JP3932930B2 - レーザ加工装置およびレーザ加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光によるアブレーションを利用したレーザ加工方法およびレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エキシマレーザ(exicited dimer laser)は、化学結合を切断できる高いフォトンエネルギを有し、アブレーション(abrasion)と呼ばれる光化学反応により、熱的な影響を抑えつつ加工対象物を除去することができる。
このようなアブレーションによるレーザ加工が注目を集めている。エネルギ密度を調整したエキシマレーザ光を照射することにより、プラスチック、金属、セラミックス等、種々の物質をアブレーション加工することができる。
【0003】
アブレーション加工においては、レーザ照射を受けた加工対象物からデブリ(debris)と呼ばれる飛散物が加工領域周辺に付着する。デブリが発生すると、所望の加工精度が得られないこともある。
このデブリの低減方法として、デブリの発生そのものを抑制する方法や、デブリの堆積を少なくする方法や、デブリの堆積後に当該デブリを除去する方法などが知られている。
デブリの発生量を低減するためには、加工対象物へのレーザ光の照射とともにアシストガスを吹き付けることが有効であることが知られている。
また、デブリの発生そのものを抑制する方法としては、所定の雰囲気ガスによって分解、あるいは再付着防止する方法が知られている。また、真空度10-2[Torr] 程度の減圧下で加工することにより、堆積による付着量を大幅に減少できることが知られている。
デブリの堆積後に当該デブリを除去する方法としては、レーザ加工時よりも低いエネルギー密度でエキシマレーザビームを照射し、発生したデブリを除去する方法が知られている。デブリが除去しやすいものである場合にはこの方法は有効である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した方法では、デブリの除去が十分でない場合もある。レーザ加工時に発生するデブリの被加工面への付着を防止する他の技術が、たとえば、特開平9−141480号に開示されている。この刊行物に開示された技術は、アブレーション加工すべき加工対象物の表面に水等の液体を接触させ、この液体を通じてレーザ光を加工対象物の表面に照射することにより、発生したデブリを液体中に浮遊させ、加工終了後に液体とともにデブリを洗い流し、加工対象物の表面にデブリが付着するのを防止する。
しかしながら、上記の方法では、加工対象物の表面に接触した液体中に浮遊するデブリが加工対象物の表面に再付着する可能性があり、加工対象物の表面へのデブリの付着を完全には防止することができない。
【0005】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、レーザ光の照射によりアブレーション加工する際に生じる加工飛散物が加工対象物の表面に付着するのを防止することができるレーザ加工方法およびレーザ加工装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のレーザ加工装置は、レーザ光源と、前記レーザ光源から出射されるレーザ光を加工対象物の被加工面に所定パターンで光学的に投影する光学系とを有し、前記被加工面をアブレーション加工するレーザ加工装置であって、前記加工対象物を収容する加工容器であって、前記レーザ光が入射する開口が上端側に形成され、一側面に前記レーザ光が透過する液体の流入口が形成され、前記加工対象物が配設される位置を挟んで前記一側面に対向する他側面に前記液体の流出口が形成された加工容器と、前記被加工面からの高さが一定の閉空間を前記加工容器との間に形成するように前記開口に設けられ、前記レーザ光が透過するカバー部材と、前記加工容器を収容するチャンバと、前記チャンバの前記一側面が対向する位置に接続され、前記チャンバ内に前記液体を供給可能な供給管と、前記チャンバの前記他側面が対向する位置に接続され、前記チャンバ内から前記液体を排出可能な排出管と、前記被加工面へ前記レーザ光の照射を行うとき、前記供給管から前記チャンバ内に前記液体を供給することにより、前記流入口から前記加工容器に前記液体を導入し、前記被加工面を通して前記流出口へ前記液体を移動させることが可能な液体供給手段と、前記チャンバ内の前記液体が排出された状態で前記被加工面へ前記レーザ光の照射を行うとき、前記チャンバ内を減圧雰囲気下にすることが可能な減圧手段とを有する。
【0007】
