段より照射
されるレーザ光を液面と大気中との境界面に設けられた
境界透過板を通じて被加工物に照射するとともに、この
レーザ光の照射中に冷却用液を上記被加工物の加工位置
に向けて吹き付けることを特徴とする。
【0014】
【作用】請求項1の発明によれば、レーザ光が冷却用液
に入射する液面は、例えば透明ガラス板などにより形成
された境界透過板の下面と同一面となり、この面は滑ら
かな平面となっているから、レーザ光は波動する液面を
通過しなくてすみ、レーザ光が冷却用液に入射する場合
に乱反射を起こすことがない。しかも、境界透過板をレ
ーザ光照射ヘッドに取り付けたから、タンクを密閉構造
にする必要がない。
【0015】請求項2の発明によれば、上記タンク内の
冷却用液は循環経路を経て循環されるから、冷却用液が
入れ替わり、冷却用液の温度上昇が抑制されるとともに
液中の場所による温度ばらつきが防止される。
【0016】請求項3の発明によれば、タンクから導き
出された冷却用液を噴射ノズルを介してタンク内の被加
工物の加工位置またはその近傍に噴射するから、加工位
置に発生した加工屑を液流で排除することができる。
【0017】請求項4の発明によれば、ホルダー内に境
界透過板を取り付けてこの境界透過板により液室を形成
し、この液室に導入した冷却用液が境界透過板に接する
ようにしたから、レーザ光は波動する液面を通過しなく
てすみ、乱反射が防止され、しかもレーザ光および液室
の冷却用液は噴射ノズルを通じて被加工物に照射および
噴射されるから、境界透過板および噴射ノズルが一体構
造になる。
【0018】請求項5の発明によれば、レーザ光照射手
段より照射されるレーザ光を液面と大気中との境界面に
設けられた境界透過板を通じて被加工物に照射するとと
もに、このレーザ光の照射中に冷却用液を上記被加工物
の加工位置に向けて吹き付けるから、レーザ光の乱反射
が防止されるとともに、加工位置に発生した加工屑を液
流により排除することができ、加工能力が向上する。
【0019】
【実施例】以下本発明について、図1ないし図3に示す
第1の実施例にもとづき説明する。図1はレーザ液中加
工装置の全体の構成を示すもので、図において1はタン
クである。このタンク1は上面が開放されており、内部
に保持台2が設けられている。この保持台2には被加工
物3が載置されるようになっている。このタンク1には
レーザ光をよく透過し、上記被加工物3を冷却する作用
を奏する冷却用液4、例えば水が満たされている。この
冷却用液4は後述するポンプ5により循環されるように
なっている。
【0020】上記タンク1の上方にはレーザ光照射ヘッ
ド10が設けられている。このレーザ光照射ヘッド10
には、図示しないレーザ発振器から照射されたレーザ光
11、例えばYAG:Ndレーザが導かれるようになっ
ており、このレーザ光11はレーザ光照射ヘッド10に
取り付けた集光レンズ12およびレーザ光照射ヘッド1
0の前面開口部13を通じて上記タンク1内の被加工物
3に集光されるようになっている。
【0021】上記レーザ光照射ヘッド10は、図示しな
いが、例えばNC装置または多関節ロボットなどに取り
付けられることにより、タンク1の上方位置で、これら
NC装置または多関節ロボットによって二次元方向また
は三次元方向に移動可能となっている。
【0022】上記レーザ光照射ヘッド10の前面開口部
13には、ホルダー15が取り付けられている。このホ
ルダー15には境界透過板16が取り付けられている。
上記ホルダー15は、図2にも示すように円筒形をなし
ており、その上部外面にねじ部17が形成されており、
このねじ部17が上記レーザ光照射ヘッド10の前面開
口部13にねじ込まれることにより、レーザ光照射ヘッ
ド10に固定されている。
【0023】ホルダー15内には上記境界透過板16が
固定されている。境界透過板16はレーザ光11を透過
する性能に優れたプレート、例えば透明なガラス板によ
り形成されており、ホルダー15に形成した段差部に乗
せられこのホルダー15に螺合した押えリング18によ
ってホルダー15に固定されている。この場合、上記透
明ガラス板16は上下の周縁がOリング19,19によ
り挟まれており、これにより透明ガラス板16はホルダ
ー15に対し気液密を保って取り付けられている。この
場合、レーザ光11が透明ガラス板16に直角に入射し
て屈折率が変化しないように、透明ガラス板16はホル
ダー15に取り付けられている。
【0024】このような透明ガラス板16は、上記ホル
ダ−15の内部を上下方向に気密に区画しており、この
透明ガラス板16の上側は大気に開放されているととも
に下側には液室20が形成されている。この液室20
は、ホルダー15の側壁に開口した導入孔21に導通さ
れており、この導入孔21は後述する循環ポンプ5に連
通されている。なお、導入孔21は液室20の上部に近
