JP2005034889A - 加工装置 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 加工装置1は、水Wを供給する高圧ポンプ5と、レーザ光Lを発振するレーザ発振器4と、その内部が先端の縮径する円錐面14Aに加工されたノズル14とを備え、該ノズルの内面には透明な円錐状部材15を設け、該円錐状部材の外周円錐面15Aにレーザ光を反射させるコーティング層15Cを形成するとともに、その中央には高圧ポンプからの液体を流通させる液体通路15Bが穿設されている。
上記液体通路に液体供給手段からの液体を流入させて被加工物へと液体を噴射するとともに、円錐状部材の後端よりレーザ発振器からのレーザ光を入射させてコーティング層に反射収束させることで、該レーザ光は噴射された液体に導光されて被加工物に照射される。
【効果】 噴射される液体の径を細くして照射されるレーザ光を細くすることができるので、従来よりも高精度の加工が可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は加工装置に関し、詳しくはノズルから噴射される液体にレーザ光を導光し、被加工物に向けて照射させる加工装置に関する。
従来、液体供給手段からの液体とレーザ発振器からのレーザ光とをノズルに供給し、該ノズルから噴射される液体にレーザ光を導光し、被加工物に向けて照射させるようにした加工装置が知られている。(特許文献1)
また、上記ノズルにおける液体の噴射される開口部の径を小さくするとともに、ノズルの内面にレーザ光を反射させるコーティング層を形成した加工装置も知られ(特許文献2)、この加工装置ではレーザ光をノズル内で反射させることでノズルより噴射される液体にレーザ光を導光しており、この特許文献2の構成によればレーザ発振器より発振されたレーザ光の径をノズルより噴射される液体の径にまで収束させることができ、より高精度な加工が行えるようになっている。
特公平2−1621号公報 特開2001−321977号公報
しかしながら、上記特許文献2におけるノズルの場合、開口部の径をあまりにも細くしてしまうと、噴射口がコーティング層によってふさがれてしまうため、上記開口部の径を所定の径以下に設定することができず、上記構成ではより高精度な加工を行うことができなかった。
以上の問題に鑑み、本発明の加工装置はノズルより噴射する液体の径を従来よりも細くすることで、より高精度な加工が可能な加工装置を提供するものである。
すなわち、本発明における加工装置は、液体供給手段からの液体とレーザ発振器からのレーザ光とをノズルに供給し、該ノズルから噴射される液体にレーザ光を導光し、被加工物に向けて照射させるようにした加工装置において、
上記ノズルにレーザ光を透過させる光透過材料からなる円錐状部材を設け、該円錐状部材の外周円錐面に円錐状部材内を透過するレーザ光を反射させるコーティング層を形成するとともに、該円錐状部材にこれを貫通する液体通路を穿設し、上記液体を液体通路から被加工物へ噴射させるとともに、レーザ光をコーティング層の内面で反射収束させて、液体通路から噴射される液体に当該レーザ光を導光させることを特徴としている。
上記発明によれば、円錐状部材の外周円錐面にコーティングを施せばよいので、当該液体通路の径を従来よりも細くしても、コーティング層によって液体通路がふさがれることはなく、液体を噴射させることが可能である。
このように噴射する液体の径を従来に比べて細くすることができるので、この噴射された液体に反射収束されるレーザ光の径も細くすることができ、従来に比べて高精度な加工を行うことができる。
以下図示実施例について説明すると、図1には本発明にかかる加工装置1を示し、薄板状の被加工物2を支持して水平面内のX方向に移動させる従来公知の加工テーブル3と、レーザ光Lを発振するレーザ発振器4と、液体としての水Wを供給する液体供給手段としての高圧ポンプ5と、上記加工テーブル3の上方側に配置されて、上記X方向と直交するY方向に移動して被加工物2に水Wを噴射するとともにレーザ光Lを照射する加工ヘッド6とを備えている。