本発明のレーザ加工方法は、レーザ光を加工対象物の被加工面に所定パターンで光学的に投影し、前記被加工面をアブレーションにより加工するレーザ加工方法であって、前記レーザ光が透過する液体の流入口及び流出口を有する加工容器に前記加工対象物を収容し、前記レーザ光が透過するカバー部材を前記被加工面との隙間が一定になるように配置し、前記加工容器及び前記カバー部材を、内部を減圧雰囲気下にすることが可能なチャンバに収容し、前記チャンバに前記液体を供給することにより、前記液体が前記隙間に充満し、且つ、前記液体が前記カバー部材上を流れない状態で、前記液体を前記被加工面上で前記流入口から前記流出口へ移動させながら前記被加工面への前記レーザ光の照射を行う。
【0008】
本発明では、加工対象物の被加工面に液体を供給し、この液体を被加工面上で流入口から流出口へ移動させながらレーザ光を被加工面に照射する。レーザ光はこの液体を透過して被加工面の加工を行う。被加工面がレーザ光によりアブレーション加工されると、加工飛散物が発生する。このとき、被加工面上には液体が移動しているため、加工飛散物は液体とともに運搬される。加工飛散物を含む液体が被加工面を完全に通過すると、加工飛散物が被加工面に付着することがなくなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
第1実施形態
図1は、本発明が適用されるレーザ加工装置の概略構成の一例を示す図である。
図1に示すレーザ加工装置20は、レーザ光源1と、複数のミラー2,3,4と、ビーム整形器5と、マスク6と、縮小投影レンズ7と、ステージ8とを有する。
【0010】
レーザ光源1は、レーザビームLBを出力する。このレーザ光源1から出力されるレーザビームLBによって加工対象物50の被加工面50fがアブレーション加工される。
レーザ光源1には、たとえば、エキシマレーザを用いる。エキシマレーザには、レーザ媒質の異なる複数の種類が存在する。レーザ媒質としては、波長の長いほうからXeF(351nm)、XeCl(308nm)、KrF(248nm)、ArF(193nm)、F2 (157nm)が存在する。
エキシマレーザは、熱エネルギーを利用した加工を行うYAGレーザ(1.06μm)、CO2 レーザ(10.6μm)と大きく異なる点は、発振波長が紫外線の領域にあることである。エキシマレーザは、本質的にパルスでのみ発振し、パルス幅は約20nsでありレーザビームの形は長方形である。
また、エキシマレーザは、アブレーションと呼ばれる、光化学的に直接結合を解離する熱的な影響を受けにくい加工を行うため、被加工面のエッジの仕上がりが非常にシャープとなる。これに対して、YAGレーザ、CO2 レーザでは加工部分が溶融後蒸発するため、熱の影響で周辺部が丸くなりきれいな端面とならない。
さらに、エキシマレーザは、初期のビームの断面が約10×10mmの寸法を有し、このレーザビームを後述するビーム整形器により長面積化、大面積化することにより比較的広い面積を一括して加工できる。したがって、大面積の領域を同時に加工するのにエキシマレーザは適している。
【0011】
ビーム整形器5は、ミラー2および3によって反射されたレーザ光源1からのレーザビームLBを拡大整形し、ミラー4に向けて出力する。
【0012】
マスク6は、ビーム整形器5で整形されミラー4で反射されたレーザビームLBを通過させる所定パターンを有している。このマスク6は、たとえば、金属材料で形成されたマスク、透明なガラス材料や透明な樹脂で形成されたマスク、誘電体材料で形成されたマスク等が用いられる。
【0013】
縮小投影レンズ7は、マスク6のパターンを通過したレーザビームLBを所定倍率で縮小してステージ8上の加工対象物50の被加工面50fに投影する。
【0014】
ステージ8は、縮小投影レンズ7から投影されるレーザビームLBが加工対象物50の被加工面50fに合焦するように縮小投影レンズ7に対して配置されている。このステージ8は、レーザビームLBが加工対象物50の被加工面50f上を走査可能なように、レーザビームLBの光軸に垂直な平面に沿って移動位置決めが可能となっている。
【0015】
上記構成のレーザ加工装置20では、レーザ光源1にエキシマレーザを用いることにより、加工対象物50の被加工面50fに所定パターンのレーザビームLBが照射され、被加工面50fがアブレーション加工される。
被加工面50fは、アブレーション加工により、光化学的に直接結合を解離された被加工面50fを形成する材料の飛散物であるデブリが発生する。このデブリが被加工面50fに付着すると、加工精度等に影響を及ぼすことがあり、付着を防ぐ必要がある。
