JP2002345451A - 微生物検出装置及び微生物の検出方法 - Google Patents

微生物検出装置及び微生物の検出方法

Info

Publication number
JP2002345451A
JP2002345451A JP2001155670A JP2001155670A JP2002345451A JP 2002345451 A JP2002345451 A JP 2002345451A JP 2001155670 A JP2001155670 A JP 2001155670A JP 2001155670 A JP2001155670 A JP 2001155670A JP 2002345451 A JP2002345451 A JP 2002345451A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microorganism
antibody
container
detecting
capillary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001155670A
Other languages
English (en)
Inventor
Ichiro Yamashita
一郎 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001155670A priority Critical patent/JP2002345451A/ja
Publication of JP2002345451A publication Critical patent/JP2002345451A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微生物を短時間で高精度に検出・同定する手
段及び方法を提供する。 【解決手段】 微生物検出装置は、直流電源10と、プ
ラス電極9及びマイナス電極8と、一方の端にプラス電
極9を、他端にマイナス電極8を有し、緩衝液で満たさ
れた筒状のガラス製キャピラリー1と、緩衝液供給用の
リザーバ14と、キャピラリー1のプラス電極9側に接
続された抗体注入用の注入バルブと、注入バルブに接続
され、注入する抗体量を調節する抗体リザーバと、キャ
ピラリー1に光を照射する光源11と、キャピラリー1
1からの散乱光を測定するセンサー部13とを備えてい
る。キャピラリー1に電圧を印加すると、抗体と細菌2
とは対向方向に移動し、細菌2と細菌2を認識する抗体
とが交われば、細菌−抗体複合体12が形成され、短時
間で精度良く細菌が検出・同定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微生物の検出装置及
び微生物の検出方法に関し、特に抗原抗体反応を利用し
た微生物の検出装置及び微生物の検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】細菌による感染症では、その原因となっ
ている細菌の種類によって有効な抗生物質が異なる。例
えば、病原性大腸菌O157の感染とサルモネラ菌の感
染とでは初期の対処方法が異なり、もしO157の感染
の場合にサルモネラ菌に有効な薬剤を投与すると、治療
にならないばかりか細菌毒素の分泌により致命的な結果
を招く可能性がある。また、一般的に微生物の感染症は
症状が急激に進行することが多いため、感染症の治療に
は、その病原菌を迅速に特定することが強く望まれてい
る。
【0003】抗原抗体反応は特異性が高いため、細菌の
種類を同定する際に以前から利用されてきた。抗原抗体
反応を利用した細菌の検出方法として、ELISA法が
知られている。
【0004】図8(a)〜(c)は、ELISA法を用
いた従来の微生物検出方法を示す図である。以下同図を
用いて従来の細菌検出方法について説明する。
【0005】まず、図8(a)に示すステップで、細菌
の汚染を検査するために食品102の一部を試料101
として取り、培地104を入れたフラスコ103に入れ
る。
【0006】次に、図8(b)に示すステップで、37
℃下で8時間以上フラスコ103を振とうさせて試料1
01に含まれる細菌を培養する。
【0007】次に、図8(c)に示すステップで、調べ
たい細菌を認識する抗体をウェルに固定したマイクロプ
レート105を用意し、このマイクロプレート105の
ウェルに培養液を適量入れる。別のウェルにはネガティ
ブコントロールとして例えば水などを、また別のウェル
にはポジティブコントロールとして検査したい菌を含む
液をそれぞれ適量入れる。20分程度経過した後に液を
捨て、ウェルを洗浄し、酵素標識抗体液を各ウェルに入
れ、10分程度反応させる。その後、液を捨ててウェル
を洗浄し、反応の基質液を各ウェルに加えた後反応を止
め、マイクロプレートリーダーで吸光度を測定する。試
料101に調べたい細菌が含まれている場合は、吸光度
が大きくなる。
【0008】この方法では、食品などを試料とする場合
は細菌数が少ないため培養が必要であるが、感染症患者
の糞便を検査する場合は、培養をする必要はない。