い位置、すなわち透明ガラス板16の下面に近い位置に
形成されていることが望ましい。
【0025】上記液室20は、ホルダー15の底壁に開
口した噴射ノズル22に通じている。この噴射ノズル2
2は、前記透明ガラス板16を透過したレーザ光11お
よび液室20に導入された冷却用液4が同時に出射され
るようになっている。この場合、噴射ノズル22の内径
を上記導入孔21の内径より小さくしておくことによっ
て、冷却用液4が液室20に充満されるようになってい
る。
【0026】また、液室20の下部隅部は曲面23に形
成されており、また噴射ノズル22は出口が細いテーパ
孔とされており、これにより液室20の冷却用液4は円
滑に流出されるようになっている。
【0027】上記タンク1に収容された冷却用液4は循
環ポンプ5によって循環される。すなわち、タンク1の
底部には循環ポンプ5の吸込管(チューブでも可)6が
連結されており、よってタンク1内の冷却用液4はこの
吸込管6を通じて循環ポンプ5に吸い込まれる。この冷
却用液4は循環ポンプ5で加圧されて、このポンプ5の
吐出側に連結されたフレキシブルチューブ7を通じて送
り出される。フレキシブルチューブ7はホルダー15の
側壁に開口した導入孔21に連結されており、したがっ
て循環ポンプ5で加圧された冷却用液4はフレキシブル
チューブ7を通じて液室20に供給されるようになって
いる。
【0028】このため、タンク1内の冷却用液4は循環
ポンプ5によってホルダー15の液室20に送られ、こ
の液室20から噴射ノズル22を通じてタンク2に戻さ
れる。よって、冷却用液4は、タンク1と液室20を結
んだ循環経路を巡回される。
【0029】この場合、液室20内では冷却用液4が充
満されるようになっており、この液室20の液面は透明
ガラス板16に接するようになっている。このため、透
明ガラス板16は大気と冷却用液4との境界面に位置
し、これら大気と冷却用液4を隔離する境界プレートと
なっており、実質的に透明ガラス板16の下面が液面に
なっている。したがって、液面は透明ガラス板16の下
面と同一面となり、液面の波動が防止されている。
【0030】また、噴射ノズル22を通じてタンク1に
吐出された冷却用液4は、タンク1内の被加工物3に対
し、その加工位置またはその近傍に向かって噴射される
ようになっている。
【0031】このような構成による第1の実施例のレー
ザ液中加工装置について、その作用を説明する。冷却用
液4を収容したタンク1内に被加工物3を浸漬し、この
被加工物3を保持台2の上に載置する。この状態で、N
C装置または多関節ロボットを作動させ、このNC装置
または多関節ロボットに取り付けられたレーザ光照射ヘ
ッド10を動かして、レーザ光11が被加工物3の加工
点に集光されるように位置調節をする。この場合、ホル
ダー15の噴射ノズル22の下端は、図1に示すよう
に、タンク1の冷却用液4の液中に浸漬されていること
が望ましい。
【0032】この状態で循環ポンプ5を運転させ、かつ
図示しないレーザ発振器を作動させる。レーザ発振器か
ら照射されたレーザ光、例えばNd:YAGレーザ光1
1は、レーザ光照射ヘッド10の集光レンズ12および
レーザ光照射ヘッド10の前面開口部13を通過してホ
ルダー15に達する。そして、このレーザ光11は、境
界透過板としての透明ガラス板16を透過し、液室20
内の冷却用液4中を通過し、噴射ノズル22を経てタン
ク1内の被加工物3に集光する。
【0033】この場合、被加工物3はタンク1内の冷却
用液4に浸漬されているから、いわゆる液中加工とな
り、被加工物3の加工位置が冷却されることになるから
加工面の加熱が抑止され、変質やクラックの発生が防止
される。そして、上記冷却用液4は、循環ポンプ5によ
って常に巡回されるので冷却用液4自身の温度上昇も防
止され、かつタンク1内の冷却用液が攪拌されるから、
場所により温度のばらつきが生じることがない。よっ
て、レーザ光の液中直進性が損なわれる心配がない。
【0034】ところで、一般にレーザ光を液面に当てる
と、液面の波動によりレーザ光が乱反射を起こし、所定
の加工位置に所定のパワーを集中できなくなる。これに
対し、本実施例では、ホルダー15に形成した液室20
に冷却用液4を供給し、この冷却用液4を透明ガラス板
16の下面に接触させるようし、かつ液室20の冷却用
液は噴射ノズル22を介してタンク1内の冷却用液4と
連らなっているから、液面は実質的に透明ガラス板16
の下面と同一面となる。この透明ガラス板16の下面は
滑らかな平面であるため、レーザ光が冷却用液に入射す
る場合に乱反射を起こすことが防止される。
【0035】よって、レーザ光11を被加工物3の所定
の加工位置に、しかも所定のパワーで集光させることが
でき、確実な液中のレーザ加工が可能になる。そして、