以下に、このデブリの付着を防止する付着防止機構の構成について説明する。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態に係る付着防止機構の構造を示す断面図である。 本実施形態に係る付着防止機構60は、上記した加工対象物50の被加工面50fへのレーザビームLBの照射中に、レーザビームLBが透過する液体を被加工面50fに供給し、当該液体を被加工面50f上で所定方向に移動させることにより、アブレーション加工により発生するデブリを洗い流す。
【0017】
図2に示すように、付着防止機構30は、保持機構60と、液体供給源70とを有している。
保持機構60は、ステージ8上に設置され加工対象物50を保持している。この保持機構60は、加工容器61と、カバー部材62とを有している。
【0018】
加工容器61は、上記したステージ8上に設置されている。この加工容器61は、上端側が開口し、底部に加工対象物50が設置される。
【0019】
カバー部材62は、加工容器61の開口側の内周に設置されており、加工容器61の開口端に固定された固定部材63により加工容器61に固定されている。固定部材63には、レーザビームLBを加工容器61内に導き入れるための開口63aが形成されている。
カバー部材62は、加工容器61の開口側から入射されるレーザビームLBが透過する材料で形成されている。具体的には、たとえば、レーザ光源に波長が248nmのKrFエキシマレーザを用いた場合には、KrFエキシマレーザに対して透過率の高い合成石英ガラスやフッ化カルシウム等で形成されたものを使用する。
また、カバー部材62は、加工容器61の底部に設置された加工対象物50の被加工面50fから所定の高さ、たとえば、1mm程度の位置に配置されている。すなわち、加工対象物50の被加工面50fとカバー部材62との間には、所定の隙間Gpが形成されている。この隙間Gpを液体90が通過する。
【0020】
カバー部材62が加工容器61の内周に設置されることにより、カバー部材62が加工容器61との間に閉空間Spが形成されている。この閉空間Spに液体90が供給され、閉空間Spは当該液体が充填される。
【0021】
加工容器61には、液体90が供給される供給口64と、当該加工容器61の閉空間Spに供給された液体90を外部に排出する排出口65とが形成されている。
供給口64には、供給管66が接続されており、この供給管66はバルブ67を介して液体供給源70に接続されている。バルブ67は、供給管66の管路の開閉および液体供給源70から供給される液体90の流量調整を行う。
排出口65には、排出管68が接続されており、この排出管68にはバルブ69が接続されている。バルブ69は、排出管68の管路の開閉および加工容器61から排出される液体90の流量調整を行う。
【0022】
液体供給源70は、液体90を所定の圧力、流量に調整して加工容器61に供給する。液体供給源70が供給する液体90は、レーザビームLBが透過する液体であり、たとえば、水が使用される。また、加工対象物50を水に浸漬できない場合等には、レーザビームLBが透過する他の液体が使用される。
【0023】
図3は、上記の加工容器61を水平面に沿って切断した断面図であって、上記の供給口64と排出口65の配置を示している。
図3に示すように、加工容器61は外形が矩形状であり、供給口64および排出口65は、加工容器61の一方の対角の近傍にそれぞれ配置されている。
供給口64および排出口65を加工容器61の対角線の近傍に配置したのは、図3に示すように、供給口64から供給された液体90を略均等に加工容器61の全域を通過して排出口65に向かわせるためである。すなわち、矩形状の加工容器61の隅部で液体90の澱みをできるだけ発生させないためである。
【0024】
次に、上記構成の付着防止機構30を備えたレーザ加工装置によるレーザ加工方法について説明する。
まず、カバー部材62が取り外された状態の加工容器61の底部に加工対象物50を設置したのち、カバー部材62を固定部材63によって加工容器61に固定する。これにより、保持機構60が組み立てられる。
【0025】
次いで、上記の状態の保持機構60の加工容器61をステージ8上に設置する。なお、保持機構60への加工対象物50の設置および保持機構60のステージ8への設置は、ロボットの自動化装置により自動化することが可能である。
【0026】
次いで、ステージ8上に設置された加工容器61に液体供給源70から液体90を供給する。このとき、排出管68に接続されたバルブ69を開いておく。これにより、加工容器61とカバー部材62によって形成される閉空間Spには、液体90が供給され、閉空間Spは液体90によって満たされる。