【0009】この方法によれば、抗体を用いているた
め、目的の細菌を正確に検出することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、特に細菌数の少ない試料を検査する場合に細
菌の培養が必要であるため、迅速な検査ができないとい
う不具合があった。
【0011】目的の細菌が分かっている場合、例えばO
157の場合では、抗ベロ毒素抗体などを用いる方法
や、ベロ毒素を作る遺伝子を検出する方法などがある
が、いずれも数時間以上必要であること、不特定多数の
細菌の検査を行なえないことなどの不具合は残されてい
る。
【0012】本発明の目的は、細菌を高精度且つ短時間
で検出・同定する装置及び細菌の高精度な検出・同定方
法を提供し、感染症治療の一助とすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の微生物検出装置
は、光透過性物質からなり、被検体と被検体を同定する
ための物質とを含む緩衝液を満たすための通路を有する
容器と、上記容器に1つずつ設けられた高電位側電極及
び低電位側電極と、上記容器の側方から光線を照射する
光源と、上記容器から入射した光線をモニターするセン
サー部とを備えた微生物検出装置であって、検出動作時
には、電極間に電圧を印加することにより電気泳動を行
なうことが可能に構成されている。
【0014】これにより、電気泳動を利用して短時間で
被検体の同定を行なうことができる。
【0015】また、上記被検体は表面が負電荷を帯びて
おり、細菌,細菌の破砕液及び細菌が持つタンパク質の
うちのいずれかであることにより、電気泳動によりプラ
ス電極方向へ移動してゆくので、被検体の検出時間が短
くすることができる。
【0016】また、上記被検体を同定するための物質が
抗体であることにより、pH6−8のときにはほぼ電荷
を持たず、キャピラリー表面の近傍に流れる電気浸透流
に乗ってマイナス電極方向へ移動することができる。こ
の場合、抗体とプラス電極方向に移動する被検体とが短
時間で反応し、被検体を同定することができる。また、
抗体は反応の特異性が高いため、これを用いることによ
り、被検体の同定が正確にできる。
【0017】上記容器が直径5μm以上100μm以下
の筒状のキャピラリーであることにより、キャピラリー
中での抗体の拡散が抑制され、微生物の検出が正確に行
われる。
【0018】上記容器が、溝を形成したガラス基板と上
部ガラス板とを接着することにより形成されることによ
り、容易に電気泳動用の容器を作成できる。
【0019】上記容器が複数個並列に配置され、各容器
で同時に電気泳動が行なわれるように構成されているこ
とにより、抗体を複数個用いる場合に検出が容易にな
り、また、センサー部でモニターする領域を小さくでき
るので、装置の設計が容易になる。
【0020】また、上記容器内の緩衝液に印加する電界
は1−100kV/mであることにより、適当な時間で
被検体を検出することができる。
【0021】また、上記容器の上記通路の壁には抗体を
注入するための孔が設けられている。
【0022】これにより、複数の抗体を使用する場合、
各抗体を等間隔をあけて容易に注入することができ、被
検体の同定が可能となる。
【0023】また、上記抗体は蛍光標識されていること
により、被検体を同定する感度を高くすることができ
る。また、各抗体に互いに異なる蛍光標識を施せば、検
査の正確さを向上させることができる。
【0024】上記緩衝液のpHは6−8の範囲であるこ
とにより、抗体はほぼ電荷を持たず、被検体は負電荷を
持つ状態に保つことができ、電気浸透流に乗ってマイナ
ス電極方向へ移動する抗体と電気泳動によりプラス電極
へと移動する被検体とを相交わらせて被検体の検査を短
時間で行なうことができる。
【0025】本発明の微生物の検出方法は、緩衝液を満
たすための通路を有する容器の高電位側電極に近い部位
に抗体を注入するステップ(a)と、上記容器の上記低
電位側電極に近い部位に被検体を注入するステップ
(b)と、上記高電位側電極及び上記低電位側電極を介
して上記容器内の緩衝液に電界を印加し、電気泳動を行
なうステップ(c)と、被検体と抗体とが反応した場合
に被検体−抗体複合体による入射光の変化を検出して被
検体の同定を行なうステップ(d)とを含んでいる。
【0026】この方法により、従来必要であった被検体
に含まれる菌の培養が不要となり、短時間で微生物検査
を行なうことができる。また、抗体は反応の特異性が高
いという性質を持っているので、確度の高い検査を行な
うことができる。
【0027】また、上記ステップ(a)では、1つの上
記容器につき複数の抗体を一定間隔をあけて注入するこ
とにより、被検体の量を変えずに複数の微生物について
検査をすることができるので、微生物の検出を短時間で
行なうことができ、被検体に含まれる微生物が特定でき
ていない場合に特に有効である。
【0028】さらに、上記ステップ(a)では上記抗体
は蛍光標識されており、上記ステップ(d)では被検体
−抗体複合体からの蛍光を検出することにより、検査の