そしてこの加工装置1は上記加工テーブル3と加工ヘッド6とをXY方向に相対移動させながら、加工ヘッド6は高圧ポンプ5より供給された水Wを被加工物2に噴射するとともに、レーザ発振器4より照射されたレーザ光Lを水Wに導光して被加工物2にレーザ光Lを照射することで、被加工物2の加工を行うようになっている。
本実施例における加工装置1では、被加工物2として板厚の薄い半導体ウエハを加工し、この他にもエポキシ樹脂板や樹脂と金属からなる複合材料などを加工することができる。
また上記レーザ発振器4はYAGレーザであり、加工に応じてCW発振又はパルス発振が可能であり、またその出力やパルスの発振周期を適宜調整できるようになっている。
なお、レーザ発振器4としてこの他にも半導体レーザやCOレーザ等を用いることができるが、COレーザのように照射されるレーザ光が水に吸収されやすい波長である場合には、加工ヘッド6より噴射される液体を水からレーザ光が吸収されないような液体にすればよい。すなわち、照射されるレーザ光と液体の性質によって使用するレーザ発振器と噴射される液体の組み合わせを任意に変化させることができる。
つぎに、上記加工ヘッド6は図示しない移動手段によってY方向に移動可能であり、移動手段に固定されたハウジング11と、レーザ光Lを集光する集光レンズ12を保持するとともに水Wの供給されるレンズホルダ13と、その下端から水Wを噴射するとともにレーザ光Lを照射するノズル14とによって構成されている。
ハウジング11には集光レンズ12と同径の開口部11Aが穿設され、加工ヘッド6組立の際には集光レンズ12を開口部11Aの上部より挿入し、その後当該開口部11A内に円筒状のレンズ押さえ16を螺着させて上記レンズホルダ13との間で挟持するようになっている。
そしてレンズホルダ13の上面には集光レンズ12と嵌合する切欠き13Aが設けられ、さらに集光レンズ12の底面と当接する部分にはシール部材17が設けられている。そしてこの切欠き13Aと上記レンズ押さえ16とによって集光レンズ12を挟持することで、集光レンズ12とレンズホルダ13との間の気密及び液密が保持されるようになっている。
またレンズホルダ13における切欠き13Aの下方には、その外周面から内周面まで貫通する液通路13Bを形成してあり、この液通路13Bの外方側の端部と上記高圧ポンプ5とを接続することで、レンズホルダ13内に水Wが供給されるようになっている。
ノズル14は上記レンズホルダ13にシール部材18を介して気密及び液密が保持された状態で固定され、その内面の形状は下端部(先端部)側が縮径される円錐面14Aとなっている。
そしてノズル14の下端部にはレーザ光Lの光軸に合わせて開口部14Bが形成されており、本実施例において当該開口部14Bの径は100μmに設定されている。
さらに、上記レンズホルダ13における集光レンズ12より下方の空間と、ノズル14の円錐面14Aとによって形成される空間によって、上記液通路13Bより供給される水Wを一時的に貯留するとともに、上記レーザ発振器4より照射されるレーザ光Lの通過するチャンバ19が形成されている。
そして本実施例におけるノズル14には光透過材料としての石英で作成された円錐状部材15が設けられている。この光透過材料としてはその他にもガラスやサファイヤなどが考えられるが、加工ヘッド6より噴射される液体同様、使用されるレーザ発振器の種類によって、照射されるレーザ光が吸収されないような光透過材料を選択するのが好ましい。
この円錐状部材15はノズル14の内面における先端部に設けられるとともに、円錐状部材15の外周円錐面15Aは上記ノズル14の円錐面14Aに当接するよう、ノズル14の円錐面14Aと同形状に作成されている。また円錐状部材15の下端部(先端部)は上記ノズル14の開口部14Bの位置と同一面となるように加工されている。
さらに円錐状部材15にはその上面から下面にかけて貫通する円筒状の液体通路15Bが形成されており、この液体通路15Bの中心も上記ノズル14の開口部14Bと同様、レーザ光Lの光軸に合わせて加工され、本実施例においてその径は上記開口部14Bよりも小径の50μmに設定されている。
そして、上記外周円錐面15Aにはレーザ光Lを反射する金からなるコーティング層15Cが形成されており、このコーティング層15Cが形成された状態で、円錐状部材15とノズル14とが紫外線硬化接着剤等により接着されている。