このとき、加工対象物50は液体90中に浸漬された状態となり、また、カバー部材62と加工対象物50の被加工面50fとの隙間Gpにも液体90が満たされる。
【0027】
また、バルブ69が開かれているため、閉空間Spに供給された液体90は外部に排出され、閉空間Sp内に供給された液体90は、図3に示したように、供給口64から排出口65に向けて移動する。
すなわち、閉空間Spへの液体90の供給および閉空間Spからの液体90の排出を同時に行うことにより、液体90は閉空間Sp内を移動する。このため、カバー部材62と加工対象物50の被加工面50fとの隙間Gpに存在する液体90も移動する。
これにより、加工対象物50の被加工面50f上には、一定の厚さの液体90が流れることになる。
【0028】
次いで、上記のように、液体90が加工対象物50の被加工面50f上を流れている状態において、ステージ8を所望の位置に移動位置決めする。
この状態から被加工面50fに縮小投影レンズ7を通じてレーザビームLBを照射する。これにより、被加工面50fはアブレーション加工される。
【0029】
被加工面50fがアブレーション加工されると、上述したようにデブリが発生する。このデブリは、被加工面50f上の開放空間に向けて飛散するため、被加工面50f上を流れる液体90に巻き込まれる。
このとき、液体90が加工容器61の供給口64から排出口65に向けて移動しているため、液体90に巻き込まれたデブリは液体90によって排出口65に向けて搬送される。最終的には、デブリは排出口65から排出される。
【0030】
被加工面50fの所望の箇所の加工が完了したのちには、ステージ7を再び移動位置決めし、上記したのと同様に次の加工箇所のアブレーション加工を繰り返し行う。これにより、被加工面50fの加工が完了する。被加工面50fの加工中には、継続して液体90が加工容器61に供給され、加工毎に発生するデブリは液体90によって加工容器61の外部に排出される。
【0031】
このように、本実施形態では、レーザビームLBを加工対象物50の被加工面50fに照射してアブレーション加工したときに発生する加工飛散物を被加工面50f上を流れる液体90によって捕捉し、これを加工容器61の外部へ排出するため、液体90が一度捕捉した加工飛散物が被加工面50fに再び付着する可能性が極めて低い。この結果、被加工面50fへの加工飛散物の付着を確実に防止することができる。
また、本実施形態によれば、加工容器61への液体90の供給位置および加工容器61からの液体90の排出位置を適切に選択することにより、装置を複雑化させることなく加工容器61内における液体90の澱みの発生を防ぐことができる。この結果、液体90が捕捉した加工飛散物が加工容器61から排出されず、加工容器61内で滞留するのを防ぐことができる。
【0032】
また、本実施形態によれば、加工容器61に対してカバー部材62を固定し、カバー部材62と加工対象物50の被加工面50fとの間に一定の隙間Gpを形成することにより、被加工面50f上を流れる液体90の液面の高さが常に一定となり、液体90を通じて被加工面50fに照射されるレーザビームLBの強度を安定化することができる。この結果、加工精度が安定化する。
【0033】
第2実施形態
図4は、本発明の他の実施形態に係る付着防止機構の構造を示す断面図である。なお、図4において、上述した第1の実施形態に係る付着防止機構と同一構成部分については同一の符号を使用している。
上述した第1の実施形態において説明したレーザ加工装置は、加工対象物50を液体中に浸漬した状態でレーザ加工を行う構成としたが、加工対象物50の種類や被加工面を構成する材料等の条件によっては液体中でのレーザ加工を行うことができない場合もある。
【0034】
一方、アブレーション加工によって発生するデブリの被加工面への付着を抑制するには、加工対象物50を、たとえば、真空度10-2[ Torr] 程度の減圧下でレーザ加工を行う方法も、デブリの付着量を減少させるには有効な方法である。
【0035】
加工対象物50を液体中に浸漬した状態でレーザ加工を行う場合と減圧下でレーザ加工を行う場合とにおいて、別々の装置を準備すると、装置の稼働率が低下し、設備コストが嵩む等の不利益がある。
このため、本実施形態では、加工対象物50を液体中に浸漬した状態でのレーザ加工および減圧下での加工対象物50のレーザ加工の双方が可能な構成について説明する。
【0036】