感度を向上させることができる。また、抗体ごとに異な
る蛍光標識を施すことで、細菌の同定を容易に行なえる
ようにできる。
【0029】また、ステップ(a)では、上記容器が複
数個並列に配置され、同時に電気泳動が行なわれること
により、一度の電気泳動で複数の細菌について検査する
ことができる。また、各容器ごとに異なる被検体を検査
することもできるので、検査の効率を向上させることが
できる。
【0030】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)一般に、ガラ
スは通常pH4程度より高いpHにおいては表面がマイ
ナス電荷を持っており、pH6−8の条件下ではその表
面にカウンターイオンとして正の電荷を持ったイオンが
滞在し電気二重層を形成している。ガラス管にpH6−
8の緩衝液を満たしてこの液に電界を加えると、ガラス
表面から100μm以内の液中では、正電荷を持ったイ
オンが電界に沿ってマイナス電極の方向へ流れが形成さ
れる。これを電気浸透流と呼ぶ。そのため、ガラス管の
直径が100μm程度の一方の端をプラス(高電位)電
極に、他端をマイナス(低電位)電極に接続して電界を
加えると、緩衝液はプラス電極からマイナス電極へと管
内を流れる。中性か、電荷をわずかしか持たない物質で
あればこの電気浸透流に乗ってマイナス電極の方向へ移
動していく。例えば、抗原抗体反応を生じる抗体はpH
6−7に等電点を持つため、pHを6.5付近に設定す
るとこの電気浸透流に乗ってマイナス電極へ向かって流
れていく。
【0031】一方、細菌の細胞壁はpH6−8の生理的
条件で表面にマイナス電荷を有していることが多く、こ
れらが存在する溶液に電界を加えると細菌の細胞はプラ
ス電極に引かれていく。このように、電荷を持つ物質を
含む溶液に電流を流して物質を分離する操作を電気泳動
と呼ぶ。
【0032】直径100μm程度の細管の中に細菌を入
れて電界を加えると、電気浸透流は細菌をマイナス極側
へ流そうとし、電気泳動による力はプラス極側へ向かわ
せるように働く。その結果、両者の力のバランスによっ
て細菌の移動方向が決定されるが、通常は細菌の電気泳
動のほうが力が大きいためプラス電極へ向かって流れて
いく。このことは、緩衝液のpHを6.5付近に設定す
ると細菌と抗体とは互いに逆方向に流れることを意味し
ている。
【0033】本実施形態は、この電気浸透流と電気泳動
を利用した微生物の検出装置である。
【0034】図1(a)〜(d)は、本発明の第1の実
施形態に係る微生物検出装置の動作を示す断面図であ
る。本実施形態の微生物検出装置は、直流電源10と、
直流電源10に接続されたプラス電極9及びマイナス電
極8と、一方の端にプラス電極9を、他端にマイナス電
極8を有し、内側がpH6.5の緩衝液で満たされた筒
状のガラスからなる直径30μmで長さ1cmのキャピ
ラリー1と、キャピラリー1に接続され、キャピラリー
1に緩衝液を供給するリザーバ14と、キャピラリー1
を通過した緩衝液を排出するドレイン21と、キャピラ
リー1のプラス電極9側に接続され、抗体を注入するた
めの注入バルブと、注入バルブに接続され、注入する抗
体量を調節する機能を持つ抗体リザーバと、キャピラリ
ー1に光を照射する光源11と、キャピラリー1からの
散乱光を測定するセンサー部13とを備えている。
【0035】また、キャピラリー1のプラス電極9側に
は、互いに等間隔に設けられた複数の孔が開いており、
ここを通して注入バルブから各抗体を含む溶液が注入さ
れる。
【0036】なお、光源11はキャピラリー1の側方に
位置し、センサー部13はキャピラリー1に対して垂直
方向に置かれている。センサー部13は、キャピラリー
1により散乱された光源11からの光を測定している。
【0037】次に、本実施形態の微生物検出方法を図1
(a)〜(d)を用いて説明する。
【0038】まず、図1(a)に示すステップで、キャ
ピラリー1のマイナス電極8側に被検出体の細菌2を含
んだ溶液を微小量入れ、プラス電極側には注入バルブか
ら5種類の抗細菌抗体3〜7を互いに等間隔で配置す
る。続いてキャピラリー1の両端の電極を通して直流電
源10より1−100kV/mの電界を印加する。
【0039】次に、図1(b)に示すステップで、細菌
2はプラス電極9の方向に引かれていき、抗体3〜7は
電気浸透流に乗ってマイナス電極8方向へと進む。リザ
ーバ14からは常にpH6.5の緩衝液が供給され、マ
イナス電極8に達した緩衝液はドレインから装置外へと
排出される。
【0040】なお、直径100μm以下のキャピラリー
内では溶液は簡単には拡散混合されないこと、各抗体の
分子量はほぼ等しいことから、電気泳動中の抗体3〜7
は等間隔を保ったままマイナス電極8の方向へ移動して
いく。
【0041】次に、図1(c)に示すステップで、被験
体の細菌2と抗体3,抗体4,抗体5とがキャピラリー
1内で順次すれ違うが、この例では反応せずに通過す
る。これは、被験体の細菌2を認識しない抗体と細菌2
とは結合しないため、そのまま交差してしまうためであ
る。この例では、被験体の細菌2が抗体3,抗体4,抗