この時、ホルダー15の噴射ノズル22から流出する冷
却用液4は被加工物3の加工点またはその近傍に吹き付
けられるため、被加工物3の加工点で発生する加工屑が
上記吹き付けられた液流により加工点付近から排出され
るようになり、加工屑が加工部に付着するのが防止され
る。
【0036】このようなことから、レーザ光の液中照射
と、冷却用液の吹き付けとを同時に行えば、レーザ加工
の効率および能力がきわめて向上する。なお、液室20
内に気泡が残存したり、乱流が発生すると、透明ガラス
板16の下面の液面が乱れる心配がある。これを防止す
るため、導入孔21を液室20の上部に近い位置、すな
わち透明ガラス板16の下面に近い位置に形成し、冷却
用液の供給初期の段階で送液圧力を高めて流速を早く
し、この勢いで気泡を追い出す。また、液室20の下部
隅部に曲面23を形成し、かつ噴射ノズル22をテーパ
孔にすることにより液室20の冷却用液4が円滑に流出
されるようにして、乱流を防止している。
【0037】さらに、上記実施例の場合、上記タンク1
は上部が開放されているから、被加工物3の挿入や取り
出しが容易であり、格別な密封構造が不要であるからタ
ンク構造が簡単になる。
【0038】そして、NC装置または多関節ロボットに
よりレーザ光照射ヘッド10を動かすことができ、これ
により異なる位置の加工点を複数箇所に亘り連続して加
工したり、タンク1内に複数の被加工物3を収容して連
続加工を行うことも可能になる。
【0039】さらには、多関節ロボットによりレーザ光
照射ヘッド10を傾けて、レーザ光11を被加工物3の
側面や斜めの面に集光されることもできる。この場合、
レーザ光照射ヘッド10を傾けても、レーザ光11は透
明ガラス板16に直角に入射する状態が保たれるから、
レーザ光11の屈折率が変化する心配がなく、所定の加
工点に確実に達するようになる。
【0040】そして、NC装置や多関節ロボットにより
レーザ光照射ヘッド10を動かしても、ホルダー15と
循環ポンプ5はフレキシブルチューブ7で連結されてい
るからレーザ光照射ヘッド10の移動範囲を拘束する恐
れがない。そして、NC装置や多関節ロボットによりレ
ーザ光照射ヘッド10を動かすことにより、使い勝手が
増し、作業性が向上する。
【0041】次に、本発明の第2の実施例について、図
4にもとづき説明する。図4においては、レーザ光照射
ヘッド10の前面開口部13にホルダー15が取り付け
られており、このホルダー15の前面開口部に境界透過
板16が取り付けられている。この境界透過板16も、
透明なガラス板である。この透明ガラス板16は、直接
タンク1内の冷却用液4の中に浸漬されており、この透
明ガラス板16が冷却用液4と大気とを区画して境界面
を構成している。
【0042】そして、本実施例の場合、レーザ光照射ヘ
ッド10にステー30を延長してあり、このステー30
に噴射ノズル31を取り付けてある。噴射ノズル31は
フレキシブルチューブ7を介して循環ポンプ5に連結さ
れており、先端の噴射孔は、冷却用液4中の被加工物3
の加工点またはその近傍に向けて開口されている。
【0043】このような構成の場合も、NC装置または
多関節ロボットを作動させてレーザ光照射ヘッド10を
動かし、レーザ光11が被加工物3の加工点に集光され
るように位置調節をするとともに、透明ガラス板16が
タンク1の冷却用液4の液中に浸漬されるように位置調
整する。
【0044】この状態で循環ポンプ5を運転させ、かつ
図示しないレーザ発振器を作動させる。レーザ発振器か
ら照射されたレーザ光11は、レーザ光照射ヘッド10
の集光レンズ12および透明ガラス板16を透過し、タ
ンク1内の冷却用液4中を通過して被加工物3に集光す
る。よって、液中加工がなされる。
【0045】この場合、レーザ光11が冷却用液に入射
する液面は、実質的に透明ガラス板16の下面と同一面
となり、この面は滑らかな平面に保たれるから、レーザ
光11は波動する液面を通過しなくてすみ、レーザ光が
冷却用液に入射する場合に乱反射を起こす心配がない。
【0046】また、これと同時に、循環ポンプ5から送
り出される冷却用液4は、噴射ノズル31より、被加工
物3の加工点またはその近傍に噴射されるからこの噴流
により加工屑が排除される。
【0047】上記した図4の第2の実施例の場合は、図
1に示す構成に比べて、透明ガラス板により区画された
液室20を備えない点で簡単が構造である。なお、冷却
用液としては水に限らず、例えば水酸化カリウム(KO
H)などのようなレーザ光の透過性に優れ、しかもエッ
チング作用を有する液を使用するようにすれば、セラミ
ックスのレーザ加工と金属の加工を同時または連続して
行うこともできる。
【0048】また、発火性の低い油、例えば放電加工液
やシリコンオイルなどを冷却用液として使用すれば、酸