図4に示す付着防止機構120は、チャンバ121と、チャンバ121にバルブ67を介して接続された液体供給源70と、チャンバ121にバルブ192を介して接続された真空ポンプ190と、チャンバ121内に設置された保持機構160とを有する。
【0037】
チャンバ121は、ステージ8上に設置されている。このチャンバ121の天井部には、レーザビームLBが透過する透過板122を備えている。
また、チャンバ121は、側面に加工対象物等の搬入、搬出を行うための開口部121hを備えている。この開口部121hは、開閉扉123により開閉され、開閉扉123を閉じた状態でシール部材124により密閉される。
【0038】
液体供給源70は、チャンバ121の下部に供給管66によって接続されている。液体供給源70は、上述した第1の実施形態と同様に、バルブ67を通じて液体90をチャンバ121内に供給可能となっている。
【0039】
真空ポンプ190は、バルブ192を介してチャンバ121に接続されている。この真空ポンプ190により、密閉されたチャンバ121内は、たとえば、10-2[ Torr] 程度の減圧雰囲気にされる。
【0040】
チャンバ121の液体供給源70が接続された側と反対側の下部には、排出管68が接続されている。この排出管68は、上述した第1の実施形態と同様に、液体90をバルブ69を通じてチャンバ121から外部に排出可能となっている。
【0041】
チャンバ121には、ガス供給管195が接続されており、このガス供給管195はバルブ196によって開閉される。このガス供給管195は、チャンバ121内に窒素やヘリウム等の雰囲気ガスや塩化水素や三フッ化窒素等反応ガスを供給するのに用いられる。なお、雰囲気ガスや反応ガスがチャンバ121内に供給されるのは、チャンバ121を、エッチング加工等のために使用した場合である。
【0042】
保持機構160は、チャンバ121の底部に設置されており、上述した第1の実施形態に係る保持機構60と同様の構造を有している。
この保持機構160は、加工容器161と、カバー部材162と、固定部材163とを有している。
加工容器161の一側面161aには、当該加工容器161内に液体90が流入する流入口164が形成され、一側面161aに対向する他側面161bには加工容器161内から液体90が流出する流出口165が形成されている。
【0043】
上記構成の付着防止機構120において、加工対象物50を液体90中に浸漬した状態でレーザ加工を行う場合には、液体供給源70から液体90をチャンバ121内に供給するとともに、排出管68のバルブ69を開く。
チャンバ121内に供給された液体90は、加工容器161の流入口164から加工容器161内に流入し、チャンバ121に供給された液体90の液面が上昇するのに伴って、カバー部材162と加工容器161との間に形成される閉空間Sp内に液体90が充満する。
このとき、閉空間Sp内に液体90が充満した状態を保ためには、加工容器161の外部における液体90の液面の高さがカバー部材162の高さよりも高くなるように、液体供給源70からの液体90の供給量を調整するとともに、バルブ69の開度を調整する。
【0044】
加工容器161の流入口164から流入した液体90は、加工容器161内を通過して流出口165から外部に流出する。このため、加工対象物50の被加工面50fとカバー部材162との間の隙間Gpを液体90が移動する。
【0045】
この状態において、上述した第1の実施形態と同様に、ステージ8の移動位置決めを行いながら、レーザビームLBを被加工面50fに照射しアブレーション加工を行う。
【0046】
アブレーション加工によって発生したデブリは、被加工面50f上を液体90によって搬送され、流出口165を通じて加工容器161外に排出され、さらに排出管68からチャンバ121の外部に排出される。
【0047】
上記の加工が終了したのちは、液体供給源70からのチャンバ121への液体90の供給を停止し、排出管68からチャンバ121内の液体90を全て排出する。
そして、保持機構160の全体を開口部121hを通じて外部に搬出する。
【0048】
加工対象物50を減圧雰囲気下でレーザ加工を行う場合には、液体90が全て排出された状態のチャンバ121内を真空ポンプ190により減圧する。
チャンバ121が減圧された状態で、ステージ8の移動位置決めを行いながら、レーザビームLBを被加工面50fに照射しアブレーション加工を行う。
【0049】
以上のように、本実施形態によれば、液体中におけるレーザ加工および減圧雰囲気下におけるレーザ加工の双方を同一の装置で行うことができるため、装置の稼働率を向上させることができる。
【0050】
本発明は上述した実施形態に限定されない。