体5が認識する細菌ではないことを意味する。
【0042】その後、図1(d)に示すステップで、被
験体の細菌2は抗体6と反応せずに通過し、抗体7と結
合して凝集し、生成した細菌−抗体複合体12が沈降す
る。すると、抗原抗体反応による光の散乱の変化をセン
サー部13で感知し、反応が起こった位置が分かる。電
気泳動速度は電圧により一定であるため、反応を開始し
た位置を把握できればどの抗体と反応したかが直ちに判
明する。また、反応するまでの時間を測定することによ
っても、どの抗体と反応したかが判別できる。これによ
り、被験体の細菌2は同定される。
【0043】なお、電気泳動に必要な時間はどの抗体と
反応するかで多少異なるが、ほぼ0.1〜10分程度で
あり、従来の方法に比べて検査時間を大幅に短縮するこ
とができる。
【0044】通常、抗体溶液は可視光を照射しても透明
であり緩衝液と区別がつかない。さらに細菌も数μmの
大きさであるため、濃度が低いと光の散乱は極めて小さ
い。しかし、抗原抗体反応で細菌−抗体複合体12が凝
集すると、可視光の散乱が強くなり細菌濃度が低くても
容易に検出できるようになる。
【0045】なお、ここでは細菌2が抗体7と結合する
例を挙げたが、細菌の種類が異なれば他の抗体と結合す
る。すなわち、複数の抗体のどれと反応するかによって
被検体の細菌の種類が同定できる。
【0046】なお、キャピラリーに複数個の抗体溶液を
互いに間隔をあけて配置する方法としては、端部より順
に抗体溶液と緩衝液を注入する方法をとる。
【0047】図2は、本実施形態で用いられるキャピラ
リーの断面図である。より迅速に配置するためには、同
図に示した様な複数個の微小孔15を利用することが望
ましい。キャピラリーに微小孔15を設け、ここから抗
体を含んだ溶液をキャピラリー内に注入する。このとき
微小孔15を通して抗体溶液を入れる時、注入する順序
をずらすようにすれば抗体溶液が等間隔に配置できる。
【0048】図3,図4は、本実施形態の微生物検出方
法において、抗体をキャピラリーに注入する方法を示す
断面図である。図3に示す例のように、バルブを用いて
始めに中心部の孔から抗体の注入を行ない、次いで両横
の孔から、その次にさらにその横の孔からと順次注入を
行えば、分離された抗体溶液が迅速に等間隔に注入がで
きる。また、図4に示すように一方向から注入を行なっ
ても同様に迅速に分離された抗体溶液を注入できる。
【0049】本実施形態の微生物検出装置によれば、キ
ャピラリー1の長さが1cmと短いため、抗体を用いた
ELISA法などの微生物検出方法に比べ、極めて短時
間で微生物を検出・同定することができる。また、抗体
の認識反応は特異性が高いことから、信頼性の高い同定
結果を得ることができる。これにより、例えば食中毒の
場合など、原因菌に応じた治療を迅速に行なえる。
【0050】本実施形態においては、用いた抗体は5種
類であったが、目的に応じて抗体の種類を増やすことも
できる。このときも、各抗体を等間隔でキャピラリー1
内に配置するように注入するので、用いる抗体の種類が
増えた場合、キャピラリー1の長さを1cm以上にし
て、抗体間の間隔を確保する。ここで、抗体の種類を増
やした場合も、被験体の菌数を増やす必要がない。
【0051】本実施形態の微生物検出装置において、一
度に多数の抗体を用いることは、感染症の原因菌の候補
が絞れていない場合に有効である。また、抗体の種類を
増やしても被験体の菌数を増やす必要がないので、菌体
を培養する時間を節約し、迅速な細菌の同定を行なうこ
とができる。
【0052】また、ここでは被験体として細菌を含む菌
液を用いたが、細菌を破砕した後の溶液にも細胞壁は含
まれているため、これを被験体として用いることもでき
る。
【0053】その他、同定したい細菌が特異的に持つタ
ンパク質などを被験体として用いてもよい。このとき
は、目的のタンパク質を認識する抗体を用いることと、
被験体のタンパク質が負電荷を帯びていることが条件と
なる。
【0054】なお、本実施形態の微生物検出方法におい
て、電気泳動とともに発生する電気浸透流を利用した
が、必ずしも電気浸透流が発生していなくても、被検体
がプラス電極方向へ向かって移動するので、問題なく検
査を行うことができる。ただし、その場合はやや検出時
間が遅くなる。電気浸透流が発生しない条件の例として
は、pHが8以上の場合や、キャピラリーとしてガラス
以外の材質が用いられた場合などが挙げられる。
【0055】また、本実施形態の微生物検出方法におい
て、キャピラリー1の両端に印加する電圧は1−100
kV/mである。
【0056】また、本実施形態で用いたキャピラリー1
の直径は30μmであったが、直径100μm以下であ
れば加えた抗体が拡散することなく電気泳動できる。た
だし、直径20〜40μmであることが好ましい。
【0057】なお、本実施形態で使用する抗体はモノク
ローナル、ポリクローナルを問わない。
【0058】また、本実施形態においては緩衝液のpH
を6.5としたが、抗体が電荷を持たないpH6−8の
範囲であればよい。
【0059】また図5は、本実施形態の微生物検出装置