なお、上記コーティング層15Cは金に限らず誘電体多層膜などのレーザ光Lを反射するものであれば良く、蒸着やスパッタリングなどの方法によってコーティングされたものである。
以上のような構成による加工装置1の動作について説明すると、被加工物2を加工テーブル3にセットした状態から加工装置1を作動させると、高圧ポンプ5によって圧力を高められた水Wが液通路13Bを介してレンズホルダ13及びノズル14内に形成されたチャンバ19内に供給される。
そしてチャンバ19内に水Wが充満されると、円錐状部材15の液体通路15Bを介して水Wが被加工物2に噴射される。なお、本実施例においては、上記高圧ポンプ5によってノズル14のチャンバ19内に供給される水圧は、被加工物2の材質や板厚に応じて調節できるようになっている。
この円錐状部材15の液体通路15Bから水Wが噴射されている状態において、制御装置によってレーザ発振器4が作動され、レーザ発振器4から照射されたレーザ光Lは、集光レンズ12によって集光された後、円錐状部材15の上面より円錐状部材15に入射する。
円錐状部材15に入射したレーザ光Lは円錐状部材15の外周円錐面15Aに施されたコーティング層15Cで反射することで収束し、その後液体通路15Bより噴射された水Wの空気との境界面で反射を繰り返しながら被加工物2に照射されるようになっている。
このとき、上述したように加工ヘッド6と加工テーブル3とはXY方向に相対移動しているので、被加工物2はレーザ光Lによって所要の形状に切断され、さらに液体通路15Bより噴射された水Wによって、被加工物2における加工位置とその周辺の冷却と、切断によって生じる加工くずの除去が行われる。
なお、本実施例においては、液体として水Wを用いているが、これに限定されるものではなく、レーザ光Lの吸収率が低い液体であれば、上記水Wの代わりの液体として使用することができる。
以上のように、ノズル14の内面に円錐状部材15を設けてその外周円錐面15Aにコーティング層15Cを施すことにより、以下のような効果が得られる。
まず特許文献2のような従来の加工装置では、直接ノズル14の内面にコーティング層15Cを施してレーザ発振器4からのレーザ光Lをノズル14の内面で反射させ、これをノズル14先端の開口部14Bより噴射される水Wに導光することで、照射されるレーザ光Lの径を収束させるようになっていた。
しかしながら本実施例のように噴射される水Wの径を本実施例のような50μmに設定すると、コーティングを行う際にノズル14の噴射口がコーティング層によってふさがれてしまい、この噴射口をコーティングすることができなかった。
そこで、本実施例では外周円錐面15Aにコーティング層15Cの形成された円錐状部材15をノズル14の内部に取り付けたものであり、このため水Wの流通する液体通路15Bの径を細くしてもコーティング層によって当該液体通路15Bがふさがれてしまうことはない。
以上のことから、本実施例の加工装置1では液体通路15Bから噴射される水Wの径を所要の細い径にすることができ、しかも上記コーティング層15Cによってレーザ光Lを反射させることで噴射される水Wにレーザ光Lを収束させ、径の細いレーザ光Lを被加工物2に照射して高精度な加工を行うことができる。
そして上記実施例では開口部14Bの径を100μmとする事で円錐状部材15の先端部の径を100μmとし、液体通路15Bの径を50μmとしていたが、このように円錐状部材15の先端部の径と、液体通路15Bの径との差をなるべく小さくすることが望ましい。
それは、液体通路15Bの開口端から円錐状部材15の先端部の外周端までの距離が広いと、コーティング層15Cに反射したレーザ光Lが当該液体通路15Bと開口部14Bの間より外部に飛び出してしまい、噴射される水Wにレーザ光Lが収束しなくなるおそれがあるからである。
次に、図2は第2実施例としての加工装置1を示し、上記実施例における加工装置1の加工ヘッド6に対し、ノズル14及び円錐状部材15の形状を異ならせた加工装置1となっている。そして以下に述べる点を除いては、全て上記第1の実施例における加工装置1と同一の構成を有している。