上述した実施形態では、加工容器60に供給口64および排出口65を形成して加工容器60内の液体90を移動させる構成としたが、供給口64および排出口65を互いに対向する位置に多数形成し、加工容器60内の液体90の移動を一層均一化する構成とすることも可能である。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、レーザ光によるアブレーション加工時に熱的な影響を少なくして被加工面へのデブリの付着を防止することができる。
この結果、精密なレーザ加工が実現でき、しかもデブリの付着を防止することができるという優れた効果を提供することが可能になり、レーザ加工の応用が拡がり、微細パターンを高精度でありながら低コストで形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるレーザ加工装置の概略構成の一例を示す図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係る液体供給機構の構造を示す断面図である。
【図3】 加工容器61を水平面に沿って切断した断面図である。
【図4】 本発明の他の実施形態に係る液体供給機構の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1…レーザ光源、2,3,4…ミラー、5…ビーム整形器、6…マスク、7…縮小投影レンズ、8…ステージ、30,120…液体供給機構、61…加工容器、62…カバー部材、50…加工対象物、50f…被加工面、70…液体供給源、90…液体、121…チャンバ、190…真空ポンプ。
Claims (6)
- レーザ光源と、前記レーザ光源から出射されるレーザ光を加工対象物の被加工面に所定パターンで光学的に投影する光学系とを有し、前記被加工面をアブレーション加工するレーザ加工装置であって、
前記加工対象物を収容する加工容器であって、前記レーザ光が入射する開口が上端側に形成され、一側面に前記レーザ光が透過する液体の流入口が形成され、前記加工対象物が配設される位置を挟んで前記一側面に対向する他側面に前記液体の流出口が形成された加工容器と、
前記被加工面からの高さが一定の閉空間を前記加工容器との間に形成するように前記開口に設けられ、前記レーザ光が透過するカバー部材と、
前記加工容器を収容するチャンバと、
前記チャンバの前記一側面が対向する位置に接続され、前記チャンバ内に前記液体を供給可能な供給管と、
前記チャンバの前記他側面が対向する位置に接続され、前記チャンバ内から前記液体を排出可能な排出管と、
前記被加工面へ前記レーザ光の照射を行うとき、前記供給管から前記チャンバ内に前記液体を供給することにより、前記流入口から前記加工容器に前記液体を導入し、前記被加工面を通して前記流出口へ前記液体を移動させることが可能な液体供給手段と、
前記チャンバ内の前記液体が排出された状態で前記被加工面へ前記レーザ光の照射を行うとき、前記チャンバ内を減圧雰囲気下にすることが可能な減圧手段と
を有するレーザ加工装置。 - 前記カバー部材は、前記加工容器の内周に設置され、
前記液体供給手段は、前記加工容器の外部における前記液体の液面の高さが前記カバー部材の高さよりも高く、かつ、前記加工容器の上端よりも低く保たれるように前記液体を前記供給管から前記チャンバ内に供給する
請求項1に記載のレーザ加工装置。 - 前記チャンバを保持し、前記被加工面に対する前記レーザ光の照射位置を変更する移動位置決め手段をさらに有する
請求項2に記載のレーザ加工装置。 - 前記レーザ光源は、エキシマレーザを含む
請求項1に記載のレーザ加工装置。 - レーザ光を加工対象物の被加工面に所定パターンで光学的に投影し、前記被加工面をアブレーションにより加工するレーザ加工方法であって、
前記レーザ光が透過する液体の流入口及び流出口を有する加工容器に前記加工対象物を収容し、前記レーザ光が透過するカバー部材を前記被加工面との隙間が一定になるように配置し、前記加工容器及び前記カバー部材を、内部を減圧雰囲気下にすることが可能なチャンバに収容し、前記チャンバに前記液体を供給することにより、前記液体が前記隙間に充満し、且つ、前記液体が前記カバー部材上を流れない状態で、前記液体を前記被加工面上で前記流入口から前記流出口へ移動させながら前記被加工面への前記レーザ光の照射を行う
レーザ加工方法。 - 前記加工対象物を前記移動する液体中に浸漬させた状態で前記被加工面への前記レーザ光の照射を行う
請求項5に記載のレーザ加工方法。
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