に使用できるキャピラリーの例を示す図である。本実施
形態において、電気泳動をキャピラリー1内で行なった
が、同図に示すようにキャピラリー1の代わりとして、
一部に凹部を設けたガラス基板17の上にその凹部を覆
うようにガラス板16をかぶせ、これを下のガラス基板
17と融着させることで作成したものを用いてもよい。
【0060】また、本実施形態の微生物検出装置におい
て、電気浸透流による抗体の移動を利用したが、抗体が
プラス電荷を持つように緩衝液のpHを調整することに
より、両者の電気泳動により反応を行わせることもでき
る。この場合、電気浸透流を利用する方法よりも、さら
に検出時間を短縮することが可能である。
【0061】また、図6(a)〜(c)は本実施形態の
微生物検出装置に使用できるキャピラリーの形状を示し
た図であるが、直線状のキャピラリー以外にも、キャピ
ラリー23は図6(a)に示すように基板22上に配置
して折り返してあってもよいし、図6(b)に示すよう
に渦巻き状であってもよい。また、図6(c)に示すよ
うにらせん状など立体的に配置されてもよい。ここで、
キャピラリーを長くすることにより、より多種類の抗体
を注入することが可能になる。また、キャピラリーを折
り返すことにより、装置のスペースを小さくするととも
に、光を検出するセンサー部の面積を小さくすることが
でき、装置の設計を容易にすることができる。
【0062】また、本実施形態の微生物検出方法では、
細菌−抗体複合体の形成を光の散乱により検出したが、
これに代えてフルオレセイン等で蛍光標識した抗体を用
いて細菌−抗体複合体の形成を蛍光により検出すること
もできる。この方法により、微生物の検出感度をさらに
上げることができる。
【0063】さらに、各抗体に互いに異なる蛍光標識を
することにより、確実かつ高感度に細菌の同定を行なう
こともできる。
【0064】(第2の実施形態)図7は、本発明の第2
の実施形態の微生物検出装置を示す図である。
【0065】同図に示すように、本実施形態の微生物検
出装置は、直流電源10と、直流電源10に接続された
プラス電極9及びマイナス電極8と、一方の端にプラス
電極9を、他端にマイナス電極8を有し、直流電源10
に対して並列に接続された内側をpH6.5の緩衝液で
満たされた筒状のガラスからなる直径30μmで長さ1
cmのキャピラリー18,キャピラリー19,キャピラ
リー20と、キャピラリー18,キャピラリー19,キ
ャピラリー20のそれぞれに接続され、キャピラリー1
8,キャピラリー19,キャピラリー20に緩衝液を供
給するリザーバ14(図7に示さず)と、キャピラリー
18,キャピラリー19,キャピラリー20を通過した
緩衝液を排出するドレイン21(図7に示さず)と、キ
ャピラリー18,キャピラリー19,キャピラリー20
の各プラス電極9側に接続され、抗体を注入するための
注入バルブと、注入バルブに接続され、注入する抗体量
を調節する機能を持つ抗体リザーバと、キャピラリー1
8,キャピラリー19,キャピラリー20に光を照射す
る光源11と、ピラリー18,キャピラリー19,キャ
ピラリー20からの散乱光を測定するセンサー部13と
を備えている。
【0066】なお、抗体を注入するための孔は、第1の
実施形態とは異なり、1つのキャピラリーにつき1つで
ある。
【0067】次に、本実施形態の微生物検出方法は次の
通りである。
【0068】まず、キャピラリー18,キャピラリー1
9,キャピラリー20のそれぞれのマイナス電極8側に
被検体の細菌2を含む液を注入した後、プラス電極9側
の抗体を注入するための孔からほぼ同時に各キャピラリ
ーに抗体3〜5をそれぞれ注入し、1−100kV/m
の電界をキャピラリー18,キャピラリー19,キャピ
ラリー20のそれぞれに印加する。
【0069】次いで、キャピラリー内に電界を印加し続
けると、被検体の細菌2を認識する抗体4が細菌2と細
菌−抗体複合体12を形成し、沈降する。すると、セン
サー部が光の散乱を検出し、キャピラリー19内で細菌
−抗体複合体12を形成されたことが分かり、被検体の
細菌が同定される。電気泳動に要する時間は第1の実施
形態の微生物検出装置よりもさらに短く、10分以下で
ある。
【0070】本実施形態の微生物検出装置においては、
複数のキャピラリーが電源に対して並列に接続されてい
るため、第1の実施形態の微生物検出装置よりもさらに
短時間で細菌を検出・同定することができる。
【0071】また、抗体及び細菌の移動速度はほぼ一定
であるので、センサー部はキャピラリー18,キャピラ
リー19,キャピラリー20のそれぞれ一部分をモニタ
ーするだけでよく、装置の設計が容易になる。
【0072】また、本実施形態においては1つのキャピ
ラリーに1種類の抗体を注入したが、各キャピラリーに
複数の抗体を一定間隔を空けて注入することにより、細
菌2の種類が不明な場合に、より多種類の試験を同時に
行なうことができる。この方法により、複数の被験体を
同時に検査することもできる。
【0073】また、本実施形態の微生物検出装置におい
ても、キャピラリーの長さを1cm以上にしてもよい
し、キャピラリーの形状は直線以外に折り返しがあって