最初に、本実施例の円錐状部材15では、外周円錐面15Aの断面形状をその中央部が外方に向かって膨出する曲率を有した断面形状とし、これに伴いノズル14の円錐面14Aも同形状に加工されている。
また円錐状部材15の先端部をノズル14の開口部よりも下方に突出させており、この突出した部分における外周円錐面15Aにもコーティング層15Cが形成されている。
さらに、液体通路15Bはその上端から下端に向けて縮径するテーパ形状を有している。
このような構成であっても、レーザ発振器4より照射されたレーザ光Lをコーティング層15Cに反射させ、液体通路15Bより噴射される水Wに導光することで、被加工物2の加工を行うことができる
また本実施例におけるノズル14の場合には、円錐状部材15の先端部がノズル14の開口部14Bより突出しているので、開口部14Bの径を上記第1の実施例における開口部14Bの径よりも大きくすることができる。
このようにすることで、後述するようにノズル14の円錐面14Aにもコーティング層を形成するような場合に、当該開口部14Bがコーティング層によってふさがれてしまうのが防止される。
なお、上述したようにレーザ発振器4より照射されたレーザ光Lをコーティング層15Cに反射させ、液体通路15Bより噴射される水Wに導光することができる形状であれば、円錐状部材15の形状を適宜変更することも可能である。
例えば、外周円錐面15Aの断面形状を中央部が内方に向けて膨出する曲率を有した断面形状としたり、円錐状部材15の上方を円柱形状とし、その下方を円錐形状とするような断面形状としても良い。
また液体通路15Bについても、上記実施例のように直線的に上端部から下端部に貫通させなくとも良く、液体通路15B内上方の径が拡径された段差を形成したり、その断面に曲率を設けてもよい。
さらに、上記実施例ではレーザ光Lを集光レンズ12によって集光しているが、レーザ発振器4より発振されるレーザ光Lの径が細い場合には、集光レンズ12によってレーザ光Lを集光せずとも良く、この場合単なるガラス板をレンズホルダ13に設けて、当該ガラス板内にレーザ光Lを透過させるようにしてもよい。
また、上記実施例ではレーザ光Lは最初から円錐状部材15の外周円錐面15Aに反射させているが、上記ノズル14の円錐面14Aにもレーザ光Lを反射するコーティング層を形成し、レーザ光Lを当該円錐面14Aに反射させてから円錐状部材15の外周円錐面15Aに反射させるようにしても良い。
一方、上記実施例のようにレーザ光Lを直接円錐状部材15のコーティング層15Cに反射させるような場合には、ノズル14の面を円錐状に加工する必要はなく、液体通路15Bに水Wを供給するための上記チャンバ19が形成されるような構造となっていれば良い。
本実施例に係る加工装置についての断面図。 第2の実施例に係る加工ヘッドの先端部についての断面図。
符号の説明
1 加工装置 2 被加工物
4 レーザ発振器 5 高圧ポンプ
6 加工ヘッド 14 ノズル
15 円錐状部材 15A 外周円錐面
15B 液体通路 15C コーティング層

Claims (2)

  1. 液体供給手段からの液体とレーザ発振器からのレーザ光とをノズルに供給し、該ノズルから噴射される液体にレーザ光を導光し、被加工物に向けて照射させるようにした加工装置において、
    上記ノズルにレーザ光を透過させる光透過材料からなる円錐状部材を設け、該円錐状部材の外周円錐面に円錐状部材内を透過するレーザ光を反射させるコーティング層を形成するとともに、該円錐状部材にこれを貫通する液体通路を穿設し、上記液体を液体通路から被加工物へ噴射させるとともに、レーザ光をコーティング層の内面で反射収束させて、液体通路から噴射される液体に当該レーザ光を導光させることを特徴とする加工装置。
  2. 上記ノズルの内面を先端の縮径された円錐形状としてその先端部に開口部を形成し、さらに上記円錐状部材の外周円錐面を当該ノズルの内部の先端側に当接させ、上記液体通路の径を上記開口部の径よりも小さくすることを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
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