化を発生させることなく金属材料であってもレーザ加工
することができる。
【0049】さらに、レーザ光の種類は、Nd:YAG
レーザ光に制約されるものではなく、冷却用の液に吸収
されることのない各種レーザ光、例えば固体レーザなど
であっても同様に実施可能である。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、液
面の波動による影響を受けることなくレーザ光を冷却用
の液中に導くことができ、したがってレーザ光の乱反射
が防止され、レーザ光を確実に冷却用液中の被加工物に
集光させることができる。このため、加工能力が向上す
る。しかも、境界透過板はレーザ光照射ヘッドに取り付
けられているから、タンクを密閉構造にする必要がな
く、構造が簡単であり、被加工物の出し入れを容易に行
え、複数点または複数の被加工物を連続して加工するな
どの応用も可能になるため、使い勝手が増す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すレーザ液中加工装
置の全体の構成を示す図。
【図2】同実施例のホルダ−を示し、(A)図は断面
図、(B)図は側面図、(C)図は下面図。
【図3】同実施例の異なる使用状態を示す全体の図。
【図4】本発明の第2の実施例を示すレーザ液中加工装
置の全体の構成を示す図。
【符号の説明】
1…タンク 2…保持台 3…被加工物 4…冷却用の液 5…循環ポンプ 6…吸込管 7…フレキシブルチューブ 10…レーザ光照射ヘッド 11…レーザ光 12…集光レンズ 15…ホルダー 16…透明ガラ
ス板(境界透過板) 20…液室 21…導入孔 22…噴射ノズル 31…噴射ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 市郎 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を透過し被加工物を冷却する作
    用を奏する液、およびこの冷却用液に浸漬された上記被
    加工物を収容し、上面が開放されたタンクと、 レーザ
    光照射ヘッドを有し、このレーザ光照射ヘッドを通じて
    上記冷却用液中の被加工物にレーザ光を照射するレーザ
    光照射手段と、 上記レーザ光照射ヘッドに取り付けられてレーザ光を透
    過し、上記冷却用液に接触してこの冷却用液と大気とを
    隔離する境界壁をなす境界透過板と、を具備したことを
    特徴とするレーザ加工装置。
  2. 【請求項2】 上記タンクに、ポンプによりこのタンク
    内の冷却用液を導き出すとともにこの冷却用液をタンク
    に戻す循環経路を設けたことを特徴とする請求項1に記
    載のレーザ加工装置。
  3. 【請求項3】 上記循環経路は、タンクから導き出され
    た冷却用液をタンク内の被加工物の加工位置またはその
    近傍に噴射することによりタンクに戻す噴射ノズルを備
    えたことを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工装
    置。
  4. 【請求項4】 レーザ光を透過し被加工物を冷却する作
    用を奏する液、およびこの冷却用液に浸漬された上記被
    加工物を収容し、上面が開放されたタンクと、 レーザ光照射ヘッドを有し、このレーザ光照射ヘッドを
    通じて上記冷却用液中の被加工物にレーザ光を照射する
    レーザ光照射手段と、 上記レーザ光照射ヘッドに取り付けられたホルダーと、 このホルダーに設けられてレーザ光を透過し、このホル
    ダー内を仕切ってこのホルダー内に冷却用液が導入され
    る液室を形成し、この液室の冷却用液に接触してこの冷
    却用液と大気とを隔離する境界壁をなす境界透過板と、 ポンプにより上記タンク内の冷却用液を導き出すととも
    にこの冷却用液を上記液室に供給する循環経路と、 上記ホルダーに設けられ、上記液室に導入された冷却用
    液および上記境界透過板を透過したレーザ光をタンク内
    の被加工物に向けて出射する噴射ノズルと、を備えたこ
    とを特徴とするレーザ加工装置。
  5. 【請求項5】 レーザ光を透過し被加工物を冷却する作
    用を奏する冷却用液中に浸漬した被加工物に、レーザ光
    照射手段よりレーザ光を照射するレーザ加工方法におい
    て、 上記レーザ光照射手段より照射されるレーザ光を液面と
    大気中との境界面に設けられた境界透過板を通じて被加
    工物に照射するとともに、このレーザ光の照射中に冷却
    用液を上記被加工物の加工位置に向けて吹き付けること
    を特徴とするレーザ加工方法。
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