もよいし、らせん状などでもよい。
【0074】また、本実施形態で用いたキャピラリーの
直径は30μmであったが、直径100μm以下であれ
ば加えた抗体が拡散することなく電気泳動できる。ただ
し、直径20〜40μmであることが好ましい。
【0075】また、本実施形態の微生物検出装置におい
て、電気浸透流による抗体の移動を利用したが、抗体が
プラス電荷を持つように緩衝液のpHを調整することに
より、両者の電気泳動により反応を行なわせることもで
きる。この場合、電気浸透流を利用する方法よりも、さ
らに検出時間を短縮することが可能である。
【0076】また、キャピラリー内の緩衝液がpH8以
上の場合やキャピラリーの材質がガラス以外である場合
など、電気浸透流が発生しない条件であっても細菌がプ
ラス電極方向へ移動するので、検査は問題なく行なうこ
とができる。
【0077】また、本実施形態の微生物検出方法では、
細菌−抗体複合体の形成を光の散乱により検出したが、
これに代えてフルオレセイン等で蛍光標識した抗体を用
いて細菌−抗体複合体の形成を蛍光により検出すること
もできる。この方法により、微生物の検出感度をさらに
上げることができる。
【0078】また、抗体に互いに区別可能な蛍光標識を
施すことにより、反応した抗体の同定が蛍光の測定のみ
で容易にできるようになる。これにより、検査の確度を
上げることができる。
【0079】
【発明の効果】本発明の微生物検出装置及び微生物の検
出方法によれば、緩衝液を満たしたキャピラリーに電圧
を印加することにより、キャピラリー内で被検体の細菌
と細菌を認識する抗体とを反応させるため、短時間で正
確に微生物の同定を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に
係る微生物検出装置の動作を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る微生物検出装置
に用いられるキャピラリーの断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る微生物検出方法
において、抗体をキャピラリーに注入する方法を示す断
面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る微生物検出方法
において、抗体をキャピラリーに注入するもう1つの方
法を示す断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る微生物検出装置
に使用できるキャピラリーの例を示す図である。
【図6】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係
る微生物検出装置に使用できるキャピラリーの形状を示
した図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る微生物検出装置
を概略的に示す図である。
【図8】(a)〜(c)は、ELISA法を用いた従来
の微生物検出方法を示す図である。
【符号の説明】
1 キャピラリー 2 細菌 3、4,5,6,7 抗体 8 マイナス電極 9 プラス電極 10 直流電源 11 光源 12 細菌−抗体複合体 13 センサー部 14 リザーバ 15 微小孔 16 ガラス板 17 ガラス基板 18,19,20 キャピラリー 21 ドレイン 22 基板 23 キャピラリー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/26 331K

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過性物質からなり、被検体と被検体
    を同定するための物質とを含む緩衝液を満たすための通
    路を有する容器と、 上記容器に1つずつ設けられた高電位側電極及び低電位
    側電極と、 上記容器の側方から光線を照射する光源と、 上記容器から入射した光線をモニターするセンサー部と
    を備えた微生物検出装置であって、 検出動作時には、電極間に電圧を印加することにより電
    気泳動を行なうことが可能に構成された微生物検出装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の微生物検出装置におい
    て、 上記被検体は表面が負電荷を帯びており、細菌,細菌の
    破砕液及び細菌が持つタンパク質のうちのいずれかであ
    ることを特徴とする微生物検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の微生物検出装
    置において、 上記被検体を同定するための物質が抗体であることを特
    徴とする微生物検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載
    の微生物検出装置において、 上記容器が直径5μm以上100μm以下の筒状のキャ
    ピラリーであることを特徴とする微生物検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載
    の微生物検出装置において、 上記容器が、溝を形成したガラス基板と上部ガラス板と
    を接着することにより形成されることを特徴とする微生
    物検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載
    の微生物検出装置において、 上記容器が複数個並列に配置され、各容器で同時に電気
    泳動が行なわれるように構成されていることを特徴とす
    る微生物検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のうちいずれか1つに記載
    の微生物検出装置において、 上記容器内の緩衝液に印加する電界は1−100kV/
    mであることを特徴とする微生物検出装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のうちいずれか1つに記載
    の微生物検出装置において、 上記容器の上記通路の壁には抗体を注入するための孔が
    設けられていることを特徴とする微生物検出装置。
  9. 【請求項9】 請求項3〜8のうちいずれか1つに記載
    の微生物検出装置において、 上記抗体は蛍光標識されていることを特徴とする微生物
    検出装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のうちいずれか1つに記
    載の微生物検出装置において、 上記緩衝液のpHは6−8の範囲であることを特徴とす
    る微生物検出装置。
  11. 【請求項11】 緩衝液を満たすための通路を有する容
    器の高電位側電極に近い部位に抗体を注入するステップ
    (a)と、 上記容器の上記低電位側電極に近い部位に被検体を注入
    するステップ(b)と、 上記高電位側電極及び上記低電位側電極を介して上記容
    器内の緩衝液に電界を印加し、電気泳動を行なうステッ
    プ(c)と、 被検体と抗体とが反応した場合に被検体−抗体複合体に
    よる入射光の変化を検出して被検体の同定を行なうステ
    ップ(d)とを含む微生物の検出方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の微生物の検出方法
    において、 上記ステップ(a)では、1つの上記容器につき複数の
    抗体を一定間隔をあけて注入することを特徴とする微生
    物の検出方法。
  13. 【請求項13】 請求項11または12に記載の微生物
    の検出方法において、 上記ステップ(a)では上記抗体は蛍光標識されてお
    り、 上記ステップ(d)では被検体−抗体複合体からの蛍光
    を検出することを特徴とする微生物の検出方法。
  14. 【請求項14】 請求項11〜13のうちいずれか1つ
    に記載の微生物の検出方法において、 ステップ(a)では、上記容器が複数個並列に配置さ
    れ、同時に電気泳動が行なわれることを特徴とする微生
    物の検出方法。
JP2001155670A 2001-05-24 2001-05-24 微生物検出装置及び微生物の検出方法 Pending JP2002345451A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001155670A JP2002345451A (ja) 2001-05-24 2001-05-24 微生物検出装置及び微生物の検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001155670A JP2002345451A (ja) 2001-05-24 2001-05-24 微生物検出装置及び微生物の検出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002345451A true JP2002345451A (ja) 2002-12-03

Family

ID=18999809

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001155670A Pending JP2002345451A (ja) 2001-05-24 2001-05-24 微生物検出装置及び微生物の検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002345451A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004063752A1 (ja) * 2003-01-10 2004-07-29 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 微粒子表面電荷制御剤を含む組成物、それを利用した微粒子分離方法および微粒子分離装置
JP2006170646A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 微細管電気泳動による微生物分離用分離促進剤及び分析装置
JP2010252745A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 細菌分析装置
JP2010252744A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 細菌分析装置
JP2014132276A (ja) * 2014-04-14 2014-07-17 Arkray Inc 分析装置および分析方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004063752A1 (ja) * 2003-01-10 2004-07-29 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 微粒子表面電荷制御剤を含む組成物、それを利用した微粒子分離方法および微粒子分離装置
JP2006170646A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 微細管電気泳動による微生物分離用分離促進剤及び分析装置
JP4677524B2 (ja) * 2004-12-13 2011-04-27 独立行政法人産業技術総合研究所 微細管電気泳動による微生物分離用分離促進剤及び分析装置
JP2010252745A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 細菌分析装置
JP2010252744A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 細菌分析装置
JP2014132276A (ja) * 2014-04-14 2014-07-17 Arkray Inc 分析装置および分析方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11940410B2 (en) Functionalized nanopipette biosensor
Ying et al. Single molecule analysis by biological nanopore sensors
US11531003B2 (en) Analyte detector for detecting at least one analyte in at least one fluid sample
EP2459696B1 (en) Cell concentration, capture and lysis devices and methods of use thereof
JP6280632B2 (ja) 透明なマイクロアレイで正確にpHをモニターするためのデバイスおよび方法
WO2018067878A1 (en) Devices and methods for sample analysis
CN108593916A (zh) 基于外泌体的癌症检测系统及方法
US20090215158A1 (en) Micro Flow Channel Chip
CN101587123A (zh) 带有一维自组装磁珠链电极的诊断霍乱专用微流控芯片
CN101339196A (zh) 量子点标记免疫层析试纸快速检测膀胱癌方法
US20120244630A1 (en) Multiplexed analyte concentration measurement
CN108593416A (zh) 微纳粒子检测系统及方法
CN101788515A (zh) 一种应用电化学阻抗原理检测细菌的方法及微流控芯片
CN108593910A (zh) 基于微球载体的粒子检测系统及方法
RU2424320C2 (ru) Устройство и способ измерения концентраций молекул через барьер
US20130130243A1 (en) Method and device for detecting and quantifying an analyte with recycling of the reagents
CN102305866B (zh) 快速诊断急性心肌梗死的检测装置
JP2002345451A (ja) 微生物検出装置及び微生物の検出方法
CN102360009A (zh) 用于生理体液多指标联合检测的半导体芯片及系统
US20230073771A1 (en) System and method for label-free single molecule detection
CN105675876A (zh) 一种Ficolin-3电化学免疫传感器及其制备与应用
KR102395598B1 (ko) 분석물질 검출장치 및 이를 이용한 검출방법
KR102244375B1 (ko) 입자와 용액의 동시 이동에 의한 분석물질을 검출하는 장치 및 이를 이용한 검출방법
CN207991930U (zh) 微纳粒子检测系统
CN105874320B (zh) 用于纳米流体生物传感器的气体排空系统